JP2007250405A - 双極型二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材を加熱接着した場合であってもセパレータの収縮およびこれに起因する電池内での応力の発生が最小限に抑制され、信頼性の高い電池を提供すること。
【解決手段】集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成された複数の双極型電極16と、正極と負極とが対向するように積層された前記双極型電極の間に配置された、セパレータ14に電解質が保持されてなる電解質層と、前記双極型電極の周囲に配置したシール部材18と、を含む双極型二次電池10であって、前記シール部材を構成する材料が、加熱により接着される樹脂を含み、前記シール部材の加熱接着温度における前記セパレータの熱収縮率が5%以下である双極型二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、双極型二次電池、該双極型二次電池を複数個接続した組電池、これらを搭載した車両に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車などの導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。ただし、上記したような各種自動車のモータ駆動用電源に適用するためには、大出力を確保するために、複数の単電池層を直列に接続して用いる必要がある。このような電池は双極型(バイポーラ型)と呼ばれ、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるものとして期待されている。
このうち、電解質層に溶液を含まない高分子固体電解質を用いてなる双極型二次電池が提案されている。これによれば、電池内に溶液(電解液)を含まないため、液漏れやガス発生の心配がなく、信頼性が高く、また構造的にも密閉シールが不要な双極型二次電池を提供できるものである。しかしながら、高分子固体電解質のイオン伝導度は、後述の高分子ゲル電解質と比べると低く、通常の使用環境では、電池の出力密度やエネルギー密度が十分でなく、実用化段階に至っていないのが現状であり、更なるイオン伝導度の向上が待たれている。
一方、電解質層に電解液を含む高分子電解質を用いてなる双極型二次電池が提案されている。電解液を含む高分子電解質、即ち、高分子ゲル電解質を電解質層に用いれば、イオン伝導度に優れ、電池の出力密度やエネルギー密度も十分に得られるため、かような電池は実用化段階に最も近い双極型二次電池として期待されている。
電解質に高分子ゲル電解質を用いた場合、電解質部分から、電解液が染み出し、他の単電池層の電極や電解質層と接触し、液絡(短絡)を起こすという問題が生ずる。このため、通常、双極型電極の周囲にはシール部材が設けられ、液絡を防止している。例えば、特許文献1では、シール部材としてフッ素樹脂ゴム等を用いた積層体を用いたリチウム二次電池が提案されている。また特許文献2では、電池単位の周囲を覆うポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような絶縁体を有する双極型二次電池が開示されている。
特開平9−232003号公報 特開平11−204136号公報
しかしながら、上記の形態のように、シール部材を構成する材料として加熱により接着する樹脂(例えば熱硬化型樹脂)を使用すると、シール部材を加熱接着する際、電解質を保持しているセパレータが加熱によって熱収縮してしまう。これは、従来セパレータに一般的に用いられるポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)に起因すると考えられる。熱収縮が生じる原因の詳しいメカニズムは明らかでないが、従来セパレータに使用されていたポリプロピレン、ポリエチレンでは融点が150℃近辺であり、その温度に近づくにつれ流動が始まる。セパレータは内部に隙間を有する構造であるため温度が上がると樹脂の流動が始まり、隙間を埋め始め、セパレータとして全体が収縮すると考えられる。このようなセパレータの収縮により電池に応力が発生するが、このような応力は電池にゆがみを与え、製造の上でも、また長期使用時の耐久性の上でも好ましくない。
したがって、本発明が目的とするところは、シール部材を加熱接着した場合であってもセパレータの収縮およびこれに起因する電池内での応力の発生が最小限に抑制され、信頼性の高い電池を提供することである。
本発明は、集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成された複数の双極型電極と、正極と負極とが対向するように積層された前記双極型電極の間に配置された、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層と、前記双極型電極の周囲に配置したシール部材と、を含む双極型二次電池であって、前記シール部材を構成する材料が、加熱により接着される樹脂を含み、前記シール部材の加熱接着温度における前記セパレータの熱収縮率が5%以下であることを特徴とする双極型二次電池である。
本発明の双極型二次電池によれば、シール部材を加熱接着した場合であってもセパレータの収縮およびこれに起因する電池内での応力の発生が最小限に抑制され、信頼性の高い電池が提供される。さらに本発明の双極型二次電池、またはこれを複数接続した組電池を、自動車や電車などの車両に適用することにより、高寿命で信頼性の高い車両が提供される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面には各構成要素が誇張して示されている場合もある。
