JP2007246425A - 防藻剤および防藻方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水環境における魚類や甲殻類など水生動物や人体に対する悪影響がなく、藻類生長阻害効果に優れた防藻剤および防藻方法を提供すること。
【解決手段】グリセリル化キトサンおよび/またはその塩からなることを特徴とする防藻剤、ならびに藻が発生する、若しくは発生している水環境に、グリセリル化キトサンまたはその塩を接触させることを特徴とする防藻方法。上記グリセリル化キトサンは固体、溶液または分散体であり得る。また、上記グリセリル化キトサンのグリセリル化度は0.1以上であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、防藻剤および防藻方法に関し、さらに詳しくは水環境中の魚類や甲殻類などの水生動物への悪影響が低く、藻類生長阻害効果に優れた防藻剤および防藻方法に関する。
従来、藻類が生育し易い産業用および一般的施設の水環境において、藻類が発生し、施設の各種設備・機器などの接水部に緑藻や藍藻などの藻類が付着し、様々な問題を引き起こす原因となっている。例えば、建造物、ボイラー、水路配管、クーリングタワー、空調設備、防火設備、養殖用設備、貯排水設備、レジャー用設備、プール、水族館、噴水、風呂、船底、魚網、海洋ケーブル、養殖場、水槽、農業用ハウス(フィルム)などにおいて藻類が発生し、雑菌や異臭が発生したり、藻類の発生により機器の接水部の劣化に伴う強度低下や美観の低下が大きな問題となっている。
上記藻類の発生や付着を防止するために、各種機器の接水面に殺菌剤や抗菌剤を含む被膜を形成することも行われているが、この場合には被膜中の殺菌剤などの水環境中への流出による水質汚染や水生生物への悪影響など、環境問題に繋がることも懸念される。特に、ボイラー、クーリングタワー、空調設備の機器類の接水部や船底などへの藻類の付着は、接水部の腐食や水流面の過剰抵抗となり、各種障害を起こす原因となる。
上述のような弊害を回避するために、防藻剤を各設備や資材などに適用することが知られている。また、従来から細菌類への抗菌性成分として知られている有機ピリジン系(例えば、特許文献1)、有機トリアジン系(例えば、特許文献2)、第4級アンモニウム化合物(例えば、特許文献3)などの有機系抗菌剤や、重金属(例えば、特許文献4)、ゼオライト(例えば、特許文献5)などを配合した無機系抗菌剤などが防藻剤として一般に使用されている。しかし、これらの抗菌剤などはいずれも、人体への悪影響や環境汚染などの問題があり、また、使用時における抗菌剤などの分散性や加工面などへの課題も多く残されている。特に、近年、合成薬剤による環境汚染の課題が社会的問題として注目されるなど、より安全な防藻剤の開発が急務である。
また、天然の高分子物であるキトサンが抗菌性を有することが知られており、実際にキトサンは各種フィルム、不織布、繊維製品への抗菌性付与剤として広範に利用される。これらの中で、キトサンの重金属錯体を樹脂に混練および成形して、防藻性成形体とする応用例(例えば、特許文献6)などもあるが、この応用例では、上記キトサンの錯体に重金属が含まれることや、キトサンの錯体が水などの媒体に対して親和性が低いことなどから用途が限られるなど、多くの課題が残されている。
特開平8−92012号公報 特開平9−241544号公報 特開平10−287511号公報 特開平6−48909号公報 特開平8−239600号公報 特開平8−113674号公報
本発明の目的は、水環境における魚類や甲殻類など水生動物や人体に対する悪影響がなく、藻類生長阻害効果に優れた防藻剤および防藻方法を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、グリセリル化キトサンおよび/またはその塩(以下単に「グリセリル化キトサン」という場合がある)からなることを特徴とする防藻剤を提供する。該グリセリル化キトサンは固体、溶液または分散体(以下溶液または分散体を「塗料」という場合がある)であり得る。また、上記グリセリル化キトサンのグリセリル化度は0.1以上であることが好ましい。
