JP2007246983A - 成膜装置 - Google Patents

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泰秀 松尾
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Abstract

【課題】基板の表面に形成する重合膜の膜厚の分布を、容易かつ確実に制御できる成膜装置を提供すること。
【解決手段】成膜装置1は、チャンバー2と、膜を形成する基板10を保持する静電チャック(保持手段)3と、チャンバー2内に膜材料を含むガスを供給するガス供給手段4と、静電チャック3との間に電界を付与する電界付与手段5と、チャンバー2内を減圧する減圧手段6とを備えている。この成膜装置1は、電界を付与することにより、膜材料を含むガスをプラズマ化するとともに、膜材料を重合して、基板10の表面に重合膜を形成する。また、静電チャック3は、基板10を保持する保持部31と、保持部31内に埋設された複数の吸着用電極と、これらの吸着用電極に電圧を印加する電源33とを有している。そして、成膜装置1は、複数の吸着用電極に印加する電圧の値を異ならせることにより、形成される重合膜の厚さの分布を制御するよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置に関する。
膜を形成するための原料ガスを含む混合ガス中に、電界を生じさせ、この電界によって生成されたプラズマの作用で原料ガスを重合することにより、基板上に重合膜を形成するプラズマ重合装置が知られている。
かかるプラズマ重合装置では、原料ガスの流量や圧力、電界を生じさせるための高周波電力や周波数等の各パラメータを適宜設定することにより、重合膜の膜厚や成膜速度を調整することが行われている。
例えば、特許文献1には、処理ガス供給手段と、処理室内排気手段と、プラズマ発生手段とを有し、基板に対して、プラズマエッチング、プラズマCVD、プラズマ重合等の各種プラズマ処理を施すプラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この装置では、例えば、プラズマ発生手段の高周波電力を設定することにより、プラズマ状態を制御するとともに、成膜速度等の処理速度を制御することができる。
しかしながら、高周波電力や、前述したような各パラメータは、いずれもプラズマの状態(例えば、プラズマの密度)を制御するパラメータである。プラズマは、イオンや電子等が非常に不安定に存在したものであるため、その状態を厳密に制御することは容易ではない。このため、このようなプラズマ状態は、空間中で不均一になり易く、これが重合膜の膜厚や成膜速度のバラツキの要因となっている。
図5は、従来の成膜装置を用いて基板上に形成した重合膜の膜厚分布の例を示すグラフである。膜厚の分布が図5のように不均一になっていると、例えば、重合膜を形成した基板を分割し、得られた分割基板を各種用途に使用する場合、分割基板ごとに重合膜の膜厚が著しく異なるため、各分割基板における重合膜の各種特性(電気的特性、化学的特性および機械的特性等)にも大きなバラツキが生じる。
特開2005−175503号公報
本発明の目的は、基板の表面に形成する重合膜の膜厚の分布を、容易かつ確実に制御できる成膜装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の成膜装置は、膜材料を含むガスに電界を付与することによりプラズマ化するとともに、前記膜材料を重合して、その重合物を基板の表面に堆積させて重合膜を形成する成膜装置であって、
チャンバーと、
該チャンバー内に設けられ、前記基板を保持する保持面を備える保持部と、電圧を印加することにより静電力を生じさせ、該静電力により前記基板を前記保持面に吸着する複数の吸着用電極とを備える保持手段と、
前記保持面との間に電界を付与する電界付与手段と、
前記チャンバー内に前記ガスを供給するガス供給手段とを有し、
前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を異ならせることにより、前記重合膜の厚さの分布を制御するよう構成したことを特徴とする。
これにより、基板の表面に形成する重合膜の膜厚の分布を、容易かつ確実に制御できる成膜装置が得られる。
本発明の成膜装置では、前記複数の吸着用電極は、それぞれ、その平面視における面積がほぼ等しいことが好ましい。
これにより、目的とする膜厚に比例するように、複数の吸着用電極に印加する電圧を設定すれば、目的の膜厚の重合膜の形成を、容易かつ確実に行うことができる。
本発明の成膜装置では、前記複数の吸着用電極は、ほぼ等しい間隔で配設されていることが好ましい。
これにより、複数の吸着用電極に電圧を印加した際、誘導分極に伴って基板が帯電する帯電量が均一になり易い。すなわち、吸着用電極に印加する電圧の値と、基板の帯電量との間に、一定の相関関係が形成され易くなる。これにより、基板の帯電量および重合膜の膜厚分布を確実に制御することができるようになる。
本発明の成膜装置では、平面視における前記複数の吸着用電極が前記保持面に対して占める面積の割合が、50%以上であることが好ましい。
これにより、基板の全面において、形成される重合膜の膜厚分布を制御することができる。また、基板の全体を、ほぼ均一の吸着力で吸着することができる。
本発明の成膜装置では、前記複数の吸着用電極は、マトリクス状に配設されていることが好ましい。
これにより、基板の平面視形状に関わらず、形成される重合膜の膜厚分布の制御が容易になる。
