JP2007247495A - 遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、そのブレード部の径方向の上下の端部を超えて負圧面に回り込む空気流を抑制することにより、遠心方向への流量を増加して、風量と静圧を改善する遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状は、両側端部が中央部よりも矢印Rで示した回転方向側に位置する凹形状となっている遠心ファン5とファンケーシングとを備えた遠心ファン装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器の筐体内部に実装された超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)などの発熱体の冷却に用いる遠心ファン装置で、受熱体から放熱体までの熱輸送をヒートパイプや液体冷媒の循環などの方式により効率的に行った後、その放熱体を強制的に送風冷却する遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器に関するものである。
最近のコンピュータにおけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUのクロック周波数は、以前と比較して格段に高いものになってきている。
その結果、MPUの発熱量が増大し、従来のように放熱フィンを有するヒートシンクを発熱体に接触させて放熱する方法だけなく、そのヒートシンクをファンで直接冷却する方法、あるいは受熱体と放熱体とをヒートパイプを用いて熱接続したヒートシンクモジュールを構成して、その放熱体をファンの送風で強制冷却する方法や、さらには、熱伝導性の高い液体冷媒をポンプによって強制循環させ受熱部と放熱部との間で熱輸送された放熱体を遠心ファン装置により強制的に送風して放熱することが必要不可欠となっており、今後さらにその冷却性能の向上と小型化・薄型化が必要とされている。
一方、前述した遠心ファン装置の冷却性能の向上は、その高風量化、高静圧化などの送風性能の向上に大きく依存するが、一般的に遠心ファン装置の送風性能は回転速度を上昇させて改善することが可能であるが、反面その遠心ファン装置のブレード部の風きり音(以下、ファン騒音と称する)も増大する傾向を示すことから、そのファン騒音を低減するために色々なブレード部の形状が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
図11(a)は従来の技術である(特許文献11)に記載されている遠心ファンの斜視図、図11(b)はその遠心ファンのブレード部の構造を示した斜視図、図11(c)は別構造のブレード部を示した斜視図である。
遠心ファン100は、モータ駆動部(図示せず)を覆うように形成されたハブ部101と、そのハブ部101と一体的に形成された複数のブレード部102とにより構成されている。
そのブレード部102は羽根板102aとこの羽根板102aを支持するアーム部102bとからなり、アーム部102bの軸方向の長さ(幅)は図示しないファンケーシングの下壁、上壁の内面との間に十分な隙間が形成されるように羽根板102aの軸方向の長さ(幅)より短く形成されており、羽根板102aは図11(b)に示すように、その径方向の上下の端部に、各々凹凸103が4対ずつ設けられた構造になっている。
この羽根板102aは、径方向の上下の端部に各々複数の凹凸103が設けられているので、径方向の上端部及び下端部に発生する後流渦空気の流れの中に強制的に乱れを誘起し乱流拡散が促進され、後流渦が小さくなり空力騒音が減少する。
このブレード部102の複数の凹凸が設けられた羽根板102aの構造を、図11(c)に示すように径方向の上下の端部に面取り104が形成された羽根板102cの構造に代えてもよい。そして、ブレード部102の羽根板102aの構造を面取り104が形成された羽根板102cの構造に代えた場合でも羽根板102aの場合と同様に、径方向の上下の端部に発生する後流渦空気の流れの中に強制的に乱れを誘起し乱流拡散が促進され、後流渦空気の流れが発生する。
また、図示はしないが、別の(特許文献2)に記載されているように、クロスフローファンやシロッコファンなどのように円周部に多数のブレード部が配置された多翼型の遠心ファン装置において、ブレード部の回転方向と反対側の面(以下、負圧面と称する)の内周側端部に突起が設けられたブレード部の形状も提案されている。
その突起がブレード部間に流入した空気流を乱し、ブレード部の内周側で発生した速度境界層(剥離泡)の成長を防止し、ブレード部の外周側で空気が負圧面から剥離したまま吹き出されてしまうのを防止し、剥離した空気が容易に負圧面に再付着するようにして低周波の異音を低減している。
さらに、別の(特許文献3)に記載されているように、ブレード部の端面にファンの軸線を含む平面と概ね平行に向けられた遠心分離要素が一体的に取り付けられた軸流ファンも提案されている。
図12(a)は従来の技術である(特許文献3)に記載されている軸流ファンの斜視図で、図12(b)はその軸流ファンのブレード部の部分拡大図である。
この図12(a)で示した軸流ファン200は、その正面側から見たものであり、矢印Rで示した方向に回転して空気を吹き出すように作られている。そして、プラスティック製のハブ部201のまわりに8枚のブレード部202が一体に取付けられていて、各ブレード部202の本体部分203は通常のファンと同じくねじられた形状になっており、その先端付近に略三角形の補助部材204と遠心分離要素205とが一体的に接続されている。
