JP2007245478A - 赤外線感光性平版印刷版 - Google Patents

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Abstract

【課題】合紙レス包装形態での輸送を含む耐傷性が要求される全ての状況において、十分な耐傷性を備えた赤外線感光性平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】支持体の片面に、赤外線の照射により画像を形成し得る記録層を有し、該支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、ビッカーズ硬度0.2以下のバックコート層を有することを特徴とする赤外線感光性平版印刷版である。また、前記記録層が赤外線吸収剤を含有する前記赤外線感光性平版印刷版であることが好ましい。

Description

本発明は、赤外線感光性平版印刷版及びその製造方法に関し、特に耐傷性に優れた赤外線感光性平版印刷版及びそれを高得率で製造する方法に関する。
近年のレーザ発展は目覚しく、特に近赤外から赤外に発光領域を持った固体レーザ、半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。特に平版印刷の分野においては、コンピューター等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
そのような赤外線レーザを用いたダイレクト製版用のポジ型平版印刷版は、アルカリ可溶性樹脂と、光を吸収し熱を発生する赤外線吸収剤を必須成分とし、この赤外線吸収剤が、未露光部(画像部)ではアルカリ可溶性樹脂との相互作用により、アルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働き、露光部(非画像部)では、発生した熱により該赤外線吸収とアルカリ可溶性樹脂との相互作用が弱まりアルカリ現像液に溶解して画像を形成する。しかしながら、このポジ型平版印刷版は、記録層の機械的強度が十分でなく、製造加工、輸送及び刷版取り扱い時に版面と種々部材が強く接触すると、版面に欠陥が生じ、現像後の画像部に抜けが起こってしまう問題があった。
このような問題を低減するため、平版印刷版は、一般的にプレート間に合紙(間紙)入れて包装されている。しかしながら、この合紙には、1)コストアップ、2)合紙廃却などの問題があるため、合紙を用いない「合紙レス化」が望まれている。特に最近は、CTPシステムの普及に伴って、露光装置に版材の自動供給装置(オートローダー)を付帯させることが増加しており、事前にわざわざ手作業で合紙を取り除く煩雑さを回避するため、合紙レス化の要望が一段と高まっている。
このような合紙レス化を指向する技術としては、感光層と支持体裏面との接触による感光層の機械的損傷を緩和する工夫を、支持体裏面に施すことが知られている。
例えば、感放射線層と有機ポリマー含有バックコート層を有するオフセット印刷用記録材料であって、少なくとも35℃のガラス転移温度を有する有機ポリマーにシリカゲルなどの顔料を含有させたバックコートを設けることによって、合紙なしに積み重ねることが可能になることが記載されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、シリカゲルなどの無機顔料をバックコート層に含有させた場合には、合紙を用いないで積み重ね包装した製品を輸送した際に、無機顔料の硬度が高いため、感光層に擦れによる傷がつき易いという問題がある。
更に、支持体の感光層とは反対側の面にガラス転移温度60℃以上の、飽和共重合ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂及び塩化ビリニデン共重合樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂からなる、被服層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版が知られている。(例えば、特許文献2参照)このような、ポリエステル樹脂等の有機ポリマーによるバックコート層を有する平版印刷版は、レーザ露光機に自動的に版材を供給するオートローダーに、合紙無しで版材を積層した状態で供給すると、感光層と裏面が(バックコート層)が押さえつけられる構造のものにおいては、感光層に擦れ傷がつき易いことが分かった。
特開2002−46363号公報 特開2005−62456号公報
本発明の目的は、上記の問題を解決することであり、合紙レス包装形態での輸送を含む耐傷性が要求される全ての状況において、十分な耐傷性を備えた赤外線感光性平版印刷版を提供することにある。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、以下の感光性平版印刷版により、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の赤外線感光性平版印刷版は、支持体の片面に、赤外線の照射により画像を形成し得る記録層を有し、該支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、ビッカーズ硬度0.2以下のバックコート層を有することを特徴とする。
また、本発明の平版印刷版の一実施態様は、前記記録層が赤外線吸収剤を含有する前記赤外線感光性平版印刷版である。
本発明によれば、合紙レス形態において優れた耐傷性を有し、製造加工工程、輸送工程及び製版工程での耐傷性にも優れた感光性平版印刷版を提供することができる。
本発明の赤外線感光性平版印刷版(以下、単に「平版印刷版」ともいう。)は、支持体の片面に、赤外線の照射により画像を形成し得る記録層を有し、該支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、ビッカーズ硬度0.2以下のバックコート層を有することを特徴とする。
以下、本発明について詳述する。
〔バックコート層〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、後述する記録層を設ける面とは反対の面に、ビッカーズ硬度が0.2以下のバックコート層を有することが必須である。
本発明の赤外線感光性平版印刷版におけるバックコート層のビッカーズ硬度(Hv)は、0.2以下であり、0.15以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、0〜0.03であることが特に好ましい。上記範囲であると、十分な耐傷性を備えた赤外線感光性平版印刷版を得ることができるため好ましい。
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、ビッカーズ硬度が0.2以下のバックコート層を有することが必須である。この0.2以下というビッカーズ硬度の値は、一般に用いられる合紙の硬さ以下の値である。即ち、硬度が0.2より高いことは、合紙より硬く、合紙無しで積み重ね包装した製品を輸送した際に、擦り傷が合紙ありの場合に比べつき易い。また、オートローダーでの版供給においても、記録層と裏面が押さえつけられる際の応力を緩和する作用が合紙に比べ劣ると考えられる。これに対し、ビッカーズ硬度が0.2以下であることは、合紙より柔らかく擦り傷がつき難く、記録層と裏面が押さえつけられる際の応力を緩和する作用も合紙に比べ優れるものと考えられる。
本発明によれば、合紙を用いずに積層した場合であっても、輸送時における記録層の擦り傷が効果的に抑制され、且つ、自動給版装置(オートローダー)を備えた露光装置にも好適に用いられる赤外線感光性平版印刷版を提供することができる。
本発明の赤外線感光性平版印刷版におけるバックコート層のビッカーズ硬度の測定方法としては、公知の方法を用いて測定することができるが、以下の測定条件により測定することが好ましい。
<トライボスコープ測定条件>
測定装置:MultimodeAFM(ビーコ社製)+Triboscope(Hysitron社製)
圧子 :Berkovich型(S/N:TI-064)
設定荷重:100μN
印加速度:20μN/s
最大荷重保持時間:2s
<AMF測定条件>
測定装置:AFM(ビーコ社製 D3100/NanoscopeIIIa型)
カンチレバー:オリンパス社製 AC160TS
本発明におけるビッカーズ硬度が0.2以下のバックコート層の作製方法としては、ウレタンオリゴマー及び(又は)アクリルオリゴマー、多官能不飽和単量体、重合開始剤及び溶媒を含有する感光性組成物溶液を塗布、乾燥した後、紫外線により硬化させる方法や、シート状の天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の種々のゴム素材を接着剤で接着させる方法や、同様のゴムを熱圧着や溶融ラミネーションさせる方法等が挙げられる。
この中で、感光性組成物溶液を塗布して形成する方法が薄層を効率よく設ける上で好ましい。
また、本発明におけるビッカーズ硬度が0.2以下のバックコート層の材料としては、ウレタンオリゴマー及び(又は)アクリルオリゴマー又はエチレン・プロピレンゴムを用いることが好ましく、ウレタンオリゴマー及び(又は)アクリルオリゴマーを用いることがより好ましい。
前記感光性組成物溶液には、疎水性高分子化合物を含有することも好ましい。
疎水性高分子化合物としては、例えば、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリアミド、不飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、塩素化ポリエチレン、アルキルフェノールのアルデヒド縮合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル系樹脂およびこれらの共重合樹脂、ヒドロキシセルロース、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、カルボキシメチルセルロース等が適している。
その他の好適な疎水性高分子化合物としては、以下の(1)〜(12)に示すモノマーをその構成単位とする1万〜20万の分子量を持つ共重合体を好ましく挙げることができる。
(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレートまたはメタクリレート、
(2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
(3)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル、
(4)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル、
(5)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミドもしくはメタクリルアミド、
(6)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
(7)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類、
(8)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類、
(9)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類、
(10)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類、
(11)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど、
(12)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド。
バックコート層にはこれらの疎水性高分子化合物の他に、可とう性の付与、すべり性の調整や塗布面状を改良する目的で可塑剤や界面活性剤、その他の添加物を必要により添加できる。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレートなどのフタル酸エステル類、ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステルなどのグリコールエステル類、トリクレジールホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類、ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチルなどが有効である。
可塑剤のバックコート層への添加量は、バックコート層に用いられる有機ポリマーの種類によって異なるが、ガラス転移温度が60℃以下にならない範囲で加えられることが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、
ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。
上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、バックコート中に好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加される。
本発明の赤外線感光性平版印刷版におけるバックコート層には更に、着色のための染料、アルミニウム支持体との密着向上のためのシランカップリング剤、ジアゾニウム塩からなるジアゾ樹脂、有機ホスホン酸、有機リン酸及びカチオン性ポリマー等、更には滑り剤として通常用いられるワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ジメチルシロキサンよりなるシリコーン化合物、変性ジメチルシロキサン、ポリエチレン粉末等が適宜加えられる。
本発明の赤外線感光性平版印刷版におけるバックコート層の乾燥後の塗布量は、0.2〜20g/m2であることが好ましく、0.5〜10g/m2であることがより好ましく、0.8〜5.0g/m2であることがさらに好ましい。上記範囲であると、バックコート層による耐傷効果が十分発揮できる。
バックコートを支持体の裏面に有機ポリマーおよび必要成分を溶液にして塗布する場合に使用される溶媒としては、特開昭62−251739号公報に記載されているような有機溶剤が単独あるいは混合して用いられる。溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
