JP2007248863A - ネガ型平版印刷版原版 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像部と支持体との密着性に優れたネガ型平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】 親水化したアルミニウム支持体上に、アミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマーを含有する中間層と、(A)重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有する画像形成可能な記録層と、を順次設けることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
【選択図】 なし

Description

本発明はネガ型平版印刷版原版に関し、より詳細には、350〜450nmの可視光レーザー又は赤外線レーザー露光で画像形成が可能なネガ型平版印刷版原版に関する。
近年におけるレーザーの発展は目ざましく、特に、350〜450nmの可視領域又は近赤外線から赤外線領域に発光領域を持つ固体レーザーや半導体レーザーでは、高出力・小型化が進んでいる。したがって、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザーは非常に有用である。
前述の350〜450nmの可視領域又は赤外線領域に発光領域を持つレーザーを露光光源として使用する、ネガ型平版印刷版原版は、光又は熱によりラジカルを発生する重合開始剤と、重合性化合物と、を含む記録層を有する。
通常、このようなネガ型の記録層は、光又は熱により発生したラジカルを開始剤として重合反応を生起させ、露光部の記録層を硬化させて画像部を形成する記録方式を利用している。この記録層を有するネガ型平版印刷版原版は、赤外線レーザ照射のエネルギーにより記録層の可溶化を起こさせるポジ型に比較して画像形成性が低く、重合による硬化反応を促進させて強固な画像部を形成するため、現像工程前に加熱処理を行うのが一般的である。このような光又は熱による重合系の記録層を有する平版印刷版原版としては、例えば、下記特許文献1又は2に記載のような光重合性或いは熱重合性組成物を記録層として用いる技術が知られている。
一方、平版印刷版原版に用いる支持体に関しては、従来、非画像部の汚れ防止のため、支持体表面を親水化する研究が盛んに行われている。例えば、アルミニウム板のような金属支持体を支持体として用いる場合には、陽極酸化されたアルミニウム基板(支持体)を用いることや、さらに親水性を上げるためにこの陽極酸化されたアルミニウム基板をシリケート処理すること等の、種々の技術が提案されている。しかしながら、親水性を向上させるための種々の処理は、必ずしも記録層との親和性に優れているとはいえず、場合によっては、支持体とその上に形成される記録層との密着性が低下することで、厳しい印刷条件においては記録層が剥離してしまい、充分な耐刷性が得られないという問題もあった(特許文献1、2参照)。上記の諸問題を解決するため、本発明者らは、酸基を有するモノマーとオニウム基を有するモノマーとを有する重合体(ランダムポリマー)含有する中間層を設けた平版印刷版原版を提案している(特許文献3参照)。
この平版印刷版原版は、支持体と記録層との密着性に関して一定の改良効果を奏するものではあるが、なお更なる改良が望まれている。
特開平8−108621号公報 特開平9−34110号公報 特開平10−69092号公報
本発明は、前記従来における技術的問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、画像部と支持体との密着性に優れたネガ型平版印刷版原版を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、記録層と記録層を設ける支持体との間にアミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマー(以下、適宜「特定ポリマー」と称する。)を含有する中間層を設けることにより、記録層と支持体の密着性に優れた平版印刷版原版が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明のネガ型平版印刷版原版は、アルミニウム支持体上に、アミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマーを含有する中間層と、(A)重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有する画像形成可能な記録層と、を順次設けることを特徴とする。
また、本発明においては、前記中間層のポリマーは、さらに側鎖にアンモニウム塩構造を有することが好ましい。さらに、前記記録層は、(C)700〜1300nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤、又は、(C’)300〜600nmに吸収極大を有する増感色素を含有することが好ましい。
また、本発明においては、露光による画像硬化性が向上により、耐刷性を更に向上させる観点から、記録層に含有される前記(A)重合性化合物が、芳香族環を少なくとも4つ以上有するラジカル重合性化合物であることが好ましい態様である。
ここで、「順次設ける」とは、支持体上に、中間層、及び記録層がこの順に設けられることを指し、目的に応じて設けられる他の層(例えば、保護層、バックコート層、等)の存在を否定するものではない。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。
本発明に係る中間層に含有される特定ポリマーは、アミノ酸基、好ましくは、後述する一般式(1)で表される基、を有することでアルミニウム支持体表面と強固に相互作用できるため、支持体と中間層との密着性が向上する。また、特定ポリマーは、重合性基をその構造中に有しており、(A)重合性化合物と、(B)重合開始剤と、さらに好適な態様として含有される(C)赤外線吸収剤又は(C’)増感色素と、を含有する画像形成可能なネガ型記録層と架橋反応することで、さらに中間層と記録層との密着性を向上させることができ、延いては耐刷性が向上するものと考えられる。
また、本発明の好ましい態様として、記録層に、(A)重合性化合物として、芳香族環を少なくとも4つ以上有するラジカル重合性化合物を含有させた場合には、その要因は定かではないが、芳香族基に起因する4極子相互作用が大きくなり、モノマー/モノマー間に強い相互作用が生じるために、強固な記録層が形成され、特に、露光後の膜硬度が大きくなるため、画像部の強度を更に向上させることができるものと考えられる。そのため、このような組成の記録層を有する本発明の平版印刷版原版は、耐刷性の向上効果がより大きくなるものと思われる。
本発明によれば、画像部と支持体との密着性に優れたネガ型平版印刷版原版を提供することができる。
以下、本発明のネガ型平版印刷版原版について詳細に説明する。
本発明のネガ型平版印刷版原版は、親水化したアルミニウム支持体上に、アミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマーを含有する中間層と、(A)重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有する画像形成可能な記録層と、を順次設けることを特徴とする。
以下、本発明のネガ型平版印刷版原版を構成する各要素について説明する。
[中間層]
まず、本発明に係る中間層について説明する。
本発明に係る中間層は、アミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマー(特定ポリマー)を必須成分として含有する。
〔特定ポリマー〕
特定ポリマーについて説明する。
特定ポリマーはアミノ酸基び重合性基を有するポリマーであり、該アミノ酸基び重合性基を側鎖に有するポリマーであることが好ましい。特定ポリマーとしては、さらに側鎖にアンモニウム塩構造を有することものであることが好ましい。
ここで、特定ポリマーが有するアミノ酸基とは、その構造内に、N原子と−COOH基の双方を有する基を指し、特に制限はないが、より具体的には、下記一般式(1)で表される基が好ましい。
Figure 2007248863
一般式(1)中、Yはポリマー主鎖骨格との連結基を表す。R1は水素原子又は一価の有機基を表す。R2は二価の有機基を表す。
<一般式(1)で表される基>
一般式(1)で表される基について詳細に説明する。
一般式(1)中、Yはポリマー主鎖骨格との連結基を表す。Yで表される連結基としては、置換又は無置換の二価の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む部分構造を1個以上有していてもよい。
一般式(1)中、R1は、水素原子又は一価の有機基を表す。該一価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基が好ましく挙げられ、この炭化水素基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む部分構造を有するものであってもよい。
これらの炭化水素基の中でも、アルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
1で表される炭化水素基は、後述する置換基をさらに有していてもよく、該置換基としては、カルボキシル基及びその塩からなる基であることが特に好ましい。
1で表される炭化水素基として、最も好ましい態様は、カルボキシル基又はその塩からなる基を有するアルキル基及びアリール基であり、特に好ましい態様はカルボキシル基のアンモニウム塩からなる基を有するアルキル基であり、アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウム塩が特に好ましい。
1における炭化水素基、及び該炭化水素基に導入可能な置換基について詳細に説明する。
1で表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基、等の炭素原子数が1から30であり、直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられる。
1で表されるアリール基には、2個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、及びベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものが包含される。
1で表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等の、炭素原子数が6から30までのアリール基が挙げられる。
1で表される炭化水素基は、任意の置換基によって、1箇所以上が置換されていてもよい。R1に導入可能な置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができる。具体例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、
N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその塩からなる基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその塩からなる基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその塩からなる基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその塩からなる基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその塩からなる基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその塩からなる基、
N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその塩からなる基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその塩からなる基、ホスホノ基(−PO32)及びその塩からなる基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその塩からなる基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその塩からなる基、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその塩からなる基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO2H(alkyl))及びその塩からなる基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその塩からなる基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
上記した中でも、R1に導入可能な置換基としては、カルボキシル基及びその塩からなる基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基がより好ましく、カルボキシル基及びその塩からなる基が特に好ましい。
一般式(1)中、R2は二価の有機基を表し、置換基を更に有していてもよい。また、当該有機基としては炭化水素基が好ましく、該炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含んでいてもよい。
2に導入可能な置換基としては、前記R1に導入可能な置換基として示したものと同様の置換基が挙げられ、好ましい置換基も同様である。
2で表される二価の炭化水素基として、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキレン基、フェニレン基である。具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、及びイソブチレン基、等の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、フェニレン基が挙げられる。また、より好ましい形態としては、上記アルキレン基にカルボン酸基が置換したものが挙げられる。
一般式(1)中が有するカルボン酸基は、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩を形成していてもよい。
一般式(1)のより好ましい構造は、R1がカルボン酸基で置換された炭化水素基であり、かつ、R2が直鎖状の炭化水素基又はカルボン酸基で置換された炭化水素基の場合である。さらに、一般式(1)の最も好ましい構造としては、R1がカルボン酸基で置換されたアルキル基であり、かつ、R2が直鎖状のアルキレン基の場合である。
