JP2007245369A - 親水性表面層を有する積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】珪素含有親水性表面層の合成樹脂基材に対する密着性が優れた、親水性表面層を有する積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】合成樹脂基材表面に、ウレタン結合を含む樹脂のプライマー層を介して、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、及び、合成樹脂基材表面に、プライマー層を介して、塗布液の溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより形成された、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、並びに、合成樹脂基材表面にプライマー層を塗布し、乾燥させてプライマー層を形成し、該プライマー層上に、溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることによる積層体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】合成樹脂基材表面に、ウレタン結合を含む樹脂のプライマー層を介して、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、及び、合成樹脂基材表面に、プライマー層を介して、塗布液の溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより形成された、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、並びに、合成樹脂基材表面にプライマー層を塗布し、乾燥させてプライマー層を形成し、該プライマー層上に、溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることによる積層体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、合成樹脂基材表面に親水性表面層が積層された、親水性表面層を有する積層体及びその製造方法に関し、更に詳しくは、親水性表面層の合成樹脂基材に対する密着性が優れた、親水性表面層を有する積層体及びその製造方法に関する。
従来より、基材表面に親水性表面層を形成することにより、基材の汚れを防止する試みは数多く見られる。例えば、建物外壁において用いられる低汚染性塗料では、アルキルシリケートの部分加水分解縮合物を塗料に配合して、外壁表面に塗布し、乾燥させて親水性表面層を形成することにより、乾燥工程において該部分加水分解縮合物成分が塗膜表面へ移行し、表面の珪素濃度が高くなると共に降雨によって該部分加水分解縮合物のアルコキシ基が更に加水分解され親水性のシラノール基を生成して、表面が水との馴染みがよくなり、降雨のたびに付着した汚れを洗い流す方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
その際、アルキルシリケートの部分加水分解縮合物は非水系溶媒中では安定性が良好であるものの、水系溶媒中においては加水分解、縮合反応が徐々に進行してシリカとなり、沈殿を生じたりゲル化を引き起こすことがあり、保存安定性に問題があると共に、塗工しても塗膜表面の珪素濃度を効率的に上げることができず、水系溶媒塗料に対しては該部分加水分解縮合物を配合することは困難であり、有機溶媒系塗料に対してのみ用いられていた。
一方、アルキルシリケートの部分加水分解縮合物に代えて、加水分解を更に進行させたアルキルシリケート加水分解縮合物を用いることにより、耐汚染性の更なる向上が期待できるものの、そのためには、アルキルシリケートを予め十分に加水分解縮合しておく必要があるため、その加水分解縮合液は必然的に水の含有量が多くなり、アルキルシリケート加水分解縮合物を用いる場合│おいては、水系塗料として用いざるを得ないこととなるが、基材が合成樹脂等の有機物│ある場合、従前の有機溶媒系塗料としては、該基材表面に直接に塗布しても、形成された親水性表面層の基材に対する密着性に問題は生じないのに対して、水系塗料では、その密着性が不良となって、合成樹脂基材表面に珪素含有層を形成して親水性表面層が積層された積層体とするにおいて、該珪素含有親水性表面層を合成樹脂基材に密着性よく形成することが困難となっていた。
特開平9−137120号公報
特開平9−249732号公報
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、合成樹脂基材表面に珪素含有親水性表面層が積層された、親水性表面層を有する積層体及びそれを製造するにおいて、珪素含有親水性表面層の合成樹脂基材に対する密着性が優れた、親水性表面層を有する積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プライマー層を介することにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成したもので、従って、本発明は、合成樹脂基材表面に、ウレタン結合を含む樹脂のプライマー層を介して、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、及び、合成樹脂基材表面に、プライマー層を介して、塗布液の溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより形成された、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなる、親水性表面層を有する積層体、並びに、合成樹脂基材表面にプライマー層を塗布し、乾燥させてプライマー層を形成し、該プライマー層上に、溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより珪素含有親水性表面層を形成する、親水性表面層を有する積層体の製造方法、を要旨とする。
本発明によれば、合成樹脂基材表面に珪素含有親水性表面層が積層された、親水性表面層を有する積層体及びそれを製造するにおいて、珪素含有親水性表面層の合成樹脂基材に対する密着性が優れた、親水性表面層を有する積層体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の親水性表面層を有する積層体は、合成樹脂基材表面に、プライマー層を介して、珪素含有親水性表面層が積層されてなるものである。
本発明において、合成樹脂基材を構成する合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルペンテン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂、及び、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、本発明の特徴をより顕著に生かせる樹脂としては、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類とエチレングリコール、プロピレングリコール、1、3プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類等から得られる不飽和ポリエステル系樹脂、特に、ジカルボン酸類とジオール類とを同モルで仕込み、窒素ガス気流下で80℃から200℃程度で脱水縮合反応を実施して得られる樹脂、及び、メタクリル酸メチルを主体としたアクリル系樹脂、ビスフェノールAを主体とするポリカーボネート等が好ましい。