(第1実施形態:双極型二次電池)
図1は本発明を適用した双極型二次電池の構造を示した断面図である。
本発明の双極型二次電池10は、両端部以外の集電体11の両面中央に正極活物質層12および負極活物質層13がそれぞれ形成されており、この集電体11の正極活物質層12と負極活物質層13との間にセパレータ14を挟んで単電池層15が構成され、この単電池層15が複数積層された構造を持つ。集電体11の片面に正極活物質層12が形成され、他面に負極活物質層13が形成されたものを双極型電極16という。なお、両端部にある集電体(端部集電体17と称する)は、この双極型二次電池全体の電極と接続される。
また、セパレータ14と双極型電極16とが交互に積層され、単電池層15の周囲にシール部材18が配置されて、電池要素20が形成されている。
電池要素20には、電流を引き出すための電極タブ30a、30bが接続されている。電極タブ30a(正極タブ)は、電池要素20の正極側に接続され、電極タブ30b(負極タブ)は、負極側に接続される。電池要素20は、外装40により密閉されている。
外装40は、2枚のラミネートシート41により形成されている。ラミネートシート41は、アルミニウム層の両面が樹脂層で被覆された三層構造を有する。少なくとも一方のラミネートシート41は、電池要素20を内包する空間を設けるために、中空状に加工されている。ラミネートシート41の縁は、熱融着等により接着される。これにより、外装40の内部に、電池要素20が密閉される。
以下、本発明の双極型二次電池を構成要素ごとに説明する。
[シール部材]
シール部材は、単電池層の周囲に配置され、単電池層と外部との接触を遮断する機能を有する。これにより、液体やゲル状の電解質を使用する場合に生じうる液絡が防止されうる。また、空気、または空気中に含まれる水分と活物質との反応も抑制されうる。
本発明では、シール部材を構成する材料として、「加熱により接着される樹脂」を用いる。こうした加熱接着が可能なシール用樹脂をシール部材の構成材料として用いることで、特に、電解液の漏れ出しによる液絡(短絡)を集電体との加熱接着により防ぐことができる。これは熱接着時の加圧が不十分な場合でも、熱接着による接着さえ十分に行われていれば液絡を防止できるという点でも有利である。
本発明において、シール部材の加熱接着温度は、特に制限されるものではないが、本発明の効果が顕著に得られるのは、シール部材の加熱接着温度が70℃以上である場合である。当該温度がこの範囲であれば、シール部材が良好に接着し、液絡が防止できるとともに、セパレータの収縮が最小限に抑制され、電池の長期信頼性が向上するため好ましい。
さらに本発明においては、シール部材の加熱接着温度が、100℃以上であることがより好ましい。加熱接着温度が、100℃以上である場合、シール性をより向上させることが可能となる。また、高温で電極を保存した場合であっても、放電容量が維持されるという点でも好ましい。
本発明のシール部材の構成材料として用いられる「加熱により接着される樹脂」としては、上記シール部材として双極型二次電池のあらゆる使用環境下にて、優れたシール(電解液の染み出しを防止)効果を発揮することができるものであれば特に制限されず、用途によって必要となる条件に見合うものを適宜選択することができる。すなわち、シール部材の構成材料は加熱により化学的な反応を伴い硬化する熱硬化型の樹脂でもよいし、加熱することで樹脂が溶解し、常温に戻すことで再度固化する熱可塑型の樹脂でもよい。
中でも、本発明に用いられるシール部材を構成する材料として、熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。熱硬化型の樹脂は、硬化前の状態が液状であることから、取り扱いが簡便で、また製造工程を簡素化できるという点で有利である。熱硬化型樹脂は、優れたシール効果を発揮することができるものであれば特に制限されないが、好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、およびポリウレタンからなる群から選択される一以上の樹脂が用いられる。これらの樹脂は電解質に対して化学的安定性を有し、シールの信頼性が向上するため、より好ましい。
本発明のシール部材は、上記の材料を必須の構成成分として含むが、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば加圧によって接着されるシリコーン系、オレフィン系、フッ素系、ニトリル系等のゴム等が挙げられる。
本発明のシール部材は、加熱により接着されるが、シール性の向上のため加圧操作を加えることも可能である。
[セパレータ]
本発明で用いられるセパレータは、前記シール部材の加熱接着温度において、熱収縮率が5%以下である。熱収縮率が5%より大きいと、電池内に発生する応力が高まり、電池にゆがみが生じやすくなるため、電池の長期信頼性に影響を与えるおそれがある。熱収縮率は、電池内に発生する応力を考慮すれば、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
熱収縮率の測定はある規定の大きさのセパレータを、シール部材として用いられる材料の加熱接着温度に加熱し、加熱後のセパレータの面積を計測し、比較することで簡単に算出することができる。すなわち熱収縮率は以下の式で算出される。
Figure 2007250405