上記塗料の液媒体は水、水溶性有機溶剤または水と水溶性有機溶剤との混合物であり得る。また、上記塩を形成している酸は、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ウロカニン酸、化粧品原料基準(昭和42年8月厚生省告示第322号)記載の酸および食品添加物公定書記載の酸から選ばれる少なくとも1種の酸であることが好ましい。なお、本発明中「食品添加物公定書」とは食品衛生法(昭和22年12月24日法律第233号)第21条の規定に基づく食品添加物公定書のことをいう。
また、本発明は、藻が発生する、若しくは発生している水環境に、グリセリル化キトサンを接触させることを特徴とする防藻方法を提供する。上記水環境におけるグリセリル化キトサンの濃度は1〜100ppm(mg/L)とすること、および上記水環境が閉鎖水域であることが好ましい。
本発明によれば、水環境における魚類や甲殻類などの水生動物や人体に対する悪影響がなく、藻類生長阻害効果に優れた防藻剤および防藻方法を提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で用いるグリセリル化キトサンの原料であるキトサンは、カニ、エビ、昆虫などの甲殻類或いはキノコなどに含まれている天然高分子物の1種であるキチンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコースを1構成単位とする塩基性多糖類である。このような脱アセチル化キチンそれ自体は既に工業的に生産されており、種々のグレードのものが市場から入手することができ、本発明に使用するキトサンの起源、および製法に特別な制限はなく、従来より工業生産されているキトサンはいずれも使用できる。
本発明において、グリセリル化キトサンの原料として用いるキトサンの脱アセチル化度や重合度にも特別な制限はないが、通常、脱アセチル化度30%(モル)以上が好ましく、より好ましくは70%〜100%、さらに好ましくは80%〜100%である。また、当該キトサン1質量%および酢酸1質量%の水溶液の粘度が1mPa・s〜10,000mPa・s、特に3mPa・s〜100mPa・sとなるものがより好ましい。
上記脱アセチル化度が30%未満では、得られるグリセリル化キトサンの親水性が不十分であり、上記粘度が1mPa・s未満であると、グリセリル化キトサンから形成される被膜強度の点で不十分である。一方、上記粘度が10,000mPa・sを超えるキトサンでは、グリセリル化キトサン溶液の粘度が高くなりすぎ、該溶液のグリセリル化キトサンの濃度を著しく抑えざるを得ないため好ましくない。
本発明で使用するグリセリル化キトサンは、上記キトサンにオキシランメタノールを付加反応させることによって得られる。また、上記反応条件は特に限定されないが、例えば、キトサンを水、アルコール若しくは含水アルコール中に、具体的には、含水イソプロピルアルコール中に攪拌分散しておき、これにオキシランメタノールを添加し、次いで加熱攪拌することによりグリセリル化キトサンを得ることができる。なお、本発明で使用するグリセリル化キトサンの製造方法は上記方法に限定されない。
グリセリル化キトサンの親水性の点から、オキシランメタノールのキトサンへの付加率(グリセリル化度:単位なし)は、キトサンを構成しているピラノース環1個(1モル)当たり0.1(モル)以上であればよく、好ましくは0.1(モル)以上4(モル)以下であればよい。このようなグリセリル化度を得るためには、例えば、含水イソプロピルアルコール中でオキシランメタノールをキトサンに付加させるにあたり、キトサンを構成するピラノース環1個(1モル)当たり0.2モル以上10モル以下のオキシランメタノールを加えて反応するとよい。
上記グリセリル化キトサンの水に対する溶解性はグリセリル化度に依存し、グリセリル化度が2以上であれば、水に容易に溶解する。本発明に使用する場合、グリセリル化キトサンのグリセリル化度が0.1未満であると、グリセリル化キトサンの親水性が不十分であり、一方、上記グリセリル化度が4を超えると十分な親水性が得られるものの、経済的観点からは好ましくはない。