又、これらの樹脂からなる基材としては、これらの合成樹脂を、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、溶液キャスト法、エマルジョンキャスト法等の公知の方法によってフィルム状、板状、ファイバー状、特定形状の成形体等の所望の形状に成形されたものを含む。
又、本発明において、プライマー層を構成するプライマーとしては、ウレタン結合を含む樹脂を含有するのが好ましい。そのウレタン結合を含む樹脂としては、イソシアネート基とヒドロキシ基が結合して得られるウレタン結合を含む樹脂であれば特に限定されるものではないが、プライマーとしてのウレタン結合含有量が、0.1〜5000μeq/gであるのが好ましく、4〜2500μeq/gであるのが更に好ましい。ウレタン結合を含む樹脂としては、具体的には、例えば、(1) ポリウレタン樹脂を単独で使用する方法、(2) ポリウレタン樹脂、及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物とを使用する方法、(3) ポリウレタン樹脂、及びイソシアネート基を含有しない硬化剤とを使用する方法、(4) ウレタン結合を含有しないポリオール樹脂、及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物を使用し、硬化時にウレタン結合を生成する方法等が挙げられる。上記の中で基材等への密着性の点から、ポリウレタン樹脂を単独で使用する方法、並びに、ポリウレタン樹脂、及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物を使用する方法が好ましく、耐久性の点から、ポリウレタン樹脂、及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物を使用する方法が特に好ましい。
前記方法(1) 〜(3) におけるポリウレタン樹脂としては、従来公知方法で得られるものであれば特に制約はなく、通常、イソシアネート化合物、多価ヒドロキシ化合物と、必要に応じてジアミン化合物或いはアミノアルコールを用いて得られる。
そのイソシアネート化合物としては、通常、ジイソシアネート以上のものが用いられ、そのジイソシアネート化合物としては、従来公知のもので特に制約はなく、具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフエニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。又、これらのイソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、ウレトンイミン変性体、カルボジイミド変性体等も同様に挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。又、必要に応じて3官能性以上のポリイソシアネート化合物を使用してもよい。
そのポリイソシアネート化合物としては、従来公知のもので特に制約はなく、具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートとトリメチロールプロバンとの付加物、上記ジイソシアネートの3量化物、水との反応により得られるビュレット変性体等が挙げられる。
又、多価ヒドロキシ化合物としては、単量体グリコール類、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−1、3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロへキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコールや、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上多価アルコール類や、ビスフエノールAのエチレンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物等のグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール等のポリオール類等が挙げられる。
そのポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の官能基数3以上のポリオール類、エチレンジアミン、トルエンジアミン類のポリアミン類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させた水酸基含有ポリエーテルポリオール等、及び、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
又、ポリエステルポリオールとしては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸等のジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のトリ或いはテトラカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,2ージエチルプロパンジオール、2−エチル2−ブチルプロパンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロへキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等のジオール、又はトリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール、又はビスフエノールA、ビスフエノールF等との重縮合反応によって得られるもの等が挙げられる。
又、ポリカプロラクトンポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,2ージエチルプロパンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロへキサンジオール、1,4−シクロへキサンジメタノール等のジオール、又はトリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール、又はビスフエノールA、ビスフエノールF等と、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、及びそれらの置換体等の4〜6員環、或いはそれ以上のラクトン類とを触媒下或いは無触媒下、エチレングリコール等の存在下に開環重合によって得られるものが挙げられる。
又、ポリエーテルエステルポリオールとしては、エーテル基含有ジオール若しくは他のグリコールとの混合物を前記ジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又は、ポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。
