JP2015509550A - キレート官能基を有するコーティング組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(A)及び水系溶媒、及び(B)1種類以上のアミノカルボキシラート化合物又はその塩、1種類以上の別の重合性モノマー、1種類以上のエチレン性不飽和モノマー、及び場合によっては、1種類以上の架橋モノマーから誘導される単位を含むキレートポリマーを含む、塗床材組成物を提供する。例えば、アミノカルボキシラート化合物又はその塩は、イミノ二酢酸(IDA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)及びエチレンジアミンジコハク酸(EDDS)又はそれらの塩のうち1種類以上とすることができる。適切な重合性モノマーは、メタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルグリシジルエーテル(AGE)、塩化ビニルベンジル(VBC)、臭化アリル及びそれらの誘導体のうち1種類以上とすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、良好な耐引っかき性及び耐摩耗性を有し、容易に剥離することができ、水系溶媒及びキレートポリマーを含み、該キレートポリマーが1種類以上のアミノカルボキシラート化合物又はその塩から誘導される単位及び1種類以上の別のモノマーを含む、塗床材として使用される組成物に関する。
塗床材組成物(例えば、磨き剤)は、清浄で清潔な外観を維持するために、ビニル、タイル、木材などの床基材に塗布される。それらは、一般に、基材の通常使用中に遭遇する跡、汚れ、擦り傷、摩耗及び引っかき傷を犠牲的に受け、それに耐えることによって下にある床基材を保護するフィルムを形成する犠牲コーティングであるように意図されている。その使用期間中に、保護フィルムは、時間とともに蓄積する汚れ、擦り傷及び引っかき傷を可能であれば除去する、水性洗剤洗浄、研磨機械的摩耗などの過酷な保守実務に耐えなければならない。保護フィルムの有効寿命又は審美的寿命が切れると、保護フィルムは、基材から除去され、新しいコーティング組成物と交換される。したがって、剥離が容易なことは、跡、汚れ、引っかき傷及び洗剤に耐えるコーティング能力と同様に重要である。
従来技術は、コーティング組成物の耐久性を維持しながら、耐洗剤性と剥離性のバランスをとるために、亜鉛などとの遷移金属架橋を使用した。より最近では、環境安全性に関する関心が高まり、床磨き剤組成物における亜鉛架橋技術の使用が許容されなくなってきている。亜鉛は、小川、川及び湖の水生生物に有毒な場合がある。都市下水道施設は、廃水中の施設に入る亜鉛レベルに限界値がある。全亜鉛入力に対する床仕上げ産業の寄与は比較的小さいかもしれないが、相変わらず都市下水道当局に注目されている。多くの米国地方自治体及び学区並びにUnited States Green Building Councilが、その管理洗浄製品及び業務契約において亜鉛を含まない仕上げ剤の使用を要求し始めている。
これまでに開発された亜鉛を含まない床磨き剤組成物は、擦り傷、汚れ及び引っかき傷を寄せ付けない十分な耐性を与えず、又はコーティングを回復するのに使用される洗剤及び機械的ラビングに対して許容される耐性を与えることができずに、予想される性能特性に達しない傾向にあった。例えば、亜鉛の代わりにカルシウムを使用しているが、産業界の要求に合致していない塗床材組成物を開示している米国特許出願第2007/0254108号を参照されたい。さらに、アセトアセテート官能基ポリマーと、亜鉛でもよいが、好ましくはカルシウム、マグネシウム又はその混合物などのアルカリ土類金属イオンである二価の金属イオンとを含む、水性コーティング組成物を開示している米国特許第6,586,516号を参照されたい。米国特許第6,586,516号の組成物は、種々の基材に対して耐擦り傷性、耐傷性及び耐衝撃性を有する表面コーティングを提供する。最終消費者は、擦り傷、傷、跡、汚損などに対する耐性を含めて、現行の亜鉛含有最新床仕上げ剤から予想される性能、さらに好ましい剥離性を与える、亜鉛を含まない床磨き剤を強く好むであろう。
塗床材組成物においてカルシウム、マグネシウムなどの亜鉛以外の多価金属を使用して架橋する際に遭遇する問題は、より高レベルのかかる他の金属を使用しなければならず、同時にコーティング安定性を維持することが困難になることである。伝統的な錯化モノマー(complexing monomer)(例えば、アシリック酸(acylic acid)、メタクリル酸、イタコン酸)を使用して通常は実施することができない、アルミニウム、ジルコニウム、チタンなどの他金属を取り込むことも望まれる。
他の解決策も試みられている。例えば、米国特許第5,574,090号は、水性コーティングシステムにおける金属架橋の代替物を記載している。このシステムのコーティング組成物は、膨潤性ポリマーと、膨潤剤と相互作用してその有効寿命の最後にコーティングの剥離及び除去を用意にする官能基を含むポリマーとの組合せを含む。この特許は、さらに、酸官能基ポリマーをアミン膨潤剤と一緒に使用することができ、アミン官能基ポリマーを酸膨潤剤と一緒に使用することができることを教示している。米国特許第5,574,090号は、アンモニアなどのアミン及び低級アルキル、又は低級アルカノールアミンと組み合わせて、膨潤性ポリマーとしてカルボン酸官能基を含むポリマーが最も好ましいことを教示している。
米国特許第5,426,142号は、アセトアセテート官能基を含み、さらにアミノ官能基シランと反応して、木材、ガラス及びコンクリートのコーティング及びシーラントを含めて、種々の用途に適切な自己架橋、常温硬化、フィルム形成ポリマーを生成する、フィルム形成ポリマーを教示している。
より最近では、キレート官能基を有するアクリルポリマーは、種々の用途において金属イオンの結合に有用であることが認められた。例えば、米国特許第3,331,773号は、カルシウム及びマグネシウムスケール形成を阻害する水処理剤として有用である、キレート官能基を有する水溶性ポリマーの調製を教示している。これらのポリマーは、脂肪族ポリマー骨格を有する水溶性ポリマーに水溶性キレートモノマーをグラフトすることによって形成される。ジエチレントリアミン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び他のポリアルキレンポリアミンポリ酢酸が、適切なキレートモノマーの例として米国特許第3,331,773号に特定されている。
さらに、米国特許第5,514,732号は、キレート官能基を有する水不溶性ポリマーでできたコンタクトレンズも記載している。このポリマーは、重合性オレフィン基を有するアミノポリカルボン酸、並びに親水性モノマー及び1種類以上の架橋モノマーでできている。
米国特許出願第2008/00262192号は、洗剤、水処理剤及び分散剤としての使用に適切な高キレート化性能及びクレイ分散能(clay dispersancy)を有する水溶性ポリマーを記載している。これらのポリマーは、イミノ二酢酸(IDA)などのアミン化合物をアリルグリシダルエーテル(allyl glycidal ether)(AGE)などのアリルモノマーに、不飽和モノカルボン酸モノマーを含めて、ただしそれだけに限定されない他の重合性モノマーと一緒に付加して誘導されるアミノ基含有アリルモノマーを重合することによって製造される。
最も最近では、ビニルアミノカルボキシラートモノマーは、アミン系キレート官能基を与えるのに有用であることが判明した。ビニルアミノカルボキシラートモノマーは、アミン系キレート官能基を有し、種々のタイプのアクリルモノマーの製造に一般に使用されるエチレン性不飽和モノマーと一緒に重合可能である、一クラス全体の重合性アクリルモノマーである。これは、AGE−IDAビニルアミノカルボキシラートモノマーが記載され、カルボン酸系コポリマーに組み込まれる、上記米国特許出願第2008/00262192号に記載の技術に関係する。かかるビニルアミノカルボキシラートモノマーから誘導される重合単位を含むポリマーは、有効なキレート化剤と確認され、したがって、種々の可能な用途に有用であることが予想される。米国特許出願第_(米国特許出願第61/553626、61/553,642、61/553,658号)は、例えば(IDA)、イミノジコハク酸(IDS)若しくはその塩とビニルエポキシベンゼンモノマーとの反応、又はエチレンジアミン三酢酸(ED3A)若しくはその塩とビニルエポキシベンゼン、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリラートなどの重合性ビニルモノマーとの反応から生成するビニルアミノカルボキシラートモノマーを含めて、他のビニルアミノカルボキシラートモノマーを記載している。エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)又はその塩とビニルエポキシベンゼン、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリラートなどの重合性ビニルモノマーとの反応から生成するアミノカルボキシラートモノマーから誘導される重合単位を含むキレート官能基を有するポリマーも開示されている。
本発明は、跡、汚れ、引っかき傷、擦り傷及び洗剤に対して優れた耐性を与え、コーティングの有効寿命の最後に剥離を容易にする優れた剥離性も与える、亜鉛を含まない塗床材組成物の必要性に対処するものである。これらの塗床材組成物は、アミン系キレート官能基を有するポリマーを含み、高添加レベルで金属と結合して、保護フィルムを硬化させる亜鉛系架橋スキームの代替として役立つことができる。
本発明は、(A)水系溶媒及び(B)キレートポリマーを含む塗床材組成物を提供する。キレートポリマーは、(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩、(2)ビニル基、アリル基又はその両方及び場合によってはエポキシ基を含む1種類以上の重合性モノマー、及び(3)1種類以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位を含む。
(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩から誘導される重合単位は、以下の構造のうち少なくとも1種類のアミノカルボキシル基を有するものを含む。
Figure 2015509550
式中、R及びRは各々独立に、水素、COOX又はCOOXであり、
、X、X及びXは各々独立に、水素又は一価若しくは多価陽イオンであり、
は、水素、又は重合性モノマーから誘導される単位であり、
*は、アミノカルボキシル基が、重合性モノマーから誘導される単位において、又はエチレン性不飽和モノマーから誘導される単位において、キレートポリマーに結合している位置である。
一部の実施形態においては、(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩を、イミノ二酢酸(IDA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)及びそれらの塩からなる群から選択することができる。
さらに、一部の実施形態においては、(B)(2)1種類以上の重合性モノマーを、メタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルグリシジルエーテル(AGE)、塩化ビニルベンジル(VBC)、臭化アリル及びそれらの誘導体からなる群から選択することができる。
塗床材組成物の一部の実施形態は、カルボン酸、カルボン酸エステル、マレイン酸、スチレン、スルホン酸及びそれらの組合せからなる群から選択される(B)(3)1種類以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される単位を含む。
