JP2007245308A - 低発泡領域を有する研磨パッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
研磨時の加工終点を検出することができ、かつ、研磨速度の面内均一性が高く、研磨時のパッド寿命が確保された研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法を提供する。
【解決手段】
発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することを特徴とする研磨パッド。
【選択図】なし
研磨時の加工終点を検出することができ、かつ、研磨速度の面内均一性が高く、研磨時のパッド寿命が確保された研磨パッドおよび研磨パッドの製造方法を提供する。
【解決手段】
発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することを特徴とする研磨パッド。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体基板の研磨パッドおよびその製造方法、に関する。さらに、シリコンなどの半導体基板上に形成される絶縁層表面や金属配線表面を平坦化する研磨パッドおよびその製造方法、に関する。特に、ウエハ表面の情報に基づいて、研磨工程の加工終点を光学的に検出する方法が適用可能な研磨パッドおよびその製造方法、に関する。
半導体集積回路(LSI)の微細化・高集積化が進むにしたがって、配線の多層化における層間絶縁膜形成や、プラグ・ダマシンなどの配線形成等の技術が重要度を増している。半導体プロセスの中で、これら層間絶縁膜や配線の金属膜の平坦化プロセスはバックエンドプロセスの中心的な位置を占めている。この平坦化の効率的なプロセスとして、CMP(Chemical Mechanical Polishing)とよばれる研磨技術が広く用いられている。CMPを用いた研磨装置において、ウエハ等の基板を研磨しながら、研磨パッドの裏側(定盤側)から、レーザー光または可視光を基板の被研磨面に照射して、研磨状態を測定する装置が知られている(特許文献1参照)。
かかる研磨装置に用いられる研磨パッドとして、集積回路搭載ウエハの研磨に有用なパッドであって、少なくともその一部分はスラリー粒子の吸収、輸送という本質的な能力を持たない硬質均一樹脂シートからなり、この樹脂シートは190〜3500ナノメーターの範囲の波長の光線が透過する研磨パッドが開示されている(特許文献2参照)。この研磨パッドはロデール社のIC−1000に代表されるもので、マイクロバルーン(マイクロカプセル)含有発泡構造体からなる研磨層そのものの光の透過率が不十分なことから、研磨層と、該研磨層に両面接着テープ等を介して積層されたクッション層とを有し、該研磨パッドの所定の位置に、該研磨層、両面接着テープおよびクッション層のすべてを貫通する開口部が形成され、該開口部の研磨面側に中実で透明な硬質均一樹脂からなる窓部材がはめ込まれた構造を有している。
しかしながら、このような透明な硬質均一樹脂を窓部材とした研磨パッドでは、窓部材が被研磨面である基板表面に接触することから、基板表面にスクラッチを生じやすく、また窓部材の剥離によりスラリーが漏れるという問題点があった。さらに、研磨層とクッション層に異なる形状の開口部を設けるため、製造プロセスが煩雑になるという問題点があった。
また、マイクロバルーンを含有せず、セル気泡を持たない構造体からなる研磨層であって、レーザー光または可視光に対して十分に透明な研磨パッドが開示されている(特許文献3参照)。さらに、レーザー光または可視光に対してさらに透明性を高める目的で、該パッドを一部削って、その厚みを減じた光線透過部を設けた研磨パッドについても開示されている。
特許第3431115号公報
特表平11−512977号公報
特開2004−319584号公報
本発明の目的は、レーザー光または可視光線の光線透過率が高く、被研磨面の情報を含む十分な強度の光線が得られ、研磨時の研磨速度の面内均一性が高く、研磨時のパッド寿命が改善された研磨パッドおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は以下の構成からなる。
(1)発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することを特徴とする研磨パッド。
(2)発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドの製造方法であって、研磨層の一部を圧縮することにより、周辺よりも低発泡である領域を設けることを特徴とする、研磨パッドの製造方法。
(1)発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することを特徴とする研磨パッド。
(2)発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドの製造方法であって、研磨層の一部を圧縮することにより、周辺よりも低発泡である領域を設けることを特徴とする、研磨パッドの製造方法。
研磨層に貫通孔を開ける工程や接着剤で補強する工程がないため光線透過部においてもその強度が高く、研磨時の面内均一性が高く、研磨時のパッド寿命が改良される。
本発明は、発泡構造を有する研磨パッドを用いてパターン付きウエハなどの研磨対象物を研磨する場合において、ウエハ表面の研磨状態に関する情報をレーザー光や白色光等を用いて測定することが可能な、光線の通路が確保された研磨パッドおよびその製造方法に関するものである。
発泡構造に由来する気泡が存在すると、気泡の界面においてレーザー光線や白色光等の光線が散乱されるためその直進性が損なわれ、十分な強度の光線が受光部において得られない。
そこで、本発明においては、発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することで、研磨層の一部の領域の光線透過率や直進光線透過率が高められた研磨パッドが得られる。
