JP2008185000A - 遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

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雅彦 平田
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Abstract

【課題】環状整流板を設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部が通過するたびに生じる正圧面側の空気の圧力と負圧面側の空気の圧力との差(空気の圧力変動)に起因する離散周波数騒音の低減を図ることの可能な遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】隣接するブレード部15bの間の環状整流板15beの半径方向の幅は、回転方向R側に位置するブレード部15bの負圧面15bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部15bの正圧面15baとの接続部まで漸次幅広とする遠心ファン15を具備する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子機器の筐体内部に実装された超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)などの発熱体の冷却に用いる遠心ファン装置で、その発熱体と熱接続された受熱体から放熱体までの熱輸送をヒートパイプや液体冷媒の循環などの方式により効率的に行った後、その放熱体を強制的に送風冷却する遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器に関するものである。
最近のコンピュータにおけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUのクロック周波数は、以前と比較して格段に高いものになってきている。
その結果、MPUの発熱量が増大し、従来のように放熱フィンを有するヒートシンクを発熱体に接触させて放熱する方法だけなく、そのヒートシンクをファンで直接冷却する方法、あるいはその発熱体と熱接続された受熱体から放熱体までをヒートパイプを用いて熱輸送したヒートシンクモジュールを構成して、その放熱体をファンの送風で強制冷却する方法、さらには、熱伝導性の高い液体冷媒をポンプによって強制循環させ受熱体と放熱体との間で熱輸送された放熱体を遠心ファン装置により強制的に送風して放熱する方法などが必要不可欠となっており、今後さらにその冷却性能の向上と小型化・薄型化が必要とされている。
一方、前述した遠心ファン装置の冷却性能の向上は、その高風量化、高静圧化などの送風性能の向上に大きく依存し、通常遠心ファン装置の送風性能は遠心ファンの回転速度を上昇させて改善することが可能である反面、その遠心ファンのブレード部の風きり音(以下、ファン騒音と称する)も増大する傾向を示すことから、そのファン騒音を低減するために色々なブレード部の形状やオリフィスの形状などが提案されている。
一般的に、そのようなファン騒音は離散周波数騒音と広帯域ランダム騒音に分類されているが、特に離散周波数騒音は、羽根板の回転面(正圧面及び負圧面)の空気が回転運動するブレード部(羽根板とも称する)が通過するたびに生じる空気の圧力変動に起因するものである。
つまり、離散周波数騒音はブレード部の通過に同期して発生するため、ブレード部の枚数とファン回転数の積を基本周波数とする高調波騒音であって、ファン騒音の大部分をこの離散周波数騒音が占めていることから、離散周波数騒音を低減することがファン騒音の低減に有効であることも知られている。
図14(a)は、従来の技術における遠心ファン装置の羽根車の要部断面図で、図14(b)は、従来の技術における羽根板の斜視図で、図14(c)は、従来の技術における羽根車の外部における圧力の変化を示す特性図である。
図14(a)において、羽根車91は、主板92と、主板92の外周部に固定された複数の羽根板93と、羽根板93の反主板側側面に固定された側板(図示せず)とによって構成されている。
この図からも明らかなように、各羽根板93は主板92の回転軸芯Oを中心として当角度θで隣接間隔が等間隔となるように配置されている。
また、図14(b)で示したように、羽根板93の外周側端部94は羽根板93の羽根幅lの中央部にて主板側と側板側で曲げ角度γを等しくかつ曲げ方向が互いに反対となるように曲げて主板側曲げ部分94aと側板側曲げ部分94bを設けてあり、その曲げ角度γは羽根板93毎に異なるように設定されている。
つまり、図14(a)で示したように、各羽根板93は回転軸芯を中心とした円の半径方向に対して取付角αで固定されているが、角羽根板93の主板側曲げ部分94aの曲げ角度γは相互に異なる配列に設定されているため、羽根板93の出口の角度β1、β2、β3、β4が相互に異なる配列となり、核羽根板93間の吐出気流の速度分布及び圧力分布は互いに異なることになる。
したがって、図14(c)で示したようにある空間位置に対する各羽根板93から伝達される空気の圧力の変動周期T1、T2、T3、T4が連続的に変化することにより、羽根板93の枚数Zと羽根車91の回転周波数Nの積で表される離散周波数騒音とその高調波成分の騒音は特定周波数を中心として一定範囲内に分散した状態で発生し、各羽根板93の外周側端部94の曲げ角度γの設定状態によってはピーク値を示す特定周波数値が変動しながら分散状に発生することになり、各騒音が特定の周波数に集中して発生するのを防止でき、ピーク音の音圧レベルを低減することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、図示はしないが、別の従来の技術では、ボス部の周縁にブレードを形成したファンの回転により、そのファンの軸方向から吸込んだ空気を半径方向に送風する遠心ファン装置において、ブレードがボス部から最大外径方向へ連続して形成され、そのブレードの上端面または下端面の少なくとも一方に単純なリング形状の円環板を設けた遠心ファン装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
そのブレードと同期回転する円環板によって、ファンケーシング内での渦流の発生を抑えることにより、ファンケーシング内の圧損を抑制して風量特性を向上することができる。
さらに、図示はしないが、別の従来の技術では、モーターに取り付けられたハブ部の周囲に複数枚の羽根を設け、その羽根を内周部が楕円形をなすオリフィス内に配置した送風機も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
つまり、モーターに取り付けられたハブ部の周囲に設けられた複数枚の羽根を取り囲むオリフィスの内周部が楕円形であるため、送風機の軸対称性をはずすもので、送風機に固有の特徴的な乱流騒音や離散周波数騒音を他の周波数域に拡散することができるので、その内周部が軸対称となる円形のオリフィス内に配置された場合と比較してファン騒音の低減を図ることができる。
特開平04−228900号公報(第4頁、図2〜4) 特開2002−21782号公報(第7頁、図2) 特開平08−284895号公報(第3頁、図1)
しかしながら、(特許文献1)のような従来の技術による遠心ファン装置では、羽根板93の出口の角度β1、β2、β3、β4が相互に異なる配列となるため、例えば空気調和機などのように大風量を送風する装置ではファンケーシング内で空気が集められて送風されるため、羽根板93毎の送風方向の差異による影響が少ないものの、小型化・薄型化の要求されるノート型PCなどの搭載される遠心ファン装置においては、平行に複数の放熱フィンの配列されたヒートシンクなどへ直接的に送風する場合などには、排気口とそのヒートシンクとが対向することとなるために、羽根板93毎に送風方向が異なることが整流性を損ない逆に送風抵抗の増大する原因となってしまい効率的に送風することが困難となり、冷却性能が低下してしまうという課題を有していた。
また、(特許文献2)のような従来の技術による遠心ファン装置では、ブレードと同期回転する円環板によって空気の整流性が向上しファンケーシング内での渦流の発生が抑えられ風量特性の向上が図れるものの、排気口近くでブレードの先端領域での正圧面側と負圧面側との圧力差がより顕著に増大し、その圧力変化に起因するファン騒音が増大してしまうという課題を有していた。
さらに、(特許文献3)のような従来の技術による送風機では、軸流ファン装置のようなプロペラ型のファンであれば内周部が楕円形をなすオリフィス内に配置することが十分可能であるが、小型化・薄型化の要求されるノート型PCなどの搭載される遠心ファン装置においては、オリフィスの内壁が排気口まで通じるため、構造的に楕円形とすることは不可能な構成となっている。
また、ノート型PCなどに搭載される遠心ファン装置の占有スペースは、極めて狭いためファンケーシングのオリフィス形状を複雑化するのは、小型化、薄型化に対しては大きな障害となり実用は困難であるという課題を有していた。
本発明による遠心ファン装置は、前記従来の課題を解決するもので、ファン騒音の低減を図ることを可能としその分、高静圧化・高風量化を実現できる遠心ファン装置を提供することを目的とする。
また、その遠心ファン装置を備えた電子機器は、そのコンピュータなどの電子機器の筐体内部に実装されたMPUなどの発熱体の冷却を効率的に行えるのと同時にファン騒音の低減も実現されているため、動作時における静音化が有効に図れ、オペレータに対してより良好な作業環境を提供できる。
前記従来の課題を解決するために、本発明による遠心ファン装置は、吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部に環状整流板を設け、隣接するブレード部の間の環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部の幅を幅広としている。
本構成によって、ファン騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
また、本発明による電子機器は、本発明による前記遠心ファン装置を備えていることによって、コンピュータなどの電子機器の筐体内部に実装されたMPUなどの発熱体の冷却を効率的に行えるのと同時に低ファン騒音化も実現されているため、動作時における静音化が有効に図れ、オペレータに対してより良好な作業環境を提供できる。
本発明による遠心ファン装置によれば、ファン騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
本発明による電子機器によれば、動作時における静音化が有効に図れ、オペレータに対して良好な作業環境を提供できる。