本発明に用いられるセパレータは、上記の要件を具備する限り、特に制限されず、微多孔膜セパレータ、不織布セパレータのいずれであってもよい。
本発明で使用できる不織布セパレータとしては、例えば、繊維を絡めてシート化したものを用いることができる。また、加熱によって繊維同士を融着することにより得られるスパンボンドなども用いることができる。すなわち、繊維を適当な方法でウェブ(薄綿)状またはマット状に配列させ、適当な接着剤あるいは繊維自身の融着力により接合して作ったシート状のものであればよい。使用する繊維としては、特に制限されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができる。
本発明においては、中でも、セパレータは微多孔膜であることが好ましい。微多孔膜は、膜の面方向に対して垂直方向にしか孔が開いておらず、シール部材から面方向(横方向)の漏れ出しがなく、容易にシールをすることが可能となり、さらに高温で保存した場合であっても放電容量が維持されるので、好ましい。
上記微多孔膜の微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが好ましい。微多孔膜の微細孔の平均径が、上記範囲にあることで過充電により生ずる熱によって微多孔膜が溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起き、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスが発生して電池外装材の熱融着部(シール部材)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
上記微多孔膜の空孔率は20〜50%であることが好ましい。微多孔膜セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる液絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここで微多孔膜セパレータの空孔率とは、原材料樹脂の密度と最終製品の微多孔膜セパレータの密度とから体積比として求められる値である。
上記微多孔膜としては、例えば、電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔膜セパレータなど)などを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔膜セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
上記ポリオレフィン系微多孔膜セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造からなる積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
上記微多孔膜の厚みは、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。電気自動車(EV)や燃料電池自動車やこれらのハイブリッド車などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、電池の薄膜化の観点から、単層あるいは多層で1〜60μmであることが望ましい。微多孔膜の厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する液絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが好ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが好ましい。
本発明のセパレータに用いられる樹脂は、前記加熱接着温度において、最終形態のセパレータの熱収縮率が5%以下であれば、特に限定されるものではないが、好ましくは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリロニトリル(PAN)、およびアラミドからなる群から選ばれる一以上の樹脂である。このような樹脂材料を用いることで熱収縮の少ないセパレータとすることが可能となり、収縮率が低いことで、電池内に応力が発生せず、電池にゆがみが生じないため、長期信頼性が向上する。これらの樹脂は使用目的に応じて一種または二種以上を用いることができる。セパレータを形成する全樹脂のうち、上記樹脂が50質量%〜100質量%含まれることが好ましい。
本発明においては、上記セパレータが、電池要素における双極型電極の積層方向から見て電体の外側まではみ出していることが好ましい。セパレータが集電体よりも大きいことで、仮にシール材の接着の際の加熱によってセパレータが収縮したとしても、集電体同士が接触することが防止でき、信頼性の高い電池を構成することが可能となる。はみ出すセパレータの大きさは前記計算されたセパレータの収縮後の面積が集電体よりも大きく、かつ電池の大きさをなるべく小さくする観点から数ミリ程度はみ出す程度が好ましい。具体的にはセパレータの収縮後の面積が集電体よりも大きく、集電体からセパレータが各辺で2mm程度はみ出すのが好ましい。さらに好ましくは1mm程度であるが、セパレータと集電体の貼り合わせの精度によって決定されるべきである。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが挙げられるが、中でも正極、負極両電位に耐えうる集電体とするためには、ステンレス箔が好ましく、その中でもMo成分を有するSUS316Lが好ましい。