本発明の研磨パッドは、例えば研磨層の一部を圧縮するという方法で得ることが出来る。圧縮して気泡を押し潰すことによって光線の散乱を抑制し、その透過性が高められた光線の通路が得られる。すなわち、圧縮により研磨層の一部領域の密度が高められ、気泡の散乱面を減らし、および/または気泡の散乱面をなくすることにより、研磨層の一部の領域の光線透過率や直進光線透過率が高められた研磨パッドが得られる。光線の通路となる部位において気泡の一部が残存しても構わない。
本発明の研磨パッドは、発泡構造を有する。発泡構造を形成する気泡は、連続気泡または独立気泡のいずれであってもよいが、独立気泡であることが好ましい。連続気泡の場合、研磨中に研磨スラリーが連続気泡を通じて研磨パッドの内部に浸透し固着が生じるため、硬度や弾性率等の研磨パッド物性が経時的に変化して研磨安定性が悪化したり、被研磨物に傷が入ることが懸念される。
本発明において、周辺よりも低発泡であるとは、研磨パッドの研磨層の見かけ密度が周辺よりも高いことを言う。低発泡の領域は、その見かけ密度が、周辺の見かけ密度より0.1g/cm3以上高いことが好ましく、0.2g/cm3以上高いことがさらに好ましい。
本発明の周辺よりも低発泡である領域は、周辺と同一組成であり、周辺よりも低発泡である領域を含めてパッド全体の化学的組成が均一である。周辺と同一組成であることから、研磨状態が均一であり、面内均一性などの研磨特性が良好となる。
ここにおいて化学的組成が均一であるとは、研磨層の任意のスライス面において赤外線吸収スペクトルが同一であることを言う。赤外線スペクトルの測定方法は、例えば、Nicolet社製AVATAR360FT−IRを用い、減衰全反射(ATR)法にて測定することができる。
周辺よりも低発泡である領域は、研磨層と同一の素材を圧縮したものをはめ込んでも構わないが、接着面が剥がれ、スラリーが浸入して、スラリー中の砥粒が沈降・凝集するため、研磨面が連続していることが好ましい。
研磨パッドの見かけ密度は、0.3〜1.3g/cm2が好ましい。見かけ密度は、日本工業規格JIS 7112に記載の方法により測定することができる。加熱圧縮により低発泡の領域は、その見かけ密度が、周辺の見かけ密度より0.1g/cm3以上高いことが好ましく、0.2g/cm3以上高いことがさらに好ましい。 本発明の研磨パッドは、低発泡の領域の光線透過率が周辺の光線透過率の2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。また、低発泡の領域の光線透過率が周辺の光線透過率より10%以上高いことが好ましく、15%以上高いことがさらに好ましい。光線透過率は、例えば、(株)日立製作所製U−3410自記分光光度計を用いて測定することができる。光線透過率の測定は、光線の直進性を加味して測定することが重要であるので、試料を光学センサー(積分球)に接して配置・測定せず、50mm以上離して測定することが必要である。本明細書においては、95mm離して試料を配置し、測定したデータを光線透過率とした。
本発明の研磨パッドの研磨層の平均気泡径は、10〜120μmであることが好ましい。また、研磨パッドの表面に適度な割合で平坦面と気泡に由来する開口部が存在することが好ましい。任意のスライス面における気泡数は、80〜8000個/mm2が好ましい。走査型電子顕微鏡で高分子成形体の表面またはスライス面を観察し、その像を画像処理して、画像中のすべての気泡について、気泡径、気泡数、気泡径分布を求めることができる。このデータから、平均気泡径、単位面積当たりの気泡数を算出できる。
本発明の研磨パッドの研磨層の光線の通路となる低発泡の領域は、研磨面面積全体の1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることがさらに好ましい。低発泡の領域の形状は特に限定されるものではないが、長方形、正方形、楕円形、円形が好ましい。長方形や正方形においては、その角が直角ではなく、曲率半径を持ち、丸くなっていることが好ましい。光線の通路となる周辺よりも低発泡の領域においても気泡または圧縮により変形した気泡は存在しても良い。
本発明の研磨パッドは、研磨層の一部の領域を加熱しながら圧縮することで周辺よりも低発泡の領域を設けることが好ましい。加熱圧縮の方法は特に限定されるものではないが、通常のオイル循環式の加熱装置と油圧プレス機が一体となった加熱プレス機などを用いることができる。加工領域の形状にあった金属製治具を用いて、所定の一部領域のみの加熱圧縮を行う。加熱圧縮加工時の加熱温度は80〜180℃が好ましく、加圧圧力は15MPa以下が好ましい。
本発明の研磨パッドは、ポリウレタンを含有することが好ましい。また、エチレン性不飽和化合物重合体を含有することが好ましい。ポリウレタンとエチレン性不飽和化合物重合体が一体化して含有されていることがさらに好ましい。
本発明の研磨パッドに含有するポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートを2液混合して得られたポリウレタンを言う。ここで、ポリオールとは、水酸基を2個以上有する化合物をいう。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどから選ばれた1種または2種以上の混合物を挙げることができる。
また、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、ナフタレンジイソシアネート、などの芳香族イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、などの脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加TDI、水素添加MDI、などの脂環式ジイソシアネート、などを挙げることができる。これらイソシアネートから選ばれた1種または2種以上の混合物として使用することができる。
