JP2007248001A - 冷凍空調装置 - Google Patents

冷凍空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007248001A
JP2007248001A JP2006074146A JP2006074146A JP2007248001A JP 2007248001 A JP2007248001 A JP 2007248001A JP 2006074146 A JP2006074146 A JP 2006074146A JP 2006074146 A JP2006074146 A JP 2006074146A JP 2007248001 A JP2007248001 A JP 2007248001A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compressor
pipe
refrigerant
discharge
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006074146A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokuni Shiba
広有 柴
Masanobu Baba
正信 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2006074146A priority Critical patent/JP2007248001A/ja
Publication of JP2007248001A publication Critical patent/JP2007248001A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

【課題】 冷凍機油に冷媒が寝込んだ状態で圧縮機を起動した時に冷凍機油と液冷媒の混合液を吐出しても、圧縮機の冷凍機油が枯渇することのない冷凍空調装置を得る。
【解決手段】 圧縮機1の吐出部に接続され圧縮機1で圧縮された冷媒が吐出される吐出配管2と、吐出配管2の圧縮機1近傍に設けられ下降管と上昇管とでU字形状を成すU字形状管3と、圧縮機1に接続され冷凍サイクルを循環した冷媒を圧縮機1に吸入する吸入配管10と、U字形状管3と吸入配管10又は圧縮機1の低圧部を接続するバイパス管13と、バイパス管13に設けられ減圧を行うバイパス管用減圧手段14と、を備え、圧縮機1を起動する際、一定時間の間、U字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させるように圧縮機1を一定の低速度で運転すると共に、U字形状管3に滞留した混合液をバイパス管13を介して圧縮機1に返流する起動運転を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、冷凍空調装置に関するもので、特に運転停止中に圧縮機内の冷凍機油に冷媒が溶解する冷媒寝込み状態を生じるものに関する。
冷凍空調装置として例えば空気調和機を構成する圧縮機の冷凍機油に冷媒が大量に溶解した状態(以下、冷媒寝込み状態と記す)で起動すると、容器内の圧力が急激に降下するため溶解している液冷媒が沸騰現象を起こして発泡する。これをフォーミング現象という。この発泡したガス冷媒は液冷媒や冷凍機油を巻きこんで圧縮機室に流入し、圧縮機外へ冷凍機油を持ち出す。これにより、圧縮機内の冷凍機油が枯渇する恐れがある。そこで、従来の空気調和機では冷媒寝込み状態における圧縮機起動方法として、圧縮機を予熱する予熱手段を設け、運転停止中に冷凍機油を予熱して冷凍機油に溶解する冷媒量を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
また、他の冷凍装置として、圧縮機の吐出管に第1電磁弁を設け、第1電磁弁と圧縮機の間の吐出管とアキュムレータ入口管とを連通させたバイパス管を設け、このバイパス管に第2電磁弁を設けて、圧縮機の起動時に第1電磁弁を閉、第2電磁弁を開として一定時間だけ前記バイパス管に吐出冷媒を流通させる装置がある(例えば、特許文献2参照)。
また、他の空気調和装置では、吐出配管の途中に圧縮機より吐出される冷凍機油とガス冷媒を分離する油分離器を設けると共に、電磁弁を介して油分離器とアキュムレータを接続する第1のバイパス管と、流量調節装置を介して油分離器と圧縮機吸入側を接続する第2のバイパス管とを備えた装置がある(例えば、特許文献3参照)。
この装置では、冷媒寝込み状態の圧縮機を起動して生じるフォーミング現象で圧縮機の外へ持ち出された冷凍機油を油分離器で分離した後、第1、第2のバイパス管を介してアキュムレータや圧縮機に回収することで、圧縮機の外へ持ち出される冷凍機油量を低減している。
また、他の冷凍サイクル装置では、暖房運転開始時に四方弁を冷房運転側に設定した状態で圧縮機を始動した後、冷凍機油吐出推定手段により冷凍機油の吐出量が所定値以上と推定された場合に、圧縮機の運転速度を低下させると共に、冷媒回路中の膨張弁を閉じて所定時間運転後、四方弁を暖房側に切り替える構成である(例えば、特許文献4参照)。
この装置では、寝込み状態の圧縮機を起動直後に、短時間に大量に吐出される冷凍機油を多量に含有した液冷媒は、室外熱交換器内に一時的に滞留され、暖房運転に切り替えられた後、アキュームレータ及び圧縮機に回収することができるので、室内熱交換器や延長配管に冷凍機油を持ち出すことなく圧縮機内部に冷凍機油を必要量確保しようとするものである。
特開平8−114346号公報(第3頁、図3) 特開昭61−165556号公報(第2頁、第1図) 特開昭61−140755号公報(第3〜4頁、第1図) 特開2005−300056号公報(第5〜7頁、図1、図2)
特許文献1の装置において、予熱手段であるクランクケースヒータや圧縮機モータの欠相運転(拘束通電)により冷凍機油を加熱する構成では、圧縮機起動前から長時間通電する必要があるため非経済的である。また、予熱手段の故障や、据付工事後すぐに試運転する場合などには、起動前に長時間通電を行うことができずに圧縮機の冷凍機油に冷媒が大量に寝込んだ状態で圧縮機を起動することになる。このような状況で起動されると、圧縮機ロータの攪拌作用により圧縮機内の冷凍機油と冷媒の混合液が短時間に大量に持ち出されてしまい。特に、配管が長い場合などには圧縮機に返油されるまでの時間が長く、圧縮機内の冷凍機油が枯渇して軸受焼損が発生する可能性があるという問題点があった。
また、特許文献2の装置では、第1電磁弁を閉、第2電磁弁を開として圧縮機を起動し、圧縮機ロータの攪拌作用で大量に圧縮機から持ち出される冷凍機油と冷媒の混合液のすべてをバイパス管から圧縮機に戻している。圧縮機に寝込んだ冷媒量が多いと、混合液中の冷凍機油濃度は圧縮機の潤滑性を保持できない濃度まで薄くなる。この油濃度の薄い混合液をバイパス管を介してアキュムレータや圧縮機に戻すと、圧縮機は液冷媒過多による液圧縮を起こしたり、油濃度不足によって軸受焼損して圧縮機故障を発生する可能性がある。第1電磁弁、第2電磁弁ともに開けて起動しても、大部分の混合液がアキュムレータや圧縮機に直接戻るので、圧縮機は液圧縮や軸受焼損により故障する可能性がある。
さらに、第1電磁弁を閉じ、第2電磁弁を開けて起動するので、室内熱交換器に冷媒が流通せず、暖房の立ち上がりが遅れて使用者に不快感を与えてしまう。また、低圧側の圧力及び温度が低下して室外熱交換器表面の着霜が助長されたり、圧縮機吸入側が負圧になって圧縮機故障を生じる可能性があるという問題点があった。
また、特許文献3の装置において、油分離器は冷凍機油とガス冷媒をそれぞれの密度差を利用して重力分離や遠心力分離手法により分離するものである。ところが、圧縮機の冷凍機油に冷媒が大量に寝込んだ状態で圧縮機を起動すると、圧縮機ロータの攪拌作用により圧縮機内の冷凍機油と冷媒の混合液が短時間に大量に持ち出される。油分離器は密度差が小さい冷凍機油と液冷媒を分離することはできず、また起動時に吐出される混合液を容器内に滞留させることは考慮されていない。
通常、油分離器は吐出配管の冷媒流速が装置で想定される最大流速になってもガス冷媒と冷凍機油を分離できるようにするために、容器容積を大きくする場合が多い。延長配管が数十mの小、中容量の空気調和機や冷凍機に最大油吐出率が1wt%未満の圧縮機を搭載する場合、起動時に吐出する大量の冷凍機油と液冷媒の混合液は延長配管や熱交換器に持ち出だされたくないが、通常運転中は圧縮機の吐出油量が少ないので持ち出してもそれほど問題を生じない。このような装置に対して油分離器を設置して起動時の混合液対策をとるのは、装置容積の増大やコスト増加などにつながり非経済的であるという問題点があった。
また、特許文献4は暖房運転前に、室外熱交換器に冷媒を回収するポンプダウン運転を実施し、起動時に吐出する冷凍機油と液冷媒の混合液を室外熱交換器に一時的に滞留させ、その間に圧縮機を温めるものである。しかしながら、通常のポンプダウン運転は、室内熱交換器と延長配管内の滞留冷媒を室外熱交換器へ移動させるものである。即ち、圧縮機の冷媒搬送量が少なく、また数十秒から数分という短時間で終了する。このため、圧縮機の仕事量は少ないので、圧縮機モータの発熱量も小さく、圧縮機容器はほとんど温まらない。この後に四方弁を切り替えて暖房運転モードにすると、室外熱交換器に滞留している混合液はアキュムレータや圧縮機に戻ってくるが、圧縮機は温まっていないので、運転前の状態に戻ってしまうという問題点があった。
さらに、室外熱交換器は通常、複数のパスで構成されている。室外熱交換器に滞留した冷凍機油と液冷媒の混合液を回収するにはパス内の冷媒速度を所定値以上にする必要があり、所定値未満の場合、液冷媒だけ蒸発して圧縮機へ戻り、冷凍機油は滞留したままになる可能性がある。特に冷媒との二相分離温度が高かったり、冷媒に溶解しにくい冷凍機油を使用する場合はこの傾向が著しい。その結果、圧縮機内の冷凍機油が枯渇する可能性があるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、圧縮機の冷凍機油に冷媒が大量に寝込んだ状態で圧縮機を起動しても、冷凍機油が延長配管や熱交換器に流出するのを防止でき、圧縮機の液圧縮や冷凍機油の不足による軸受焼損を回避することができる冷凍空調装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係る冷凍空調装置は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、冷凍サイクルに冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機の吐出部に接続され前記圧縮機で圧縮された前記冷媒が吐出される吐出配管と、前記吐出配管の前記圧縮機近傍に設けられ下降管と上昇管を有してU字形状を成すU字形状管と、前記圧縮機に接続され前記冷凍サイクルを循環した冷媒を前記圧縮機に吸入する吸入配管と、前記U字形状管と前記吸入配管又は前記圧縮機の低圧部を接続するバイパス管と、前記バイパス管に設けられ減圧を行うバイパス管用減圧手段と、を備え、前記圧縮機を起動する際、一定時間の間、前記圧縮機を低速度で運転して前記U字形状管に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、前記U字形状管に滞留した前記混合液を前記バイパス管を介して前記圧縮機に返流する起動運転を行うことを特徴とするものである。