〔記録層〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、バックコート層形成面とは反対の面に、赤外線の照射により、画像を形成し得る記録層(以下、単に「記録層」又は「感光層」ともいう。)を有する。
本発明の赤外線感光性平版印刷版における記録層は、2層以上の多層構成であり、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有する記録層下層(以下、単に下層と称する場合がある)と、水不溶性且つアルカリ可溶性のアルカリ可溶性樹脂を含有する記録層最上層(以下、単に最上層と称する場合がある)とをこの順に有し、該記録層下層及び最上層の少なくとも一方に光熱変換剤を含有することが好ましい。
(水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂)
本発明の赤外線感光性平版印刷版における記録層に用いることができる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、「アルカリ可溶性樹脂」ともいう。)とは、高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物を包含する。従って、本発明の平版印刷版における記録層は、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものである。本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂は、従来公知のものであれば特に制限はないが、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、および(4)カルボン酸基から選ばれる少なくとも一つの酸性基を分子内に有する高分子化合物であることが好ましい。例えば以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
(1)フェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、下記式(I)で示される置換フェノール類とアルデヒド類とを縮合してなる樹脂も好適なものとして挙げられる。
Figure 2007245478
式(I)において、R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル基、ハロゲン原子を表す。アルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子のいずれかであり、好ましくは塩素原子、臭素原子である。また、R3は炭素数3〜6のアルキル基又はシクロアルキル基を示す。
上記の置換フェノール類の具体例としては、イソプロピルフェノール、t−ブチルフェノール、t−アミルフェノール、ヘキシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、3−メチル−4−クロロ−6−ターシャリーブチルフェノール、イソプロピルクレゾール、t−ブチルクレゾール、t−アミルクレゾールが挙げられる。中でも、t−ブチルフェノール、t−ブチルクレゾールが好ましい。
上記の置換フェノール類との縮合に使用されるアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド等の脂肪族及び芳香族アルデヒドが挙げられる。中でもホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドが好ましい。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としてはこの他に、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を挙げることができる。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、本発明に用いるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、特開平11−288089号公報に記載の、上記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2−と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
このスルホンアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、特公平7−69605号公報に記載のものが挙げられる。
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性樹脂は、活性イミド基(−CO−NH−SO2−)を分子内に有するものが好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に活性イミド基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ一つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
このような化合物の具体例としては、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
(4)カルボン酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボン酸基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれぞれ1以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。カルボン酸基を有する重合性モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸類、が挙げられる。また、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリレート又はメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルエチルアクリレート又はメタクリレート等)のヒドロキシル基と、二塩基酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等)とのモノエステルである不飽和カルボン酸も好適なものとして挙げられる。
更に、本発明に用いることができるアルカリ可溶性樹脂としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、活性イミド基を有する重合性モノマー、及びカルボン酸基を有する重合性モノマーのうちの2種以上を重合させた高分子化合物、或いはこれら2種以上の重合性モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物を使用することができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂が前記酸性基(フェノール性水酸基、スルホンアミド基、活性イミド基、カルボン酸基)を有するモノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体である場合には、アルカリ可溶性を付与するモノマーは10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。共重合成分が10モル%以上であると、十分なアルカリ可溶性が得られるため好ましい。
前記酸性基を有するモノマーと共重合させるモノマー成分としては、下記(m1)〜(m11)に挙げる化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
アルカリ水可溶性高分子化合物の共重合の方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。
本発明においてアルカリ可溶性樹脂が、前記酸性基を有する重合性モノマーの単独重合体或いは共重合体の場合、重量平均分子量が2,000以上であることが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000である。また、本発明においてアルカリ可溶性樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールアルデヒド樹脂等の樹脂である場合には、重量平均分子量500〜50,000が好ましく、700〜20,000がより好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。
感光層最上層に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、未露光部では強い水素結合性を生起し、露光部においては、一部の水素結合が容易に解除される点においてフェノール性水酸基を有する樹脂が望ましい。更に好ましくはノボラック樹脂である。
また、本発明においては、アルカリ性水溶液に対し溶解速度の異なる2種類以上のアルカリ可溶性樹脂を混合して用いてもよく、その場合の混合比は自由である。感光層最上層である場合に好適に用いられるフェノール性水酸基を有する樹脂と混合するのに好適なアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂と相溶性が低いことから、アクリル樹脂が好ましく、スルホアミド基又はカルボン酸基を有するアクリル樹脂がより好ましい。
感光層下層には、前記アルカリ可溶性樹脂が用いられるが、下層自体が、特に非画像部領域において、高いアルカリ可溶性を発現することを要する。また、印刷時において種々印刷薬品に対する耐性及び各種印刷条件において安定した耐刷性を発現することも要する。このため、この特性を損なわない樹脂を選択することが好ましい。この観点から、アルカリ現像液に対する溶解性、各種印刷薬品に対する耐溶解性、物理的強度に優れた樹脂を選択することが好ましい。また、下層に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、最上層を塗布する際にその塗布溶媒により溶解されない、溶剤溶解性の低い樹脂を選択することが好ましい。このような樹脂を選択することで、2つの層の界面における所望されない相溶が抑制される。
これらの観点から、前記アルカリ可溶性樹脂の中でも、アクリル樹脂が好ましい。中でも、スルホンアミド基を有するアクリル樹脂が好ましい。
前記の観点から、下層に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、上記以外に水不溶性且つアルカリ可溶性のポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。中でも、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
上記の水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂(以下、適宜、単に「ポリウレタン樹脂」と称する。)としては、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はないが、中でも、ポリマー主鎖にカルボキシル基を有するものが好ましく、具体的には、下記式(II)で表わされるジイソシアネート化合物と、下記式(III)又は式(IV)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物の少なくとも1種との反応生成物を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。
Figure 2007245478
式(II)中、R1は二価の連結基を表す。そのような二価の連結基としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくは、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜30のアリレン基が挙げられる。アリレン基としては、2つ以上の環構造が、単結合またはメチレン基などの2価の有機連結基により結合されたものや、縮合多環構造を形成したものであってもよい。また、必要に応じて、R1は式(II)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基等を有していてもよい。
さらに、R1は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、アルキル基、アルコキシル基、アルキルエステル基、シアノ基など、該イソシアネート基に不活性な置換基が挙げられる。
また、本発明に用いられるジイソシアネート化合物としては、上記式(II)で表される範囲のもの以外にも、例えば、後述するジオール化合物からなるオリゴマーまたはポリマーなどの高分子化合物の両末端に、イソシアネート基を有する高分子量のジイソシアネート化合物などを用いることもできる。
式(III)中、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基を表す。ここで、R2は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR6、−OR6、−NHCONHR6、−NHCOOR6、−NHCOR6、−OCONHR6、−CONHR6(ここで、R6は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などが挙げられる。
好ましいR2としては水素原子、炭素数1〜8個の無置換のアルキル基、炭素数6〜15個の無置換のアリール基が挙げられる。
式(III)または(IV)中、R3、R4、R5はそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、または二価の連結基を表す。そのような二価の連結基としては、脂肪族炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられる。ここで、R3、R4、R5は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)などが挙げられる。
