JP5318756B2 - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体や集積回路等の被加工物の表面を平坦化するのに有用な研磨パッドの製造方法、当該研磨パッドを用いる研磨方法および半導体デバイスの製造方法、特定の研磨パッド、ならびに研磨パッドの研磨層を形成するのに有用なシートの製造方法に関する。本発明の製造方法により製造される研磨パッドを使用すれば、研磨中における被加工物の検査や研磨終点の測定を光学的手段により行うことができる。
半導体メモリに代表される大規模集積回路(LSI)は、集積化や微細化が年々進行し、それに伴いその製造技術はより高度の高密度化に対応する必要が生じ、その製造工程も複雑化している。半導体デバイスの積層数についても増加してきており、従来では問題とならなかった半導体デバイス製造時における絶縁膜や導電体膜等のウェハ表面の凹凸が、半導体デバイスの多層化により、断線や抵抗値のバラツキを引き起こす一因となっている。そのため、ウェハ表面の一層の平坦化が求められている。
また、LSIを製造する際に、ウェハ表面にマスクのパターンを形成する技術としてリソグラフィ(投光露光)が行われているが、半導体集積回路の微細化に伴い、露光波長が短くなり露光の焦点深度が非常に浅くなっている。ウェハ表面に凹凸が存在するとマスクのパターンの解像度が低下してしまうため、この点からもウェハ表面の一層の平坦化が求められている。
ウェハ表面の平坦化は、通常、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)を利用した研磨装置によって行われる。ウェハ表面を研磨しながら研磨の終点を決定するための技術としては、レーザー干渉計を利用した方法(例えば、特許文献1参照)や、以下に例示するように特定の波長の光に対して透明な部分を有する研磨パッドを使用した方法(特許文献2および3参照)が提案されている。
すなわち特許文献2には、190〜3500nmの範囲の波長の光線が透過する特定の硬質均一樹脂シートからなるパッドが記載されており、透過窓となる透過プラグを液体状態の不透過樹脂に埋め込んだのち不透過樹脂を硬化させ、さらにスライスして透過窓を有するパッドを製造する方法が例示されている。また特許文献3には、実質的に透明なプラグが窓に配置された研磨パッドが記載されている。
しかしながら、特許文献2や3に記載された研磨パッドは、透明なプラグを研磨パッドに埋め込む必要があるためその製造が煩雑であり、また窓とその周辺部との間に隙間が生じると研磨の際に使用される研磨スラリーが漏れる原因となり、さらには窓を構成する材料とそれ以外の部分を構成する材料とが異なるため研磨中にこれらが異なる速度で摩耗することにより、窓周辺にクラックや裂け目が発生する問題が生じる。
以上の問題を解決するため、研磨表面部分と透明な窓部分が同一の樹脂からなる研磨パッドが提案されている(特許文献4参照)。すなわち特許文献4には、ポリマー材料で作製された一体成形品であり、ポリマー材料が透明である領域と、ポリマー材料が不透明である隣接した領域とを有する該成形品を含む研磨パッドが記載されており、ポリマー材料として半結晶質の熱可塑性ポリマーを用いて、融解温度からガラス転移温度に冷却する際に、一部分について急速な冷却処理をすることにより、当該部分を非晶質として透明性を保持させたり、あるいはポリマー性ジオールとポリマー性ジアミンの混合物とジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートから形成される反応性熱硬化性ポリマーから研磨パッドを製造する際に、窓を形成する部分の反応温度を他の部分と異なる温度とすることにより、当該部分に透明性を付与させたりする方法が記載されている。
しかしながら、特許文献4に記載された研磨パッドは、それを製造する際の窓となる部分における温度制御が煩雑であり、また窓部分とそれ以外の部分が同一の樹脂であっても、温度制御により窓部分に透明性を付与させた場合には、窓部分を構成する樹脂とそれ以外の部分を構成する樹脂との間の物性の違いによるスクラッチ発生等の悪影響が懸念される。
米国特許第5413941号明細書 特表平11−512977号公報 米国特許第5893796号明細書 特表2003−507199号公報
本発明は、半導体や集積回路等の被加工物の表面を平坦化する際に、研磨中における被加工物の検査や研磨終点の測定を光学的手段により行うことができる透明な部分を有する研磨パッドを容易に製造する方法、それにより製造された研磨パッドを用いるシリコンウェハまたは半導体ウェハの研磨方法や半導体デバイスの製造方法、および特定の熱可塑性ポリウレタンからなり、少なくとも一部が透明である研磨層を有する研磨パッドを提供することを目的とする。また本発明は、研磨パッドの研磨層を形成するのに有用な透明な部分を有するシートを容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、シート状に押出された樹脂を圧縮することによって当該圧縮部分を透明にする操作により、目的とする研磨パッドやシートを極めて容易に製造することができることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]シート状に押出された樹脂の少なくとも一部を圧縮し、当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上としたシートを得る工程、および当該シートから研磨層を形成する工程を含む、研磨パッドの製造方法であって、
