JP2007250661A - 波長可変レーザの発振モード安定化方法 - Google Patents

波長可変レーザの発振モード安定化方法 Download PDF

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Seuk Hwan Chung
錫煥 鄭
Takaaki Kakitsuka
孝明 硴塚
Shinji Matsuo
慎治 松尾
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Abstract

【課題】多モード発振を防ぎ、単一モード発振波長可変範囲を拡大することを可能にした発振モード安定化方法の提供。
【解決手段】フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔Δλを所望の波長可変領域Δλよりも大きくした。また、波長フィルタの光路長差をチャープ変調(チャーピング)する際に、チャーピングによる主モードに対する隣接モード抑圧比、活性層の光閉じ込め係数、活性層長などと、所望の波長可変領域Δλとを、所定の関係になるように設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、光波の干渉作用を用いた波長フィルタを発振モードの選択に用い、かつ半導体光増幅器を活性層として使用した波長可変レーザの発振モード安定化方法に関する。
波長多重光ネットワークにおいて、特にフォトニックルーティング処理を行うためには高速かつ安定に動作する波長可変レーザが必要不可欠である。これまで、様々な方式の波長可変レーザが報告されてきているが、発振モードの安定性および波長可変動作制御の簡便性の観点から受動型発振モード選択フィルタと半導体光増幅器(SOA;semiconductor optical amplifier)を組み合わせた半導体レーザが活発に研究開発されてきた。この場合、図8から図13に示すように、発振モード選択フィルタとしてアレー導波路格子(AWG;arrayed waveguide grating)(非特許文献1)、マッハ・ツェンダー型フィルタ(非特許文献2)およびラダー干渉型フィルタ(非特許文献3)などが報告されている。
アレー導波路格子タイプの発振モード選択フィルタは、図8に示すように、入力導波路801、入力側スラブ導波路802、アレー導波路803、出力側スラブ導波路804および出力導波路805を有する。マッハ・ツェンダー型フィルタタイプの発振モード選択フィルタは、図9に示すように、入力導波路901、第1の光結合器902、光導波路903、第2の光結合器904および出力導波路905を有する。ラダー干渉型フィルタタイプの発振モード選択フィルタは、図10に示すように、入力ポート1001、電極1002、光結合器1003および出力ポート1004を有し、光結合器1003と導波路を介して梯子状に連結している。
この他、図11に示すように、共振周波数間隔の異なるリング共振器1102,1004を用いた発振モード選択フィルタ(非特許文献4)、または図12に示すように、櫛形フィルタスペクトルを示すサンプルドグレーティング(SG;sampled grating) 1201どうしを直列接続した発振モード選択フィルタ(非特許文献5)、或いは図13に示すように、超周期グレーティング(SSG;super-structure grating)1301どうしを直列接続した発振モード選択フィルタ(非特許文献6)の例も報告されている。
非特許文献1から非特許文献3に報告された波長フィルタの場合、いずれも周期的な透過帯域を有する。この場合、透過帯域どうしの波長間隔は自由スペクトル帯域幅(FSR;free-spectral range)と定義される。一方、非特許文献4から非特許文献6に報告されたリング共振器およびSG/SSGの場合には、周期的な透過帯域を有するものの、共振周波数の異なるフィルタどうしを直列接続すると、二つの波長フィルタそれぞれの共振周波数の最小公倍数に当たる波長間隔でFSR(自由スペクトル帯域幅)が定まる。つまり、いずれの場合もFSRごと周期的透過帯域を有する。このように、発振モード選択フィルタが複数の周期的透過帯域を有する場合には、そのFSRがSOA(半導体光増幅器)の利得帯域よりも狭くなると、複数の波長で同時発振することが危惧される。従って、このような多モード発振を防止するためには、発振モード選択フィルタにおける所望の透過帯域のみで、波長可変範囲内でレーザ発振に必要な最低のしきい利得が得られるようにしなければならない。しかし、そのようにすると、適用できる単一モード発振波長可変範囲が制限され、広帯域波長範囲にわたり、多モード発振を起こすことなく、安定な単一モード動作を得ることは困難となる。
