JP2007245424A - 液体吐出装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

液体吐出装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 液体吐出ヘッドの吸引の際、簡素な構成で個別吸引を行う。
【解決手段】 液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズルに液体を供給する圧力室と、各々の前記圧力室に液体を供給する共通液室と、前記ノズルのうち選択される一部について、前記ノズルの吸引の際、前記ノズル内の液体を吸引する個別吸引部を有し、前記ノズルのうち、前記個別吸引部により吸引されていない非吸引ノズルの前記非吸引ノズル内の圧力Pnであり、前記非吸引ノズルより空気が流入しない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値をP0-ΔPinであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、P0-ΔPin<Pnであることを特徴とする液体吐出装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液体吐出装置並びに、これを備えた画像形成装置に関するものであり、特に、記録媒体等にインクを吐出させて画像形成を行う装置において、ノズル詰まり等が生じた場合、吐出を回復するための吸引機構を有する液体吐出装置及び、これを備えた画像形成装置に関するものである。
従来からある画像形成装置として、多数の液体吐出ノズルを配置させたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから記録媒体に向けてインク(液体)を吐出することにより記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
このようなインクジェットプリンタのインクジェットヘッドは、たとえばインクタンクからインク供給路を介してインクが供給される圧力室と、画像データに応じた電気信号によって駆動される圧電素子と、圧電素子の駆動によって変形する圧力室の一部を構成する振動板と、振動板の変形によって圧力室の容積が減少することにより圧力室内のインクが液滴として吐出される圧力室に連通するノズルを含む圧力発生ユニットを有している。そして、インクジェットプリンタにおいては、圧力発生ユニットのノズルから吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって記録媒体上に1つの画像が形成される。
このようなインクジェットプリンタは、微細なノズルからインクを直接吐出して情報を記録するため、ノズル状態の異常である吐出不良や不吐出に起因する印刷不良が問題となり、常にインクを正常吐出可能な状態に保持する必要がある。
特に、画像信号が入力される時のみインクの吐出が行われるオンデマンド型のインクジェットプリンタにおいては、長期にわたってインクの吐出が行われないノズルが存在する場合があり、その場合、このノズルからインク溶媒が蒸発し、インクの粘度が上昇したり、さらには乾燥したりして吐出不良が発生する。また、このような現象は、長期間記録動作が行われない場合にも発生する。
又、近年のインクジェットヘッドは、印刷の高速化を目的としてノズル数が増加する傾向にある。吐出不良の生じているヘッドの吐出回復手段としては、ノズル内の液体を液体吐出方向に吸引することにより、圧力室内のインクを入れ替える方法が一般的に行われている。
しかしながら、ノズル数の多いヘッドについて、このような吸引を行うと、全ての圧力室内のインクを入れ替えることなる。即ち、正常に吐出しているノズル内のインクまでも入れ替えることとなり、インクの無駄が生じる。
従って、無駄なインクの消費をなくすためインクジェットヘッドのノズルを複数の領域に分割し、吸引が必要な一部のノズルが含まれる領域のみ吸引を行う「個別吸引」という手法が考えられている。しかし、インクジェットヘッドの複数のノズルのうち、一部のノズルのみから吸引を行うと、インクは吸引を行っているノズルから液体吐出方向に引っ張られる。ノズルに供給されるインクは、一般に共通流路より供給されるため、各ノズル間は、共通流路を介し連通している。このため吸引を行っているノズルにおいて液体吐出方向へと働く力は、共通流路を介し、他の吸引を行っていないノズルにも伝達される。この力によりインクは逆流し、吸引を行ってないノズルからは、空気等を吸込んでしまうおそれがある。
このため、特許文献1に記載された発明のようにインクジェットヘッド内の共通流路からノズルに至るまでの間に開閉弁等を設ける構成が提案されている。このような構成とすることで、インクの逆流を防止することができ、吸引を行っていないノズルから、空気等を吸込んでしまうことを防止することができる。
特開平11−314376号公報
しかしながら、このような開閉弁を設けた場合、その分インクジェットヘッドのコストアップにつながる。また、実際にインクジェットヘッドの内部に開閉弁を設けることは、製造上困難であるとともに、装置の大型化を招く。更に、ノズル数が10000ノズルといった大型ヘッドの場合では、各々のノズルに開閉弁を設けた場合、歩留まりの低下が懸念される。以上のように、コスト、製造、歩留まりの観点から、各々のノズルに開閉弁を設けることは実用上問題が大きい。
一方、特許文献1に記載された発明を応用して、ある程度のまとまったノズルごと(例えば1000ノズルごと)を1ユニットとして、ユニット単位で開閉弁を設けることも可能である。この場合、開閉弁の数を減らすことができ、上記問題点を幾らか改善することはできるが、各々のユニット間での圧力のバラツキが生じ、この圧力のバラツキが原因となり画質に悪影響を与えるため実用的でない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、液体吐出装置におけるインクジェットヘッド内に開閉弁を設けることなく、インクジェットヘッドのノズルの個別吸引を行うことを目的とするものである。