一部の実施形態においては、例えば、塗床材組成物は、塗床材組成物の総重量に基づいて(A)1重量%から95重量%の水系溶媒、及び(B)5重量%から80重量%のキレートポリマーを含む。
さらに、本発明の床磨き剤組成物の一部の実施形態においては、(B)キレートポリマーは、さらに、1種類以上の架橋モノマーから誘導される単位を含む。架橋モノマーは、ジビニル芳香族化合物;ジ−、トリ−及びテトラ−(メタ)アクリル酸エステル;ジ−、トリ−及びテトラ−アリルエーテル化合物、トリ−及びテトラ−アリルエステル化合物、(メタ)アクリル酸アリル並びにそれらの組合せからなる群から選択することができる。
本発明は、表面を有する床基材を保護する方法であって、床基材の表面に、上述したように(A)水系溶媒及び(B)キレートポリマーを含む塗床材組成物を塗布する工程を含む方法も提供する。
本発明のより完全な理解は、以下に考察する実施形態から、添付図面を参照して、得られるであろう。図面中、同じ参照番号は同じ構成要件を指す。
比較例F、G及びHのせん断弾性率(G’)と温度のプロットである。 実施例15、3及び9のせん断弾性率(G’)と温度のプロットである。 実施例3、比較例C及び比較例Hのせん断弾性率(G’)と温度のプロットである。 実施例3、実施例4、比較例C及び比較例Hのせん断弾性率(G’)と温度のプロットである。
本明細書に記載の百分率はすべて、別段の記載がない限り、重量百分率(wt%)である。
温度はセルシウス度(℃)であり、「周囲温度」は、別段の記載がない限り、20℃から25℃を意味する。
本明細書では「(メタ)アクリル」という用語は、アクリル酸及びメタクリル酸を含む。
「ポリマー」は、同じタイプのモノマーであろうと異なるタイプのモノマーであろうと、モノマーの重合によって調製された、ポリマー化合物又は「樹脂」を意味する。ホモポリマーは、単一タイプのモノマーから調製されたポリマー化合物であると一般に理解される。同様に、コポリマーは、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマー化合物である。例えば、アクリル酸モノマーのみから誘導される重合単位を含むアクリル酸ポリマーはホモポリマーであり、アクリル酸、メタクリル酸及びアクリル酸ブチルから誘導される重合単位を含むポリマーはコポリマーである。本明細書では、「ポリマー」という総称は、「ホモポリマー」、「コポリマー」並びに「ランダム」ポリマー及び「ブロック」ポリマーという用語を含む。
本明細書では「から誘導される重合単位」という用語は、重合技術によって合成されたポリマー分子を指し、生成物ポリマーは、重合反応の出発材料である成分モノマー「から誘導される重合単位」を含む。重合反応の出発材料として使用される全成分モノマーの合計に基づく成分モノマーの割合は、それぞれの成分モノマーから誘導される同じ割合の単位を有するポリマー生成物をもたらすと考えられる。例えば、アクリル酸モノマー80重量%及びメタクリル酸モノマー20重量%が重合反応に供される場合、得られるポリマー生成物は、アクリル酸から誘導される単位80重量%及びメタクリル酸から誘導される単位20重量%を含む。多くの場合、これを80%AA/20%MAAと省略形で記述する。同様に、例えば、特定のポリマーが、アクリル酸50重量%、メタクリル酸40重量%及びイタコン酸10重量%(すなわち、50%AA/40%MAA/10%IA)から誘導される単位を含むとされる場合、重合反応に供される成分モノマーの割合は、全3種類の成分モノマーの総重量に基づいてアクリル酸50重量%、メタクリル酸40重量%及びイタコン酸10重量%と考えることができる。
「重合性モノマー」は、一般に、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、その種の別のモノマー又は分子、別の重合性モノマー又は分子、又は重合性ペンダント基を有するポリマーと通常の重合条件下で追加の共有結合を形成することができ、生成物ポリマーに組み込まれる、モノマー又は別の分子を意味する。
「エチレン性不飽和モノマー」は、それを重合可能にする1個以上の二重炭素−炭素結合を有する分子を意味する。モノエチレン性不飽和モノマーは、1個の炭素−炭素二重結合を有し、マルチエチレン性不飽和モノマーは2個以上の炭素−炭素二重結合を有する。本明細書では、エチレン性不飽和モノマーとしては、カルボン酸、カルボン酸エステル、マレイン酸、スチレン及びスルホン酸が挙げられるが、それだけに限定されない。カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びその混合物が挙げられる。マレイン酸モノマーとしては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸及びその置換体が挙げられる。スルホン酸モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリル酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸及び4−スルホブチル(メタ)アクリル酸が挙げられる。エチレン性不飽和モノマーの更なる例としては、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸イソブチル;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのアクリル又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−第三級ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ホスホエチル、メタクリル酸ホスホノエチル(PEM)、及びメタクリル酸スルホノエチル(SEM)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、エチレングリコールジアクリラート、トリメチルオトプロパントリアクリラート(trimethylotpropane triacrylate)、フタル酸ジアリル、酢酸ビニル、スチレン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)及びその塩又はそれらの組合せが挙げられるが、それだけに限定されない。
「ビニルモノマー」という用語は、−CH=CH基を含むモノマーを指す。ビニルモノマーの例としては、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及びネオデカン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの長鎖ビニルアルカノアートが挙げられるが、それだけに限定されない。
「アリルモノマー」という用語は、−CHCH=CH基を含むモノマーを指す。アリルモノマーの例としては、アリルグリシジルエーテル(AGE)、フェニルグリシジルエーテル、塩化ビニルベンジル(VBC)及び臭化アリルが挙げられるが、それだけに限定されない。
当業者によって認識されるように、キレート化合物をポリマーに付加すると、従来から存在する亜鉛イオン−MAA/AAポリマー相互作用から予想されるものに類似した架橋特性を有するキレートポリマーが得られるはずである。これが達成される一方法は、アクリルポリマーを生成する重合反応に続いて、アミン、アミン誘導体などのキレート基をアクリルポリマーにグラフトすることである。例えば、米国特許第3,331,773号を参照されたい。一般に、キレート化合物は、金属イオンと安定な可溶性錯体を形成し、したがってその沈殿を防止する能力がある。
キレート化は、金属イオンとキレート化合物の官能基の平衡反応を特徴とする。最も有効なキレート化合物は、多数の金属イオンに結合し、形成された錯体に伴うより大きな安定性を有する。
キレート化合物は、よく知られており、ポリアミンのアルキロール置換基のポリ酸を含めて、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び別のポリアルキレンポリアミンポリ酢酸などのアミノ酸及びその誘導体などの化合物が挙げられる。別のキレート化合物は、カルボニルラジカル、スルホン酸ラジカル、アミンラジカル、ホスホン酸ラジカルなどからなる活性基を有する。
出願人らは、1種類以上のアミノカルボキシラート型キレート化合物が重合中にポリマーに直接取り込まれたキレート官能基を有するポリマー(すなわち「キレートポリマー」)が、実際に、床磨き剤組成物に使用されたときに、重合後にキレート化合物がグラフトされたポリマーに比べて性能が改善されることを発見した。これは、キレートポリマーが、キレート化合物若しくはその塩と特定の重合性モノマー及び1種類以上のエチレン性不飽和モノマーとのin situ重合によって形成されようと、キレート化合物を反応によって特定の重合性モノマーにまず結合させて、重合性アミノカルボン酸モノマー若しくはその塩を形成し、次いでこれらのアミノカルボン酸モノマー若しくはその塩を1種類以上のエチレン性不飽和モノマーと一緒に重合することによって形成されようと、真実であるように見える。床磨き剤組成物に使用するのに適切なキレートポリマーを形成する2つの方法、及び本発明の方法を以下に更に詳細に記述する。
一実施形態においては、本発明は、亜鉛を含まず、亜鉛含有塗床材組成物と同等以上の架橋、光沢、耐引っかき性などの性能特性を有する塗床材組成物を提供する。より具体的には、本発明の塗床材組成物は、(A)水系溶媒、並びに(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩、(2)ビニル基、アリル基又はその両方及び場合によってはエポキシ基を含む1種類以上の重合性モノマー、及び(3)1種類以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される重合単位としてキレートポリマーを含む。
一部の実施形態においては、例えば、本発明の塗床材組成物は、塗床材組成物の総重量に基づいて、1重量%から95重量%の水系溶媒、及び5重量%から80重量%のキレートポリマーを含む。
例えば、それだけに限定されないが、塗床材組成物は、塗床材組成物の総重量に基づいて、少なくとも3重量%、又は少なくとも10重量%、更には少なくとも30重量%の水系溶媒を含むことができる。さらに、例えば、塗床材組成物は、塗床材組成物の総重量に基づいて、最高70重量%、又は最高80重量%、更には最高90重量%の水系溶媒を含むことができる。
さらに、塗床材組成物は、例えば、それだけに限定されないが、塗床材組成物の総重量に基づいて、少なくとも10重量%、又は少なくとも15重量%、更には少なくとも20重量%のキレートポリマーを含むことができる。さらに、例えば、塗床材組成物は、塗床材組成物の総重量に基づいて、最高65重量%、又は最高70重量%、更には最高75重量%のキレートポリマーを含むことができる。
水系溶媒は、水系溶媒の総重量に基づいて、5重量%から95重量%の水、及び1重量%から50重量%の1種類以上の別の溶媒を含む。
一部の実施形態においては、例えば、それだけに限定されないが、水系溶媒は、水系溶媒の総重量に基づいて、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%、更には少なくとも20重量%の水を含むことができる。さらに、水系溶媒は、例えば、水系溶媒の総重量に基づいて、最高50重量%、又は最高70重量%、更には最高85重量%の水を含むことができる。
さらに、一部の実施形態においては、例えば、それだけに限定されないが、水系溶媒は、水系溶媒の総重量に基づいて、少なくとも2重量%、又は少なくとも5重量%、更には少なくとも10重量%の1種類以上の別の溶媒を含むことができる。さらに、例えば、水系溶媒は、水系溶媒の総重量に基づいて、最高20重量%、又は最高25重量%、更には最高35重量%の水を含むことができる。
