JP2007248590A - 感光性樹脂組成物層、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、感光性樹脂組成物層、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法およびプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成には、例えば、被加工基板上に感光性レジスト材層を有し、必要に応じてその上に保護層を有する画像形成材のその感光性レジスト材層を、マスクフィルムを通して紫外線照射して露光した後、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像してパターンを形成し、このパターン層をマスクとして被加工基板をメッキ加工、エッチング加工等することにより、被加工基板に回路パターンを形成するフォトリソグラフィーが広く用いられている。特にプリント配線板、半導体パッケージなどの表面実装技術分野においては、高密度実装に対する技術開発が活発に行われており、それに伴って、回路パターンの微細化が求められている。具体的には、10μmレベルの配線パターン形成のためのリソグラフィーの技術開発が課題となっており、レジストに対しても10μm以下の解像度が必要とされている。また、生産性の観点からレジストの高感度化も求められている。さらに配線の微細化に伴い電源線の抵抗による電圧降下の問題も顕在化しており、10μm以上の厚みをもつ金属層の形成が可能な膜厚でレジストパターンを形成することが課題となっている。
上述のパターン露光は従来、水銀灯を光源として用いてフォトマスクを介して露光していたが、パターンのデジタルデータを直接レジストに描画する直描技術が提案されている。直描はフォトマスクが不要である点で少量多品種用途、大基板製造、短納期などに適した描画手法である。光源として可視光レーザを用いる露光方法もあるが、この方法には可視光に感度を有するレジストが必要とされ、このレジストは暗室または赤色灯下で取り扱う必要があった。上記の点から、最近、水銀灯光源365nmによる直描露光、固体レーザ光源355nmを用いた直描手法も提案されている。また、波長405nmの光を発振する、長寿命で高出力な窒化ガリウム系半導体青色レーザを光源として使用する技術が提案されている。
従来の感光性エレメントは波長365nmの光を中心とした水銀灯光源の全波長露光に対して設計されており、水銀灯光源の波長365nm以下の光を、フィルタを使用して99.5%以上カットした活性光線や、半導体レーザの波長405nmの光(以下青紫色レーザ)による露光では、感光性エレメントの感度が低いため、スループットが悪い。さらには、光源の照度不足から、感光性レジストの解像性と密着性を両立できる材料が上市されていない。半導体レーザ用感光性材料として、例えば特開2002−296764号公報において感度が向上出来る組成物に関する記載があるが、プリント配線板あるいはパッケージ基板の回路形成用の露光装置に対して、実用的な感度レベル(0.1J/m2以上、100J/m2以下)の領域ではなかった。特開2004−45596号公報については、解像度に関する指標が、回路形成用レジストに対して記載されていない。これらのことから、感度と解像度を両立する材料系としてはいずれも不十分な内容である。
高感度、高解像度が両立され、レジスト形状が優れる感光性樹脂組成物層、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法およびプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に関する。
1.(A)バインダポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C1)下記一般式(1)で示されるピラゾリン化合物を含有する感光性樹脂組成物。
1.(A)バインダポリマーと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C1)下記一般式(1)で示されるピラゾリン化合物を含有する感光性樹脂組成物。
2.(C2)下記一般式(2)で表される2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を更に含有する、項1に記載の感光性樹脂組成物。
但し、少なくとも1つのX1及びX2は塩素原子とする。)
3.支持体と、該支持体上に設けられ項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメント。
4.基板上に項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、を備えるレジストパターンの形成方法。
5.基板上に項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、前記レジストパターンに基づいて導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、を備えるプリント配線板の製造方法。
4.基板上に項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、を備えるレジストパターンの形成方法。
5.基板上に項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、前記レジストパターンに基づいて導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、を備えるプリント配線板の製造方法。
高感度、高解像度が両立され、レジスト形状が優れる感光性樹脂組成物層、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法およびプリント配線板の製造方法を提供することが可能となった。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バインダポリマ、(B)1つ以上のエチレン性不飽和結合を含有する光重合性化合物及び下記一般式(1)に示されるピラゾリン化合物を含有する。また、本発明の感光性樹脂組成物は、最大波長が350nm〜420nmの範囲内にある活性光源で硬化される感光性樹脂組成物であることが望ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、下記一般式(2)で表される2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を、更に含有することが望ましい。
但し、少なくとも1つのX1及びX2は塩素原子とする。)
波長365nmの光を中心とした水銀灯光源の全波長露光に対して設計された従来の感光性エレメントは、波長が390nm〜420nmの光に対して感度が低い。これは、この領域に対する吸光度が小さく、十分に光を吸収できず、光重合を開始できないためである。本発明において(C)光重合開始剤成分として用いるピラゾリン化合物は波長365nmの光だけではなく、波長390nm〜420nmの光に対しても比較的大きな吸収を持ち、波長390nm〜420nmの光に対して良好な感度を得ることができる。本発明の感光性樹脂組成物は、固体レーザ波長355nm、水銀灯光源主波長365nm、青色半導体レーザ波長405nmの光のいずれにおいても、すなわち波長350nm〜420nmの光による描画に対して高感度、高解像度が両立され、レジスト形状が優れる感光性エレメントを提供することができる。
405nm近傍の光の裕度を持たせるためには、光重合開始剤のλmaxが405nm近傍にあることが望ましい。そうすることで、裾部の吸収を利用しないため、波長裕度が大きくなり、添加量を低減することができる。また、本検討材料にて、イエロー光下での安定性が欠如してしまうことは、既存製品の代替製品としては望ましくないため、500nm以上の光に対しては吸収を持たないことが望ましい。そこで、ピラゾリン化合物を有する光重合開始剤の最大吸収波長は350nm以上400nm以下であることが望ましい。また本発明の感光性エレメントは、支持体と、該支持体上に設けられ前記の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備えている。