請求項1に記載された発明は、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズルに液体を供給する圧力室と、各々の前記圧力室に液体を供給する共通液室と、前記ノズルのうち選択される一部について、前記ノズルの吸引の際、前記ノズル内の液体を吸引する個別吸引部と、を有し、前記ノズルのうち、前記個別吸引部により吸引されていない非吸引ノズルの前記非吸引ノズル内の圧力Pnであり、前記非吸引ノズルより空気が流入しない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値をP0-ΔPinであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、P0-ΔPin<Pnであることを特徴とする液体吐出装置である。
請求項2に記載された発明は、液体を吐出する複数のノズルと、前記ノズルに液体を供給する圧力室と、各々の前記圧力室に液体を供給する共通液室と、前記ノズルのうち選択される一部について、前記ノズルの吸引の際、前記ノズル内の液体を吸引する個別吸引部と、を有し、前記ノズルのうち、前記個別吸引部により吸引されていない非吸引ノズルの前記非吸引ノズル内の圧力がPnであり、前記非吸引ノズルより液体が垂れない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0+ΔPoutであり、前記非吸引ノズルより空気が流入しない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0-ΔPinであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、P0-ΔPin<Pn<P0+ΔPoutであることを特徴とする液体吐出装置である。
請求項3に記載された発明は、前記非吸引ノズルより液体が垂れない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0+ΔPoutであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、P0+ΔPout<Pnであることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置である。
請求項4に記載された発明は、前記共通液室と前記圧力室との境界部分、前記圧力室内、或いは、前記圧力室と前記ノズル間のいずれかに、前記ノズルの径よりも小さな径の孔により構成されたフィルタを設置したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出装置である。
請求項5に記載された発明は、前記ノズルの吸引の際、前記共通液室内の液体を加圧することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出装置である。
請求項6に記載された発明は、前記共通液室に液体を供給するためのインクタンクと、前記インクタンクと前記共通液室とを連結するインク供給流路と、前記供給流路内に流路調整機構と、を有し、前記流路調整機構は、前記個別吸引部により吸引しているノズル数に対し、略反比例となるように、流路抵抗を調整するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出装置である。
請求項7に記載された発明は、前記ノズルの吸引の際、前記液体吐出ヘッド全体を、インク供給流路の接続されている部分が上となるように、水平位置から傾けることを有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液体吐出装置である。
請求項8に記載された発明は、請求項1から7に記載の液体吐出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
以上説明したように、本発明によれば、液体吐出装置におけるインクジェットヘッド内に開閉弁を設けることなく、インクジェットヘッドのノズルの個別吸引を行うことができるため、従来の個別吸引を行うインクジェットヘッドと比べ、コスト低下、製造工程の簡素化、歩留まりの向上といった効果を得ることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であるインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」と称する場合あり)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、ヘッド12K、12C、12M、12Yのノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16(記録媒体)の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、前記カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、前記固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくともヘッド12K、12C、12M、12Yのノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示、図6に符号88で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
図2は、インクジェット記録装置10の印字部12周辺を示す要部平面図である。