本発明の成膜装置では、前記複数の吸着用電極は、放射状に配設されていることが好ましい。
これにより、基板の中央部と周辺部との間で、形成される重合膜の厚さ分布を容易に制御することができる。このため、このような静電チャックは、特に、電界付与手段が平行平板電極で構成されていて、基板の表面に、均一な厚さの重合膜を形成する場合に、好適に用いられるものとなる。
本発明の成膜装置では、前記電界付与手段は、前記保持面との間に電界を生じさせる印加電極と、該印加電極に高周波電圧を印加する高周波電源とを備えることが好ましい。
これにより、印加電極と保持面との間の混合ガスをプラズマ化するとともに、原料ガスに重合反応を生じさせることができる。
本発明の成膜装置では、前記保持部は、前記保持面が前記印加電極に対して、ほぼ平行になるよう配置されていることが好ましい。
これにより、印加電極と保持面との間の電界強度分布のバラツキを抑制することができ、生成されるプラズマの密度のさらなる均一化を図ることができる。
本発明の成膜装置では、前記印加電極の前記保持面に対向する面は、前記保持面より大きいことが好ましい。
これにより、印加電極が基板の全面を覆うことができ、基板の全面にわたって、生成されるプラズマの密度の均一化を図ることができる。その結果、基板の表面に形成される重合膜の膜厚分布の制御を、より容易に行うことができる。
本発明の成膜装置では、前記保持部は、前記保持面が鉛直方向に対して、ほぼ平行になるよう配置されていることが好ましい。
これにより、基板を鉛直方向に対して、ほぼ平行に保持することができる。その結果、基板の表面に異物等が堆積するのを確実に防止しつつ、重合膜を選択的に形成することができる。
本発明の成膜装置では、前記基板の表面に形成される重合膜の厚さの分布が、前記基板の全体にわたって均一になるように、前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を設定することが好ましい。
これにより、基板の全体にわたって厚さがほぼ均一な重合膜を形成することができる。
本発明の成膜装置では、前記重合膜の厚さの最大値と最小値との差が、平均厚さの10%以下となるように、前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を設定することが好ましい。
これにより、例えば、前記基板を複数の膜付き基板に分割して使用する場合に、各膜付き基板が備える重合膜の電気的特性、化学的特性および機械的特性のような各種特性の均一化を図る(バラツキを防止する)ことができる。
本発明の成膜装置では、前記保持面に前記基板を吸着させた状態で、前記基板の縁部側に位置する前記吸着用電極に印加する電圧を、これより内側に位置する前記吸着用電極に印加する電圧より高い値に設定することが好ましい。
これにより、基板の全体にわたって厚さがほぼ均一な重合膜を容易に形成することができる。
以下、本発明の成膜装置について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の成膜装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の成膜装置の第1実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本発明の成膜装置は、プラズマを発生させ、そのプラズマにより膜材料を重合(プラズマ重合)して、その重合物を基板の表面に堆積させて重合膜を形成する装置である。
図1に示す成膜装置1は、チャンバー2と、膜を形成する基板10を保持する静電チャック(保持手段)3と、チャンバー2内に膜材料を含むガスを供給するガス供給手段4と、静電チャック3との間に電界を生じさせる電界付与手段5と、チャンバー2内を減圧する減圧手段6とを備えている。
以下、各部について詳細に説明する。
基板10は、成膜装置1により、その表面に重合膜を形成されるものである。
このような基板10としては、例えば、ガラス基板、セラミックス基板、シリコン基板、化合物半導体基板等が挙げられる。
また、本実施形態では、基板10が接地線11により、接地されている。
チャンバー2は、内部の気密を保持し得る容器であり、内部を減圧(真空)状態にして使用されるため、内部と外部との圧力差に耐え得る耐圧性能を有するものとされる。
このチャンバー2の構成材料には、例えば、ステンレス鋼のような金属材料、アルミナのようなセラミックス材料等を用いることができる。
また、チャンバー2の上方に供給口22が、下方に排気口23が、それぞれ設けられており、供給口22および排気口23を介して、チャンバー2の内部と外部とが連通している。そして、供給口22にはガス供給手段4が、排気口23には減圧手段6が、それぞれ接続されている。
なお、本実施形態では、チャンバー2の構成材料は、電気伝導性の金属材料で構成されている。そして、チャンバー2は、接地線21を介して接地されている。
静電チャック3は、基板10を保持面311に接触させた状態で保持する保持部31と、保持部31内に埋設された複数(本実施形態では16個)の吸着用電極3201〜3216と、この吸着用電極3201〜3216にそれぞれ電圧を印加する電源33と、吸着用電極3201〜3216と電源33とをそれぞれ接続する配線34とを有している。このように、吸着用電極3201〜3216が保持部31内に埋設されていることにより、後述する電界付与手段5により、吸着用電極3201〜3216が放電するのを防止するとともに、吸着用電極3201〜3216の露出を防止して、その劣化を防止することができる。