また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、二つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。
さらに、本発明で用いることのできる集電体としては、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、所望の形状に製膜して形成したものを利用することもできる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダ(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものである。これら金属粉末は一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよいし、さらに、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
前記バインダとしては、特に制限されるべきものではなく、たとえば、エポキシ樹脂など、従来公知の樹脂バインダ材料を用いることができるほか、導電性高分子材料を用いても良い。なお、ここでいう導電性高分子とは高分子材料と導電性を付加する為の導電性フィラーとで構成されているフィラー分散型導電性高分子、高分子材料自体が導電性を有する導電性ポリマー両方を含む。導電性高分子材料を用いた集電体を用いることで軽量化が可能になり、また正極、負極両電位に耐えうる集電体にできるため、好ましい。
集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
[電解質層]
電解質層は、イオン伝導性を有する高分子から構成される層である。電解質は、イオン伝導性を示すのであれば、液体電解質、高分子ゲル電解質のいずれも用いることができる。
中でも、高分子ゲル電解質を用いることが好ましい。電解質としてゲル電解質を用いることにより液体電解質と比べて漏液を防止することが可能となり、信頼性の高い双極型二次電池を構成できる。高分子ゲル電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来の高分子ゲル電解質層に用いられているものを適宜利用することができる。ここで、高分子ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。具体的には、イオン伝導性を有する高分子(全固体高分子電解質)に、通常リチウムイオン二次電池で用いられる電解液を含んだもの、リチウムイオン伝導性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれる。
上記高分子ゲル電解質のポリマーマトリックスとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、PAN、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が好ましい。
このうち、イオン伝導性を有する高分子としては、PEO、PPO、これらの共重合体のようなポリアルキレンオキシド系高分子などの公知の固体高分子電解質が挙げられる。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
上記リチウムイオン伝導性を持たない高分子としては、例えば、PVDF、ポリビニルクロライド(PVC)、PAN、PMMAなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできる。ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン伝導性を持たない高分子として例示したものである。
上記高分子ゲル電解質に含まれる電解液としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、リチウム塩(支持塩)と有機溶媒やイオン性液体等の溶媒とを含むものなどを用いることができる。
具体的には、支持塩としてのリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、LiB10Cl10、LiTFSI、LiFSI、LiBETI、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩などが挙げられ、これらを単独、または組み合わせて用いることができる。これらのリチウム塩の中でも、支持塩としてLiBF、LiTFSI、LiFSI、LiBETI、LiBOBのいずれかを含むことが、高耐熱性を付加するために、より好ましい。
有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。
イオン性液体は、特に限定されるものではないが、イオン性液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン等のアミジニウムカチオン、イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、等のグアニジニウムカチオン、およびメチルジラウリルアンモニウム等の3級アンモニウムカチオン等が挙げられる。上記カチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