図2に示すように、印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドを有している。印字部12を構成する各ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙送り方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙送り方向と直交する主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、前記イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいため、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことができ、画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔液体吐出ヘッドの構成〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。
記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a)〜(c) に示したように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室(液室)52、供給口54等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)を狭め、高密度化を達成している。
紙送り方向と略直交する主走査方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(c) に示すように、複数のノズル51が2次元状に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
なお、本例では圧力室52の平面形状が略正方形である態様を示したが、圧力室52の平面形状は略正方形に限定されず、略円形状、略だ円形状、略平行四辺形(ひし形)など様々な形状を適用することができる。また、ノズル51や供給口54の配置も図3(a)〜(c)に示す配置に限定されず、圧力室52の略中央部にノズル51を配置してもよいし、圧力室52の側壁側に供給口54を配置してもよい。
図3(b) に示すように、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造や、2列の千鳥配置されたノズル列を有する構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体の幅方向(主走査方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図3(a)〜(c)に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本実施形態ではフルラインヘッドを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、記録紙16の幅よりも短い長さのノズル列を有する短尺のヘッドを記録紙16の幅方向に走査させながら、記録紙16の幅方向の印字を行うシリアル型ヘッドにも適用可能である。
尚、図3(a)〜(c)に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル基板59に形成されたノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は図3(a),(b)に示す供給口を介して不図示の共通流路(共通液室)と連通されている。前記共通流路は不図示のインク供給タンクと連通しており、前記インク供給タンクから供給されるインクは前記共通流路を介して各圧力室52に分配供給される。
〔液体吐出ヘッドの構造〕
次に、液体吐出ヘッドの構造の詳細について図4に基づき説明する。図4は液体吐出ヘッドにおける一つのイジェクタに対応する領域の断面図(図3(a),(b) 中の4A−4B線に沿う断面図)である。
図4に示すように液体吐出ヘッドは、イジェクタ層153と共通液室層60により形成されており、共通液室層60は、イジェクタ層153にインクを供給するための共通流路である共通液室55を有している。共通液室55は、イジェクタ層153と壁面69に囲まれており、この中をインクが流れる構造となっている。イジェクタ層153は、インクを吐出するノズル51と連通する個別液室である圧力室52等によって形成され、供給口54を介してインクを供給する共通液室55と連通している。圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56を変形させる圧電素子58が接合されており、圧電素子58の上面には個別電極57が形成されている。尚、振動板56は共通電極を兼ねており、ノズル51は、ノズルプレート59に設けた穿孔により形成されている。
圧電素子58は、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれており、共通電極(振動板56)と個別電極57との間に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が変形し、圧力室52の容積が縮小されて、圧力室52内のインクに圧力がかかり、ノズル51からインクが吐出されるような構造となっている。共通電極(振動板56)と個別電極57との間に印加されていた電圧が解除されると圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、共通液室55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
〔吐出回復機構〕
本実施の形態に係る液体吐出装置における吸引について説明するにあたり、本発明の原理について説明する。
図5は、個別吸引の行われているイジェクタ50aと個別吸引の行われていないイジェクタ50bを示した図である。イジェクタ50aにおいてインクの個別吸引を行った際、吸引の行われているノズル(「吸引ノズル」)51aでは、液体吐出方向に液体が引っ張られるような方向に力(負圧)が働きインクが吸引される。この際、吸引ノズル51aからインクは吸引されるため、インクが圧力室52a、供給口54aを介し、共通液室55から流入する方向に力が働く。この力は、個別吸引の行われていないイジェクタ50bにおける吸引されていないノズル(「非吸引ノズル」)51bにも影響を与え、非吸引ノズル51bの圧力室52bから供給口54bを介し、共通液室55にインクが引っ張られる方向に力が働き、さらにはノズル51bから圧力室52bへとインクが引っ張られる方向に力が働く。この力により、図6(a)に示すように、ノズル51bのメニスカス面5は後退し、この力がさらに強い場合には、メニスカス面5はさらに後退し、ついにはノズル51bより大気が流入してしまう。