前記樹脂が高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤から製造される熱可塑性ポリウレタンであり、前記熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率が4.8〜6.0質量%である、研磨パッドの製造方法、
[2]上記高分子ジオールの数平均分子量が1400〜3600である上記[1]の製造方法、
]上記圧縮において、圧縮部分における圧縮前の厚さに対する圧縮後の厚さの比率が70〜95%である上記[1]または[2]の製造方法、
]圧縮前の樹脂の温度が当該樹脂の軟化温度以上である上記[1]〜[]のいずれかの製造方法、
]研磨層が、波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%以上である部分と、波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%未満である部分とを有する上記[1]〜[]のいずれかの製造方法、
]研磨層が無発泡構造である上記[1]〜[]のいずれかの製造方法、
]上記[1]〜[]のいずれかの製造方法により製造された研磨パッドを用いるシリコンウェハまたは半導体ウェハの研磨方法、
]上記[1]〜[]のいずれかの製造方法により製造された研磨パッドを用いる半導体デバイスの製造方法
関する。
本発明の製造方法によれば、半導体や集積回路等の被加工物の表面を平坦化する際に、研磨中における被加工物の検査や研磨終点の測定を光学的手段により行うことができる透明な部分を有する研磨パッドを、極めて簡単に製造することができる。また本発明の製造方法によれば、研磨パッドの研磨層を形成するのに有用な透明な部分を有するシートを、極めて簡単に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の研磨パッドの製造方法は、シート状に押出された樹脂の少なくとも一部を圧縮し、当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上としたシートを得る工程、および当該シートから研磨層を形成する工程を含む。また本発明のシートの製造方法は、シート状に押出された樹脂の少なくとも一部を圧縮し、当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上とする工程を含む。なお、以下特に断りのない限り、「本発明の製造方法」には「本発明の研磨パッドの製造方法」および「本発明のシートの製造方法」が包含されるものとする。
本発明の製造方法において使用される樹脂としては、圧縮により透明性を付与させることができる樹脂であれば特に制限はないが、当該樹脂として高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤から製造される熱可塑性ポリウレタンを使用すると、溶融成形が可能であり、また耐摩耗性に優れる研磨パッドやシートとなることから好ましい。
熱可塑性ポリウレタンを製造する際に使用される高分子ジオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
上記のポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(メチルテトラメチレングリコール)、グリセリンベースポリアルキレンエーテルグリコールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)が好ましい。
上記のポリエステルジオールとしては、例えば、常法に従い、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物等のエステル形成性誘導体と、低分子ジオールとを直接エステル化反応またはエステル交換反応させることにより製造されるものを使用することができる。
上記のジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸等の炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸;トリグリセリドの分留により得られる不飽和脂肪酸を二量化した炭素数14〜48の二量化脂肪族ジカルボン酸(ダイマー酸)およびこれらの水素添加物(水添ダイマー酸)等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