上記グリセリル化キトサンは粉末、フレーク、その他の固体として使用してもよいし、また、有機酸または無機酸との塩として使用してもよいし、さらにグリセリル化キトサンとその塩との混合物として使用してもよい。グリセリル化キトサンを塩とすると水に対する溶解性が向上するため、グリセリル化度が低いグリセリル化キトサンであっても、本発明の防藻剤として好適に使用できるようになる。また、グリセリル化キトサンを塩とすると、グリセリル化キトサン中のアミノ基がカチオン化され、抗菌作用が強まるという利点もある。塩とする場合の好ましい酸は、環境および人体に対する安全性の点から、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ウロカニン酸、化粧品原料基準記載の酸および食品添加物公定書記載の酸から選ばれる少なくとも1種の酸であることが好ましい。これらの酸は、前記グリセリル化反応の前後に反応液に添加することによってグリセリル化キトサンの塩とすることができる。
また、上記のグリセリル化キトサンを固体、例えば、粉末で使用する場合には、該粉末を水環境に直接添加し、水環境に溶解または分散させることができる。その使用量は、水環境の状態によって変化し一概には規定できないが、例えば、水生動物が棲息している閉鎖水域(養殖場、水槽、池など)に添加する場合には、濃度が1〜56ppm(mg/L)になる量で、該閉鎖水域における水生動物に悪影響を与えることなく藻類の発生を十分に抑えることができる。グリセリル化キトサンの濃度が56ppm(mg/L)を超えると防藻性は十分であるが、水生動物の生存に悪影響する可能性がある。一方、グリセリル化キトサンの濃度が1ppm(mg/L)未満では防藻性が不十分になる場合がある。なお、水生動物の生存に配慮が不要である場合には、グリセリル化キトサンの濃度は上記範囲を超えても問題はないが、経済的には100ppm(mg/L)以下であることが好ましく、60ppm以下であることがより好ましく、20ppm以下であることがさらに好ましい。
固体のグリセリル化キトサンは、前記グリセリル化後の溶液または分散液を脱溶剤したり、スプレードライすることにより粉末またはフレーク状で得られる。また、これらの固体のグリセリル化キトサンは、以下に述べる防藻塗料の防藻成分として使用することができる他、各種合成樹脂に添加して各種成形を行い防藻性樹脂成形体とすることもできる。
また、上記のグリセリル化キトサンは水性媒体の溶液または分散液(防藻塗料)として使用することができる。これらの防藻塗料は、前記キトサンのグリセリル化後の溶液または分散液そのものでもよいし、前記固体のグリセリル化キトサンを適当な液媒体中に溶解または分散させてもよい。これらの溶液または分散液に使用する液媒体としては、前記キトサンのグルセリル化時に使用した反応媒体そのものの他、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのグリコールのアルキルエーテル、アルキルエステルなどのグリコールまたはその誘導体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
上記の防藻塗料のグリセリル化キトサンの濃度は特に限定されないが、その操作性の観点からは、固形分濃度が、約0.1〜20質量%の範囲であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると、実際の使用に当たり使用容量が多くなるので好ましくはない。固形分濃度が高すぎると、液の粘度が高過ぎたり、分散性の維持が困難になる場合がある。また、防藻塗料は、防藻性が要求される閉鎖水域にグリセリル化キトサンの濃度が前記の濃度になるように添加して、該閉鎖水域に防藻性を付与することができる。また、防藻性が要求される各種機器の表面に塗布および乾燥してグリセリル化キトサンを含む防藻性被膜を形成することができる。
上記防藻性被膜の形成に際しては、必要に応じて界面活性剤、グリセリル化キトサン以外の被膜形成剤、被膜に耐水性を与える架橋剤、防腐剤、防黴剤、その他各種の添加剤を防藻塗料に加えることができる。このような防藻塗料によって形成される防藻被膜はグリセリル化キトサンの含有量が100質量%でもよいが、被膜形成剤などを使用する場合にはグリセリル化キトサンの濃度が被膜の約0.1質量%以上であることが好ましい。防藻被膜のグリセリル化キトサン濃度が約0.1質量%未満では防藻性能が十分に達成されない場合があり得る。