図2は、図1に示す成膜装置が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。なお、図2(a)は、図1に示す静電チャックのA−A線断面図、図2(b)は、図1に示す静電チャックの部分拡大図である。
以下、図2に基づいて、静電チャック3について詳述する。
保持部31の構成材料としては、誘導分極が生じる材料であれば特に限定されず、例えば、半導体(半絶縁)材料または絶縁体材料等が挙げられる。
静電チャック3では、電源33から吸着用電極3201〜3216に直流電圧を印加すると、図2(b)に示すように、保持部31の吸着用電極3201〜3204と保持面311との間に、それぞれ誘導分極Pが生じる。また、同様に、吸着用電極3205〜3216と保持面311との間にも、それぞれ誘導分極が生じる。本実施形態では、吸着用電極3201〜3216にそれぞれ電源33の正極を接続しているため、吸着用電極3201〜3216には、正電位が帯電している。このため、この電位にしたがって分極した誘導分極Pが生じる。そして、この誘導分極Pに応じて、図2(b)に示すように基板10が帯電することとなる。
このような帯電状態では、基板10と保持面311との間に、ジョンソン・ラベック力やクーロン力等の静電力に基づく吸着力が発生し、基板10は保持面311に吸着することとなる。このうち、特に、ジョンソン・ラベック力に基づく吸着力を用いて基板10を吸着するものが好ましい。ジョンソン・ラベック力は、低電圧で大きな吸着力を得ることができるため、静電チャック3は、基板10を確実に保持し得るものとなる。
また、保持部31またはその構成材料は、その固有抵抗値が10〜1013Ω・cm程度であるのが好ましく、10〜1010Ω・cm程度であるのがより好ましい。固有抵抗値がこのような範囲であれば、より強いジョンソン・ラベック力を発生させることができる。これにより、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧を比較的低くしても、十分な吸着力が得られる。また、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧を高くすることにより、より強固な吸着力を得ることもできる。
ここで、前述したように、吸着用電極3201〜3216に電圧を印加すると、誘導分極Pが生じて、基板10が帯電する。
ところで、後に詳述するが、図1および図2に示す成膜装置1に用いられている電界付与手段5は、いわゆる平行平板電極で構成されている。
このような平行平板電極では、一般に、電極の平面視における中央部と周辺部とにおいて、基板の表面に形成される重合膜の成膜速度が異なり、中央部における成膜速度が周辺部における成膜速度より速い傾向にある。これは、平行平板電極では、電極の中央部近傍と周辺部近傍とでプラズマの状態が異なっているためであると考えられる。これにより、平行平板電極を備えた従来の成膜装置では、基板に形成される重合膜の厚さが、基板の中央部と周辺部とで異なるという問題、具体的には、例えば、図5に示すように、基板の中央部における重合膜の厚さが周辺部における重合膜の厚さが厚くなるという問題を生じていた。
この重合膜の厚さは、従来、原料ガスの流量や圧力、電界を生じさせるための高周波電力の電圧や周波数等の各パラメータを適宜設定することにより、制御することが試みられた。
しかしながら、これらのパラメータは、いずれもプラズマの状態(例えば、プラズマの密度)を制御するパラメータである。プラズマは、イオンや電子等が非常に不安定に存在したものであるため、その状態を厳密に制御することは容易ではない。したがって、例えば、基板の中央部と周辺部とで重合膜の厚さが異なるという問題に対しては、有効な解決手段が存在しなかった。
また、これらのパラメータを変更する場合には、高周波電力の電圧や周波数等を高精度に変更する機構や、原料ガスの流量や圧力を高精度に変更する機構を設ける必要があり、成膜装置の複雑化および高コスト化という問題も招いていた。
このような問題を解決するため、本発明者は、基板10の帯電量に応じて、基板10の表面に形成される重合膜の厚さが変化することを見出した。そして、検討を重ねる中で、複数の吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値をそれぞれ異ならせて、各吸着用電極に対応する基板10の帯電量を変化させることにより、基板10の表面に形成される重合膜の膜厚の分布を制御可能であることをも見出し、本発明を完成するに至った。
このような本発明の成膜装置では、例えば、図2(a)に示す複数の吸着用電極3201〜3216のうちのいずれか1つの吸着用電極に印加する電圧を高めることにより、その吸着用電極に対応した基板10の表面に形成される重合膜の膜厚を、他の部分より厚くすることができる。
すなわち、成膜装置1(本発明の成膜装置)によれば、複数の吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値を、それぞれ異なるように設定するという簡単な構成で、重合膜の膜厚の分布を容易かつ確実に制御することができる。
吸着用電極3201〜3216に印加する電圧は、吸着用電極3201〜3216のサイズ等に応じて若干異なるが、0.1〜10kV以下であるのが好ましく、1〜10kV以下であるのがより好ましい。