上記の低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の脂環式ジオールなどを挙げることができる。これらの低分子ジオールは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素数6〜12のジオールが好ましく、炭素数8〜10のジオールがより好ましく、炭素数9のジオールがさらに好ましい。
上記のポリカーボネートジオールとしては、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート等のカーボネート化合物との反応により得られるものを使用することができる。ポリカーボネートジオールを構成する低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールを製造する際に使用される成分として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネート等が挙げられる。ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート等が挙げられる。
高分子ジオールは1種類を単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
高分子ジオールの数平均分子量としては、得られる熱可塑性ポリウレタンを圧縮した際に当該部分を透明にする相分離構造を形成させることができ、また得られる研磨パッドやシートが適度な弾性率を有するものとなり、さらにはシート状に押出す際に成形機中における増粘現象の発生を抑制することができることから、1400〜3600の範囲内であることが好ましく、2000〜3500がより好ましい。なお、本明細書でいう高分子ジオールの数平均分子量はJIS K1557に準拠して測定した水酸基価に基いて算出した数平均分子量を意味する。
熱可塑性ポリウレタンを製造する際に使用される有機ジイソシアネートとしては、通常のポリウレタンの製造に従来から使用されている有機ジイソシアネートのいずれを使用してもよい。有機ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロへキセン等の脂肪族または脂環式ジイソシアネート;2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどを挙げることができる。これらの有機ジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、得られる研磨パッドやシートの耐摩耗性などの点から4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
熱可塑性ポリウレタンを製造する際に使用される鎖伸長剤としては、通常のポリウレタンの製造に従来から使用されている鎖伸長剤のいずれを使用してもよい。鎖伸長剤としては、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,9−ノナンジオール、m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール等のジオール類;エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、1,2−ジアミノアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノビベンジル、2,2’−ジアミノ−1,1’−ビナフタレン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン等の1,n−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン(nは3〜10)、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等のジアミン類などが挙げられる。これらの鎖伸長剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
熱可塑性ポリウレタンの具体的な例としては、例えば、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(ノナメチレン アジペート)、ポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン アジペート)、ポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン−co−ノナメチレン アジペート)、ポリ(メチルペンタメチレン アジペート)からなる群から選ばれる少なくとも1種の高分子ジオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ジイソシアネートと、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤とを反応させて得られるものなどが挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率は4.8〜6.0質量%であることが好ましい。当該含有率が4.8質量%未満の場合には、得られる熱可塑性ポリウレタンからなる研磨層やシートが柔らかくなりすぎ、当該研磨層を有する研磨パッドは、被研磨面の平坦性や研磨効率が低下する傾向がある。一方、当該含有率が6.0質量%を超える場合には、スクラッチが発生しやすくなる傾向がある。被研磨面の平坦性、研磨効率およびスクラッチ抑制の観点から、熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率は4.9〜5.8質量%の範囲内であることがより好ましく、5.0〜5.8質量%がさらに好ましい。