請求項1記載の発明によれば、円筒形状の外周面を有するハブ部とハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部に環状整流板を設け、隣接するブレード部の間の環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部の幅を幅広とすることにより、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、吸気口の投影面積領域の外側におけるブレード部の上下に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシングとブレード部の上下に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制するので、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部の負圧面との接続部において環状整流板の幅が狭くなっているので、環状整流板の上下方向の外側からブレード部の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、ブレード部の負圧面側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、環状整流板を設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部が通過するたびに生じる正圧面側の空気の圧力と負圧面側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
請求項2記載の発明によれば、円筒形状の外周面を有するハブ部とハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部に環状整流板を設け、隣接するブレード部の間の環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面の半径方向の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面の半径方向の幅を幅広とすることにより、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、吸気口の投影面積領域の外側におけるブレード部の上下に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシングとブレード部の上下に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制するので、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部の負圧面において環状整流板の幅が狭くなっているので、環状整流板の上下方向の外側からブレード部の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、ブレード部の負圧面側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、環状整流板を設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部が通過するたびに生じる正圧面側の空気の圧力と負圧面側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
請求項3記載の発明によれば、隣接するブレード部の間の環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部から反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部まで漸次幅広とすることにより、風路抵抗を抑制して円滑な整流作用が得られるので、より空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
請求項4記載の発明によれば、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部の正圧面との接続部と負圧面との接続部とで異なり、負圧面との接続部の外周側縁端部が正圧面との接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することにより、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部はより外周側へ位置するので、ブレード部の外周側においてより空気の圧力が大きくなり分散しやすくなる空気の流れを効果的に抑制することが可能となり整流作用がより高まる。
一方、ブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部はより内周側へ位置するので、環状整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、空気の圧力が小さくなり易い外周側の領域においてより効果的に圧力の低下が抑制される。
したがって、より効果的に空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
請求項5記載の発明によれば、環状整流板は、回転軸を中心とした軸対象に形成され、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が回転軸を中心とした略真円形状を形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることにより、ブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置がブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置に対して回転軸を中心として周期的に変化するので、環状整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的に変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
また、環状整流板の重心位置とブレード部の重心位置が回転軸の位置で必ず一致する位置関係となるので、遠心ファンの回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
請求項6記載の発明によれば、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が略楕円形状を形成することにより、環状整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って最も長い周期で変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数がより緩やかに分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
請求項7記載の発明によれば、円筒形状の外周面を有するハブ部とハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部が整流板を介して互いに連接され、隣接するブレード部の間の整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部の幅を幅広とすることにより、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、吸気口の投影面積領域の外側におけるブレード部の上下に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシングとブレード部の上下に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制するので、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部の負圧面との接続部において整流板の幅が狭くなっているので、整流板の上下方向の外側からブレード部の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、ブレード部の負圧面側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、整流板を設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部が通過するたびに生じる正圧面側の空気の圧力と負圧面側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
請求項8記載の発明によれば、円筒形状の外周面を有するハブ部とハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、遠心ファンを収容し、回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部に整流板を介して互いに接続され、隣接するブレード部の間の整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面の半径方向の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面の半径方向の幅を幅広とすることにより、一旦吸気口からブレード部の正圧面側に取り込まれ、吸気口の投影面積領域の外側におけるブレード部の上下に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシングとブレード部の上下に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制するので、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部の負圧面において整流板の幅が狭くなっているので、整流板の上下方向の外側からブレード部の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、ブレード部の負圧面側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、整流板を設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部が通過するたびに生じる正圧面側の空気の圧力と負圧面側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