この発明に係る冷凍空調装置によれば、起動直後に短時間に吐出する冷凍機油と液冷媒の混合液を吐出配管のU字形状管に一時的に滞留させるような低速度で圧縮機を運転し、滞留した混合液をバイパス管を介して圧縮機に戻す起動運転を行うことで、冷凍機油を圧縮機に返流して圧縮機の軸受焼損を回避することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置の一例として、例えば空気調和機を示す冷媒回路図である。
図に示すように、圧縮機1、吐出配管2、吐出配管2の一部であるU字形状管3、四方弁4、室外熱交換器5、減圧手段6、液溜9、減圧手段7及び吸入配管10を室外ユニットに収納し、室内熱交換器8を室内ユニットに収納する。そして、ガス配管11と液配管12で室内ユニットと室外ユニットとを接続し、冷媒として例えばR410Aを循環させて冷凍サイクルを構成している。減圧手段6、7は例えば電子式膨張弁である。さらに、室外ユニットには、U字形状管3の下端部と吸入配管10を接続するバイパス管13を設け、さらにバイパス管13の途中に、バイパス管用減圧手段14を設けて、バイパス管13を流れる流体を減圧して圧縮機1に返流する流量を調整している。一般に吐出配管とは圧縮機1の吐出部に接続され、圧縮機1で圧縮されて吐出する高温高圧のガス冷媒が流れる冷媒配管である。ここでは特に、圧縮機1の吐出部と他の構成機器、例えばこの実施の形態では四方弁4とを接続する冷媒配管を吐出配管2とする。また、吸入配管10は冷凍サイクルを循環した冷媒を圧縮機1に吸入する冷媒配管で、圧縮機1の吸入部と他の構成機器、例えばこの実施の形態では四方弁4とを接続する。
圧縮機1は冷凍サイクルに冷媒を循環させるものであり、圧縮室の冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒として吐出配管2に吐出する。吐出配管2の圧縮機1近傍には、下降管3aと上昇管3bとこの間を接続する底部でU字形状をなすU字形状管3を設けている。
また、室外熱交換器5における冷媒ー空気の熱交換を促進するための室外ファン21及び室外ファンモータ22、室内熱交換器8における冷媒ー空気の熱交換を促進するための室内ファン23及び室内ファンモータ24を備える。吐出配管温度検知手段25は吐出配管2を流れる冷媒の温度を検知する温度センサ、室外熱交換器温度検知手段26は室外熱交換器5内を流れる冷媒温度を検知する温度センサ、室内熱交換器温度検知手段27は室内熱交換器8内を流れる冷媒温度を検知する温度センサである。
圧縮機運転周波数制御手段32は圧縮機1の運転速度を制御するもので、例えばインバータやコンバータ等で構成される。室外機制御手段31は圧縮機運転周波数制御手段32を搭載していると共に、吐出配管2の冷媒流速演算、減圧手段6、7、14の開度制御、室外ファンモータ22のオン/オフ制御、室内ファンモータ24のオン/オフ制御、四方弁4の切り替え制御、室内ユニットとの通信制御及び電源接続供給部などの各種演算制御を行う。このため、室外機制御手段31はそれぞれの制御対象と信号線で結ばれている。
凝縮冷媒温度検知手段は、冷房運転時は室外熱交換器5を凝縮器、室内熱交換器8を蒸発器として動作させるので、室外熱交換器温度検知手段26を使用し、暖房運転時は室内熱交換器8を凝縮器、室外熱交換器5を蒸発器として動作させるので、室内熱交換器温度検知手段27を使用する。同様に、蒸発冷媒温度検知手段は、冷房運転時は室内熱交換器温度検知手段27を、暖房時は室外熱交換器温度検知手段26を使用する。
通常の冷房運転時の冷媒の動作について図1を用いて説明する。圧縮機1で圧縮されて吐出する高圧高温ガス冷媒は吐出配管2の一部を成すU字形状管3、吐出配管2及び四方弁4を介して室外熱交換器5に流入し、ここで冷媒は周囲空気と熱交換して凝縮し、高圧液冷媒として流出する。室外熱交換器5から流出した冷媒は減圧手段6に流入して減圧され、高圧より低く、低圧より高い中間圧となり、液溜9を介して減圧手段7に流入する。ここで冷媒は減圧されて低圧の気液二相冷媒となり、液配管12を介して室内熱交換器8に流入する。室内熱交換器8内で冷媒は周囲空気と熱交換して蒸発し、低圧ガス冷媒として流出する。流出した冷媒はガス配管11、四方弁4、吸入配管10を介して圧縮機1に戻る。室内熱交換器8で蒸発する際、室内空気を冷やす冷房が行われる。
次に、通常の暖房運転時の冷媒の動作について図1を用いて説明する。圧縮機1で圧縮されて吐出した高圧高温ガス冷媒は吐出配管2、吐出配管2の一部を成すU字形状管3、四方弁4及びガス配管11を介して室内熱交換器8に流入し、ここで冷媒は周囲空気と熱交換して凝縮し、高圧液冷媒として流出する。そして室内熱交換器8から流出した冷媒は、液配管12を介して減圧手段7に流入して減圧され、高圧より低く、低圧より高い中間圧となり、液溜9を介して減圧手段6に流入する。ここで冷媒は減圧されて低圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器5に流入する。室外熱交換器5で冷媒は周囲空気と熱交換して蒸発し、低圧ガス冷媒として流出する。その後四方弁4及び吸入配管10を介して圧縮機1に戻る。室内熱交換器8で凝縮する際、室内空気を暖める暖房が行われる。
次に垂直配管内に液が滞留し、そこにガスが上方向に流れる場合の垂直配管内の状態について図2を用いて説明する。
図2(a)、(b)は、ガス冷媒と混合液の流体が垂直円筒管を上昇するときの垂直円筒管内の流体の状態を示す説明図であり、流体は矢印の方向に流れる。ここで、混合液とは冷凍機油と液冷媒が混ざった流体である。図中、61a、61bは液体フラグと呼ばれる液の塊、62a、62bはガスの塊を示す。図2(b)は図2(a)の数秒後の状態を示している。図に示すように、ガス冷媒は混合液と比較して密度及び粘度が小さいため、速度が速く管内中央を流れようとし、混合液は管壁に押しやられる。ガス冷媒の塊62aが上方向へ移動するとその上側にある液体フラグ61aも上方向へ移動しようとする。このような状態で、管壁を流れる液の重力による下方向への力と、上昇ガス流のせん断力による上方向への力が均衡するときのガスの上昇速度をゼロペネトレーション速度と呼ぶ。即ち、ガスの上昇速度がゼロペネトレーション速度より大きければ、液体フラグ61aはガス62aと共に垂直配管内を上昇する。一方、ガスの上昇速度がゼロペネトレーション速度より小さいと、液体フラグ61aはそれより上側の管壁に存在する液と合体して重量過多となり、支えきれなくなって消滅する。図では、ガス冷媒の上昇速度がゼロペネトレーション速度未満の場合を示しており、図2(a)の状態が微小時間後、例えば1秒以内で図2(b)の状態になる。図2(a)で存在していた液体フラグ61aは、図2(b)では消滅し、液体フラグ61aがあった位置よりも下方に新たに液体フラグ61bが生成される。
このように、液が滞留している垂直配管内をガスが流通する場合、ガスの速度がゼロペネトレーション速度より小さい低速度であると、ガスは塊状態で液中を流通すると共に、液は液体フラグ61a、61bを生成及び消滅しながら、その場所に滞留し続ける。
ゼロペネトレーション速度vzeroは、ガスの密度ρgas、液の密度ρliq、垂直配管の管内径D、重力加速度g、修正係数Cを用いて、下記のように式1で表すことができる。修正係数Cは例えば実験結果から求めればよい。
Figure 2007248001
この実施の形態は、起動運転で、上記のような垂直円筒管内をガスと液体の混合流体が流れるときの特性を利用するものである。即ち、U字形状管3の上昇管3b部分を流れるガス冷媒の速度を低速度にし、U字形状管3の部分に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させる。特に、吐出配管2を流れるガス冷媒の速度をゼロペネトレーション速度より低く制御することで、確実にU字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させる。
次に圧縮機の冷凍機油に冷媒が寝込んだ状態で圧縮機を起動した場合の、圧縮機と吐出配管内の冷媒分布について説明する。
図3は、圧縮機1、吐出配管2、U字形状管3、吸入配管10、四方弁2、バイパス管13、バイパス管用減圧手段14を示す圧縮機1近傍の構成図である。この圧縮機1は、例えば高圧容器式圧縮機を示すものであるが、これに限るものではなく、例えば低圧容器式圧縮機の場合でも同様である。圧縮機1内はロータ51、モータ52、軸53、圧縮室54で構成される。
ここで、例えばU字形状のように、下降管3aと上昇管3bとを備え、これらの管を底部で接続するような構成の配管をU字形状管と称する。必ずしもU字形状の配管でなくてもよい。V字形状のように多少斜めに設置されてもよいし、U字形状の底部が長い配管でもよい。
図4はこの実施の形態に係る起動前の圧縮機近傍の冷媒状態を示す説明図であり、圧縮機起動前の状態で、冷凍機油に冷媒が寝込んだ様子を示す。冷凍機油と液冷媒の混合液55は例えば圧縮機1を構成する容器の上端まで満たしている。
図5はこの実施の形態に係る起動時の圧縮機近傍の冷媒状態を示す説明図であり、圧縮機起動後の圧縮機1内と吐出配管2内の混合液滞留分布を示す。図4に示す運転停止状態から圧縮機1を起動すると、起動直後の数秒後には図5に示す状態になる。即ち、圧縮機1内の混合液は圧縮機1が起動すると、ロータ51の攪拌作用により、圧縮室54で圧縮されたガス冷媒と共に圧縮機1の吐出口から外へ吐出される。圧縮機1内の混合液面高さは、混合液55で示すように、ロータ51やモータ52の下端部まで下がる。吐出された大量の混合液55は吐出配管2のU字形状管3内に移動し、この部分の配管がU字形状であるために、液冷媒と冷凍機油の混合液55はU字形状管3の最下端部から上方に向かって滞留する。最下端部から下降管3aの混合液表面までの高さと上昇管3bの混合液表面までの高さはほぼ同程度になる。
ここでは、例えばU字形状管3の配管容積を十分大きく構成しており、図5のように停止中に圧縮機1内に存在する冷凍機油と液冷媒の混合液を一時的に滞留させることができる。
図5のように大量の混合液55が吐出配管2のU字形状管3に移動した状態で、圧縮機1から高温高圧のガス冷媒が吐出される。吐出配管2を流れるガス冷媒の流速が低速度、例えばゼロペネトレーション速度未満の場合、U字形状管3に滞留した混合液55は、図2のように液体フラグを生成及び消滅させながらU字形状管3の下端部近傍に滞留し続ける。そしてガス冷媒のみが吐出配管2を四方弁4の方に流れていく。