又、ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートの脱アルコール縮合反応、多価アルコールとジフエニルカーボネートの脱フェノール縮合反応、多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応等で得られる。この多価アルコールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、或いは、1,4−シクロへキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールを用いたポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
これらポリオール類の好適な分子量は500〜5000である。分子量が5000を越えるポリオールを用いると架橋密度が下がり、塗膜強度が落ちることがあるので好ましくない。
以上のイソシアネート化合物と多価ヒドロキシル化合物との配合割合(モル比)は、得られるウレタン樹脂において、イソシアネート基/活性水素基=0.1〜20の範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜15の範囲である。イソシアネート基/活性水素基の比が0.1未満では、硬化物の架橋が不十分で塗膜強度がなく、耐薬品性、耐溶剤性等の物性が低下し、又、20を越えると硬化物が脆く、耐衝撃性が低下することがある。
又、ポリウレタン樹脂を得るにおいて、必要に応じて用いられるジアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられ、アミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
又、前記方法(3) における、イソシアネート基を含有しない硬化剤としては、従来公知のものが使用可能でありエポキシ化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。又、前記方法(4) における、ウレタン結合を含有しないポリオール樹脂としては、ポリイソシアネート硬化剤のイソシアネート基と反応可能な活性水素を有する化合物であれば特に制約はない。このような活性水素を有する基としては、水酸基、アミノ基等が好ましく、その樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース類等が挙げられる。
本発明の親水性表面層を有する積層体において、以上のプライマー層の厚さは、0.5〜50μmであるのが好ましい。
本発明において、前記合成樹脂基材表面に前記プライマー層を介して積層されている珪素含有親水性表面層を構成するものとしては、アルキルシリケートに水を添加して加水分解反応させ、アルコキシ基の殆どをヒドロキシ基とし、更に、これらが部分的に縮合反応したアルキルシリケート加水分解縮合物であるのが好ましい。このような加水分解縮合物を形成するには、例えば、以下のような方法が挙げられる。
好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のテトラアルキルシリケート等のアルキルシリケートに、アルキルシリケートが有する全てのアルコキシ基のモル数の0.5モル倍量以上の水を加え、加水分解反応を進行させる。その際、アルコキシ基1モルに対して0.5モルの水を加えた場合が加水分解率100%(以降、「加水分解100%当量」ということがある。)に相当し、これ以上の水を加えて加水分解、縮合反応させることにより、アルコキシ基とシラノール基を有するシリカ微粒子を形成する。ここで加える水の量が多ければシラノール基の存在割合が多くなる。従って、水の量は、アルコキシ基の0.5〜100モル倍量とすることが望ましく、更に好ましくは1.0〜15モル倍量とするのが望ましい。こうして得られたアルキルシリケートの加水分解縮合物は、多量のヒドロキシ基を有するものとなり、反応性に富み親水性の塗膜硬化物を得ることができるものとなる。加える水の量がアルコキシ基の100モル倍を越えると、反応液中のシリカ濃度が低下し、有効成分濃度が低くなるために塗工しても超薄膜となり、表面親水性が発揮できないことがある。一方、0.5モル倍未満ではアルキルシリケートの加水分解が十分に進行しないため、シラノール基の生成が不十分で塗膜化してもアルコキシ基が残存して初期親水性能が不十分となり、水の接触角が高く、降雨によっても水の濡れ性が劣ることとなって低汚染性を発揮できないことがある。
更に、アルキルシリケートの加水分解縮合に際しては、加える水に有機溶媒や触媒を同伴させてもよく、有機溶媒としてはアルキルシリケートのアルコキシ基と炭素数の同じアルコールを用いることが反応の制御のし易さから好ましい。通常、炭素数が1〜4、好ましくは1又は2のアルコールを水と混合して用いると、モノマーであるアルキルシリケートと水との相溶性がよく、得られる加水分解縮合物の微小粒子が形成され易く、これから得られる硬化塗膜の特性が優れたものとなる。その際、有機溶媒の使用量は、有機溶媒が揮発して環境問題となることからも少ない方が好ましく、溶媒組成の80重量%以上、更に好ましくは85%以上が水となる量とすることが好ましい。又、触媒としては、アンモニア、アミン類等のアルカリ性の公知の加水分解縮合触媒を適宜用いることができる。本発明においては、アルキルシリケートの加水分解縮合を反応の時点で可能な限り進行させ、シラノール基(Si−OH基)を十分に有するシリカ微粒子を形成させておくことが好ましいため、アルカリ性の触媒の方が好ましい。
このアルキルシリケートの加水分解縮合物としてのシリカ微粒子分散液の溶剤は、通常、殆どが水であり、有効成分であるシリカ(SiO2 )換算濃度は通常、25重量%以下である。分散液中のシリカ濃度が25重量%を超えると、反応性の高いシラノール基が容易に縮合してしまうためと考えられるが、ゲル化が生じ易いこととなる。分散液中の好適なシリカ濃度としては0.5〜25重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。0.5重量%よりも濃度が低いと有効成分量が希薄なため塗工しても十分な性能が得られ難い傾向となる。
このアルキルシリケートの加水分解縮合物を単独で塗布し、乾燥させた場合、親水性に優れた表面が得られ、水の接触角は、好ましくは40度以下、更に好ましくは30度以下となる。但し、塗布液の水含有量が多いため、合成樹脂基材へ直接に塗布した場合には、はじいて塗るのが困難であったり、乾燥時に液が集まるなどして、良好な塗膜が形成できないことがある。それに対して、本願発明では、前記合成樹脂基材表面に、前記プライマーを介して該アルキルシリケートの加水分解縮合物を塗布し、乾燥させて、珪素含有親水性表面層を形成することとしている。
尚、更に、加水分解縮合物の塗布液に、市販のレベリング剤、表面張力低下剤等を添加して濡れ性を向上させることができる。具体的には、例えば、ELEMENTIS社の水系表面張力低下剤「DAPRO−W77」等が挙げられる。これらの添加量は、アルキルシリケートの加水分解縮合物100重量部に対して好ましくは0.1〜2重量部、更に好ましくは0.2〜1重量部である。
本発明において、珪素含有親水性表面層を構成するものとしては、前記アルキルシリケートの加水分解縮合物の外、例えば、日産化学社のコロイダルシリカ「スノーテックス」等の市販の水系コロイダルシリカ等を用いることもできる。
更に、本発明においては、アルキルシリケートの加水分解縮合物としてのシリカ微粒子分散液等の塗布、乾燥により、珪素含有親水性表面層を形成するにおいて、該表面層における光の干渉縞の発生の抑制、更に、基材との密着性向上、作業性向上のための粘度向上、膜厚の確保等を目的として、該分散液中に、合成樹脂を含有させるのが好ましい。