このように、ノズル51bより大気が流入すると、ノズル51b近傍を浮遊しているゴミや塵等といったものも大気と一緒にノズル51b内或いは圧力室52b内に入り込んでしまい、ノズル51bの吐出不良の原因となってしまう。
一方、前記の場合とは逆の場合、即ち、共通液室55のインクが加圧状態となった場合を考える。この場合、個別吸引の行われていないイジェクタ50bでは、共通液室55から供給口54bを介し圧力室52bへとインクを圧す方向に力が働き、さらに、この力は、圧力室52bからノズル51bへとインクを圧し出す方向に力が働く。この力により、図6(b)に示すように、ノズル51bのメニスカス面5は前進し、この力がさらに強い場合には、メニスカス面5はさらに前進してしまい、ついにはノズル51よりインク滴としてインクが垂れてしまう。このように、非吸引ノズル51bからもインクが垂れてしまうと、このインクは画像形成に寄与するわけでもなく、無駄なインクとなってしまい経済的でない。ノズル51間では上記関係にあるが、ノズル51に連通する共通液室55は、後述するインクタンクとも接続されており、インクタンクにおける圧力にも依存する。
以上より、ノズル51b内においてインクにかかる圧力は、ノズル51bから大気が逆流することなく、また、インクが滴として垂れないことが要求される。
具体的には、ノズル51bより大気が逆流しないためのノズル51bにおける限界となる圧力をP0−ΔPinとする。ここで、P0は大気圧であり、ΔPinはノズル51bより大気が逆流しないための限界圧力差である。
また、ノズル51よりインクが垂れないためのノズル51bにおける限界となる圧力をP0+ΔPoutとする。ここで、P0は大気圧であり、ΔPoutは、ノズル51bよりインクが垂れないための限界圧力差である。
これより、ノズル51bにおける圧力Pnは、
P0−ΔPin<Pn<P0+ΔPout
を満たしていることが要求される。
次に、本実施の形態に係る液体吐出装置について、図7、図8に基づき説明する。
図7は、本実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図である。本実施の形態に係る液体吐出装置は、インクタンク61を有しており、インク供給路62をインクが矢印の方向に流れることにより、共通液室層60内の共通液室55にインクが供給される。共通液室55に供給されたインクは、さらに矢印の方向へと流れつつ、イジェクタ層153内の圧力室52の各々へと供給される。
インクの吸引はキャップ部材63を液体吐出ヘッドのノズル51面に密着させ、所定の領域のノズル51について、キャップ部材63に連通するインク吸引路65を介し吸引ポンプ64により個別吸引を行う。
図8に、キャップ部材63の構造を示す。図8(a)はキャップ部材63の斜視図、(b)は、上面図、(c)は、断面図である。
キャップ部材63は、各々のエリアごとに個別吸引を行うことができるように、個別吸引部66が設けられている。キャップ部材63をイジェクタ層153に密着させた際、個別吸引部66に覆われた領域内に、吸引を行う必要のあるノズル51が存在している場合、即ち、吐出異常ノズルが存在している場合に、その個別吸引部66の吸引が行われる。一方、個別吸引部66に覆われた領域内に吸引を行う必要のあるノズル51が存在していない場合には、その個別吸引部66の吸引は行われない。この場合、その個別吸引部66に設けられたバルブ67は、閉められた状態のままであり、その個別吸引部66が負圧となることはない。尚、吐出異常ノズルについては、図1に示した印字検出部24や各々のノズル51に設けられた不図示の不吐出検出機構等により検出される。個別吸引部66において、個別吸引を行う場合は、その個別吸引部66に設けられたバルブ67が開くことにより、その個別吸引部66の領域内は負圧となる。個別吸引部66の領域内が負圧になることにより、その領域内に存在しているノズル51から、インクが吸引される。ノズル51より吸引されたインクは、共通吸引部68を介し、インク吸引路65より吸引される。
次に、図7、図8で説明した液体吐出装置の液体吐出ヘッドの全体の流路抵抗について、図9に基づき説明する。
図9は、液体吐出ヘッドの全体の流路を音響回路図として記載したものである。
インクタンク61より供給されたインクは、インク供給路62を介し、共通液室55に供給されるが、この間における、インクの流路抵抗として、インク供給路抵抗102が存在している。このインク供給路抵抗102により、インクタンク61のインクの圧力値P1は、P2へと値が変化する。この後、共通液室55内では共通液室抵抗103が存在している。この共通液室抵抗103により、インク供給路62の出口、即ち、共通液室55の入口におけるインクの圧力値P2は、P3へと値が変化する。この後、インクはイジェクタ層153に供給されるが、イジェクタ層153においても流路抵抗としてイジェクタ抵抗104が存在している。図10に示すように、イジェクタ抵抗104は、必要に応じて設けられる個別フィルタによる抵抗111、インク供給口54における抵抗112、圧力室52における抵抗113、ノズル51連通路及びノズル51における抵抗114等からなる。
尚、液体吐出ヘッドの全体の流路抵抗は、吸引ノズル106数に依存する。即ち、
(液体吐出ヘッド全体の流路抵抗)∝(1/吸引ノズル数)
であるため、
(液体吐出ヘッド全体の体積速度(流量))∝(吸引ノズル数)
となる。ここでは、
(インク供給路における圧力損失)=(流路抵抗)×(液体吐出ヘッド全体の流量)
より、
(インク供給路における圧力損失)∝(吸引ノズル数)
となるからである。