これと同時にバイパス管用減圧手段14の減圧量を制御しながら開とすると、U字形状管3に滞留する冷凍機油と液冷媒の混合液55は、バイパス管13を介して圧縮機1の吸入配管10を通って圧縮機1に戻る。バイパス管13に設けたバイパス管用減圧手段14によって、バイパス返液により圧縮機1が液圧縮したり、油濃度不足により軸受焼損したりしないように、返液量を制御する。返液量が多すぎると液圧縮する可能性があり、返液量が少なすぎると油不足状態を引き起こす可能性があるので、バイパス管用減圧手段14をこの間の適度な返液量になるように設定すればよい。適度な返液量は予め試験運転やシミュレーションなどによって設定することができる。
例えば、液圧縮を回避するためには圧縮機1の吸入乾き度の下限値を予め設定し、油不足状態を回避するためには圧縮機1内の冷凍機油濃度の下限値を予め設定すればよい。これらの下限値未満にならないように運転制御すればよい。予め設定する際には、例えば試験運転やシミュレーションなどを行って、吸入乾き度の下限値及び冷凍機油濃度の下限値を確保できるバイパス返液量を調べる。そして、このバイパス返液量が得られるようにバイパス管13に設置するバイパス管用減圧手段14の減圧量を決定すればよい。
圧縮機1を起動後、数分経過すると圧縮機モータ52の発熱で容器が温まり、圧縮機1から吐出するガス冷媒が過熱し始める。吐出された過熱ガス冷媒が吐出配管2のU字形状管3に滞留する冷凍機油と液冷媒の混合液内を流れるとき、液冷媒と熱交換し、液冷媒の一部が蒸発して飽和ガス冷媒となる。ガス冷媒はU字形状管3の上昇管3bを上昇して四方弁4からガス配管11に流れていく。このため、U字形状管3に滞留している混合液中の液冷媒の割合は徐々に減少する。
この現象はU字形状管3に滞留している混合液中の冷媒が全て蒸発するまで続き、全て蒸発した後は冷凍機油のみが滞留する。これと共にU字形状管3内を過熱ガス冷媒が通過するようになる。吐出配管2のU字形状管3の下流側に吐出配管温度検知手段25を設置すると、U字形状管3に滞留する混合液中の液冷媒が全て蒸発するまで吐出配管温度検知手段25は過熱度を検知しない。即ち、U字形状管3の下流側に設けた吐出配管温度検知手段25で過熱度を検知した時点では、U字形状管3に滞留しているのはほぼ冷凍機油のみとなる。このようにして吐出配管温度検知手段25で吐出冷媒過熱度を検知することにより、U字形状管3に滞留している混合液の状態を判別することができる。
この実施の形態では、圧縮機1を起動する時に、吐出配管2のU字形状管3に滞留させた混合液を、バイパス管13を介して流量制御しながら圧縮機1へ戻す。これと同時に、圧縮機1から吐出される過熱ガス冷媒による冷媒蒸発作用により、U字形状管3に滞留する液中に液冷媒が含まれなくなる。この状態になると、空気調和機を停止中に圧縮機1内に冷凍機油に混ざって寝込んでいた冷媒のほとんどが圧縮機1から流出し、冷凍サイクル内を循環して空気調和に寄与するので、起動運転を終了する。具体的には、吐出配管2のU字形状管3の下流側に吐出配管温度検知手段25を設置し、ここで計測する温度から吐出冷媒が過熱していることを検知して、起動運転を終了する。この後、例えばバイパス管用減圧手段14を閉じ、通常の暖房運転に移行する。
ここで、この実施の形態の特徴である吐出配管2の途中にU字形状管3を設けているのは、冷凍機油と液冷媒の混合液を吐出配管2にできるだけ安定した状態で滞留させるためである。この実施の形態では、図2で説明したように、垂直円筒管内をガスと液体が低速度で流れるときの、重力と速度の関係を利用して液体を吐出配管2内に滞留させる。そして、滞留している混合液中の液冷媒をガス化させながら混合液中から取り出して冷凍サイクルを循環するように戻している。このために圧縮機1の吐出配管2の一部が垂直管または多少斜めの上昇管3bであることが必要となる。ところが、例えば圧縮機1と四方弁4の間がU字形状管ではなく垂直管ではあるが上昇管3bだけで、下降管3aの部分がない場合、ガス冷媒流れが上向きで流速がゼロペネトレーション速度より小さくすると、混合液が重力で圧縮機吐出口に下降してくる。すると、混合液は圧縮機吐出口から吐出されるガス冷媒とぶつかって、常時不安定な状態となる。このため、配管圧損や冷媒音発生の問題を生じる恐れがある。また、例えば圧縮機1と四方弁4の間がU字形状管ではなく垂直管ではあるが下降管3aで下方に四方弁4が配設されている場合、ガス冷媒流れが下向きで流速がゼロペネトレーション速度より小さくすると、混合液は重力で四方弁へ流れてしまう。これでは混合液を吐出配管2に滞留させることができず、冷凍機油を圧縮機1に戻すことができない。
上記のことから、圧縮機1と四方弁4の間の吐出配管2のうちの、圧縮機1近傍にU字形状管3を設けて起動運転を行うことで、圧縮機1内に寝込んでいる冷凍機油と液冷媒の混合液を滞留させることができ、かつ混合液中の液冷媒をガス冷媒にして取り出すことができる。
図6は、この実施の形態に係り、圧縮機1内の冷凍機油に冷媒が大量に溶解した状態で、例えば暖房運転を開始する場合の具体的な起動運転制御の一例を示すフローチャートであり、この手順に沿って説明する。この制御は例えば室外機制御手段31で行なわれる処理である。
STEP1では、減圧手段6、7、14を所定開度に設定する。ここでは、例えばバイパス管用減圧手段14、減圧手段6、減圧手段7を制御対象とする。室外機制御手段31から各減圧手段6、7、14に開度を指令する。このとき、減圧手段14の開度は、圧縮機1で液圧縮が起こらない程度に返流し得るような開度を設定する。バイパス管用減圧手段14がキャピラリチューブやオリフィスなど外部から制御できない場合は制御不要である。
次にSTEP2で、 室外ファン21と室内ファン23の運転を開始し、室外機制御手段31から室外ファンモータ22及び室内ファンモータ24に運転回転数を指令する。
次にSTEP3で圧縮機1を起動する。
この時の起動周波数は、冷凍空調装置の運転範囲内で、確実に吐出配管2の冷媒流速がゼロペネトレーション速度以下になる運転周波数とする。この周波数は例えば机上計算と実験で調べて決定した初期値であり、ここでは20Hz程度とする。
STEP4では四方弁4のコイルに通電し、暖房運転モードの冷媒回路に接続する。即ち、圧縮機1の吐出部と室内熱交換器8の入口を接続し、室外熱交換器5の出口部と圧縮機1の吸入部を接続する。
ここで、確実に冷媒回路が切り替わるまで、所定時間、例えば10秒〜1分程度待機してもよい。
次に、STEP5で温度を検知する。
吐出配管温度検知手段25で吐出配管温度を検知し、吐出冷媒温度Tdとする。また、室内熱交換器温度検知手段27を用いて凝縮冷媒温度CT、室外熱交換器温度検知手段26を用いて蒸発冷媒温度ETを検知する。
STEP6では、冷媒流速を演算する。
STEP5で検知した吐出冷媒温度Td、凝縮冷媒温度CT、蒸発冷媒温度ETと圧縮機運転周波数から吐出配管2の冷媒流速Vdと吐出配管2に滞留している冷凍機油と液冷媒の混合液のゼロペネトレーション速度Vzeroを演算する。吐出配管2の冷媒流速の演算方法を以下に示す。
まず、圧縮機冷媒流量を求める。圧縮機冷媒流量Gr(kg/h)は、通常圧縮機運転周波数F(rps)、吐出冷媒圧力Pd(MPa)、吸入冷媒圧力Ps(MPa)、吸入冷媒温度Ts(℃)を検知し、PsとTsから吸入冷媒密度ρsを求める。また、Pd及びPsから修正係数Cを求め、圧縮室容量Vst(m)と共に式2に代入して演算する。
Gr=C×F×Vst×3600×ρs ・・・・・式2
この実施の形態では、例えば、吐出冷媒圧力Pdとして凝縮冷媒温度CTで演算した飽和ガス圧力を用い、吸入冷媒圧力Psとして蒸発冷媒温度ETで演算した飽和ガス圧力を用い、吸入冷媒温度Tsとして蒸発冷媒温度ETを用いる。各数値の演算方法や代用方法はこれに限るものではなく、他の方法を用いてもよい。
次に吐出配管2内の冷媒流速Vd(m/s)を求める。圧縮機吐出圧力Pd(MPa)、吐出冷媒温度Td(℃)から吐出冷媒ガス密度ρd(kg/m)を求め、冷媒流量Gr(kg/h)をρd(kg/m)と吐出配管内断面積Ad(m)で除算する。演算式を式3に示す。
Vd=Gr/ρd/Ad/3600 ・・・式3
ここでも、例えば吐出冷媒圧力Pdとして凝縮冷媒温度CTで演算した飽和ガス圧力を用いる。
ゼロペネトレーション速度Vzeroは式1から求める。このときガスの密度ρgasは吐出冷媒ガス密度ρgas(kg/m)とし、液の密度ρliq(kg/m)は冷凍機油と液冷媒の混合液の密度であるが、冷凍機油の密度ρoilで代用してもよい。また、圧縮機吐出圧力Pd(MPa)、吐出冷媒温度Td(℃)から冷媒の冷凍機油への溶解度Zと、高圧飽和液密度ρctlを求めて式4より求めても良い。
ρliq=Z×ρctl+(1−Z)×ρoil ・・・式4
STEP7では、吐出配管冷媒流速Vdとゼロペネトレーション速度Vzeroを比較する。
(1) Vzero>Vd>Vzero−αを満足すれば、STEP8を実行する。
(2) Vzero>Vd+αを満足すれば、STEP9を実行する。
ここで、αは圧縮機運転周波数の増加分(Hz)である。
STEP8では、圧縮機運転周波数を変化せずにそのままとする。
STEP9では、圧縮機運転周波数をα(Hz)だけ増加する。
STEP9でVdとVzeroとを比較し、Vzero未満を保ちつつ徐々に圧縮機運転回転数を増加させる。これによって、吐出配管の冷媒流速Vdが、ゼロペネトレーション速度Vzero未満で、且つゼロペネトレーション速度Vzeroに極力近くなるように、圧縮機運転周波数を設定できる。吐出配管2の冷媒流速がゼロペネトレーション速度より小さい場合、圧縮機1から持ち出された冷凍機油と液冷媒の混合液はU字形状管3に滞留する。暖房の立ち上がり性能を考慮すると圧縮機1の運転周波数は大きい方が良い。そこでゼロペネトレーション速度Vzeroを超えない範囲で圧縮機運転周波数を増加する。増加巾αはここでは所定値、例えば5Hz程度を設定したが、演算結果の冷媒流速とゼロペネトレーション速度の差を考慮して決定してもよい。例えば、起動直後の圧縮機運転周波数を低速とし且つ増加巾αを大きく設定しておき、VdがVzeroに近づくにつれて増加巾αを小さくすれば、ガス冷媒の流速をVzero未満の速い速度で起動運転できるので、起動運転の時間を短縮できる。
STEP8又はSTEP9の後にSTEP10を実行する。STEP10では、吐出配管温度と凝縮冷媒温度の差(Td−CT)、即ち吐出冷媒過熱度SHdと所定値を比較し、温度差が所定値以上の場合にはSTEP11を実行し、所定値未満の場合にはSTEP5を実行する。