1種類以上の別の溶媒として使用するのに適切な化合物は、例えば、凝集溶媒、可塑化溶媒又はその組合せから選択することができる。適切な凝集溶媒は、例えば、とりわけ、ブトキシエチルPROPASOL(商標)、ブチルCARBITOL(商標)、ブチルCELLOSOLVE(商標)アセタート、ブチルCELLOSOLVE(商標)、ブチルDIPROPASOL(商標)、ブチルPROPASOL(商標)、CARBITOL(商標)PM−600、CARBITOL(商標)Low Gravity、CELLOSOLVE(商標)アセタート、CELLOSOLVE(商標)、エステルEEP(商標)、FILMER IBT(商標)、ヘキシルCARBITOL(商標)、ヘキシルCELLOSOLVE(商標)、メチルCARBITOL(商標)、メチルCELLOSOLVE(商標)アセタート、メチルCELLOSOLVE(商標)、メチルDIPROPASOL(商標)、メチルPROPASOL(商標)アセタート、メチルPROPASOL(商標)、プロピルCARBITOL(商標)、プロピルCELLOSOLVE(商標)、プロピルDIPROPASOL(商標)及びプロピルPROPASOL(商標)から選択することができ、そのすべてをDow Chemical Company、Midland、Michigan、U.S.A.から入手可能である。
適切な可塑化溶媒は、例えば、とりわけ、(Dow Chemical Companyから「DOWANOL(商標)EPh」として市販されている)エチレングリコールフェニルエーテル、(Dow Chemical Companyから「DOWANOL(商標)PPh」として市販されている)プロピレングリコールフェニルエーテル;(E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、Delaware、U.S.A.から商品名DBE、DBE−3、DBE−4、DBE−5、DBE−6、DBE−9、DBE−IB及びDBE−MEで市販されている製品を含めて)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチラート;トリブトキシエチルホスファート;アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジブチルなどの二塩基エステル;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチルなどの炭酸ジアルキル;フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジエチルなどのフタル酸エステルから選択することができる。
キレートポリマーにおいては、(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩から誘導される重合単位は、以下の構造のうち少なくとも1種類のアミノカルボキシル基を有するものを含む。
Figure 2015509550
式中、R及びRは各々独立に、水素、COOX又はCOOXであり、
、X、X及びXは各々独立に、水素又は一価若しくは多価陽イオンであり、
は、水素、又は重合性モノマーから誘導される単位であり、
*は、前記アミノカルボキシル基が、重合性モノマーから誘導される単位において、又はエチレン性不飽和モノマーから誘導される単位において、前記キレートポリマーに結合している位置である。
適切な一価又は多価陽イオンとしては、以下の1種類以上が挙げられるが、それだけに限定されない:Na、K、NH 、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、V2+、Mn2+、Fe2+、Al3+、Zr2+、Co2+、Cd2+、Zn2+、TiO2+、Pb2+、Y3+、Pd2+、Ni2+、VO2+、Cu2+、Ga3+、Ti3+、Hg2+、Sc3+、Th4+、In3+、Fe3+、V3+及びそれらの組合せ。好ましい陽イオンは、Na、K、NH 、Ca2+及びMg2+並びにそれらの組合せである。
キレートポリマーの成分モノマーとして使用するのに適切なアミノカルボン酸化合物又はその塩としては、例えば、それだけに限定されないが、イミノ二酢酸(IDA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)又はそれらの塩が挙げられる。言うまでもないが、異なる種類のアミノカルボン酸又はその塩の混合物及び組合せも適切であり得る。
これらの例示的なアミノカルボキシル化合物は、以下の反応前構造を有する。
イミノ二酢酸(IDA)又はその塩は、例えば、以下の一般構造を有する。
Figure 2015509550
式中、X及びXは各々独立に、水素、又は上記したものなどの一価若しくは多価陽イオンである。
一方、イミノジコハク酸(IDS)又はその塩は、以下の一般構造を有する。
Figure 2015509550
式中、X、X、X及びXは各々独立に、水素、又は上記したものなどの一価若しくは多価陽イオンである。
エチレンジアミン三酢酸(ED3A)又はその塩は、以下の一般構造を有する。
Figure 2015509550
式中、X、X及びXは各々独立に、水素、又は上記したものなどの一価若しくは多価陽イオンである。
エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)又はその塩は、以下の一般構造を有する。
Figure 2015509550
式中、X、X、X及びXは各々独立に、水素、又は上記したものなどの一価若しくは多価陽イオンである。
(B)(2)1種類以上の重合性モノマーから誘導されるキレートポリマーの単位は、ビニル基(−CH=CH)、アリル基(−CHCH=CH)又はその両方、及び場合によってはエポキシ基を含む。これらの単位は、例えば、それだけに限定されないが、以下の構造のうち1種類以上を有することができる。
Figure 2015509550
Figure 2015509550
式中、Y及びYは各々独立に、存在する場合、水素、COOX又はCOOXであり、X及びXは各々独立に、水素、又は本明細書に定義された一価若しくは多価陽イオンである。
適切な一価又は多価陽イオンとしては、以下の1種類以上が挙げられるが、それだけに限定されない:Na、K、NH 、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、V2+、Mn2+、Fe2+、Al3+、Zr2+、Co2+、Cd2+、Zn2+、TiO2+、Pb2+、Y3+、Pd2+、Ni2+、VO2+、Cu2+、Ga3+、Ti3+、Hg2+、Sc3+、Th4+、In3+、Fe3+、V3+及びそれらの組合せ。好ましい陽イオンは、Na、K、NH 、Ca2+及びMg2+並びにそれらの組合せである。
さらに、当業者によって容易に認識されるように、キレートポリマーのこれらの単位(B)(2)を誘導するのに適切なモノマーとしては、例えば、それだけに限定されないが、メタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルグリシジルエーテル(AGE)、塩化ビニルベンジル(VBC)及び臭化アリル並びにそれらの誘導体が挙げられる。
キレートポリマーの単位(B)(3)が誘導されるエチレン性不飽和モノマーとしては、上記のものが挙げられるが、それだけに限定されない。好ましいエチレン性不飽和モノマーとしては、カルボン酸、カルボン酸エステル、マレイン酸、スチレン、スルホン酸及びそれらの組合せが挙げられる。
特に適切なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、カルボキシル、スルホン及びホスホン基の1種類以上から選択される酸性官能基を含むものが挙げられる。例えば、適切なカルボン酸モノマーとしては、不飽和モノカルボン酸及びジカルボン酸モノマーなどのモノエチレン性不飽和(C−C)カルボン酸モノマーが挙げられるが、それだけに限定されない。例えば、不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、アルファ−エタクリル酸、ベータ−ジメチルアクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、エチリジン酢酸、プロピリジン酢酸、クロトン酸、アクリルオキシプロピオン酸並びにそれらのアルカリ及び金属塩が挙げられる。適切な不飽和ジカルボン酸モノマーとしては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸並びにそれらのアルカリ及び金属塩が挙げられる。
追加の適切なモノエチレン性不飽和モノマーは、スルホン酸又はホスホン基を含むものとしては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパン−スルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリル−アミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、スチレン−スルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリル酸2−スルホエチル、アクリル酸3−スルホプロピル、メタクリル酸3−スルホプロピル、スルホメチルアクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド及びメタクリル酸ホスホエチルが挙げられる。
更なる例としては、1種類以上のモノエチレン性不飽和モノマーは、ヒドロキシ、チオール及びアミノ基から選択される1個以上のペンダント反応性官能基を含む1種類以上の(メタ)アクリルモノマーを含むことができる。適切なヒドロキシ官能基(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシル(C−C)アルキルが挙げられる。適切なアミノ官能基(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチル−アミノプロピル及びアクリル酸ジメチルアミノプロピルが挙げられる。適切なチオール官能基(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸2−メルカプトプロピルが挙げられる。
更なる例としては、1種類以上のモノエチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸第二級ブチル、アクリル酸第三級ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、シクロプロピル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヘキシル及びシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、((メタ)アクリル酸ラウリルとしても知られる)(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、((メタ)アクリル酸ミリスチルとしても知られる)(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、((メタ)アクリル酸セチルとしても知られる)(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、((メタ)アクリル酸ステアリルとしても知られる)(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル並びにそれらの組合せなど、ただしそれだけに限定されない1種類以上のメタクリル酸(C−C20)アルキルエステルモノマーを含むことができる。典型的には、(メタ)アクリル酸(C−C20)アルキルエステルは、(メタ)アクリル酸(C−C)アルキルエステル及び好ましくはアクリル酸(C−C)アルキルエステルである。より好ましくは、(メタ)アクリル酸(C−C20)アルキルエステルは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルから選択される。最も好ましくは、アクリル酸エステルは、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルから選択される。