B. Glance et al,"Applications of the integrated waveguide grating router, Journal of Lightwave Technology,Vol.12,pp.957-962 M. R. Paiam et al,"A 12-channal phased-array wavelength multiplexer with multimode interference couplers", IEEE Photonics Technology Letters,Vol.10,No.2,February 1998,pp.243-243 S. Matsuo et al,"Digitally tunable laser using ladder filter and ring resonator, Proc. European Conference on Optical Communication (ECOC), TH.1.2.3, September 2003,pp.884-885 B. Liu et al,"Wide tunable double ring resonator coupled laser", IEEE Photonics Technology Letters,Vol.14,No.5,May 2002,pp.600-602 V. Jayaraman et al,"Theory, design, and performance of extended tuning range semiconductor laser with sampled grating", IEEE Journal of quantum electronics,Vol.29,1993,pp.1824-1834 H. Ishii et al,"Multiple phase shift super structure grating DBR lasers for broad wavelength tuning", IEEE Photonics Technology Letters,Vol.5,1993,pp.613-615
本発明は、従来技術の上述のような課題に鑑みてなされたもので、その目的は、受動型発振モード選択フィルタを用いる波長可変レーザにおいて、多モード発振を防ぎ、かつ単一モード発振波長可変範囲を拡大することを可能にする発振モード安定化方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、光波の干渉作用を用いた波長フィルタを発振モード選択素子として用い、半導体光増幅器を活性層として使用した波長可変レーザの発振モード安定化方法において、前記波長フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔(Δλ)を所望の波長可変領域(Δλ)よりも大きくなるように設定したことを特徴とする。
また、本発明は、光波の干渉作用を用いた波長フィルタを発振モード選択素子として用い、半導体光増幅器を活性層として使用した波長可変レーザの発振モード安定化方法において、前記波長フィルタにおける透過帯域の周期性を解消して単一モード発振可能な波長可変範囲を増大させるため前記発振モード選択フィルタ素子の光路長差をチャープ変調(チャーピング)する際に、それぞれ前記波長フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔をΔλ、所望の波長可変領域をΔλ、チャーピングを用いて導入した、主モードに対する隣接モード抑圧比をER、利得ピークにおける利得係数の波長に対する2回微分値をg"λ、活性層の光閉じ込め係数をΓ、活性層長をLとした場合に、それらの関係が次式
ER/(10log(e) ΓLg"λΔλ)+Δλ>Δλ
となるように設定したことを特徴とする。
ここで、前記波長フィルタが、アレー導波路格子、ラダー干渉型フィルタ、またはマッハ・ツェンダー干渉型フィルタのいずれか1つであることを特徴とすることができる。
また、前記波長フィルタが、共振周波数間隔の異なるリング共振器を用いた発振モード選択フィルタ、櫛形フィルタスペクトルを示すサンプルドグレーティングどうしを直列接続した発振モード選択フィルタ、または超周期グレーティングどうしを直列接続した発振モード選択フィルタのいずれか1つであることを特徴とすることができる。