更に、本発明は、上述した本発明の感光性エレメントの保護フィルムを感光性樹脂組成物層から徐々に剥離させ、これと同時に徐々に露出してくる感光性樹脂組成物層の面の部分を、回路形成用基板の回路を形成すべき面に密着させることにより、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層を積層する第1工程と、感光性樹脂組成物層の露光すべき所定部分に活性光線を照射して露光部を形成させる第2工程と、次いで、露光部以外の未露光部を除去する第3工程と、を少なくとも含んでいること、を特徴とするレジストパターンの形成方法を提供する。
また、本発明は、上述した本発明のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきすること、を特徴とするプリント配線板の製造方法を提供する。
本発明のレジストパターンの形成方法及び本発明のプリント配線板の製造方法は、上述の本発明の感光性エレメントを用いるものであるため、感光性エレメントに対する露光光として波長350nm〜420nmの光を使用した場合に、十分な感度及び解像度を得ることができ、然も良好なレジスト形状を得ることのできるレジストパターンを得ることができ、かつ、良好な剥離性を有しており高密度なプリント配線板を高いスループットで製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
前記(A)バインダポリマは、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。分散度が3.0を超えると接着性及び解像度が低下する傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量及び数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
前記(A)バインダポリマの重量平均分子量は、5,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が、5,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。前記(A)バインダポリマとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の見地からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)バインダポリマは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は複数を組み合わせて使用される。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)バインダポリマは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。また、前記(A)バインダポリマは、スチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。
上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、3〜30重量%含むことが好ましく、4〜28重量%含むことがより好ましく、5〜27重量%含むことが特に好ましい。この含有量が3重量%未満では密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
前記(A)成分の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
前記(A)成分の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算)は、20,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が、20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を越えると現像時間が長くなる傾向がある。また、必要に応じて前記バインダポリマは感光性基を有していてもよい。
これらのバインダポリマは、単独で又は複数を組み合わせて使用される。複数を組み合わせて使用する場合のバインダポリマとしては、例えば、異なる共重合成分からなる複数のバインダポリマ、異なる重量平均分子量の複数のバインダポリマ、異なる分散度の複数のバインダポリマなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマを使用することもできる。
(B)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性不飽和化合物としては、たとえば、多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。耐めっき性、密着性の観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物または分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を成分とすることが好ましい。また、分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性不飽和化合物と、分子内に二つ以上の重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性不飽和化合物とを組み合わせて用いることが、本発明の効果の観点より好ましい。
上記多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、たとえば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。上記において、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。
上記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、たとえば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業(株)製、製品名)として商業的に入手可能である。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンの1分子内のエチレンオキサイド基の数は4〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。
上記分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、たとえば、R位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、たとえば、UA−11(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、たとえば、UA−13(新中村化学工業(株)製、製品名)が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、たとえば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。
上記フタル酸系化合物としては、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロルオキシアルキル−o−フタレート等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて使用される。
