JP2008102327A - 感光性樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法 Download PDF

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Hanako Namikawa
華子 南川
Masahiro Miyasaka
昌宏 宮坂
Yukiko Muramatsu
有紀子 村松
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Abstract

【課題】 感度、解像性及び密着性といった感光特性を維持したままスラッジ除去性に優れる感光性樹脂組成物、この樹脂組成物を用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及び十分に高密度化されたプリント配線板を得ることが可能なプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】 (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C)置換基を有するヘキサアリールビイミダゾールの光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(C)成分が下記一般式(1)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含む感光性樹脂組成物。
【化1】
Figure 2008102327

【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法に関する。
従来、プリント配線板の製造において、支持体上に感光性樹脂組成物層及び保護フィルムがこの順で積層された感光性エレメントがエッチング、めっき等に用いられるレジスト材料として広く用いられている。
感光性エレメントを用いる場合、プリント配線板は、感光性エレメントを銅基板上にラミネートした状態でパターン露光した後、未硬化部分を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施してパターンを形成させ、硬化部分を基板から剥離して除去する方法によって製造されている。
感光性エレメントには、近年のプリント配線板の高密度化に伴い従来の感光性エレメントに比べて解像性及び密着性の更なる向上が要求されている。
また、一方では、作業性向上の点から高感度で低めっき浴汚染性の感光性樹脂組成物が望まれている。
これらの特性は、使用される光重合開始剤の種類及び量に主として依存する。例えば、特許文献1〜3に記載の光重合開始剤は高感度であるとされているが、めっき浴汚染性を有するという欠点がある。
さらに、めっき浴汚染性の少ない光重合開始剤である2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体と、水素供与性化合物とを組み合わせることにより高感度とした感光性樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
独国特許発明第2027467号明細書 欧州特許出願公開第11786号明細書 特開平06−069631号公報 米国特許第3479185号明細書
しかしながら、特許文献4に記載の光重合開始剤は、感光特性やめっき浴汚染性の点では優れているものの、現像工程で発生するスラッジの除去性が悪く、現像槽にスラッジが固着し現像槽を汚染するという欠点があり、生産性を低下させる要因となっていた。
本発明は、感度、解像性及び密着性といった感光特性を維持したままスラッジ除去性に優れる感光性樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いた感光性エレメントを提供することを目的とする。
また、本発明は、感度、解像性及び密着性といった感光特性を維持したままスラッジ除去性に優れるレジストパターンを得ることが可能なレジストパターンの形成方法及び十分に高密度化されたプリント配線板を得ることが可能なプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C)置換基を有するヘキサアリールビイミダゾールの光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(C)成分が下記一般式(1)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含む感光性樹脂組成物に関する。
Figure 2008102327
[式(1)において、 R、R、R、R4、R5及びR6は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、フッ素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基、炭素数1〜3のトリハロアルキル基を示し、少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基又は炭素数1〜3のトリハロアルキル基のいずれかである。l、m、n、o、p、q= 0〜5の整数を示す。]
また、本発明は、(B)成分が、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物である、前記の感光性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、支持体上に、前記の感光性樹脂組成物からなる層を積層してなる感光性エレメントに関する。
また、本発明は、前記の感光性エレメントを、回路形成用基板上に当該感光性エレメントが備える感光性樹脂組成物からなる層が密着するようにして積層する工程、活性光線を画像状に照射することにより、感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分を光硬化させる工程及び感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分以外の部分を現像により除去する工程からなることを特徴とするレジストパターンの形成方法に関する。
さらに、本発明は、前記のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
本発明によれば、感度、現像性、密着性といった感光特性を保ったまま、スラッジ除去性に優れる感光性樹脂組成物並びに感度、現像性、生産性及び作業性が優れる感光性エレメントを提供することが可能となる。
また、本発明によれば、作業性が優れ、プリント配線の高密度化に有用なレジストパターンの形成方法及びプリント配線の高密度化に有用なプリント配線板の製造法を提供することが可能となる。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に制限するものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
本発明になる感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する。
このうちバインダーポリマーとしては、現像液に可溶なポリマーであれば、特に制限はなく用いられる。具体的には、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂がバインダーポリマーとして好適である。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、アルカリ現像性の向上の観点からは、アクリル系樹脂が好ましい。
バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。重合性単量体としては、例えば、スチレン及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体、アクリロニトリル、ビニルアルコールのエステル、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、(メタ)アクリル酸エステル及びその誘導体、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、フマル酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオル酸がある。1種又は2種以上の重合性単量体を組み合わせて重合することにより、バインダーポリマーが得られる。
スチレンの誘導体としては、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン及びp−ブロモスチレンがある。
アクリルアミドの誘導体としては、ジアセトンアクリルアミドがある。
ビニルアルコールのエステルとしては、ビニル−n−ブチルエーテルがある。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルがある。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル及びこれらの構造異性体がある。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの誘導体としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートがある。
(メタ)アクリル酸の誘導体としては、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸及びβ−スチリル(メタ)アクリル酸がある。
マレイン酸エステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル及びマレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステルがある。
バインダーポリマーは、感光性樹脂組成物をアルカリ現像性の点でより優れるものとするため、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するバインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とともにラジカル重合することにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。
また、バインダーポリマーは、スチレン又はその誘導体をモノマー単位として有することが好ましい。これにより、レジストパターンの可撓性や、密着性及び剥離特性が良好なものとなる。このような効果を特に顕著に発現させるため、スチレン又はその誘導体のモノマー単位の比率は、バインダーポリマー全体に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜28質量%であることがより好ましく、1.5〜27質量%であることがさらに好ましい。この比率が0.1質量%未満では密着性が低下する傾向があり、30質量%を超えると現像の際の剥離片が大きくなるために現像時間が長くなる傾向がある。
バインダーポリマーの酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、200mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。溶剤現像により現像する場合、カルボキシル基を有するモノマー単位の比率を小さくすることが好ましい。
バインダーポリマーの重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算した値)は、20,000〜300,000であることが好ましく、25,000〜150,000であることがより好ましい。この重量平均分子量が20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
バインダーポリマーは、感光性基を有していてもよい。
単独で又は2種類以上のポリマーを組合わせてバインダーポリマーとして用いることができる。2種類以上を組み合わせる場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー又は異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーを組み合わせたものが挙げられる。また特許文献記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを用いることもできる。
5特開平11−327137号公報
エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基としてα、β−不飽和結合を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルが好適に用いられる。α、β−不飽和カルボン酸エステルの好適な具体例としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物(ウレタンモノマー)、α、β−不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル、α、β−不飽和カルボン酸とグリシジル基含有化合物とのエステル、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート及びフタル酸系化合物がある。これらの中でも、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物又はウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。1種を単独で又は2種類以上の化合物を組み合わせて光重合性化合物として用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物は、ビスフェノールA誘導体であって(メタ)アクリレート基を有する化合物である。ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンがある。2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−1300」(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート及びEO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートがある。
EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートは、例えば、「UA−11」(新中村化学工業株式会社製、製品名)が商業的に入手可能である。
EO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートは、例えば、「UA−13」(新中村化学工業株式会社製、製品名)が商業的に入手可能である。
なお、EOはエチレンオキシドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキシド基のブロック構造を有する。POはプロピレンオキシドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキシド基のブロック構造を有する。
フタル酸系化合物としては、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート及びβ−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレートがある。