以上の如き本発明の防藻剤は、藻類が生育し易い産業用や一般施設、例えば、建造物、ボイラー、水路配管、クーリングタワー、空調設備、防火設備、養殖用設備、貯排水設備、レジャー用設備、プール、水族館、噴水、養殖場、水槽、風呂、池、湖などの閉鎖水域の防藻剤として有用である。また、船底、魚網、海洋ケーブル、農業用ハウス(フィルム)などの防藻剤としても有用である。また、これらの各種施設の各種設備の接水面(例えば、ガラス、プラスチック、金属、木材、コンクリート、石など)に防藻性を付与するための防藻塗料として有用である。
従来、キトサンが抗菌性を有すること、およびキトサンの重金属錯体が防藻性を有することは知られていたが、これらの従来の材料は何れも水や有機溶剤に対する溶解性がなく、酸の水溶液にのみ溶解するので、防藻剤としての使用が著しく制限されていた。これらに対して本発明で使用するグリセリル化キトサンは水や水溶性有機溶剤に対する溶解性や分散性が優れており、水生動物や人体に対して何らの悪影響がなく、しかも優れた防藻性を有することを見いだした。
すなわち、グリセリル化キトサンについて、OECDの定めたテストガイドラインである水生生物を中心とした生態影響に関する試験の3試験(藻類生長阻害試験:ガイドラインNo.201、ミジンコ急性遊泳阻害試験:ガイドラインNo.202、魚類急性毒性試験:ガイドラインNo.203)を行った結果、グリセリル化キトサンは魚類や甲殻類などの水生動物への影響が低く、藻類生長阻害効果に優れることが確認され、グリセリル化キトサンが防藻剤としての十分な有用性を有することを確認した。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
<グリセリル化キトサンの生態影響試験>
グリセリル化度1.1のグリセリル化キトサンを本発明の防藻剤とした。該グリセリル化キトサンを被験物質として、以下の3種の生態影響試験(A、BおよびC)を実施した。
A.藻類生長阻害試験
B.ミジンコ急性遊泳阻害試験
C.魚類急性毒性試験
A.藻類生長阻害試験
藻類生長阻害試験は、OECD化学品テストガイドラインNo.201に準拠して行った。本試験では、緑藻類の一種であるPseudokirchneriella subcapitataを供試生物とし、その生長に対する被験物質(グリセリル化キトサン)の影響を測定した。本試験の実施に先立ち、まず、予備試験として緑藻類の生長に影響が起こる被験物質の濃度範囲を決定するための毒性予測試験を実施した。次いで、決定した各濃度区において、緑藻類に被験物質を暴露し、その生長を一定期間測定した。なお、本藻類生長阻害試験において生長とは、試験期間中の緑藻細胞濃度の増加のことをいう。
A−1.試験条件
暴露方式:止水式、振とう培養(150rpm)
暴露期間:96時間
供試生物種:Pseudokirchneriella subcapitata(CCAP(Culture Collection of Algae and Protozoa、イギリス)より入手)
初期細胞濃度:104cells/mL(1mL当たりの細胞数)
試験液量:100mL(EPA培地)
連数:3容器/濃度区
試験温度:24℃±1℃
照明:7,000ルクス(連続照明)
培地:EPA培地(1L当たり炭酸水素ナトリウム96mg、硫酸カルシウム・二水和物60mg、硫酸マグネシウム60mgおよび塩化カリウム4mgを含む)
A−2.予備試験
本試験の実施に先立ち、培地中に被験物質を含まない対照区ならびに被験物質濃度が0.1、1、10および100mg/Lの各濃度区で毒性予測試験を行った。その結果、0.1mg/Lの濃度区では、緑藻の生長阻害は見られなかったが、1mg/Lの濃度区では16%の生長阻害が見られ、10mg/Lおよび100mg/Lの濃度区においては80%以上の生長阻害があった。生長速度阻害(0−96h)については、0.1mg/Lおよび1mg/Lの濃度区では著しい影響は見られなかったが、10mg/Lおよび100mg/Lでは明らかな生長速度の減退が見られた。この予備試験の結果に基づき、本試験では1、2、4、8および16mg/Lのテスト濃度区を用いることとした。