熱可塑性ポリウレタンは、上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を所定の比率で溶融混練することにより製造することができる。各成分の使用比率は、耐摩耗性等、熱可塑性ポリウレタンからなる研磨層やシートに付与すべき物性などを考慮して適宜決定されるが、高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.95〜1.3モルとなる割合で各成分を使用することが好ましい。上記割合が0.95モル未満であると、得られる熱可塑性ポリウレタンからなる研磨層やシートの機械的強度および耐摩耗性が低下する傾向があり、1.3モルを超えると熱可塑性ポリウレタンの生産性や保存安定性が低下する傾向がある。得られる研磨層やシートの機械的強度や耐摩耗性および熱可塑性ポリウレタンの生産性や保存安定性の観点から、高分子ジオールおよび鎖伸長剤に含まれる活性水素原子1モルに対して、有機ジイソシアネートに含まれるイソシアネート基が0.96〜1.1モルとなる割合で各成分を使用することがより好ましく、0.97〜1.05モルとなる割合で各成分を使用することがさらに好ましい。
なお熱可塑性ポリウレタンとして、数平均分子量が1400〜3600の高分子ジオールを使用して、かつイソシアネート基由来の窒素原子の含有率が4.8〜6.0質量%となるように熱可塑性ポリウレタンを製造すると、圧縮により相分離構造を変化させて、当該圧縮部分に透明性を付与させることができる熱可塑性ポリウレタンを容易に得ることができることから好ましい。本発明は数平均分子量が1400〜3600の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤から製造され、かつイソシアネート基由来の窒素原子の含有率が4.8〜6.0質量%である熱可塑性ポリウレタンからなり、少なくとも一部において波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%以上である研磨層を有する研磨パッドを包含する。
熱可塑性ポリウレタンは上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を原料として使用し、プレポリマー法やワンショット法などの公知の方法により製造することができる。熱可塑性ポリウレタンは実質的に溶媒の不存在下に溶融重合する方法によって製造することが好ましく、多軸スクリュー型押出し機を用いて連続溶融重合する方法によって製造することがより好ましい。
本発明の製造方法は、シート状に押出された上記樹脂の少なくとも一部を圧縮することにより、当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上としたシートを得る工程を含む。当該工程における上記樹脂を押出してシートとする方法としては特に制限されないが、例えば、T−ダイを装着した押出し機を使用して、上記樹脂を溶融押出ししてシートとする方法を採用することができる。押出し機としては、単軸押出し機、二軸押出し機等を使用することができる。押出されたシートの厚さとしては、目的とする研磨層の厚さやシートの用途に応じて適宜設定することができ、2.0〜4.0mmの範囲内であることが好ましく、2.0〜3.0mmがより好ましく、2.0〜2.5mmがさらに好ましい。
上記圧縮はシート状に押出された樹脂が軟化状態にある状態(圧縮前の樹脂の温度が当該樹脂の軟化温度以上である状態)で行うことが好ましく、溶融状態にある状態(圧縮前の樹脂の温度が当該樹脂の融点以上である状態)で行うことがより好ましい。圧縮前の樹脂の具体的な温度としては、150〜250℃の範囲内であることが好ましく、175〜240℃がより好ましく、220〜230℃がさらに好ましい。なお本明細書において樹脂の軟化温度とは貯蔵弾性率が2×10Paとなる温度を意味する。また樹脂の融点とは示差走査熱量計により測定された融点を意味する。
圧縮の度合いとしては当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上とすることのできる度合いである限り特に制限されないが、例えば、当該圧縮部分における圧縮前のシートの厚さ(T−ダイ等を使用した場合には、当該厚さは、通常T−ダイ等のリップ幅に相当することから、当該圧縮前のシートの厚さとしてはT−ダイ等のリップ幅を採用することができる)をA、当該圧縮部分における圧縮後のシートの厚さ(冷却後)をBとした際に、式:B/A×100(%)で算出される割合が70〜95%の範囲内となることが好ましく、80〜95%がより好ましく、80〜90%がさらに好ましい。