水不溶性ポリマー結合剤の調製に使用される1種類以上のモノエチレン性不飽和モノマーは、例えば、スチレン、アルファ−メチルスチレン、及びビニルトルエン、2−ブロモスチレン、4−クロロスチレン、2−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、アルファ−シアノスチレンなどの置換スチレン、アリルフェニルエーテル、アリルトリルエーテルなどの1種類以上のビニル芳香族モノマーを含むことができる。
水不溶性ポリマー樹脂は、重合単位として、0〜25%などの0〜50%の1種類以上の別の共重合性モノマーを含むこともできる。適切な別の共重合性モノマーとしては、例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニトリル、アルファ−クロロアクリロニトリル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチレン、メチルビニルチオエーテル及びプロピルビニルチオエーテル、ビニルアルコールのエステル、及びエチレン性不飽和(C−C)カルボン酸のアミド、窒素位が1又は2個の(C−C)アルキル基で置換されたエチレン性不飽和(C−C)カルボン酸のアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド及びN−メチロール(メタ)アクリル−アミドが挙げられる。
キレートポリマーが誘導される成分モノマー(B)(1)、(B)(2)及び(B)(3)は、例えば、キレートポリマーを生成する重合反応プロセスに、個々に、又は種々の混合物で、供することができる。これは、本明細書では、キレートポリマーを調製する「in situ」法と称され、すなわち、全3カテゴリーの成分モノマーが供給され一緒に重合される。
あるいは、キレートポリマーは、(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物(aminocarboxylaic acid)又はその塩と(B)(2)1種類以上の重合性モノマーの反応生成物である重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩を、(B)(3)1種類以上のエチレン性不飽和モノマーと一緒に、重合反応に供することによって製造することができる。換言すれば、ビンリル(vinryl)基、アリル基又はその両方及び場合によってはエポキシ基を含む1種類以上の重合性モノマーは、まず、(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩と反応し、それによって重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩を形成することによって改変される。重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩は、次いで、1種類以上のエチレン性不飽和モノマーと重合して、本願の床磨き剤組成物及び方法における使用に適したキレートポリマーを生成する。
一部の実施形態においては、例えば、重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩は、重合性モノマーと、イミノ二酢酸、イミノジコハク酸、エチレンジアミン三酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸からなる群から選択される少なくとも1種類のキレート化合物から調製される。かかる実施形態においては、1種類以上の重合性モノマーは、例えば、それだけに限定されないが、メタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルエーテル(AGE)、塩化ビニルベンジル(VBC)又はそれらの混合物とすることができる。生成した重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩は、次いで、1種類以上のエチレン性不飽和モノマーと一緒に重合される。好ましいエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸ブチル(BA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸(MAA)、イタコン酸(IA)、スチレン(STY)並びにそれらの塩及び誘導体が挙げられる。
さらに、一部の実施形態においては、塗床材組成物中のキレートポリマー(B)は、キレートポリマー(B)の総重量に基づいて、(1)1重量%から99重量%の1種類以上のビニルアミノカルボン酸モノマー、及び(2)1重量%から99重量%の1種類以上のエチレン性不飽和モノマーを含む。
本発明による床磨き剤組成物の一部の実施形態においては、キレートポリマーは、さらに、(4)1種類以上の架橋モノマーから誘導される単位を含むことができる。架橋モノマーは、2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーであり、例えば、それだけに限定されないが、ジビニル芳香族化合物、ジ−、トリ−及びテトラ−(メタ)アクリル酸エステル、ジ−、トリ−及びテトラ−アリルエーテル又はエステル化合物、並びに(メタ)アクリル酸アリルが挙げられる。本発明における使用に好ましい架橋モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン(DVB)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、テトラアリルペンタエリスリトール、トリアリルペンタエリスリトール、ジアリルペンタエリスリトール、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、ビスフェノールAジアリルエーテル、アリルスクロース、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリラート、メタクリル酸アリル(ALMA)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、ヘキサン−1,6−ジオールジアクリラート(HDDA)及びブチレングリコールジメタクリラート(BGDMA)が挙げられる。特に好ましい架橋モノマーとしては、DVB、ALMA、EGDMA、HDDA及びBGDMAが挙げられる。一部の実施形態において存在するときには、1種類以上の架橋モノマーは、ビ−、トリ−又はテトラ−エチレン性不飽和、更にはそれらの組合せとすることができる。
キレートポリマーは、キレートポリマーの総重量に基づいて、1種類以上の架橋モノマーから誘導される単位0.3重量%から3重量%を含むことができる。例えば、一部の実施形態においては、キレートポリマーは、キレートポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.4重量%、又は少なくとも0.6重量%、又は少なくとも0.8重量%、又は少なくとも0.9重量%、更には少なくとも1.1重量%を含むことができる。同様に、例えば、一部の実施形態においては、キレートポリマーは、キレートポリマーの総重量に基づいて、最高2.8重量%、又は最高2.5重量%、又は最高2.1重量%、又は最高1.8重量%、更には最高1.5重量%を含むことができる。
重合性アミノカルボン酸モノマー又はその塩をアクリル酸ブチル(BA)、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸(MAA)、イタコン酸(IA)、スチレン(STY)などの伝統的なエチレン性不飽和モノマーと共重合すると、高添加レベルで金属と結合することができ、したがって、跡、汚れ、引っかき傷及び洗剤に対する所望の程度の耐性を有し、コーティングを新しいコーティングで置換するときに剥離が容易である亜鉛を含まない塗床材組成物における使用に適した、キレートポリマー(B)を含む独特の水性エマルジョン組成物を生成する。
具体的には、出願人らは、1種類以上のビニルアミノカルボン酸モノマー由来のアミノカルボキシラート基が存在すると、伝統的な床保護ポリマーのカルシウム結合能力が改善されることを見いだした。調製及び評価される重合性キレート剤モノマーは、イミノ二酢酸(IDA)又はエチレンジアミン三酢酸(ED3A)(すなわち、アミン化合物)とメタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルエーテル(AGE)若しくは塩化ビニルベンジル(VBC)又はそれらの誘導体(すなわち、伝統的なビニルモノマー)の反応に基づくビニルアミノカルボキシラートモノマーを含んだ。
以下の実施例で提供するデータによって証明されるように、試験結果によって、新しいアミノカルボキシラート基を含まない伝統的なポリマー組成物に比べて、キレート剤を用いたコポリマーのカルシウム取り込みが改善され、カルシウム架橋性が改善されることが確認された。キレート剤を用いたポリマーは、床磨きにおいて、従来の床磨き剤に匹敵する光沢性能をもたらした。さらに、キレート剤ポリマーは、従来の床磨き剤より優れた耐引っかき性を示した。
本発明の床磨き剤組成物及び方法に有用であるキレートポリマーの調製に使用される重合方法は、特に限定されず、乳化重合、溶液重合、付加重合及びフリーラジカル重合技術を含めて、ただしそれだけに限定されない、当業者に現在又は将来的に公知の任意の方法とすることができる。
例えば、一部の実施形態においては、キレートポリマーは、フリーラジカル重合反応を実施することによって調製することができる。かかる実施形態のうち、一部は、1種類以上の開始剤の使用を必要とする。開始剤は、フリーラジカル重合反応を開始することができる少なくとも1個の遊離基をある条件下で生成する分子又は分子混合物である。光開始剤、熱開始剤及び「レドックス」開始剤は、とりわけ、本発明に関する使用に適している。特定の開始剤の選択は、互いに重合する特定のモノマーに依存し、当業者の能力の範囲内である。適切な開始剤の別のカテゴリーは、例えば過硫酸ナトリウムを含めて、過硫酸塩のグループである。一部の実施形態においては、1種類以上の過硫酸塩を、例えば、金属イオン(例えば、鉄(II)イオンなど)、硫黄含有イオン(例えば、S2O3(=)、HSO3(−)、SO3(=)、S2O5(=)及びそれらの混合物など)及びそれらの混合物を含めて、1種類以上の還元剤の存在下で使用する。
本発明によるキレート官能基を有するポリマーの製造は、鎖調整剤の使用も必要とし得る。鎖調整剤は、成長ポリマー鎖の長さを制限するように作用する化合物である。幾つかの適切な鎖調整剤は、例えば、メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸、ドデシルメルカプタンなどの硫黄化合物である。一部の実施形態においては、鎖調整剤としてはメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる。別の適切な鎖調整剤としては、例えば、それだけに限定されないが、(イソプロパノール、プロピレングリコールなどの)溶媒を形成する水との混合物における使用に適したOH含有化合物が挙げられる。
さらに、一部の実施形態においては、キレートポリマーは、水性乳化重合技術によって製造することができる。一般に、水性乳化重合は、水の存在下でモノマー、開始剤及び界面活性剤を必要とする。乳化重合は、場合によっては他の成分と一緒に、水を含む容器に1種類以上のモノマー(純モノマー、溶液、水性エマルジョン又はそれらの組合せなど)を添加するステップを含む方法によって実施することができる。