一般式(1)で表される基をポリマー中に側鎖として導入する方法としては、例えば、一般式(I)で表される構造を有するモノマーを、公知の方法で重合又は共重合すればよい。その他の方法としては、ポリ−p−アミノスチレンとクロル酢酸を反応させる方法、ポリクロロメチルスチレンとイミノジアセトニトリルを反応後、加水分解するなどの方法がある。一般式(1)で表される基の導入率をより容易に制御する観点からは、一般式(1)で表される基を有するモノマーを、公知の方法で重合又は共重合する方法が好ましい。
一般式(1)で表される基を有するモノマーとしては、以下の構造を含むものがより好ましい。
Figure 2007248863
また、Yで表されるポリマー主鎖骨格との連結基の好ましい構造としては、以下構造が挙げられる。
Figure 2007248863
一般式(1)で表される基を有するモノマーの具体例としては、下記化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
特定ポリマー中、一般式(1)で表される基の含有量としては、中間層とアルミニウム支持体との相互作用による耐刷性の向上効果を充分に発揮させる観点からは、5モル%以上が好ましく、7モル%以上30モル%以下であることがさらに好ましい。
<重合性基>
次に、特定ポリマーが有する重合性基について説明する。
特定ポリマーが有する重合性基としては、下記一般式(2)〜一般式(4)で表される基から選ばれる基であることが好ましい。
Figure 2007248863
一般式(2)〜一般式(4)中、R1〜R11は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。X、Yは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、又は−N−R12を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R12又はフェニレン基を表す。R12は、水素原子、又は1価の有機基を表す。
上記一般式(2)〜一般式(3)で表される基について詳細に説明する。
Figure 2007248863
一般式(2)において、R1〜R3は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、R1としては、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、その中でも、水素原子、メチル基、メチルアルコキシ基、メチルエステル基が好ましい。また、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、その中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
ここで、導入しうる置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、−N−R12を表し、ここで、R12としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。
Figure 2007248863
一般式(3)において、R4〜R8は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基を表し、R4〜R8としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、その中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。導入しうる置換基としては、一般式(2)において挙げたものと同様の基が例示される。Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N−R12を表す。R12としては、一般式(2)におけるR12と同様のものが挙げられる。
Figure 2007248863
一般式(4)において、R9〜R11は、それぞれ独立に1価の有機基を表し、該有機基としては、具体的には例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、その中でも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
ここで、導入可能な置換基としては、一般式(2)において挙げたものが同様に例示される。
Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R12又はフェニレン基を表す。R12としては、一般式(2)におけるR12と同様のものが挙げられる。
特定ポリマーのうち、一般式(2)〜一般式(4)で表される基を有する化合物は、例えば特開2004−61945号公報に記載の合成方法の少なくとも1つにより製造することができる。
特定ポリマー中、一般式(2)〜一般式(4)で表される基の含有量としては、中間層と記録層との相互作用による耐刷性の向上効果を充分に発揮させる観点からは、5モル%以上70モル%以下が好ましく、7モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましい。
特定ポリマーにおいては、画像強度などの諸性能を向上する目的で、前述の合成方法(特開2004−61945号公報)中に記載されるラジカル重合性化合物に加えて、更に、他のラジカル重合性化合物を共重合させることも好ましい態様である。
<その他のモノマー成分>
本発明に係る特定ポリマーは、支持体との更なる相互作用の強化、又は中間層と記録層との相互作用を強化する目的で、その他のモノマー成分を共重合したものであってもよい。その他のモノマー成分としては、例えば、中間層と親水化処理をした支持体との密着性向上の観点からは「オニウム基を有するモノマー」、中間層と記録層との密着性向上の観点からは「記録層と相互作用可能な官能基を有するモノマー」、等が挙げられる。
−オニウム基を有するモノマー−
オニウム基を有するモノマーとしては、下記一般式(A)〜一般式(C)で表されるモノマーを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2007248863
一般式(A)〜(C)中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香族基又は置換芳香族基を表す。Mは2価の連結基を表す。Y1は周期率表第V族の原子を表す。Y2は周期率表第VI族の原子を表す。Z-は対アニオンを表す。R2は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R3、R4、R5、及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、芳香族基、又はアラルキル基を表し、これらは更に置換基を有していてもよい、。R6は、アルキリジン基又は置換アルキリジン基を表す。R3とR4、R6とR7は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。j、k、及びmは、それぞれ独立して、0又は1を表す。uは1〜3の整数を表す。
一般式(A)〜(C)で表されるオニウム基を有するモノマーの中でも、より好ましいものは、以下の場合である。
Jが−COO−又は−CONH−を表し、Kがフェニレン基又は置換フェニレン基を表す。Kが置換フェニレン基である場合に導入される置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、又はアルキル基が好ましい。
Mは、アルキレン基、分子式がCn2nO、Cn2nS、又はCn2n+1Nで表される2価の連結基である。但し、ここで、nは1〜12の整数を表す。
1は、窒素原子又はリン原子を表し、Y2は、イオウ原子を表す。
-は、ハロゲンイオン、PF6 -、BF4 -、又はR8SO3 -を表す。
2は、水素原子又はアルキル基を表す。
3、R4、R5、及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、或いは、置換基が結合してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の芳香族基、又は炭素数7〜10アラルキル基を表す。
6は、炭素数1〜10のアルキリジン基又は置換アルキリジンであることが好ましい。R3とR4、R6とR7は、それぞれ結合して環を形成してもよい。
j、k、及びmは、それぞれ独立して、0又は1を表すが、jとkは同時に0ではないことが好ましい。
8は、置換基が結合してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
一般式(A)〜(C)で表されるオニウム基を有するモノマーの中で、特に好ましいものは、以下の場合である。
Kは、フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、置換フェニレン基である場合その置換基は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
Mは、炭素数1〜2のアルキレン基、又は酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。
-は、塩素イオン又はR8SO3 -を表す。R2は、水素原子又はメチル基を表す。jは0であり、kは1である。R8は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
以下に、特定ポリマーに好適に用いられるオニウム基を有するモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
−記録層と相互作用可能な官能基を有するモノマー−
以下に、記録層との相互作用可能な官能基を有するモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1) N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド又はN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−又はp−ヒドロキシスチレン、o−又はm−ブロモーp−ヒドロキシステレン、o−又はm−クロル−p−ヒドロキンスチレン、o−、m−又はp−ヒドロキシフェニルアクリレート又はメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類及びヒドロキシスチレン類;
(2) N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタタリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド;
(3) トシルアクリルアミドのように置換基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、及びトシルメタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニルスルホニルメタクリルアミド;
(4) 脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート;
(5) アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル;
(6)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル;
(7) アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド及びN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミド若しくはメタクリルアミド;
(8) エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
(9) ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;
(10) スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類;
(11) メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類;
(12) エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類;
(13) N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(14) パントイルラクトン(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイル−Y+−ブチロラトン、β−(メタ)アクリロイル−Y−ブチロラクトンなどのラクトン基含有モノマー;
(15) ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのエチレンオキシド基含有モノマーなど。
特定ポリマー中、上記したその他のモノマーの含有率としては、30モル%以下であることが好ましい。
特定ポリマーが共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又は、グラフト共重合体の何れであってもよい。
特定ポリマーの合成は、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのパーオキシド類、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などの重合開始剤を用いたラジカル重合により行うことができる。重合開始剤は、適用される重合方式によって適宜選択される。重合方式としては、溶液重合、乳化重合、又は、懸濁重合などが適用される。
合成に際して用いられる重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されない。
本発明に係る特定ポリマーの重量平均分子量としては、500〜1000000が好ましく、1000〜500000がより好ましい。
以下に、本発明に係る特定ポリマーの具体例として、例示化合物(P−1)〜(P−20)を、その構成単位の構造、重合モル比で表示し、さらに測定した重量平均分子量を併記するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
中間層における特定ポリマーの含有量は、中間層を構成する全固形分に対して、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。
<中間層の形成>
本発明に係る中間層は、上述した中間層の各成分を溶解した塗布液(中間層形成用塗布液)を、後述する支持体上に種々の方法により塗布することにより設けることができる。中間層を塗布する方法には、特に制限はないが、代表的なものとしては次の(1)及び(2)方法が挙げられる。