また、図2(a)に示す吸着用電極3201〜3216は、それぞれ、その平面視における面積がほぼ等しくなっている。このような構成の吸着用電極3201〜3216は、保持部31の吸着用電極3201〜3216と保持面311との間に、印加した電圧に比例した数(量)の分極電荷を発生させる。さらに、この分極電荷の数に応じて、基板10の帯電量が変化し、その帯電量に応じて、形成される重合膜の膜厚が変化することとなる。
換言すれば、基板10の表面に所望の膜厚分布で重合膜を形成する場合、それぞれ、目的とする膜厚に比例するように、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧を設定すれば、目的の膜厚の重合膜の形成を、容易かつ確実に行うことができる。
さらに、図2(a)に示す吸着用電極3201〜3216は、ほぼ等しい間隔で配設されている。これにより、吸着用電極3201〜3216に電圧を印加した際、誘導分極に伴って基板10が帯電する帯電量が均一になり易い。すなわち、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値と、基板10の帯電量との間に、一定の相関関係が形成され易くなる。これにより、基板10の帯電量および重合膜の膜厚分布を確実に制御することができるようになる。
保持面311は、その大きさ(面積)が、基板10の全体を保持し得る大きさより大きいことが好ましい。これにより、基板10の全体を保持することができ、基板10に反り等の変形が生じるのを防止することができる。その結果、基板10の全面において、形成される重合膜の膜厚分布を制御することができる。
また、平面視における吸着用電極3201〜3216が保持面311に対して占める面積の割合は、50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。これにより、前述と同様に、基板10の全面において、形成される重合膜の膜厚分布を制御することができる。また、基板10の全体を、ほぼ均一の吸着力で吸着することができる。
保持部31は、その形状を特に限定しないが、例えば、平面視で長方形、正方形のような四辺形、真円、楕円形、長円形のような円形をなしている。なお、本実施形態の保持部31は、図2(a)に示すように、平面視で正方形をなしている。
前述したように、本実施形態では、保持部31内に16個の吸着用電極3201〜3216が埋設されている。
この吸着用電極の個数は、できるだけ多い方が好ましく、具体的には、4個以上が好ましく、8個以上がより好ましく、12個以上がさらに好ましい。これにより、基板10の表面に形成される重合膜の膜厚分布を、より高精度に制御することができる。
また、本実施形態では、これらの吸着用電極3201〜3216が、図2(a)に示すように、マトリクス状(行列状)に配設されている。吸着用電極3201〜3216がこのようにマトリクス状に配列していることにより、基板10の平面視形状に関わらず、形成される重合膜の膜厚分布の制御が容易になる。
また、図1に示す保持部31は、保持面311が鉛直方向に対して、ほぼ平行になるように配置されている。これにより、基板10を鉛直方向に対して、ほぼ平行に保持することができる。その結果、基板10の表面に異物等が堆積するのを確実に防止しつつ、重合膜を選択的に形成することができる。
チャンバー2の上方には、ガス供給手段4が設けられている。
ガス供給手段4は、液状の膜材料(原料液)を貯留する貯液部41と、液状の膜材料を気化してガス状に変化させる気化装置42と、キャリアガスを貯留するガスボンベ43とを有している。また、これらの各部とチャンバー2の供給口22とが、それぞれ配管44で接続されており、ガス状の膜材料(原料ガス)とキャリアガスとの混合ガスを、供給口22からチャンバー2内に供給するように構成されている。
貯液部41に貯留される液状の膜材料は、成膜装置1により、重合して基板10の表面に重合膜を形成する原材料となるものである。
このような液状の膜材料は、気化装置42により気化され、ガス状の膜材料(原料ガス)となってチャンバー2内に供給される。
ガスボンベ43に貯留されるキャリアガスは、後述する電界付与手段5の作用により放電し、およびこの放電を維持するために導入するガスである。このようなキャリアガスとしては、例えば、Arガス、Heガス等が挙げられる。
混合ガス中における原料ガスの占める割合(混合比)は、原料ガスやキャリアガスの種類や目的とする成膜速度等によって若干異なるが、例えば、混合ガス中の原料ガスの割合を20〜70%程度に設定するのが好ましく、30〜60%程度に設定するのがより好ましい。これにより、重合膜の形成(成膜)の条件の最適化を図ることができる。
また、供給するガスの流量は、ガスの種類や目的とする成膜速度、膜厚等によって適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、原料ガスおよびキャリアガスの流量を、それぞれ、1〜100ccm程度に設定するのが好ましく、10〜60ccm程度に設定するのがより好ましい。
また、チャンバー2内の供給口22の近傍には、拡散板45が設けられている。
拡散板45は、チャンバー2内に供給される混合ガスの拡散を促進する機能を有する。これにより、混合ガスは、チャンバー2内に、ほぼ均一の濃度で分散する。このため、後述する電界付与手段5と基板10との間で発生するプラズマの密度の均一化を図ることができる。