好ましいR3、R4、R5としては、炭素数1〜20個の無置換のアルキレン基、炭素数6〜15個の無置換のアリレン基が挙げられ、更に好ましいものとしては炭素数1〜8個の無置換のアルキレン基が挙げられる。また、必要に応じて、R3、R4、R5は上記式(II)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。
また、上記R2、R3、R4、R5は、これらのうち2つあるいは3つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
式(IV)中、Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
上記式(II)で示されるジイソシアネート化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートのような芳香族環を有するものが耐傷性の観点より好ましい。
また、上記式(III)又は(IV)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸等が挙げられる。
中でも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸がイソシアネートとの反応性の観点から好ましい。
なお、本発明に用いることができるポリウレタン樹脂は、上記式(II)で示されるジイソシアネート化合物、および、式(III)又は(IV)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物を、それぞれ2種以上用いて形成されたものであってもよい。
また、式(III)又は(IV)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物の他に、カルボキシル基を有さず、且つ、式(II)中のイソシアネート基と反応しない置換基を有していてもよいジオール化合物を、アルカリ現像性を低下させない程度に併用することもできる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート化合物およびジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性を有する公知の触媒を添加し、加熱することにより合成することができる。
使用するジイソシアネートおよびジオール化合物のモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均分子量で1,000以上であり、更に好ましくは5,000〜10万の範囲である。これらのポリウレタン樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
次に、水不溶性且つアルカリ可溶性のポリビニルアセタール樹脂について説明する。ここで用いられるポリビニルアセタール樹脂は、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はないが、中でも、下記式(V)で表されるポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
Figure 2007245478
上記式(V)で表されるポリビニルアセタール樹脂は、前記構成単位のうち、ビニルアセタール成分である構成単位(i)及びカルボキシル基を含有するエステル成分である構成単位(iv)を必須とし、ビニルアルコール成分である構成単位(ii)及び無置換のエステル成分である構成単位(iii)を任意成分とする、構成単位(i)〜(iv)から形成され、それぞれの構成単位を少なくとも1種以上有することができる。なお、n1〜n4は各構成単位の構成比(モル%)を示す。
上記構成単位(i)中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、水素原子、カルボキシル基、またはジメチルアミノ基を表す。置換基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、クロル基、ブロム基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、エステル基などが挙げられる。
1の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、カルボキシ基、ハロゲン原子(−Br、−Clなど)またはシアノ基で置換されたメチル基、3−ヒドロキシブチル基、3−メトキシブチル基、フェニル基等が挙げられ、中でも水素原子、プロピル基、フェニル基が特に好ましい。
また、n1は5〜85モル%の範囲であることが好ましく、特に、25〜70モル%の範囲であることがより好ましい。
上記構成単位(ii)中、n2は0〜60モル%の範囲であることが好ましく、特に10〜45モル%の範囲であることがより好ましい。
上記構成単位(iii)中、R2は置換基を有さないアルキル基を表す。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が現像性の観点から好ましい。
n3は0〜20モル%の範囲であることが好ましく、特に1〜10モル%の範囲であることがより好ましい。
上記構成単位(iv)中、R3はカルボキシル基を有する脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を表し、これらの炭化水素基は、炭素数1〜20であることが好ましい。また、この構成単位(iv)中のこれら炭化水素基は、主に、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の酸無水物とポリビニルアセタールの残存−OHを反応させて得られる炭化水素基であることが好ましく、中でも、無水フタル酸、無水コハク酸を反応させて得られるものがより好ましい。また、他の環状酸無水物を用いて得られたものであってもよい。
なお、R3はカルボキシル基以外の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、以下の構造で示されるものが挙げられる。
Figure 2007245478
3の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007245478
前記式中R4としては、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基が挙げられ、ここに導入可能な置換基としては−OH,−C≡N,−Cl,−Br,−NO2があげられる。
また、n4は、現像性の観点から3〜60モル%の範囲であることが好ましく、特に10〜55モル%の範囲であることがより好ましい。
上記式(V)で表されるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化し、さらにその残存ヒドロキシ基と酸無水物とを反応させる方法で合成することができる。
ここで用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、グリオキシル酸、N,N−ジメチルホルムアミドジ−n−ブチルアセタール、ブロモアセトアルデヒド、クロルアセトアルデヒド、3−ヒドロキシ−n−ブチルアルデヒド、3−メトキシ−n−ブチルアルデヒド、3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド、シアノアセトアルデヒド等が挙げられるがこれに限定されない。
本発明に用いることができるポリビニルアセタール樹脂の酸含有量は、0.5〜5.0meq/g(即ち、KOHのmg数で84〜280)の範囲であることが好ましく、1.0〜3.0meq/gであることがより好ましい。
また、本発明に用いることができるポリビニルアセタール樹脂の分子量としては、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量で、5,000〜40万であることが好ましく、2万〜30万であることがより好ましい。なお、これらのポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
下層に用いる上記アルカリ可溶性樹脂は、それぞれ1種類或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における感光層重層系において、最上層の全固形分中に対するアルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光層の感度および耐久性の観点から40〜98重量%の添加量で用いられるのが好ましく、より好ましくは60〜97重量%である。
下層成分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、下層全固形分中、40〜95重量%が好ましく、より好ましくは50〜90重量%である。
(現像抑制剤)
本発明の平版印刷版における感光層には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、現像抑制剤を含有させることができる。特に感光層最上層に現像抑制剤を含有させることが好ましい。
本発明に用いることができる現像抑制剤としては、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成し、未露光部においては該アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させ、且つ、露光部においては該相互作用が弱まり、現像液に対して可溶となり得るものであれば特に限定はされないが、特に第4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が好ましく用いられる。また後述する光熱変換剤、画像着色剤のなかにも現像抑制剤として機能する化合物があり、それらもまた好ましく挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアリールアンモニウム塩、ジアルキルジアリールアンモニウム塩、アルキルトリアリールアンモニウム塩、テトラアリールアンモニウム塩、環状アンモニウム塩、二環状アンモニウム塩が挙げられる。
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトララウリルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラナフチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラステアリルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ジベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロミド、トリステアリルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、N−メチルピリジニウムブロミド等が挙げられる。特に特願2001−226297、特願2001−370059、特願2001−398047各明細書記載の第4級アンモニウム塩が好ましい。
現像抑制効果および前記アルカリ可溶性樹脂の製膜性の観点から、第4級アンモニウム塩の添加量は、最上層全固形分に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
また、ポリエチレングリコール化合物としては、特に限定されないが、下記式(VI)で表される構造のものが挙げられる。
61−{−O−(R63−O−)m−R62n・・・式(VI)
上記式(VI)中、R61は多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、R62は水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基を表す。R63は置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
上記式(VI)で表されるポリエチレングリコール化合物の例としては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアリールエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールグリセリンエステル、ポリプロピレングリコールグリセリンエステル類、ポリエチレンソルビトールエステル類、ポリプロピレングリコールソルビトールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン類、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン類、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン類、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン類が挙げられる。