乳化重合プロセスにおける使用に適した開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム又はアンモニウムなどの水溶性過酸化物;亜硫酸水素ナトリウム又はイソアスコルビン酸及び/又は多価金属イオンなどの還元剤の存在下で、多様な温度のいずれかにおいて遊離基を生成する酸化/還元対を形成する過硫酸塩又は過酸化水素などの酸化剤;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩などの陽イオン性アゾ開始剤を含めた水溶性アゾ開始剤が挙げられる。さらに、乳化重合プロセスは、例えば油溶性アゾ開始剤を含めて、1種類以上の油溶性開始剤を使用することができる。
1種類以上の界面活性剤を乳化重合中に使用することもできる。例えば、少なくとも1種類の界面活性剤を、硫酸アルキル、硫酸アルキルアリール、アルキル又はアリールポリオキシエチレン非イオン界面活性剤、及びそれらの混合物から選択することができる。
本発明の使用、適用及び利点は、本発明の例示的実施形態の以下の考察及び記述によって明らかになるであろう。
Figure 2015509550
以下の実施例で使用される略語を上記表1に示したが、略語はその中に規定された意味を有する。表2は、重合処方に含まれる材料及びその量を示す。
実施例1:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB
温度計、凝縮器及び撹拌機を備えた適切な反応器において、表2に記載の供給物AからLを調製しながら、初期反応器充填物を窒素雰囲気下で85〜86℃に加熱した。85℃で、供給物C及びリンスを反応器に一括添加し、温度を80〜85℃に調節し、続いて供給物Dを充填した。2分以内に、温度が3℃から5℃上昇し、反応混合物の外観(白及び乳白度)が変化して、重合の開始が示された。発熱終了後、残りのモノマー混合物、供給物A、及び同時供給の触媒溶液供給物Eを反応器に約85℃で120分間徐々に添加した。同時に、供給物Bを反応器に約85℃で120分間同時に添加した。添加後、反応器内容物を85℃で15分間維持した。次いで、反応器を60℃に冷却した後、まず供給物Fを添加し、続いて供給物G及びHを添加した。第2の後添加として、15分後に、第2のレドックス対である供給物IとJを25分間徐々に供給した。後添加後、反応器内容物を40℃に冷却した。供給物Kを反応器に10分間添加した。次いで、供給物Lを反応器に20分間添加して、ラテックスpHを8.2に調節した。次いで、反応器内容物を100及び325メッシュ篩に通し、固形分、pH、粘度及び粒径を分析した。
Figure 2015509550
実施例2:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB、
0.27当量Ca(OH)
0.27当量Ca(OH)を実施例1で調製した300グラム一定分量のラテックスに添加して、実施例2のスチレンアクリル分散液を調製した。手順は、(Dow Chemical Company、Midland、Michigan、USAから市販されている)ポリ酸分散剤TAMOL945分散剤(45%)0.03gを用いてDI水3.53g中の水酸化カルシウム1.3gのスラリーを調製することを含む。架橋剤スラリー混合物を実施例1の一定分量のラテックスに40℃で30分間添加し、40℃で1時間撹拌した。1時間後、ラテックスを冷却し、100及び325メッシュ篩を用いてろ過し、ろ過ポリマーを終夜平衡にした。そのコロイド安定性及びカルシウム沈降を評価した。
実施例3:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB、
0.58当量Ca(OH)
0.58当量Ca(OH)を実施例1で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例3のスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 2.89g、DI水6.72g及びTAMOL945分散剤(45%)0.04を含んだ。
実施例4:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB、
0.86当量Ca(OH)
0.86当量Ca(OH)を実施例1で調製した200g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例4のスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 2.88g、DI水6.51g及びTAMOL945分散剤(45%)0.07を含んだ。
実施例5:20.0 BA/26 MMA/40 STY/12.1 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB
供給物KをThorcowet TDA−40からLipocol LA−23(1.61重量%(BOM))に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5のスチレンアクリル分散液を調製した。上記モノマー比のモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。
実施例6:20.0 BA/26 MMA/40 STY/12.1 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB、
0.60当量Ca(OH)
0.60当量Ca(OH)を実施例5で調製した300グラム一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例6のスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 3.59g、DI水17.18及びTAMOL945分散剤(45%)0.22gを含んだ。
実施例7:20.0 BA/26 MMA/40 STY/12.1 MAA/1.9 GMA−IDA/1.3 DVB、
0.860当量Ca(OH)
0.860当量Ca(OH)を実施例5で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例7のスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 5.09g、DI水28.0g及びTAMOL945分散剤0.24gを含む。
実施例8:22.5 BA/29.1 MMA/34.2 STY/8.9 MAA/4.0 GMA−IDA/1.3 DVB
単量体キレート剤GMA−IDA 4.0重量%(63.00g)を使用した以外は実施例1と同様にして実施例8のスチレンアクリル分散液を調製した。以下のレベルのモノマーを含むモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。(BA(83.91g)、MMA(108.5g)、STY(127.6g)、MAA(33.11g)、DVB(4.8g)。他の成分はすべて同じであった。
実施例9:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−IDA/1.3 DVB
実施例9のスチレンアクリル分散液は、単量体キレート剤AGE−IDA(1.9重量%)を含む。使用した単量体キレート剤がAGE−IDA、固形分33%(21.3g)である以外は実施例1と同様にしてポリマーラテックスを調製した。モノマー混合物である供給物Cも120分間の代わりに30分間の短時間供給して、キレート剤の取り込み及び反応性を促進した。以下のレベルのモノマーを含むモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。(BA(87.59g)、MMA(112.16g)、STY(127.61g)、MAA(33.48g)、DVB(4.8g)。他の成分はすべて同じであった。
実施例10:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−IDA/1.3 DVB、
0.576当量Ca(OH)
0.576当量Ca(OH)を実施例9で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例10のスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 3.67g、DI水8.89g及びTAMOL945分散剤(45%)0.10gを含んだ。
実施例11:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−IDA/1.3 DVB、
0.86当量Ca(OH)
0.86当量Ca(OH)を実施例9で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例11のスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムは、Ca(OH) 5.48g、DI水12.51g及びTAMOL945分散剤0.13gを含む。
実施例12:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−ED3A/1.3 DVB
実施例12のスチレンアクリル分散液は、単量体キレート剤AGE−ED3A(1.9重量%)を含む。使用した単量体キレート剤がAGE−ED3A(6.99g)である以外は実施例1と同様にしてポリマーラテックスを調製した。モノマーを重合前に反応器に添加して、キレート剤の取り込み及び反応性を促進した。上記モノマー比のモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。
実施例13:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−ED3A/1.3 DVB、
0.58当量Ca(OH)
0.58当量Ca(OH)を実施例12で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例13のスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 2.95g、DI水6.85g及びTAMOL945分散剤(45%)0.074gを含んだ。
実施例14:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 AGE−ED3A/1.3 DVB、
0.860当量Ca(OH)
0.860当量Ca(OH)を実施例12で調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして実施例14のスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 4.49g、DI水10.62g及びTAMOL945分散剤(45%)0.115gを含んだ。
実施例15:23.5 BA/30.1 MMA/34.3 STY/8.9 MAA/1.9 VBC−IDA/1.3 DVB
実施例15のスチレンアクリル分散液は、単量体キレート剤VBC−IDA(1.9重量%)を含む。単量体キレート剤VBC−IDA(41%)、(17.10g)、DI水(12.61g)及びDisponil FES77((33%)、5.66g)を含有する溶液を重合前に反応器に添加して、キレート剤の取り込み及び反応性を促進した以外は実施例1と同様にしてポリマーラテックスを調製した。上記モノマー比のモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。
比較A:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/9.0 MAA/1.9 IA/1.3 DVB