その合成樹脂としては、例えば、水溶塩型アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、セルロース誘導体、デキストリン類等の水溶性樹脂や、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリブテン系樹脂等の水不溶性樹脂等が挙げられ、水溶性樹脂はその水溶液として、又、水不溶性樹脂はその水性エマルジョン等として、前記分散液に加えるのが好ましい。中で、ポリビニルアルコール、アクリル酸若しくはその誘導体とスチレンとの共重合体等のアクリル系樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂等が好ましく、鹸化度99%以上のポリビニルアルコールが特に好ましい。具体的には、日本合成社のポリビニルアルコール「ゴーセノールN300」等はアルキルシリケート加水分解縮合物との相溶もよく好ましい。
その場合、含有させる合成樹脂量としては、乾燥後の珪素含有親水性表面層中のシリカ濃度が、50〜100重量%の範囲となる量とするのが好ましく、55〜80重量%の範囲となる量とするのが特に好ましい。シリカ濃度が50重量%未満では、表面の珪素濃度が不足するため表面層としての親水性が不足して水の接触角が40度以下とならず、例えば、降雨によって汚れを効率的に洗い流すことができない。又、シリカ濃度が100%の場合、表面は親水性を示すが無機成分のみのため表面層としての膜厚が非常に薄く0.5μm以下となることから、光の干渉縞が観察され易く、使用場所、部位によっては好まれない場合がある。干渉縞が問題にならないならばシリカ濃度は高いほうがよい。通常膜厚が1μm 以上であれば光の干渉縞は観察されないため、前述の如く、合成樹脂を配合して表面層中の合成樹脂の濃度を上げることで膜厚を1μm 以上にすることは干渉縞対策として有効である。
本発明の親水性表面層を有する積層体において、以上の親水性表面層の厚さは、0.2〜100μmであるのが好ましく、0.2〜10μmであるのが更に好ましい。
本発明の親水性表面層を有する積層体は、前記合成樹脂基材表面に、前記プライマー層を介して、前記珪素含有親水性表面層が積層されてなるものであるが、該珪素含有親水性表面層に表面硬度を付与するために、特に合成樹脂基材が不飽和ポリエステル樹脂やアクリル系樹脂である場合、前記プライマー層と前記珪素有親水性表面層との間にハードコート層が設けられていてもよい。
そのハードコート層を構成するものとしては、表面層の表面硬度を向上させ得るものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、特開平9−12583号公報に記載されているような、シラノール基とアルコキシ基を同量程度含有した、酸性下でのアルキルシリケートの加水分解縮合物等が挙げられる。このハードコート層を設けることより、鉛筆硬度としての表面硬度を好ましくはHB以上、より好ましくはH以上とすることができ、該公報には、表面硬度9Hという高硬度塗膜を形成することができることも記載されている。
このハードコート層用のアルキルシリケート加水分解縮合物は、塗膜形成時に縮合反応が効率的に進行してシロキサン架橋を形成し高硬度になる必要がある。そのためには液の段階でアルコキシ基とシラノール基を同程度有したシリカ微粒子であることが望ましく、この液を得るための加水分解縮合条件としては、酸性下で行うことが好ましく、その際の液のpHは2〜6程度、更に好ましくはpH3〜5程度である。又、この際の水の配合量は、アルキルシリケートを理論上100%加水分解縮合可能な量以上の水を配合して加水分解、縮合させることが好ましく、このように加水分解100%当量以上であればいずれの量でもよいが、実用的には加水分解100%当量の1〜4倍、更に好ましくは1〜2倍、特に好ましくは1〜1.5倍がよい。水の量があまり多いと貯蔵安定性が低下する傾向となり、又、加水分解100%当量朱満では、加水分解縮合が十分に進行せず、得られるハードコートの硬度が劣る傾向にある。又、用いる水には特に制限はなく水道水でよいが、目的、用途によっては脱塩素水、超純水を用いるのが望ましいこともあるので、適宜選択すればよい。
本発明において、前記アルキルシリケートの加水分解縮合物を塗布液として塗布し、乾燥させてハードコート層を形成するにおいて、塗布液には、その保存安定性等の向上のために、希釈剤を添加することができる。その希釈剤としては、水又は有機溶媒を用いることができる。水を用いる場合は、上述した配合水量を増量して希釈してもよいし、上述した量の水の配合により得られたアルキルシリケートの加水分解物を、更に任意の量の水で希釈してもよい。又、有機溶媒としては、アルコール類、或いはグリコール誘導体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類等のうちの1種、又は2種以上を混合し使用する。
そのアルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、オクタノール、n−プロピルアルコール、アセチルアセトンアルコール等が、又、グリコール誘導体としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が、又、炭化水素類としては、ベンゼン、ケロシン、トルエン、キシレン等が、又、エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等が、又、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン等が、又、エーテル類としては、エチルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジオキサン、フラン、テトラヒドロフラン等が、それぞれ挙げられる。
これらの溶媒のうち、アルコール、特に炭素数1〜4のメタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノールが取扱い容易であり、液での保存安定性がよく、又、得られる塗膜の特性が優れていることから好ましい。更にこれらのうちメタノール又はエタノールを用いることにより、極めて高硬度の塗膜を容易に得ることができる。又、希釈剤としてアルコール等の有機溶媒を用いる場合、溶媒の配合量はアルキルシリケート100重量部に対して、好ましくは50〜5000重量部、更に好ましくは100〜1000重量部がよい。50重量部未満では塗布液としての保存安定性が低下し、ゲル化し易い。5000重量部を越えると塗膜厚さが極端に薄くなる。塗布液中のシリカ濃度換算では、好ましくは35〜1重量%、更に好ましくは26〜5重量%程度が、塗布液としての保存安定性が優れ、かつ得られるハードコート層の硬度等の特性に優れ、望ましい。希釈剤として水を用いる堤合は、配合量は、例えばアルキルシリケート100重量部に対し、先に述べた加水分解100%当量の水と合計して20〜300重量部が適当である。