また、図12(b)で示したように、ブレード部202は、略三角形の遠心分離要素205の一辺が補助部材204の一辺に接続された構成となっているので、この軸流ファン200を通過する空気の一部がこの遠心分離要素205に衝突して遠心力で半径方向外側へと放射される。
したがって、この半径方向への放射流が円板状の空気の隔壁が形成されているような効果を奏し、外周側の空気は遠心方向へ放射され、空気流が軸流ファン200の前面側へと回り込むのをほぼ完全に阻止できるようになっていて、軸流ファン200の流量が増大して効率が高められている。
この軸流ファン200は、特にブレード部202の先端とシュラウドとの間の隙間、すなわちチップクリアランスをあまり小さくできなく空気流の回り込みが起こりやすい場合に適用すると有効で、チップクリアランスを無理に小さくすることなく、軸流ファン200の流量を増大できるという利点がある。
特開2004−353496号公報(第7頁、図9〜11) 特開2002−115694号公報(第7頁、図4) 特開平4−86399号公報(第4頁、図1〜2)
しかしながら、(特許文献1)や(特許文献2)のような従来の遠心ファンでは、ブレード部の所定の位置に凹凸や突起を設けて、ブレード部の後流渦空気の流れ、或いはブレード部の前面に流入する空気の流れの中に強制的に乱れを誘起し乱流拡散を促進することにより、騒音や異音を減少するものの、ブレード部の径方向の上下の端部から回転軸方向へ流れていく空気流、すなわち遠心方向ではなくブレード部の中心方向へ向かって逆流する空気流を抑制する作用は少なく、遠心ファン装置の風量と静圧を増加させるのは困難な形状となっている。
つまり、電子機器の小型化あるいは薄型化に対応した遠心ファンのブレード部の回転方向の面(以下、正圧面と称する)の形状は、単純な直線形状またはゆるやかな弓形形状であるので、ブレード部の正圧面に取り込まれた空気が、回転するブレード部の遠心力によって遠心方向へ押し流されるが、その一部の空気はブレード部の径方向の上下の端部とから回転軸方向へも流れて行き、一旦その径方向の上下の端部を超えて、負圧面に回り込むと、より負圧側に空気が移動するので、その空気はブレード部の中心方向へ向かって逆流することとなり、効率的に空気が遠心方向に排出されずに風量と静圧が増加できないという課題があった。
一般的に、ファン装置の送風性能は、風量と静圧の特性値で示され、その風量と静圧のそれぞれの値が高いほどより送風性能が高いことを示す。
すなわち、密閉された空気流路内において送風の妨げとなる送風抵抗、いわゆる圧力損失が大きくなると結果的に必要とする風量が得られなくなるが、電子機器内に搭載されるファン装置が空気流路内の圧力損失を上回る風量静圧特性を有するファン装置であれば、MPUなどの発熱体の冷却に必要な所望の風量を得ることができるので、一般的にこの風量静圧特性が送風ファンの送風性能を示している。
一方、ブレード部の正圧面の形状が単純な直線形状またはゆるやかな弓形形状である場合、単純にそのブレード部の長さや幅を大きくしブレード部の正圧面の表面積を大きくすることで容易にその風量や静圧を高めることができるが、ファン装置全体として大型化することとなり、筐体内部に空きスペースが少ない小型または薄型の電子機器には搭載でき難くなる。
また、遠心ファンの回転数を上昇させることによっても同様に風量や静圧を高めることができるが、ブレード部の先端や回転軸方向の端部での空気の急激な圧力変化によるファン騒音も大きくなり、特に静音性の要求される情報処理機器、音響機器、または映像機器などには搭載でき難くなる。
以上の理由により、単純にブレード部の長さや幅の外形寸法を大きくすることなく、さらに遠心ファンの回転数を上昇させることなく風量静圧特性を改善して、冷却性能の向上と小型化と薄型化の両立が必要とされていたが、前述した従来の遠心ファンでは十分な効果が得られなかった。
また、(特許文献3)のような従来の軸流ファンでは、ブレード部の側面にファンの軸線を含む平面と概ね平行に設けられた遠心成分要素が一体的に取り付けられているので、軸流方向での空気流の逆流は抑制できる作用があるものの、その逆流の原因となる空気流を遠心方向へ排出しているので、空気流の方向が軸流方向と遠心方向、つまりその方向が相互に直交するような大きく異なる2方向へそれぞれ向けられるため、例えばその軸流ファン全体をファンケーシングで大きく取り囲み回転軸方向へ空気を流すように整流作用を高めようとすると、その軸流ファンの外周部において遠心方向へ排出された空気流がそのファンケーシングに衝突してしまい十分な風量と静圧が得られないばかりでなく、送風効率が低下するという課題があった。
また、遠心ファン装置のブレード部は、もともと遠心成分要素のみを有するものであるので、上記のような遠心成分要素を一体的に取り付けることは無意味であるし、その遠心ファンの外周部では、ファンケーシングで覆われているので、(特許文献3)に記述されたような課題によって風量の低下が起きる可能性も小さい。
上記課題を解決するため、本発明は、円筒形状の外周面を有するハブ部とその外周面から略放射状に延びる複数のブレード部とから構成される遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも回転方向側に位置する凹形状とすることを主要な特徴としている。