比較例Aのスチレンアクリル分散液は、イタコン酸1.9重量%を含む。イタコン酸を前もって反応器に添加して取り込み及び反応性を促進した以外は実施例1と同様にしてポリマーラテックスを調製した。上記モノマー比のモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。
比較B:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/9.0 MAA/1.9 IA/1.3 DVB、
0.27当量Ca(OH)
0.27当量Ca(OH)を比較Aで調製した300グラム一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Bのスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 1.529g、DI水3.91及びTAMOL945分散剤(45%)0.04gを含んだ。
比較C:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/9.0 MAA/1.9 IA/1.3 DVB、
0.58当量Ca(OH)
0.58当量Ca(OH)を比較Aで調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Cのスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 3.24g、DI水7.68g及びTAMOL945分散剤0.08gを含む。
比較D:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/9.0 MAA/1.9 IA/1.3 DVB
0.86当量Ca(OH)
0.86当量Ca(OH)を比較Aで調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Dのスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 4.84g、DI水11.1g及びTAMOL945分散剤0.12gを含む。
比較E:20.0 BA/26 MMA/40 STY/12.1 MAA/1.9 IA/1.3 DVB、
0.860当量Ca(OH)
比較Eのスチレンアクリル分散液は、イタコン酸(IA)1.9重量%を含む。イタコン酸1.9重量%をGMA−IDAの代わりに使用した以外は実施例1と同様にしてプレポリマーラテックスを調製した。次いで、0.86当量Ca(OH)を実施例2と同様に300g一定分量のプレポリマーに添加した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 4.79g、DI水11.0g及びTAMOL945分散剤0.11gを含む。
比較F:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/10.9 MAA/1.3 DVB
比較Fのスチレンアクリル分散液は、IAも単量体キレート剤GMA−IDAも含まない。その代わり、メタクリル酸10.9重量%を含む。IAもGMA−IDAもないこと以外は実施例1と同様にしてポリマーラテックスを調製した。上記モノマー比のモノマーエマルジョンを用いてポリマーを調製した。
比較G:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/10.9 MAA/1.3 DVB
0.27当量Ca(OH)
0.27当量Ca(OH)を比較Fで調製した300グラム一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Gのスチレンアクリル分散液を調製した。Ca(OH)スラリーは、Ca(OH) 1.42g、DI水3.50及びTAMOL945分散剤(45%)0.04gを含んだ。
比較H:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/10.9 MAA/1.3 DVB
0.57当量Ca(OH)
0.57当量Ca(OH)を比較Fで調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Hのスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 3.02g、DI水7.78g及びTAMOL945分散剤0.08gを含む。
比較I:23.5 BA/30.1 MMA/34.2 STY/10.9 MAA/1.3 DVB
0.86当量Ca(OH)
0.86当量Ca(OH)を比較Fで調製した300g一定分量のラテックスに添加した以外は実施例2と同様にして比較Iのスチレンアクリル分散液を調製した。カルシウムスラリーは、Ca(OH) 4.52g、DI水10.5g及びTAMOL945分散剤0.10gを含む。
比較J:イミノ二酢酸1.9重量%(IDA、DI水9.00中2.23g)を比較Fで調製した300グラム一定分量のラテックスに添加して、比較Jのスチレンアクリル分散液を調製した。続いて、0.86当量Caに相当する、Ca(OH) 4.53g、DI水11g及びTAMOL 945分散剤0.10gを含むスラリーを添加した。
分析測定
試料の安定性をカルシウムのコロイド安定性及び沈降についても評価した。少なくとも1週間静置後のカルシウム沈降度を1から5の尺度で評価した。
5=沈降なし(最も望ましい)、
4=無視し得る沈降、
3=わずかな沈降、
2=中度の沈降、及び
1=重度の沈降(最も望ましくない)。
示差走査熱量測定(DSC):ガラス転移温度(T)分析を自動試料採取装置を備えたTA Instruments DSC(モデルQ1000)を用いて加熱速度10℃/minで実施し、冷蔵冷却装置を用いて冷却した。Tを、第2の加熱中の遷移中間点として報告した。
動的機械分析:供給されたポリマーエマルジョンをフルオロポリマー製ペトリ皿に注ぎ、48時間風乾した。生成したポリマーは、フィルムを形成しなかったが、多数の小片を生成した。これらの小片を400°Fで溶融加圧して、試験に使用することができる空隙のないフィルムを作製した。これらの試料はすべて1.3%DVBを含むが、実施例3、実施例4、比較例B及び比較例Cを除いてすべて適度に溶融加圧された。これについては結果の項で更に考察する。すべての試験を8mm平行板固定具を用いたRheometrics Mechanical Spectrometer(RMS−800)で実施した。180℃から40℃の動的温度勾配モードで冷却速度2℃/minで試験を実施した。印加振動数6.28ラジアン/秒を初期指令ひずみ0.25%で使用した。トルクが0.35g/cm未満に低下したとき又は150g/cmを超えたときに、AutoStrainオプションを使用して40%ひずみを調節した。AutoTensionオプションも使用して、試験中の試料に対して一定の垂直力を維持した。板を初期温度180℃で目盛りゼロに合せた。試料を180℃で機器に装填し、溶融させた。試料厚さを試験開始時に記録した。動的貯蔵及び損失弾性率(G’及びG”)並びにtanδを試験中に温度の関数として記録する。
床磨き試験方法
コーティング組成物を塗布する方法は、Annual Book of ASTM Standards、セクション15、15.04巻、試験手順ASTM D3153に記載されている。ただし、0.04mL/平方インチのコーティングを、Armstrong World Industries,Inc、Lancaster、PA17604から市販されているビニル組成物基材[12インチ(305mm)×12インチ(305mm)×1/8インチ(3.2mm)ARMSTRONG EXCELONビニル組成物タイルパターン56790及び56830に施した。試験に基づいて最高4コートを施した。
耐黒色ヒールマーク(BHM)性及び耐擦り傷性:耐黒色ヒール性及び耐擦り傷性を求める方法は、Snellカプセルを用いたChemical Specialty Manufacturers Association Bulletin No.9−73に記載されている。ただし、推奨された2インチ(50.8mm)ゴム立方体の代わりに市販ゴム靴ヒールを使用した。本発明者らは、黒色ヒール及び擦り傷で覆われた被覆基材面積の割合を求めた。これは好都合には透明グラフ用紙を用いて実施される。黒色ヒールマークは、コーティング上又は中のゴムの実際の付着である。一方、擦り傷は、コーティングの物理的置換に起因し、光沢の低下した領域として現れる。擦り傷と黒色ヒールマークは、ヒールが基材に衝突した地点において同時に発生し得る。すなわち、黒色ヒールマークを除去すると、擦り傷が存在し得る。黒色ヒールマークを白色ビニル組成物タイル上で判定し、擦り傷を黒色ビニル組成物タイルで判定した。コーティング表面の損傷度を以下のように評価した。
Figure 2015509550
被覆表面をティッシュペーパーを用いて手でこすって黒色マークを被覆表面から拭き取った。
光沢及び再塗装光沢:磨き剤処方の光沢性能及び再塗装光沢性能を求める方法は、Annual Book of ASTM Standards、セクション15、15.04巻、試験手順ASTM D1455(2000)に記載されている。光沢を黒色ビニル組成物タイル上で求めた。
耐洗剤性:耐洗剤性試験を、4コートの試験仕上げ剤で被覆された黒色ビニル組成物タイル上で実施する。この試験を実施する前に、コーティングを16から20時間乾燥させる。次いで、Gardner洗浄機を使用してブタ毛ブラシで洗剤溶液10mLを用いて被覆タイルを50サイクルこする。使用する洗剤溶液は、(Diversey Inc.、Sturtevant、Wis.53177 USAから入手可能な)GP FORWARDの1:20水希釈液である。この試験の最後に、タイルを風乾する。変色又はコーティングの損傷についてタイルを評価する。耐洗剤性を以下のように1から5の尺度で評価した。
1=不良、20パーセントを超えるフィルムが除去される、
2=普通、11〜20パーセントのフィルムが除去される、
3=良好、6〜10パーセントのフィルムが除去される、
4=極めて良好、わずかな光沢低下及び/又は5パーセント未満のフィルムが除去される、
5=優秀、水跡もフィルムへの目立った損傷もない。
耐水性:耐水性試験を、4コートの試験仕上げ剤で被覆された黒色タイル上で実施する。この試験を実施する前に、コーティングを16から20時間乾燥させる。円(直径約1インチ(2.54cm))を乾燥コーティング上にチャイナマーカーで描く。清浄な脱イオン水を、水が広がって4コートの仕上げ剤に接触した円を満たすまで付着させる。水滴を60分間周囲温度で放置する。60分間の最後に、乾燥ティッシュペーパーでその領域をふき取って水滴を除去し、変色又はフィルム損傷について円を評価する。
水滴に1時間曝露し、ふき取った後のフィルムに以下の評点を適用した。
Exc=効果なし、
TrWh=わずかに白化、
Wh=白化、
Hwh=激しく白化、
Bl=ブリスター。
耐滑り性:ASTM D−2047(2000)を使用して、被覆ビニル組成物タイルの耐滑り性(静摩擦係数−S.C.O.F.)を測定した。
フィルム形成:まず、清浄な黒色ビニル組成物タイルを、10℃に設定した冷蔵庫中で少なくとも2時間平衡にする。平衡時間後、タイルを冷蔵庫から取り出し、試験磨き剤0.4ミリリットルを幅2インチ(50.8mm)のブレードアプリケーター(参考文献ASTM D−1436方法D(2000)によってタイルの長さ4インチ(101.6mm)の部位に延展させる。同様に、フィルム形成能が既知の対照磨き剤を延展させる。延展塗布直後に、タイルを冷蔵庫に戻し、磨き剤を完全に乾燥させる。磨き剤フィルムを以下のように評価する。
優秀(Exc)−クラッキング/ひび割れなし、
極めて良好(V.Good)−わずかな縁部クラッキング/ひび割れ、
良好−明確な縁部クラッキング/ひび割れ、
普通−明確な縁部クラッキング/ひび割れ、中央部クラッキング/ひび割れは極わずか、