又、ハードコート層形成用塗布液には、加水分解、縮合触媒を添加すること好ましい。ハードコート層形成のためのアルキルシリケート加水分解縮合液は、上述したようにアルコキシ基とシラノール基とが共存している方が塗膜乾燥工程において縮合反応(脱アルコール縮合)が進行してシロキサン結合を形成し強固な塗膜となる。そのためには加水分解、縮合時の液性を酸性にすることが好ましく、シラノール基自身も酸性を示すことから触媒としては、例えば、塩酸、酢酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸等の有機酸、有機金属、金属アルコキシド、例えばジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)、及びジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセトネート)等の金属キレート化合物、ホウ素ブトキシド、ホウ酸等のホウ素化合物等があるが、塗布液としての貯蔵安定性、及び得られる塗膜の硬度、可撓性等の膜特性が優れている点からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、フマル酸等の有機酸、金属キレート化合物、金属アルコキシド、ホウ素化合物のうち1種又は2種以上を用いるのがよい。尚、望ましい触媒の種類は、用いる希釈剤、及びハードコートの施される基材の種類、及び用途により適宜選択することができる。
又、これら触媒成分の添加量は、触媒としての機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではないが、通常、アルキルシリケート100重量部に対し、0.1〜10重量部程度の範囲から選択され、好ましくは0.5〜5重量部である。又、これらの成分の配合方法は、特に制限されず、例えば触媒成分を予め水に溶解させたものを用い、攪拌しながら配合する等の手段により一層均一な配合物とすることもできる。尚、水その他溶剤により分解されやすい触媒を用いる場合は、これをアルキルシリケートと配合しておき、水その他溶剤と、使用に際して配合することが好ましい。又、更には触媒成分を使用に際してその他の成分に添加することもできる。
ハードコート層用のアルキルシリケート加水分解縮合物では、これらの成分を配合して得られる配合液を、熟成させるのが望ましい。かかる熟成工程を経ることにより、アルコキシシランの加水分解、縮合による部分架橋反応が充分に進み、得られるハードコートの特性が優れたものとなることが考えられる。その配合液の熟成は、液を静置すればよいが、攪拌してもよい。静置する時間は、上述の部分架橋反応が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行するのに充分な時間であり、用いる希釈剤の種類及び触媒の種類にもよる。例えば希釈剤として有機溶媒を用いた場合は、塩酸では室温で約1時間以上、マレイン酸では数時間以上、好ましくは8時間〜2日間程度で充分である。熟成に要する時間はまた周囲の温度にも影響を受け、極寒地では20℃付近まで加熱する等の手段を採った方がよいこともある。一般に高温では熟成が速く進むが100℃以上にも加熱するとゲル化が起こるので、50〜60℃までの加熱が適切である。60℃に加熱した場合は2時間程度で加水分解、縮合は安定化し熟成は終了する。この熟成を充分に行うことにより、得られる膜の白化や、剥離を防止することができる。
本発明の親水性表面層を有する積層体において、以上のハードコート層の厚さは、0.05〜0.5μmであるのが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
尚、以下の実施例、比較例において用いた合成樹脂基材、プライマー、親水性表面層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物、及びハードコート層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物、並びに、親水性表面層の剥離試験方法を以下に示す。
尚、以下の実施例、比較例において用いた合成樹脂基材、プライマー、親水性表面層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物、及びハードコート層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物、並びに、親水性表面層の剥離試験方法を以下に示す。
<合成樹脂基材>
不飽和ポリエステル系樹脂;マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールから得られた不飽和ポリエステル系樹脂の板状成形体
アクリル系樹脂;住友化学工業社製アクリル板「スミペックスE」
ポリカーボネート樹脂;タキロン社製ポリカーボネート板「PC−1600」
ポリプロピレン樹脂;日本テストパネル製ポリプロピレン板
不飽和ポリエステル系樹脂;マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールから得られた不飽和ポリエステル系樹脂の板状成形体
アクリル系樹脂;住友化学工業社製アクリル板「スミペックスE」
ポリカーボネート樹脂;タキロン社製ポリカーボネート板「PC−1600」
ポリプロピレン樹脂;日本テストパネル製ポリプロピレン板
<プライマー>
ポリエステルウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE163」
ポリカーボネートウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE870」
ポリテトラメチレンエーテルウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE505」 ポリエステルウレタン;三菱化学社製「マイテックHE6148LM」
<硬化剤>
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HMDI」と表示。)3量体;三菱化学社製「マイテックNY730A−T」
イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と表示。)3量体;Degussa社製「VESTANAT TI890」
トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と表示。)3量体;三菱化学社製「マイテックGP750A」
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「HMDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックNY710A」
イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「IPDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックNY260A」
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「TDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックGP105A」
ポリエステルウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE163」
ポリカーボネートウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE870」
ポリテトラメチレンエーテルウレタンウレア;三菱化学社製「マイテックAE505」 ポリエステルウレタン;三菱化学社製「マイテックHE6148LM」
<硬化剤>
ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HMDI」と表示。)3量体;三菱化学社製「マイテックNY730A−T」
イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と表示。)3量体;Degussa社製「VESTANAT TI890」
トリレンジイソシアネート(以下、「TDI」と表示。)3量体;三菱化学社製「マイテックGP750A」
ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「HMDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックNY710A」
イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「IPDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックNY260A」
トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(以下、「TDIのTMPアダクト体」と表示。);三菱化学社製「マイテックGP105A」
<親水性表面層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物>
調整例
脱塩水836重量部と28%アンモニア水12.1重量部とをジャケット付きガラスコルベンに入れ、混合した。ここにテトラメトキシシラン151.9重量部を攪拌下で投入し、ジャケットには25℃の水を通水した。1時間撹拌を続けた後、抜き出して、アルキルシリケート加水分解縮合液Aを得た。液中シリカ濃度は6重量%、pHは10.4であった。
<親水性表面層に含有させる合成樹脂>
ポリビニルアルコール;日本合成社製「ゴーセノールN300」の10重量%水溶液
アクリル・スチレン共重合体;中央理化工業社製アクリル・スチレン共重合体エマルジョン「リカボンドET35−C」、不揮発分46%)
調整例
脱塩水836重量部と28%アンモニア水12.1重量部とをジャケット付きガラスコルベンに入れ、混合した。ここにテトラメトキシシラン151.9重量部を攪拌下で投入し、ジャケットには25℃の水を通水した。1時間撹拌を続けた後、抜き出して、アルキルシリケート加水分解縮合液Aを得た。液中シリカ濃度は6重量%、pHは10.4であった。
<親水性表面層に含有させる合成樹脂>
ポリビニルアルコール;日本合成社製「ゴーセノールN300」の10重量%水溶液
アクリル・スチレン共重合体;中央理化工業社製アクリル・スチレン共重合体エマルジョン「リカボンドET35−C」、不揮発分46%)
<ハードコート層形成用のアルキルシリケート加水分解縮合物>
調製例
200mlの耐熱ガラス瓶に、三菱化学社製「MKCシリケートMS51」(メチルシリケートオリゴマー)30.8重量部と、メタノール62.4重量部とを入れ、攪拌下にアセチルアセトンアルミニウムを0.31g加えた。更に攪拌下で水を6.5g滴下し、室温で24時間加水分解、縮合反応を進行させることにより、アルキルシリケート加水分解縮合液Bを得た。液中シリカ濃度は16重量%、pHは3であった。
調製例
200mlの耐熱ガラス瓶に、三菱化学社製「MKCシリケートMS51」(メチルシリケートオリゴマー)30.8重量部と、メタノール62.4重量部とを入れ、攪拌下にアセチルアセトンアルミニウムを0.31g加えた。更に攪拌下で水を6.5g滴下し、室温で24時間加水分解、縮合反応を進行させることにより、アルキルシリケート加水分解縮合液Bを得た。液中シリカ濃度は16重量%、pHは3であった。
<親水性表面層の剥離試験方法>
JIS K5400の碁盤目テープ法に準拠して、カッターナイフで隙間間隔1mmの100個の碁盤目状切り傷を作り、テープを付着させてから瞬間的に剥がすことにより、碁盤目テープ剥離試験を行い、全て剥れた場合を0点、50個剥れた場合を50点、全て剥れなかった場合を100点として評価した。
JIS K5400の碁盤目テープ法に準拠して、カッターナイフで隙間間隔1mmの100個の碁盤目状切り傷を作り、テープを付着させてから瞬間的に剥がすことにより、碁盤目テープ剥離試験を行い、全て剥れた場合を0点、50個剥れた場合を50点、全て剥れなかった場合を100点として評価した。
実施例1
不飽和ポリエステル系樹脂を中性洗剤で洗浄、乾燥した後、プライマー層として、ポリエステルウレタンウレアと硬化剤としてHMDI3量体からなる(10:1)ウレタン(酢酸エチル10重量%溶液)を用いて、6番のバーコーターにて塗工し、80℃で4時間乾燥、硬化させた後、その上に、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液Aを用い、これにレベリング剤としてELEMENTIS社製「DAPRO−W77」を0.5重量%添加して、2mm/秒の引き上げ速度でディップ処理した後、80℃で10分乾燥して親水性表面層を形成することにより積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は24度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度は4B〜6B程度であった。
実施例2
プライマー層における硬化剤をIPDI3量体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は38度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例3
プライマー層における硬化剤をTDI3量体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は26度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。
不飽和ポリエステル系樹脂を中性洗剤で洗浄、乾燥した後、プライマー層として、ポリエステルウレタンウレアと硬化剤としてHMDI3量体からなる(10:1)ウレタン(酢酸エチル10重量%溶液)を用いて、6番のバーコーターにて塗工し、80℃で4時間乾燥、硬化させた後、その上に、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液Aを用い、これにレベリング剤としてELEMENTIS社製「DAPRO−W77」を0.5重量%添加して、2mm/秒の引き上げ速度でディップ処理した後、80℃で10分乾燥して親水性表面層を形成することにより積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は24度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度は4B〜6B程度であった。
実施例2
プライマー層における硬化剤をIPDI3量体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は38度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例3
プライマー層における硬化剤をTDI3量体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は26度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。
実施例4