請求項9記載の発明によれば、隣接するブレード部の間の整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部から反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部まで漸次幅広とすることにより、風路抵抗を抑制して円滑な整流作用が得られるので、より空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
請求項10記載の発明によれば、整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部の正圧面との接続部と負圧面との接続部とで異なり、負圧面との接続部の外周側縁端部が正圧面との接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することにより、ブレード部の正圧面側との接続部における整流板の外周側縁端部はより外周側へ位置するので、ブレード部の外周側においてより空気の圧力が大きくなり分散しやすくなる空気の流れを効果的に抑制することが可能となり整流作用がより高まる。
一方、ブレード部の負圧面との接続部における整流板の外周側縁端部はより内周側へ位置するので、整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路が確保されて、空気の圧力が小さくなり易い外周側の領域においてより効果的に圧力の低下が抑制される。
したがって、より効果的に空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
請求項11記載の発明によれば、整流板は、回転軸を中心とした軸対象に形成され、整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が回転軸を中心とした略真円形状を形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることにより、ブレード部の負圧面との接続部における整流板の外周側端部の位置がブレード部の正圧面との接続部における整流板の外周側端部の位置に対して回転軸を中心として周期的に変化するので、整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的に変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
また、整流板は、回転軸を中心とした軸対象に形成されることにより、整流板の重心位置とブレード部の重心位置が回転軸の位置で必ず一致する位置関係となるので、遠心ファンの回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
請求項12記載の発明によれば、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が略楕円形状を形成することにより、整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って最も長い周期で変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数がより緩やかに分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
請求項13記載の発明によれば、本発明に関わる上記いずれかに記載の遠心ファン装置を備えた電子機器であるので、コンピュータなどの電子機器の筐体内部に実装されたMPUなどの発熱体の冷却を効率的に行えるのと同時にファン騒音の低減も実現されているため、動作時における静音化が有効に図れ、オペレータに対してより良好な作業環境を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、フレーム側を下方、カバー側を上方として説明した。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の上方からの斜視図で、図1(b)は、本発明の実施の形態1における遠心ファン装置のカバーを外した状態の斜視図で、図2(a)は、本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の平面図で、図2(b)は、図2(a)のA−A矢視断面図で、図3は、本発明の実施の形態1における遠心ファン装置のカバーを外した状態の平面図で、図4は、本発明の実施の形態1における遠心ファンの斜視図で、図5(a)は、本発明の実施の形態1における遠心ファンの部分拡大斜視図で、図5(b)は、本発明の実施の形態1における遠心ファンの下方から見た部分拡大平面図で、図6(a)は、本発明の実施の形態1における遠心ファンの下方から見た平面図で、図6(b)は、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡を示した図で、図7は、同一ファン騒音における風量静圧特性の比較グラフである。
まず、図1(a)で示したように遠心ファン装置11のファンケーシング12は、下部に位置するフレーム12aと上部に位置するカバー12bにより構成されている。
ここで、フレーム12aは、樹脂成型やアルミニウム合金のダイカスト成型などにより側壁12aaと底壁12abとが一体的に形成され、その2方の側面にファンケーシング12内に吸気した空気を外部へ排気する排気口13が配設されており、また底壁12abには外部の空気を吸気する略円形状の吸気口14a(図2(b)参照)が配設されている。
一方、カバー12bは、スチール、アルミニウム、銅などの金属材料の打ち抜き成形や樹脂成型によりプレート状に成形されており、その中央部に外部の空気を吸気する略円形状の吸気口14bが配設されている。
また、ファンケーシング12は、遠心ファン15を回転自在に収容し、遠心ファン15を挟んで対向配置するように一対の吸気口14a(図3参照)と吸気口14bを有している。
さらに、遠心ファン15は、円筒形状の外周面を有するハブ部15aとその外周面から遠心方向に延びる複数の平板形状のブレード部15bを有している。
ここで、遠心ファン15の素材としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いた一体成形により形成されており、図3で示したように吸気口14aの吸気領域を示す仮想円Cinの外側に位置するブレード部15bの半径方向の外周側端部に環状整流板15beが設けられている。
そして、環状整流板15beは、外周側形状が略真円に沿った凹凸形状を内周側形状が略真円形状を形成している。
したがって、遠心ファン15が回転方向Rで示した方向に高速で回転すると、遠心ファン15のハブ部15aの上方に位置する吸気口14bと遠心ファン15のハブ部15aの下方に位置する吸気口14aの両方から外部の空気が吸気され、吸気された空気は排気口13から排気される。
ここで、吸気口14aと吸気口14bとから吸気されるそれぞれの空気は、後述する遠心ファン15の回転軸16(図2(b)参照)の長手方向において相互に反対方向となって吸気され、さらに遠心ファン15の回転運動によりその吸気された空気が複数の平板形状のブレード部15bの遠心方向へと急激に風向きが変えられて、それら大部分の空気は図1(b)で示したブレード部15bを囲繞するにように形成されたフレーム12aの側壁12aa、底壁12ab、及びカバー12bの内壁12ba(図2(b)参照)などにもぶつかりながら、それらに沿って遠心ファン15の回転方向Rと同一の方向へそれらの空気が送られて最終的に2方向に配置された排気口13から外部へ排気される。
次に、図2(a)や図2(b)で示したように、遠心ファン装置11は、円筒形状の外周面を有するハブ部15aとその外周面から遠心方向に延びる複数の平板形状のブレード部15bを有する遠心ファン15と、ハブ部15aの内側中央に固定された回転軸16と、ハブ部15aの下方に配置され回転軸16に回転駆動力を与えるモーター駆動部17と、モーター駆動部17を下方より保持するフレーム12aと、フレーム12aと上方より組み合わさってファンケーシング12を構成するカバー12bを備え、ファンケーシング12は遠心ファン15を取り囲むようにして回転自在に収容している。
ここで、モーター駆動部17は、遠心ファン15に回転軸16を中心として回転させる回転駆動力を与えるためのモーターコイルやそのモーターコイルを所望の駆動電流で通電させるモーター駆動回路が組み込まれた回路基板などで構成されており、フレーム12aの底壁12abに配設された吸気口14aをその吸気方向と直交する方向に横断するようにフレーム12aから延設された3本の連結部18(図2(a)参照)を介して保持されている。
また、図2(b)でも明らかなように、カバー12bに配設された吸気口14bとフレーム12aの底壁12abに配設された吸気口14aは、どちらも回転軸16を中心として同一半径の略円形状で設計されていて、さらに吸気口14aと吸気口14bは遠心ファン15を挟んで対向配置されている。
そして、下方に位置するフレーム12aと上方に位置するカバー12bが上下方向で組み合わさったファンケーシング12は、遠心ファン15のブレード部15bの外周部を取り囲むように収容しているので、遠心ファン15が図2(a)の回転方向Rで示した方向に回転することにより送風に必要な静圧を発生させることができている。
また、図2(a)で示したフレーム12aの吸気口14aを横断するように延設された3本の連結部18を除いて考えると、吸気口14aと吸気口14bは、同一中心、同一半径の略円形状に形成されているため、吸気口14a、14bのそれぞれの投影面積領域は、遠心ファン15に対してほぼ同一であるものとみなすことができる。
次に、図3は、フレーム12aの外形と、ブレード部15bの外周側に位置するフレーム12aの側壁12aaや底壁12abと、吸気口14aの吸気領域を示す仮想円Cinなどを実線で示すことによって、遠心ファン15に対する吸気口14aの吸気領域との位置関係を分かり易くしたものである。
ここで、前述したように遠心ファン15の素材としてはポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いた一体成形により形成されており、吸気口14aの吸気領域を示す仮想円Cinの外側に位置するブレード部15bの半径方向の外周側端部に環状整流板15beが設けられる。
次に、図4を参照して遠心ファン15について詳細に説明するが、以下の説明において半径方向の幅とは、ハブ部15aの外周面から遠心方向へ伸びるように形成されたブレード部15bの長手方向に沿った幅と定義する。
ここで、隣接するブレード部15bの間の環状整流板15beの半径方向の幅を、回転方向R側に位置するブレード部15bの負圧面15bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部15bの正圧面15baとの接続部まで漸次幅広となるように設定されている。