不良−完全な縁部及び中央部クラッキング/ひび割れ。
不粘着時間試験方法:試験コーティング4ミリリットルの被覆をタイル表面に施し、見かけ乾燥まで(コーティングフィルムが乾燥しているように見えるとき)静置する。この時点で、タック試験装置をコーティングフィルム(1平方インチ[645.16mm]表面)上に置く。500グラムの重りをタック試験装置の1平方インチ表面に置き、5秒間静置し、次いで除去する。試験装置の脚をコーティングフィルムから完全に引き離すのに5秒を超える時間必要な場合、表面は不粘着ではないとみなされる。不粘着時間が測定されるまで試験を1分間隔で繰り返す。値を塗布時間からの分で記録する。
タック試験装置の詳細は以下の通り:厚さ1/16インチ(1.59mm)×幅1インチ(25.4mm)×長さ3−1/4インチ(82.55mm)のアルミニウム小片を、1平方インチ(645.16mm)の領域をコーティングフィルム表面に設定できるような角度で折り曲げる。この折り曲げ角度は、上部2−1/4インチ(57.15mm)アーム部位の重量及びその角度が5グラムの重りを乾燥平坦基材の1平方インチ(645.16mm)の表面に置いたときにちょうど平衡であるようなものであることが判明するまで試行錯誤で決定される。不粘着時間を測定する条件:23℃及び相対湿度16%。
耐汚損性/色測定:Dayton分相型電動機モデルNo.6K40 2Bとカーペット被覆ローラーを保持するように改変された滑車システムとを装着したGardner洗浄機を使用して汚損試験を実施した。約2グラムの合成汚れ[グラファイト(粉末コークス、約100メッシュ)75重量%及びバルサ木粉25重量%]をローラー、及びタイル上のその軌道に均一にまいた。機械を100サイクル(200パス)運転した。サイクル中、汚れを時折ブラシでローラー軌道に戻した。試験の最後に、タイルをティッシュペーパーで拭いて緩い汚れを除去し、色を測定した。
色測定をL色空間で記録した。反射率分光光度計を使用して、色を測定する。報告したL色値は、所与の被覆床タイルの8つの個々の色測定の平均である。色変化をデルタE値として報告する。デルタEは、L色空間の2つの色測定間の距離である単一の数である。デルタE値は、L(白色度)a(緑−赤)b(青−黄)色空間における全変化を包含するものである。L値は、ゼロ(黒色)から100(拡散白)の範囲とすることができる。値は、負の100(緑)から正の100(マゼンタ)の範囲とすることができる。b値は、負の100(青)から正の100(黄)の範囲とすることができる。デルタE値が大きいほど色変化が大きい。デルタEは、次式によって求められる。
デルタE=((L −L +(a −a +(b −b 0.5
ケーニヒ:Byk−Gardner、Columbia、MD 21046 USAから入手可能な自動フィルムアプリケーター延展機Byko−drive、及び線材#10を使用して、アルミニウム板(サイズ4インチ(101.6mm)×12インチ(305mm))を被覆する。次いで、被覆アルミニウムを、卓上恒温室(24℃、50%RH)中で硬化させる。次いで、Byk−Gardner、Columbia、MD 21046 USA製Pendulum硬度テスター(Cat.No.PH−5858)を使用して、被覆表面のケーニヒ硬度測定値を1、3、7及び10日目に測定して、表面硬化度を求める。10日後、耐引っかき性を求める。
耐引っかき傷性及び耐傷性:ケーニヒ硬度測定用に被覆されたパネルから切り出した被覆アルミニウム板(3 1/8インチ(79.38mm))を、1/2ガロン(1.89リットル)プラスチック容器の底部にぴったり装着させる。被覆金属蓋をプラスチック容器の内側に置く。次いで、閉じた容器を横方向に2分間(120秒)振とうする。次いで、引っかき傷のついたタイルを、15、30、60、120、180秒振とうした標準引っかき傷板と比較して、引っかき傷評点を決定する。コーティング表面の損傷度を1から10の尺度で評価した。1=極めて明白な引っかき傷及び10=コーティングは容易に引っかくことができない。
磨き剤フィルム除去の床摩耗試験:床摩耗試験区域から残留磨き剤を取り除き、一般的な清掃手順で磨き直した。床をダストモップがけして、緩い汚れを除去し、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコールなどの溶媒、モノエタノールアミンなどのアミン、及び水酸化ナトリウムなどの塩基を含めて、ポリマーフィルムを膨潤させる複数の試薬を含む(Diversey Inc.、Sturtevant、WI 53177 USAから入手可能な)市販塗床材剥離剤FREEDOM(登録商標)を清浄な水道水で希釈して、FREEDOM剥離剤1部と清浄水道水4部の希釈溶液を作製し、約1,000平方フィート/ガロン(24.5m/リットル)の割合でひもモップ(string mop)がけした。5分間浸漬後、(Aztec、Montgomeryville、PA18936 USAから入手可能な)SIDEWINDER24インチ(609.6mm)プロパン床剥離剤(モデルP24KS20)で床をこすった。剥離した床を、清浄な水を含んだモップで2回徹底的にすすぎ、乾燥させた。剥離した床を、正常な床通路方向に垂直な20平方フィート(1.86m)の区画に分割した。区画の各々に、4コートの試験磨き剤を、約2,000平方フィート/ガロン(49.1m/リットル)の割合でひもモップがけした。各コートを、次のコートをかける前に、30分間乾燥させた。
コーティングをビニル組成物タイルで構成された床に施し、床を歩行可能にする前に、周囲条件で特定の時間硬化させた。床試験区域を歩行、及び保守カート、試料トレイ、食品カートなどの車輪の付いた通行に曝露した。床試験区域を、さらに、(Diversey Inc.、Sturtevant、WI.53177 USAから入手可能な)STRIDE(登録商標)中性洗剤で希釈率1:128(洗剤:水道水)で毎日こすった。洗剤は、(3M Company、St. Paul、Minn.55101 USAから入手可能な)3M 5100 Red Buffer Padを装着した(Amano Pioneer Eclipse Corp.、Sparta、NC28675 USAから入手可能な)PE−1700(Serial No.64734)AutoScrubberを用いて堆積させた。床をワンパスのPE−1700 Autoscrubberに曝露した。洗剤を用いたこすり操作後、(3M Company、St. Paul、Minn.55101 USAから入手可能な)3M 3100 Aqua Burnish Padを装着した(Pioneer Eclipse Corp.、Sparta、NC28675 USAから入手可能な)SPEEDSTAR ST21KWA(Serial No.61698)プロパン床研磨器を用いて機械つや出し保守を試験床に施した。試験床を2パスの研磨器に曝露した。
歩行及び保守操作に6か月曝露した後、床をダストモップがけして、緩い汚れを除去し、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルアルコールなどの溶媒、モノエタノールアミンなどのアミン、及び水酸化ナトリウムなどの塩基を含めて、ポリマーフィルムを膨潤させる複数の試薬を含む(Diversey Inc.、Sturtevant、Wis.53177 USAから入手可能な)市販塗床材剥離剤FREEDOM(登録商標)を清浄な水道水で希釈して、FREEDOM剥離剤1部と清浄水道水4部の希釈溶液を作製し、約1,000平方フィート/ガロン(24.5m/リットル)の割合でひもモップがけした。5分間浸漬後、(Aztec、Montgomeryville、PA18936 USAから入手可能な)SIDEWINDER24インチ(609.6mm)プロパン床剥離剤(モデルP24KS20)で床をこすった。剥離した床を、清浄な水を含んだモップで2回徹底的にすすぎ、乾燥させた。磨き剤コーティングのフィルム除去について評価した。以下の評点を使用して剥離性を評価した。
優秀− 100%コーティング除去、
普通−50%コーティング除去、
不良−0%コーティング除去。
重合及びカルシウム架橋
キレート官能基を有するモノマーをポリマーに組み入れることは、ポリマーのカルシウム結合能力をかなり改善し、伝統的な亜鉛−MAA/AA架橋相互作用による架橋特性に類似した、又はことによるとそれより良好な架橋特性を与えると予想された。
上記表3及び4に詳述したように、4種類のビニルアミノカルボキシラートモノマーGMA−IDA、AGE−IDA及びVBC−IDAを伝統的なビニルモノマーと共重合して床保護用途用キレートコポリマーを製造するのに成功した。キレートコポリマーのキレート作用を評価するために、0.27から0.86当量の異なるレベルのCa(OH)スラリーを添加することによってそれらをCa(OH)で架橋した。カルシウム取り込みパーセントを次式により計算した。
Figure 2015509550
ここで、gCa(OH)2recoveredは、100及び325メッシュ篩を用いてろ過し、乾燥後に回収されたカルシウム量である。
Figure 2015509550
Figure 2015509550
Figure 2015509550
カルシウム架橋試料のコロイド安定性及びカルシウム沈降も評価した。少なくとも1週間静置後のカルシウム沈降度を1から5の尺度で評価した。
5=沈降なし(最も望ましい)、
4=無視し得る沈降、
3=わずかな沈降、
2=中度の沈降、及び
1=重度の沈降(最も望ましくない)。
これらの測定では、沈降が存在しないことは、完全な反応が起きたことを示している。結果を表5に示す。GMA−IDA系ポリマーに0.27当量のCa(OH)を添加すると、沈降のないエマルジョン生成物が生成して、完全な反応を示し、一方、それぞれ0.58当量及び0.86当量のCa(OH)を含む実施例3及び4のろ過エマルジョン生成物は、24時間静置すると、無視し得る沈降を示した。6から12か月静置後、追加の沈降が形成されなかったことが注目される。実施例6においては、酸11.9%を含むエマルジョンに0.60当量のCa(OH)を添加すると、静置後、無視し得る沈降が生じ、Ca(OH)とのポリマー反応度が実施例3と同一であることを示している。一方、実施例7のろ過エマルジョンは、実施例4よりも沈降がわずかに多く、酸8.9%を含む実施例3の0.86当量よりも少ない程度に反応した実施例7のポリマー中の酸の増加に帰因するイオン含有量の増加を示している。AGE−IDA系ポリマーは、0.58及び0.86当量のCa(OH)を添加したときに静置するとそれぞれわずか及び重度の沈降を生じた。アリルグリシジルエーテルは、反応性の改善されたメタクリル酸グリシジルに比べて、アクリルモノマーとの共重合における反応性が低いことが知られている。したがって、結果は、GMA−IDAモノマーに比べて、ポリマー中のAGE−IDAモノマーの取り込みが少なく、ほぼ同じ当量においてAGE−IDAポリマーにおけるカルシウムの安定化に劣ることを示している。ED3Aは、金属イオン結合性がIDAよりも強いと予想され、表5に示すように、実施例13及び14のAGE−ED3Aポリマーは、ほぼ同じカルシウム当量において、実施例10及び11のAGE−IDA系ポリマーに比べてカルシウム安定化がかなり改善された。MAA又はMAAとIAの混合物を含み、アミノカルボキシラート基を含まない伝統的なポリマーを含む比較実験を実施した。0.27当量では、取り込まれたCa(OH)パーセントは、MAA/IAの混合物を含む比較例Bでは97.6、MAAのみを含む比較例Gでは91.1%であった。より意義深いことには、伝統的なポリマーに0.86当量のCa(OH)を添加する試みは、反応物全体の凝固をもたらし、伝統的なポリマーが高カルシウムイオンレベルにおいては不安定であることを示している。これらの結果から、キレート基の存在によって、特により高いカルシウムレベルにおいて、カルシウム結合能力を改善することも確認された。