(1)メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはこれらの混合溶剤、又は、これらの有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明における特定ポリマーを溶解させた溶液を、支持体上に塗布、乾燥して設ける塗布方法。
(2)メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはそれらの混合溶剤、又はこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に、本発明における特定重合体を溶解させた溶液に、支持体を浸漬し、しかる後、水洗又は空気などによって洗浄、乾燥して中間層を設ける塗布方法。
前記(1)の塗布方法では、上記化合物合計で0.005質量%〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布すればよい。塗布手段としては、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの手段を用いてもよい。
また、前記(2)の塗布方法では、溶液の濃度は0.005質量%〜20質量%、好ましくは0.01質量%〜10質量%であり、浸漬温度は0℃〜70℃、好ましくは5℃〜60℃であり、浸渡時間は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜120秒である。
中間層形成用塗布液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、クマル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライドなどの有機クロライド等によりpHを調整し、pH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6の範囲で使用することもできる。
また、中間層形成用塗布液には、平版印刷版の調子再現性改良のために、紫外光や可視光、赤外光などを吸収する物質を添加することもできる。
本発明に係る中間層の乾燥後の被覆量は、合計で1〜100mg/m2が適当であり、好ましくは2〜70mg/m2である。
[記録層]
次に、本発明のネガ型平版印刷版原版に係る記録層について説明する。
本発明においては、上記した中間層上に、(A)重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有する画像形成可能な記録層を設けることを特徴とする。該記録層は、更に、(C)700〜1300nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤、又は、(C’)300〜600nmに吸収極大を有する増感色素を含有することが好ましい。
以下、記録層における各成分について説明する。
〔(A)重合性化合物〕
(A)重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらの重合性化合物を特に限定無く用いることができる。これらの重合性化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類及びチオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類及びチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものをあげることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(D)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
一般式(D)
CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH
(但し、R及びR'は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いてもよい。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報に記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報に記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの(A)重合性化合物の中でも、芳香族基に由来する強い相互作用を形成しうるという観点から、分子中に芳香族環を4つ以上有するラジカル重合性化合物(以下、適宜「特定ラジカル重合性化合物」と称する)が好適に用いられる。記録層中に(A)成分として特定ラジカル重合性化合物を用いて、前述したアミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマー(特定ポリマー)を含有する中間層と組み合わせることで、耐刷性向上効果をより高めることができる。
特定ラジカル重合性化合物の具体例としては、以下に示す例示化合物(D−1〜D−10)が挙げられるが、これらの限定されるものではない。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
本発明において、(A)重合性化合物は、単独で用いても2種以上併用してもよい。このような重合性化合物について、どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用するか、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終的な記録材料の性能設計にあわせて任意に設定できる。
記録層中の(A)重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましくない相分離が生じたり、記録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じうる。
これらの観点から、(A)重合性化合物の好ましい配合比は、記録層の全固形分に対して5〜95質量%、好ましくは10〜85質量%である。
(A)重合性化合物の使用法は、所望の特性から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては、下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
〔(B)重合開始剤〕
本発明においては、(B)成分として、光又は熱によりラジカルを生成する重合開始剤を添加する必要がある。
本発明における(B)成分は、光又は熱によりラジカルを生成し、前記したラジカル重合性化合物の重合反応を開始させ、さらに、その化合物の反応機構によっては、重合反応の進行を促進させる化合物である。
上記(B)成分として好ましくは、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(k)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a)芳香族ケトン類
前記(a)芳香族ケトン類としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.Fouassier,J.F.Rabek(1993),p77−117記載のベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
中でも、特に好ましい(a)芳香族ケトン類の例としては、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報に記載のベンゾインエーテル類、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号明細書、ヨーロッパ特許0284561A1号明細書に記載のα−アミノベンゾフェノン類、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
また、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類等を挙げることもできる。
(b)オニウム塩化合物
前記(b)オニウム塩化合物としては、下記一般式(I)〜(III)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
一般式(I)中、Ar1とAr2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有する場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、又は炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。(Z2-はハロゲンイオン、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンからなる群より選択される対イオンを表し、好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
一般式(II)中、Ar3は、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキシ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数12個以下のアリールアミノ基、又は炭素原子数12個以下のジアリールアミノ基が挙げられる。(Z3-は、一般式(I)中の(Z2-と同義の対イオンを表す。
一般式(III)中、R23、R24及びR25は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、又は炭素原子数12個以下のアリールオキシ基が挙げられる。(Z4-は一般式(II)中の(Z2-と同義の対イオンを表す。
本発明において、好適に用いることのできるオニウム塩の具体例としては、本願出願人が先に提案した特願平11−310623号明細書の段落番号[0030]〜[0033]に記載されたものや特願2000−160323号明細書の段落番号[0015]〜[0046]に記載されたものを挙げることができる。
本発明において用いられるオニウム塩は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましく、さらに360nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、平版印刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。
(c)有機過酸化物
前記(c)有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
中でも、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(d)チオ化合物
前記(d)チオ化合物としては、下記一般式(IV)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
一般式(IV)中、R26はアルキル基、アリール基又は置換アリール基を示し、R27は水素原子又はアルキル基を示す。また、R26とR27は、互いに結合して酸素、硫黄及び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
上記一般式(IV)におけるアルキル基としては、炭素原子数1〜4個のものが好ましい。またアリール基としてはフェニル、ナフチルのような炭素原子数6〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原子、メチル基のようなアルキル基、メトシキ基、エトキシ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R27は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル基である。一般式(IV)で示されるチオ化合物の具体例としては、下記表1に示すような化合物が挙げられる。
Figure 2007248863
(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物
前記(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(f)ケトオキシムエステル化合物
前記(f)ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
(g)ボレート化合物
前記(g)ボレート化合物の例としては、下記一般式(V)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007248863
一般式(V)中、R28、R29、R30及びR31は互いに同一でも異なっていてもよく、各々置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアルキニル基、又は置換もしくは非置換の複素環基を示し、R28、R29、R30及びR31はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R28、R29、R30及びR31のうち、少なくとも1つは置換もしくは非置換のアルキル基である。(Z5+はアルカリ金属カチオン又は第4級アンモニウムカチオンを示す。
上記R28〜R31のアルキル基としては、直鎖、分枝、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18のものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基としては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例えば−Cl、−Brなど)、シアノ基、ニトロ基、アリール基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、−COOR32(ここでR32は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、−OCOR33又は−OR34(ここでR33、R34は炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す)、及び下記式で表されるものを置換基として有するものが含まれる。
Figure 2007248863
ここでR35、R36は独立して、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す。