圧縮機1が温まると圧縮機1を吐出するガス冷媒が過熱し始め、圧縮機1内の冷凍機油に溶解している冷媒が蒸発し、油濃度は所定濃度以上になるため、起動運転を終了して、STEP11で通常の暖房運転へ移行しても信頼性上問題がなくなる。ここでは、起動運転の終了を、吐出配管冷媒温度Tdと凝縮温度CTの差である吐出冷媒過熱度SHdで検知している。即ち、吐出冷媒過熱度SHdを演算し、所定値、例えば5〜10deg以上になったら、STEP11へ移行して起動運転を完了する。STEP10の判断で、吐出過熱度SHdが所定値以下ならSTEP5へ移行して起動運転を継続する。
なお、STEP11では、起動運転を終了し、通常の暖房運転へと移行する。通常の暖房運転では、圧縮機1からガス状態で冷媒が吐出されるので、U字形状管3に混合液が滞留することはなく、また滞留させる必要もない。バイパス管用減圧手段14が開閉制御できる場合には、通常運転で閉としてバイパス管13に冷媒や冷凍機油が流れないようにしてもよい。
通常運転に移行した時点で、負荷に応じて圧縮機1の運転周波数を10Hzや20Hz程度増加して運転する。通常運転での圧縮機1の回転周波数は、負荷に応じて設定されるが、30Hz〜120Hz程度である。例えば外気温度が0℃以下の低温の環境で暖房運転を行う場合には、通常運転で120Hz程度の許容最大周波数にまで増加して運転されることもある。この圧縮機1の回転周波数の切り替えは、例えばインバータ制御や機械的容量制御で行うことで、吐出配管2を流れる冷媒ガス流速を変化させることができる。
また、起動運転から通常運転に移行するばかりではなく、四方弁4を確実に切り替えるために、いったん起動運転を行って終了した後に圧縮機1の運転を一時的に停止して四方弁4を切り替えることもある。四方弁4を切り替えた後は、再度起動運転を行い、その後に通常運転を行う。
また、図6では、STEP6〜9でゼロペネトレーション速度を演算して、吐出するガス冷媒の速度がゼロペネトレーション速度未満を保ちつつ圧縮機運転周波数を徐々に増加している。即ち、最大限の速度で圧縮機1を運転して暖房運転の立ち上がりを早くしたが、圧縮機運転周波数を増加しなくても暖房立ち上がり速さに支障をきたさない場合は圧縮機1を起動制御が終了するまで圧縮機運転周波数を一定の圧縮機運転周波数としてもよい。予め運転周波数を一定の低速度、例えば20Hz〜50Hz程度の低速度に設定し、この回転周波数で圧縮機1を運転するようにしてもよい。その場合には、STEP6〜9における処理は、一定速度で圧縮機1を運転するという処理になる。これも製品設計時に机上計算や実機試験などを行うことで、ガス冷媒の速度がゼロペネトレーション速度未満になるような適当な運転周波数を設定することができる。
起動運転で圧縮機1を予め設定した一定の低速度で運転するように構成した場合には、低めの速度を設定することになるので起動運転時間は多少長くなるが、制御が簡単であり、各種センサの誤差や故障など、外乱が起こってもこれに左右されない運転を行うことができる効果がある。
一方、ゼロペネトレーション速度未満になるように圧縮機運転周波数を徐々に増加する起動運転を行う場合には、極力無駄な運転を行うことなく、確実に冷凍機油を圧縮機1に戻すことができる。また、確実にU字形状管3に混合液を滞留させることができ、圧縮機1を枯渇させないように冷凍機油を返流できるので、信頼性を向上できる。また、起動運転時間の短縮を図ることができ、暖房運転の立ち上がりが早くなり、使用者にとって快適な冷凍空調装置が得られる。
また、STEP10で吐出冷媒過熱度によって起動運転終了を判断している。即ち、U字形状管3よりも下流の吐出配管2を流れる冷媒の過熱度SHdが所定値以上になるまで起動運転を行っているが、これに限るものではない。例えば予め起動運転を行う時間を一定時間、例えば3〜10分程度に設定し、この一定時間の間軌道運転を行うようにしてもよい。その場合には、STEP10における判断は、一定時間経過したかどうかという判断になる。
ここで、起動運転時間を設定する場合には、製品設計時に机上計算や実機試験などを行うことで、ある程度適当な時間を設定することができる。製品の許容運転範囲内で、起動運転を開始してから圧縮機吐出ガス冷媒の過熱度が少なくとも0deg以上になるまでの時間を設定すればよい。ここで確実に冷凍機油が圧縮機1に返流されるように、長めに時間設定する方が好ましい。
起動運転を予め設定した一定時間の間だけ行うように構成した場合には、起動運転時間は多少長くなるが、制御が簡単であり、各種センサの誤差や故障など、外乱が起こってもこれに左右されない運転を行うことができる効果がある。
一方、吐出冷媒過熱度を検知してその値によって起動運転を行う場合には、U字形状管3に液冷媒が滞留しないことを確実に検知でき、起動運転時間の短縮を図ることができる。これによって暖房運転の立ち上がりが早くなり、使用者にとって快適な冷凍空調装置が得られる。
このように、この実施の形態では、圧縮機1を起動する際、一定時間の間、圧縮機1を一定の低速度で運転してU字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、U字形状管3に滞留した混合液をバイパス管13を介して圧縮機1に返流する起動運転を行うことにより、圧縮機1内で冷凍機油に液冷媒が寝込んだ状態で起動しても、冷媒をガス冷媒にして冷凍サイクルに戻すと共に、冷凍機油を圧縮機1に戻し、比較的簡単な制御で、圧縮機1の軸受焼損を回避することができる。このため、信頼性向上及び効率改善の効果を奏する。
また、圧縮機1を起動する際、一定時間の間、U字形状管3を流れるガス冷媒の流速がゼロペネトレーション速度以下になるような低速度で圧縮機1を運転してU字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、U字形状管3に滞留した混合液をバイパス管13を介して圧縮機1に返流する起動運転を行うことにより、冷凍機油に液冷媒が寝込んだ状態で起動しても、U字形状管3に混合液を確実に滞留させて、冷媒を冷凍サイクルに戻すと共に、冷凍機油を圧縮機1に戻し、圧縮機1の軸受焼損を回避することができる。このため、信頼性向上及び効率改善の効果を奏する。
また、圧縮機1を起動する際、U字形状管3より下流の吐出配管2を流れる吐出冷媒過熱度が所定値以上になるまでの間、圧縮機1を一定の低速度で運転してU字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、U字形状管3に滞留した混合液をバイパス管13を介して圧縮機1に返流する起動運転を行うことにより、冷凍機油に液冷媒が寝込んだ状態で起動しても、冷媒をガス冷媒にして冷凍サイクルに戻すと共に、冷凍機油を圧縮機1に戻し、圧縮機1の軸受焼損を回避することができ、さらに確実に冷凍機油を圧縮機1に戻すことができる。このため、信頼性向上及び効率改善の効果を奏する。
また、圧縮機1を起動する際、U字形状管3より下流の吐出配管2を流れる吐出冷媒過熱度が所定値以上になるまでの間、U字形状管3を流れるガス冷媒の流速がゼロペネトレーション速度以下になるような低速度で圧縮機1を運転してU字形状管3に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、U字形状管3に滞留した混合液をバイパス管13を介して圧縮機1に返流する起動運転を行うことにより、冷凍機油に液冷媒が寝込んだ状態で起動しても、冷媒をガス冷媒にして冷凍サイクルに戻すと共に、冷凍機油を圧縮機1に戻し、圧縮機1の軸受焼損を回避することができ、さらに無駄な運転をすることなく確実に冷凍機油を圧縮機1に戻すことができる。このため、信頼性向上及び効率改善の効果を奏する。
STEP7では、吐出配管の冷媒流速Vdがゼロペネトレーション速度Vzeroよりも小さくなることを前提としている。実際には、圧縮機の圧縮室容積を小容量化したり、圧縮機運転周波数の最低周波数を小さく設定したり、U字形状管3の管内径を大きくして、冷凍空調装置の許容運転範囲内であれば必ず吐出冷媒のガス流速が吐出配管のU字形状管3内に滞留する冷凍機油と冷媒の混合液のゼロペネトレーション速度より小さくなるように設計する。それでも何らかの原因で吐出配管2の冷媒流速Vdがゼロペネトレーション速度Vzeroより大きくなる場合には、圧縮機1から持ち出された冷凍機油と液冷媒の混合液は、吐出配管2のU字形状管3に滞留せずにガス配管や室内熱交換器8へと流出することになる。万一、吐出配管2の冷媒流速Vdがゼロペネトレーション速度Vzeroより大きくなる場合には、圧縮機1をいったん停止し、数分程度すぎてから再びSTEP1から実行すればよい。このときに圧縮機1を数分運転したことによって圧縮機1内の温度が上昇し、ガス密度と液密度が変化するため、1回又は数回繰り返すことでVzero>Vdを満足できるようになってくる。
このように、起動運転を行おうとするときに、吐出配管の冷媒流速Vdがゼロペネトレーション速度Vzeroよりも大きくなってしまう場合には、圧縮機1を停止し、停止時にU字形状管3に滞留している混合液を圧縮機1の吸入部にバイパス管13を介して戻す。この動作を何回かに分けて行うことで、圧縮機1から吐出した混合液をガス配管や室内熱交換器8へほとんど流出させずに圧縮機1へ戻すことができる。
また、この実施の形態では、バイパス管用減圧手段14は例えば電子式膨張弁のように開度を制御できるものを用いる。そして、起動運転中は通常運転時よりもバイパス管用減圧手段14の開度を大きくして減圧量を小さくし、起動運転が終わって通常運転になったときに、バイパス管用減圧手段14の開度を小さくして減圧量が大きくなるように変更している。
起動運転時は吐出配管2中のU字形状管3に冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させるため、圧縮機1の吐出冷媒流速即ち冷媒循環量がゼロペネトレーション速度以下になるように、圧縮機運転周波数を制御する。この結果、冷凍サイクルの吐出圧力と吸入圧力の差は通常運転と比較して小さくなる。圧縮機1の吐出圧力と吸入圧力の差が小さくなると、バイパス管用減圧手段14の入口と出口の圧力差も小さくなるのでバイパス管13を流れる冷媒流量は減少する。バイパス管13を流れる冷媒流量は、バイパス管用減圧手段14の入口と出口の圧力差とバイパス管用減圧手段14の開度即ち減圧量の積に比例する。このため、起動運転と通常運転とでバイパス管用減圧手段14の開度を同じにしておくと、起動運転におけるバイパス管13を流れる冷媒流量は通常運転における冷媒流量よりも少なくなる。
そこで、起動運転中は通常運転時よりもバイパス管用減圧手段14の開度を大きくして減圧量を小さくし、起動運転が終わって通常運転になったときに、バイパス管用減圧手段14の開度を小さくして減圧量を大きくする。このように起動運転と通常運転とでバイパス管用減圧手段14の減圧量を変更し、起動運転における減圧量よりも起動運転終了後における減圧量を大きくすることで、バイバス管13を流れる冷媒量を起動運転と通常運転とで同程度にすることができ、安定した運転制御を行うことができる。