A−3.本試験
グリセリル化キトサン粉末(グリセリル化度1.1)1,100mgを、pH4.5に調整したEPA培地11Lに分散し、21℃にて24時間プロペラ撹拌(約1,500rpm)することにより溶解し、次いでpHを対照区のpH(pH7.8)に合わせることにより、グリセリル化キトサン濃度100mg/LのEPA培地を調製した。次に、上記グリセリル化キトサンを含むEPA培地と通常のEPA培地とを用いて、250mLのガラス製コニカルフラスコにグリセリル化キトサン濃度が1、2、4、8および16mg/Lの試験液を100mLずつ調製した。次に、前培養した緑藻類の培養液を細胞濃度が104cells/mLになるよう、上記試験液の入ったコニカルフラスコに添加し、これらのフラスコを24℃±1℃の培養装置に設置し試験を開始した。試験開始から0、24、48、72および96時間後に試験液の一部を採取し、細胞濃度を粒子計数装置(Coluter Multisizer Particle Counter、Coulter Electronics Ltd.社)で測定した。得られたデータをOECDガイドラインNo.201に則りデータ処理し、以下の結果を得た。
b50(72h(t1))=1.5mg/L
b50(96h(t2))=1.4mg/L
r50(0h(t0)−96h(t2))=7.4mg/L
無影響濃度(NOEC)=1.0mg/L
なお、上記の式中、Eb50(t1)とは、t時間後、対照区に比べ緑藻の生長率が50%減少する被験物質濃度のことであり、Er50(t0−t2)とは、t0からt2時間における単位時間当たりの緑藻の生長速度のことであり、無影響濃度(NOEC;no observed effect concentration)とは、供試生物への影響が観察されない被験物質濃度のことである。
B.ミジンコ急性遊泳阻害試験
ミジンコ急性遊泳阻害試験は、OECD化学品テストガイドラインNo.202に準拠して行った。本試験では、ミジンコの遊泳能力に対する被験物質の影響を測定した。本試験の実施に先立ち、まず、予備試験としてミジンコの遊泳能力に影響が起こる被験物質の濃度範囲を決定するための遊泳阻害予測試験を実施した。次いで、決定した各濃度区においてミジンコを被験物質に暴露させ、その遊泳阻害を一定期間測定した。なお、本ミジンコ急性遊泳阻害試験において、遊泳阻害とは、試験容器を穏やかに動かした後、ミジンコが15秒間泳げない状態のことをいう。
B−1.試験条件
暴露方式:止水式
暴露期間:48時間
供試生物種:オオミジンコ(Daphnia magna)
試験用水:脱塩素水道水
連数:2容器/濃度区
生物数:各濃度10個体×2連(20個体)
試験温度:21℃±1℃
B−2.予備試験
本試験の実施に先立ち、培地中に被験物質を含まない対照区ならびに被験物質濃度が0.1、1、10および100mg/Lの濃度区で遊泳阻害予測試験を行った。その結果、0.1、1および10mg/L濃度区ではミジンコの遊泳阻害は観察されなかったが、100mg/L濃度区では遊泳阻害が観察された。この予備試験の結果に基づき、本試験では、1.0、1.8、3.2、5.6、10、18、32、56および100mg/Lのテスト濃度区を用いることとした。
B−3.本試験
グリセリル化キトサン粉末(グリセリル化度1.1)1,100mgを、HCl(10mol/L)でpH4.5に調整した脱塩素水道水11Lに分散し、21℃にて24時間プロペラ撹拌(約1,500rpm)することにより溶解し、次いで、NaOH(1mol/L)を用いてpHを対照区のpH(pH7.6)と合わせることによりグリセリル化キトサン濃度100mg/Lの水溶液を調製した。該グリセリル化キトサン水溶液を脱塩素水道水で希釈し、グリセリル化キトサン濃度1.0、1.8、3.2、5.6、10、18、32および56mg/Lの試験液を調製した。次に、200mLの各試験液にミジンコを10個体ずつ移し、各試験液を21℃±1℃に保ちグリセリル化キトサン溶液への暴露を開始した。暴露開始から24時間後および48時間後にミジンコの遊泳阻害を観察した。得られたデータをOECDガイドラインNo.202に則りデータ処理し以下の結果を得た。