また、イオン性液体を構成するアニオンとしては、以下の有機酸、無機酸のアニオンが挙げられる。
有機酸としては、カルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、リン酸エステル、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)、ビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)などがあげられる。
無機酸としては、例えば、超強酸(例えば、ホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸等が挙げられる。)、リン酸およびホウ酸等が挙げられる。上記アニオンは、上記有機酸および無機酸の中から1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
本発明における高分子ゲル電解質中の電解液の割合は、使用目的などに応じて決定すればよく、特に制限されるべきものではない。イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%の範囲で好適に利用可能である。
これらの電解質をセパレータに保持してもよいし、高分子ゲル電解質を電極に含浸させてもよい。
電解質層の厚さは、所望の電解質性能を有効に発現できるものであればよく、特に限定されるものではない。しかしながら、コンパクトな双極型二次電池を得るためには、電解質層としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的には、10〜100μm程度である。
なお、電解質は、電池を構成する電解質層のほか、後述の正極および/または負極にも含まれ得る。電池を構成する電解質層、正極、負極によって異なる電解質を用いてもよいし、同一の電解質を使用してもよい。また各単電池層(の各構成部材)によって異なる電解質を用いてもよい。
[正極(正極活物質層)]
正極は、正極活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、電解質(例えば高分子ゲル電解質)などが含まれ得る。
このうち、正極活物質としては、特に制限されるものではなく、溶液タイプのリチウムイオン二次電池に使用可能なものを適宜利用することができる。好ましくは、容量、出力特性に優れた電池を構成できることから、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)である。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどを用いることもできる。
正極活物質の粒径は、双極型二次電池の電極抵抗を低減するために、双極型タイプでない溶液(電解液)系のリチウムイオン二次電池で用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。
上記電子伝導性を高めるための導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記イオン伝導性を高めるためのリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
正極における、正極活物質、導電助剤、バインダ、高分子ゲル電解質(ポリマーマトリックス、電解液など)等の電解質等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。例えば、正極内における高分子ゲル電解質の配合量が少なすぎると、正極内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における高分子ゲル電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう。したがって、これらの要因を考慮して、目的に合致した高分子ゲル電解質量を決定する。
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極層の厚さは10〜500μm程度である。
[負極(負極活物質層)]
負極は、負極活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、電解質(例えば高分子ゲル電解質)などが含まれ得る。
負極活物質の種類以外は、基本的に「正極(正極活物質層)」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、特に制限されるものではなく、双極型二次電池に使用可能なものを適宜利用することができる。具体的には、カーボン、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物などを用いることができるが、好ましくはカーボンまたはリチウム−遷移金属複合酸化物である。これらを用いることで、容量、出力特性(例えば、電池電圧が高くできるなど)に優れた電池を構成できるからである。なお、リチウム−遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム−チタン複合酸化物などを用いることができる。また、カーボンとしては、例えば、黒鉛、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラックなどを用いることができる。また、金属酸化物としては、例えば、チタン酸化物などの遷移金属酸化物などを用いることができる。
[電極タブ]