また、通常運転になったときに、バイパス管用減圧手段14を閉としてバイパス管13に冷媒などが流通しないように構成してもよい。バイパス管13に冷媒を流さないことで、冷媒の流路にロスがなく性能向上を図ることができる。
ただし、通常運転でバイパス管13に冷媒が多少流れても冷凍サイクルとしてはそれほど影響はない。通常運転中でも負荷などの状況によっては圧縮機運転周波数が下がって、吐出配管の冷媒流速が小さくなりゼロペネトレーション速度以下になることもある。このような状態になると、吐出配管2に設けたU字形状管3の底部に圧縮機1から流出した冷凍機油が滞留する可能性がある。通常運転でもバイパス管13を少ない流量で流通可能としておくことで、U字形状管3の底部に溜まった冷凍機油を圧縮機1に返油することができ、信頼性向上を図ることができる。
さらに、通常運転になった後のバイパス管用減圧手段14の開度制御において、吐出配管2の冷媒流速を検知し、この冷媒流速が所定値よりも低下した場合やゼロペネトレーション速度以下になった場合に、バイパス管用減圧手段14を開とするようにしてもよい。吐出配管2の冷媒流速が大きいときにはバイパス管用減圧手段14を閉とすることで冷媒流路のロスをなくして性能向上を図り、吐出配管2の冷媒流速が小さいときにはバイパス管用減圧手段14を開とすることで冷凍機油を圧縮機1に返油して信頼性向上を図ることができる。
また、この実施の形態では、起動運転中は通常運転時よりも圧縮機運転周波数の上限値を小さくし、一定速度または圧縮機1の吐出冷媒流速即ち冷媒循環量がゼロペネトレーション速度以下になるように、圧縮機運転周波数を制御する。どちらの場合でも例えば20〜50Hz程度の低速度で運転することになる。
一方、通常運転の圧縮機運転周波数の上限値を例えば30〜120Hz程度に大きくして負荷にあわせて運転し、性能の向上を図っている。
このように、通常運転における速度よりも起動運転における速度を低速度で圧縮機1を運転することで、確実にU字形状管3に混合液を確実に滞留させて、冷媒を冷凍サイクルに戻すと共に、冷凍機油を圧縮機1に戻し、圧縮機1の軸受焼損を回避することができる。
一端はU字形状管3の最下端部に接続され、他端は吸入配管10に接続されるバイパス管13の接続位置は次のとおりである。U字形状管3に接続する側は、U字形状管3の最下端部に限るものではなく、混合液が滞留する部分であれば混合液を圧縮機1に返流させることができる。ただし、バイパス管13の一端をU字形状管3の最下端部付近に接続することで、U字形状管3に滞留する混合液のほぼ全量を確実に圧縮機1に戻すことができる。
このように、バイパス管13の一端をU字形状管3の下端部と接続することにより、U字形状管3に滞留する混合液のほぼ全量を確実に圧縮機1に戻すことができ、圧縮機1の軸受焼損を回避することができる冷凍空調装置が得られる。
また、バイパス管13の他端側は吸入配管10に接続し、吸入配管10を介して圧縮機1の圧縮室54に戻したが、これに限るものではない。直接、圧縮機1の下端部から低圧部に接続して圧縮室54に戻すように構成しても、同様の効果を奏する。
また、バイパス管13の管内径について説明する。図7はこの実施の形態に係るU字形状管3の近傍の構成例を示す説明図である。この構成ではU字形状管3の管内径を、冷凍サイクルを構成している他の吐出配管の管内径より大きくしている。図中、15は油分離器であり、分離した冷凍機油を減圧手段16で減圧して吸入配管10から圧縮機1の圧縮室54に戻す構成である。図のようにU字形状管3を構成する下降管3a、上昇管3b、及び両管3a,3bを接続する底部の管内径を、冷凍サイクルを構成している他の吐出配管の管内径より大きくすれば、冷凍機油と液冷媒の混合液をより安定して滞留させることができる。ここで、この図のように吐出配管2に油分離器15や消音器(マフラー)や異物除去器(ストレーナ)などを設けた場合には、それらの構成機器を除いた部分の吐出配管2の管内径よりもU字形状管3の管内径を大きく構成すればよい。
U字形状管3の管内径を、冷凍サイクルを構成している他の吐出配管の管内径より大きくすることで、以下のような効果がある。
(1)圧縮機の運転範囲の拡大
垂直円筒管内のゼロペネトレーション速度は式1に示すように管内径に比例する。即ち、管内径を大きくするとゼロペネトレーション速度も大きくなる。この実施の形態では、吐出配管2のガス冷媒の速度、特に吐出配管2を構成する上昇管3bを流れるガス冷媒の速度を、ゼロペネトレーション速度より小さくなるように、室外機制御手段31で圧縮機1の速度を制御している。この際に、ゼロペネトレーション速度が大きくなれば、圧縮機運転周波数の上限も大きくでき、運転範囲を拡大できる。実際、ゼロペネトレーション速度は小さく、圧縮機運転周波数を下限値に設定しただけでは到達し得ないことも想定される。混合液を滞留させるU字形状管3の部分の配管内径を大きくすると、圧縮機運転周波数をそれほど小さくしなくても、吐出配管2に混合液を滞留させることが可能になる。
(2)滞留混合液量の増大
U字形状管3の管内径を大きくすると、配管内の容積を大きくできるので、滞留させる混合液の量を簡単に増大できる。
上記(1)、(2)から、U字形状管3の管内径を、冷凍サイクルを構成している他の吐出配管の径より大きく構成すれば、上記のように冷凍機油と液冷媒の混合液をより安定してU字形状管3に滞留させる効果が得られる。また、U字形状管3のすべての管内径を大きくしなくてもよい。U字形状管3の少なくとも底部とその前後の配管の管内径を、吐出配管2の他の部分の配管の管内径よりも大きくすれば、冷凍機油と液冷媒の混合液をより安定してU字形状管3に滞留させる効果が得られる。
図8は吐出配管の管内径(m)に対する吐出配管2を流れるガス流速Vd(m/s)を示すグラフであり、ゼロペネトレーション速度Vzero(m/s)も共に示している。これは、冷媒としてR410A、密度1000kg/mの冷凍機油を用い、圧縮機圧縮室容積10cc、圧縮機運転周波数を20Hzとしたときの測定結果である。冷凍サイクル状態は、凝縮温度45℃、蒸発温度5℃、圧縮機吸入過熱度10deg、凝縮器出口過熱度5degとした。
図に示すように、吐出配管2の管内径を10mmにすると、Vd>Vzeroとなり、吐出配管2のU字形状管3には混合液が滞留せずに通過してしまう。U字形状管3の上昇管3bの部分の管内径を15mm以上にすると、Vzero>Vdとなり、図2に示すようにガス冷媒のみが通過して液冷媒と冷凍機油の混合液がU字形状管3に滞留することがわかる。通常、製造ばらつきを考慮して設計することは言うまでもなく、実設計ではU字形状管3の管内径を16mm以上とし、起動運転での圧縮機運転周波数をゼロペネトレーション速度以下で運転すれば、混合液をU字形状管3に確実に滞留させることができる。
なお、U字形状管3の管内径に関して、冷凍空調装置の仕様が上記と異なる場合には、上記の数値に限定されるものではない。例えば圧縮機運転周波数をもっと小さくすればVdは小さくなるので、もっと小さな管内径でもよいことになる。
即ち、図8に示すようなU字形状管3の管内径とU字形状管3を流れるガス流速Vd(m/s)の関係を考慮し、圧縮機容積、起動運転での圧縮機運転周波数、及び冷凍サイクル状態などに基づいて、U字形状管3でのガス流速Vdがゼロペネトレーション速度Vzero(m/s)以下になるようにU字形状管3の管内径を決定すればよい。さらに、圧縮機1を起動直後に圧縮機1から流出する液冷媒と冷凍機油の混合液の容量も考慮して、U字形状管3の長さを決定すればよい。一方、吐出配管2の他の部分の管内径は、例えば冷媒流量や圧力損失や配管コストなどで決定されればよい。通常、吐出配管2の管内径は10mm程度のものが用いられることが多い。
図7に示すように、U字形状管3の下流側の吐出配管2に設けた油分離器15は、ガス冷媒と冷凍機油を分離する機能を有するものである。例えば、遠心分離式でガス冷媒と冷凍機油を分離するものがある。起動運転では、ガス冷媒のみがU字形状管3の下流側に流れ、液冷媒及び冷凍油はU字形状管3に滞留するのであるが、通常運転ではガス冷媒に冷凍機油が混ざって流れることがある。また起動運転でもなんらかの原因で液冷媒及び冷凍機油がガス冷媒と共にU字形状管3の下流側に流れてしまう場合もある。このような場合、吐出配管2に油分離器15を設けることで、U字形状管3の下流に流れる液冷媒及び冷凍機油とガス冷媒とを分離して、液冷媒及び冷凍機油を圧縮機1に戻すことができる。これにより、冷凍機油の圧縮機1への回収量を増加できる。
U字形状管3の下流側の吐出配管2には、油分離器15のみではなく、消音器(マフラー)を設けると、吐出配管2での冷媒の流動音を低減できる。消音器をガス冷媒が流れる吐出配管2に設けることで、液冷媒に比べて速度の早いガス冷媒の流動音を低減する消音効果を向上することができる。油分離器15と消音器は両方を共に吐出配管2に設けてもよいし、どちらか一方だけを設けてもよいことは言うまでもない。
また、冷凍サイクルを構成する冷媒配管に異物除去器を設ければ、冷媒配管内の入りこんで冷媒と共に循環している異物を除去できる。異物除去器を設ける場合にも、U字形状管3の下流側に配設することで、U字形状管3の機能を十分に発揮させることができる。
図7のように、ガス冷媒と冷凍機油とを分離する油分離器15を備え、圧縮機1の吐出部と油分離器15の間の配管にU字形状管3を接続したことにより、圧縮機起動時に冷凍機油を圧縮機1に返油することができると共に、冷凍サイクル内を流れる冷凍機油を圧縮機1へ返油する際の返油量を多くすることができる冷凍空調装置が得られる。
また、吐出配管2に冷媒の流動音を低減する消音器を備え、圧縮機1の吐出部と消音器の間の配管にU字形状管3を接続したことにより、圧縮機起動時に冷凍機油を圧縮機1に返油することができると共に、騒音を低減できる冷凍空調装置が得られる。
また、U字形状管3の最下端部である底部と少なくとも底部の近傍の下降管3a及び上昇管3bの管内径を、吐出配管2の他の部分の配管の管内径よりも大きくしたことにより、圧縮機1の運転範囲を拡大できると共に、U字形状管3に滞留させる混合液の量を増大することができる冷凍空調装置が得られる。
ここで、下降管3aと上昇管3bとこれらを接続する底部で構成されるU字形状管3の容積について説明する。ここでU字形状管3は、吐出配管2の一部であり、圧縮機1の近傍に設けられ、下降管3aと上昇管3bと底部の上下方向に湾曲した配管部分で混合液を滞留することができる。圧縮機1の起動時に攪拌作用によって数秒のうちに図5のようにU字形状管3に移動するのであるが、圧縮機1内に存在する混合液がU字形状管3を構成する配管容積よりも多い場合には、あふれた混合液はさらに下流の吐出配管2に流れて冷凍サイクルを循環してしまう。このため、U字形状管3の容積は、図5のように、停止中に圧縮機1内に存在する冷凍機油と液冷媒の混合液を一時的に滞留させることができる大きさにするのが望ましい。このU字形状管3の容積を十分に大きく構成すれば、圧縮機1を起動時に圧縮機1から流出した混合液が四方弁4側に溢れるのを防止でき、圧縮機1から流出した冷凍機油をバイパス管13を介して圧縮機1に戻すことができる。