個別吸引の際は、吸引ポンプ64により吸引ノズル106の吸引が行われるが、このときの吸引ノズル51の圧力の値はP4である。この個別吸引はイジェクタ抵抗104による影響を受けた後、圧力値P3の値に変動を与える。影響を受けた共通液室55出口の圧力値P3により、非吸引ノズル107においては、ノズル先端部のインクの圧力値Pnとなる。
液体が流れていないとことは圧力が一定である(パスカルの原理)より、ノズル先端部のインクの圧力値Pnは、P3からP2の範囲内に収まるため、
P3≦Pn≦P2
の関係が成立している。
即ち、Pnの値の下限はP3であり、上限はP2である。
本実施の形態では、インクタンク61には圧力を加えないため、各々の圧力は、図11に示すような関係となる。即ち、インクタンクにおけるインクの圧力値P1は、圧力を加えないため大気圧P0と同一となる。吸引ノズル106よりインクの吸引が行われた場合、インク供給路抵抗102、共通液室抵抗103の流路抵抗により、圧力値P2、P3は図に示すように減圧される。Pnの値は、このP2とP3の間に存在するため、P3の値が、P0−ΔPinよりも大きければよいことになる。
〔実施例〕
次に、本実施の形態における実施例を具体的な数値に基づき説明する。尚、流路抵抗の値については、図12のグラフにも示す。
本実施例では、イジェクタ層153に設けられたノズル51は、15600〔本〕有しており、キャップ部材63に形成された個別吸引部66は、ノズル51を200〔本〕まとめて吸引できるように形成されている。従って、キャップ部材63には、78の領域の個別吸引部66が設けられている。
インクの粘度:10〔cP〕
インク供給路抵抗102:5.0×10^8〔Ns/m^5〕
インク供給路62の長さ:100〔mm〕、内径:3〔mm〕
共通液室抵抗103:7.4×10^7〔Ns/m^5〕
共通液室55の幅:20〔mm〕、高さ:3〔mm〕、長さ:300〔mm〕
1イジェクタあたりの流路抵抗104:5.0×10^13〔Ns/m^5〕
図12に示すグラフより、一つのイジェクタにおける流路抵抗104は、インク供給路抵抗102、共通液室抵抗103と比べて、相対的に大きな値である。ここで示しているのは、一つのイジェクタにおける流路抵抗の値であり、本実施の形態における液体吐出装置の全てのノズルの本数が、15600〔本〕であることを考慮しても、共通液室抵抗103と比較すると大きな値となる。
1イジェクタあたりの流路抵抗104は、2〜3〔pl〕の液滴を20〜40〔kHz〕で吐出する場合から算出される値である。
尚、共通液室抵抗103は、吸引するノズル51の存在する場所により、その値が変化するものである。本実施の形態では、説明の関係上、共通液室抵抗103の値が最も大きくなる場合を想定して算出した。図9、図10より、本実施の形態でもっとも厳しい条件となるのは、共通液室抵抗103が最大になる場合だからである。
次に、このような液体吐出装置において、インクを吸引したときの圧力の値について、図13に基づき具体的に説明する。
図13は、吸引部におけるゲージ圧が−50000〔Pa〕となるような吸引ポンプにより個別吸引を行ったときの圧力の値を示す。吸引しているノズルは、11の領域の個別吸引部66を同時に吸引している場合を想定する。即ち、2200〔本〕のノズルを同時に吸引している場合である。
図12に示すように、インクタンク61におけるゲージ圧(相対圧力)の値P1は、圧力が加えられていないため大気圧と同じであるため0〔Pa〕であり、個別吸引を行っている吸引ポンプ64により、個別吸引を行っている吸引ノズル106におけるゲージ圧の値P4は−50000〔Pa〕である。先に記載した流路抵抗の値に基づき、共通液室55入口の圧力値P2、共通液室55出口の圧力値P3は、それぞれ、P2=−1079〔Pa〕、P3=−1237〔Pa〕となる。本実施の形態においては、ΔPinは3000〔Pa〕であることから、インクがノズル51から逆流し大気が圧力室52に流れ込むことはない。
〔制御系の説明〕
図14はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal serial bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42(図1に図示)等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御(打滴制御)が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図14において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド12K,12C,12M,12Yの圧電素子58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、 プログラム格納部90は動作パラメータ等の記憶手段(不図示)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、システムコントローラ72及びプリント制御部80は、1つのプロセッサから構成されていてもよいし、システムコントローラ72とモータドライバ76及びヒータドライバ78とを一体に構成したデバイスや、プリント制御部80とヘッドドライバとを一体に構成したデバイスを用いてもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、キャップ部材63を移動させながら吸引を行うものである。
第2の実施の形態について、図15に基づき説明する。
液体吐出装置の液体吐出ヘッドでは、インクタンク61からインク供給路62の介し、共通液室層60内の共通液室55に供給された後、イジェクタ層153に供給される。
吸引を行う際キャップ部材163より吸引が行われるが、このキャップ部材163は、図16に示すように、ノズルプレート59に形成されたノズル51の一部を覆うものであり、キャップ部材163に覆われた領域に存在しているノズル51のみ吸引が行われる。吸引は、キャップ部材163に接続されたインク吸引路65を介し、吸引ポンプ64により行われる。