電界付与手段5は、保持面311との間に電界を生じさせる印加電極51と、印加電極51に高周波電圧を印加する高周波電源52と、インピーダンスを最適化するマッチングボックス53とを有している。また、これらの各部は、それぞれ配線54を介して接続されており、高周波電源52は、接地線55を介して接地されている。
印加電極51は、保持面311に対向して設けられている。
本実施形態では、前述したように、チャンバー2が接地されているため、印加電極51は、チャンバー2との間に電位差が生じ、これらの間に電界を付与する。すなわち、印加電極51とチャンバー2とは、前述したように、いわゆる平行平板電極の形態をなしている。これにより、印加電極51と保持面311との間に電界が生じることとなる。そして、印加電極51と保持面311との間の混合ガスをプラズマ化するとともに、原料ガスに重合反応を生じさせることができる。その結果、基板10の表面に、膜材料が重合した重合物を堆積させ、重合膜を形成(成膜)することができる。このように、チャンバー2を印加電極51に対向する対向電極として用いることにより、対向電極を省略することができ、成膜装置1の構成の簡素化を図ることができる。
なお、静電チャック3とチャンバー2との間に、別途対向電極を設けるようにしてもよい。この場合、チャンバー2に接続された接地線21を省略することができる。
図1に示す印加電極51は、平板状をなしている。そして、前述した保持部31は、その保持面311が、印加電極51に対してほぼ平行になるよう配置されている。これにより、印加電極51と保持面311との間の電界強度分布のバラツキを抑制することができ、生成されるプラズマの密度のさらなる均一化を図ることができる。
また、印加電極51の保持面311に対向する面は、その大きさが保持面311より大きいことが好ましい。これにより、印加電極51が基板10の全面を覆うことができ、基板10の全面にわたって、生成されるプラズマの密度の均一化を図ることができる。その結果、基板10の表面に形成される重合膜の膜厚分布の制御を、より容易に行うことができる。
高周波電源52は、印加電極51に印加する高周波電圧を発生する。
高周波電源52が発生する高周波電圧の周波数は、特に限定されないが、10〜100MHz程度であるのが好ましく、10〜40MHz程度であるのがより好ましい。
また、高周波電源52が発生する電圧(電力)の出力は、100〜5000W程度とするのが好ましく、300〜1200W程度とするのがより好ましい。
なお、図示されていないが、電界付与手段5は、高周波電源52の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源52のパワー(電力)調整手段を有していてもよい。これにより、必要に応じ、印加電極51が生じさせる電界の強度を調整することができる。
チャンバー2の下方には、減圧手段6が設けられている。
減圧手段6は、チャンバー2の排気口23を介して、チャンバー2内の気体を排気して減圧するポンプ61と、排気口23に設けられ、チャンバー2内の圧力を調整する圧力制御機構62とを有している。
ポンプ61を用いてチャンバー2内を減圧することにより、混合ガスを容易にプラズマ化することができる。また、大気雰囲気との接触等による基板10の汚染・酸化等も防止することができる。
圧力制御機構62は、チャンバー2内が所定の圧力となるようポンプ61の排気速度を調整することができる。
なお、チャンバー2内の圧力は、ガス供給手段4の動作に応じて、適宜設定するのが好ましい。
具体的には、ガス供給手段4が動作していないとき、すなわち、チャンバー2内への混合ガスの供給がなされていないときは、チャンバー2内の圧力を1Pa以下に設定するのが好ましく、0.001〜0.3Pa以下に設定するのがより好ましい。これにより、チャンバー2内を、実質的に残留ガスが存在しない状態とすることができ、成膜時に残留ガスが重合膜の形成に影響を及ぼすのを防止することができる。なお、チャンバー2内の圧力が前記下限値を下回ってもよいが、より排気速度が大きく高価なポンプを用いる必要がある。
また、ガス供給手段4が動作しているとき、すなわち、チャンバー2内に混合ガスが供給されているときは、チャンバー2内の圧力を0.1〜10Pa程度に設定するのが好ましく、1.5〜6Pa程度に設定するのがより好ましい。これにより、混合ガスを容易かつ確実にプラズマ化することができる。
次に、成膜装置1の作用(動作)を説明する。
まず、チャンバー2内に基板10を収納し、静電チャック3の保持面311の表面付近に基板10を支持した状態で、吸着用電極3201〜3212に通電して、基板10を保持面311に吸着させて保持する。
ここで、本実施形態では、電圧の設定の一例として、吸着用電極3201〜3216のうち、基板10の縁部側に位置する電極3201〜3212に印加する電圧の値が、基板10の中央側(基板10の縁部側より内側)に位置する吸着用電極3213〜3216に印加する電圧の値より高くなるよう設定する。
この状態で、基板10の表面に、以下のようにして重合膜を形成する。
まず、減圧手段6の作動により、チャンバー2内を前述したような減圧状態とする。
次に、ガス供給手段4の作動により、原料ガスとキャリアガスの混合ガスをチャンバー2内に供給する。
次に、電界付与手段5の作動により、印加電極51とチャンバー2との間に電界を付与する。これにより、混合ガスをプラズマ化するとともに、原料ガスに重合反応を生じさせて、重合物を得る。そして、基板10の表面に、重合物が堆積し、重合膜が形成されることとなる。