本発明の遠心ファン装置によれば、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、そのブレード部の径方向の上下の端部を超えて負圧面側に回り込む空気流を抑制することにより、遠心方向への流量を増加することができる。
請求項1記載の発明によれば、円筒形状の外周面を有するハブ部とその外周面から略放射状に延びる複数のブレード部とから構成される遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも回転方向側に位置する凹形状とするので、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、その後ブレード部の径方向の上下の端部を超えて負圧面側に回り込む空気流を抑制することにより、遠心方向への流量を増加する作用がある。
つまり、ブレード部の正圧面の空気が、回転するブレード部の遠心力によって一旦遠心方向へ押し流されるが、その一部の空気はその後ブレード部の径方向の上下の端部から回転軸方向へも流れて行き、その径方向の上下の端部を超えて、ブレード部の負圧面に回り込む。
その後、その負圧面側に回り込んだ空気は、より負圧側に移動しようとして、その空気はブレード部の中心方向へ向かって逆流しようとするが、その負圧面側に回り込もうとする空気流が抑制されるので、その分の空気が遠心方向へ流れて、実質的に空気の流量が増加する。
また、その遠心ファン装置は、遠心ファンのブレード部の外周部分をファンケーシングで取り囲むことにより、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めることも容易で、高風量化と高静圧化が達成できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
請求項2記載の発明によれば、吸気口の投影面積領域に位置するブレード部において、回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも回転方向側に位置する凹形状とするので、ファンケーシングに収容された遠心ファンのブレード部の外周部分の領域と比較すると、回転軸を中心とした略円形状の吸気口の投影面積領域は、一旦その吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれた空気にはファンケーシングによる整流作用が働かず、その領域に対してブレード部の正圧面から負圧面側へ回り込もうとする空気流が抑制されるので、その分の空気が遠心方向へ流れて、実質的に空気の流量が増加する。
一方、遠心ファンのブレード部の外周部分の領域は、ファンケーシングで取り囲むことにより、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用が働いているので、前述したような形状に制約されることなく、その形状を所望の形状に設定できる。
請求項3記載の発明によれば、ブレード部の外周部において、回転軸方向の両側端部に位置する少なくとも一方の端部を切り欠いて、ファンケーシングの吸気口を取り囲む縁部を、その切り欠いた部分に入り込むように配置するので、遠心ファン装置の外形の高さを大きくすることなく、吸気口の投影面積領域に位置するブレード部の回転軸方向の幅を大きくできるので、より風量が増加する。
つまり、ブレード部の外周部の回転軸方向の両端に位置する少なくとも一方の端部をL字状に切り欠いて、ファンケーシングの吸気口を取り囲む縁部を、その切り欠いた部分に入り込むように配置すれば、遠心ファン装置の外形の高さを小さくでき、より薄型化できる。
そして、その遠心ファンのブレード部の外周部の上下端部とファンケーシングの吸気口を有する方のケース壁との隙間をより小さくすれば、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用がより効果的に働くようにできる。
請求項4記載の発明によれば、遠心ファンを回転軸方向において2分割し、一方の第1のファン部材と他方の第2のファン部材とを組み合わせてその遠心ファンを構成するので、2分割されたそれぞれのファン部材を別々に成形し、それらを組み合わせることで製作できるので、本発明のような遠心ファンの形態を一体成型で製作するのに対応可能なスライド式金型(例えば6方向の成型用金型)などの複雑な構造の金型を使用しなくてよく、より金型費も軽減でき製作も容易となるので、製造コストも安価となる。
請求項5記載の発明によれば、第1のファン部材及び第2のファン部材のそれぞれのハブ部の内側にヨーク部材を嵌着させるので、2分割されたそれぞれのファン部材をそのヨーク部材に嵌挿して組み立て加工が行え、その製造方法が容易となるばかりでなく、ヨーク部材は金属製であるので、それらを組み合わせた後の機械的強度も向上するので、両者間の位置精度を確保するのが容易となる。
請求項6記載の発明によれば、ブレード部において、回転軸方向の両側端部に円環板を設けるので、2分割されたそれぞれのファン部材は、組み立て加工や組み立て後のファン回転動作に必要な機械的強度や位置的精度を確保できる。
請求項7記載の発明によれば、ブレード部の外周側における回転軸方向の両側端部であって、吸気口の投影面積領域の外側に円環板を設けるので、2分割されたそれぞれのファン部材は、組み立て加工や組み立て後のファン回転動作に必要な機械的強度や位置的精度を確保できるだけでなく、吸気口から入り込む空気の流れが妨げられることなく円滑な吸気を行える。