α、β−不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステルとしては、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO,PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがある。
ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート及びノニルフェノキシウンデカエチレンオキシ(メタ)アクリレートがある。
光重合性化合物としては、以上のような化合物の他、アクリル酸及びメタクリル酸、又はこれらのアミド、エステル、塩若しくは対応するニトリル等の(メタ)アクリルモノマーやビニル化合物等の反応性ビニルモノマーを用いることもできる。
反応性ビニルモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−又はt−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルヘキシルメタクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメチルメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジメタクリレート等のグリコール(メタ)アクリレート、アリールメタクリレート、ジアリールメタクリレート等のアリール(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、メラミンアクリレート等のアミノプラストアクリレート、ビニル又はビニリデンハライド、メタクリルアミド、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、スチレン、アルキルスチレン、ハロスチレン、アルコキシスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン等のビニル基含有芳香族化合物、ビニル又はビニリデンエステル、ビニル又はビニリデンエーテル、ビニル又はビニリデンケトン、酢酸ビニル、ブタジエンがある。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の露光によりラジカルを発生する作用を有する化合物を1種又は2種以上含む成分である。光重合開始剤は上記式(1)で表されるヘキサアリールイミダゾール二量体を少なくとも1種含む。
[式(1)において、 R、R、R、R4、R5及びR6は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、フッ素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基、炭素数1〜3のトリハロアルキル基を示し、少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基又は炭素数1〜3のトリハロアルキル基のいずれかである。l、m、n、o、p、q= 0〜5の整数を示す。]
また、本発明においては、一般式(1)で表される(C)光重合開始剤の群から選ばれる少なくとも1種と共に、他の光重合開始剤、増感剤等を1種以上併用することができる。前記他の光重合開始剤、増感剤等としては、特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)等のN,N’−テトラアルキル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−モルホリノベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジ−(4−イソプロピルフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、フロロチオキサントン、1−メチル−2−(2−エチルヘキシルオキシ)チオキサントン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、アクリル酸−4−ベンゾイルフェニルエステル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾインアルキルエーテルなどのベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、o−アシル−α−オキソオキシム類等のオキシム系化合物、2,5−ジフェニルフラン、2,5−ジフェニル−3,4−ジメチルフラン、2,5−ジフェニル−3−エチルフラン、2,5−ジ(p−メチルフェニル)フラン、2,5−ジ(2,4−ジメチルフェニル)フラン、2,5−ジ(p−ブチルフェニル)フラン、2,5−ジ(p−ベンジルフェニル)フラン、2−フェニル−5−(p−ビフェニル)フラン、2,5−ジ(p−ビフェニル)フラン、2−フェニル−5−(α−ナフチル)フラン等のフラン化合物、2,5−ジフェニルオキサゾール、2,5−ジフェニル−3−メチルオキサゾール、2,5−ジ(p−イソプロピルフェニル)オキサゾール、1,4−ビス(2−(5−フェニルオキサゾリル))ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−メチル−5−フェニルオキサゾリル))ベンゼン、2−フェニル−5−(p−ビフェニル)オキサゾール、2−フェニル−5−(α−ナフチル)オキサゾール、2,5−ジ(α−ナフチル)オキサゾール、1,4−ビス(2−(5−フェニルオキサゾリル))ナフチル等のオキサゾール類、2,5−ジ(α−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−フェニル−5−(α−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル、2,5−ジ(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジ(4−メチル−1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−フェニルー5−(p−ビフェニリル)−1,3,4−オキサジアゾール又は1,4−ビス(2−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル))ベンゼン等のオキサジアゾール化合物、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1,5−ビス−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−ドデシル−フェニル)−3−(4−tert−オクチル−スチリル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−tert−オクチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−(2,4−ジブチル−フェニル)−3−(4−ドデシル−スチリル)−5−(4−ドデシル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(2,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(2,6−ジ−n−ブチル−スチリル)−5−(2,6−ジ−n−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(3,4−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−スチリル−5−フェニル−ピラゾリン、1−(4−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−スチリル)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリンなどのピラゾリン化合物、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン等のアントラセン化合物が挙げられる。