さらにこれらの具体例としては、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリエチレングリコール5000、ポリエチレングリコール100000、ポリエチレングリコール200000、ポリエチレングリコール500000、ポリプロピレングリコール1500、ポリプロピレングリコール3000、ポリプロピレングリコール4000、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールエチルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル、ポリエチレングリコールジベヘニルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールエチルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールジラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールアセチルエステル、ポリエチレングリコールジアセチルエステル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、ポリエチレングリコールラウリルエステル、ポリエチレングリコールジラウリルエステル、ポリエチレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールセチル酸エステル、ポリエチレングリコールステアロイルエステル、ポリエチレングリコールジステアロイルエステル、ポリエチレングリコールベヘン酸エステル、ポリエチレングリコールジベヘン酸エステル、ポリプロピレングリコールアセチルエステル、ポリプロピレングリコールジアセチルエステル、ポリプロピレングリコール安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリンエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリンエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールエーテル、ポリプロピレングリコールソルビトールエーテル、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリエチレングリコール化ペンタメチレンヘキサミンが挙げられる。
現像抑制効果および画像形成性の観点から、ポリエチレングリコール系化合物の添加量は、最上層全固形分に対して0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。
また、このようなインヒビション(溶解抑制能)を高めるための施策を行った場合、感度の低下が生じるが、その対策として、特開2002−361066号公報に記載のラクトン化合物を最上層中に添加することが感度低下の抑制に有効である。
溶解抑制剤としては上記の他に、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の、熱分解性であり、且つ、分解しない状態では、アルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが画像部の現像液へのインヒビションの向上を図る点で好ましい。
本発明において用いられるオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げられ、特に好適なものとしては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号各明細書、特開平3−140140号公報に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号各明細書に記載のホスホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号各公報に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivelloet al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、
J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等が挙げられる。
このようなオニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等からのアニオンを挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸からのアニオンが好適である。
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により現像抑制剤としてのインヒビションを失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により最上層の溶解性を助ける。
そのようなo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号各明細書に記載されているベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。
その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号などの各公報、および米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
o−キノンジアジド化合物の添加量は、最上層全固形分に対し、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜30重量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
また、感光層表面のインヒビションの強化とともに表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号公報に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用することが好ましい。
前記重合体の添加量としては、最上層全固形分に対し、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
(光熱変換剤)
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、記録層に光熱変換剤を含有することが好ましく、記録層下層および最上層の少なくとも一方に光熱変換剤を含有することがより好ましく、下層および最上層の両層に添加するのがさらに好ましい。
光熱変換剤としては、光を吸収して熱に変換する物質であれば特に制限はないが、特に赤外光、もしくは近赤外光を吸収し熱を発生する染料、即ち赤外線吸収剤が好ましく、赤外光吸収し熱を発生する赤外線吸収剤であることがより好ましい。
本発明に用いることができる光熱変換剤としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収する赤外線吸収剤が、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては、例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号の各公報、米国特許第4,973,572号明細書等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、染料として米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号各公報に開示されているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポリン社製のEpolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等が、特に好ましく用いられる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの光熱変換剤は、感度の観点から感光層の最上層或いはその近傍に添加することが好ましい。特にシアニン色素の如き溶解抑制能を有するものを、前記フェノール基を有するアルカリ可溶性樹脂とともに添加すると、高感度化と同時に、未露光部に耐アルカリ溶解性を持たせることができる。また、これらの光熱変換剤は、下層に添加しても上層下層の双方に添加してもよい。下層に添加することでさらに高感度化することが可能である。最上層と下層の双方に光熱変換剤を添加する場合には、互いに同じ化合物を用いてもよく、また異なる化合物を用いてもよい。
光熱変換剤の添加量としては、記録層最上層に添加する場合、最上層全固形分に対し、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましくは1.0〜30重量%である。添加量を上記範囲とすることで記録層の感度および耐久性が良好となる。
また、下層に添加する場合、下層全固形分に対し、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%の割合で添加することができる。下層に光熱変換剤を添加する場合、溶解抑制能を有する光熱変換剤を用いると下層の溶解性が低下するが、一方、光熱変換剤が赤外線レーザ露光時に発熱し、熱による下層の溶解性向上が期待できるため、これらのバランスを考慮して添加する化合物及び添加量を選択すべきである。なお、支持体近傍の0.2〜0.3μmの領域では露光時に発生した熱が支持体に拡散するなどして、熱による溶解性向上効果が得難く、赤外吸収染料添加による下層の溶解性低下が感度を低下させる要因となる場合がある。従って、先に示した添加量の範囲の中においても、下層の現像液(25〜30℃)に対する溶解速度が30nm/secを下回る如き添加量は好ましくない。
(長鎖アルキル基含有ポリマー)
本発明の赤外線感光性平版印刷版における記録層は、長鎖アルキル基含有ポリマーを含むことが好ましい。
本発明に用いることができる長鎖アルキル基含有ポリマーは、カルボキシ基を有するビニルモノマーを45〜99モル%の組成比範囲で含んでなることが好ましい。また、長鎖アルキル基含有ポリマーにおける長鎖アルキル基とは、炭素数6以上であり、好ましくは炭素数12以上のものを指す。より具体的には、長鎖アルキル基含有ポリマーは、長鎖アルキル基を有するモノマーと、カルボキシ基を有するビニルモノマーとの共重合体であることが好ましく、該カルボキシ基を有するビニルモノマーを45〜99モル%の組成比範囲で含んでなるポリマーである。
本発明において、長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、例えば、以下の式(VII)で表される共重合体からなることが好ましい。
Figure 2007245478
式(VII)中、X、X’は、各々独立に、単結合若しくは2価の連結基を表す。mは、45<m<99の整数を表し、47<m<95の整数が好ましく、50<m<90の整数が更に好ましい。nは、6〜40の整数を表し、12〜30の整数であることがより好ましく、14〜20の整数であることが更に好ましい。なお、点線で表される結合手は、その先端にメチル基又は水素が存在することを意味する。
式(VII)におけるX、X’が表す2価の連結基の具体例としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(単環、複素環)、−OC(=O)−、−OC(=O)Ar−、−OC(=O)O−、−OC(=O)OAr−、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−SO2NR−、−SO2NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)Ar−、−C(=O)−、−SO2O−、−SO2OAr−、−OSO2−、−OSO2Ar−、−NRSO2−、−NArSO2−、−NRC(=O)−、−NArC(=O)−、−NRC(=O)O−、−NArC(=O)O−、−OC(=O)NR−、−OC(=O)NAr−、−NAr−、−NR−、−N+RR’−、−N+RAr−、−N+ArAr’−、−S−、−SAr−、−ArS−、ヘテロ環基(ヘテロ原子としては、例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3〜12員環の単環、縮合環)、−OC(=S)−、−OC(=S)Ar−、−C(=S)O−、−C(=S)OAr−、−C(=S)OAr−、−C(=O)S−、−C(=O)SAr−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)NR−、−ArC(=O)NAr−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)S−、−ArC(=S)O−、−ArO−、−ArNR−等が挙げられる。ここで、R及びR’は、各々独立に、水素原子、或いは、直鎖又は分岐、鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。Ar及びAr’は、各々独立に、アリール基を表す。
上記の連結基は、ここで挙げた連結基を2種類以上組み合わせて連結基を形成していてもよい。
このような連結基の中でも、炭素数6〜20のアリーレン基(単環、複素環)、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)−、−C(=O)Ar−、−S−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−等が好ましく、炭素数6〜20のアリーレン基(単環、複素環)、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシ)、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−等がより好ましい。
また、上記連結基は置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のカルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のカルボンアミド基、炭素数1〜20のスルホンアミド基、炭素数1〜20のカルバモイル基、炭素数0〜20のスルファモイル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のN−アシルスルファモイル基、炭素数1〜20のN−スルファモイルカルバモイル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜20のアミノ基、炭素数1〜20のイミノ基、炭素数3〜20のアンモニオ基、カルボキシ基、スルホ基、オキシ基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のウレイド基、炭素数2〜20のヘテロ環基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数0〜20のスルファモイルアミノ基、炭素数2〜20のシリル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