ポリウレタンの調製にあたっては、ポリオール、ポリイソシアネートの他に、架橋剤、鎖延長剤、整泡剤、発泡剤、樹脂化触媒、泡化触媒、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤を含有してもよい。ポリウレタンの調製の過程においては、射出成形、反応成形などの方法を用いることができる。特に、ポリウレタン成形体の調製では、ミキシングヘッド内で原料同士を衝突させて瞬時に混合する高圧注入機、ミキシングヘッドに供給された各原料を攪拌翼などによって機械的に混合するいわゆる低圧注入機に使用して、モールド成形やスラブ成形などの方法を適用することが好ましく用いられる。
本発明の研磨パッドに含有するエチレン性不飽和化合物重合体におけるエチレン性不飽和化合物とは、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を言う。具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、などのメタクリル酸エステル、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、などのアクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、など1分子中にエチレン性不飽和結合を2以上有する多官能性エチレン性不飽和化合物、などを挙げることができる。
エチレン性不飽和化合物重合体の反応にあたっては、上記エチレン性不飽和化合物、ラジカル重合開始剤、ラジカル重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などを併用してもよい。
本発明の研磨パッドは、ポリウレタンとエチレン性不飽和化合物重合体が一体化して含有することが好ましい。この場合、前記の赤外線吸収スペクトルにより研磨パッドの化学的組成を分析すると、研磨パッドの任意の領域おいて、ポリウレタンに由来する吸収とエチレン性不飽和化合物重合体に由来する吸収が検出される。両者の吸収波長やその強度比から、化学的組成および組成比の均一性を評価することができる。
ポリウレタンとエチレン性不飽和化合物重合体の重量比は、100/30〜100/200が好ましい。
本発明の研磨パッドは、シリコンウエハーなどの半導体基板、レンズなどの光学部材、磁気ヘッド、ハードディスクなどの電子材料などの研磨に使用できる。特に、化学機械的研磨(CMP;Chemical Mechanical Polishing)技術による半導体ウエハーの平坦化の目的で被研磨物である半導体ウエハーの研磨処理を行う研磨パッドとして使用できる。CMP工程において、研磨剤と薬液からなる研磨スラリーを用いて、半導体ウエハーと研磨パッドを相対運動させることにより、半導体ウエハー面を研磨して、平坦性に優れた半導体ウエハー面を得ることができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、評価方法は以下のようにして行った。
[光線透過率]、(株)日立製作所製U−3410自記分光光度計を用い、波長680nmにおける光線透過率を測定した。試料は光学センサー(積分球)から95mm離して試料を配置し、測定した。研磨層の厚みは2mmとし、加熱圧縮などの加工を施して試料厚みは薄くなったものもそのまま光線透過率を測定した。測定は、n=3回行い、その平均値を採用した。
[密度]JIS K 7112記載の方法にしたがって、ピクノメーター(ハーバード型)を使用して測定した。
[平均気泡径]走査型電子顕微鏡“SEM2400”(日立製作所)にて研磨パッドの表面またはスライス面を倍率200倍で観察し、その画像を画像処理装置で解析することにより、画像中のすべての気泡径を計測し、その平均値を平均気泡径とした。測定範囲は0.4mm2とした。なお、スライスはバンドナイフ式スライサーで行った。
[研磨評価] 研磨パッドを終点検出装置を備えた研磨機(アプライドマテリアルズ社製“Mirra”)に装着し、キャボット社製スラリー“ieCu5”を使用して銅配線のパターン付き8インチウエハの研磨を行った。1枚のウエハを60秒間研磨した。
[面内均一性] ウエハーの直径方向に研磨レートを49点測定し、下式のように、その最大値(MAX)と最小値(MIN)の差を49点の平均値(AV)の2倍で除した値を100倍して面内均一性(%)として算出した。
面内均一性(%)=(MAX−MIN)×100/2×AV
(比較例1)
反応射出成形機を用い、以下の原料を混合、金型へ注入・硬化させて、ポリウレタン成形体を得た。ポリウレタン成形体の見かけ密度は0.70g/cm3であり、平均気泡径が47μmの独立気泡が観察された。
ポリプロピレングリコール 85重量部
ジフェニルメタンジイソシアネート 125重量部
ジエチレングリコール 15重量部
トリエチルアミン 1重量部
オクチル酸スズ 0.5重量部
シリコーン系整泡剤 3重量部
精製水 0.5重量部
次に、以下のように0.3重量%のアゾビスイソブチロニトリルを溶解させたメチルメタクリレートを調合し、上記ポリウレタン成形体を2日間浸漬した。
メチルメタクリレート 300重量部
アゾビスイソブチロニトリル 1.0重量部
メチルメタクリレートを含浸したポリウレタン成形体を塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み、周囲を固定して密閉した後、70℃で加熱することにより硬化させた。ポリウレタン成形体のラジカル重合性組成物含浸硬化物をガラス板から離型後、厚さ2.0mmのシートに加工した。
(比較例1)
反応射出成形機を用い、以下の原料を混合、金型へ注入・硬化させて、ポリウレタン成形体を得た。ポリウレタン成形体の見かけ密度は0.70g/cm3であり、平均気泡径が47μmの独立気泡が観察された。
ポリプロピレングリコール 85重量部
ジフェニルメタンジイソシアネート 125重量部