光重合開始剤のうち、一般式(1)の化合物以外の化合物の割合は、光重合開始剤全体に対して通常は5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。一般式(1)の化合物以外の化合物の割合が5質量%を以下であると本発明の効果の程度が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物におけるバインダーポリマーの量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計量100重量部に対して20〜90重量部が好ましく、30〜85重量部がより好ましく、40〜80重量部がさらに好ましい。この量が20重量部未満では光硬化物が脆くなりやすくなったり感光性エレメントを製造する際の塗膜性が低下したりする傾向があり、90重量部を超えると感度が低下する傾向がある。
感光性樹脂組成物における光重合性化合物の量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計量100重量部に対して10〜80重量部が好ましく、15〜70重量部がより好ましく、20〜60重量部がさらに好ましい。この量が10重量部未満では感度が低下する傾向があり、80重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
感光性樹脂組成物における光重合開始剤の量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、0.02〜15重量部がより好ましく、0.03〜10重量部がさらに好ましい。この量が0.01重量部未満では感度が低下する傾向があり、20重量部を越えると露光の際に組成物の表面での光吸収が増加して内層部分の光硬化が十分に進行し難くなる傾向がある。
感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤の他に必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、例えば、カチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物など)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモメチルフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填材、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤及び熱架橋剤がある。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。これら他の成分の量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の合計量100重量部に対して各々0.01〜30重量部程度とすることが好ましい。
以上説明したように感光性樹脂組成物は、そのまま液状レジストとして用いることもできるが、後述の感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。液状レジストとして用いる場合には、例えば、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に感光性樹脂組成物を塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いられる。この場合の保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムが好適に用いられる。
図1は、本発明になる感光性エレメントを示す断面図である。図1に示す感光性エレメント1は、支持体10と、支持体10上に設けられた感光性樹脂組成物層20と、感光性樹脂組成物層20上に設けられた保護フィルム30とを備えている。
感光性樹脂組成物層20の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。
感光性エレメント1は、例えば、支持体10としてのポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に、感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥して感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層20を形成させることにより、得ることができる。
塗布方法は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また乾燥は、約70〜150℃で約5〜30分間行うことができる。また乾燥後における感光性樹脂組成物層20中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点を考慮すると、2重量%以下が好ましい。重合体フィルムの厚さは、1〜100μmとすることが好ましい。
感光性エレメント1の保護フィルム30として、支持体10と同様のフィルムを用いることができる。保護フィルム30には、感光性樹脂組成物層20及び支持体10の間の接着力よりも、感光性樹脂組成物層20及び保護フィルム30の間の接着力が小さい方が好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
これらの重合体フィルムの一種を感光性樹脂組成物層20の支持体10として用い、異なる一種を感光性樹脂組成物層20の保護フィルム30として用い、感光性樹脂組成物層20の両面に重合体フィルムを積層し、感光性エレメント1を形成することができる。また、感光性エレメント1は、感光性樹脂組成物層20、支持体10及び保護フィルム30に加えて、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有することができる。
感光性エレメント1は、例えば、そのままの平板状の形態で又は感光性樹脂組成物層20の一方の面に(保護されず露出している面に)、保護フィルム30を積層して、円筒状などの巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。なお、貯蔵時に、支持体10が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。
また、梱包方法としては、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。上記巻芯は、特に限定されない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造する場合、例えば、感光性エレメントを、回路形成用基板上に当該感光性エレメントが備える感光性樹脂組成物からなる層が密着するようにして積層する工程と、活性光線を画像状に照射することにより、感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分を光硬化させる工程と、感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分以外の部分を現像により除去する工程と、を備える方法により、レジストパターンを形成させることができる。