請求項8記載の発明によれば、第1のファン部材または第2のファン部材のいずれか一方のハブ部に設けた嵌合用凹部に、他方のファン部材のブレード部を嵌合させて、遠心ファンを構成するので、2分割されたファン部材を組み合せる際の相互の位置決めが容易となり、遠心ファンの製作が容易となるばかりでなく、それぞれのファン部材の相対的な位置ずれがなく安定した組み立て精度が得られる。
請求項9記載の発明によれば、第1のファン部材または第2のファン部材のいずれか一方のハブ部に設ける嵌合用凹部は、遠心ファンのブレード部の数と同数とするので、2分割されたファン部材を組み合せる際の相互の位置決めが、一方のファン部材を他方のファン部材に対して回転方向で相互に隣接するブレード間の回転角に相当する角度だけ回せば容易に位置決めできるので、遠心ファンの製作がより容易となるばかりでなく、それぞれのファン部材の相対的な位置ずれがなく安定した組み立て精度が得られる。
請求項10記載の発明によれば、発熱体に対する冷却性能が向上し、より高速なクロック周波数で駆動するMPUやCPUなどの発熱電子部品を搭載した場合の発熱対策が容易になることから、その電子機器の高性能化をより促進できる。
また、搭載される遠心ファン装置の小型化・薄型化により、電子機器の筐体内でのレイアウト設計が容易となるばかりでなく、その電子機器の筐体の小型化・薄型化への対応も容易となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、ファンフレーム側を下方、ファンカバー側を上方として説明した。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の上方からの斜視図で、図2(a)、(b)は本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の平面図とそのA−A矢視断面図で、図3は本発明の実施の形態1における遠心ファンの斜視図で、図4は本発明の実施の形態1における遠心ファンの平面図で、図5(a)は図4のB−B矢視断面図で、図5(b)は同図(a)の変形例を示す断面図で、図6は本発明の実施の形態1における遠心ファンの部分拡大斜視図で、図7(a)〜(c)は図6のブレード部のC−C矢視断面図とその変形例を示す図で、図8は本発明の実施の形態1における遠心ファンを下側から見た分解斜視図で、図9(a)、(b)は本発明の実施の形態1における第1の遠心ファン部材と第2の遠心ファン部材の嵌合させる側から見た斜視図で、図10は同一ファン騒音における風量静圧特性の比較グラフである。
まず、図1の遠心ファン装置1の上方からの斜視図で示したように、遠心ファン装置1の2点鎖線で示された薄い箱形のファンケーシング2は、下部に位置するファンフレーム2aとその上部に位置するファンカバー2bにより構成されている。
ここで、ファンフレーム2aは、樹脂成型やアルミニウム合金のダイカスト成型などにより底面と側面が一体的に形成され、その一方の側面に吸気した空気を排気する排気口3が配設されており、その底面には吸気口4aが配設されている。
また、ファンカバー2bは、アルミニウムやステンレス鋼などの金属材料の打ち抜き成形や樹脂成形によりプレート状に成形されており、その中央部に空気を吸気する略円形状の吸気口4bが配設されている。
そして、そのファンフレーム2aとファンカバー2bとに挟まれて収容されるように遠心ファン5が配置され、その遠心ファン5は円筒形状の外周面を有するハブ部6とその外周面から遠心方向へ略放射状に延びる複数のブレード部7とから構成されている。
また、詳細は後述するが、回転軸8(図2(b)参照)と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部7の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも矢印Rで示した回転方向側に位置する凹形状となっている。
ここで、円筒断面とは、回転軸8と同軸であって所定の直径の仮想円筒での切断面のことを意味し、以下同じ意味で円筒断面という用語を用いる。
さらに、ブレード部7の外周部において回転軸8方向の両端に位置する上下それぞれの端部に円周方向へ連続的に連なる下側円環板9aと上側円環板9bが一体的に設けられている。
ここで、遠心ファン5が矢印Rで示した回転方向に高速で回転するとそのハブ部6の上面に対向するようにファンカバー2bの中央部に配設された吸気口4bとファンフレーム2aの底面に配設された吸気口4aから空気が後述する遠心ファン5の回転軸8方向より吸気され、さらにその吸気された空気が複数のブレード部7の回転運動によりファンケーシング2の内部でそのブレード部7の遠心方向へと風向きが変えられるので、その大部分はファンフレーム2aやファンカバー2bの内壁にぶつかりながら、その内壁に沿って遠心ファン5の矢印Rで示した回転方向と同一の方向へそれらの空気が送られて排気口3から排気される。
次に、図2(a)の遠心ファン装置1の平面図や図2(b)の同図A−A矢視断面図で示したように、遠心ファン装置1は、前述したように円筒形状の外周面を有するハブ部6とその外周面から略放射状に延びる13本のブレード部7とから構成される遠心ファン5と、ハブ部6の内側中央に形成された円筒型受け部10の凹部に圧入して固定された回転軸8と、そのハブ部6に覆われその下方には、回転軸8を中心として遠心ファン5を回転駆動するモータ駆動部11と、そのモータ駆動部11を保持するとともに遠心ファン5を収容するファンケーシング2とを備えている。