ここで、U字形状管3の配管容積とは、下降管3aと上昇管3bとこれらを接続する底部の配管容積を加えたものである。ただし、下降管3aの上端は、圧縮機1の吐出口または直接吐出口に接続される吐出配管の上下方向に一番高い位置であり、下端は底部である。上昇管3bの上端は、上昇管3bより下流側の吐出配管2が曲がって下降するように構成されている場合にはその曲がり配管の最も上方の位置(位置1)、また例えば上昇管3bの下流側に油分離器や四方弁などの冷凍サイクル内の構成機器がある場合にはその機器の入口の位置(位置2)、また圧縮機1の吐出口の位置(位置3)、の3つの位置のうちで、最も低い位置であり、下端は底部である。さらに、U字形状管3を構成する下降管3aと上昇管3bの上端は、混合液を滞留させる際には同一の水平位置となるので、上記のように下降管3aと上昇管3bの上端を決定した場合、どちらか低いほうがU字形状管3の上端となる。
そして、U字形状管3を構成する下降管3aと上昇管3bとこれらを接続する底部の配管の全容積が圧縮機1内の有効容積以上あれば、確実に圧縮機1から起動直後に吐出される混合液をU字形状管3に滞留させることができる。
また、予め試験における前評価によって、混合液がU字形状管3から下流側の吐出配管2に流出してしまっても、ある程度の量の混合液をU字形状管3に滞留させることができれば、圧縮機1を枯渇しない程度の冷凍機油を返流できる容積を設定できる。このため、前評価で信頼性が確保できるだけの混合液を滞留できる配管容積としておけばよい。
また、図1では、U字形状管3の最下端部を吐出配管2のうちで最も下方に位置させた構成である。このため、何らかの原因で起動運転中に圧縮機1が停止しても、U字形状管3に滞留している混合液がU字形状管3から流出することがなく滞留し続ける。U字形状管3から混合液が流出すると、四方弁4に流れたり圧縮機1側に逆流し、冷凍サイクルの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。これに対し、U字形状管3に混合液を安定して滞留させることで、これを防止することができ、信頼性を向上できる。
図9はU字形状管3の近傍の他の構成例を示す説明図である。吐出配管2は、冷凍空調装置を構成する他の機器の位置や大きさによってさまざまな形状となる。図9はその一例を示すものである。このように吐出配管2が上下方向に複数曲がっているような場合でも、圧縮機1の吐口部に接続しているU字形状管3の最下端部、図ではAの位置が吐出配管2のうちで最も下方に位置するように構成する。このため、U字形状管3の底部近傍に混合液を安定して滞留させることができ、信頼性を向上できる。
このように、U字形状管3の最下端部は、吐出配管2の最も下方に位置するように構成することにより、U字形状管3に混合液を安定して滞留させることができる冷凍空調装置が得られる。
一般に、管内流の断面内流速分布は、管の入口から下流に向かって変化し、ある区間を経た後は一定の分布形状をとるようになる。流速分布が変化する区間の長さは、流れが乱流の場合に配管内径の10〜20倍程度とされている。これは例えば文献(伝熱工学資料改訂第4版、日本機会学会出版)に掲載されている。このため、この実施の形態では、U字形状管3を構成する上昇管3bの部分の長さを、U字形状管3の管内径の略10倍以上とすることで、U字形状管3内を流れる流体の流動様式を安定させることができる。
図9では、吐出配管2を構成する下降管と上昇管の長さが異なるものを示しているが、構成上、混合液を滞留させることができるのはA−Bの間の吐出配管2であり、この間の吐出配管2をU字形状管3とする。従って、U字形状管3の最下端部AとU字形状管3を構成する上昇管3bの上端部Bと間の長さをU字形状管3の管内径の略10倍以上とすればよい。例えばU字形状管3の管内径を16mmとした場合、U字形状管3の上昇管3bの部分を少なくとも16cm以上に構成すればよい。実際にはU字形状管3に混合液が滞留する場合にはU字形状管3の最下端部Aから上に向かって下降管3aと上昇管3bとに同様の高さで滞留する。このため、U字形状管3を構成する下降管3aの長さも上昇管3bと同様、U字形状管3の管内径の略10倍以上とすれば、安定して混合液を滞留させることができる。
このように、U字形状管3を構成する上昇管3bの部分の長さは、U字形状管3の管内径の略10倍以上とすることにより、ガス冷媒は安定して上昇管3b内を上方に流れ、他方の液冷媒と冷凍機油の混合液はU字形状管3に安定して滞留できる冷凍空調装置が得られる。
また、図1では、U字形状管3の最下端部を圧縮機1の上端部の位置よりも下方に配置した構成である。このため、何らかの原因で起動運転中に圧縮機1が停止しても、U字形状管3の底部に滞留している混合液が圧縮機1側に逆流することがなく滞留し続ける。U字形状管3から混合液が流出して圧縮機1側に逆流すると、冷凍サイクルの動作に悪影響を及ぼす可能性がある。これに対し、U字形状管3に混合液を安定して滞留させることで、これを防止することができ、信頼性を向上できる。
図10はU字形状管3の近傍のさらに他の構成例を示す説明図である。この構成例は、圧縮機1の吐出部に接続しているU字形状管3の最下端部、図ではAの位置が圧縮機1の上端部の位置Tよりも下方になるように構成している。このため、U字形状管3の底部に混合液を安定して滞留させることができ、信頼性を向上できる。
ここで、U字形状管3の最下端部の位置Aが圧縮機1の上端部の位置Tよりも少しでも下方にあれば、ある程度圧縮機1への混合液の逆流を防ぐことができる。確実に圧縮機1への混合液の逆流を防止するには、圧縮機1の上端部の位置Tよりも下方に位置するU字形状管3の配管容積を、図4のように圧縮機1に寝込んでいる冷媒と冷凍機油の混合液が図5に示すようにU字形状管3に移動したときにU字形状管3に滞留しうるように構成すればよい。
即ち、U字形状管3の最下端部は、圧縮機1の上端部の位置よりも下方に配置したことにより、U字形状管3に混合液を安定して滞留させることができ、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
また、図1では、U字形状管3のバイパス管13との接続部よりも上方の位置で、かつU字形状管3の最下端部よりも下流側の吐出配管2に温度検知手段、例えば吐出配管温度検知手段25を設けている。U字形状管3に滞留した液冷媒と冷凍機油の混合液のうちの液冷媒は、徐々にガス冷媒となって冷凍サイクルを循環するようになる。このとき吐出配管温度検知手段25で吐出冷媒温度を検知していると、混合液中に液冷媒が存在する間は吐出冷媒過熱度が0degよりも上昇しない。混合液中の液冷媒がすべて冷凍サイクルを循環する状態となった時に、吐出冷媒過熱度が0degから上昇し始める。STEP10に示すようにこれを検知して起動運転を終了し通常運転に移行することで、確実に冷凍機油を圧縮機1に返油できた後に通常運転に移行することができ、無駄のない運転を行うことができる。
なお、吐出配管温度検知手段25の設置位置は、図1に限るものではなく、U字形状管3のバイパス管13との接続部よりも高い位置で、且つU字形状管3の最下端部Aよりも下流側の吐出配管2に設ければよい。
このように、U字形状管3のバイパス管13との接続部よりも高い位置で、且つU字形状管3の最下端部Aよりも下流側の吐出配管2に、温度検知手段25を設け、温度検知手段25で吐出冷媒温度を計測することにより、起動運転の終了時のタイミングを確実に検知できる冷凍空調装置が得られる。
また、この実施の形態では、吐出冷媒温度検知手段25及び凝縮冷媒温度検知手段27を備え、図6のSTEP5では吐出冷媒温度検知手段25で吐出冷媒温度Tdを検知し、凝縮冷媒温度検知手段27で凝縮冷媒温度CTを検知している。そして、ステップ10で、吐出冷媒温度Tdー凝縮冷媒温度CTから吐出冷媒過熱度SHdを演算している。このように吐出冷媒過熱度を求めることで、正確に過熱度を知ることができ、これを用いて起動運転の終了時のタイミングを確実に検知できる冷凍空調装置が得られる。
上記では冷凍空調装置を暖房運転した場合について説明したが、冷房運転を行うときには、室外熱交換器5が凝縮器として動作するため、凝縮冷媒温度検知手段としては室外熱交換器5の配管温度を検知する検知手段26を用いることになる。
また、吐出冷媒過熱度SHdを演算する際、吐出冷媒温度Tdと凝縮冷媒温度CTの差を演算するのに限るものではない。例えば、凝縮冷媒温度CTを用いる替わりに、吐出冷媒圧力を検知して演算することもできる。吐出配管2に吐出冷媒圧力検知手段を設け、吐出冷媒圧力を検知すると共に吐出冷媒温度検知手段25で吐出冷媒温度を検知する。そして、吐出冷媒温度と吐出冷媒圧力から飽和ガス温度を検知して、吐出冷媒温度ー飽和ガス温度を演算することで吐出冷媒過熱度SHdを求めることができる。
なお、この実施の形態に係る空気調和機を構成する機器としては、大きな容器や機器を新たに設けることなく、圧縮機1近傍の吐出配管2の一部をU字形状とし、バイパス管13を備えることで冷凍機油を圧縮機1に返流させる構成であり、容易に実現できるという効果もある。
また、図1、図3〜図5、図7、図9、図10では図面に向かって圧縮機1の近傍で圧縮機1の左側にU字形状管3を設けているが、U字形状管3は圧縮機1の吐出配管2で圧縮機1の近傍に配置されていれば、圧縮機1の周囲のどの方向に配置されていてもよい。例えば圧縮機1の吐出部から図1と同様の方向に下降管3aが設けられ、U字形状管3を構成する底部が圧縮機1の底部の下方を通ったり圧縮機1の底部の周に沿って延び、圧縮機1に対しては下降管3aとは異なる方向に上昇管3bが設けられていてもよい。少なくとも圧縮機の吐出部からU字形状管3の下降管3a、底部、上昇管3bが接続されていれば、このU字形状の部分に混合液を滞留させることができる。
通常、圧縮機1は室外ユニットの筐体に組み込まれることが多いのであるが、圧縮機1やその他の機器の配置によっては、筐体内の角部に圧縮機1が配設されることもある。筐体の角部のようなスペースにゆとりがない場合でも、狭いスペースを利用してU字形状管3を実現することができる。
また、上記では冷凍空調装置の一例として空調装置の暖房運転について詳しく述べたが、圧縮機の冷凍機油に冷媒が大量に溶解した場合に冷房運転モードで起動する場合も暖房運転モードの起動制御と同様であり、ここでは説明を省略する。また、暖房専用や冷房専用の空気調和機であっても、この発明を適用することができる。この場合には四方弁4による切り替えが必要なくなる。また、ショーケースのような冷凍機にも適用できることは言うまでもない。
また、図1では冷凍サイクルの高圧側に液溜9を設けたレシーバー回路を一例として説明したが、これに限るものではない。冷凍サイクルの低圧側にアキュムレータを設けたアキュムレータ回路においても、この発明を適用でき、レシーバー回路と同様の効果を奏する。