つまり、ブレード部15bの正圧面15baとの接続部において環状整流板15beの幅が広くなっているので、一旦上側の吸気口14aからブレード部15bの正圧面15ba側に取り込まれ、吸気口14aや吸気口14bの投影面積領域の外側におけるブレード部15bの上側に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面15bb側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシング12とブレード部15bの上側に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制するので、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部15bの負圧面15bbとの接続部において環状整流板15beの幅が狭くなっているので、環状整流板15beの上側からブレード部15bの負圧面15bb側へ空気を導入する流路が上側でも確保されて、ブレード部15bの負圧面15bb側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
次に、図5(a)、(b)を参照してより具体的に説明する。
ここで、図5(a)で示したように吸気口14a、14bの投影面積領域の外側に位置するブレード部15bの上側の半径方向の外周側端部に環状整流板15beが設けられている。
また、図5(b)で示したように環状整流板15beが設けられた位置は、吸気領域を示す仮想円Cin(破線で示した)の外側であって、加えて隣接するブレード部15bの間において、回転方向R側に位置するブレード部15bの負圧面15bbとの接続部における環状整流板15beの半径方向の幅Wbから反回転方向(反R)側に位置するブレード部15bの正圧面15baとの接続部における環状整流板15beの半径方向の幅Waまで漸次幅広となるように設定されているため、遠心ファン15が回転方向Rの方向に回転した場合には、一旦吸気口14aや吸気口14bからブレード部15bの正圧面15ba側に取り込まれ、吸気口14bや吸気口14bの投影面積領域の外側におけるブレード部15bの上側に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面15bb側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシング12とブレード部15bの上側に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生が抑制されて、図5(a)における空気の流れFLOWa(破線の矢印で示した)のように遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用が高まり、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
ここで、2.5Wb<Wa<4.0Wbを満足する範囲に設定することがより好ましく、所望の効果を得られやすくなる。
このとき、環状整流板15beは吸気口14bや吸気口14bの投影面積領域の外側に位置するブレード部15bの上側に位置する半径方向の外周側端部に設けられているので、吸気される空気の流路抵抗として作用することはないため、より圧力損失を小さくすることが可能となっている。
一方、ブレード部15bの負圧面15bbとの接続部の半径方向の幅Wbが正圧面15baとの接続部の半径方向の幅Waよりも小さくなっているので、環状整流板15beの上側からブレード部15bの負圧面15bb側へ図5(a)における空気の流れFLOWb(破線の矢印で示した)のように空気を導入する流路が上側でも確保されて、ブレード部15bの負圧面15bb側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、環状整流板15beを設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部15bが通過するたびに生じる正圧面15ba側の空気の圧力と負圧面15bb側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
また、図5(b)でも明らかなように、環状整流板15beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部15bの正圧面15baとの接続部と負圧面15bbとの接続部とで異なり、負圧面15bbとの接続部の外周側縁端部が正圧面15baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置している。
ここで、二点鎖線で示した仮想円Caは、それぞれのブレード部15bの正圧面15baとの接続部における環状整流板15beの外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡で、一点鎖線で示した仮想円Cbは、それぞれのブレード部15bの負圧面15bbとの接続部における環状整流板15beの外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡である。
そして、仮想円Caが仮想円Cbよりも外周側に位置していることからも、環状整流板15beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部15bの正圧面15baとの接続部と負圧面15bbとの接続部とで異なり、負圧面15bbとの接続部の外周側縁端部が正圧面15baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置していることを示している。
前述した内容と一部重複するが、さらに詳しく説明すると、図6(a)で示したように、環状整流板15beは、回転軸16を中心とした軸対象に形成され、図6(b)で示したように二点鎖線で示した仮想円Caと一点鎖線で示した仮想円Cbはいずれも回転軸16を中心とした略真円形状の軌跡であって、仮想円Caの直径Daは仮想円Cbの直径Dbよりも大きく、Db<Daの関係を満足する位置関係にある。
したがって、仮想円Caが仮想円Cbよりも外周側に位置していることとなり、環状整流板15beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部15bの正圧面15baとの接続部と負圧面15bbとの接続部とで異なり、負圧面15bbとの接続部の外周側縁端部は正圧面15baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することになる。
ここで、0.7Da<Db<0.9Daを満足する範囲に設定することがより好ましく、所望の効果を得られやすくなる。
以上のような構成により、ブレード部15bの外周側においてより空気の圧力が大きくなり分散しやすくなる空気の流れを効果的に抑制することが可能となり整流作用がより高まる。
一方、ブレード部15bの負圧面15bbとの接続部における環状整流板15beの外周側縁端部はより内周側へ位置するので、環状整流板15beの上側からブレード部15bの外周側の負圧面15bb側へ空気を導入する流路が上側でも確保されて、空気の圧力が小さくなり易い外周側の領域においてより効果的に圧力の低下が抑制される。
したがって、より効果的に空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
次に、図7では、同一のファン騒音(32.0dBA)において、本発明の実施の形態1による遠心ファン装置11の風量静圧特性を、半径方向の幅が全周囲に亘って均一で単純なリング形状の円環板が設けられ、その円環板以外の他の構成要素の形状・寸法などが同一である従来の遠心ファン装置の風量静圧特性と比較して示している。
より具体的には、本発明による遠心ファン装置11としては、例えばブレード部15bの外形寸法は全長で15.5mm、厚みで0.7mm、内周側の幅長Wi(図2(b)参照)で3.5mm、外周側の幅長Wo(図2(b)参照)で6.5mmに設定され、環状整流板15beの外形寸法はブレード部15bの正圧面15baとの接続部の半径方向の幅Waで6.5mm、ブレード部15bの負圧面15bbとの接続部の半径方向の幅Wbで2.5mm、仮想円Caの直径Daで49.0mm、仮想円Cbの直径Dbで41.0mmに設定された場合で、従来の遠心ファン装置としては、ブレード部の外形寸法は遠心ファン装置11の場合と同一寸法に設定され、その円環板の外形寸法は全周囲に亘って均一であって外周側の直径が49.0mm、内周側の直径が35.0mmに設定された単純なリング形状の場合で比較している。
また、本発明による遠心ファン装置11のファンケーシング12については、従来の遠心ファン装置のそれと同一形状であって、その吸気口14a、14bの直径はどちらも40.0mmに設定されている。
このグラフで明らかなように、同一のファン騒音における風量静圧特性の比較においては、本発明による遠心ファン装置11は、同一回転条件にてファン騒音が低減した分、遠心ファン15の回転速度を3500rpmから3650rpmまで上昇させることが可能となるので、従来の遠心ファン装置の風量静圧特性に対して、本発明の実施の形態1による遠心ファン装置11の風量静圧特性は、横軸の風量の全域に亘って静圧特性が向上している。
つまり、同一のファン騒音において風量静圧特性を比較した場合には、遠心ファン装置11の遠心ファン15の回転速度をより上昇させることが可能なので、高風量化と高静圧化が容易となり送風能力が向上することを示している。
なお、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な位置関係などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
特に、主要な構成要素である環状整流板15beの寸法、数量、形状、その相対的な位置関係などについては、前述した実施の形態のみに限定されず、所望の作用・効果が得られれば、カバー12bに形成された吸気口14bとフレーム12aに形成された吸気口14aのいずれか一方の投影面積領域の外側に位置するブレード部15bの半径方向の外周側端部に環状整流板15beが設けられればよい。
例えば、環状整流板15beの半径方向の幅は、回転方向R側に位置するブレード部15bの負圧面15bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部15bの正圧面15baとの接続部まで連続的に漸次幅広とする必要はなく、段階的(矩形形状的)に幅広としても構わない。
また、より効果を向上させるためブレード部15bの上下方向の両端部のそれぞれに環状整流板15beを設けてもよく、その場合はブレード部15bを上下方向で2分割してそれぞれ成形したものを組み合わせることで、より加工を容易にすることができる。