ここで、モータ駆動部11は回転軸8を中心として遠心ファン5を回転駆動するための電子回路が組み込まれた回路基板などで構成されており、そのモータ駆動部11はファンフレーム2aの底面に配設された吸気口4aをその吸気方向と直交する方向に横断するようにファンフレーム2aから延設された3本の保持部12を介して保持されている。
つまり、遠心ファン5は、前述したようにハブ部6に覆われ、その下方に位置するモータ駆動部11によって矢印Rで示した回転方向への回転駆動力が与えられ、回転軸8を中心として高速で回転する。
そして、下方に位置するファンフレーム2aに対してその上方に位置するようにファンカバー2bが連設されており、それらが組み合わさったファンケーシング2は遠心ファン5を収容しているので、ブレード部7の外周部がファンケーシング2に取り囲まれ、遠心ファン5が矢印Rで示した回転方向に回転することにより送風に必要な静圧を発生させることができている。
また、図3の遠心ファン5の斜視図で示したように、前述した吸気口4a、4bの投影面積領域に位置するブレード部7において、回転軸8と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状は、両側端部が中央部よりも矢印Rで示した回転方向側に位置する凹形状となっている。
このような形状とすることで、一旦吸気口4a、4bからブレード部7の正圧面13側に取り込まれ、その後ブレード部7の径方向の上下の両側端部を超えて負圧面14側に回り込む空気流を抑制することにより、遠心方向への流量を増加する作用がある。
つまり、ブレード部7の正圧面13の空気が、回転するブレード部7の遠心力によって一旦遠心方向へ押し流されるが、その一部の空気はその後ブレード部7の径方向の上下の両側端部から回転軸8方向へも流れて行き、その径方向の上下の両側端部を超えて、ブレード部7の負圧面14に回り込む。
その後、その負圧面14側に回り込んだ空気は、より負圧側に移動しようとして、その空気はブレード部7に沿って遠心ファン5の中心方向へ向かって逆流するが、その負圧面14側に回り込もうとする空気流が抑制されるので、その分の空気が遠心方向へ流れて、実質的に空気の流量が増加する。
また、その遠心ファン装置1は、遠心ファン5をファンケーシング2で取り囲むことにより、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めることも容易で、高風量化と高静圧化が容易となり、加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
また、詳しくは後述するが、遠心ファン5は、機械的強度や耐久性が充分で、且つ成型性も良好で軽量化にも適したPPS、PBT、PETなどの樹脂材料を用いて製作されているが、本実施の形態では、さらにその遠心ファン5を上下方向となる回転軸8方向で2分割し、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bとを別々に成形し、それらを組み合わせて構成できるように、ブレード部7の外周部において、回転軸8方向の両側端部に下側円環板9aと上側円環板9bとが一体的に設けられている。
つまり、遠心ファン5が境界部15を境界として上下方向で2分割されているので、それぞれのブレード部7の上下方向の肉厚が小さくなり、その後の組み立て作業や組み立て後の回転動作に必要な機械的強度や位置的精度が低下することがある。
つまり、機械的強度を補強して、そのような不具合を改善するために、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bにおいて、回転方向で相互に隣接するブレード部7間がその外周部において上下方向の両側端部に設けられた下側円環板9aと上側円環板9bとを介して接続されている。
また、この下側円環板9aと上側円環板9bは、ファンケーシング2の内壁に対向するブレード部7の外周部に設けるのが好ましく、前述した吸気口4a、4bから入り込む空気の流れが妨げられることなく円滑な吸気が行える。
次に、図4は遠心ファン5の平面図で、略四角形のファンケーシング2とその中央部に配設された吸気口4b、そして3本の保持部12を2点鎖線で示し、吸気口4bの投影面積領域に位置する複数のブレード部7、その外周部に形成された上側円環板9b、及びそれらの中央に位置するハブ部6などの遠心ファン5を構成するものを実線で示している。
この図より明らかなように、遠心ファン5における吸気口4bの投影面積領域は、回転軸8を中心とした略同一直径の略円形状の吸気口4a、4bの開口部分を遠心ファン5の方向へ投影した領域、つまり遠心ファン5の破線で示した回転軸8を中心とした吸気口4a、4bの円周内に位置する領域である。
つまり、この遠心ファン5のブレード部7の外周部を除いた領域、つまり吸気口4bの投影面積領域に位置するブレード部7において、回転軸8と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状は、両側端部が中央部よりも矢印Rで示した回転方向側に位置する凹形状となっている。
したがって、ファンケーシング2に収容された遠心ファン5のブレード部7の外周部の領域と比較すると、回転軸8を中心とした略円形状の吸気口4a、4bの投影面積領域は、一旦その吸気口4a、4bからブレード部7の正圧面13側に取り込まれた空気にファンケーシング2による整流作用が働かず、ブレード部7の両側端部を越えて、負圧面14側に空気が回り込みやすい領域であり、その領域に対して効果的に回り込む空気流が抑制されるので、その分の空気が遠心方向へ流れて、実質的に空気の流量が増加する。