本発明によれば、AWG、ラダー干渉型フィルタおよびマッハ・ツェンダー型フィルタなどを発振モード選択素子として用いる波長可変レーザにおいて、フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔Δλを所望の波長可変領域Δλよりも大きくし、あるいは波長フィルタの光路長差をチャープ変調(チャーピング)する際に、チャーピングによる主モードに対する隣接モード抑圧比、活性層の光閉じ込め係数、活性層長などと、所望の波長可変領域Δλとを、所定の関係になるように設定することで、広帯域波長範囲にわたり、多モード発振を起こすことなく、安定な単一モード動作が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1の(A)、(B)に受動型発振モード選択フィルタを用いた波長可変レーザの構造を示す。図1(A)に示す波長可変レーザ発振器は、ファブリ・ペロー(Fabry-Perot )共振構造のもので、第1の反射鏡101、発振モード選択フィルタ素子102、光導波路103、利得媒質(SOA:半導体光増幅器)104、および第2の反射鏡105をこの順序で配置している。図1(B)に示す波長可変レーザ発振器は、光結合器107、発振モード選択フィルタ素子102、利得媒質(SOA)104を、光導波路103を介してリング状に連結している。この場合、発振モード選択フィルタ素子102としては、図8〜図10を用いて上述したAWG、マッハ・ツェンダー型フィルタ、あるいはラダー干渉型フィルタなどを用いることができる。図1(A)のファブリ・ペロー共振構造の波長可変レーザ発振器でも、或いは図1(B)のリング共振構造の波長可変レーザ発振器でも、同様なレーザ発振動作を得ることができる。
通常、注入キャリア密度に対するSOA104の材料利得(g)は次式(1)のように近似することができる。
Figure 2007250661
ここで、NおよびNはそれぞれ注入キャリア密度および透明キャリア密度を表す。λはバンドフィリング効果による利得ピークの波長シフトを表す項であり、次式(2)、(3)のように定義される。
Figure 2007250661
また、g’およびg”λはそれぞれ次式(4)、(5)にように定義される。
Figure 2007250661
上式(1)により求められた注入キャリア密度に対するSOA104の材料利得特性を図2に示す。SOA104はInP系化合物半導体の多重量子井戸構造であり、Cバンド領域で利得が得られるようになっている。図2に示すように、SOA104の材料利得は光波長に対して一定ではなく、波長依存性を有する。つまり、これは、発振モード選択フィルタ素子102は周期的透過帯域を有するものの、SOA104における利得の波長依存性のために、それぞれの透過帯域における閾値利得が等しくないことを意味する。この場合、閾値キャリア密度(Nth)は次式(6)のように表される。
Figure 2007250661
ここで、gthは閾値利得を表すパラメータである。
通常、AWG、マッハ・ツェンダー型フィルタやラダー干渉型フィルタの場合で、所望の中心透過海域が回折次数mにより定まる場合には、m+1およびm−1により決まる透過帯域はそれぞれ所望の透過帯域の短波長側および長波長側へFSRだけ離れた波長に位置する。回折次数mにより定まる中心透過帯域波長をλと定義すると、m+1およびm−1により決まる透過帯域波長λm+1およびλm-1は次式(7)、(8)のように表される。
Figure 2007250661
ここで、ΔλFSRはFSRの波長範囲を表すパラメータである。
発振モード選択フィルタ素子102のλが利得ピーク波長に一致する場合には、λでレーザ発振に必要となる閾値利得gth(m)が得られる。一方、λm+1およびλm-1での閾値利得gth(m+1)およびgth(m-1)は次式(9)、(10)のように決まる。
Figure 2007250661
ここで、Δgは隣接透過帯域間の閾値利得差を表すパラメータである。従って、式(1)〜(10)の関係から、m+1、mおよびm−1により決まるフィルタ透過帯域で、レーザ発振に必要となる閾値キャリア密度Nth(m+1)、Nth(m)およびNth(m-1)はそれぞれ次式(11)、(12)、(13)のように表される。
Figure 2007250661
波長可変レーザにおいて、発振モード選択フィルタ素子102の所望の透過帯域でレーザ発振を得るためには、波長可変動作の際に次式(14)、(15)の条件を満たすことが必要不可欠となる。
Figure 2007250661
上式(14)および(15)は、それぞれ所望の発振波長よりも短波長側および長波長側でのレーザ発振を防ぐための条件である。つまり、上式(14)および(15)を同時に満足する波長範囲で多モードレーザ発振を防ぐことが可能となる。この場合、図2に示す利得スペクトルの波長依存性の関係から、上式(14)および(15)を満たすλはそれぞれ次式(16)、(17)のように決まる。