プライマー層における硬化剤をHMDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は22度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例5 プライマー層における硬化剤をIPDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は33度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例6 プライマー層における硬化剤をTDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。
プライマー層における硬化剤をHMDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は22度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例5 プライマー層における硬化剤をIPDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は33度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例6 プライマー層における硬化剤をTDIのTMPアダクト体に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。
実施例7
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリカーボネートウレタンウレアに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は36度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例8
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリテトラメチレンエーテルウレタンウレアに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。プライマー層表面に若干のタック感(べたつき感)があった。得られた積層体の表面層の水接触角は36度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例9
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリエステルウレタンに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリカーボネートウレタンウレアに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は36度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例8
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリテトラメチレンエーテルウレタンウレアに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。プライマー層表面に若干のタック感(べたつき感)があった。得られた積層体の表面層の水接触角は36度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例9
プライマー層におけるポリエステルウレタンウレアをポリエステルウレタンに代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。
実施例10
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は26度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。尚、鉛筆硬度は4B〜6B程度であった。
実施例11
プライマー層と表面層との間に、ハードコート層として調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液Bを用い、2mm/秒の引き上げ速度でディップ処理した後、乾燥してハードコート層を形成した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度以下、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。又、鉛筆硬度はH〜HBに向上した。
実施例12
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例11と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度以下、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。又、鉛筆硬度はHに向上した。
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は26度、碁盤目テープ剥離試験結果は80点でほぼ良好であった。尚、鉛筆硬度は4B〜6B程度であった。
実施例11
プライマー層と表面層との間に、ハードコート層として調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液Bを用い、2mm/秒の引き上げ速度でディップ処理した後、乾燥してハードコート層を形成した以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度以下、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。又、鉛筆硬度はH〜HBに向上した。
実施例12
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例11と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は10度以下、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。又、鉛筆硬度はHに向上した。
実施例13
表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A79.7重量部とポリビニルアルコールの10重量%水溶液20.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液を用い、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した(シリカ濃度70重量%)以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
実施例14
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例13と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
実施例15
合成樹脂基材をポリカーボネート樹脂に代えた以外は実施例13と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は32度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A79.7重量部とポリビニルアルコールの10重量%水溶液20.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液を用い、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した(シリカ濃度70重量%)以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