本発明において、長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、例えば、以下の式(VIII)で表されるアクリル系の共重合体からなることがより好ましい。
Figure 2007245478
式(VIII)中、X、X’は、各々独立に、単結合若しくは2価の連結基を表す。かかる式(VIII)で表されるX及びX’としては、前記式(VII)におけるX及びX’で表されるものと同義であり、好ましい例も同様である。mは、45<m<99の整数を表し、47<m<95の整数が好ましく、50<m<90の整数が更に好ましい。nは、6〜40の整数を表し、12〜30の整数であることがより好ましく、14〜20の整数であることが更に好ましい。なお、点線で表される結合手は、その先端にメチル基又は水素が存在することを意味する。
また、本発明において、長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、例えば、以下の式(IX)で表されるアクリル系の共重合体からなることが更に好ましい。
Figure 2007245478
式(IX)中、X、X’は、各々独立に、単結合若しくは2価の連結基を表す。かかる式(IX)で表されるX及びX’としては、前記式(VII)におけるX及びX’で表されるものと同義であり、好ましい例も同様である。mは、45<m<99の整数を表し、47<m<95の整数が好ましく、50<m<90の整数が更に好ましい。nは、6〜40の整数を表し、12〜30の整数であることがより好ましく、14〜20の整数であることが更に好ましい。なお、点線で表される結合手は、その先端にメチル基又は水素が存在することを意味する。
また、本発明において、長鎖アルキル基含有ポリマーとしては、例えば、以下の式(X)又は式(XI)で表されるアクリル系の共重合体からなることが最も好ましい。
Figure 2007245478
式(X)及び式(XI)中、mは、45<m<99の整数を表し、47<m<95の整数が好ましく、50<m<90の整数が更に好ましい。nは、6〜40の整数を表し、12〜30の整数であることがより好ましく、14〜20の整数であることが更に好ましい。なお、点線で表される結合手は、その先端にメチル基又は水素が存在することを意味する。
更に、本発明に用いることができる長鎖アルキル基含有ポリマーは、耐傷性及びアルカリ可溶性のバランスから、式(XI)で表されるアクリル系の共重合体であることが最も好ましい。
本発明に用いることができる長鎖アルキル基含有ポリマーは、上記長鎖アルキル基を有するモノマー及びカルボキシ基を有するビニルモノマー以外に、下記に示す親水性モノマーやその他のモノマーから選ばれた1種以上との共重合体であってもよい。その場合、該共重合体中の、他のモノマーのモル組成比は、表面微小突起形成の観点から、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、25モル%以下であることが更に好ましい。
(その他の添加剤)
前記記録層を形成するにあたっては、上記成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。なお、以下に挙げる添加剤は記録層下層のみに添加してもよいし、最上層のみに添加してもよいし、両方の層に添加してもよい。
<現像促進剤>
本発明における記録層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2’−ビスヒドロキシスルホン、4,4’−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3',5'−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の添加量は、各々の感光層下層又は最上層の全固形分に占める割合において、各々0.05〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
<界面活性剤>
本発明における記録層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許第950517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特開2003−057820号公報に記載されているようなフッ素含有モノマーの共重合体を添加することができる。
上記界面活性剤の添加量は、記録層下層又は最上層の全固形分に占める割合において、0.01〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0重量%、さらに好ましくは0.05〜2.0重量%である。
<焼出し剤/着色剤>
本発明における記録層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレットラクトン、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料は、感光層下層又は最上層の全固形分に対し、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜3重量%の割合で添加することができる。
<可塑剤>
本発明における記録層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加しても良い。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
これらの可塑剤は、感光層下層又は最上層の全固形分に対し、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1.0〜5.0重量%の割合で添加することができる。
<WAX剤>
本発明における単層記録層又は重層の最上層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、或いは本願出願人が先に提案した特願2001−261627、特願2002−032904、特願2002−165584の各明細書に記載されているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることが出来る。添加量としては、感光層最上層中に占める割合が0.1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%である。
〔記録層の形成〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版における記録層は、通常上記各成分を溶剤に溶かして、塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
なお、記録層下層および最上層は、原則的に2つの層を分離して形成することが好ましい。
また、2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる成分と最上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法、または、最上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。
これらの方法の詳細については、特開2002−251003号公報に記載されている。
また、新たな機能を付与するために、本発明の効果を充分に発揮する範囲において、積極的に最上層および下層の部分相溶を行う場合もある。この場合、溶剤溶解性の差、最上層を塗布後の溶剤の乾燥速度等を制御することにより部分相溶が可能となる。
支持体上に塗布される記録層用塗布液中の、溶剤を除いた前記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
特に、重層系では最上層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、最上層塗布方法は非接触式であることが望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いることも可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布することが望ましい。
本発明の赤外線感光性平版印刷版の支持体上に塗布される記録層下層成分の乾燥後の塗布量は、0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。0.5g/m2以上とすることで耐刷性に優れ、また4.0g/m2以下とすることで良好な画像再現性および感度が得られる。
また、記録層最上層成分の乾燥後の塗布量は、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2以上とすることで、良好な現像ラチチュード、耐傷性が得られ、1.0g/m2以下とすることで良好な感度が得られる。
記録層下層および最上層を合わせた乾燥後の塗布量としては、0.6〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。0.6g/m2以上とすることで良好な耐刷性が得られ、4.0g/m2以下とすることで良好な画像再現性および感度が得られる。
〔支持体〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
中でも、本発明においては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸度安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは0.1mm〜0.6mm程度であることが好ましく、より好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
このようなアルミニウム板には、必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を行ってもよい。以下、このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上であると耐刷性が十分であり、平版印刷版の非画像部に傷が付きにくく、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じにくいため好ましい。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号各明細書に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号各明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
〔下塗層〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗層(以下、「有機下塗層」ともいう。)を設けることができる。
本発明における記録層下層は、下記式(I)で表される構造を側鎖に有するポリマー(特定ポリマー)を含有することが好ましい。
Figure 2007245478
(式(1)中、Yはポリマー主鎖骨格との連結基を表す。R1は水素原子又は炭化水素基を表す。R2は二価の炭化水素基を表す。)
式(1)中、Yはポリマー主鎖骨格との連結基を表す。Yで表される連結基としては、置換又は無置換の二価の炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含む部分構造を1個以上有していてもよい。
式(1)中、R1は、水素原子又は炭化水素基を表す。
1で表される炭化水素基としては、炭素原子数が1から30までの炭化水素基が好ましい。これらの炭化水素基の中でも、アルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
1で表される炭化水素基は、後述する置換基をさらに有していてもよく、該置換基としては、カルボキシル基及びその塩からなる基であることが特に好ましい。
1で表される炭化水素基として、最も好ましい態様は、カルボキシル基又はその塩からなる基を有する、アルキル基及びアリール基である。
1における炭化水素基、及び該炭化水素基に導入可能な置換基について詳細に説明する。
1で表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基、等の炭素原子数が1から30であり、直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基が挙げられる。
1で表されるアリール基には、2個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、及びベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものが包含される。
1で表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、ピレニル基等の、炭素原子数が6から30までのアリール基が挙げられる。
1で表される炭化水素基は、任意の置換基によって、1箇所以上が置換されていてもよい。R1に導入可能な置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができる。具体例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、
N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその塩からなる基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその塩からなる基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその塩からなる基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその塩からなる基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(aryl))及びその塩からなる基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその塩からなる基、
