以下、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機(パチンコ機)1の斜視図、また図2は同じくガラス枠9が開放された遊技機1の斜視図である。なお、本実施の形態の説明において、遊技機1の遊技者が遊技する側(図の左手前側)を前として前後方向を示す。
遊技機1の外枠2には、後述する遊技盤ユニット5を着脱可能に収納する前面枠3の一側がヒンジ4を介して開閉回動可能に取り付けられる。
さらに前面枠3には、ガラス枠9がヒンジ10を介して開閉回動可能に取り付けられている。ガラス枠9の前面は、略円形状の開口部11が形成されている。ガラス枠9には、裏面側からカバーガラス12が組み込まれている。ガラス枠9を閉じた状態で遊技機1を前面視した場合、遊技盤ユニット5の前面はカバーガラス12で透視可能な状態に覆われている。
前面枠3の要所には、ランプやLED等からなる装飾発光装置15が設けられる。装飾発光装置15は、大当り遊技状態等のイベント発生時や異常発生時に、遊技機1の遊技状態に対応して発光する。
前面枠3の下方には、遊技球を貯留するとともに、発射装置402(図4参照)に案内する上皿16が配設される。また、前面枠3の下部の固定パネル17には、下皿18及び発射装置402の発射操作部19が配設される。発射装置402は、遊技者による発射操作部19の操作に応じて遊技盤ユニット5の遊技領域52に遊技球を打ち出す。
発射操作部19は、ハンドル状の握りの遊技者による回動操作によって発射装置402を作動させる。これに従い、発射装置402からは、発射操作部19の回動操作量に応じた発射勢で所定の時間間隔をおいて上皿16内に保留されている遊技球が遊技領域52に向けて発射される。発射制御装置400は遊技者による発射操作部19の回動操作を検知すると、発射装置402に回動操作の操作量に応じた制御信号を送信する。これと同時に、発射制御装置400は、表示制御装置150にも制御信号を送信する(図4参照)。
制御信号を受信した表示制御装置150は、後述するように、遊技者による回動操作の操作量に基づいて、遊技球の流下範囲を推定する(図5参照)。ここで、流下範囲とは、発射装置402により発射された遊技球が、現時点において、主に遊技領域52のどの領域を流下している状態であるのかを表現したものである。本実施の形態では、鎧部68(図3参照)の左側を流下する遊技球が多い状態を「左側メイン」、鎧部68の右側を流下する遊技球が多い状態を「右側メイン」、鎧部68の左右にほぼ均等に遊技球が分離して流下している状態を「左右均等」として表現している。
このように、発射操作部19は、遊技球に付与される発射勢を設定する発射操作部として機能する。
発射装置402は、発射制御装置400からの制御信号を受信すると、発射装置402に設けられたモータ(図示省略)を作動させ、上皿16内の遊技球を所定の時間間隔で遊技領域52に向けて発射する。発射された遊技球は、ガイドレール51で区画された案内通路58(図3参照)を経て遊技領域52上部に到達し、遊技領域52を流下する。
遊技領域52を流下する遊技球が、遊技領域52に設けられた、後述する一般入賞口73、起点図柄始動主ゲート70、起点図柄始動副ゲート71又は変動入賞装置(図3参照)に入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、遊技機1内部に設けられた払出ユニット(図示省略)から上皿16または下皿18に排出される。また、上皿16には、遊技の開始にあたって操作される、遊技機1に接続された、図4の制御系のブロック図に示す、カードユニット45の球貸要求に応じた個数の遊技球が、遊技機1の背面に設けられた補給タンク20から排出される。
上皿16の上縁には、カードユニット45に挿入されたプリペイドカードの残高を表示するカード残高表示部(図示省略)、遊技球の貸し出しを指令する球貸スイッチ22、及び、プリペイドカードの返却を指令するカード返却スイッチ23及び遊技者の操作に基づいて、変動表示ゲーム実行時に表示される変動表示等の遊技画像の画面上の表示位置を選択する画面位置選択ボタン21が設けられる。画面位置選択ボタン21は、画面位置選択ボタン21の操作の有無を検出する画面位置選択スイッチ21Aに接続されており、遊技者のボタン操作があると、検出信号が表示制御装置150に送信される。