電極タブは、必要に応じて電流を取り出すために最外層の電極を構成する集電体に取り付けられる。用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよい。しかしながら、積層されてなる正極、負極、電解質層および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持し、更にはより確実にシール部材が接着できるようにするだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極タブでの内部抵抗を抑える観点からも、電極タブの厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
電極タブの材質は、通常の双極型二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金などを利用することができる。
電流取り出し用の正極側の電極タブ(正極タブ)と負極用の電極タブ(負極タブ)との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極側および負極側の電極タブは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
正極および負極タブは、正極および負極末端極の電極すべてを覆って構成されることが好ましい。このような構成とすることで双極型二次電池の電流を面で受けることが可能となり、電池の出力が向上する。
以上の、各要素および従来公知の外装材等を組み合わせて、本発明の双極型二次電池は従来公知の方法を適宜利用して製造される。
(第2実施形態:組電池)
第2実施形態では、上記第1実施形態の双極型二次電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図2は双極型二次電池の平面図、図3はケースに格納された双極型二次電池を示す三面図、図4は組電池を示す三面図である。
図2に示すように、双極型二次電池10を平面方向から見ると、正極タブ30aおよび負極タブ30bが両側に引き出されている。このような双極型二次電池10を、たとえば、図3に示すように、4枚重ねてケース50に格納する。図3では、正極タブ30a同士、負極タブ30b同士を同じ側に配置し、正極ターミナル51および負極ターミナル52により相互に接続されている。
双極型二次電池10が格納された電池ケース50を積層して、連結板61および固定ねじ62より一体化され、図4に示すような組電池60が形成される。組電池60では、各電池ケース50の正極ターミナル51同士および負極ターミナル52同士が、板状のバスバー63、64によりそれぞれ接続されている。
このように、複数の双極型二次電池が並列接続された組電池60が形成される。
この組電池60においては、双極型二次電池10を複数個接続する際の接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどを用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池60を製造することができる。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態に係る双極型二次電池10を用いて組電池化することで、高容量、高出力を得ることができ、しかも一つ一つの電池の信頼性が高いため、組電池としての長期的信頼性を向上させることができる。
また、上記のように少数の双極型二次電池10を接続するためのケースを用いることにより、多くの組電池種を製造せずに、多様な設計の組電池を構成できるので、製造コストを低減できる。
なお、組電池としての双極型二次電池10の接続は、上記のように並列接続に限られるものではない。複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせても良い。
(第3実施形態:車両)
第3実施形態では、上記第1実施形態の双極型二次電池10または第2実施形態の組電池60をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。双極型二次電池10または組電池60をモータ駆動用電源として用いる車両としては、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動している自動車がある。
参考までに、図5に、組電池60を搭載する自動車70の概略図を示す。自動車70に搭載される組電池60は、上記で説明した特性を有する。このため、組電池60を搭載してなる自動車は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以下の実施例および比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)双極型二次電池の作製
1.双極型電極の形成
A.正極
まず、正極活物質としてLiMn[85質量%]、導電助剤としてアセチレンブラック[5質量%]、バインダとしてPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒としてNMPからなる材料を上記比率にて塗布工程に最適な粘度になるまで混合して正極スラリーを作製した。上記NMPは、電極乾燥時にすべて揮発させて除去するので、電極の構成材料ではなく、適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。また、上記比率は、スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。