図2は、本発明になるプリント配線板の製造工程を示す断面図である。支持体10及び保護フィルム30付きの感光性エレメント1の場合、保護フィルム30を除去して用いる。この場合、例えば、感光性樹脂組成物層20を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板100に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着して、積層する(図2の(a))。減圧下で積層することもできる。
回路形成用基板100は、基板102上に導体層104が設けられた構成を有する基板である。感光性樹脂層が積層される面は、通常、導体層104のような金属面であるが、特に制限はされない。基板102としては、配線板に用いられる公知の基板材料が適用でき、例えば、ガラスエポキシ基板等の繊維強化樹脂からなる基板が挙げられる。導体層104を形成する材料としては、銅、銅系の合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス、鉄系合金等の金属が好ましく、中でも銅、銅系合金、鉄系合金が好ましい。
積層された感光性樹脂組成物層20は、ネガ型又はポジ型のマスクパターン200を介して活性光線を照射することにより露光される(図2の(b))。上記活性光線の光源には、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線及び可視光等を有効に放射するものを用いることができる。また、レーザー直接描画露光法も用いることができる。
こうして、感光性樹脂組成物層20には、活性光線Lが照射されない未露光部20aと照射された露光部20bとが形成される。この際、感光性樹脂組成物層20上に存在する支持体10が透明の場合には、図示のようにそのまま活性光線を照射することができる。一方、支持体20が活性光線Lに対して遮光性を示す場合には、支持体20を除去した後、活性光線を感光性樹脂組成物層20に照射する。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層20上に支持体10が存在している場合、支持体10をオートピーラー等で除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、又はドライ現像等で現像して未露光部20aを除去することにより、所望のレジストパターン22を製造することができる(図2の(c))。
アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。アルカリ性水溶液のpHは、9〜11が好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層20の現像性に合わせて調整される。またアルカリ性水溶液に、界面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を添加して用いることができる。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、任意に、後硬化することができる。例えば、60〜250℃程度で加熱し、又はさらに0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、所望のレジストパターン22を、さらに硬化(後硬化)させて用いてもよい。
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターン22をマスクとして、回路形成用基板100の表面を、公知の方法によるエッチングで処理することにより、回路パターン114を形成させる(図2の(d))。上記エッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。又はめっき法によって回路パターンを形成させてもよい。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等がある。
次いで、レジストパターン22を剥離する工程を経てプリント配線板300が得られる(図2の(e))。プリント配線板300は、基板102及びこれの主面上に形成された回路パターン114を備えている。レジストパターン22は、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに制限するものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜4
以下に示す材料を配合し、表1及び2に示す組成を得た。なお、表中の単位は重量部である。
(使用材料)
ポリマ:合成品
BPE−500:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
9PG:ポリプロピレングリコールジメタクリレート、新中村化学工業(株)製
TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート、新中村化学工業(株)製
NP8EA:ノニルフェノールEO変性アクリレート、新中村化学工業(株)製
Cl−HABI:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、保土ヶ谷化学(株)
Me−HABI:2−らo−クロロフェニル−2’−o−メチルフェニル−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(クロスカップリング体)、Yixing Fine Chemical社製
NO2−HABI:2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラフェニルイミダゾール二量体、黒金化成(株)製
DBA:9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業(株)製
LCV:ロイコクリスタルバイオレット、山田化学(株)製
MKG:マラカイトグリーン、大阪有機化学工業(株)製
(ポリマーの合成)
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブ対トルエンが重量比3:2の混合溶液(以下、溶液Aとする)700gを加え、窒素ガスを吹き込みながら、撹拌して、85℃まで加熱した。温度85℃の溶液Aに、メタクリル酸150g、メタクリル酸メチル225g、スチレン125g及びアゾビスイソブチロニトリル3gを予め混合した液を、4時間かけて滴下し、その後、85℃で撹拌しながら2時間保温した。
次いで、溶液A60gにアゾビスイソブチロニトリル0.3gを溶解し、この溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。その後、得られた溶液を、撹拌しながら、85℃で5時間保温した後、冷却して、重合体を得た。得られた重合体は、不揮発分が43.5重量%、重量平均分子量が50,000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値である。
(感光性エレメントの製造)
幅380mm×厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETとする)上に、先の工程で得られた感光性樹脂組成物の溶液を、乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗工した。熱風対流式乾燥機を用いて、100℃で乾燥させ、その上に、厚さ35μmのポリエチレンフィルムを載せ、ロールで加圧して、ポリエチレンフィルムで被覆した感光性エレメントを得た。