N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(aryl))及びその塩からなる基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oaryl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその塩からなる基、ホスホノ基(−PO32)及びその塩からなる基、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその塩からなる基、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその塩からなる基、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその塩からなる基、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO2H(alkyl))及びその塩からなる基、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその塩からなる基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
上記の中でも、R1に導入可能な置換基としては、カルボキシル基及びその塩からなる基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基がより好ましく、カルボキシル基及びその塩からなる基が特に好ましい。
式(1)中、R2は二価の炭化水素基を表し、置換基をさらに有していてもよい。また、当該炭化水素基は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれるヘテロ原子を1個以上含んでいてもよい。
2に導入可能な置換基としては、前記R1に導入可能な置換基として示したものと同様の置換基が挙げられ、好ましい置換基も同様である。
2で表される二価の炭化水素基として、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキレン基、フェニレン基である。具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、及びイソブチレン基、等の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、フェニレン基が挙げられる。また、より好ましい形態としては、上記アルキレン基にカルボン酸基が置換したものが挙げられる。
式(1)中が有するカルボン酸基は、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩を形成していてもよい。
式(1)のより好ましい構造は、R1がカルボン酸基で置換された炭化水素基であり、かつ、R2が直鎖状の炭化水素基又はカルボン酸基で置換された炭化水素基の場合である。さらに、式(1)の最も好ましい構造としては、R1がカルボン酸基で置換されたアルキル基であり、かつ、R2が直鎖状のアルキレン基の場合である。
式(1)で表される構造をポリマー中に側鎖として導入する方法としては、例えば、式(1)で表される構造を有するモノマーを、公知の方法で重合又は共重合すればよい。その他の方法としては、ポリ−p−アミノスチレンとクロル酢酸を反応させる方法、ポリクロロメチルスチレンとイミノジアセトニトリルを反応後、加水分解するなどの方法がある。式(1)で表される構造の導入率をより容易に制御する観点からは、式(1)で表される構造を有するモノマーを、公知の方法で重合又は共重合する方法が好ましい。
特定ポリマーが共重合体である場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又は、グラフト共重合体の何れであってもよい。
特定ポリマーの合成は、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのパーオキシド類、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などの重合開始剤を用いたラジカル重合により行うことができる。重合開始剤は、適用される重合方式によって適宜選択される。重合方式としては、溶液重合、乳化重合、又は、懸濁重合などが適用される。
合成に際して用いられる重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに限定されない。
式(1)で表される構造を有するモノマーの具体例としては、下記化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
式(1)で表される構造を有するモノマーとしては、以下の構造を含むものがより好ましい。
Figure 2007245478
また、Yで表されるポリマー主鎖骨格との連結基の好ましい構造としては、以下構造が挙げられる。
Figure 2007245478
特定ポリマー中、式(1)で表される構造の含有量としては、アルミニウム支持体との相互作用による耐刷性の向上効果を充分に発揮させる観点からは、5モル%以上が好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。
本発明に用いることができる特定ポリマーの重量平均分子量としては、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜500,000がより好ましい。
本発明に用いることができる特定ポリマーは、支持体との更なる相互作用の強化、又は記録層との相互作用を強化する目的で、その他のモノマー成分を共重合したものであってもよい。上記その他のモノマー成分としては、例えば、親水化処理基板との密着性向上の観点からは「オニウム基を有するモノマー」、親水化処理基板との密着性向上と現像液溶解性向上の観点からは「酸基を有するモノマー」、記録層との密着性向上の観点からは「記録層と相互作用可能な官能基を有するモノマー」等が挙げられる。
オニウム基を有するモノマーとしては、下記式(A)〜式(C)で表されるモノマーを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2007245478
式(A)〜(C)中、Jは2価の連結基を表す。Kは芳香族基又は置換芳香族基を表す。Mは2価の連結基を表す。Y1は周期率表第V族の原子を表す。Y2は周期率表第VI族の原子を表す。Z-は対アニオンを表す。R2は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。R3、R4、R5、及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、或いは、アルキル基、芳香族基、又はアラルキル基を表し、これらは更に置換基を有していてもよい。R6はアルキリジン基又は置換アルキリジン基を表す。R3とR4、R6とR7は、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。j、k、及びmは、それぞれ独立して、0又は1を表す。uは1〜3の整数を表す。
式(A)〜(C)で表されるオニウム基を有するモノマーの中でも、より好ましいものは、以下の場合である。
Jが−COO−又は−CONH−を表し、Kがフェニレン基又は置換フェニレン基を表す。Kが置換フェニレン基である場合に導入される置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、又はアルキル基が好ましい。
Mは、アルキレン基、分子式がCn2nO、Cn2nS、又はCn2n+1Nで表される2価の連結基である。但し、ここで、nは1〜12の整数を表す。
1は、窒素原子又はリン原子を表し、Y2は、イオウ原子を表す。
-は、ハロゲンイオン、PF6 -、BF4 -、又はR8SO3 -を表す。
2は、水素原子又はアルキル基を表す。
3、R4、R5、及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、或いは、置換基が結合してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の芳香族基、又は炭素数7〜10アラルキル基を表す。
6は、炭素数1〜10のアルキリジン基又は置換アルキリジンであることが好ましい。R3とR4、R6とR7は、それぞれ結合して環を形成してもよい。
j、k、及びmは、それぞれ独立して、0又は1を表すが、jとkは同時に0ではないことが好ましい。
8は、置換基が結合してもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10の芳香族基、炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
式(A)〜(C)で表されるオニウム基を有するモノマーの中で、特に好ましいものは、以下の場合である。
Kは、フェニレン基又は置換フェニレン基を表し、置換フェニレン基である場合その置換基は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
Mは、炭素数1〜2のアルキレン基、又は酸素原子で連結した炭素数1〜2のアルキレン基を表す。
-は、塩素イオン又はR8SO3 -を表す。R2は、水素原子又はメチル基を表す。jは0であり、kは1である。R8は炭素数1〜3のアルキル基を表す。
以下に、特定ポリマーに好適に用いられるオニウム基を有するモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記におけるMeはメチル基、Etはエチル基、n−Buはn−ブチル基を表す。
Figure 2007245478
Figure 2007245478
特定ポリマーに好適に用いられる酸基を有するモノマーについて説明する。
酸基を有するモノマーに含まれる酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、又はホスホン酸基が特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
−カルボン酸基を有するモノマー−
カルボン酸基を有するモノマーとしては、カルボン酸基及び重合性二重結合をその構造中に有する重合性化合物であれば特に限定されるものではない。
上記カルボン酸基を有するモノマーの好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007245478
式(2)中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又は下記式(3)で示される有機基を表し、R1〜R4の少なくとも1つは下記式(3)で表される有機基である。
ここで、特定ポリマーを製造する際の共重合性や原料入手性の観点からは、R1〜R4中に、下記式(3)で表される有機基を1〜2個有することが好ましく、1個有することが特に好ましい。重合の結果として得られる特定ポリマーの柔軟性の観点からは、R1〜R4のうち、下記式(3)で表される有機基の他は、アルキル基又は水素原子であることが好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
また、同様の理由から、R1〜R4がアルキル基である場合は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
Figure 2007245478
式(3)中、Xは、単結合、アルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は下記構造式(i)〜(iii)で表されるうちのいずれかを表す。重合性、入手性、等の観点からは、単結合、フェニレン基に代表されるアリーレン基、又は下記構造式(i)で表されるもの好ましく、アリーレン基又は下記構造式(i)で表されるものがより好ましく、下記構造式(i)で表されるものが特に好ましい。
Figure 2007245478
構造式(i)〜(iii)中、Yは2価の連結基、Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。Yとしては、炭素原子数1〜16のアルキレン基又は単結合が好ましい。アルキレン基内のメチレン(−CH2−)は、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONR−;Rは水素原子又はアルキル基を表す。)で置換されていてもよく、メチレン基を置換する結合としては、エーテル結合又はエステル結合が特に好ましい。
このような2価の連結基のうち、特に好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 2007245478
式(2)で表されるカルボン酸基を有するモノマーとして、特に好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007245478
−スルホン酸基を有するモノマー−
スルホン酸基を有するモノマーとしては、スルホン酸基及び重合性二重結合をその構造中に有する重合性化合物であれば特に限定されるものではない。
上記スルホン酸基を有するモノマーの好ましい具体例としては、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、及び4−スチレンスルホン酸、等が挙げられる。
−ホスホン酸基を有するモノマー−
ホスホン酸基を有するモノマーとしては、ホスホン酸基及び重合性二重結合をその構造中に有する重合性化合物であれば特に限定されるものではない。
ホスホン酸基を有するモノマーの好ましい具体例としては、アシッドホスホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、等が挙げられる。
以下に、前記特定ポリマーに好適に用いることができるその他のモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1) N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド又はN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−、m−又はp−ヒドロキシスチレン、o−又はm−ブロモーp−ヒドロキシステレン、o−又はm−クロル−p−ヒドロキンスチレン、o−、m−又はp−ヒドロキシフェニルアクリレート又はメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類及びヒドロキシスチレン類;