一方、図5(a)で示したように、遠心ファン5のブレード部7の外周部の領域は、ファンケーシング2で取り囲まれていて、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用が働いているので、前述したような形状に制約されることなく、その形状を所望の形状に設定できる。
つまり、前述したように、ブレード部7の機械的強度を補強するために、分割されたそれぞれのファン部材において、回転方向で相互に隣接するブレード部7間をその外周部の上下の両側端部に設けられた下側円環板9a、上側円環板9bを介して接続できる。
また、他の事例として、例えば図5(b)で示したように、ブレード部7の外周部において、回転軸8方向の両側端部に位置する少なくとも一方の端部をL字状の切り欠き部7cを形成するように切り欠いて、ファンケーシング2の吸気口4a、4bを取り囲む縁部が、その切り欠いた部分に入り込むように配置すれば、遠心ファン装置1の外形の高さを大きくすることなく、吸気口4a、4bの投影面積領域に位置するブレード部7の回転軸8方向の幅を大きくできるので、より風量が増加する。
遠心ファン装置1の外形の高さをより小さくでき、より薄型化できる。
よって、遠心ファン装置1の場合は、その遠心ファン5のブレード部7の外周部の上下の両側端部とファンケーシング2の吸気口4a、4bを有する方のケース壁との隙間をより小さくすれば、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用がより効果的に働くようにできるので、そのような形態にも対応が容易となる。
次に、図6の遠心ファン5の部分拡大斜視図で示したように、遠心ファン5は、上下方向となる回転軸8方向で2分割されており、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bとが、境界部15で接触するようにして組み合わさっている。
このように遠心ファン5を、上下方向となる回転軸8方向において2分割し、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bとを組み合わせて、遠心ファン5を構成することにより、2分割されたそれぞれのファン部材をPPS、PBT、PETなどの樹脂材料を用いて別々に成形し、それらを組み合わせることで製作できるので、本発明のような遠心ファン5のような形態を一体成形で製作するのに対応可能なスライド式金型(例えば6方向の成型用金型)などの複雑な構造の金型を使用しなくてよいので、より金型費も軽減でき製作も容易となり、製造コストも安価となる。
また、下方に位置する第1のファン部材5aのハブ部6aに設けられた嵌合用凹部16に、上方に位置する第2のファン部材5bのブレード部7bを嵌合させて、遠心ファン5を構成しているが、このような組み合わせにすることにより、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bを組み合せる際の相互の位置決めが容易となり、遠心ファン5の製作が容易となるばかりでなく、それぞれの部材の相対的な位置ずれがなく安定した組み立て精度が得られる。
そして、前述したように吸気口4a、4bの投影面積領域に位置するブレード部7において、回転軸8と同軸の所定半径の円筒に沿って切断したブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状は、両側端部が中央部よりも矢印Rで示した回転方向側に位置する凹形状となっている。
次に、図7(a)は図6のブレード部7のB−B矢視断面図で、回転軸8と同軸の所定の直径の仮想円筒に沿って切断した円筒断面である円弧B−Bに沿った切断面の形状を示している。
この図で示したように、ブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状を、ブレード部7の下側端部Ea、上側端部Ebがブレード部7の中央部Cよりもその進行方向S側に位置する凹形状となっていて、加えてブレード部7の中央部Cからみたブレード部7の下側端部Ea、上側端部Ebの進行方向Sに対する角度(仰角)θa、θbが、それぞれ55〜85度とする形状とするのが好ましい。
なお、本実施の形態では、ブレード部7の回転軸8方向での中央部Cが略平坦形状で、下側端部Eaと上側端部Ebが、進行方向S側へ少し傾斜した形状となっているが、ブレード部7の円筒断面の正圧面13側の形状は、その下側端部Eaと上側端部Ebの角度(仰角)θa、θbが、それぞれ55〜85度の範囲にあればよく、例えば、図7(b)のように円筒断面の正圧面13側の形状が曲線的に窪んだ湾曲形状、あるいは図7(c)のように円筒断面の正圧面13側の形状が直線的に窪んだ三角形状としてもよい。
このように下側端部と上側端部のそれぞれの角度(仰角)θa、θbを、55〜85度とする形状とすることにより、その角度(仰角)θa、θbが小さ過ぎることによって吸気口4a、4bからブレード部7の正圧面13側に取り込まれる空気量が不十分であったり、逆に角度(仰角)θa、θbが大き過ぎることによって、ブレード部7の負圧面14側に回り込もうとする空気流を抑制する作用が不十分であったりすることが少なく、より効果的に遠心方向への流量を増加できるので、高風量化と高静圧化が容易となる。