EC50(48h)=100mg/L
無影響濃度=56mg/L
なお、上記の式中、EC50(48h)とは、48時間の暴露にて、ミジンコの50%を遊泳阻害する被験物質濃度のことである。
C.魚類急性毒性試験
魚類急性毒性試験は、OECD化学品テストガイドラインNo.203に準拠して行った。本試験では、ニジマスに対する被験物質の影響を測定した。本試験の実施に先立ち、まず、予備試験としてニジマスに対し影響を起こす被験物質の濃度範囲を決定するための毒性予測試験を実施した。次いで、決定した各濃度区においてニジマスを被験物質に暴露し、ニジマスの状態観察(死亡など)を一定期間行った。
C−1.試験条件
暴露方式:半止水式
暴露期間:96時間
供試生物種:ニジマス(RAINBOW TROUT)
試験用水:脱塩素水道水
連数:2容器/濃度区
生物数:10尾/濃度区
試験温度:13.8℃〜14.7℃
C−2.予備試験
本試験の実施に先立ち、試験用水中に被験物質を含まない対照区ならびに被験物質濃度が10mg/Lおよび100mg/Lの濃度区で毒性予測試験を行った。その結果、10mg/L濃度区では死亡した魚はいなかったが、100mg/L濃度区では死にかかった魚が観察された。この予備試験の結果に基づき、本試験では10、18、32、56および100mg/Lのテスト濃度区を用いることとした。
C−3.本試験
グリセリル化キトサン粉末(グリセリル化度1.1)2,250mgを、HCl(10mol/L)でpH4.5に調整した脱塩素水道水22.5Lに分散し、約14℃にて24時間プロペラ撹拌(約1,500rpm)することにより溶解し、次いでNaOH(1mol/L)を用いてpHを対照区のpH(pH7.7)と合わせることにより、グリセリル化キトサン濃度100mg/Lの水溶液を調製した。該水溶液を脱塩素水道水で希釈し、グリセリル化キトサン濃度10、18、32および56mg/Lの試験液を調製した。次に、各試験液をそれぞれ20Lガラス容器に入れ、各ガラス容器にニジマスを10尾ずつ移し試験を開始した。試験開始から3、6、24、48、72および96時間後にニジマスの状態を観察した。得られたデータをOECDガイドラインNo.203に則りデータ処理し以下の結果を得た。
LC50(96h)>100mg/L(nominal)
LC50(96h)>89mg/L(TWM)
無影響濃度=56mg/L(nominal)
無影響濃度=47mg/L(TWM)
上記の式中、TWMとはTime-weighted meanの略で、試験液濃度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で実測した値(実測濃度)を意味し、nominalとは、試験液を調製した際の見掛け上の値(調製濃度)のことを意味する。また、LC50(96h)とは、ニジマスを被験物質に暴露し、96時間後の測定にて、50%のニジマスを死亡させる濃度のことである。
上記生態影響試験A〜Cの結果より、グリセリル化キトサンは、低濃度でも緑藻類の生長に影響を与えるものの(緑藻類に対する無影響濃度1.0mg/L)、ミジンコおよびニジマスに対しては高濃度でなければ影響を及ぼさない(無影響濃度はそれぞれ56mg/L、56mg/L(nominal)、47mg/L(TWM))ことが明らかとなった。また、グリセリル化キトサンが、緑藻類に対しミジンコおよびニジマスと比べ低濃度で効果を発揮する点は生長阻害作用などについても同様であった。これらの結果から、本発明のグリセリル化キトサンからなる防藻剤は、水中での濃度を適切に設定することにより、藻類生長抑制効果を有するものの、ミジンコなどの甲殻類およびニジマスなどの魚類を含む水生動物に対しては影響を与えない防藻剤として有用であることが明らかとなった。
以上の通り本発明の防藻剤が、緑藻類に対して生長阻害作用を持つものの、水生動物に対しては影響を与えない濃度としては、1mg/Lより大きく56mg/Lより小さい範囲を挙げることができる。
[実施例2]
<試料調製>
水90質量部にグリセリル化キトサン5質量部を分散し、クエン酸5質量部を加えた後、室温で4時間撹拌溶解し、一晩静置後、再度室温で1時間撹拌溶解し、グリセリル化キトサンを含む100質量部の本発明の防藻塗料を調製した。