(2) N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタタリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド;
(3) トシルアクリルアミドのように置換基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、及びトシルメタクリルアミドのような置換基があってもよいフェニルスルホニルメタクリルアミド;
(4) 脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート;
(5) アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどの(置換)アクリル酸エステル;
(6) メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの(置換)メタクリル酸エステル;
(7) アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド及びN−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアクリルアミド若しくはメタクリルアミド;
(8) エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
(9) ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;
(10) スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン類;
(11) メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどのビニルケトン類;
(12) エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレフィン類;
(13) N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(14) パントイルラクトン(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイル−γ−ブチロラトン、β−(メタ)アクリロイル−γ−ブチロラクトンなどのラクトン基含有モノマー;
(15) ポリエチレングリコールモノ(メタ)アタリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのエチレンオキシド基含有モノマーなど。
特定ポリマー中、上記したその他のモノマーの含有率としては、95モル%以下が好ましく、より好ましくは80モル%以下である。
上記その他のモノマーの中でも、(4)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類、(5)アクリル酸エステル類、(6)メタクリル酸エステル類、を共重合させることがより好ましい。
以下、本発明に用いることができる特定ポリマーの具体例(P−1〜P−23)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
下塗層中における特定ポリマーの含有量は、下塗層を構成する全固形分に対して、50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。
(下塗層の形成)
本発明における下塗層は、上述した下塗層の各成分を溶解した塗布液(下塗層形成用塗布液)を、後述する支持体上に種々の方法により塗布することにより設けることができる。下塗層を塗布する方法には、特に制限はないが、代表的なものとしては次の方法が挙げられる。
即ち、(1)メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはこれらの混合溶剤、又は、これらの有機溶剤と水との混合溶剤に、前記特定ポリマーを溶解させた溶液を、支持体上に塗布、乾燥して設ける塗布方法。或いは、(2)メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはそれらの混合溶剤、又はこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に、前記特定ポリマーを溶解させた溶液に、支持体を浸漬し、しかる後、水洗又は空気などによって洗浄、乾燥して下塗層を設ける塗布方法を挙げることができる。
前記(1)の塗布方法では、上記化合物合計で0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布すればよい。塗布手段としては、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの手段を用いてもよい。また、前記(2)の塗布方法では、溶液の濃度は、好ましくは0.005〜20重量%、より好ましくは0.01〜10重量%であり、浸漬温度は、好ましくは0〜70℃、より好ましくは5〜60℃であり、浸渡時間は、好ましくは0.1〜5分、より好ましくは0.5〜120秒である。
上記した下塗層形成用塗布液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン酸、安息香酸、クマル酸、リンゴ酸などの有機カルボン酸など種々有機酸性物質、ナフタレンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライドなどの有機クロライド等によりpHを調整し、好ましくはpH=0〜12、より好ましくはpH=0〜6の範囲で使用することもできる。
また、下塗層形成用塗布液には、平版印刷版の調子再現性改良のために、紫外光や可視光、赤外光などを吸収する物質を添加することもできる。
また、下塗層成分としては種々の有機化合物を用いることができる。例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
また、下塗層にオニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は、特開2000−10292号、特開2000−108538号、特開2000−241962号等の公報に詳述されている。
中でも好ましいものとして、ポリ(p−ビニル安息香酸)などで代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。具体例としては、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドとの共重合体、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩との共重合体などが挙げられる。
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の、好ましくは0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は、好ましくは20〜90℃、より好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は、好ましくは0.1秒〜20分、より好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、感光層の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、好ましくは2〜200mg/m2であり、より好ましくは5〜100mg/m2である。被覆量が上記範囲において十分な耐刷性能が得られる。
上記のようにして作製された赤外線感光性平版印刷版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
〔製版〕
本発明の赤外線感光性平版印刷版は、赤外線の照射により画像形成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが用いられるが、波長700〜1,200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適である。
露光された本発明の赤外線感光性平版印刷版は、現像処理及びフィニッシャーや保護ガムなどによる後処理を施されて印刷版となる。これらの処理には、公知の自動現像機などの処理機器を用いることができる。
本発明の赤外線感光性平版印刷版の現像処理及び後処理に用いられる処理剤としては、公知の処理剤の中から適宜選択して用いることができる。
好適な現像液としては、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液には、従来から知られているアルカリ水溶液が使用できる。上記のアルカリ水溶液のうち、特に好適な現像液として、塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、従来良く知られている所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液、及び、特開平8−305039号、特開平11−109637号公報等に記載の、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」が挙げられる。
また、上記現像液には、アニオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が含有されることが、現像促進及び滓の発生防止の点から好ましい。
本発明の平版印刷版をバーニング処理する場合は、バーニング整面液を用い、バーニングプロセッサーなどを用いて行う従来から知られている方法で行うことが好ましい。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[支持体の作製]
<アルミニウム板>
Si:0.06重量%、Fe:0.30重量%、Cu:0.026重量%、Mn:0.001重量%、Mg:0.001重量%、Zn:0.001重量%、Ti:0.02重量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1,200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム板を幅1,030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
(a)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板をg/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(b)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(c)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル、アンモニウムイオンを0.007重量%含む)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(d)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(f)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(g)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)、温度は38℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
(j)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1重量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.5mg/m2であった。
<支持体A>
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い支持体Aを作製した。
<支持体B>
上記支持体Aの作製工程のうち(c)、(d)及び(e)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(f)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体Bを作製した。
〔実施例1〜3、比較例1〜3〕
上記によって得られた支持体Aの表面処理した裏面に、下記の<バックコート層1:実施例1>〜<バックコート層3:実施例3>、<バックコート層4:比較例1>及び<バックコート層5:比較例2>のバックコート層を設けた。また、バックコートを設けないものを比較例3とした。
<バックコート層1:実施例1>
下記のバックコート液をバーコーターで塗布し、100℃4分間乾燥し、乾燥後の塗布量が3g/m2のバックコートを設けた。その後、ウシオユーテック(株)製焼付け用光源装置 ユニレックURM−600Rを用い光源からの距離を1mに調整し、800カウント露光した。
・UV−2010B(日本合成化学社製 紫光シリーズのウレタンオリゴマー)
2.25重量部
・イルガキュア184(CIBA GEIGY社製) 0.15重量部
・A−TMMT(新中村化学工業(株)製 ペンタエリスリトールテトラアクリレート) 1.65重量部
・メチルエチルケトン(MEK) 10.0重量部
<バックコート層2:実施例2>
下記のバックコート液をバーコーターで塗布し、100℃4分間乾燥し、乾燥後の塗布量が3g/m2のバックコートを設けた。その後、ウシオユーテック(株)製焼付け用光源装置 ユニレックURM−600Rを用い光源からの距離を1mに調整し、800カウント露光した。
・UV−3000B(日本合成化学社製 紫光シリーズのウレタンオリゴマー)
2.25重量部
・イルガキュア184(CIBA GEIGY社製) 0.15重量部
・A−TMMT(新中村化学工業(株)製 ペンタエリスリトールテトラアクリレート) 1.65重量部
・MEK 10.0重量部
<バックコート層3:実施例3>
厚さ20μmのエチレン・プロピレンゴム(EPDM)シートを接着剤で接着し、バックコートを設けた。