上記R28〜R31のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に前述の置換アルキル基の置換基又は、炭素数1〜14のアルキル基を有するものが含まれる。上記R28〜R31のアルケニル基としては、炭素数2〜18の直鎖、分枝、環状のものが含まれ。置換アルケニル基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。上記R28〜R31のアルキニル基としては、炭素数2〜28の直鎖又は分枝のものが含まれ、置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。また、上記R28〜R31の複素環基としてはN、S及びOの少なくとも1つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。更に置換基として前述の置換アリール基の置換基として挙げたものを有していてもよい。一般式(V)で示される化合物例としては具体的には米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号の各明細書に記載されている化合物及び以下に示すものが挙げられる。
Figure 2007248863
(h)アジニウム化合物
前記(h)アジニウム塩化合物としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報、及び特公昭46−42363号公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
(i)メタロセン化合物
前記(i)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報に記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−4−トリル−スルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−オキサヘプチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)フェニル〕チタン、
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、等を挙げることができる。
(j)活性エステル化合物
前記(j)活性エステル化合物としては、特公昭62−6223号公報に記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号公報、特開昭59−174831号公報に記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物
前記(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、下記一般式(VI)から一般式(XII)のものを挙げることができる。
Figure 2007248863
一般式(VI)中、X2はハロゲン原子を表し、Y1は−C(X23、−NH2、−NHR38、−NR38、−OR38を表す。ここでR38はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表す。またR37は−C(X23、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基、を表す。
Figure 2007248863
一般式(VII)中、R39は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、X3はハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。
Figure 2007248863
一般式(VIII)中、R40は、アリール基又は置換アリール基であり、R41は、以下に示す基又はハロゲンであり、Z6は−C(=O)−、−C(=S)−又は−SO2−である。
Figure 2007248863
上記R42、R43は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基又は置換アリール基であり、R44は一般式(VI)中のR38と同じであり、X3はハロゲン原子であり、mは1又は2である。
Figure 2007248863
一般式(IX)中、R45は置換されていてもよいアリール基又は複素環式基であり、R46は炭素原子1〜3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケニル基であり、pは1、2又は3である。
Figure 2007248863
一般式(X)は、トリハロゲノメチル基を有するカルボニルメチレン複素環式化合物であり、式中、L7は水素原子又は式:CO−(R47)q(C(X43)rの置換基であり、Q2はイオウ、セレン又は酸素原子、ジアルキルメチレン基、アルケン−1,2−イレン基、1,2−フェニレン基又はN−R基であり、M4は置換又は非置換のアルキレン基又はアルケニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基であり、R48はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R47は炭素環式又は複素環式の2価の芳香族基であり、X4は塩素、臭素又はヨウ素原子であり、q=0及びr=1であるか又はq=1及びr=1又は2である。)で表わされる。
Figure 2007248863
一般式(XI)は、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチル−フェニル)−オキサゾール誘導体であり、式中、X5はハロゲン原子であり、tは1〜3の整数であり、sは1〜4の整数であり、R49は水素原子又はCH3-t5 t基であり、R50はs価の置換されていてもよい不飽和有機基を表す。
Figure 2007248863
一般式(XII)は、2−(ハロゲノメチル−フェニル)−4−ハロゲノ−オキサゾール誘導体であり、式中、X6はハロゲン原子であり、vは1〜3の整数であり、uは1〜4の整数であり、R51は水素原子又はCH3-v6 v基であり、R52はu価の置換されていてもよい不飽和有機基を表す。
このような炭素−ハロゲン結合を有する化合物の具体例としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、たとえば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2’,4’−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号公報記載の化合物、たとえば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
Figure 2007248863
また、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.29、1527(1964)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。さらに特開昭62−58241号記載の、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
Figure 2007248863
更に、特開平5−281728号公報記載の、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
Figure 2007248863
あるいは、さらにM.P.Hutt、E.F.Elslager及びL.M.Herbel著「Journalof Heterocyclic chemistry」第7巻(No.3)、第511頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができる次のような化合物群、例えば、下記化合物等を挙げることができる。
Figure 2007248863
本発明における(B)成分のより好ましい例としては、上述の(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(i)メタロセン化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、を挙げることができる。さらに好ましい例としては、(b)オニウム塩化合物であるジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物が、高感度であるという点から使用され、中でもヨードニウム塩、スルホニウム塩が最も好適に用いられる。
本発明における(B)成分は、記録層を構成する全固形分中、0.1〜50質量%含有されることが好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
また、本発明における(B)成分は、単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
〔(C)700〜1300nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤〕
本発明に係る記録層は、赤外線露光により画像形成を行う場合、(C)700〜1300nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤(以下、単に、「赤外線吸収剤」と称する場合がある。)を含有することが好ましい。該赤外線吸収剤は、赤外領域の波長の光を吸収した後、(C)成分、即ちこの(C)赤外線吸収剤が吸収し得る波長の光のヒートモード露光によりラジカルを生成する化合物が分解させて、ラジカルを発生する働きを有する。本発明において使用される赤外線吸収剤は吸収した光を熱に変換する機能を有するものであればよいが、一般的には、書き込みに使用される赤外線レーザの波長、即ち、波長700〜1300nmに吸収極大を有する、所謂、赤外線吸収剤として知られる染料又は顔料が挙げられる。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。更に、シアニン色素が好ましく、特に下記一般式(a)、又は一般式(b)で示されるシアニン色素が最も好ましい。
Figure 2007248863
一般式(a)中、X1は、ハロゲン原子、又は−X2−L1を示す。ここで、X2は酸素原子又は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、更に、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
Figure 2007248863
一般式(b)中、R9及びR10は、それぞれ独立に、炭素原子数20以下の直鎖又は分岐アルキル基を示し、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、アシルオキシ基からなる群より選択される置換基を有してもよい。Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表し、アルキル基又はアリール基の場合は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子より選択される置換基を有してもよく、また、Ar1及びAr2が互いに結合していてもよい。Y3及びY4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基、又は−CH=CH−基を示す。Z1〜Z8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、オキシ基、電子吸引性基又は重原子含有置換基を表し、これらのうち少なくとも一つは電子吸引性置換基又は重電子含有置換基を示し、Z1〜Z8の中で隣接する2つの置換基は互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。X-は、CF3SO3 -を示す。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]〜[0019]に記載されたものを挙げることができる。また、一般式(b)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2002−278057号公報の段落番号[0034]〜[0041]に記載されたものを挙げることができる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は、記録層塗布液中で分散物の安定性の点や、記録層の均一性の点から、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることが更に好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、感度の観点から、ネガ型画像記録材料を作製した際に、記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度が、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。光学濃度は前記赤外線吸収剤の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が画像記録材料として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
なお、(C)赤外線吸収剤の記録層への添加量は、0.01〜40質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜20質量%の範囲であることがより好ましく、1〜15質量%の範囲であることが更に好ましい。
〔(C’)300〜600nmに吸収極大を有する増感色素〕
本発明に係る記録層は、350〜450nmの可視領域のレーザー露光により画像形成を行う場合、(C’)300〜600nmに吸収極大を有する増感色素(以下、単に、「増感色素」と称する場合がある。)を含有することが好ましい。このような増感色素としては、分光増感色素、光源の光を吸収して光重合開始剤と相互作用する以下に示す染料あるいは顔料が挙げられる。