シート状に押出された樹脂の一部を圧縮することにより、当該圧縮部分が透明になった透明な部分と、その他の不透明な部分とを有する研磨層やシートを得ることができる。またシート状に押出された樹脂の全部を圧縮することにより、全面が透明な研磨層やシートを得ることができる。
圧縮の具体的な方法としては、例えば、シート状に押出された樹脂について、ギャップ間隔を調節したロールを通過させる方法などが挙げられる。この場合に、ロールの表面にパターンを形成しておき、当該パターン部分で樹脂を圧縮することにより、当該圧縮部分が透明となった研磨層やシートを得ることができる。またロールの表面にパターンを形成せずにロール全体で樹脂を圧縮することにより、全面が透明な研磨層やシートを得ることができる。ロールの温度に特に制限はないが、例えば、40〜90℃の範囲内であることが好ましく、50〜80℃がより好ましい。
上記透明な部分における透明性の具体的な度合いとしては、光学的手段により研磨終点の測定等を行う際に用いられる入射光が研磨層を十分通過するようにするためや、シートの用途において要求される透明性を確保するために、室温下(例えば25℃)における波長780nmの光の透過率として、厚さ1.5mmあたり30%以上であり、35%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。一方、上記透明な部分以外の部分(不透明な部分)については、室温下における波長780nmの光の透過率の目安として、例えば、厚さ1.5mmあたり30%未満(さらには25%以下)である。なお、研磨層を構成する素材として好ましく使用される樹脂を圧縮せずにシート状に押出した場合には、通常、不透明なシートが得られるが、本発明の製造方法においては、そのような圧縮をしなかった場合に不透明なシートとなりうる樹脂を使用した場合であっても、透明な部分を有する研磨層やシートを得ることができる。
上記光の透過率は、分光透過率測定機を使用して測定することができる。なお、測定サンプルの厚さが1.5mmよりも厚い場合には、研削等により厚さ1.5mmにして測定すればよく、また測定サンプルの厚さが1.5mmよりも薄い場合には、複数のサンプルを積層して、さらには必要により研削等を行い厚さを1.5mmとした後これの透過率を測定すればよい。また厚さが1.5mmでない測定サンプルについて、室温下における波長780nmの光の透過率を測定し、その値からランベルトの法則を利用して厚さ1.5mmあたりの透過率を算出することも可能である。上記光の透過率としては、測定サンプルの厚さ方向への光の透過率を採用すればよい。
得られたシートをそのまま、あるいは必要に応じて、裁断、打ち抜き、切削などにより所望の寸法、形状に加工したり、研削等により所望の厚さに加工して研磨層としたり、あるいは研磨層以外のその他の用途に使用することができる。本発明においては、少なくとも一部において波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%以上であるシートから研磨パッドを構成する研磨層を形成することにより、少なくとも一部において波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%以上である研磨層を有する研磨パッドとすることができる。
また研磨層には必要に応じて、格子状溝、同心円状溝、螺旋状溝等の溝や、貫通孔等の穴を形成してもよい。
研磨層の厚さとしては、研磨パッドが後述の単層型研磨パッドである場合には、0.8〜4.0mmの範囲内であることが好ましく、0.8〜3.0mmがより好ましい。一方、研磨パッドがクッション層を有する複層型研磨パッドである場合には、0.3〜2.0mmの範囲内であることが好ましく、0.5〜1.8mmがより好ましい。研磨層の厚さがあまりに薄いと、研磨層の硬度の効果が十分に得られにくく研磨均一性が低下する場合がある。また特にクッション層を有する場合において、研磨層の厚さがあまりに厚いと、被加工物全体の反りやうねりに対するクッション層の追従効果が低下する場合がある。
研磨層の形状としては、直径が30〜170cmの円盤状であることが好ましく、直径が50〜140cmの円盤状であることがより好ましい。
なお、研磨層の一部に透明な部分が形成された研磨パッドを製造する場合には、当該透明な部分とそれ以外の部分とは、厚さは異なっていてもよいし、同じであってもよい。ただし、研磨性能の観点から、研磨層の研磨側表面では、両部分が平坦である(同一平面上にある)ことが好ましい。
研磨層やシートは本発明の効果を奏する限り、上記樹脂以外の他の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、架橋剤、充填剤、架橋促進剤、架橋助剤、軟化剤、粘着付与剤、老化防止剤、発泡剤、加工助剤、密着性付与剤、無機充填剤、有機フィラー、結晶核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤(酸化アンチモンなど)、ブルーミング防止剤、離型剤、増粘剤、酸化防止剤、導電剤などが挙げられる。研磨層やシートにおける上記他の成分の含有量は50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