このとき基板10の表面に形成される重合膜の厚さは、各吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値に応じて変化するため、吸着用電極3201〜3212に対応する基板10における成膜速度は、吸着用電極3213〜3216に対応する基板10における成膜速度より速くなり、形成される重合膜の厚さが厚くなる傾向にある。
一方、平行平板電極では、前述したように、印加電極51の縁部側に対応する領域、すなわち、吸着用電極3201〜3212に対応する基板10の重合膜の厚さは、印加電極51の中央側に対応する領域、すなわち、吸着用電極3213〜3216に対応する基板10の重合膜の厚さより厚くなる傾向にある。
本実施形態では、これらの2つの傾向が相殺されることになるため、これを考慮して、最終的に得られる重合膜の厚さの分布が基板10の全体にわたってほぼ均一になるよう、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値をあらかじめ設定しておくのが好ましい。これにより、基板10の全体にわたって厚さがほぼ均一な重合膜を形成することができる。
また、この場合、吸着用電極3201〜3216に印加する電圧の値を、重合膜の厚さの最大値と最小値との差が平均厚さの10%以下になるよう設定するのが好ましく、前記差が平均厚さの6%以下になるよう設定するのがより好ましい。重合膜の厚さの最大値と最小値の差が前記範囲内であれば、基板10の表面に形成される重合膜の厚さがほぼ均一となる。これにより、得られた重合膜の厚さに依存する特性、例えば、絶縁性のような電気的特性、耐候性、耐食性のような化学的特性、強度のような機械的特性を、いずれも均一にすることができる。その結果、例えば、基板10を複数の膜付き基板に分割して使用する場合に、各膜付き基板が備える重合膜の各種特性の均一化を図る(バラツキを防止する)ことができる。
なお、重合膜の成膜時間は、重合膜の成膜速度や目的とする膜厚に応じて異なり、特に限定されないが、例えば、30〜10000sec程度であるのが好ましく、200〜1000sec程度であるのがより好ましい。
また、吸着用電極32に印加する電圧の値を設定することと併せて、前述の各パラメータを設定することにより、基板10の表面に形成される重合膜の厚さを制御するようにしてもよい。
以上のような成膜装置(本発明の成膜装置)1によれば、成膜装置を極めて簡単な構成とし、かつ、前述のプラズマの状態を制御する各パラメータを変更することなく、基板10の表面に形成される重合膜の厚さを制御することができる。すなわち、重合膜の厚さの制御および厚さ分布の制御を容易かつ確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、一例として、均一な厚さの重合膜を形成する場合について説明したが、本発明によれば、例えば、膜厚の分布に所定の勾配を有する重合膜を形成することもできる。
<第2実施形態>
次に、本発明の成膜装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の成膜装置の第2実施形態が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。なお、図3(a)は、本発明の成膜装置の第2実施形態が備える静電チャックを電界付与手段側から見た平面図、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の成膜装置は、保持部に埋設された吸着用電極の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態の成膜装置は、図3(a)に示すように、保持部31内に複数の吸着用電極3201〜3216が埋設されており、これらの電極間に電源33から配線34を介して直流電圧を印加し得るよう構成されている。
具体的には、吸着用電極3201、3204を一対として、これらの電極間に電圧が印加されている。また、一対の吸着用電極3202、3203、一対の吸着用電極3212、3205、一対の吸着用電極3213、3214、一対の吸着用電極3211、3206、一対の吸着用電極3216、3215、一対の吸着用電極3210、3207、および一対の吸着用電極3209、3208にも、それぞれ電極間に電圧が印加されている。
そして、一対の吸着用電極3201、3204間に直流電圧を印加すると、図3(b)に示すように、保持部31の吸着用電極3201、3204と保持面311との間に、誘導分極Pが生じる。本実施形態では、吸着用電極3201に電源33の負極を、吸着用電極3204に電源33の正極を、それぞれ接続しているため、吸着用電極3201には負電位が、吸着用電極3204には正電位が、それぞれ帯電することとなる。このため、これらの電位にしたがって、それぞれ誘導分極Pが生じる。
また、前述したその他の一対の吸着用電極間にも、それぞれ同様に直流電圧を印加すると、図3に示すように、各吸着用電極と保持面311との間に、誘導分極Pが生じる。
そして、これらの誘導分極Pに応じて、図3(b)に示すように基板10が帯電することとなる。
本実施形態の成膜装置によれば、基板10を接地する接地線11を省略することができるため、基板10を保持面311に保持する作業を効率よく行うことができる。
以上のような本実施形態の成膜装置においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
なお、図3に示す静電チャック3は、保持部31内に一対の吸着用電極が埋設され、これらの電極間に電圧を印加する形態の静電チャック、いわゆる「双極型」の静電チャックである。