さらに、上記では空気調和機について説明したが、これに限るものではなく、冷凍空調装置に適用できる。例えばショーケースなどの冷凍機にこの発明を適用することもできる。即ち、圧縮機の吐出側にU字形状管を設け、起動運転において、圧縮機を低速度で運転してU字形状管に圧縮機から吐出する液を滞留させると共に、主に冷凍機油を圧縮機の吸入側にバイパスさせることで、圧縮機が液圧縮せず、かつ冷凍機油延長配管や熱交換器に流出するのを防止して軸受焼損を回避することができる冷凍機が得られる。
なお、圧縮機1はここでは高圧容器式のものを示したが、これに限るものではなく、例えば低圧容器式の圧縮機でもよい。また、スクロール圧縮機、ロータリー圧縮機、ネシプロ圧縮機、ターボ圧縮機、スクリュー式圧縮機など、どのような種類の圧縮機を用いた冷凍空調装置でもよい。
また、冷凍空調装置を構成する減圧手段6、7、14は、電子式膨張弁に限るものではなく、例えば温度式膨張弁やキャピラリーや細管などで構成されていてもよい。電子式膨張弁で構成すれば細かい制御が可能となり、効率の向上や信頼性の向上を図ることができる。また、温度式膨張弁やキャピラリーや細管などで構成すれば制御が簡単になる。
また、冷凍空調装置を循環する冷媒の種類はどのようなものでもよい。例えば、R410AやR152aなどのHFC冷媒やそれらの混合冷媒でもよい。また、プロパンやイソブタンなどのHC冷媒や、二酸化炭素や水などの自然冷媒など、またはそれらの混合冷媒であってもよい。
また、冷凍空調装置に用いる冷凍機油は、特に限定するものではなく、合成油や鉱油のいずれでもよい。例えば合成油としては、アルキルベンゼン油、エステル油、エーテル油、ポリアルキルグリコール油(PAG油)など、どのようなものでもよい。冷凍機油としては、相溶性であっても非相溶性であっても同様に効果があることは言うまでもない。
この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。 この発明の実施の形態1に係る垂直円筒管内の流体の状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る圧縮機近傍を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る起動前の圧縮機近傍の冷媒状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る起動時の圧縮機近傍の冷媒状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る冷凍空調装置の起動運転の制御を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るU字形状管の近傍の構成例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係り、吐出配管の管内径(m)に対する吐出配管ガス流速(m/s)を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係るU字形状管の近傍の他の構成例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るU字形状管の近傍のさらに他の構成例を示す説明図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 吐出配管
3 U字形状管
3a 下降管
3b 上昇管
4 四方弁
6,7 減圧手段
10 吸入配管
13 バイパス管
14 バイパス管用減圧手段
25 吐出配管温度検知手段
26 室外熱交換器温度検知手段
27 室内熱交換器温度検知手段
31 室外機制御手段
32 圧縮機運転周波数制御手段
41 信号線
51 圧縮機ロータ
52 圧縮機モータ
53 圧縮機軸
54 圧縮機圧縮室
55 冷凍機油と冷媒の混合液

Claims (13)

  1. 冷凍サイクルに冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機の吐出部に接続され前記圧縮機で圧縮された前記冷媒が吐出される吐出配管と、前記吐出配管の前記圧縮機近傍に設けられ下降管と上昇管を有してU字形状を成すU字形状管と、前記圧縮機に接続され前記冷凍サイクルを循環した冷媒を前記圧縮機に吸入する吸入配管と、前記U字形状管と前記吸入配管又は前記圧縮機の低圧部を接続するバイパス管と、前記バイパス管に設けられ減圧を行うバイパス管用減圧手段と、を備え、前記圧縮機を起動する際、一定時間の間、前記圧縮機を低速度で運転して前記U字形状管に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、前記U字形状管に滞留した前記混合液を前記バイパス管を介して前記圧縮機に返流する起動運転を行うことを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 冷凍サイクルに冷媒を循環させる圧縮機と、前記圧縮機の吐出部に接続され前記圧縮機で圧縮された前記冷媒が吐出される吐出配管と、前記吐出配管の前記圧縮機近傍に設けられ下降管と上昇管を有してU字形状を成すU字形状管と、前記圧縮機に接続され前記冷凍サイクルを循環した冷媒を前記圧縮機に吸入する吸入配管と、前記U字形状管と前記吸入配管又は前記圧縮機の低圧部を接続するバイパス管と、前記バイパス管に設けられ減圧を行うバイパス管用減圧手段と、を備え、前記圧縮機を起動する際、前記U字形状管より下流の前記吐出配管を流れる吐出冷媒過熱度が所定値以上になるまでの間、前記圧縮機を低速度で運転して前記U字形状管に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させると共に、前記U字形状管に滞留した前記混合液を前記バイパス管を介して前記圧縮機に返流する起動運転を行うことを特徴とする冷凍空調装置。
  3. 前記U字形状管を流れるガス冷媒の流速がゼロペネトレーション速度以下になるような低速度で前記圧縮機を運転して前記U字形状管に液冷媒と冷凍機油の混合液を滞留させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の冷凍空調装置。
  4. 前記バイパス管の一端は、前記U字形状管の下端部と接続することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  5. 前記バイパス管用減圧手段は、前記起動運転における減圧量よりも起動運転終了後における減圧量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  6. 前記圧縮機は、通常運転における速度よりも前記起動運転における速度を低速度で運転することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  7. 前記U字形状管の最下端部は、前記吐出配管のうちで最も下方に位置するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  8. 前記U字形状管を構成する上昇管の部分の長さは、前記U字形状管の管内径の略10倍以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  9. 前記U字形状管の最下端部は、前記圧縮機の上端部の位置よりも下方に位置するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  10. 前記吐出配管にガス冷媒と冷凍機油とを分離する油分離器を備え、前記U字形状管を前記圧縮機の吐出部と前記油分離器の間の吐出配管に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  11. 前記冷媒の流動音を低減する消音器を前記吐出配管に設け、前記U字形状管を前記圧縮機の吐出部と前記消音器の間の吐出配管に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  12. 前記U字形状管の最下端部である底部と少なくとも前記底部の近傍の上昇管及び下降管の管内径は、前記吐出配管の他の部分の配管の管内径よりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
  13. 前記U字形状管の前記バイパス管との接続部よりも上方の位置で、かつ前記U字形状管の最下端部よりも下流側の前記吐出配管に、温度検知手段を設け、前記温度検知手段で吐出冷媒温度を計測し、この吐出冷媒温度から前記吐出冷媒過熱度を検知することを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれか1項に記載の冷凍空調装置。
JP2006074146A 2006-03-17 2006-03-17 冷凍空調装置 Pending JP2007248001A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006074146A JP2007248001A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 冷凍空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006074146A JP2007248001A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 冷凍空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007248001A true JP2007248001A (ja) 2007-09-27

Family

ID=38592506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006074146A Pending JP2007248001A (ja) 2006-03-17 2006-03-17 冷凍空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007248001A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009150628A (ja) * 2007-12-22 2009-07-09 Samsung Electronics Co Ltd 空気調和装置に用いられる高圧シェル圧縮機の均油システム
JP2012154509A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
WO2012132944A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 三菱重工業株式会社 膨張弁制御装置、熱源機、及び膨張弁制御方法