好ましい分光増感色素又は染料としては、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロラン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオエン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類で(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スタアリウム類(例えば、スタアリウム)等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例としては、特公昭37−13034号公報記載のスチリル系色素、特開昭62−143044号公報記載の陽イオン染料、特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩、特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物、特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類、特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンデン染料、特開平2−226148号及び特開平2−226149号各公報記載のアクリジン類、特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類、特公昭46−42363号公報記載のシアニン類、特開平2−63053号公報記載のベンゾフラン色素、特開平2−85858号、特開平2−216154号各公報記載の共役ケトン色素、特開昭57−10605号公報記載の色素、特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体、特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素、特開昭62−31844号、特開昭62−31848号、特開昭62−143043号各公報記載のキサンテン系色素、特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン、特公昭61−962l号公報記載のメロシアニン色素、特開平2−179643号公報記載の色素、特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素、特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素、特開昭59−89803号公報記載のメロシアニン色素、特開平8−129257号記載のメロシアニン色素、特開平8−334897号記載のベンゾピラン系色素、等を挙げることができる。
本発明に用いられる増感色素は下記一般式(c)で表されるものであることがさらに好ましい。
Figure 2007248863
一般式(c)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表し、Yは酸素原子または−N(R1)−を表す。R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団を表し、A
とR1、R2、R3とは、それぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成す
ることができる。
ここで、一般式(c)中のR1、R2、R3が一価の非金属原子団をあらわすとき、好ましくは、置換もし
くは無置換のアルキル基またはアリール基を表す。
次に、一般式(c)中のR1、R2、R3の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N'−アルキルウレイド基、N',N'−ジアルキルウレイド基、N'−アリールウレイド基、N',N'−ジアリールウレイド基、N'−アルキル−N'−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N'−アルキル−N−アルキルウ
レイド基、N'−アルキル−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アル
キルウレイド基、N',N'−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N'−アリール−N
−アルキルウレイド基、N'−アリール−N−アリールウレイド基、N',N'−ジアリー
ル−N−アルキルウレイド基、N',N'−ジアリール−N−アリールウレイド基、N'−
アルキル−N'−アリール−N−アルキルウレイド基、N'−アルキル−N'−アリール−
N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アル
コキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl
2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基
(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と
称す)、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、ア
リールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらはさらに置換基を有していてもよい。
また、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環、または多環芳香族環から誘導される基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基中のヘテロアリール環の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン等が挙げられ、これらは、さらにベンゾ縮環しても良く、また置換基を有していてもよい。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基のうち、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基、アルキリデン基(メチレン基等)が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
上記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR1、R2、またはR3
して好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトプロピル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
一般式(c)における、R1、R2、またはR3として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1、R2、またはR3として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリー
ル基の環形成炭素原子上に置換基として、(水素原子以外の)1価の非金属原子団の基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。このような、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
なお、一般式(c)におけるR2及びR3のさらに好ましい例としては、置換もしくは無置換のアルキル基が挙げられる。また、R1のさらに好ましい例としては、置換もしくは無置換のアリール基が挙げられる。その理由は定かではないが、このような置換基を有することで、光吸収により生じる電子励起状態と開始剤化合物との相互作用が特に大きくなり、開始剤化合物のラジカル、酸または塩基を発生させる効率が向上するためと推定される。
次に、一般式(c)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環の具体例としては、一般式(c)におけるR1、R2、またはR3についての前述の説明において例示し
たものと同様のものが挙げられる。
なかでも、好ましいAとしては、アルコキシ基、チオアルキル基、アミノ基を有するアリール基が挙げれ、特に好ましいAとしてはアミノ基を有するアリール基が挙げられる。
次に、一般式(c)におけるYについて説明する。Yは上述のAおよび隣接炭素原子と共同して、複素環を形成するのに必要な非金属原子団を表す。このような複素環としては縮合環を有していてもよい5、6、7員の含窒素、あるいは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環がよい。
含窒素複素環の例としては例えば、L. G. Brookerら著、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)第73巻(1951年)、p.5326-5358およ
び参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。
具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール、4,5−ジ(2−フリル)チアゾール等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6ージメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール、等)、チアナフテノ−7',6',4,5−チアゾール類(例えば、4'−メトキシチアナフテノ
−7',6',4,5−チアゾール、等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5ーメチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベン
ゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6ーメトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール、等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール、等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール、等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール、等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、4,5−ジメチルチアゾリン、4−フェニルチアゾリン、4,5−ジ(2−フリル)チアゾリン、4,5−ジフェニルチアゾリン、4,5−ジ(p−メトキシフェニル)チアゾリン等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジメチルベンズイミダゾール、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール、等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5−トリメチルインドレニン、3,3,7−トリメチルインドレニン、等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン、等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。また、これらの環の置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号記載の色素類におけるジチオール部分構造を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール、等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール、等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジエトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール、等)等を挙げることができる。
以上に述べた一般式(c)における、Yが上述のAおよび隣接する炭素原子と共同して形成する含窒素あるいは含硫黄複素環の例のうち、下記一般式(d)の部分構造式で表される構造を有する色素は、高い増感能を有する上、保存安定性にも非常に優れた、感光性組成物を与えるため、特に好ましい。
Figure 2007248863
一般式(d)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表す。R1、R4、R5、R6は、それぞれ独立
に、水素原子または一価の非金属原子団を表し、AとR1、R4、R5、R6は、それぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成することができる。
一般式(d)中、A及びR1は一般式(c)におけるのと同義であり、R4は一般式(c)におけるR2と、R5は一般式(c)におけるR3と、R6は一般式(c)におけるR1と、それぞれ同義である。
一般式(c)で表される化合物は、下記一般式(e)で表される化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2007248863
一般式(e)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子または硫黄原子ないし−N(R1)−を表す。R1、R4、R5は、それぞれ独立に、水素原子または、一価の非金属原子団であり、AとR1、R4、R5は、それぞれ互いに、脂
肪族性または芳香族性の環を形成するために結合することができる。Arは置換基を有する芳香族環またはヘテロ環を表す。但し、Ar骨格上の置換基は、そのハメット値の総和が0より大きいことを要する。ここでハメット値の総和が0より大きいとは、1つの置換基を有し、その置換基のハメット値が0より大きいものであってもよく、複数の置換基を有し、それらの置換基におけるハメット値の総和が0より大きいものであってもよい。
一般式(e)中、A及びR1は一般式(c)におけるものと同義であり、R4は一般式(c)におけるR2と、R5は一般式(c)におけるR3と同義である。また、Arは置換基を有する芳香族環またはヘテロ環を表し、具体例としては、先に一般式(c)におけるAの説明に記載されたもののうち、置換基を有する芳香族環またはヘテロ環に係る具体例が同様に挙げられる。ただし、一般式(e)におけるArに導入可能な置換基としては、ハメット値の総和が0以上であることが必須であり、そのような置換基の例としては、トリフルオロメチル基、カルボニル基、エステル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホキシド基、アミド基、カルボキシル基等を挙げることができる。これら置換基のハメット値を以下に示す。トリフルオロメチル基(−CF3、m:0.43、p:0.54)、カルボニル基(例えば−COHm:0.36、p:0.43)、エステル基(−COOCH3、m:0.37、p:0.45)、ハロゲン原子(例えばCl、m:
0.37、p:0.23)、シアノ基(−CN、m:0.56、p:0.66)、スルホキシド基(例えば−SOCH3、m:0.52、p:0.45)、アミド基(例えば−N
HCOCH3、m:0.21、p:0.00)、カルボキシル基(−COOH、m:0.