<第3実施形態>
次に、本発明の成膜装置の第3実施形態について説明する。
図4は、本発明の成膜装置の第3実施形態が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。なお、図4(a)は、本発明の成膜装置の第3実施形態が備える静電チャックを電界付与手段側から見た平面図、図4(b)は、図4(a)のC−C線断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の成膜装置は、保持部に埋設された吸着用電極の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態の成膜装置は、図4(a)に示すように、保持部31の形状が平面視で円形(真円)をなしている。
また、保持部31内に複数の吸着用電極321〜324が埋設されている。
このうち、吸着用電極321は、吸着用電極321a、321b、321cを備えている。また、吸着用電極322は吸着用電極322a、322b、322cを、吸着用電極323は吸着用電極323a、323b、323cを、吸着用電極324は吸着用電極324a、324b、324cを、それぞれ備えている。
また、図4(a)に示すように、吸着用電極321a、322a、323a、324aは、それぞれ、その平面視形状が扇形をなしており、吸着用電極321b、322b、323b、324b、321c、322c、323c、324cは、それぞれ、その平面視形状が円弧状をなしている。
そして、これらの電極は、図4(a)に示すように、保持部31の中心から外縁に向かって放射状に配設されている。このような配置の吸着用電極を備える静電チャック3によれば、基板10の中央部と周辺部との間で、形成される重合膜の厚さ分布を容易に制御することができる。このため、このような静電チャック3は、特に、電界付与手段5が平行平板電極で構成されていて、基板10の表面に、均一な厚さの重合膜を形成する場合に、好適に用いられるものとなる。
また、これらの電極間には、電源33から配線34を介して直流電圧を印加し得るよう構成されている。
具体的には、図4(b)に示すように、吸着用電極321a、324aを一対として、これらの吸着用電極間に電圧が印加されている。また、一対の吸着用電極321b、324b、および一対の吸着用電極321c、324cにも、それぞれ吸着用電極間に電圧が印加されている。
さらに、吸着用電極322、323においても、吸着用電極321、324と同様に、各吸着用電極間に電圧が印加されている。
ここで、一対の吸着用電極321a、324a間に直流電圧を印加すると、図4(b)に示すように、保持部31の吸着用電極321a、324aと保持面311との間に、誘導分極Pが生じる。本実施形態では、吸着用電極321aに電源33の負極を、吸着用電極324aに電源33の正極を、それぞれ接続しているため、吸着用電極321aには負電位が、吸着用電極324aには正電位が、それぞれ帯電することとなる。このため、これらの電位にしたがって、それぞれ誘導分極Pが生じる。
また、その他の吸着用電極においても、一対の吸着用電極321a、324aと同様に、誘導分極Pが生じる。
そして、これらの誘導分極Pに応じて、図4に示すように基板10が帯電することとなる。
以上のような本実施形態の成膜装置においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
なお、本実施形態では、「双極型」の静電チャック3について説明したが、「単極型」であってもよい。
以上、本発明の成膜装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前記各実施形態では、保持部内に吸着用電極を埋設した場合について説明したが、保持部の電界付与手段と反対側の面に、吸着用電極を備えていてもよい。
なお、成膜装置の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、または、任意の構成のものを付加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.プラズマ重合膜の作製
(実施例)
図1に示す成膜装置を用いて、ガラス基板上にプラズマ重合膜を作製した。以下に、成膜装置の仕様とプラズマ重合膜の作製手順を示す。
<成膜装置の仕様>
・静電チャックの保持部の構成材料 :窒化アルミニウム(固有抵抗値:10Ω・cm)
・縁部側の吸着用電極への印加電圧 :5kV(吸着用電極3201〜3212)
・中央側の吸着用電極への印加電圧 :3kV(吸着用電極3213〜3216)
・吸着用電極の面積占有率 :90%
・チャンバー内の圧力(ガス未導入時):0.3Pa
・チャンバー内の圧力(ガス供給時) :4Pa
・原料ガスの組成 :オルガノシロキサン(オクタメチルトリシロキサン、ヘプタメチルジシロキサン等)
・原料ガスの流量 :50ccm
・キャリアガスの組成 :アルゴン
・キャリアガスの流量 :50ccm
・原料ガスとキャリアガスの混合比 :1:1
・高周波電力の出力 :1000W
・高周波電力の周波数 :13.56MHz
・成膜時間 :300sec
<作製手順>
まず、ガラス基板を用意し、吸着用電極に所定の電圧を印加して、このガラス基板を吸着・保持した。
次に、上記の仕様にしたがって原料ガスとキャリアガスの混合ガスを、チャンバー内に供給するとともに、印加電極に電圧を印加した。これにより、ガラス基板上に、PPSi(plasma polymerization silicone)の重合膜を作製した。