また研磨層やシートは発泡構造を有さない無発泡構造であることが好ましい。研磨層が無発泡構造であることにより、圧縮部分における透明性に一層優れた研磨パッドが得られる。
研磨パッドは上記の研磨層1層のみからなる単層型研磨パッドとすることができるが、さらにクッション層を積層した複層型研磨パッドであってもよい。クッション層はその硬度が研磨層の硬度よりも低いことが好ましい。クッション層の硬度が研磨層の硬度よりも低いと、被加工物の局所的な凹凸には硬質の研磨層が作用し、一方被加工物全体の反りやうねりに対しては柔軟なクッション層が追従することができるため、結果としてグローバル平坦性(被加工物の全体的な平坦性)とローカル平坦性(被加工物の局所的な平坦性)を両立させることができる。
複層型研磨パッドにおける研磨層の具体的な硬度としては、被加工物のローカル平坦性の観点や、あまりに硬度が高すぎると被研磨面にスクラッチが発生しやすくなることから、JIS−D硬度として55以上であることが好ましく、60〜80の範囲内であることがより好ましく、65〜75がさらに好ましい。一方クッション層の硬度は、グローバル平坦性の観点や、あまりに硬度が低すぎると、研磨台(プラテン)に貼り付けて研磨を行う際に研磨台(プラテン)の回転を研磨層に十分に伝えることができず安定した研磨を行うことができなくなる場合があることから、JIS−C硬度として20〜80の範囲内であることが好ましく、30〜70がより好ましく、40〜65がさらに好ましい。
クッション層の厚さは、0.5〜3mmの範囲内であることが好ましい。クッション層の厚さが0.5mm未満の場合には、被加工物全体の反りやうねりに対する追従効果が低下する場合があり、一方3mmを越える場合には、研磨パッド全体が柔らかくなりすぎるため、研磨パッドを研磨台(プラテン)に貼り付けて研磨を行う際に研磨台(プラテン)の回転を研磨層に十分に伝えることができず安定した研磨を行うことができなくなる場合がある。クッション層の厚さとしては1〜2.5mmの範囲内であることがより好ましい。
クッション層の材質としては、現在汎用的に使用されているポリウレタンを含浸させた不織布(例えば、ニッタ・ハース株式会社製「Suba400」等)の他、天然ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム;ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;発泡プラスチック;ポリウレタンなどを採用することができるが、クッション層に必要な柔軟性を有し、また容易に発泡構造が得られることからポリウレタンが好ましい。
上記の複層型研磨パッドは、研磨層とクッション層とが直接接合しているものの他、接着剤や両面粘着テープ等により両層が接着されたものや、両層の間にさらに別の層が存在するものも含む。
本発明の製造方法により製造される研磨パッドは、それ自体公知の研磨スラリーと共に、化学的機械的研磨に使用することができる。研磨スラリーは、例えば、水やオイル等の液状媒体;酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素等の研磨剤;塩基、酸、界面活性剤などの成分を含有している。また化学的機械的研磨を行うに際し、必要に応じ、研磨スラリーと共に、潤滑油、冷却剤などを併用してもよい。
化学的機械的研磨は、公知の化学的機械的研磨用装置(特に、研磨中における被加工物の検査や研磨終点の測定を光学的手段により行うことができるもの)を使用して、研磨スラリーを介して、被加工物と研磨パッドを、加圧下、一定速度で、一定時間接触させることによって行うことができる。研磨の対象となる物品(被加工物)としては、特に制限はないが、例えば、水晶、シリコン、ガラス、光学基板、電子回路基板、多層配線基板、ハードディスクなどが挙げられる。特に、研磨の対象としては、シリコンウェハや半導体ウェハであることが好ましい。半導体ウェハの具体例としては、例えば、酸化シリコン、酸化フッ化シリコン、有機ポリマー等の絶縁膜;銅、アルミニウム、タングステン等の配線材金属膜;タンタル、チタン、窒化タンタル、窒化チタン等のバリアメタル膜などを表面に有するものが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、熱可塑性ポリウレタンの軟化温度および融点ならびにシートにおける波長780nmの光の透過率は以下の方法にしたがって測定した。
熱可塑性ポリウレタンの軟化温度
以下の製造例1〜3において得られた熱可塑性ポリウレタンを用いて厚さ2.0mmの押出し成形シートを作製し、該シートを90℃で5時間熱処理した試験片を用いて、動的粘弾性測定装置(「DVEレオスペクトラー」、株式会社レオロジー製)を使用して、周波数11Hz、昇温速度3℃/分の条件で各温度における貯蔵弾性率を測定した。貯蔵弾性率が2×10Paとなる温度を当該熱可塑性ポリウレタンの軟化温度とした。
熱可塑性ポリウレタンの融点