また、環状整流板15beは、それぞれのブレード部15bに対して同一位置、同一幅、同一厚みである必要はなく、相互に異なる形状でもよい。
(実施の形態2)
図8(a)は、本発明の実施の形態2における遠心ファン装置のカバーを外した状態の平面図で、図8(b)は、本発明の実施の形態2における遠心ファンの斜視図で、図9(a)は、本発明の実施の形態2における遠心ファンの下方から見た平面図で、図9(b)は、遠心ファンを省略し、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡を示した図で、図10(a)〜(c)は、同一回転速度(3500rpm)におけるFET(高速フーリエ変換)グラフで、図11(a)、(b)は、本発明の実施の形態2における変形例を、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡で示した図である。
なお、本実施の形態2における遠心ファン装置21(全体図省略)は、遠心ファン25のみが実施の形態1の場合と異なるものの他の構成要素は、実施の形態1の場合と同じなのでそれらについての詳細な説明や図については省略して説明する。
ここで、図8(a)で示したように、フレーム22aの外形と、円筒形状の外周面を有するハブ部25aの外周面から遠心方向に延びる複数の平板形状のブレード部25bの外周側に位置するフレーム22aの側壁22aaや底壁22abと、吸気口24aの吸気領域を示す仮想円Cinなどを実線で示すことによって、遠心ファン25に対する吸気口24aの吸気領域との位置関係を分かり易くしたものである。
ここで、遠心ファン25の素材としてはポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いた一体成形により形成されており、吸気口24aの吸気領域を示す仮想円Cinの外側に位置するブレード部25bの半径方向の外周側端部に環状整流板25beが設けられている。
そして、環状整流板26beは、外周側形状が略楕円に沿った凹凸形状を内周側形状が略楕円に沿った凹凸形状を形成している。
次に、図8(b)を参照して遠心ファン25についてさらに詳細に説明するが、以下の説明において半径方向の幅とは、ハブ部25aの外周面から遠心方向へ伸びるように形成されたブレード部25bの長手方向に沿った幅と定義する。
ここで、隣接するブレード部25bの間の環状整流板25beの半径方向の幅を、回転方向R側に位置するブレード部25bの負圧面25bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部25bの正圧面25baとの接続部まで漸次幅広となるように設定している。
つまり、ブレード部25bの正圧面25baとの接続部において環状整流板25beの幅が広くなっているので、一旦上側の吸気口(図示せず)からブレード部25bの正圧面25ba側に取り込まれ、吸気口24aの投影面積領域の外側におけるブレード部25bの上側に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面25bb側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシング(図示せず)とブレード部25bの上側に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生を抑制して、遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用を高めて、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
一方、ブレード部25bの負圧面25bbとの接続部において環状整流板25beの幅が狭くなっているので、環状整流板25beの上側からブレード部25bの負圧面25bb側へ空気を導入する流路が確保されて、ブレード部25bの負圧面25bb側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、実施の形態1において説明した効果と同じように、環状整流板25beを設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部25bが通過するたびに生じる正圧面25ba側の空気の圧力と負圧面25bb側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
また、図9(a)で示したように、環状整流板25beは、回転軸26を中心とした軸対称に形成され、図9(b)からも明らかように、二点鎖線で示した仮想円Caは、それぞれのブレード部25bの正圧面25baとの接続部における環状整流板25beの外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡で、一点鎖線で示した仮想楕円Ebは、それぞれのブレード部25bの負圧面25bbとの接続部における環状整流板25beの外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡である。
そして、仮想円Caが仮想楕円Ebよりも外周側に位置し、仮想楕円Ebが仮想円Caに円周方向に沿って周期的に内接する位置関係に設定されており、仮想円Caに仮想楕円Daが内接してDb=Daの関係を満足する場合が回転角度180°毎に繰返され、それ以外は仮想円Caの直径Daは仮想楕円Ebの直径Dbよりも大きくDb<Daの関係を満足するような位置関係となっている。
つまり、環状整流板25beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部25bのそれぞれの正圧面25baとの接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が回転軸26を中心とした略真円形状の仮想円Caを形成し、ブレード部25bのそれぞれの負圧面25bbとの接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って仮想円Caに周期的に内接する仮想楕円Ebを形成する位置であることを示している。
したがって、環状整流板25beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部25bのそれぞれの正圧面25baとの接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が略真円形状を形成し、ブレード部25bのそれぞれの負圧面25bbとの接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることにより、ブレード部25bの負圧面25bbとの接続部における環状整流板25beの外周側端部の位置がブレード部25bの正圧面25baとの接続部における環状整流板25beの外周側端部の位置に対して周期的に変化するので、環状整流板25beの上側からブレード部25bの外周側の負圧面25bb側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的に変化するため、負圧面25bb側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
また、ブレード部25bのそれぞれの負圧面25bbとの接続部の外周側端部を結ぶ軌跡が略楕円形状を形成することにより、環状整流板25beの上側からブレード部25bの外周側の負圧面25bb側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って回転角度で180°という最も長い周期で変化するため、負圧面25bb側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数がより緩やかに分散して、より高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
さらに、環状整流板25beは、回転軸26を中心とした軸対称に形成されていることにより、環状整流板25beの重心位置とブレード部25bの重心位置が、回転軸26で必ず一致する位置関係であるので、遠心ファン25の回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
次に、図10(a)〜(c)は、いずれも横軸に周波数(Hz)、縦軸に2×10-5Pa(=0dBA)を基準とした音圧レベル(単位はdBA[SPL])として、同一回転速度(3500rpm)におけるFET(高速フーリエ変換)グラフを示しているが、図10(a)には、本発明の実施の形態2における遠心ファン装置21のFETグラフ、図10(b)には、本発明の実施の形態1における遠心ファン装置11のFETグラフ、図10(c)には、比較用として従来の遠心ファン装置のFETグラフが示されている。
より具体的には、本発明の遠心ファン装置21としては、例えばブレード部25bの外形寸法は全長で15.5mm、厚みで0.7mm、内周側の幅長で3.5mm、外周側の幅長で6.5mmに設定され、環状整流板25beの外形寸法はブレード部25bの正圧面25baとの接続部の半径方向の幅Waで6.5mm、ブレード部25bの負圧面25bbとの接続部の半径方向の幅Wbで2.5mm、仮想円Caの直径Daで49.0mm、仮想楕円Ebの直径Dbの最大が仮想円Caの直径Daと等しい49.0mm、仮想楕円Ebの直径Dbの最小が35.0mmに設定された場合で、従来の遠心ファン装置としては、ブレード部の外形寸法は遠心ファン装置21の場合と同一寸法に設定され、その円環板の外形寸法は全周囲に亘って均一であって外周側の直径が49.0mm、内周側の直径が35.0mmに設定された単純なリング形状の場合で比較している。
また、本発明による遠心ファン装置21のファンケーシング(図示せず)については、従来の遠心ファン装置のそれと同一形状であって、その吸気口(図示せず)の直径はどちらも40.0mmに設定されている。
これらのグラフを比較して明らかなように、周波数帯域1kHzにおいて、従来の遠心ファン装置のピーク値が21.0(dBA[SPL])であるのに対して、実施の形態1の遠心ファン装置11は19.0(dBA[SPL])、さらに実施の形態2の遠心ファン装置21は18.0(dBA[SPL])と耳障りな500Hz〜5kHzの周波数帯域でのファン騒音のピーク値が低減されていることが分かる。
次に、図11(a)、(b)では、実施の形態2おける変形例を説明するため、遠心ファンの図を省略し、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡のみを示した。
図11(a)において、二点鎖線で示した仮想円Caは、それぞれのブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡で、一点鎖線で示した曲線K1bは、それぞれのブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ軌跡である。
そして、仮想円Caが曲線K1bよりも外周側に位置し、曲線K1bが仮想円Caに円周方向に沿って周期的に内接する位置関係に設定されており、仮想円Caに曲線K1bが内接して回転軸36を通る直線距離L1bがL1b=Daの関係を満足する場合が回転角度で90°毎に繰返され、それ以外は仮想円Caの直径Daは曲線K1bの直線距離L1bよりも大きくL1b<Daの関係を満足するような位置関係となっている。
つまり、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が回転軸36を中心とした略真円形状の仮想円Caを形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って仮想円Caに周期的に内接する曲線K1bを形成する位置であることを示している。
このように、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が略真円形状を形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることにより、ブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置がブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置に対して周期的に変化するので、環状整流板の上側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的(回転角度で90°毎)に変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
さらに、図示はしないが、環状整流板は回転軸36を中心とした軸対象で形成されることにより、環状整流板の重心位置とブレード部の重心位置が、回転軸36で必ず一致する位置関係となるので、遠心ファンの回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
また、図11(b)において、二点鎖線で示した仮想円Caは、それぞれのブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡で、一点鎖線で示した曲線K2bは、それぞれのブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ軌跡である。
そして、仮想円Caが曲線K2bよりも外周側に位置し、曲線K2bが仮想円Caに円周方向に沿って周期的に内接する位置関係に設定されており、仮想円Caに曲線K2bが内接して回転軸46を通る直線距離L1bがL2b=Daの関係を満足する場合が回転角度で45°毎に繰返され、それ以外は仮想円Caの直径Daは曲線K2bの直線距離L2bよりも大きくL2b<Daの関係を満足するような位置関係となっている。
つまり、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が回転軸46を中心とした略真円形状の仮想円Caを形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って仮想円Caに周期的に内接する曲線K2bを形成する位置であることを示している。
したがって、環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が略真円形状を形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることにより、ブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置がブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側端部の位置に対して周期的に変化するので、環状整流板の上側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的(回転角度で45°毎)に変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
さらに、図示はしないが、環状整流板は回転軸46を中心とした軸対象で形成されることにより、環状整流板の重心位置とブレード部の重心位置が、回転軸46で必ず一致する位置関係となるので、遠心ファンの回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
なお、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な位置関係などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
特に、主要な構成要素である環状整流板25beの寸法、数量、形状、その相対的な位置関係などについては、前述した実施の形態のみに限定されず、所望の作用・効果が得られれば、カバー(図示せず)とフレーム(図示せず)の両方に形成された吸気口のいずれか一方の投影面積領域の外側に位置するブレード部25bの半径方向の外周側端部に環状整流板25beが設けられればよい。
例えば、環状整流板25beの半径方向の幅は、回転方向R側に位置するブレード部25bの負圧面25bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部25bの正圧面25baとの接続部まで連続的に漸次幅広とする必要はなく、段階的(矩形形状的)に幅広としても構わない。
また、より効果を向上させるためブレード部25bの上下方向の両端部のそれぞれに環状整流板25beを設けてもよく、その場合はブレード部25bを上下方向で2分割してそれぞれ成形したものを組み合わせることで、より加工を容易にすることができる。
また、環状整流板25beは、それぞれのブレード部25bに対して同一位置、同一幅、同一厚みである必要はなく、相互に異なる形状でもよい。
(実施の形態3)
図12(a)は、本発明の実施の形態3における遠心ファンの部分拡大斜視図で、図12(b)は、本発明の実施の形態3における遠心ファンの上方から見た部分拡大平面図である。
ここで、遠心ファン55は、円筒形状の外周面を有するハブ部55aとその外周面から遠心方向に延びる複数の平板形状のブレード部55bを有している。
そして、図12(a)で示したように吸気口(図示せず)の投影面積領域の外側に位置するブレード部55bは、半径方向の外周側端部の上下の両方に設けられた略台形形状の整流板55beを介して連接されている。
また、図12(b)で示したように、整流板55beが連接される位置は、吸気領域を示す仮想円Cin(破線で示した)の外側に位置するブレード部55bであって、加えて正圧面55baとの接続部の半径方向の幅Waが負圧面55bbとの接続部の半径方向の幅Wbよりも大きく設定されているため、遠心ファン55が回転方向Rの方向に回転した場合には、一旦吸気口(図示せず)からブレード部55bの正圧面55ba側に取り込まれ、吸気口の投影面積領域の外側におけるブレード部55bの上下に位置する半径方向の外周側端部を超えて負圧面55bb側に回り込もうとする空気流、さらにはファンケーシング(図示せず)とブレード部55bの上下に位置する半径方向の端部との間隙の空気の渦流や乱流などの発生が抑制されて、図12(a)における空気の流れFLOWa(破線の矢印で示した)のように遠心方向の一方向のみへ空気を流すような整流作用が高まり、遠心方向への流量を増加する作用を生じる。
ここで、2.5Wb<Wa<4.0Wbを満足する範囲に設定することがより好ましく、所望の効果を得られやすくなる。
このとき、略台形形状の整流板55beは吸気口の投影面積領域の外側に位置するブレード部55bの上下に位置する半径方向の外周側端部に設けられているので、吸気される空気の流路抵抗として作用することはないため、より圧力損失を小さくすることが可能となっている。
一方、隣接するブレード部55bの間において、回転方向R側に位置するブレード部55bの負圧面55bbとの接続部における整流板55beの半径方向の幅Wbから反回転方向(反R)側に位置するブレード部55bの正圧面55baとの接続部における整流板55beの半径方向の幅Waまで漸次幅広となるように設定しているので、整流板55beの上下の方向からブレード部55bの負圧面55bb側へ図12(a)における空気の流れFLOWb(破線で示した)のように空気を導入する流路が確保されて、ブレード部55bの負圧面55bb側の空気の圧力の低下を抑制する作用が生じる。
したがって、整流板55beを設けたことによる整流作用を維持しつつブレード部55bが通過するたびに生じる正圧面55ba側の空気の圧力と負圧面55bb側の空気の圧力との差、つまり空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
加えて、送風効率も向上するので小型化・薄型化への対応も容易となる。
また、図12(b)でも明らかなように、整流板55beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部55bの正圧面55baとの接続部と負圧面55bbとの接続部とで異なり、負圧面55bbとの接続部の外周側縁端部は正圧面55baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置している。
ここで、二点鎖線で示した仮想円Caは、それぞれのブレード部55bの正圧面55baとの接続部における整流板55beの外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡で、一点鎖線で示した仮想円Cbは、それぞれのブレード部55bの負圧面55bbとの接続部における整流板55beの外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡である。
そして、仮想円Caが仮想円Cbよりも外周側に位置していることからも、整流板55beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部55bの正圧面55baとの接続部と負圧面55bbとの接続部とで異なり、負圧面55bbとの接続部の外周側縁端部は正圧面55baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置していることを示している。