キャップ部材163は、イジェクタ層153に沿って左右に移動可能であり、吸引は、図1に示す印字検出部24や各々のノズル51に設けられた不図示の不吐出検出機構等により検出された異常ノズル51が、キャップ部材163に覆われた際に、吸引ポンプ64が起動して、キャップ部材163に覆われた領域内のノズル51の吸引が行われる。尚、吸引の制御は、吸引ポンプ64のオンオフによる制御ではなく、キャップ部材63と吸引ポンプ64の間のインク吸引路65にバルブを設け、バルブの開閉による制御を行ってもよい。
このように、ノズル51面の一部を覆うキャップ部材163を移動させながら吸引を行うことにより、キャップ部材163の大きさを小さくすることができること、キャップ部材163内にバルブ等を設ける必要がなく構造上簡単なものとなること等の利点を有している。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、液体吐出装置においてイジェクタごとに個別フィルタを設けた構成のものである。
具体的には、図17に示すように、共通液室55と供給口54の間に個別フィルタ150を設けたものである。
個別フィルタ150は流路抵抗を有しているため、個別フィルタ150を設けることにより、ノズル51より共通流路55に至るまでの流路抵抗がない場合と比べて大きくなる。
個別フィルタ150を設けた場合の圧力の関係を図18に示す。
個別フィルタ150を設けていない場合、点線で示す空気を吸込む直前の圧力であるP0+ΔPinが矢印に示すように、P0+ΔP´inへと下がる。このため、個別フィルタ150を設けることで、個別吸引を行う際の圧力範囲が広がり、吸引ポンプ64の吸引力の依存性を低くすることができる。
例えば、ノズル径が25〔μm〕である場合、ノズル径よりも5倍細かい5〔μm〕メッシュの個別フィルタ150を設けた場合、ラプラスヤングの式より、ΔP´inの値は、約15000〔Pa〕となり、個別フィルタ150を設けていない場合ΔPinが3000〔Pa〕であるのに対し大きく広がることが解る。これにより、P2、P3のとりうる値が広がることになり、吸引ポンプ64による吸引力が、多少大きくなった場合であってもノズル51より空気が流入することはない。
また、このように個別フィルタ150を設けることの利点としては、万が一非吸引ノズル51のメニスカス面5が破れて大気が流入したとしても、個別フィルタ150でメニスカスが維持され、吸引終了後は再びノズル51においてメニスカス面5が形成される。このため、空気が流入する際に同時に流入される可能性の高いゴミ等が圧力室52に流入することを最小限にとどめることができ、共通液室55へ塵等が流入することもない。
尚、個別フィルタ150の設置位置に関しては、本実施の形態で示した供給口54と共通液室55の間だけでなく、供給口54内、供給口54と圧力室52の間等であってもよい。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、共通液室55内のインクを加圧した構成のものである。
液体吐出装置が大型化した場合、インクタンク61から共通流路55に至るまでのインク供給路62が長くなり圧力損失が大きくなってしまう。
図19に、インク供給路62の長さが、1000〔mm〕、内径は、3〔mm〕である場合における液体吐出ヘッドの各地点における圧力の値を示す。尚、他の条件は第1の実施の形態の場合と同一である。
図19に示すように、インクタンク61は大気圧のままで、共通液室55内のインクを加圧しない場合には、インク供給路62の長さを長くすることにより、共通液室55出口の圧力値P3=−9169〔Pa〕、共通液室55入口の圧力値P2=−9037〔Pa〕であり、メニスカス維持圧力であるPinの値である3000〔Pa〕を超えてしまう。このように、メニスカス維持圧力である3000〔Pa〕を超えてしまうと、非吸引のノズル51では、メニスカス面5が後退し、空気が流入してしまう。
このため、共通液室55を加圧することにより、共通液室55出口の圧力値P3、共通液室55入口の圧力値P2をメニスカス維持の圧力であるPinの値である3000〔Pa〕に収めることができる。
以上のことに基づいて、本実施の形態を図20に基づき説明する。
本実施の形態では、共通液室層60内の共通液室55のインクの圧力を高めるためインク加圧用ポンプ190を利用するものである。
インクタンク61を密閉状態にした後、図20に示すようにインク供給路62のバルブ181を設け、このバルブ181を閉じ、インク加圧用ポンプ190が所定の圧力になった後、インク加圧用ポンプ190を停止し、吸引開始と同時にバルブ181を開く。吸引によりインクタンク61や共通液室55内のインクの圧力は低下するものの、共通液室55出口P3における圧力が、メニスカス維持圧力ΔPinである3000〔Pa〕の範囲に収まっている間に、吸引が完了すればノズル51より大気が流入することはなく問題はない。
図21に、インク加圧用ポンプ190により共通液室55内のインクの加圧を行った場合における液体吐出ヘッドの各地点における圧力の値を示す。インク供給路62の長さは、1000〔mm〕、内径は、3〔mm〕と、先に記載のものと同じであり、インクタンク61を9000〔Pa〕加圧した場合である。
図21に示すように、インク加圧用ポンプ190により、インクタンク61を9000〔Pa〕加圧を行うと、全体が9000〔Pa〕上にシフトした状態となる。
これにより、共通液室55入口の圧力値P2=−37〔Pa〕、共通液室55出口の圧力値P3=−169〔Pa〕は、大気圧である0〔Pa〕に対し、メニスカス維持圧力ΔPinである3000〔Pa〕以内に収まっており、ノズル51より大気が流入することはない。
尚、このインク加圧用ポンプ190による加圧は、吸引ノズル51数に略比例して圧力を加えればよい。何故ならば、インク供給路62における圧力損失は、吸引ノズル数に比例するからである。
また、本実施の形態では、吸引の際ノズル51数が、2200〔本〕の場合について加圧量を算出したが、例えば、吸引ノズル51数が、1000〔本〕の吸引を行う場合は、加圧量は、4090〔Pa〕(9000〔Pa〕×1000〔本〕/2200〔本〕)に設定すればよい。尚、このことは、後述する実施の形態においても同様である。