光重合開始剤は、通常、複数の組み合わせで用いられる。本発明においては、光重合開始剤成分として前記式(1)に示されるピラゾリン系化合物が用いられる。本発明のピラゾリン系化合物の代表例としては例えば下記のものをあげることができる。1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3、5−ジフェニル−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3、5−ジフェニル−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシ−フェニル)−3、5−ジフェニル−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾリン、1、5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−3−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3、5−ビス(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3、5−トリ(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ビス(4−イソプロピル−フェニル)−5−フェニル−ピラゾリン、1、5−ビス(4−イソプロピル−フェニル)−3−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3、5−ビス(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3、5−トリ(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ビス(4−メトキシ−フェニル)−5−フェニル−ピラゾリン、1、5−ビス(4−メトキシ−フェニル)−3−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3、5−ビス(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、3、5−トリ(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピル−フェニル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3、5−ジフェニル−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,3−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,3−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(3,5−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(3,4−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,5−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,4−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、3−ジフェニル−5−(2,3−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,5−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,4−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,5−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,4−ジイソプロピルル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,3−ジイソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリン、1、5−ジフェニル−3−(2,3−ジメトキシ−フェニル)−ピラゾリンである。
また、本発明のピラゾリン系化合物以外のピラゾリン化合物を加えても良い。本発明のピラゾリン系化合物以外のピラゾリン化合物としては例えば下記のものをあげることができる。1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(2,4−ジブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−n−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリンなどがある。これらの化合物は、日本化学工業所製であり、主に特許第2931693号公報、特許第2757528号公報、特許第2972373号公報、特許第3215718号公報、特許第3312756号公報に記載されている。
また、1−(4−メトキシフェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシスチリル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピルフェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピルスチリル)−5−(4−イソプロピルフェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−3−(4−イソプロピルスチリル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−イソプロピル−スチリル)−5−(4−イソプロピル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−イソプロピルスチリル)−5−(4−イソプロピルフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,5−ジメトキシスチリル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,4−ジメトキシスチリル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジメトキシスチリル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,5−ジメトキシスチリル)−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,3−ジメトキシスチリル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,4−ジメトキシスチリル)−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(3,5−ジメトキシスチリル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(3,4−ジメトキシスチリル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2,6−ジメトキシスチリル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2,5−ジメトキシスチリル)−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2,3−ジメトキシスチリル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−メトキシフェニル)−3−(2,4−ジメトキシスチリル)−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジメトキシスチリル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,4−ジメトキシスチリル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(2,6−ジメトキシスチリル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(2,5−ジメトキシスチリル)−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(2,3−ジメトキシスチリル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(2,4−ジメトキシスチリル)−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(3,5−ジメトキシスチリル)−5−(3,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(3,4−ジメトキシスチリル)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(2,6−ジメトキシスチリル)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(2,5−ジメトキシスチリル)−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(2,3−ジメトキシスチリル)−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、1−(4−イソプロピル−フェニル)−3−(2,4−ジメトキシスチリル)−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−ピラゾリン、などが挙げられる。