<バックコート層4:比較例1>
下記のゾル−ゲル液をバーコーターで塗布し、100℃30秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が120mg/m2のバックコート層を設けた。
[ゾル−ゲル反応液]
・テトラエチルシリケート 50重量部
・水 90重量部
・メタノール 10重量部
・リン酸 0.1重量部
上記成分を混合、撹拌すると約30分で発熱した。60分撹拌して反応させた後、以下に示す液を加えることによってバックコート液を調整した。
・ピロガロールホルムアルデヒド縮重合樹脂(Mw:2,200、有機高分子化合物)
5重量部
・マレイン酸ジブチル 5重量部
・メタノールシリカゾル(コロイダルシリカゾル、日産化学工業(株)製、メタノール30%) 50重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.5重量部
・メタノール 800重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 270重量部
<バックコート層5:比較例2>
下記のバックコート液をバーコーターで塗布し、100℃で60秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が200mg/m2のバックコート層を設けた。
・飽和共重合ポリエステス樹脂(ケミットK−1294 東レ(株)製) 3重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.2重量部
・メチルエチルケトン 100重量部
<有機下塗層の形成>
上述のようにバックコート層まで設けた実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3の支持体の表面処理した面に、下記の有機下塗液をバーコーターで塗布し、80℃15秒間乾燥し、乾燥後の被覆量が18mg/m2の有機下塗層を設けた。
・下記高分子化合物 0.3重量部
・メタノール 100重量部
Figure 2007245478
<記録層の形成>
上述のように設けた有機下塗層の表面に、以下の記録層形成用塗布液1をバーコーターで塗布し、TABAI社製PERFECT OVEN PH200にて130℃50秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が1.3g/m2の記録層を設けた。その後、以下の記録層形成用塗布液2をバーコーターで塗布し、TABAI社製PERFECT OVEN PH200にて130℃60秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が0.26g/m2の記録層を設け、実施例1〜実施例3、及び比較例1〜比較例3の赤外線感光性平版印刷版を得た。
(記録層形成用塗布液1)
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル共重合体(36/34/30重量%:重量平均分子量50,000、酸価2.65) 1.9重量部
・m/pクレゾールノボラック 0.3重量部
(m/p=6/4、重量平均分子量4,500、未反応クレゾール0.8重量%含有)
・シアニン染料A(下記構造) 0.13重量部
・4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.13重量部
・無水テトラヒドロフタル酸 0.19重量部
・p−トルエンスルホン酸 0.008重量部
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン ヘキサフルオロホスフェート
0.032重量部
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸イオンに変えたもの 0.078重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.2重量部
・メチルエチルケトン 16.0重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.0重量部
・γ−ブチロラクトン 8.0重量部
Figure 2007245478
(記録層形成用塗布液2)
・フェノール/m/p クレゾールノボラック(フェノール/m/p=5/3/2、重量平均分子量5,000、未反応クレゾール0.8重量%含有) 0.27重量部
・アクリル樹脂B(下記構造) 0.042重量部
・前記シアニン染料A 0.019重量部
・長鎖アルキル基含有ポリマーC(下記構造) 0.042重量部
・スルホニウム塩化合物D(下記構造) 0.065重量部
・化合物Y 0.004重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.02重量部
・F系界面界面活性剤E(メチルエチルケトン60%) 0.032重量部
・メチルエチルケトン 13.0重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 7.0重量部
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
Figure 2007245478
〔実施例4〜6〕
支持体として先に作製した支持体Bを用いた以外は、実施例1〜3と同様のバックコート層、有機下塗層、画像形成層1及び画像形成層2を設け、実施例4〜6の赤外線感光性平版印刷版を得た。
〔比較例4〜6〕
支持体として先に作製した支持体Bを用いた以外は、比較例1〜3と同様のバックコート層、有機下塗層、画像形成層1及び画像形成層2を設け、比較例4〜6の赤外線感光性平版印刷版を得た。
<評価>
得られた実施例及び比較例の各赤外線感光性平版印刷版について、「1.バックコート層の硬度」を測定し、また、「2.輸送による擦れ傷の発生」、「3.オートローダーでの擦れ傷の発生」を評価した。
1.バックコート層の硬度
得られた各赤外線感光性平版印刷版について、下記の測定条件によりバックコート層の硬度を測定した。結果を表1に示す。
<トライボスコープ測定条件>
測定装置:MultimodeAFM(ビーコ社製)+Triboscope(Hysitron社製)
圧子 :Berkovich型(S/N:TI-064)
設定荷重:100μN
印加速度:20μN/s
最大荷重保持時間:2s
<AMF測定条件>
測定装置:AFM(ビーコ社製 D3100/NanoscopeIIIa型)
カンチレバー:オリンパス社製 AC160TS
2.輸送による擦れ傷発生の評価
得られた各赤外線感光性平版印刷版を、1,030mm×800mmに裁断し各々30枚準備した。この30枚を合紙を入れずに重ねて、上下に厚さ0.5mmのボール紙を各1枚置いて、4隅をテープ止めした後、アルミクラフト紙で包装した。これを更に段ボールケースで外装しテープ止めし、合紙レス包装形態とした。これをパレットに載せ、トラックで2,000kmの輸送を行った後、開封した。開封後の赤外線感光性平版印刷版を、富士写真フイルム(株)製自動現像機LP−940HIIに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2を1:8で仕込み、現像温度32℃、現像時間12秒で現像処理した。このときの現像液の電導度は43mS/cmであった。現像後の平版印刷版について、輸送に起因して生じた画像部の抜けの有無を目視により観察し、評価した。
画像部の抜けが無いものを「○」、画像部の抜けが有ったものを「×」とした。結果を表1に示す。
3.オートローダーでの擦れ傷発生の評価
上記と同一サイズの平版印刷版を、富士写真フイルム(株)製LuxelT−9800CTPシングルオートローダーのカセットに合紙を入れずに10枚セットし、自動給版させてドラム装着した後、露光しないで搬出させ、富士写真フイルム(株)製の自動現像機LP−940HIIに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1(1:1で希釈したもの)を仕込み、現像温度32℃、現像時間12秒で現像処理した。このときの現像液の電動度は43mS/cmであった。現像後の平版印刷版を目視し、ロード、アンロードによる擦れ傷の発生を評価した。
擦れ傷の発生が無かったものを「○」、擦れ傷の発生が有ったものを「×」とした。結果を表1に示す。
Figure 2007245478
表1からも分かるように、本発明の赤外線感光性平版印刷版は輸送による擦れ傷及びオートローダーでの擦れ傷は発生せず良好な結果を示した。
更に支持体の表面処理条件を変えても良好な結果を示すことが分かる。
〔実施例7〜9、比較例7〜9〕
<支持体の作製>
[アルミニウム板]
Si:0.06重量%、Fe:0.30重量%、Cu:0.026重量%、Mn:0.001重量%、Mg:0.001重量%、Zn:0.001重量%、Ti:0.02重量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1,200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム板を幅1,030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板をg/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル、アンモニウムイオンを0.007重量%含む)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)、温度は38℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の1号ケイ酸ソーダの4重量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は5.5mg/m2であった。
このようにして支持体Cを得た。
上記によって得られた支持体Cの表面処理した裏面に、実施例1〜3、比較例1及び2と同様のバックコート層を設け、実施例7〜9、比較例7及び8とした。また、バックコートを設けないものを比較例9とした。
<有機下塗層の形成>
バックコート層まで設けた実施例7〜9及び比較例7〜9の支持体の表面処理した面に、下記の有機下塗液をバーコーターで塗布し、80℃15秒間乾燥し、乾燥後の被覆量が18mg/m2の有機下塗層を設けた。
・下記高分子化合物 0.3重量部
・メタノール 100重量部
Figure 2007245478
<記録層の形成>
上述のように設けた有機下塗層の表面に、以下の記録層形成用塗布液3をバーコーターで塗布し、TABAI社製PERFECT OVEN PH200にて130℃50秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が0.85g/m2の記録層を設けた。その後、以下の記録層形成用塗布液4をバーコーターで塗布し、TABAI社製PERFECT OVEN PH200にて130℃60秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が0.22g/m2の記録層を設け、実施例7〜実施例9、及び比較例7〜比較例9の赤外線感光性平版印刷版を得た。
(記録層形成用塗布液3)
・N−(4−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル共重合体(36/34/30重量%:重量平均分子量50,000、酸価2.65) 1.9重量部
・m/pクレゾールノボラック 0.3重量部
(m/p=6/4、重量平均分子量4,500、未反応クレゾール0.8重量%含有)
・前記シアニン染料A 0.13重量部
・4,4’−ビスヒドロキシフェニルスルホン 0.13重量部
・無水テトラヒドロフタル酸 0.19重量部
・p−トルエンスルホン酸 0.008重量部
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン ヘキサフルオロホスフェート
0.032重量部
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸イオンに変えたもの 0.078重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.2重量部
・メチルエチルケトン 25.0重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.0重量部
・γ−ブチロラクトン 13.0重量部
(記録層形成用塗布液4)
・フェノール/m/p クレゾールノボラック(フェノール/m/p=5/3/2、重量平均分子量5,000、未反応クレゾール0.8重量%含有) 0.27重量部
・前記アクリル樹脂B 0.042重量部
・前記シアニン染料A 0.019重量部
・前記スルホニウム塩化合物D 0.065重量部
・前記化合物Y 0.004重量部
・メガファックF780(F系界面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製、メチルエチルケトン30%) 0.02重量部
・前記F系界面界面活性剤E(メチルエチルケトン60%) 0.032重量部
・メチルエチルケトン 13.0重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 7.0重量部
<評価>
得られた実施例及び比較例の各赤外線感光性平版印刷版について、「1.バックコート層の硬度」を前述と同一の方法で測定し、また、「2.輸送による擦れ傷の発生」、「3.オートローダーでの擦れ傷の発生」の項目について、前述と同一の方法で評価した。その結果を表2に示す。
Figure 2007245478
表2からも分かるように、本発明の赤外線感光性平版印刷版は支持体の表面処理条件及び記録層組成を変えても良好な結果を示すことが分かる。

Claims (2)

  1. 支持体の片面に、赤外線の照射により画像を形成し得る記録層を有し、
    該支持体の記録層を有する面とは反対側の面に、ビッカーズ硬度0.2以下のバックコート層を有することを特徴とする
    赤外線感光性平版印刷版。
  2. 前記記録層が赤外線吸収剤を含有する請求項1記載の赤外線感光性平版印刷版。
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