JP2007245151A - 単分散粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第2液体が第1液体に対して、O/W(オイル イン ウォーター)であり、オリフィスプレートを親水性に表面処理してあり、オリフィスを形成するオリフィスプレート面に対する前記第2液体の接触角が、該オリフィスプレート面に対する前記第1液体の接触角より大きく、かつ前記オリフィスプレート面が前記第1液体中に浸漬された状態で、前記第2液体を、該オリフィスから前記第1液体中に吐出する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、これら従来の湿式法は、撹拌条件や材料濃度調整により単分散粒子の粒径をコントロールするため、そのコントロールが困難で、乾式法ほどではないにしろ、バラツキが生じていた。また、マイクロカプセルの場合には、粒径だけでなく、皮膜厚を所望のものに、コントロールすることは困難であった。
しかしながら、この製造方法は、吐出された液体が、被吐出液体に到達するまでに液滴の大きさが変化しやすく、また、吐出された液体が、液体面の抵抗等によって被吐出液体の深部中に入って行くのが難しく、被吐出液体の表面付近に分布し易く、更に、吐出される液滴の間隔が狭い場合、被吐出液体表面に到達する前に液滴同士が合一する場合があり、その結果、均一な単分散粒子が得にくいという問題点があった。
即ち、本発明は、連続相としての第1液体中に、分散相となりかつ前記第1液体と反応する第2液体を、オリフィスを介して、液滴で吐出し、前記第1液体中で単分散粒子を製造する方法において、前記第2液体が前記第1液体に対して、O/W(オイル イン ウォーター)であり、前記オリフィスプレートを親水性に表面処理してあり、前記オリフィスを形成するオリフィスプレート面に対する前記第2液体の接触角が、該オリフィスプレート面に対する前記第1液体の接触角より大きく、かつ前記オリフィスプレート面が前記第1液体中に浸漬された状態で、前記第2液体を、該オリフィスから前記第1液体中に吐出する、単分散粒子の製造方法に関するものである。
本発明は、後述するインクジェット式ヘッド等のオリフィスより、連続相である第1液体中に、該第1液体中で粒子状の分散相となる第2液体を吐出させ、両液体間の接触表面で反応が生じ、固体状態の単分散粒子を製造させる方法であり、前記分散相となる第2液体を吐出させる際、オリフィスのオリフィスプレート面が、前記連続相である第1液体中に浸漬された状態で吐出させることを特徴(特徴1)としている。
また、前記オリフィスプレート面が、該プレート面に対する前記分散相となる第2液体の接触角が、該プレート面に対する前記連続相である第1液体の接触角より大きいことを特徴(特徴2)としている。
また、前記特徴2により、分散相となる第2液体の吐出された液滴が、連続相の第1液体中の深部に移動しやすくなり、液滴同士が合一することがなく、その結果、均一な単分散粒子が形成する効果が得られる。なお、前記オリフィスプレート面に対する前記分散相となる液体の接触角が、前記連続相である第1液体の接触角と同じ、もしくは小さいプレート面を使用した場合は、分散相となる第2液体の吐出された液滴が、連続相の第1液体中の深部に移動し難く、オリフィスプレート面付近に分布しやすくなり、液滴同士が合一し易く、その結果、均一な単分散粒子が得難くなるので好ましくない。
本発明において、連続相である第1液体と、該連続相である第1液体中で分散相となった第2液体(液滴)としては、両液体が界面で接触することにより反応し、分散相となった第2液体(液滴)表面が固体化した粒子となるものであれば、各種液体の組み合わせが利用可能である。
具体的には、例えば、ポリアミン、ポリオール等の活性水素含有化合物と、酸クロライド、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂等の化合物との組み合わせや、ゼラチンカチオン化合物と、アラビヤゴムアニオン化合物との組み合わせ、メラミンとホルマリン又は尿素との組み合わせ、その他「最新マイクロカプセル化技術」(発行所 (株)総合技術センター、発行日 1990年4月20日)等に紹介されている各種組み合わせが可能である。
次に、本発明の単分散粒子の製造方法について、図1に基づき説明する。
図1は、インクジェット式ヘッド1を、連続相である第1液体2中に浸漬した状態で、オリフィスプレート4により形成されるオリフィス6を介して分散相となる第2液体3を吐出し、液滴5を形成する概略説明図である。
ヘッド1中に導入された分散相となる第2液体5は、一定圧力又は一定間隔の圧力変化により、オリフィス6から前記連続相である第1液体中に吐出される。
なお、分散相となる第2液体に、一定圧力を加える方法としては、例えば、水位差を利用する方法や、シリンジ、ポンプ等により一定速度で押す方法等が代表的な方法として挙げられる。また、一定間隔の圧力を変化させる方法としては、例えば、シリンジピストンを振動させる方法や、ピエゾ素子を利用した方法等が代表的な方法として挙げられる。