ジエチレングリコール 15重量部
トリエチルアミン 1重量部
オクチル酸スズ 0.5重量部
シリコーン系整泡剤 3重量部
精製水 0.5重量部
次に、以下のように0.3重量%のアゾビスイソブチロニトリルを溶解させたメチルメタクリレートを調合し、上記ポリウレタン成形体を2日間浸漬した。
メチルメタクリレート 300重量部
アゾビスイソブチロニトリル 1.0重量部
メチルメタクリレートを含浸したポリウレタン成形体を塩化ビニル製ガスケットを介して2枚のガラス板間に挟み、周囲を固定して密閉した後、70℃で加熱することにより硬化させた。ポリウレタン成形体のラジカル重合性組成物含浸硬化物をガラス板から離型後、厚さ2.0mmのシートに加工した。
このシートの平均気泡径は52μm、密度は0.75g/cm3、厚み2.0mmのシートの厚み方向の光線透過率は7.6%であった。このシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。この研磨層を用いて研磨を行ったが、光線強度が低く、終点検知できなかった。
(実施例1)
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に60mm×20mmの大きさの金属板を接触させた。角部分は、R=3mmで丸くした。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは1.2mmであった。
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に60mm×20mmの大きさの金属板を接触させた。角部分は、R=3mmで丸くした。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは1.2mmであった。
このシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面の内、半透明部以外の領域に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は21.0%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。面内均一性は、9.0%と良好であった。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は21.0%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。面内均一性は、9.0%と良好であった。
引き続き研磨を行い、ウエハー300枚研磨した時点でもCuの残膜なく終点検出が可能であった。300枚目のウエハーの面内均一性は9.3%であった。また、半透明部においてスラリー漏れは見られなかった。研磨層を剥がして、光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は8.1%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は24.5%であった。
(実施例2)
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に60mm×20mmの大きさの金属板を接触させた。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは0.8mmであった。
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に60mm×20mmの大きさの金属板を接触させた。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは0.8mmであった。
このシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面の内、半透明部以外の領域に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は31.3%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は31.3%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
引き続き研磨を行い、ウエハー300枚研磨した時点でもCuの残膜なく終点検出が可能であった。また、半透明部においてスラリー漏れは見られなかった。研磨層を剥がして、光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は8.2%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は33.9%であった。
(実施例3)
実施例2において作製した半透明部を有するシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面の内、半透明部以外の領域に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。両面テープで研磨機の定盤に固定する際に、半透明部の研磨面と反対側の凹部に58mm×18mm×厚み1.2mmのポリメチルメタクリレート板を挟んで定盤に研磨層を固定した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
実施例2において作製した半透明部を有するシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面の内、半透明部以外の領域に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。両面テープで研磨機の定盤に固定する際に、半透明部の研磨面と反対側の凹部に58mm×18mm×厚み1.2mmのポリメチルメタクリレート板を挟んで定盤に研磨層を固定した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