37、p:0.45)等が挙げられる。かっこ内は、その置換基のアリール骨格における導入位置と、そのハメット値を表し、(m:0.50)とは、当該置換基がメタ位に導入された時のハメット値が0.50であることを示す。このうち、Arの好ましい例としては置換基を有するフェニル基を挙げることができ、Ar骨格上の好ましい置換基としてはエステル基、シアノ基が挙げられる。置換の位置としてはAr骨格上のオルト位に位置していることが特に好ましい。
以下に、一般式(c)で表される増感色素の好ましい具体例(例示化合物D1〜例示化合物D59)を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、これらのうち、一般式(d)で表される化合物に該当するものは、例示化合物D2、D6、D10、D18、D21、D28、D31、D33、D35、D38、D41及びD45〜D57である。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
Figure 2007248863
本発明に用いられる増感色素に関しては、さらに、記録層層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、増感色素と前述の重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
さらに、アルカリ系、或いは、水系の現像液への平版印刷版原版の処理適性を高める目的に対しては、親水性部位(カルボキシル基並びにそのエステル、スルホン酸基並びにそのエステル、エチレンオキサイド基等の酸基もしくは極性基)の導入が有効である。特にエステル型の親水性基は、記録層中では比較的疎水的構造を有するため相溶性に優れ、かつ、現像液中では、加水分解により酸基を生成し、親水性が増大するという特徴を有する。
その他、例えば、記録層中での相溶性向上、結晶析出抑制のために適宜置換基を導入することができる。例えば、ある種の感光系では、アリール基やアリル基等の不飽和結合が相溶性向上に非常に有効である場合があり、また、分岐アルキル構造導入等の方法により、色素π平面間の立体障害を導入することで、結晶析出が著しく抑制できる。また、ホスホン酸基やエポキシ基、トリアルコキシシリル基等の導入により、金属や金属酸化物等の無機物への密着性を向上させることができる。そのほか、目的に応じ、増感色素のポリマー化等の方法も利用できる。
本発明に用いる(C’)増感色素としては、前記一般式(c)で表される増感色素を少なくとも一種用いることが好ましく、この一般式(c)で示される限りにおいて、例えば、先に述べた修飾を施したものなど、どのような構造の色素を用いるか、単独で使用するか2種以上併用するか、添加量はどうか、といった使用法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて適宜設定できる。例えば、増感色素を2種以上併用することで、記録層への相溶性を高めることができる。
増感色素の選択は、感光性の他、使用する光源の発光波長でのモル吸光係数が重要な因子である。モル吸光係数の大きな色素を使用することにより、色素の添加量は比較的少なくできるので、経済的であり、かつ記録層の膜物性の点からも有利である。
なお、本発明においては、前記一般式(c)で表される増感色素のみならず、本発明の効果を損なわない限りにおいて他の汎用の増感色素を用いることもできる。
記録層の感光性、解像度や、露光膜の物性は光源波長での吸光度に大きな影響を受けるので、これらを考慮して増感色素の添加量を適宜選択する。例えば、吸光度が0.1以下の低い領域では感度が低下する。また、ハレーションの影響により低解像度となる。但し、例えば5μm以上の厚い膜を硬化させる目的に対しては、このような低い吸光度の方がかえって硬化度を上げられる場合もある。また、吸光度が3以上のような高い領域では、記録層表面で大部分の光が吸収され、より内部での硬化が阻害され、膜強度、基板密着性の不十分なものとなる。
例えば、比較的薄い膜厚の記録層の場合には、増感色素の添加量は、記録層の吸光度が0.1から1.5の範囲、好ましくは0.25から1の範囲となるように設定するのが好ましい。吸光度は前記増感色素の添加量と記録層の厚みとにより決定されるため、所定の吸光度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の吸光度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、或いは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの記録層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に記録層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
(C’)増感色素の添加量は、通常、記録層を構成する全固形成分100質量部に対し、0.05〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.2〜10質量部の範囲である。
〔その他の成分〕
((D)バインダーポリマー)
本発明に係る記録層には、上記した記録層の必須成分と共に、更に(D)バインダーポリマーを使用することが、膜性向上の観点から好ましい。バインダーとしては線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。
このような「線状有機高分子重合体」としては、どれを使用しても構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水可溶性又は膨潤性である線状有機高分子重合体が選択される。線状有機ポリマーは、記録層を形成するための皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
特にこれらの中で、ベンジル基又はアリル基と、カルボキシル基を側鎖になする(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、バインダーポリマーとして、下記の「水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高分子」(以下、適宜、単に「アルカリ水可溶性高分子」と称する)を用いることもできる。アルカリ水可溶性高分子は、水不溶性、且つ、アルカリ水可溶性の高分子であり、皮膜形成性に優れるため、それ自体で層を形成することができる。本発明におけるアルカリ水可溶性高分子とは、高分子中の主鎖及び/又は側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体又はこれらの混合物を包含する。従って、本発明に係る高分子層は、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものである。これらの中でも、下記(1)〜(6)に挙げる酸性基を高分子の主鎖及び/又は側鎖中に有するものが、アルカリ性現像液に対する溶解性の点で好ましい。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO32
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
((E)共増感剤)
記録層に共増感剤を用いることで、記録層の感度をさらに向上させることができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、先述の光重合開始剤(系)の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フェロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化により、カルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロノン−1類、並びに、これらとヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類を挙げることができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物
例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開昭9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されている。以下に、その一部を例示するが、本発明の平版印刷版原版の記録層に用いられるものは、これらに限定されるものではない。
Figure 2007248863
これらの共増感剤に関しても、さらに、記録層の特性を改良するための様々な化学修飾を行うことも可能である。例えば、増感色素やチタノセン、付加重合性不飽和化合物その他のラジカル発生パートとの結合、親水性部位の導入、相溶性向上、結晶析出抑制のための置換基導入、密着性を向上させる置換基導入、ポリマー化等の方法が利用できる。
これらの共増感剤は、単独または2種以上併用して用いることができる。使用量は付加重合性化合物100質量部に対し0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部の範囲が適当である。
((F)着色剤)
本発明に係る記録層には、さらに必要に応じて、上記した各成分以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、記録層塗布液全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
((G)熱重合防止剤)
また、本発明においては、平版印刷版原版の調製中あるいは保存中においてラジカル重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.1質量%〜約10質量%が好ましい。
((H)界面活性剤)
また、本発明の平版印刷版原版においては、記録層の現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号や特開平3−208514号に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号、特開平4−13149号に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の記録層塗布液中に占める割合は、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
さらに、記録層塗布液中には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
〔記録層の形成〕
記録層を形成するには、通常、記録層塗布液に必要な各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布、乾燥後に得られる支持体上の記録層の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、記録層の皮膜特性は低下する。
記録層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170950号に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全記録層の材料固形分中0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
[保護層]
本発明に係る平版印刷版原版には、通常、露光を大気中で行うため、前述の記録層の上に、更に、保護層を設けることが好ましい。保護層は、記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の記録層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。
このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることがよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。特に、ポリビニルアルコールに対しポリビニルピロリドンを15〜50質量%の範囲で置き換えた混合物が保存安定性の観点から好ましい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解され、分子量が300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に酸素遮断性を高めると、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の記録層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改善すべく種々の提案がなされている。たとえば米国特許第292,501号、米国特許第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョン又は水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、記録層の上に積層することにより、充分な接着性が得られることが記載されている。
保護層の形成に際しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
[支持体]