また、吐出速度は、特に制限ないが、1〜5000滴/秒、好ましくは、500〜3000滴/秒が適当である。
本発明においては、オリフィス6は、液体を吐出できるものであれば、特に制限されるものではない。好適に使用されるオリフィス6は、インクジェット式ヘッドのオリフィスが挙げられる。
オリフィスプレート4の面は、前述の通り、分散相となる第2液体の吐出された液滴5が、連続相の第1液体2中の深部に移動し易く、オリフィスプレート面付近に分布するのを防止するため、その表面特性は重要である。即ち、オリフィスプレート面に対する前記分散相となる第2液体の接触角が、前記オリフィスプレート面に対する前記連続相である第1液体の接触角より大きくなっていればよい。そのため、オリフィスプレートは、少なくとも、その表面が、上記のような特性を有するように加工又は素材により形成されていればよい。但し、プレート面の素材は、両液体と化学反応等により変質しないものを選択する必要がある。
これらオリフィスプレート面の素材自体が、前記接触角条件を満たすものであれば、それを無処理のまま使用できるが、分散相となる第2液体と連続相の第1液体との種類により、前記接触角条件を満たさない場合には、オリフィスプレート面の素材表面を表面処理することにより、前記接触角条件を満たせばよい。
表面処理する方法としては、前記接触角条件を満たすように、例えば、各種樹脂を塗布する方法や、金属もしくはその酸化物を蒸着する方法、樹脂や金属からなるフィルムを貼り付ける方法、素材表面をレーザー光・紫外光の照射処理、プラズマ放電処理、酸処理等で改質させる方法等が代表的なものとして挙げられるが、これら方法に限定されるものではない。
接触角は、前述の通り、オリフィスプレート面に対する前記分散相となる第2液体の接触角が、前記オリフィスプレート面に対する前記連続相である第1液体の接触角より大きいことが必要であるが、好ましくは、前記オリフィスプレート面に対する分散相となる第2液体の接触角θが、10°<θ<180°であり、オリフィスプレート面に対する連続相である第1液体の接触角θが、0°<θ<150°であり、かつ、前者の接触角が後者の接触角より10°以上、特に好ましくは、70°以上大きいものが望ましい。
この様にして製造した単分散粒子は、用途に応じて、そのままで、もしくは、連続相である液体中より取り出し、乾燥させることにより、製品化される。
分散相となる10℃の第2液体〔ドデカン88質量部と、ヘキサメチレンジイソシアネート10質量部、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ[タケネートD177N(三井武田ケミカル(株)製)]2質量部とからな混合物〕を、インクジェット吐出装置[HEK-1(コニカ(株)製)、オリフィス口径20μm]にて、該装置の表1に示す素材のオリフィスプレート面を、連続相である10℃の第1液体〔水495質量部と、ポリビニルアルコール5質量部とからなる混合物〕に浸漬させた状態で、吐出速度800滴/秒にて吐出させた。
吐出終了後、80℃まで加温し、6時間保持した。
得られた分散液について、単分散粒子の粒度分布を測定し、その結果を表1の下段に示した。
なお、実施例1〜2及び比較例1〜2は、O/W状態のものである。
注2)A:オリフィスプレート素材に対する分散相となるの第2液体の接触角
B:オリフィスプレート素材に対する連続相である第1液体の接触角
注3)粒径分布の変動係数CV(CV値小さいほど粒径均一)
評価:◎:CV=10%以下、○:CV=11〜20%、△:CV=21〜30%
×:CV=30%越える、又は、粒子出来ず
Claims (5)
- 連続相としての第1液体中に、分散相となりかつ前記第1液体と反応する第2液体を、オリフィスを介して、液滴で吐出し、前記第1液体中で単分散粒子を製造する方法において、前記第2液体が前記第1液体に対して、O/W(オイル イン ウォーター)であり、前記オリフィスプレートを親水性に表面処理してあり、前記オリフィスを形成するオリフィスプレート面に対する前記第2液体の接触角が、該オリフィスプレート面に対する前記第1液体の接触角より大きく、かつ前記オリフィスプレート面が前記第1液体中に浸漬された状態で、前記第2液体を、該オリフィスから前記第1液体中に吐出することを特徴とする、単分散粒子の製造方法。
- 前記オリフィスプレート面に対する前記第2液体の接触角θが、10°<θ<180°であり、前記オリフィスプレート面に対する前記第1液体の接触角θが、0°<θ<150°であり、かつ、前記第2液体の接触角θが、前記第1液体の接触角θより10°以上大きい、請求項1に記載の単分散粒子の製造方法。
- 前記オリフィスの口径が、10〜100μmである、請求項1又は請求項2に記載の単分散粒子の製造方法。
- 前記オリフィスが、インクジェット式ヘッドであることを特徴とする、請求項1〜3のうち何れかに記載の単分散粒子の製造方法。
- 前記オリフィスプレートをプラズマ放電処理により表面処理することを特徴とする、請求項1〜4のうち何れかに記載の単分散粒子の製造方法。
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