ガラス板(板厚5mm×縦10cm×横10cm)の表面に、バーコーターを用いて、10g/m2の乾燥被膜量となるよう上記防藻塗料を塗布した。次いで、該ガラス板を150℃にて10分間加熱乾燥し、強固な被膜を形成した。なお、上記グリセリル化キトサンは、その原料キトサンを1質量%含む1質量%酢酸水溶液の粘度が10mPa・s(測定温度20℃、測定回転数30rpmにて、ブルックフィールド型回転粘度計で測定)、脱アセチル化度83%かつグリセリル化度1.8のものを使用した。
<試験評価>
上記加熱乾燥後のガラス板を、水2Lを収容した観賞用水槽に浸漬し、6ヶ月間試験観察を行った。試験開始から2ヶ月経過後、水槽内面には藻の付着が見られたのに対し、本発明の防藻塗料を塗布した上記ガラス板には藻の付着は認められなかった。6ヶ月経過後、水槽内面にはしっかりと強固に付着した藻が観察されたのに対し、上記ガラス板には、ほんの僅かな藻が見られたものの、極簡単に洗い流せることが確認できた。
[実施例3]
<試料調製>
水90質量部にグリセリル化キトサン5質量部を分散し、コハク酸5質量部を加えた後、室温で4時間撹拌溶解し、一晩静置後、再度室温で1時間撹拌溶解し、グリセリル化キトサンを含む100質量部の本発明の防藻塗料を調製した。
ガラス板(板厚5mm×縦10cm×横10cm)の表面に、バーコーターを用いて、10g/m2の乾燥被膜量になるよう上記防藻塗料を塗布した。次いで、該ガラス板を180℃にて5分間加熱乾燥し、強固な塗膜を形成した。なお、上記グリセリル化キトサンは、その原料キトサンを1質量%含む1質量%酢酸水溶液の粘度が5mPa・s(測定温度20℃、測定回転数30rpmにて、ブルックフィールド型回転粘度計で測定)、脱アセチル化度83%かつグリセリル化度0.5のものを使用した。
<試験評価>
上記加熱乾燥後のガラス板を、水2Lを収容した観賞用水槽に浸漬し、6ヶ月間試験観察を行った。試験開始から2ヶ月経過後、水槽内面には藻の付着が見られたのに対し、本発明の防藻塗料を塗布した上記ガラス板には藻の付着は認められなかった。6ヶ月経過後、水槽内面にはしっかりと強固に付着した藻が観察されたのに対し、上記ガラス板には、ほんの僅かな藻が見られたものの、極簡単に洗い流せることが確認できた。
上記実施例2および実施例3より、本発明の防藻塗料の防藻性は、150℃、10分間または180℃、5分間の加熱によっても失われないこと、およびフィルム状であっても6か月以上安定的に防藻効果を発揮できることが明らかとなった。
本発明によれば、従来から使用されている有機系抗菌剤若しくは無機系抗菌剤または重金属などを使用せず、人体への安全性が高く環境に与える影響が少ない防藻剤および防藻塗料(溶液または分散液)を提供することができる。この防藻剤は、魚類および甲殻類などの水生動物への影響は少ないものの、藻類生長阻害効果に優れている。

Claims (8)

  1. グリセリル化キトサンおよび/またはその塩からなることを特徴とする防藻剤。
  2. グリセリル化キトサンまたはその塩が、固体、溶液または分散体である請求項1に記載の防藻剤。
  3. グリセリル化キトサンのグリセリル化度が、0.1以上である請求項1に記載の防藻剤。
  4. 溶液または分散体の液媒体が、水、水溶性有機溶剤または水と水溶性有機溶剤との混合物である請求項2に記載の防藻剤。
  5. 塩を形成している酸が、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ウロカニン酸、化粧品原料基準記載の酸および食品添加物公定書記載の酸から選ばれる少なくとも1種の酸である請求項1に記載の防藻剤。
  6. 藻が発生する、若しくは発生している水環境に、グリセリル化キトサンまたはその塩を接触させることを特徴とする防藻方法。
  7. 水環境におけるグリセリル化キトサンまたはその塩の濃度を1〜100ppm(mg/L)とする請求項6に記載の防藻方法。
  8. 水環境が、閉鎖水域である請求項6に記載の防藻方法。
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