以下の製造例1〜3において得られた熱可塑性ポリウレタンを10mg精秤したものを測定サンプルとして用いて、示差走査熱量計(「DSC30」、メトラー・トレド株式会社製)を使用して、窒素を100ml/分の速度で流しながら、0℃から250℃まで10℃/分の昇温速度で昇温することにより熱可塑性ポリウレタンの融点を測定した。
シートにおける波長780nmの光の透過率
分光透過率測定機(「U−4000 Spectrometer」、株式会社日立製作所製)を使用してシートの室温下(25℃)における波長780nmの光の透過率を測定した。
[製造例1]
熱可塑性ポリウレタン(PU−1)の製造
数平均分子量2000のポリ(テトラメチレングリコール)[略号:PTMG2000]、数平均分子量2000のポリ(2−メチル−1,8−オクタメチレン−co−ノナメチレン アジペート)[略号:PNOA2000、ノナメチレン単位と2−メチル−1,8−オクタメチレン単位とのモル比=7対3]、1,4−シクロヘキサンジメタノール[略号:CHDM]、1,4−ブタンジオール[略号:BD]および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート[略号:MDI]を、PTMG2000:PNOA2000:CHDM:BD:MDIの質量比が20.1:8.4:5.7:14.2:51.6(イソシアネート基由来の窒素原子の含有率:5.8質量%)となる割合で用い、かつそれらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出し機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−1という)を製造した。PU−1の軟化温度は150℃であり、融点は180℃であった。
[製造例2]
熱可塑性ポリウレタン(PU−2)の製造
数平均分子量1400のポリ(テトラメチレングリコール)[略号:PTMG1400]、CHDM、BDおよびMDIを、PTMG1400:CHDM:BD:MDIの質量比が46.5:3.7:9.3:40.5(イソシアネート基由来の窒素原子の含有率:4.5質量%)となる割合で用い、かつそれらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出し機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−2という)を製造した。PU−2の軟化温度は159℃であり、融点は175℃であった。
[製造例3]
熱可塑性ポリウレタン(PU−3)の製造
数平均分子量3000のポリ(テトラメチレングリコール)[略号:PTMG3000]、CHDM、BDおよびMDIを、PTMG3000:CHDM:BD:MDIの質量比が21.1:6.3:15.8:56.8(イソシアネート基由来の窒素原子の含有率:6.4質量%)となる割合で用い、かつそれらの合計供給量が300g/分になるようにして、定量ポンプにより同軸で回転する2軸押出し機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行って熱可塑性ポリウレタンを製造した。生成した熱可塑性ポリウレタンの溶融物をストランド状に水中に連続的に押出した後、ペレタイザーでペレット状に細断し、得られたペレットを70℃で20時間除湿乾燥することにより熱可塑性ポリウレタン(以下、これをPU−3という)を製造した。PU−3の軟化温度は172℃であり、融点は184℃であった。
[実施例1]
製造例1で得られたPU−1を単軸押出し成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にてリップ幅2.3mmのT−ダイより押出し速度40cm/分で下向きに押出し、さらにT−ダイより下方6cm離れた位置に設置された一対のロールを通過させた。このロールは、一方が直径22cmの80℃に調温された金属製ロールであり、別の一方が表面にゴム層を有する直径17cmのゴムロールであり、いずれのロール面にもパターンを有さず、金属製ロールとゴムロールとのギャップ間隔は1.9mmであった。
上記ロールを通過したシートを、上記金属製ロールの円周の約1/3程度に接触させた後、当該金属製ロールから離し、さらに別の金属製ロールに接触させることにより、PU−1からなり厚さが2.0mmの全面が透明なシートを得た。このシートの表面を研削して厚さ1.5mmで、厚さが均一なシートを作製し、さらに直径510mmの円盤状に切り出した。この円盤状のシート(厚さ1.5mm)の室温下における波長780nmの光のシート厚さ方向への透過率は45%であった。この円盤状のシートについて、さらに格子状の溝(深さ1.0mm、幅2.0mm、ピッチ15mm)を形成して単層型研磨パッドとした。
また、格子状の溝を形成していない面側に、クッション層として、ニッタ・ハース株式会社製「suba400」を貼り付けて複層型研磨パッドとした。
[実施例2]