実施例14
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例13と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
実施例15
合成樹脂基材をポリカーボネート樹脂に代えた以外は実施例13と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は32度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった。
実施例16
表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A94.7重量部とアクリル・スチレン共重合体エマルジョン(不揮発分46%)5.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液を用い、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した(シリカ濃度70重量%)以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は28度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
実施例17
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例16と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
実施例18
合成樹脂基材をポリカーボネート樹脂に代えた以外は実施例16と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A94.7重量部とアクリル・スチレン共重合体エマルジョン(不揮発分46%)5.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液を用い、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した(シリカ濃度70重量%)以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は28度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
実施例17
合成樹脂基材をアクリル系樹脂に代えた以外は実施例16と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
実施例18
合成樹脂基材をポリカーボネート樹脂に代えた以外は実施例16と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の表面層の水接触角は30度、碁盤目テープ剥離試験結果は100点で良好であった。尚、鉛筆硬度はHBであった(但し、表面は微白状態であった)。
比較例1
プライマー層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の碁盤目テープ剥離試験結果は0点であった。
比較例2
合成樹脂基材をポリプロピレン樹脂に代え、表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A79.7重量部とポリビニルアルコールの10重量%水溶液20.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液に代え、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した以外は比較例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の碁盤目テープ剥離試験結果は0点であった。
プライマー層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の碁盤目テープ剥離試験結果は0点であった。
比較例2
合成樹脂基材をポリプロピレン樹脂に代え、表面層形成用塗布液として、調製例で得られたアルキルシリケート加水分解縮合液A79.7重量部とポリビニルアルコールの10重量%水溶液20.3重量部の混合物にELEMENTIS社製「DAPRO W−77」を0.5重量部添加した塗布液に代え、3番のバーコーターにて塗工し、乾燥した以外は比較例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体の碁盤目テープ剥離試験結果は0点であった。
Claims (12)
- 合成樹脂基材表面に、ウレタン結合を含む樹脂を含有するプライマー層を介して、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなることを特徴とする、親水性表面層を有する積層体。
- 合成樹脂基材表面に、プライマー層を介して、塗布液の溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより形成された、水の接触角が40度以下である珪素含有親水性表面層が積層されてなることを特徴とする、親水性表面層を有する積層体。
- プライマー層が、ウレタン結合を含む樹脂を含有する請求項2に記載の、親水性表面層を有する積層体。
- プライマー層のウレタン結合を含む樹脂が、ポリイソシアネート化合物による硬化物である請求項1又は3に記載の、親水性表面層を有する積層体。
- 珪素含有親水性表面層が、アルキルシリケートの加水分解縮合物を含有する請求項1乃至4のいずれかに記載の、親水性表面層を有する積層体。
- 珪素含有親水性表面層が、合成樹脂を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の、親水性表面層を有する積層体。
- プライマー層と珪素含有親水性表面層との間にハードコート層を有する請求項1乃至6のいずれかに記載の、親水性表面層を有する積層体。
- ハードコート層が、アルキルシリケートに酸性下で加水分解100%当量以上の水を配合して得られたアルキルシリケートの加水分解縮合物を含有する請求項7に記載の、親水性表面層を有する積層体。
- 合成樹脂基材表面にプライマーを塗布し、乾燥させてプライマー層を形成し、該プライマー層上に、溶媒組成の80重量%以上が水である珪素含有液を塗布し、乾燥させることにより珪素含有親水性表面層を形成することを特徴とする、親水性表面層を有する積層体の製造方法。
- プライマーが、ウレタン結合を含む樹脂を含有する請求項9に記載の、親水性表面層を有する積層体の製造方法。
- 珪素含有液が、アルキルシリケートの加水分解縮合物を含有する請求項9又は10に記載の、親水性表面層を有する積層体の製造方法。
- 形成された珪素含有親水性表面層の水の接触角が40度以下である請求項9乃至11のいずれかに記載の、親水性表面層を有する積層体の製造方法。
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-
2006
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