本発明に用いうる支持体としては、寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)等が挙げられる。これらは、樹脂フィルムや金属板などの単一成分のシートであっても、2以上の材料の積層体であってもよく、例えば、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙やプラスチックフィルム、異種のプラスチックフィルム同志の積層シート等が含まれる。
支持体としては、親水化したアルミニウム支持体であることが特に好ましい。
好適なアルミニウム支持体は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。
上記アルミニウム支持体の厚みは、およそ0.1〜0.6mm程度、好ましくは0.15〜0.4mm、特に好ましくは0.2〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
このように粗面化されたアルミニウム板は、所望により、アルカリエッチング処理、中和処理を経て、表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施すことができる。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。
陽極酸化被膜の量は1.0g/m2 以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2 の範囲である。陽極酸化被膜が1.0g/m2 未満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
尚、このような陽極酸化処理は平版印刷版の支持体の印刷に用いる面に施されるが、電気力線の裏回りにより、裏面にも0.01〜3g/m2 の陽極酸化被膜が形成されるのが一般的である。
支持体表面の親水化処理は、上記陽極酸化処理の後に施されるものであり、従来より知られている処理法が用いられる。このような親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号公報に開示されているようなアルカリ金属珪酸塩(例えば、珪酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体が珪酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号公報に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が用いられる。
これらの中で、本発明において特に好ましい親水化処理は珪酸塩処理である。珪酸塩処理について、以下に説明する。
上述の如き処理を施したアルミニウム板の陽極酸化被膜を、アルカリ金属珪酸塩が0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜10質量%であり、25℃でのpHが10〜13である水溶液に、例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHが10より低いと液はゲル化し13.0より高いと酸化皮膜が溶解されてしまう。本発明に用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウムなどが使用される。アルカリ金属珪酸塩水溶液のpHを高くするために使用される水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩もしくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、蓚酸塩、ホウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の好ましい範囲は0.01〜10質量%であり、更に好ましい範囲は0.05〜5.0質量%である。
珪酸塩処理により、アルミニウム板表面上の親水性が一層改善されるため、印刷の際、インクが非画像部に付着しにくくなり、汚れ性能が向上する。
[バックコート層]
支持体の裏面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。かかるバックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3 4 、Si(OC2 5 4 、Si(OC3 7 4 、Si(OC4 9 4 などの珪素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから与られる金属酸化物の被覆層が耐現像性に優れており特に好ましい。
以上のようにして、本発明の平版印刷版原版を作製することができる。この平版印刷版原版は、可視光レーザー、赤外線レーザなどのレーザーで記録できる。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発明における露光光源は、記録層の態様に応じて適宜選択しうるが、350〜450nmの可視光レーザー、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版は、露光した後、好ましくは、水又はアルカリ性水溶液にて現像される。
現像液として、アルカリ性水溶液を用いる場合、本発明の平版印刷版原版の現像液及び補充液としては、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
さらに、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液と同じもの又は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。好ましい有機溶剤としてはベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又はポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビット、マンニット等の非還元糖を添加することもできる。
さらに、現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸又は亜硫酸水素酸のナトリウム塩及びカリウム塩等の無機塩系還元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
以上記述した現像液及び補充液を用いて現像処理された印刷版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、電気伝導度をセンサーにて感知し、自動的に補充することもできる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
このような処理によって、本発明の画像記録材料より得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[合成例:特定ポリマー(P−1)の合成]
1.モノマー(M−1)の合成
モノマー(M−1)は以下のように合成した。
1L三口フラスコに、イミノジ酢酸46.55g(0.35mol)、MeOH350ml、H2O350mlを60℃で攪拌しながら、NaOH23.1g(0.58mol)を少しずつ添加した。その後クロロメチルスチレン53.5g(0.35mol)を30分かけて半分滴下し、NaOHをさらに23.1g(0.58mol)を添加し、クロロメチルスチレンの、もう半分を滴下した。60℃でさらに3時間反応したのち、反応溶液を1/3量まで除媒し、その後メチルエチルケトンで抽出した。水相に濃塩酸を加えてpH2〜3に調整した。析出した白色固体をろ過、水洗し、乾燥してモノマー(M−1)を29.3g(収率33.6%)で得た。モノマー(M−1)の構造を以下に示す。
Figure 2007248863
2.モノマー(M−2)の合成
モノマー(M−2)は以下のように合成した。
1000mL三口フラスコ内に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート133gのTHF520mL溶液を調製し、0℃に冷却した。撹拌しながら、3−クロロプロピオン酸クロリド130gを滴下ロートを用いて、1時間かけて滴下したのちに、徐々に室温まで昇温させた。室温で12時間撹拌した後に、反応混液を氷水1L中に投じた。1時間撹拌した後に、酢酸エチル2Lで3回に分け抽出し、得られた有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次、洗浄した後に、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過した後に溶媒をロータリーエバポレーターにて減圧留去した。得られた残差をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(流出溶媒;ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、下記構造の化合物(M−2)を180g得た。化合物(M−2)の構造は、NMR、質量分析スペクトル、IRから確認した。
Figure 2007248863
3.特定ポリマー(P−1)の合成
コンデンサー、撹拌機を取り付けた1000ml三口フラスコにジメチルスルホキシド(DMSO)86.41g、メタノール15.25gを入れ、80℃の窒素雰囲気下で、上記合成モノマー(M−1)74.76g(300.0mmol)、上記合成モノマー(M−2)22.06g(100.0mmol)、ビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド25.38g(100.0mmol)、開始剤V601(ジメチル 2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、和光純薬製) 5.7565g(25.0mmol)、2−メルカプトエタノール3.24g(41.5mmol)、DMSO345.65g、メタノール61.00gの溶液を2時間かけて滴下し、さらに、4時間反応させた。反応混液をDMSO100mLで希釈、0℃に冷却した後、撹拌しながら、トリエチルアミン12.04gを滴下し、徐々に室温まで昇温させながら、12時間反応させた。反応混液を0℃に冷却した後、撹拌しながら、5M(mol/l)HCIを反応混液のpHが6以下になるまで滴下した。反応液を水3L中に投じ、重合体を析出させた。これを、ろ取、洗浄、乾燥し、特定ポリマー(P−1)を得た。NMRスペクトルより、M−1由来の基がすべてアクリル基に変換されたことが確認された。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、重量平均分子量を測定した結果、20000であった。
[実施例1〜30]
(アルミニウム支持体の作製)
99.5%以上のアルミニウムと、Fe 0.30%、Si 0.10%、Ti 0.02%、Cu 0.013%を含むJIS A1050合金の溶湯を清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理には、溶湯中の水素などの不要なガスを除去するために脱ガス処理し、セラミックチューブフィルタ処理をおこなった。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊を表面から10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。次いで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中で500℃60秒中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、板圧0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均表面粗さRaを0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。
次に、平版印刷版支持体とするための表面処理を行った。
まず、アルミニウム板表面の圧延油を除去するため10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間脱脂処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
次いで、支持体と記録層の密着性を良好にし、かつ非画後部に保水性を与えるため、支持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理を行った。1%の硝酸と0.5%の硝酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密度20A/dm2、デューティー比1:1の交番波形でアノード側電気量240C/dm2を与えることで電解砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間エッチング処理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行った。
さらに耐摩耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸化によって支持体に酸化皮膜を形成させた。電解質として硫酸20%水溶液を35℃で用い、アルミウェブを電解質中に通搬しながら、間接給電セルにより14A/dm2の直流で電解処理を行うことで2.5g/m2の陽極酸化被膜を作製した。
(中間層の形成)
上述の様に作製されたアルミニウム支持体上に、下記の中間層形成用塗布液を塗布した後、80℃で15秒間乾燥し、中間層を設けた。乾燥後の被覆量は、15mg/m2であった。