集電体であるSUS箔(厚さ20μm)の片面に上記正極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ乾燥させて、厚さ50μmの正極を形成した。
B.負極
まず、負極活物質としてハードカーボン[90質量%]、バインダとしてPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒としてNMPからなる材料を上記比率にて塗布工程に最適な粘度になるまで混合して負極スラリーを作製した。上記NMPは、電極乾燥時にすべて揮発させて除去するので、電極の構成材料ではなく、適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。また、上記比率は、スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。
正極を形成したSUS箔の反対面に、上記負極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ乾燥させて、厚さ50μmの負極を形成した。
集電体であるSUS箔の両面に正極と負極がそれぞれ形成されることにより、双極型電極が形成された。
これらの双極型電極を170×120(mm)に切り取り、正極、負極ともに外周部は20mmを剥がしとることにより、集電体であるSUS表面を露出させた(図6を参照)。
2.電解質層の形成
電解液として(1)イオン性液体として、イミダゾリウムカチオンとビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)アニオンから構成されるイオン性液体および1M LiTFSI、(2)PC−EC−DECを1:1:3で混合した溶液に1MとなるようにLiPFを溶解させた電解液、(3)等体積混合液であるPC−EC混合液に1MとなるようにLiPFを溶解させた電解液、のそれぞれ90質量%に、ホストポリマーとしてHFPポリマーを10質量%含むPVDF−HFPを10質量%、粘度調整溶媒としてDMCを塗布工程に最適な粘度になるまで添加し、3種のプレゲル電解質を作製した。これらの電解質のいずれかを両面の正極、負極電極部に塗布しDMCを乾燥させることでゲル電解質の染み込んだ双極型電極を完成させた。なお、各実施例に用いられた電解質の種類を表1および表2に示す。
3.シール部材前駆体の形成
双極型電極の正極周辺部の電極未塗布部分にディスペンサを用いて、図7のように電極の外周部にシール前駆体を塗布した。また、熱融着フィルムの場合は電極の外周部に熱融着フィルムを設置した。
次に180×130(mm)のセパレータを正極側の集電体であるSUS箔すべてを覆うように設置した。その後、スペーサの上から電極未塗布部分(前記シール前駆体を塗布した部分と同じ部分)にディスペンサを用いて、図8のように電極の外周部にシール前駆体を塗布した。また、熱融着フィルムの場合は同様に熱融着フィルムを設置した。
4.電極保持機構へのセット
以上で作成した双極型電極を負極面を上にした状態で、各電極が接触せずかつ電極の面方向に対して垂直方向にずれがなく電極およびシール部材位の外側をチャックすることのできる双極型電極保持機構に6枚セットした(図9を参照)。一番下の電極にはシール部材およびセパレータは設置せず、正極面に電解質を塗布しなかった。また、一番上の電極には負極面に電解質を塗布しなかった。
5.真空チャンバーへの導入
上記電極保持機構を積層部位および加圧、加熱プレス部位を有する真空チャンバー内に導入し、真空チャンバー内を真空ポンプにより真空にした(図10を参照)。
6.電極の積層
上記電極保持機構を下降させながら電極受け台上に前記双極型電極をずれのないように積層し(図11を参照)、真空中で単電池層が5積層された双極型二次電池構造体を作製した。
7.双極型二次電池のプレス
上記双極型二次電池構造体を真空中で電極受け台ごとプレス部位に移動し、熱プレス機により面圧1kg/cm、所定の接着温度で1時間熱プレスすることにより、電解質を可塑化させ電極間距離(正極−負極間)をセパレータの厚みまでプレスすると同時に未接着のシール部材を硬化した。この工程によりシール部材を所定の厚みまでプレス、さらに硬化を行うことが可能になる(図12を参照)。
8.真空チャンバーからの取り出し
上記真空チャンバー内をリークし、大気圧に戻した後に双極型二次電池構造体を取り出し、ゲル電解質型の双極型二次電池を完成させた。各実施例、比較例の条件および熱収縮率の測定結果を表1および表2に示す。
Figure 2007250405
Figure 2007250405
実施例1〜11までの電池は容易に試作することが可能であったが、比較例1、2の電池は完成後に電池がひずんでしまい電池として評価することができなかった。したがって、シール部材の加熱接着温度で非収縮のセパレータ材料を用いることで高精度の電池が、容易に形成できることがわかった。
(2)双極型二次電池の評価
<初回充放電評価>
実施例1〜11までの電池を正極の塗布重量から概算された容量ベースの1Cで2時間21Vまで定電流、定電圧充電を行った。その後、1Cで12.5Vまで放電し、各電池の放電容量を測定した。正極の塗布重量から概算された容量を100%としたときの各電池の容量を%で表3に示す。
Figure 2007250405