(実施例4)
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に直径18mmの円形の金属板を接触させた。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは0.8mmであった。
比較例1において作製した厚み2.0mmのシートの研磨面を下にして置き、研磨面およびその反対面の所定の位置に直径18mmの円形の金属板を接触させた。金属板の温度を150℃に保ち、5分間接触させた後、上側から加熱板に圧力をかけて圧縮し、シート中の気泡を押し潰した。加熱板の圧縮を止め、ただちに加熱板の温度を室温まで下げて固化させて、シートに半透明部を形成した。半透明部の厚みは0.8mmであった。
このシートを直径508mmの円形に打ち抜き、その表面の内、半透明部以外の領域に幅2mm、深さ0.5mm、ピッチ20mmの格子状の溝を作製し、研磨層とした。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は31.3%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
この研磨層の光線透過率を測定したところ、周辺(加熱圧縮しなかった領域)の光線透過率は7.6%であったのに対して、加熱圧縮して半透明になった領域の光線透過率は31.3%であった。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
(実施例5)
実施例2において作製した半透明部を有するシートを厚み2.0mmの熱硬化性ポリウレタンシート(発泡なし)と両面テープで貼り合わせて、積層タイプの研磨パッドを作製した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
実施例2において作製した半透明部を有するシートを厚み2.0mmの熱硬化性ポリウレタンシート(発泡なし)と両面テープで貼り合わせて、積層タイプの研磨パッドを作製した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
(実施例6)
実施例2において作製した半透明部を有するシートを、厚み2.0mmの熱硬化性ポリウレタンシート(発泡なし)と両面テープで貼り合わせて、積層タイプの研磨パッドを作製する際に、半透明部の研磨面と反対側の凹部に58mm×18mm×厚み1.2mmの熱可塑性ポリウレタン板(日本ミラクトラン(株)製ミラクトランPU−366Eの射出成形品)を挟みこみ、積層タイプの研磨パッドを作製した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
実施例2において作製した半透明部を有するシートを、厚み2.0mmの熱硬化性ポリウレタンシート(発泡なし)と両面テープで貼り合わせて、積層タイプの研磨パッドを作製する際に、半透明部の研磨面と反対側の凹部に58mm×18mm×厚み1.2mmの熱可塑性ポリウレタン板(日本ミラクトラン(株)製ミラクトランPU−366Eの射出成形品)を挟みこみ、積層タイプの研磨パッドを作製した。この研磨層を用いて研磨を行ったところ、終点検出が可能であった。
以上から、発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドにおいて、研磨層の一部の領域を加熱圧縮することにより、周辺よりも低発泡である領域を設けることにより、研磨時の加工終点を検知することができる。実際の研磨において、スラリー漏れなどの発生がなく、面内均一性やパッド寿命も確保することが可能であることが分かった。
本発明の研磨パッドは、シリコンウエハーなどの半導体基板、レンズなどの光学部材、磁気ヘッド、ハードディスクなどの電子材料などの研磨に使用できる。特に、化学機械的研磨(CMP)技術による半導体ウエハーの平坦化の目的で被研磨物である半導体ウエハーの研磨処理を行う研磨パッドとして使用できる。
Claims (8)
- 発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドであって、周辺と同一組成であり、かつ周辺よりも低発泡である領域を有することを特徴とする研磨パッド。
- 研磨層の研磨面が連続している、請求項1記載の研磨パッド。
- 周辺よりも低発泡である領域の見かけ密度が、周辺の見かけ密度より0.1g/cm3以上高い請求項1または2に記載の研磨パッド。
- 周辺よりも低発泡である領域の光線透過率が、周辺の光線透過率の2倍以上である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
- 発泡構造が独立気泡からなり、平均気泡径が10〜120μmである請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 該研磨パッドがポリウレタンとエチレン性不飽和化合物重合体からなる研磨パッドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
- 発泡構造を有する研磨層からなる研磨パッドの製造方法であって、研磨層の一部を圧縮することにより、周辺よりも低発泡である領域を設けることを特徴とする、研磨パッドの製造方法。
- 加熱しながら圧縮する、請求項7に記載の研磨パッドの製造方法。
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---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006074028A patent/JP2007245308A/ja active Pending
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