<中間層形成用塗布液>
・表2又は表3に記載の特定ポリマー 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
なお、表2中に記載の特定ポリマーは、前記した特定ポリマーの例示化合物に対応する。
(記録層の形成)
下記記録層塗布液(T−1〜T−3、及び、V−1〜V−3)を調製し、上記のようにして得られた中間層を設けたアルミニウム支持体にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて115℃で45秒間乾燥して記録層を形成し、平版印刷版原版を得た。乾燥後の被覆量は1.2〜1.3g/m2の範囲内であった。なお、各実施例に用いた記録層塗布液の種類については、下記表2中に示す。
更に、下記組成のオーバーコート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して、本発明に係る平版印刷版原版を得た。オーバーコート層の塗布量は2.3g/m2であった。
<記録層塗布液(T−1)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−1)) 2.00g
・(B)成分:オニウム塩化合物(下記化合物(B−1)) 0.40g
・(C)成分:赤外線吸収剤(下記化合物(C−1)) 0.10g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−1)) 2.00g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸 0.05g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
<記録層塗布液(T−2)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−2)) 1.90g
・(B)成分:オニウム塩化合物(下記化合物(B−2)) 0.32g
・(C)成分:赤外線吸収剤(下記化合物(C−1)) 0.10g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−2)) 1.00g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸 0.05g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
<記録層塗布液(T−3)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−3)) 2.10g
・(B)成分:オニウム塩化合物(下記化合物(B−1)) 0.35g
・(C)成分:赤外線吸収剤(下記化合物(C−1)) 0.08g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−1)) 1.95g
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸 0.05g
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−176,大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・メタノール 10.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
<記録層塗布液(V−1)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−4)) 2.00g
・(B)成分:重合開始剤(下記化合物(B−3)) 0.10g
・(C’)成分:増感色素(下記化合物(C−3)) 0.12g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−1)) 2.00g
・(E)成分:共増感剤(下記化合物(E−1)) 0.50g
・顔料分散物 2.00g
−顔料分散物の組成−
・Pigment Blue 15:6 15質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)
・シクロヘキサノン 15質量部
・メトキシプロピルアセテート 20質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
<記録層塗布液(V−2)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−4)) 2.00g
・(B)成分:重合開始剤(下記化合物(B−4)) 0.20g
・(C’)成分:増感色素(下記化合物(C−2)) 0.10g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−1)) 2.00g
・(E)成分:共増感剤(下記化合物(E−2)) 0.40g
・顔料分散物 2.00g
−顔料分散物の組成−
・Pigment Blue 15:6 15質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)
・シクロヘキサノン 15質量部
・メトキシプロピルアセテート 20質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
<記録層塗布液(V−3)>
・(A)成分:ラジカル重合性化合物(下記化合物(A−3)) 2.00g
・(B)成分:重合開始剤(下記化合物(B−3)) 0.15g
・(C’)成分:増感色素(下記化合物(C−2)) 0.15g
・(D)成分:バインダーポリマー(下記化合物(D−1)) 2.00g
・(E)成分:共増感剤(下記化合物(E−1)) 0.40g
・顔料分散物 2.00g
−顔料分散物の組成−
・Pigment Blue 15:6 15質量部
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 10質量部
(共重合モル比83/17)
・シクロヘキサノン 15質量部
・メトキシプロピルアセテート 20質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 40質量部
・フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−780F、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 20g
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 20g
以下に、上記記録層塗布液(T−1)〜(T−3)及び(V−1)〜(V−3)において用いられた各化合物(A−1〜A−4、B−1〜B−4、C−1〜C−3、D−1〜D−3、E−1、E−2)の構造を示す。
Figure 2007248863
Figure 2007248863
<オーバーコート層塗布液>
・ポリビニルアルコール 2.5g
(ケン化度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドン 0.5g
(K30、東京化成工業(株)製 分子量4万)
・非イオン性界面活性剤 0.05g
(EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製)
・イオン交換水 96.95g
[比較例1、5、9、13、17、21]
実施例1、7、10、16、22、25において、中間層を設けなかった以外は、実施例1、7、10、16、22、25と同様にして、比較例1、5、9、13、17、21の平版印刷版原版を得た。
[比較例2〜4、6〜8、10〜12、14〜16、18〜20、22〜24]
実施例1の中間層形成用塗布液における特定ポリマー(P−1)に代えて、下記比較用ポリマー(PC−1〜PC−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2〜4、6〜8、10〜12、14〜16、18〜20、22〜24の平版印刷版原版を得た。
Figure 2007248863
[感度評価(1)]
実施例1〜15、及び、比較例1〜12の平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter3244にて、解像度2400dpi、外面ドラム回転数150rpm、出力0〜8Wの範囲で、露光量をlogEで0.15ずつ変化させて露光した。露光後、富士フイルム(株)社製自動現像機LP−1310HIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。第一浴には下記現像液を、第二浴には水を、第三浴には富士フイルム(株)社製GN−2Kの1:1水希釈液を用いた。
現像して得られた平版印刷版の画像部濃度を、マクベス反射濃度計RD−918を使用し、該濃度計に装備されている赤フィルターを用いてシアン濃度を測定した。測定した濃度が0.8を得るのに必要な露光量の逆数を感度の指標とした。なお、評価結果は、実施例1で得られた平版印刷版の感度を100とし、他の平版印刷版の感度はその相対評価とした。値が大きいほど、感度が優れていることになる。結果を表2に示す。
[耐刷性の評価(1)]
次に、ローランド社製印刷機R201を用いて印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性を評価した。結果を前記表1に併記する。また、比較例として、本発明に含まれない中間層を設けて得られた平版印刷版についても同様にして耐刷性を評価し、結果を表2に併記する。
Figure 2007248863
表2に示すように、特定ポリマーを中間層に含有する実施例1〜15の各平版印刷版原版は、耐刷性に優れるものであることが判った。
一方、アミノ酸基又は重合性基のうちの一方のみ、或いはいずれも含まない本発明の範囲外であるポリマーを中間層に用いた比較例1〜12の平版印刷版原版は、実施例の平版印刷版原版に比較して耐刷性が劣ることが判った。
[感度評価(2)]
実施例16〜30、及び、比較例13〜24の平版印刷版原版を、富士写真フイルム(株)製の富士ステップガイド(ΔD=0.15で不連続的に透過光学濃度が変化するグレースケール)を密着させ、光学フィルターを通したキセノンランプにより既知の露光エネルギーとなるように露光を行った。短波半導体レーザへの露光適性を見積もる目的で、光学フィルターとしてケンコーBP−40を用い、400nmのモノクロミックな光で露光を行った。その後、100℃−10秒間オーブンで加熱した後、富士写真フイルム(株)製自動現像機FLP−813に、下記に記載の現像液と富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2Wをそれぞれ仕込み、現像液温度30℃、現像時間18秒の条件で露光済みの版を現像/製版し、平版印刷版を得た。得られた画像が完全に除去される最高の段数を読み、その露光エネルギー量を求め、感度を算出した(単位、mJ/cm2)。エネルギー量が小さい程、高感度である。
結果を表3に示す。
(現像液の組成)
下記組成からなるpH12.0の水溶液
水酸化カリウム 0.2g
1Kケイ酸カリウム 2.4g
(SiO2 /K2O=1.9)
下記の化合物 5.0g
Figure 2007248863
エチレンジアミンテトラ酢酸・4Na塩 0.1g
水 91.3g
[耐刷性の評価(2)]
平版印刷版を印刷機に装着し印刷した。この際、印刷機として小森コーポレーション(株)製リスロンを使用し、インキとして大日本インキ化学工業社製グラフG(N)を使用した。ベタ画像部からなる印刷物を観察し、画像がかすれはじめた枚数によって耐刷性を調べた。数字が大きいほど耐刷性が良いことを示す。結果を表3に併記する。
表3に示すように、特定ポリマーを中間層に含有する実施例の各平版印刷版原版は、耐刷性に優れるものであることが判った。
一方、アミノ酸基又は重合性基のうちの一方のみ、或いはいずれも含まない本発明の範囲外であるポリマーを中間層に用いた比較例13〜24の平版印刷版原版は、実施例の平版印刷版原版に比較して耐刷性が劣ることが判った。
Figure 2007248863
表3に示すように、特定ポリマーを中間層に含有する実施例16〜30の各平版印刷版原版は、耐刷性に優れるものであることが判った。
一方、アミノ酸基又は重合性基のうちの一方のみ、或いはいずれも含まない本発明の範囲外であるポリマーを中間層に用いた比較例13〜24の平版印刷版原版は、実施例の平版印刷版原版に比較して耐刷性が劣ることが判った。

Claims (4)

  1. 親水化したアルミニウム支持体上に、アミノ酸基及び重合性基を側鎖に有するポリマーを含有する中間層と、(A)重合性化合物、及び(B)重合開始剤を含有する画像形成可能な記録層と、を順次設けることを特徴とするネガ型平版印刷版原版。
  2. 前記中間層のポリマーが、さらに側鎖にアンモニウム塩構造を有することを特徴とする請求項1に記載のネガ型平版印刷版原版。
  3. 前記記録層が、さらに(C)700〜1300nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネガ型平版印刷版原版。
  4. 前記記録層が、さらに(C’)300〜600nmに吸収極大を有する増感色素を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネガ型平版印刷版原版。
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