以上のように、整流板55beの半径方向の外周側縁端部の位置は、ブレード部55bの正圧面55baとの接続部と負圧面55bbとの接続部とで異なり、負圧面55bbとの接続部の外周側縁端部が正圧面55baとの接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することにより、ブレード部55bの正圧面55baとの接続部における整流板55beの外周側縁端部はより外周側へ位置するので、ブレード部55bの外周側においてより空気の圧力が大きくなり分散しやすくなる空気の流れを効果的に抑制することが可能となり整流作用がより高まる。
一方、ブレード部55bの負圧面55bbとの接続部における整流板55beの外周側縁端部はより内周側へ位置するので、整流板55beの上下方向からブレード部55bの外周側の負圧面55bb側へ空気を導入する流路が確保されて、空気の圧力が小さくなり易い外周側の領域においてより効果的に圧力の低下が抑制される。
したがって、より効果的に空気の圧力変動に起因する離散周波数騒音の低減を図ることが可能となりその分、高静圧化・高風量化を実現できる。
また、図を参照した説明は省略するが、実施の形態3における変形例としては、整流板が回転軸を中心とした軸対称で形成され、整流板の半径方向の外周側縁端部の位置を、ブレード部のそれぞれの正圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が回転軸を中心とした略真円形状を形成し、ブレード部のそれぞれの負圧面との接続部の外周側縁部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置とすることも可能で、そのような構成にすることにより、ブレード部の負圧面との接続部における整流板の外周側端部の位置がブレード部の正圧面との接続部における整流板の外周側端部の位置に対して回転軸を中心として周期的に変化するので、整流板の上下方向の外側からブレード部の外周側の負圧面側へ空気を導入する流路の位置が円周方向に沿って周期的に変化するため、負圧面側における空気の圧力のマイナスピークを示す周波数が分散して高帯域ランダム騒音の低減を図ることができる。
また、その場合にも整流板が回転軸を中心とした軸対称で形成されることにより、整流板の重心位置とブレード部の重心位置が回転軸の位置で必ず一致する位置関係となるので、遠心ファンの回転動作時における異常振動の発生を防止することが容易となる。
なお、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な位置関係などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
特に、主要な構成要素である整流板55beの寸法、数量、形状、その相対的な位置関係などについては、前述した実施の形態のみに限定されず、所望の作用・効果が得られれば、カバー(図示せず)とフレーム(図示せず)の両方に形成された吸気口のいずれか一方の投影面積領域の外側に位置するブレード部55bの半径方向の外周側端部に整流板55beが設けられればよく、例えば、ブレード部55bの上下方向の両端部のいずれか一方のみに整流板55beを設けてもよい。
また、整流板55beの半径方向の幅は、回転方向R側に位置するブレード部55bの負圧面55bbとの接続部から反回転方向(反R)側に位置するブレード部55bの正圧面55baとの接続部まで連続的に漸次幅広とする必要はなく、段階的(矩形形状的)に幅広としても構わない。
また、整流板55beは、それぞれのブレード部55bに対して同一位置、同一幅、同一厚みである必要はなく、相互に異なる形状でもよい。
(実施の形態4)
図13(a)は、本発明の実施の形態4における電子機器の筐体内部を示した図で、図13(b)は、本発明の実施の形態4における電子機器の筐体内部の部分断面図である。
ここで、電子機器60は、操作部を有する本体装置61の端部のヒンジ機構62に開閉型の液晶表示装置63が回動支持された構成のノート型PCである。
この電子機器60の本体装置61の筐体内部に配置された回路基板64の下側面には、冷却されるべきMPUやCPUなどの発熱体65が実装されていて、さらにそれらを同時に冷却する遠心ファン装置66が搭載されている状態を示している。
この図13(a)における遠心ファン装置66は、実施の形態1で説明した構成に加えて、受熱部67が連接されたもので、回路基板64の下側面に実装された発熱電子部品65に遠心ファン装置66と連接した受熱部67が熱的に接続されるように回路基板64の下側面の所定の位置に配置されている。
そして、遠心ファン装置66は、実施の形態1で説明したような複数のブレード部の回転によって空気を送風する遠心ファン68と、遠心ファン68を回転自在に収容し発熱体65と熱的に接続される受熱部67と連接されたファンケーシング69と、を備え、発熱体65からファンケーシング69へ伝達した熱を遠心ファン68の送風によって放熱する遠心ファン装置66であって、発熱体65と熱的に接続された受熱部67の熱が熱輸送部70を伝熱してファンケーシング69内の送風路へ熱輸送され、その送風路を流れる空気とファンケーシング69とが直接的に接触するので、より熱交換が促進され効率的に放熱する作用がある。
ここで、電子機器60の本体装置61の筐体の底面61aには、ファンケーシング69の取り付け位置に対応する場所に複数個の通風口71が設けられているので、遠心ファン68の吸気作用によって本体装置61の筐体の底面61aの下側における外部の冷えた空気が、矢印で示したように通風口71を通過してファンケーシング69内の送風路に吸気され、ファンケーシング69内を流れる間に受熱部67から熱輸送部70を伝熱してファンケーシング69へより熱輸送された熱を熱交換により受け取り、矢印で示したように本体装置61の筐体の側面61bの通風口72から外部に吹き出される。
さらに詳細に説明すると、図13(b)は、図13(a)における遠心ファン装置66の排気口73からの送風方向に沿った部分断面図を示しており、前述した電子機器60の本体装置61の筐体内部に配置された回路基板64の下側面には、冷却されるべきMPUなどの発熱体65が実装されていて、それを冷却する遠心ファン装置66が搭載されている状態が詳細に示されている。
そして、実施の形態1で説明したように、ファンケーシング69は、遠心ファン68を回転自在に収容し、遠心ファン68を挟んで対向配置するように一対の吸気口69aと吸気口69bを有している。
また、遠心ファン68の吸気口69a、69bの投影面積領域の外側に位置するブレード部68bの半径方向の外周側端部には環状整流板68beが設けられていて、隣接するブレード部68bの間の環状整流板68beの半径方向の幅が、回転方向側に位置するブレード部68bの負圧面68bbとの接続部から反回転方向側に位置するブレード部68bの正圧面68baとの接続部まで漸次幅広となるように設定している。
したがって、電子機器60は、本発明の実施の形態1で説明した遠心ファン装置11と同様な構成となる遠心ファン装置66を備えた電子機器であるので、本体装置61の筐体内部に実装されたMPUなどの発熱体65の冷却を効率的に行えるのと同時にファン騒音の低減も実現されているため、動作時における静音化が有効に図れ、オペレータに対してより良好な作業環境を提供できる。
なお、以上の実施の形態1〜4のそれぞれの説明における構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な位置関係などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
特に、主要な構成要素である環状整流板や整流板の寸法、数量、形状、その相対的な位置関係などについては、前述した実施の形態のみに限定されず、所望の作用・効果が得られれば、カバーとフレームの両方に形成された吸気口のいずれか一方の投影面積領域の外側に位置するブレード部の半径方向の外周側端部に環状整流板や整流板が設けられればよく、例えば、より効果を向上させるためブレード部の上下方向の両端部のそれぞれに環状整流板や整流板を設けてもよく、その場合はブレード部を上下方向で2分割してそれぞれ成形したものを組み合わせることで、より加工を容易にすることができる。
また、環状整流板や整流板は、それぞれのブレード部に対して同一位置、同一幅、同一厚みである必要はなく、相互に異なる形状でもよい。
また、カバーまたはフレームに形成される吸気口についても、必ずしもカバーとフレームのどちらにも形成される両面吸気型である必要はなく、カバーかフレームのいずれか一方のみに形成される片面吸気型でも構わない。
また、ブレード部の形状についても、特に限定はなく、回転軸方向おいて上下非対称であったり、ブレード部の幅が内周側から外周側まで均一であったり、回転軸と直交する方向の形状がストレートではなく内周側、外周側、またはその中間で湾曲するような形状であったりしても構わない。
また、遠心ファンは、複数のブレード部を有し、そのブレード部の回転によって遠心方向へ空気を送風する遠心ファンであればよく、例えばシロッコファンやクロスフローファンのようにブレード部が主板の外周部のみに形成されたような形態の遠心ファンであっても構わない。
また、ファンケーシングの外形についても、特に限定はなく、略円形、略三角形、略四角形、略平行四辺形、あるいはそれ以外の種々の多角形でも構わなく、排気口も2方向ではなく、1方向や3方向以上の方向に設けてもよい。
また、ファンケーシングの構成についても、単にカバーとフレームとからのみ構成されたものではなく、そのカバーまたはフレームの一部に発熱電子部品と熱的な接続を行う受熱部を設けたり、放熱性を有する放熱フィンからなるヒートシンクなどをダイカスト成型やプレス成形などによって一体的に設けたりする構成でもよいし、さらにその間の熱輸送を効率的に行うヒートパイプや熱伝導性シートなどの熱輸送部材を別に備えていてもよい。
また、ファンケーシングを構成するカバーやフレームなどを、熱伝導性の良好な金属材料を用いてプレス成形により一体成形するのが製造コストを低減でき好ましいが、ダイカスト成型、鍛造、押出し成形など他の一体成形方法を採用してもよいし、電子機器の筐体内でのレイアウト設計上で一体成形が困難である場合などには、それらをそれぞれ別体で製作して、所定の組み立て加工によって構成しても構わない。
さらに、ファンケーシングや関連部材の成形材料として、熱伝導性の良好な金属材料を選択すれば、それらの部材での熱拡散効果が得られ放熱性能を向上できて好ましいが、所望の冷却性能が得られより軽量化を求める場合などには、それらの構成要素を樹脂の成形材料で製作しても構わない。
本発明による遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器は、筐体内部に実装されたMPUやさまざまな発熱電子部品を冷却することが可能で、より静音性の求められるノートPC、PCサーバー、音響機器、映像機器などに有用である。