Figure 2007250661
従って、発振モード選択フィルタ素子102を用いる波長可変レーザにおける連続波長可変範囲Δλはλmax−λminとなり、次式(18)のように表される。
Figure 2007250661
上式(18)は、発振モード選択フィルタ素子102の連続波長可変範囲Δλは、少なくともΔλFSR以上になり、周期的透過帯域間の閾値利得差Δgに比例してΔλが増大することを意味する。この場合、Δgは次式(19)のように表すことができる。
Figure 2007250661
ここで、ERは発振モード選択フィルタ素子102において、チャーピングを用いて導入した主モードに対する隣接モード抑圧比、すなわち、λのフィルタ透過率に対するλm+1およびλm-1でのフィルタ透過率との消光比であり、単位は[dB]である。上式(19)中の10log(e)は1cm-1=10log(e)dB/cmの関係を表す定数である。ΓおよびLはそれぞれSOA104のモード閉込係数および相互作用長を表し、Lの単位は[cm]である。
図10で示したラダー干渉型フィルタにおける透過率スペクトル特性を図3に示す。通常、発振モード選択フィルタ素子102が周期的透過帯域を有する場合には、それぞれの透過帯域における透過率は等しくなるため、ERの値は0となり、上式(19)で定義したΔgも0となる。即ち、周期的透過帯域を有する発振モード選択フィルタ素子102を用いた波長可変レーザの場合には、上式(18)のΔλは、次式(20)のように表される。
Figure 2007250661
ΔλFSRがそれぞれ10nm,20nmおよび30nmとなる発振モード選択フィルタ素子102を用いた波長可変レーザにおいて、光波長に対する閾値キャリア密度Nth(m+1)、Nth(m)およびNth(m-1)を図4の(A),(B),(C)に示す。図4の(A)、(B)および(C)はそれぞれΔλFSR=10nm、20nmおよび30nmの場合の特性である。この場合、所望の透過帯域(m)で発振モードホップが生じない波長可変範囲は、Nth(m)のキャリア密度が最低になる波長範囲Δλになる。図4に示すように、その波長範囲Δλはそれぞれ(A)10nm、(B)20nmおよび(C)30nmとなり、上式(20)に合致する。
[第2の実施形態]
次に、図5〜図7を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。本発明の第1の実施形態で説明したように、AWG、マッハ・ツェンダー型フィルタおよびラダー干渉型フィルタなどを発振モード選択素子102として用いる波長可変レーザの場合には、周期的透過帯域により、波長可変領域Δλが、FSR(自由スペクトル帯域幅)の波長範囲を表すパラメータであるΔλFSR程度に制限されてしまう(上式(20)参照)。従って、Δλを増大するためには、ΔλFSRを増大するしかならなくなる。非特許文献4から非特許文献6に報告された波長フィルタの場合では、2つの波長フィルタの共振周波数の差分を小さくすることにより、ΔλFSRの増大が可能になる。しかし、非特許文献1から非特許文献3に報告された波長フィルタの場合には、フィルタのΔλFSRを広げる設計を行うと、フィルタの相互作用長を増大しない限り、必然的に透過帯域幅も広がってしまうため、レーザの閾値利得の増大や副モード抑圧比(SMSR;side-mode suppression ratio)の低下が懸念される。
一方、上式(18)に示すように、周期的透過帯域間の閾値利得差Δgを増大させれば、ΔλFSRを一定値に保持したまま、Δλを増大させることが可能となる。Δgを増大させるためには、上式(19)に示すように、消光比ERを増大させるか、SOAのモード閉じ込め係数Γ或いはSOAの相互作用長Lを減少させれば良い。但し、Δgに対するΓおよびLの反比例関係はERが0以上になっている場合に限られる。
ERを増大させるためには、発振モード選択フィルタにおける透過帯域の周期性を解消することが必要不可欠となる。通常、AWG、ラダー干渉型フィルタおよびマッハ・ツェンダー型フィルタのような光干渉作用を用いた発振モードフィルタ素子は、光干渉計内部の位相変化をもたらす光路長差をチャープ変調(チャーピング)することにより、所望の波長領域のみ透過帯域を有し、それ以外の不要な波長領域での透過帯域はすべて打ち消し合わせることができ、単一透過帯域化が可能となる。