JP2012197968A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ヒートポンプシステム
JP2014020612A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Fujitsu General Ltd 空気調和装置
CN105202814A (zh) * 2015-08-31 2015-12-30 宁波奥克斯电气有限公司 避免多联机组启动时抛油的控制方法
JP2016217628A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 東芝キヤリア株式会社 冷凍機及び冷凍装置
CN107110565A (zh) * 2015-02-02 2017-08-29 三菱电机株式会社 制冷空调装置
WO2018163346A1 (ja) * 2017-03-09 2018-09-13 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2019106795A1 (ja) * 2017-11-30 2019-06-06 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
WO2019138594A1 (ja) * 2018-01-15 2019-07-18 三菱電機株式会社 空気調和装置
JP2020003204A (ja) * 2019-08-14 2020-01-09 東芝キヤリア株式会社 冷凍機及び冷凍装置
WO2020157806A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 三菱電機株式会社 冷蔵庫
WO2021225178A1 (ja) * 2020-05-08 2021-11-11 ダイキン工業株式会社 冷凍サイクルシステム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61161377A (ja) * 1985-01-09 1986-07-22 日産自動車株式会社 圧縮式冷凍サイクルの潤滑油回収装置
JPH0791749A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Mitsubishi Electric Corp 冷蔵庫
JP2000002467A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍サイクルの潤滑油回収装置
JP2003042599A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2005061738A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機
JP2005274035A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機の運転制御装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61161377A (ja) * 1985-01-09 1986-07-22 日産自動車株式会社 圧縮式冷凍サイクルの潤滑油回収装置
JPH0791749A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Mitsubishi Electric Corp 冷蔵庫
JP2000002467A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍サイクルの潤滑油回収装置
JP2003042599A (ja) * 2001-08-01 2003-02-13 Denso Corp 冷凍サイクル装置
JP2005061738A (ja) * 2003-08-18 2005-03-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機
JP2005274035A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機の運転制御装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009150628A (ja) * 2007-12-22 2009-07-09 Samsung Electronics Co Ltd 空気調和装置に用いられる高圧シェル圧縮機の均油システム
JP2012154509A (ja) * 2011-01-24 2012-08-16 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2012197968A (ja) * 2011-03-22 2012-10-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ヒートポンプシステム
WO2012132944A1 (ja) * 2011-03-28 2012-10-04 三菱重工業株式会社 膨張弁制御装置、熱源機、及び膨張弁制御方法
CN103443563A (zh) * 2011-03-28 2013-12-11 三菱重工业株式会社 膨胀阀控制装置、热源机及膨胀阀控制方法
JP2014020612A (ja) * 2012-07-13 2014-02-03 Fujitsu General Ltd 空気調和装置
CN107110565A (zh) * 2015-02-02 2017-08-29 三菱电机株式会社 制冷空调装置
CN107110565B (zh) * 2015-02-02 2020-08-18 三菱电机株式会社 制冷空调装置
JP2016217628A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 東芝キヤリア株式会社 冷凍機及び冷凍装置
CN105202814A (zh) * 2015-08-31 2015-12-30 宁波奥克斯电气有限公司 避免多联机组启动时抛油的控制方法
JPWO2018163346A1 (ja) * 2017-03-09 2019-11-07 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2018163346A1 (ja) * 2017-03-09 2018-09-13 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2019106795A1 (ja) * 2017-11-30 2019-06-06 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
JPWO2019106795A1 (ja) * 2017-11-30 2020-11-19 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
JP7107964B2 (ja) 2017-11-30 2022-07-27 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置
US11635234B2 (en) 2017-11-30 2023-04-25 Mitsubishi Electric Corporation Refrigeration cycle apparatus recovering refrigerator oil in refrigerant circuit
JP6556385B1 (ja) * 2018-01-15 2019-08-07 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2019138594A1 (ja) * 2018-01-15 2019-07-18 三菱電機株式会社 空気調和装置
WO2020157806A1 (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 三菱電機株式会社 冷蔵庫
JPWO2020157806A1 (ja) * 2019-01-28 2021-09-09 三菱電機株式会社 冷蔵庫
JP2020003204A (ja) * 2019-08-14 2020-01-09 東芝キヤリア株式会社 冷凍機及び冷凍装置
WO2021225178A1 (ja) * 2020-05-08 2021-11-11 ダイキン工業株式会社 冷凍サイクルシステム
JP7473836B2 (ja) 2020-05-08 2024-04-24 ダイキン工業株式会社 冷凍サイクルシステム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007248001A (ja) 冷凍空調装置
US5953934A (en) Refrigerant circulating apparatus and method of assembling a refrigerant circuit
WO2015045011A1 (ja) 冷凍サイクル装置
KR100991345B1 (ko) 냉동장치
KR100990782B1 (ko) 냉동장치
JP2007101121A (ja) 冷凍空調装置
JP4100135B2 (ja) 冷凍サイクル装置及び冷凍サイクル装置の制御方法
JP6736357B2 (ja) ターボ冷凍機及びその起動制御方法
JP4905018B2 (ja) 冷凍装置
JP2005147609A (ja) ヒートポンプ給湯装置
US20180328626A1 (en) Refrigeration cycle apparatus
TW201525386A (zh) 恆溫液循環裝置及其運轉方法
WO2017221300A1 (ja) 空気調和装置
JP2004116794A (ja) 冷凍サイクル
JP6707195B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2006258418A (ja) 冷凍装置
JP2008175402A (ja) 冷凍サイクル装置の運転方法
JP2005083704A (ja) 冷凍サイクル、空気調和機
JP2018204805A (ja) 冷凍ユニット、冷凍システム、および冷媒回路の制御方法
JP2011242097A (ja) 冷凍装置
JP3360327B2 (ja) 空気調和装置
JP5401857B2 (ja) 蒸気圧縮式冷凍サイクル
JP4274250B2 (ja) 冷凍装置
JP2008032391A (ja) 冷凍装置
JP6061665B2 (ja) 空気調和装置の油戻し構造及び空気調和装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110301