実施例1〜4では放電容量が順に増加しており、熱収縮率が小さくなればなるほど初回放電容量が増加した。熱収縮率が0%である実施例4〜11はほぼ同様の結果であった。電池の外観についても実施例1では多少のひずみが見られ、実施例2、3、4にいくほどそのひずみは小さかった。
したがって、シール部の接着温度においてセパレータの熱収縮率は小さいほど好ましいことがわかった。具体的には5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
<高温保存後の1C放電容量評価>
実施例1〜11の電池を70℃の恒温槽内に1ヶ月間保存後、21V−1Cで2時間充電を行った後、下限電圧12.5Vで1C定電流放電を行い、容量測定を行った。正極の塗布重量から概算された容量を100%としたときの各電池の容量を%で表4に示す。
Figure 2007250405
実施例5は若干の液漏れが発生し、解体調査を行うと、シール部材の不織布間から漏液が見られた。この結果から、セパレータは面方向に孔のない微多孔膜のほうが好ましいことがわかった。
実施例4、7、8、9を比較すると、シール部材の接着温度が高いほど高温保存後の容量維持率が高いことが示される。これは詳しいメカニズムは明らかではないが、高温接着材料になればなるほどガラス転移温度(Tg)が高くなるため、高温耐久性が高くなったと考えられる。
実施例4、6、10を比較すると電解質の溶媒として低沸点溶媒あり(実施例4)、高沸点溶媒のみ(実施例6)、イオン性液体(実施例10)の順に高温保存後の容量は大きい。これにより沸点の高い順に高温保存性が高いということが判明した。
実施例11はすべての実施例の中で最も高温保存時の容量維持率が高い結果となった。
双極型二次電池の電池要素の構造を示す断面図である。 双極型二次電池の平面図である。 ケースに格納された双極型二次電池を示す三面図である。 組電池を示す三面図である。 組電池を搭載する自動車の概略図を示す。 本発明に用いられる双極型電極の一実施形態を示す断面概略図である。 図6の双極型電極に電解質層、シール部材前駆体を形成させたものを示す断面概略図である。 図7の双極型電極にセパレータを設置したものを示す断面概略図である。 図8で作成した双極型電極を双極型電極保持機構にセットしたことを示す断面概略図である。 電極保持機構を積層部位および加圧、加熱プレス部位を有する真空チャンバー内に導入し、真空チャンバー内を真空ポンプにより真空にする工程を示す図である。 電極保持機構を下降させながら電極受け台上に前記双極型電極をずれのないように積層したことを示す断面概略図である。 双極型二次電池構造体を真空中で電極受け台ごとプレス部位に移動し、熱プレス機により、熱プレスする工程を示す図である。
符号の説明
10 双極型二次電池、
11 集電体、
12 正極活物質層、
13 負極活物質層、
14 セパレータ、
15 単電池層、
16 双極型電極、
17 端部集電体、
18 シール部材、
20 電池要素、
30a 正極タブ、
30b 負極タブ、
40 外装、
41 ラミネートシート、
50 電池ケース、
51 正極ターミナル、
52 負極ターミナル、
60 組電池、
61 連結板、
62 固定ねじ、
63、64 バスバー、
70 自動車。

Claims (9)

  1. 集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成された複数の双極型電極と、
    正極と負極とが対向するように積層された前記双極型電極の間に配置された、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層と、
    前記双極型電極の周囲に配置したシール部材と、
    を含む双極型二次電池であって、
    前記シール部材を構成する材料が、加熱により接着される樹脂を含み、前記シール部材の加熱接着温度における前記セパレータの熱収縮率が5%以下であることを特徴とする双極型二次電池。
  2. 前記セパレータが、微多孔膜である請求項1に記載の双極型二次電池。
  3. 前記セパレータを構成する材料が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、およびアラミドからなる群から選択される一以上の樹脂である請求項1または2に記載の双極型二次電池。
  4. 前記シール部材の加熱接着温度が、70℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  5. 前記シール部材を構成する材料が、熱硬化型樹脂である請求項1〜4のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  6. 前記熱硬化型樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、およびポリウレタンからなる群から選択される一以上の樹脂である請求項5に記載の双極型二次電池。
  7. 前記セパレータが、前記集電体の積層方向から見て集電体の外側まではみ出している請求項1〜6のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の双極型二次電池が複数個接続されてなる組電池。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の双極型二次電池、または請求項8に記載の組電池をモータ駆動用電源として搭載した車両。
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