(a)本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の上方からの斜視図、(b)本発明の実施の形態1における遠心ファン装置のカバーを外した状態の斜視図 (a)本発明の実施の形態1における遠心ファン装置の平面図、(b)図2(a)のA−A矢視断面図 本発明の実施の形態1における遠心ファン装置のカバーを外した状態の平面図 本発明の実施の形態1における遠心ファンの斜視図 (a)本発明の実施の形態1における遠心ファンの部分拡大斜視図、(b)本発明の実施の形態1における遠心ファンを下方から見た部分拡大平面図 (a)本発明の実施の形態1における遠心ファンの下方から見た平面図、(b)ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡を示した図 同一ファン騒音における風量静圧特性の比較グラフ (a)本発明の実施の形態2における遠心ファン装置のカバーを外した状態の平面図、(b)本発明の実施の形態2における遠心ファンの斜視図 (a)本発明の実施の形態2における遠心ファンの下方から見た平面図、(b)遠心ファンを省略し、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡を示した図 同一回転速度(3500rpm)におけるFET(高速フーリエ変換)グラフ 本発明の実施の形態2における変形例を、ブレード部の正圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略真円形状の軌跡とブレード部の負圧面との接続部における環状整流板の外周側縁端部を結んだ略楕円形状の軌跡で示した図 (a)本発明の実施の形態3における遠心ファンの部分拡大斜視図、(b)本発明の実施の形態3における遠心ファンの上方から見た部分拡大平面図 (a)本発明の実施の形態4における電子機器の筐体内部を示した図、(b)本発明の実施の形態4における電子機器の筐体内部の部分断面図 (a)従来の技術における遠心ファン装置の羽根車の要部断面図、(b)従来の技術における羽根板の斜視図、(c)従来の技術における羽根車の外部における圧力の変化を示す特性図
符号の説明
11 遠心ファン装置
12 ファンケーシング
12a フレーム
12aa 側壁
12ab 底壁
12b カバー
12ba 内壁
13 排気口
14a 吸気口
14b 吸気口
15 遠心ファン
15a ハブ部
15b ブレード部
15ba 正圧面
15bb 負圧面
15be 環状整流板
16 回転軸
17 モーター駆動部
18 連結部
21 遠心ファン装置
22a フレーム
22aa 側壁
22ab 底壁
24a 吸気口
24b 吸気口
25 遠心ファン
25a ハブ部
25b ブレード部
25ba 正圧面
25bb 負圧面
25be 環状整流板
26 回転軸
36 回転軸
46 回転軸
55 遠心ファン
55a ハブ部
55b ブレード部
55ba 正圧面
55bb 負圧面
55be 整流板
60 電子機器
61 本体装置
61a 底面
61b 側面
62 ヒンジ機構
63 液晶表示装置
64 回路基板
65 発熱体
66 遠心ファン装置
67 受熱部
68 遠心ファン
68b ブレード部
68ba 正圧面
68bb 負圧面
68be 環状整流板
69 ファンケーシング
69a 吸気口
69b 吸気口
70 熱輸送部
71 通風口
72 通風口
73 排気口
Cin 吸気領域を示す仮想円
Ca 仮想円
Cb 仮想円
Da 直径
Db 直径
Eb 仮想楕円
K1b 曲線
K2b 曲線
L1b 直線距離
L2b 直線距離
Wa 半径方向の幅
Wb 半径方向の幅
FLOWa 空気の流れ
FLOWb 空気の流れ
R 回転方向

Claims (13)

  1. 円筒形状の外周面を有するハブ部と前記ハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、前記ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、前記遠心ファンを収容し、前記回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、前記吸気口の投影面積領域の外側に位置する前記ブレード部に環状整流板を設け、隣接するブレード部の間の前記環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部の幅を幅広とすることを特徴とする遠心ファン装置。
  2. 円筒形状の外周面を有するハブ部と前記ハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、前記ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、前記遠心ファンを収容し、前記回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、前記吸気口の投影面積領域の外側に位置する前記ブレード部に環状整流板を設け、隣接するブレード部の間の前記環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面の前記半径方向の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面の前記半径方向の幅を幅広とすることを特徴とする遠心ファン装置。
  3. 隣接するブレード部の間の前記環状整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との前記接続部から反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との前記接続部まで漸次幅広とすることを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  4. 前記環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、前記ブレード部の正圧面との前記接続部と負圧面との前記接続部とで異なり、負圧面との前記接続部の外周側縁端部が正圧面との前記接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  5. 前記環状整流板は、前記回転軸を中心とした軸対象に形成され、前記環状整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、前記ブレード部のそれぞれの正圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が前記回転軸を中心とした略真円形状を形成し、前記ブレード部のそれぞれの負圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って前記略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることを特徴とする請求項1記載の遠心ファン装置。
  6. 前記ブレード部のそれぞれの負圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が略楕円形状を形成することを特徴とする請求項5記載の遠心ファン装置。
  7. 円筒形状の外周面を有するハブ部と前記ハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、前記ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、前記遠心ファンを収容し、前記回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、前記吸気口の投影面積領域の外側に位置する前記ブレード部が整流板を介して互いに連接され、隣接するブレード部の間の前記整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との接続部の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との接続部の幅を幅広とすることを特徴とする遠心ファン装置。
  8. 円筒形状の外周面を有するハブ部と前記ハブ部を囲繞するように配置された複数のブレード部とを有する遠心ファンと、前記ハブ部の内側中央に固定された回転軸と、前記遠心ファンを収容し、前記回転軸の方向に少なくとも一つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた遠心ファン装置であって、前記吸気口の投影面積領域の外側に位置する前記ブレード部に整流板を介して互いに接続され、隣接するブレード部の間の前記整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面の前記半径方向の幅よりも反回転方向側に位置するブレード部の正圧面の前記半径方向の幅を幅広とすることを特徴とする遠心ファン装置。
  9. 隣接するブレード部の間の前記整流板の半径方向の幅は、回転方向側に位置するブレード部の負圧面との前記接続部から反回転方向側に位置するブレード部の正圧面との前記接続部まで漸次幅広とすることを特徴とする請求項7記載の遠心ファン装置。
  10. 前記整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、前記ブレード部の正圧面との前記接続部と負圧面との前記接続部とで異なり、負圧面との前記接続部の外周側縁端部が正圧面との前記接続部の外周側縁端部よりも内周側に位置することを特徴とする請求項7記載の遠心ファン装置。
  11. 前記整流板は、前記回転軸を中心とした軸対象に形成され、前記整流板の半径方向の外周側縁端部の位置は、前記ブレード部のそれぞれの正圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が前記回転軸を中心とした略真円形状を形成し、前記ブレード部のそれぞれの負圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が円周方向に沿って前記略真円形状の軌跡に周期的に内接する軌跡を形成する位置であることを特徴とする請求項7記載の遠心ファン装置。
  12. 前記ブレード部のそれぞれの負圧面との前記接続部の外周側縁端部を結ぶ軌跡が略楕円形状を形成することを特徴とする請求項11記載の遠心ファン装置。
  13. 請求項1から12いずれか1項に記載の遠心ファン装置を備えたことを特徴とする電子機器。
JP2007020852A 2007-01-31 2007-01-31 遠心ファン装置及びそれを備えた電子機器 Pending JP2008185000A (ja)

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