製造例1で得られたPU−1を単軸押出し成形機(90mmφ)に仕込み、シリンダー温度215〜225℃、ダイス温度225℃にてリップ幅2.3mmのT−ダイより押出し速度40cm/分で下向きに押出し、さらにT−ダイより下方6cm離れた位置に設置された一対のロールを通過させた。このロールは、一方が直径22cmの80℃に調温された金属製ロールであり、別の一方が表面にゴム層を有する直径17cmのゴムロールであり、金属製ロールには高さ0.2mmの凸状のパターン(シートに対して27mm×107mmの長方形の凹部を形成するためのパターン)が形成され、金属製ロールとゴムロールとのギャップ間隔は、パターンが形成されていない部分を基準として2.2mm(パターン部分については2.0mm)であった。
上記ロールを通過したシートを、上記金属製ロールの円周の約1/3程度に接触させた後、当該金属製ロールから離し、さらに別の金属製ロールに接触させることにより、PU−1からなり、パターンにより圧縮された部分(厚さ2.1mm)が透明で、それ以外の部分(厚さ2.3mm)が不透明なシートを得た。このシートの表面を研削して厚さ1.5mmで、厚さが均一なシートを作製し、さらに直径510mmの円盤状に切り出した。この円盤状のシート(厚さ1.5mm)の上記パターンにより圧縮された部分に対応する透明な部分の室温下における波長780nmの光のシート厚さ方向への透過率は45%であり、またそれ以外の不透明な部分の室温下における波長780nmの光のシート厚さ方向への透過率は25%であった。この円盤状のシートについて、さらに格子状の溝(深さ1.0mm、幅2.0mm、ピッチ15mm)を形成して単層型研磨パッドとした。
[比較例1]
金属製ロールとゴムロールとのギャップ間隔を1.9mmから2.2mmに変更したこと以外は実施例1と同様の方法により、PU−1からなり厚さが2.3mmのシートを得た。このシートの表面を研削して厚さ1.5mmで、厚さが均一なシートを作製した。この厚さ1.5mmのシートの室温下における波長780nmの光のシート厚さ方向への透過率は25%であった。
[参考例1]
PU−1を製造例2で得られたPU−2に代えたこと以外は実施例2と同様の方法により、PU−2からなり、パターンにより圧縮された部分(厚さ2.1mm)とそれ以外の部分(厚さ2.3mm)とを有するシートを得た。このシートは全面が不透明であった。
[参考例2]
PU−1を製造例3で得られたPU−3に代えたこと以外は実施例2と同様の方法により、PU−3からなり、パターンにより圧縮された部分(厚さ2.1mm)とそれ以外の部分(厚さ2.3mm)とを有するシートを得た。このシートは全面が不透明であった。
本発明の製造方法によれば、半導体や集積回路等の被加工物の表面を平坦化する際に、研磨中における被加工物の検査や研磨終点の測定を光学的手段により行うことができる透明な部分を有する研磨パッドを極めて簡単に製造することができ、当該研磨パッドは、例えば、半導体デバイス製造時におけるシリコンウェハや半導体ウェハの化学的機械的研磨に有用である。また本発明によれば、透明な部分を有するシートを極めて簡単に製造することができ、研磨パッドを構成する研磨層のみならず、透明性の要求される研磨層以外のその他の用途への使用に有用である。

Claims (8)

  1. シート状に押出された樹脂の少なくとも一部を圧縮し、当該圧縮部分における波長780nmの光の透過率を厚さ1.5mmあたり30%以上としたシートを得る工程、および当該シートから研磨層を形成する工程を含む、研磨パッドの製造方法であって、
    前記樹脂が高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤から製造される熱可塑性ポリウレタンであり、前記熱可塑性ポリウレタンにおけるイソシアネート基由来の窒素原子の含有率が4.8〜6.0質量%である、研磨パッドの製造方法
  2. 上記高分子ジオールの数平均分子量が1400〜3600である請求項に記載の製造方法。
  3. 上記圧縮において、圧縮部分における圧縮前の厚さに対する圧縮後の厚さの比率が70〜95%である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 圧縮前の樹脂の温度が当該樹脂の軟化温度以上である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 研磨層が、波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%以上である部分と、波長780nmの光の透過率が厚さ1.5mmあたり30%未満である部分とを有する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 研磨層が無発泡構造である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により製造された研磨パッドを用いるシリコンウェハまたは半導体ウェハの研磨方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により製造された研磨パッドを用いる半導体デバイスの製造方法。
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