図5にチャーピングを施したラダー干渉型フィルタにおける波長スペクトル特性(実線で表す)を示す。ここで、破線はチャーピングを施していない場合の波長スペクトル特性である。チャーピングにより所望の透過帯域に隣接する不要な透過帯域を10.3dB抑圧されている。この際、チャーピングによる所望および不要な透過帯域との消光比はチャーピング条件に依存する。
発振モード選択フィルタのチャーピングによる消光比ERに対する周期的透過帯域間の閾値利得差Δgを図6に示す。この場合、SOAのモード閉じ込め係数Γは0.08と一定である。図6に示すように、ERが増大すればするほど、Δgが線形的に増大し、上式(18)に示されているように、Δλが増大するほか、SOAの相互作用長Lを減少させることにより、Δgの増大効果が顕著になることが分かる。
それぞれ異なるLを有する発振モード選択フィルタ素子を用いた波長可変レーザにおいて、光波長に対する各透過帯域における閾値キャリア密度を図7の(A),(B),(C)に示す。発振モード選択フィルタのΔλFSRは30nm、チャーピングによるERは10.3dBである。図7の(A),(B),(C)は、それぞれL=1200μm、600μmおよび400μmの場合を示している。図7の(A),(B),(C)に示すように、Lが短縮されるにつれて、閾値キャリア密度gthが減少し、レーザ発振に必要なNth(m)が増大するものの、上式(19)に示すΔgの増大により波長可変レーザの波長可変領域Δλが増大する。この場合、Δλは図7の(A)で38nm、図7の(B)で46nmおよび図7の(C)で55nmとなり、この結果、Lが600μm以下になれば、Cバンド領域だけでなく、利得スペクトルの適正化により、Lバンド領域をカバーすることも可能になる。
また、上式(19)から、SOA(利得媒質)104の相互作用長Lの代わりに、そのモード閉じ込め係数Γを減少させることによっても、多モードレーザ発振を起こさないで波長可変範囲を増大させることができることは言うまでもない。
本実施形態における上記の論点をまとめると、次の通りになる。すなわち、光干渉計内部の位相変化をもたらす光路長差をチャープ変調(チャーピング)する際に、それぞれ波長フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔をΔλ、所望の波長可変領域をΔλ、チャーピングを用いて導入した、主モードに対する隣接モード抑圧比(すなわち主モード(λm)のフィルタ透過率に対する隣接モード(λm+1およびλm−1)でのフィルタ透過率との消光比)をER、利得ピークにおける利得係数の波長に対する2回微分値をg"λ、活性層の光閉じ込め係数をΓ、活性層長をLとした場合に、それらの関係が、上式(16)〜(19)から導かれる、次式(21)となるように設定すれば、波長フィルタにおける透過帯域の周期性を解消して、単一モード発振可能な波長可変範囲を増大させることができる。
ER/(10log(e) ΓLg"λΔλ)+Δλ>Δλ (21)
(他の実施の形態)
上記では、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明の実施形態は上記例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内であれば、その構成部材等の置換、変更、追加、個数の増減、形状の設計変更等の各種変形は、全て本発明の実施形態に含まれる。例えば、本発明に係るフィルタ等を同一基板上に集積化したデバイスでも、フィルタを例えば光ファイバを使って接続するなど外部に設けた構成のシステムでも本発明の実施形態に含まれる。
本発明の第1の実施形態に係わる光干渉作用に基づく波長可変フィルタを発振モード選択素子として用いる波長可変フィルタの概略図であって、(A)はファブリ・ペロー型レーザキャビティを表すブロック図、(B)はリング共振型レーザキャビティを表すブロック図である。 多重量子井戸を用いる半導体光増幅器の材料利得スペクトル特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施形態に係わるラダー干渉型フィルタのスペクトル特性を示す特性図である。 本発明の第1の実施形態に係わる波長可変レーザにおいて、受動型発振モード選択フィルタのFSRが(A)10nm、(B)20nmおよび(C)30nmの場合に、それぞれの周期的透過帯域における閾値キャリア密度Nth(m+1)、Nth(m)およびNth(m-1)を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係わるチャープ変調(チャーピング)を施したラダー干渉型フィルタのスペクトル特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態に係わる発振モード選択フィルタ素子のチャーピングによる消光比に対する周期的透過帯域間の閾値利得差Δgを示す特性図である。 