本実施の形態では、インクタンク61には圧力を加えているため、各々の圧力は、図22に示すような関係となる。即ち、インクタンクにおけるインクの圧力P1は、共通液室55入口の圧力P2、共通液室55出口の圧力P3全体に、インク加圧用ポンプ190による加圧分だけ上にシフトした状態となる。なお、加圧の際には、P2がP0+ΔPoutの値を超えないよう注意する必要がある。
第4の実施の形態の変形として、図23に示すように、バルブ181を閉じた後、共通液室循環ポンプ180を起動させ、インクを矢印の方向に流す。これにより、共通液室層60内の共通液室55のインクは加圧される。この後、吸引を行うことによっても同様の効果が得られる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態は、吸引の際インクタンク61の位置を液体吐出ヘッドよりも上に移動させるものである。
第5の実施の形態を図24に示す。
図24に示すように、吸引の際、インクタンク61を共通液室層60内の共通液室55よりも上の位置に移動させることにより、共通液室55内のインクを加圧される。インクタンク61を共通液室55よりも約900〔mm〕上にすることにより、相対的にインクタンク61には、9000〔Pa〕の圧力が加わった状態となる。これにより、液体吐出ヘッドの各所の圧力は、図21と同じとなり、吸引を行った際にも、非吸引ノズル51より大気が逆流することなく、メニスカス面5が維持される(地上では、1000〔mm〕の高低差で、約10000〔Pa〕加圧される。)。
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態は、インクタンク61と共通液室層60にある共通液室55との間に設けたバルブを調整することにより、共通液室55内の圧力を調整するものである。
例えば、図25に示すように、共通液室循環ポンプ180を設け、吸引時に共通液室循環ポンプ180を起動させる構成のものについて、バルブ181、バルブ182を設ける。このバルブ181を閉じた状態で、バルブ182により流量調整を行うことにより、共通液室循環ポンプ180において出力調整することなく、共通液室層60内に形成されている共通液室55内のインクの圧力調整が可能となる。
また、図26に示すように、吸引時にインクタンク61を上に移動させる構成のものについて、インクタンク61と共通液室層60との間を連通するインク供給路62にバルブ183を設け、バルブ183の流量調整を行うことにより、インクタンク61を上に移動させた場合、移動させる位置を気にすることなく共通液室層60内に形成されている共通液室55内のインクに所望の圧力を印加することができる。
〔第7の実施の形態〕
第7の実施の形態は、吸引を行う際、液体吐出装置全体を水平位置よりも傾けることにより共通液室層60内に形成されている共通液室55のインクを加圧する方法である。
図27に本実施の形態を示す。
図に示すように、吸引時において、インクタンク61よりインクが供給されるインク供給路62と共通液室層60の接合部分が上になるように傾ける。
例えば、長さ300〔mm〕の液体吐出ヘッドを水平位置より30度傾けた場合、共通液室55と液体吐出ヘッドの長さが略等しいと仮定すると、共通液室55の両端の高低差は、150〔mm〕となり、共通液室55の低い部分の端は、高い部分の端よりも1500〔Pa〕高くなる。これにより、共通液室55内の圧力差を解消することができ、平行に設置した状態では、液体吐出ヘッドの一部のノズル51のみ空気等の流入が起こることを防ぐことができる。
また、共通液室55の両端で最大の圧力差を生じさせたい場合には、図28に示すように、インク供給路62と共通液室層60との接合部分を上に液体吐出ヘッドを垂直にすることも可能である。
〔第8の実施の形態〕
第8の実施の形態は、インクタンク61の加圧を高くしたものである。
ノズル51より大気が逆流した場合では、これによりノズル51より塵等が流入するため、これによりインクが吐出することができない等の液体吐出装置に致命的なダメージを与える場合があるが、ノズル51よりインクが垂れることは、インクの無駄となり経済的ではないというデメリットはあるものの致命的ではない。
むしろ、多少インクが無駄となっても、不吐出ノズル51により使用不能となっている液体吐出ヘッドが使用することができるようになれば、メリットは大きい。
よって、このような条件を満たすためには、
P0+ΔPout<Pn
となる。
インクタンク61への加圧を強めることにより、通常の吸引では再生することのできなかったノズル51の再生も可能となる。
インクタンク61の加圧の手法としては、第4から第7の実施の形態のいずれかにより加圧する。
具体的には、ノズル数15600〔本〕のノズル51全てを吸引した場合、吸引されるインクの量は8.6×10^−6〔m^3/s〕であり、このうち吸引されるノズル51が全体の10%であるとすると、90%に相当する7.8×10^−6〔m^3/s〕が無駄となる。
これに対し、図29に示すように、共通液室55入口における圧力値P2と共通液室55出口における圧力値P3との中間に、P0+ΔPoutが存在するように共通液室55を加圧する。
これより、この加圧により非吸引ノズル51よりインクが漏れ出るのは、非吸引ノズルの約半分である6600〔本〕((15600〔本〕−2200〔本〕)/2)であり、1イジェクタあたりの流路抵抗は、5.0×10^13〔Ns/m^5〕であり、6600〔本〕をあわせた流路抵抗は、7.5×10^9〔Ns/m^5〕である。
よって、インクは、ゲージ圧約3000〔Pa〕によりインクが漏れ出るため、流量は、4.0×10^−7〔m^3/s〕(3000〔Pa〕/(7.5×10^9)〔Ns/m^5〕)となる。
この値は、全ノズルの吸引を行う場合と比べ、不必要となるインクの無駄が約5%で済み、インクの無駄が少なく、不吐出ノズル51の再生が可能となる。又、この場合、漏れ出たインクを用いウエットワイピングも可能となる。