なお、本実施の形態のように、下側端部Ea、上側端部Ebの角度(仰角)θa、θbは略同一とするのが好ましいが、それぞれ55〜85度の範囲であれば相互に異なる角度に設定しても構わない。
次に、図8は遠心ファン5を下側から見た分解斜視図で、遠心ファン5は、上下方向となる回転軸8方向において2分割され、一方の第1のファン部材5aと他方の第2のファン部材5bとを組み合わせて構成されている。
組み合わせの際には、まず電気亜鉛メッキ鋼板などの金属材料を用いた円筒形状のヨーク部材17を、第1のファン部材5aのハブ部6aの内側に嵌挿し、次に第2のファン部材5bのハブ部6bの内側、つまり回転軸8が圧入により固定された方の内側に嵌挿して嵌着する。
その際に、第1のファン部材5aのハブ部6aの上側にブレード部7と同数設けられた嵌合用凹部16(図9(b)参照)に、第2のファン部材5bのブレード部7bを嵌合させている。
つまり、第1のファン部材5a及び第2のファン部材5bのそれぞれのハブ部6a、6bの内側にヨーク部材17を嵌着させるので、2分割されたそれぞれのファン部材5a、5bをそのヨーク部材17に嵌挿して組み立て加工が行え、その製造方法が容易となるばかりでなく、ヨーク部材17は金属製であるので、それらを組み合わせた後の機械的強度も向上するので、両者間の位置精度を確保するのが容易となる。
なお、第1のファン部材5aと第2のファン部材5bとを組み合わせた際に、それぞれの部材の成形精度や組み合わせ時の加工精度により両方の部材が接触する境界部15(図6参照)にわずかな隙間が生じる場合や、より強固な結合を必要とする場合などは、必要に応じて、ハブ部6やブレード部7のそれぞれの境界部15において接着、熱溶着、超音波溶着、嵌着などの固着方法により両方の部材間を固定しても構わない。
また、下方に位置する第1のファン部材5aのハブ部6aの上部に設けられた嵌合用凹部16に、上方に位置する第2のファン部材5bのブレード部7bを嵌合させて、遠心ファン5を構成しているが、このような組み合わせにすることにより、一方の第1のファン部材5aと他方のファン部材5bを組み合せる際の相互の位置決めが容易となり、遠心ファン5の製作が容易となるばかりでなく、両者間の相対的な位置ずれがなく安定した組み立て精度が得られる。
次に、図9(a)の第2のファン部材5bを嵌合させる側から見た斜視図と図9(b)の第1のファン部材5aを嵌合させる側から見た斜視図で示したように、それぞれのファン部材は、円筒形状の外周面を有するハブ部6b、6aの外周面から、13本のブレード部7b、7aが円周方向に均等間隔で略放射状に延びている。
また、第1のファン部材5aのハブ部6aの上端部には、そのブレード部7aと同じ方向に同じ数の嵌合用凹部16が円周方向に均等間隔で設けられているので、それぞれのファン部材を組み合せる際の相互の位置決めを行う際に、一方のファン部材を他方のファン部材に対して回転方向で相互に隣接するブレード間の回転角に相当する角度だけ回せば容易に位置決めできるので、遠心ファン5の製作がより容易となるばかりでなく、それぞれのファン部材の相対的な位置ずれがなく安定した組み立て精度が得られる。
そして、図10は、同一ファン騒音における風量静圧特性の比較グラフで、ファン騒音が32dBAとなるそれぞれの回転速度の条件で本発明による遠心ファン装置1の風量静圧特性を従来の遠心ファン装置のそれと比較して示したグラフであり、遠心ファン5の最大外径を46mmとして、吸気口4a、4bの吸気径をそれぞれ34mmとした場合を示した。
この図で明らかなように、ブレード部7の両側端部がそのブレード部7の中央部よりも回転方向側に位置する形状とした本発明の遠心ファン装置1は、従来のブレード部が平坦な従来の遠心ファン装置のグラフと比較して、風量の全域に亘って静圧特性が改善されている。
つまり、本発明の遠心ファン装置1によれば、一旦吸気口からブレード部7の正圧面13側に取り込まれ、そのブレード部7の径方向の上下の端部を超えて負圧面14に回り込む空気流を抑制することにより、遠心方向への流量を増加できるので、高風量化と高静圧化が容易となり送風能力が向上していることを示している。
一方、本発明の遠心ファン装置を適用した電子機器であれば、発熱体に対する冷却性能も向上し、より高速なクロック周波数で駆動するMPUやCPUなどの発熱電子部品の搭載した場合の発熱対策が容易になることから、電子機器の高性能化をより促進できる。
また、遠心方向への流量を増加する作用により高風量化と高静圧化が容易となるので、送風効率が向上し遠心ファン装置の小型化・薄型化を図ることができ、電子機器の筐体内でのレイアウト設計が容易となるばかりでなく、その遠心ファン装置が搭載される電子機器の筐体の薄型化や小型化への対応も容易となる。
なお、以上の実施の形態の説明において、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な配置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能であって、例えば、ファンケーシング2の外形は略四角形や略平行四辺形でなくても、略円形、略三角形、あるいはそれ以外の種々の多角形でも構わない。
また、吸気口も、ファンカバーやファンフレームのいずれか一方のみに配設してもよいし、排気口も異なる複数の方向へ設けてもよい。