その他の(C)光重合開始剤成分としては、例えば、クマリン誘導体、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体などが挙げられる。
また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は複数を組み合わせて使用される。
前記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で又は複数を組み合わせて使用される。
前記感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
前記感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。液状レジストに保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下とすることが好ましい。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
前記感光性エレメントは、例えば、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層して円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際支持体が1番外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層する方法などが挙げられ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は通常、マスクパターンを介して行うマスク露光法や、レーザ直接描画露光法やDLP露光法などの直接描画法により活性光線が画像状に照射される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。
(実施例1〜5および比較例1、2)
表1に示す材料を配合し、実施例1〜5および比較例1、2の感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表1中の(C)成分2は、下記表2、3に示したPYR−IP:1−フェニル−3−フェニル−5−(4−イソプロピルフェニル)ピラゾリン、PYR−MB:1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)ピラゾリン、EAB:エチルミヒラーズケトンである。
(実施例1〜5および比較例1、2)
表1に示す材料を配合し、実施例1〜5および比較例1、2の感光性樹脂組成物の溶液を得た。なお、表1中の(C)成分2は、下記表2、3に示したPYR−IP:1−フェニル−3−フェニル−5−(4−イソプロピルフェニル)ピラゾリン、PYR−MB:1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)ピラゾリン、EAB:エチルミヒラーズケトンである。
次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、70℃及び100℃の熱風対流式乾燥器で10分間乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は25μmであった。
感光性樹脂組成物層の露光波長に対するO.D.値は、UV分光光度計((株)日立製作所製 U−3310分光光度計)を用いて測定した。測定側に支持フィルム及び感光性樹脂組成物の層からなる感光性エレメントを置き、リファレンス側に支持フィルムを置き、吸光度モードにより550〜300nmまでを連続測定し、365nm、405nmにおける値を読みとることにより測定した。
一方、銅箔(厚さ35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業(株)製、製品名MCL−E−67)の銅表面を#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥させた。次いで、銅張積層板を80℃に加温した後、上記で得られた感光性エレメントを、その感光性樹脂組成物層が銅表面上に密着するようにして、120℃で4kgf/cm2の圧力下で積層した。
感光性エレメントが積層された銅張積層板を冷却し23℃になった時点で、ポリエチレンテレフタレート面に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールと解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が6/6〜35/35(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、その上に波長405nm±30nmの光を分光する朝日分光株式会社製分光フィルタHG0405などを置き、5kWショートアークランプを光源とする平行光露光機(オーク製作所製、製品名EXM−1201)を用いて、前記41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が14段、17段、20段となる露光量で露光を行った。41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が17段となる露光量を感度とした。なお、照度の測定はバンドパスフィルターを透過した光については、紫外線積算光量計(UIT−150−A、ウシオ電機株式会社製、照度計としても使用可能)および受光器 UVD−S405(感度波長域:320nm〜470nm、絶対校正波長:405nm)をもちいて露光量を計測した。
次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルムを除去し、30℃で1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液を24秒間スプレーすることにより、未露光部分を除去した。解像度は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができ、なおかつラインが蛇行、カケを生じることなく生成されたライン幅間のスペース幅の最も小さい値により評価した。感度および解像度の評価は、共に、数値が小さいほど良好な値である。
現像後のレジスト形状は日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて観察した。レジスト形状は矩形に近いことが望ましい。実施例1〜5および比較例1〜2について評価結果を表2,3に示す。
本発明により、波長350〜420nmの活性光源よる露光に対して感度、解像度が優れる感光性エレメントが提供された。本発明により、波長350〜420nmの活性光源による露光に対して感度、解像度が優れるレジストパターンの製造方法が提供された。本発明により、波長350〜420nmの活性光源による露光で、高密度なプリント配線板を高いスループットで得られるプリント配線板の製造方法が提供された。
Claims (5)
- 支持体と、該支持体上に設けられ請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメント。
- 基板上に請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは請求項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、を備えるレジストパターンの形成方法。
- 基板上に請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層若しくは請求項3に記載の感光性エレメントの感光層を形成する感光層形成工程と、前記感光層の所定部分を露光する露光工程と、露光した前記感光層を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、前記レジストパターンに基づいて導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、を備えるプリント配線板の製造方法。
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2006
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