MAA10.9%を含むポリマーにIDA水溶液を添加することによって、カルシウム取り込み及び架橋を改善する遊離キレート剤の能力を調べた(比較J)。後添加されたキレート剤試料は、アクリラート/キレート剤系コポリマーよりもCa(OH)取り込みをわずかに改善した。しかし、ろ過及び24時間静置後、中程度のキレート剤沈降が生じた。これは、遊離キレート剤がラテックスの安定性を改善するが、反応度がGMA−IDA系コポリマーよりも低く、ほぼ同じ当量におけるAGE−IDA系コポリマーよりもわずかに良好であったことを示している。ポリマーに対する重金属イオン移動度が、環境への懸念がかなり高いEDTAなどのより強いアミノカルボキシラートキレート剤と類似していないならば、アクリラート/キレート剤コポリマーは、低ポリマー使用量において遊離キレート剤よりも好ましい環境プロファイルを与えると予想されることも注目される。
結果から、キレート基の存在によって、特により高い当量のカルシウムにおいて、カルシウム結合能力が改善することが確認された。0.27当量Ca(OH)を添加したGMA−IDA系エマルジョンポリマーは、沈降のないエマルジョン生成物を生成した。0.58当量及び0.86当量Ca(OH)の添加は、首尾よく進行し、6〜12か月後に無視し得る沈降しか生じなかった。AGE−IDAポリマーは、0.58及び0.86当量のCa(OH)を添加したときに静置するとそれぞれわずか及び重度の沈降を生じた。AGE−ED3Aを含むポリマー組成物は、AGE−IDA系警察(AGE−IDA based police)に比べてかなり改善されたカルシウム安定化を示し、静置後に無視し得る沈降しか生じなかった。キレート剤成分を含まないが、代わりにメタクリル酸又はメタクリル酸とイタコン酸の混合物を含む比較ポリマーは、カルシウム安定性をもたらさず、これらの比較ポリマーに0.86当量を添加しようとする試みは、凝固及びバッチ全体のゲル化をもたらした。MAAを含むポリマーにIDA水溶液を添加して調製された別の比較エマルジョンポリマーは、カルシウム取り込みが改善したが、ろ過及び静置後に中程度のCa(OH)沈降を生じた。これは、ポリマーとCa(OH)の反応度が、遊離キレート剤を添加したときに、反応度がより高いGMA−IDA及びAGE−ED3A系コポリマーに比べて低いことを示している。DMAの結果から、新しいアミノカルボキシラート基を含まない伝統的なポリマー組成物に比べて、キレート剤を用いたコポリマーのカルシウム取り込みが改善し、カルシウム架橋性が改善したことが確認された。キレート剤を用いたポリマーは、床磨きにおいて、従来の床磨き剤に匹敵する光沢性能をもたらした。さらに、キレート剤ポリマーは、従来の床磨き剤より優れた耐引っかき性を示した。
さらに、動的機械分析を実施して、キレート剤含有ポリマーの機械的性能を調べた。一般に、カルシウム架橋レベルが増加すると、それに対応して平坦弾性率が増加し、ピークδが低下する。これは、分子運動性が低下又は制限されることを示している。図1は、比較例F、G及びHのせん断弾性率G’及び損失正接(tanδ)と温度のプロットの重ね合わせである。カルシウム架橋のない比較例Fは、最低平坦弾性率G’を示し、高温でG’曲線がやや下向きの傾斜を示し、1.3%DVB共有結合架橋が存在しても流れが生じることを示している。0.27当量Ca(OH)を添加すると、ゴム状平坦弾性率が1桁増加し、tanδピークがそれに応じて小さくなり、高温tanδ応答がより平坦になる(140〜180℃)。0.57当量Caでは、ゴム状平坦弾性率がやはり高くなり、ピークtanδ高さが更に低下し、イオンクラスター又は架橋が存在するために鎖セグメントの移動度が低下する。これは、架橋が増加したことを示している。図2にGMA−IDA系ポリマーの重ね合わせを示した。実施例3と4の両方は、共有結合架橋とイオン架橋の両方のレベルが高いために、非常に脆く、溶融加圧が不十分であり、空隙を含んだ。予想どおりに、カルシウム含有量を0.27から0.58に増やすと、ゴム状平坦弾性率が1桁増加した。0.86当量では、試料は、かなり脆化し、G’は低カルシウム架橋試料よりも数桁高い。図3は、0.58当量カルシウム添加時にキレート官能基を含まない、実施例3、比較例C及び比較例HのGMA−IDA系ポリマーのせん断弾性率G’及び損失正接(tanδ)と温度のプロットを比較したものである。ほぼ同じ金属当量では、キレート剤を用いたポリマーは、キレート剤のない伝統的なポリマーよりもわずかに高い平坦弾性率及び相対的に低いtanδピークを示した。図4においては、実施例3及び4、GMA−IDAコポリマー(それぞれ0.860及び0.58当量Ca)並びに比較例C(0.58当量、MAA/IA)のG’プロットが、比較例H(0.57当量、MAA)のガラス弾性率に一致するように垂直に移動している。図から、0.86当量の実施例4が他よりもかなり架橋していることが明らかである。したがって、DMAの結果から、キレート官能基を含まない伝統的なポリマーに比べて、キレート剤を用いたコポリマーのカルシウム取り込みが改善し、カルシウム架橋性が改善したことが確認された。
床磨き剤処方及び磨き剤性能
表6に記載の処方を、示した例のコーティング組成物に使用した。水量を調節して、20%の固形分レベルを維持し、各ポリマーの固形分差を相殺した。材料を添加順に記載した。下記実施例すべてを、処方したコーティング組成物について実施した。適用結果を表7に示す。表7に示すように、この報告で考察したキレート剤を用いたコポリマーは、床磨きにおいて、従来の床磨き剤組成物に匹敵する光沢性能をもたらした。さらに、ほぼ同じカルシウム当量では、GMA−IDA系ポリマーは、キレート剤を含まないポリマーに比べて耐水性及び耐洗剤性が改善した。従来のポリマーは、0.27及び0.58当量においてGMA−IDAコポリマーに比べて良好な耐汚損性を示した。一方、0.86当量Caでは、GMA−IDAポリマーは、それぞれ0.27及び0.58当量の実施例2及び3に比べて耐汚損性がかなり改善し、比較例よりも耐汚損性がわずかに良好であった。耐黒色ヒールマーク(BHM)性は、すべての試料で比較的不変であったが、0.58当量Ca(OH)を含む試料ではBHMを部分的に拭き取ることしかできず、0.86当量Caでは、1.9%GMA−IDAを含む実施例4の処方仕上げ剤を使用して研摩されたタイルのBHMを容易に拭き取ることができた。
AGE−IDAポリマー、及び酸10.9%を含むGMA−IDAポリマーの処方、並びにそれらの磨き特性をそれぞれ表8及び9に示す。処方を高酸、高架橋亜鉛含有ポリマーである市販対照エマルジョンポリマーDURAPLUS(商標)3と比較した。全ポリマーが、床磨きにおいて、従来の床磨き剤に匹敵する光沢性能をもたらした。さらに、キレート剤ポリマーは、DURAPLUS(商標)3に基づく従来の床磨き剤より優れた耐引っかき性を示した。
表10に記載の処方を、床磨き試験方法の項に記載のように床に塗布した。実施例2と実施例3の組合せに基づく処方は、その優れた剥離性で知られるDURAPLUS 3に基づく従来の床磨き剤と同じ優れた剥離性を示した。
Figure 2015509550
Figure 2015509550
Figure 2015509550
Figure 2015509550
Figure 2015509550
Figure 2015509550

Claims (11)

  1. (A)水系溶媒、及び
    (B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩、
    (2)ビニル基、アリル基又はその両方及び場合によってはエポキシ基を含む1種類以上の重合性モノマー、及び
    (3)1種類以上のエチレン性不飽和モノマー
    から誘導される重合単位を含むキレートポリマー
    を含む、塗床材組成物。
  2. (B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩から誘導される前記重合単位が、以下の構造のうち少なくとも1種類のアミノカルボキシル基を有するものを含む、請求項1に記載の塗床材組成物:
    Figure 2015509550
    (式中、R及びRは各々独立に、水素、COOX又はCOOXであり、
    、X、X及びXは各々独立に、水素又は一価若しくは多価陽イオンであり、
    は、水素、又は重合性モノマーから誘導される単位であり、
    *は、前記アミノカルボキシル基が、重合性モノマーから誘導される単位において、又はエチレン性不飽和モノマーから誘導される単位において、前記キレートポリマーに結合している位置である)。
  3. 前記(B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩が、イミノ二酢酸(IDA)、イミノジコハク酸(IDS)、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)及びそれらの塩からなる群から選択される、請求項1に記載の塗床材組成物。
  4. (B)(2)ビニル基、アリル基又はその両方及び場合によってはエポキシ基を含む1種類以上の重合性モノマーから誘導される前記単位が、以下の構造のうち1種類以上を有する、請求項1に記載の塗床材組成物:
    Figure 2015509550
    Figure 2015509550
    (式中、Y及びYは各々独立に、存在する場合、水素、COOX又はCOOXであり、X及びXは各々独立に、水素、又は本明細書に定義された一価若しくは多価陽イオンである)。
  5. 前記(B)(2)1種類以上の重合性モノマーが、メタクリル酸グリシジル(GMA)、アリルグリシジルエーテル(AGE)、塩化ビニルベンジル(VBC)、臭化アリル及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項4に記載の塗床材組成物。
  6. 前記キレートポリマーの前記単位(B)(3)が誘導される前記1種類以上のエチレン性不飽和モノマーが、カルボン酸、カルボン酸エステル、マレイン酸、スチレン、スルホン酸及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の塗床材組成物。
  7. 前記塗床材組成物の総重量に基づいて
    (A)1重量%から95重量%の前記水系溶媒、及び
    (B)5重量%から80重量%の前記キレートポリマー
    を含む、請求項1に記載の塗床材組成物。
  8. 前記(B)キレートポリマーが、さらに、(4)1種類以上の架橋モノマーから誘導される単位を含む、請求項1に記載の塗床材組成物。
  9. 前記1種類以上の架橋モノマーが、ジビニル芳香族化合物;ジ−、トリ−及びテトラ−(メタ)アクリル酸エステル;ジ−、トリ−及びテトラ−アリルエーテル化合物、トリ−及びテトラ−アリルエステル化合物、(メタ)アクリル酸アリル並びにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載の塗床材組成物。
  10. 表面を有する床基材を保護する方法であって、請求項1に記載の塗床材組成物を前記床基材の前記表面に塗布する工程を含む、方法。
  11. (B)(1)1種類以上のアミノカルボン酸化合物又はその塩から誘導される前記重合単位が、以下の構造のうち少なくとも1種類のアミノカルボキシル基を有するものを含む、請求項10に記載の方法:
    Figure 2015509550
    (式中、R及びRは各々独立に、水素、COOX又はCOOXであり、
    、X、X及びXは各々独立に、水素又は一価若しくは多価陽イオンであり、
    は、水素、又は重合性モノマーから誘導される単位であり、
    *は、前記アミノカルボキシル基が、重合性モノマーから誘導される単位において、又はエチレン性不飽和モノマーから誘導される単位において、前記キレートポリマーに結合している位置である)。
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