本発明の第2の実施形態に係わるチャーピングを施した発振モード選択フィルタを用いる波長可変レーザにおいて、半導体光増幅器の相互作用長が(A)1200μm、(B)600μmおよび(C)400μmの場合の、それぞれの周期的透過帯域における閾値キャリア密度Nth(m+1)、Nth(m)およびNth(m-1)を示す特性図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の一例であるアレー導波路格子(AWG;arrayed waveguide grating)の構造を概念的に示す説明図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の他の例であるマッハ・ツェンダー型フィルタの構造を概念的に示す説明図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の他の例であるラダー干渉型フィルタの構造を概念的に示す説明図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の別の例である直列接続されたリング共振型フィルタの構造を概念的に示す説明図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の別の例であるサンプルドグレーティングの構造を概念的に示す説明図である。 従来技術に係わる発振モード選択フィルタ素子の別の例である超周期グレーティングの構造を概念的に示す説明図である。
符号の説明
101 第1の反射鏡
102 発振モード選択フィルタ素子
103 光導波路
104 利得媒質(SOA)
105 第2の反射鏡
107 光結合器
801 入力導波路
802 入射側スラブ導波路
803 アレー導波路
804 出射側スラブ導波路
805 出力導波路
901 入力導波路
902 第1の光結合器
903 光導波路
904 第2の光結合器
905 出力導波路
1001 入力ポート
1002 電極
1003 光結合器
1004 出力ポート
1101 入力導波路
1102,1104 リング共振器
1105 出力導波路
1201 サンプルドグレーティング
1301 超周期グレーティング

Claims (3)

  1. 光波の干渉作用を用いた波長フィルタを発振モード選択素子として用い、半導体光増幅器を活性層として使用した波長可変レーザにおいて、
    前記波長フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔(Δλ)を所望の波長可変領域(Δλ)よりも大きくなるように設定したことを特徴とする波長可変レーザの発振モード安定化方法。
  2. 光波の干渉作用を用いた波長フィルタを発振モード選択素子として用い、半導体光増幅器を活性層として使用した波長可変レーザにおいて、
    前記波長フィルタにおける透過帯域の周期性を解消して単一モード発振可能な波長可変範囲を増大させるため前記発振モード選択フィルタ素子の光路長差をチャープ変調(チャーピング)する際に、それぞれの前記波長フィルタの主モードと隣接モードとの波長間隔をΔλ、所望の波長可変領域をΔλ、チャーピングを用いて導入した、主モードに対する隣接モード抑圧比をER、利得ピークにおける利得係数の波長に対する2回微分値をg"λ、活性層の光閉じ込め係数をΓ、活性層長をLとした場合に、それらの関係が次式
    ER/(10log(e) ΓLg"λΔλ)+Δλ>Δλ
    となるように設定したことを特徴とする波長可変レーザの発振モード安定化方法。
  3. 前記波長フィルタが、アレー導波路格子、ラダー干渉型フィルタ、またはマッハ・ツェンダー干渉型フィルタのいずれか1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の波長可変レーザの発振モード安定化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010050162A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体波長可変レーザ

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JP2010050162A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体波長可変レーザ

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