以上、本発明に係る液体吐出装置並びに画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行うことが可能である。
本発明に係る画像形成装置の全体構成図 図1に示す画像形成装置の印字部周辺の要部平面図 液体吐出ヘッドの構造例を示す平面透視図 液体吐出ヘッドの断面図 本発明説明のための液体吐出ヘッドの断面図 ノズル近傍断面図 本発明の第1の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第1の実施の形態に係るキャップ部材の構成図 液体吐出装置の音響回路図 イジェクタ部における音響回路図 圧力関係図 液体吐出装置における流路抵抗比較図 圧力分布図 本発明に係る画像形成装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第2の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第2の実施の形態に係るキャップ部材の構成図 本発明の第3の実施の形態に係る液体吐出ヘッドの断面図 本発明の第3の実施の形態における圧力関係図 第4の実施の形態を説明するための圧力分布図 本発明の第4の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第4の実施の形態における圧力分布図 本発明の第4の実施の形態における圧力関係図 本発明の第4の実施の形態に係る他の液体吐出装置の斜視図 本発明の第5の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第6の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第6の実施の形態に係る他の液体吐出装置の斜視図 本発明の第7の実施の形態に係る液体吐出装置の斜視図 本発明の第7の実施の形態に係る他の液体吐出装置の斜視図 本発明の第8の実施の形態における圧力関係図
符号の説明
60…共通液室層、61…インクタンク、62…インク供給路、63…キャップ部材、64…吸引ポンプ、65…インク吸引路、153…イジェクタ層

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数のノズルと、
    前記ノズルに液体を供給する圧力室と、
    各々の前記圧力室に液体を供給する共通液室と、
    前記ノズルのうち選択される一部について、前記ノズルの吸引の際、前記ノズル内の液体を吸引する個別吸引部と、
    を有し、前記ノズルのうち、前記個別吸引部により吸引されていない非吸引ノズルの前記非吸引ノズル内の圧力Pnであり、
    前記非吸引ノズルより空気が流入しない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値をP0-ΔPinであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、
    P0-ΔPin<Pn
    であることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体を吐出する複数のノズルと、
    前記ノズルに液体を供給する圧力室と、
    各々の前記圧力室に液体を供給する共通液室と、
    前記ノズルのうち選択される一部について、前記ノズルの吸引の際、前記ノズル内の液体を吸引する個別吸引部と、
    を有し、前記ノズルのうち、前記個別吸引部により吸引されていない非吸引ノズルの前記非吸引ノズル内の圧力がPnであり、
    前記非吸引ノズルより液体が垂れない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0+ΔPoutであり、
    前記非吸引ノズルより空気が流入しない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0-ΔPinであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、
    P0-ΔPin<Pn<P0+ΔPout
    であることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記非吸引ノズルより液体が垂れない前記非吸引ノズル内の圧力の限界値がP0+ΔPoutであるとした場合、前記ノズルの吸引時において、
    P0+ΔPout<Pn
    であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記共通液室と前記圧力室との境界部分、前記圧力室内、或いは、前記圧力室と前記ノズル間のいずれかに、前記ノズルの径よりも小さな径の孔により構成されたフィルタを設置したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記ノズルの吸引の際、前記共通液室内の液体を加圧することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  6. 前記共通液室に液体を供給するためのインクタンクと、
    前記インクタンクと前記共通液室とを連結するインク供給流路と、
    前記供給流路内に流路調整機構と、
    を有し、
    前記流路調整機構は、前記個別吸引部により吸引しているノズル数に対し、略反比例となるように、流路抵抗を調整するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記ノズルの吸引の際、前記液体吐出ヘッド全体を、インク供給流路の接続されている部分が上となるように、水平位置から傾けることを有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液体吐出装置。
  8. 請求項1から7に記載の液体吐出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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