本発明の遠心ファン装置は、電子機器の筐体内部に実装されたMPUなどの発熱体を冷却する遠心ファン装置として、受熱体から放熱体までをヒートパイプや液体冷媒の循環などの方式により熱輸送した後、その放熱体を強制的に送風冷却するのに用いられるだけでなく、空気冷却方式に併用される放熱フィンを設けたヒートシンクなどの強制的な放熱にも適用できる。
本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の上方からの斜視図 (a)本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の平面図、(b)同図A−A矢視断面図 本発明の実施の形態1における遠心ファンの斜視図 本発明の実施の形態1における遠心ファンの平面図 (a)図4のB−B矢視断面図、(b)同図(a)の変形例を示す断面図 本発明の実施の形態1における遠心ファンの部分拡大斜視図 (a)図6のブレード部のC−C矢視断面図、(b)その変形例を示す図、(c)その変形例を示す図 本発明の実施の形態1における遠心ファンを下側から見た分解斜視図 (a)本発明の実施の形態1における第2のファン部材を嵌合させる側から見た斜視図、(b)本発明の実施の形態1における第1のファン部材の嵌合させる側から見た斜視図 同一ファン騒音における風量静圧特性の比較グラフ (a)従来の技術である(特許文献1)に記載されている遠心ファンの斜視図、(b)その遠心ファンのブレード部の構造を示した斜視図、(c)は別構造のブレード部を示した斜視図 (a)従来の技術である(特許文献3)に記載されている軸流ファンの斜視図、(b)その軸流ファンのブレード部の部分拡大図
符号の説明
1 遠心ファン装置
2 ファンケーシング
2a ファンフレーム
2b ファンカバー
3 排気口
4a 吸気口
4b 吸気口
5 遠心ファン
5a 第1のファン部材
5b 第2のファン部材
6 ハブ部
6a 第1のファン部材のハブ部
6b 第2のファン部材のハブ部
7 ブレード部
7a 第1のファン部材のブレード部
7b 第2のファン部材のブレード部
7c 切り欠き部
8 回転軸
9a 下側円環板
9b 上側円環板
10 円筒型受け部
11 モータ駆動部
12 保持部
13 正圧面
14 負圧面
15 境界部
16 嵌合用凹部
17 ヨーク部材
C ブレード部の中央部
Ea ブレード部の下側端部
Eb ブレード部の上側端部
R 遠心ファンの回転方向
S ブレード部の進行方向
θa 下側端部の仰角
θb 上側端部の仰角

Claims (10)

  1. 円筒形状の外周面を有するハブ部とその外周面から略放射状に延びる複数のブレード部とから構成される遠心ファンと、前記ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、前記遠心ファンを収容し、少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、前記回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断した前記ブレード部の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも回転方向側に位置する凹形状とすることを特徴とする遠心ファン装置。
  2. 前記吸気口の投影面積領域に位置する前記ブレード部において、前記回転軸と同軸の所定半径の円筒に沿って切断した前記ブレード部の円筒断面の正圧面側の形状は、両側端部が中央部よりも回転方向側に位置する凹形状とすることを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  3. 前記ブレード部の外周部において、前記回転軸方向の両側端部に位置する少なくとも一方の端部を切り欠いて、前記ファンケーシングの前記吸気口を取り囲む縁部を、その切り欠いた部分に入り込むように配置することを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  4. 前記遠心ファンを回転軸方向において2分割し、一方の第1のファン部材と他方の第2のファン部材とを組み合わせてその遠心ファンを構成することを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  5. 前記第1のファン部材及び前記第2のファン部材のそれぞれのハブ部の内側にヨーク部材を嵌着させることを特徴とする請求項4記載の遠心ファン装置。
  6. 前記ブレード部において、前記回転軸方向の両側端部に円環板を設けることを特徴とする請求項4記載の遠心ファン装置。
  7. 前記ブレード部の外周側における前記回転軸方向の両側端部であって、前記吸気口の投影面積領域の外側に前記円環板を設けることを特徴とする請求項6記載の遠心ファン装置。
  8. 前記第1のファン部材または前記第2のファン部材のいずれか一方のハブ部に設けた嵌合用凹部に、他方のファン部材のブレード部を嵌合させて、前記遠心ファンを構成することを特徴とする請求項4記載の遠心ファン装置。
  9. 前記第1のファン部材または前記第2のファン部材のいずれか一方のハブ部に設ける嵌合用凹部は、前記遠心ファンのブレード部の数と同数とすることを特徴とする請求項8記載に遠心ファン装置。
  10. 請求項1から10いずれか1項に記載の遠心ファン装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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