(比較例)
各吸着用電極(吸着用電極3201〜3216)への印加電圧を、いずれも3kVとした以外は、前記実施例と同様にして、ガラス基板上にプラズマ重合膜を作製した。
2.プラズマ重合膜の評価
次に、実施例および比較例で得られたプラズマ重合膜(PPSi重合膜)について、その膜厚の最大値と最小値とを測定した。なお、膜厚の測定は、各ガラス基板上のほぼ全面を網羅する任意の20点について行った。そして、20個の測定値のうち、最大のものを最大値、最小のものを最小値とした。
測定の結果、実施例では、PPSi重合膜の膜厚の最大値と最小値との差は、平均厚さの3%であった。
一方、比較例では、最大値と最小値との間に、平均厚さの15%にも及ぶ差があった。
以上のことから、本発明の成膜装置によれば、複数の吸着用電極に印加する電圧の値を異ならせることにより、重合膜の厚さの分布を制御可能であることが明らかとなった。
本発明の成膜装置の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す成膜装置が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。 本発明の成膜装置の第2実施形態が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。 本発明の成膜装置の第3実施形態が備える静電チャックを拡大して示す部分拡大図である。 従来の成膜装置を用いて基板上に形成した重合膜の膜厚分布の例を示すグラフである。
符号の説明
1……成膜装置 2……チャンバー 21……接地線 22……供給口 23……排気口 3……静電チャック(保持手段) 31……保持部 311……保持面 3201〜3216、321〜324、321a〜324c……吸着用電極 33……電源 34……配線 4……ガス供給手段 41……貯液部 42……気化装置 43……ガスボンベ 44……配管 45……拡散板 5……電界付与手段 51……印加電極 52……高周波電源 53……マッチングボックス 54……配線 55……接地線 6……減圧手段 61……ポンプ 62……圧力制御機構 10……基板 11……接地線 P……誘導分極

Claims (13)

  1. 膜材料を含むガスに電界を付与することによりプラズマ化するとともに、前記膜材料を重合して、その重合物を基板の表面に堆積させて重合膜を形成する成膜装置であって、
    チャンバーと、
    該チャンバー内に設けられ、前記基板を保持する保持面を備える保持部と、電圧を印加することにより静電力を生じさせ、該静電力により前記基板を前記保持面に吸着する複数の吸着用電極とを備える保持手段と、
    前記保持面との間に電界を付与する電界付与手段と、
    前記チャンバー内に前記ガスを供給するガス供給手段とを有し、
    前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を異ならせることにより、前記重合膜の厚さの分布を制御するよう構成したことを特徴とする成膜装置。
  2. 前記複数の吸着用電極は、それぞれ、その平面視における面積がほぼ等しい請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記複数の吸着用電極は、ほぼ等しい間隔で配設されている請求項1または2に記載の成膜装置。
  4. 平面視における前記複数の吸着用電極が前記保持面に対して占める面積の割合が、50%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の成膜装置。
  5. 前記複数の吸着用電極は、マトリクス状に配設されている請求項1ないし4のいずれかに記載の成膜装置。
  6. 前記複数の吸着用電極は、放射状に配設されている請求項1ないし4のいずれかに記載の成膜装置。
  7. 前記電界付与手段は、前記保持面との間に電界を生じさせる印加電極と、該印加電極に高周波電圧を印加する高周波電源とを備える請求項1ないし6のいずれかに記載の成膜装置。
  8. 前記保持部は、前記保持面が前記印加電極に対して、ほぼ平行になるよう配置されている請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記印加電極の前記保持面に対向する面は、前記保持面より大きい請求項7または8に記載の成膜装置。
  10. 前記保持部は、前記保持面が鉛直方向に対して、ほぼ平行になるよう配置されている請求項1ないし9のいずれかに記載の成膜装置。
  11. 前記基板の表面に形成される重合膜の厚さの分布が、前記基板の全体にわたって均一になるように、前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を設定する請求項1ないし10のいずれかに記載の成膜装置。
  12. 前記重合膜の厚さの最大値と最小値との差が、平均厚さの10%以下となるように、前記複数の吸着用電極に印加する電圧の値を設定する請求項11に記載の成膜装置。
  13. 前記保持面に前記基板を吸着させた状態で、前記基板の縁部側に位置する前記吸着用電極に印加する電圧を、これより内側に位置する前記吸着用電極に印加する電圧より高い値に設定する請求項11または12に記載の成膜装置。
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