一方、銅箔(厚さ35mm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業(株)製、製品名MCL−E−67)の銅表面を♯600相当のブラシを持つ研磨機(三啓(株)製を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥させた。次いで、銅張積層板を80℃に加温した後、上記で得られた感光性エレメントを、その感光性樹脂組成物層が銅表面上に密着するようにして120℃で39.2×10Pa(4kgf/cm)の圧力下で積層した。
(スラッジ量、スラッジ除去性の評価)
まず、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を1L調整した。次いで、上記感光性エレメントのPETフィルム及びポリエチレン製保護フィルムをはく離して得られる感光層を、溶解濃度0.6mil・m/Lになるように上記炭酸ナトリウム水溶液に溶解し試料溶液を得た。得られた試料溶液を小型現像機(ポンプ:(株)イワキ社製、商品名「Iwaki magnetic pump MD30RZ−N」、ノズル:スプレーインクシステムジャパン(株)社製、商品名「GC−SQ3.6SQ」)の現像液容器に1.0L収容し、吐出圧力5.88×10Pa(0.6kgf/cm)、温度30℃、攪拌(循環)時間90分の条件で溶液を循環して溶液を得た。
循環後の溶液を10ml試験管((株)マルエム製 A−スピッチ10cc)に採取し遠心分離機(国産遠心器(株)社製 H−18)で回転数2000min−1、10分間遠心分離した。上澄み液を除いて沈殿物を得、120℃で2時間乾燥機(楠本化学社製HISPEC HG220)で乾燥しスラッジ量として秤量した。
同じく循環後の溶液をポリ瓶に静置し、一週間静置した。堆積物を目視で確認後、容器を20回縦に振り、前後のスラッジ除去性をレベル1〜4で観察した。レベル1はスラッジが流れない、レベル2は堆積物が一部流れる、レベル3は堆積物がほとんど流れる、そしてレベル4は堆積物が全て流れるとした。
スラッジ量の結果を表1に、スラッジ除去性の結果を表2に、感光特性も含めた検討を表3に示す。
(感光特性の評価)
得られた特性評価用試料について、感度、密着性及び解像度を以下に示す方法で評価し、結果をまとめて表2に示す。
5kWショートアークランプを光源とする平行光露光機(オーク製作所製、製品名EXM-1201)を用い、ネガとしてストーファー41段ステップタブレットとライン/スペースが10/400〜50/400(密着性、単位:μm)及びライン/スペースが10/10〜50/50(解像度、単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを試験片上に置き、その上に波長405nm±30nmの光を分光する朝日分光株式会社製フィルタHG0405などを置き、5kWショートアークランプを光源とする平行光露光機(オーク製作所製、製品名EXM-1201)を用いて20、40、80mJ/cm露光した。
露光後、室温で15分間放置し、次にPETを除去し、1重量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)をスプレーすることによって現像した。銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの残段数を測定し、ステップタブレット14/41段を得るのに必要となる露光量を計算し、感光性樹脂組成物の光感度を比較した。光感度は、ステップタブレット14/41段を得る露光量が少ないほど、光感度が高いことを示す。
密着性及び解像度は、現像後に剥離せずに残った最小ライン幅(μm)を測定することによって求めた。これらの幅が小さいほど密着性、解像度が優れていることを示す。なお、照度の測定はバンドパスフィルターを透過した光については、紫外線積算光量計(UIT−150−A)ウシオ電機株式会社製、照度計としても使用可能)及び受光器UVD−S405(感度波長域:320nm〜470nm、絶対校正波長405nm)を用いて露光量を計測した。
Figure 2008102327
表1に示されるように、比較例1及び2のものはHABI系光開始剤に親水性基を導入してもスラッジ量の低減には効果ないことが明らかである。
Figure 2008102327
表2に示されるように、実施例1及び2のような光開始剤を使用することによって、スラッジの除去性が向上することは明らかである。また実施例3のように併用しても効果があることは明らかである。
Figure 2008102327
表3に示されるように、実施例のように感光特性も比較例と同程度であり、感光特性を維持したままでスラッジの除去性を向上できることを確認した。すなわち、本発明によれば、十分な感光特性を維持したままスラッジの除去性が向上する感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを提供できることが明らかである。
本発明になる感光性エレメントの製造工程を示す断面図である。 本発明になるプリント配線板の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 感光性エレメント
10 支持体
20 感光性樹脂組成物層
20a 未露光部
20b 露光部
22 レジストパターン
30 保護層
100 回路形成用基板
102 基板
104 導体層
114 回路パターン
300 プリント配線板。

Claims (5)

  1. (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物及び(C)置換基を有するヘキサアリールビイミダゾールの光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(C)成分が下記一般式(1)で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含む感光性樹脂組成物。
    Figure 2008102327
    [式(1)において、 R、R、R、R、R及びRは相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、フッ素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基、炭素数1〜3のトリハロアルキル基を示し、少なくとも一つは炭素数1〜20のアルキル基、ニトロ基又は炭素数1〜3のトリハロアルキル基のいずれかである。l、m、n、o、p、q= 0〜5の整数を示す。]
  2. (B)成分が、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物である、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
  3. 支持体上に、請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物からなる層を積層してなる感光性エレメント。
  4. 請求項3記載の感光性エレメントを、回路形成用基板上に当該感光性エレメントが備える感光性樹脂組成物からなる層が密着するようにして積層する工程、活性光線を画像状に照射することにより、感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分を光硬化させる工程及び感光性樹脂組成物からなる層のうち露光された部分以外の部分を現像により除去する工程からなることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  5. 請求項4記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法。
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