このように、画面位置選択ボタン21は、遊技画像の表示位置を選択する表示位置選択手段として機能する。
また、上皿16の側縁には、上皿16に貯留された遊技球を下皿18へ排出するための上皿返却レバー24が設けられている。
下皿18の下方には、下皿18に貯留された遊技球を下方へ排出するための下皿返却レバー25が設けられている。なお通常は、下皿18の下方には、図示しない膳板(カウンタ)に遊技球貯留箱が載置され、下皿18から下方に排出された遊技球を、当該遊技球貯留箱に溜めることが可能となっている。
また、下皿18の左には、音出力装置(スピーカ)26及び灰皿27が設けられる。
前面枠3は、遊技盤ユニット5と略同一形状、同一面積の開口部31を有する額縁状の枠体である。前面枠3には遊技盤収納部32が一体に形成され、遊技盤収納部32の下部には、遊技盤ユニット5の板厚と同一の前後幅を有する遊技盤載置台33が一体に形成されている。
遊技盤ユニット5は、この遊技盤載置台33の上面に載置された状態で遊技盤収納部32に収納される。このとき、遊技盤ユニット5は、遊技盤収納部32の一側の壁に設けられた止着金具34によって一側を着脱可能な状態であって、かつ、遊技盤収納部32の上側及び他側の壁に設けられた固定部材(図示省略)によって上側及び他側を固定された状態で、遊技盤収納部32に収納される。
なお、本実施の形態では、遊技機1のうち、遊技盤ユニット5、及び図4に示す遊技制御装置100及び表示制御装置150以外の部材(具体的には、外枠2、前面枠3、光源ユニット6、ガラス枠9及び遊技盤収納部32)が互に組み付けられて一体化されて本体枠13を構成する。遊技盤ユニット5は、この本体枠13の前面に対して着脱可能に設けられている。
遊技盤ユニット5は、機種毎に異なるデザインが施されているが、本体枠13は機種全般で共通して利用可能なように構成されている。よって、遊技機1の機種を交換する場合、本体枠13は交換することなく島設備に残して、遊技盤ユニット5、遊技制御装置100及び表示制御装置150のみを新たな機種のものに交換すればたりる。
前記した固定部材は、遊技盤収納部32の上側及び他側の壁に回動可能に取り付けられている。そして、その先端を前面枠3の内側に向けて回動させることで、遊技盤収納部32に収納された遊技盤ユニット5の前面に当接して、遊技盤ユニット5を後方へ押し付けて固定する。
遊技盤ユニット5は、例えばアクリルなど透明な板状部材よりなる遊技盤ベース50及びその四方に各々設けられた樹脂製のサイドケース53によって構成される。したがって遊技盤ベース50の前面からその内側が透視できる。遊技盤ベース50の表面には、ガイドレール51で囲われた略円形状の遊技領域52が形成される。遊技盤ベース50の右上及び右下に設けられたサイドケース53には、それぞれ一部をくぼませた係合部54が形成されている。遊技盤収納部5の他側壁に設けた固定部材を90度内側へ回動させて、この係合部54に係合させることによって、遊技盤ユニット5は遊技盤収納部32に固定される。
また、前面枠3には、遊技盤収納部32の背面に開口部31と略同一の面積を有する光源ユニット6が配置される。光源ユニット6の前面には、後述する画像表示パネル55及び透過板61が配置され、画像表示パネル55を背面側から照射するバックライト(光源)(図示省略)を内部に備える。なお、図2では、光源ユニット6のうち外枠2及び前面枠3に覆われて視認できない部分を破線で示す。
前面枠3には、遊技盤ユニット5の背面で、遊技領域52に対応した位置に、遊技画像を表示する薄型の画像表示パネル55が配置される。画像表示パネル55は、LCD(液晶表示器)によって構成される。画像表示パネル55は前記光源ユニット6の直前で、ガラスなどの透過板61の背面に位置して設けられる。画像表示パネル55は背面側からバックライト(光源)により照射される。
遊技盤ベース50の遊技領域52には、図示は省略するが、中央上部に鎧部68(図3参照)が設けられ、この鎧部68の下方に起点図柄始動主ゲート70(図3参照)が設けられ、鎧部68の右斜め下方に起点図柄始動副ゲート71(図3参照)が設けられる。また、遊技領域52には、図示しない方向転換部材、変動入賞装置、四つの一般入賞口73等(図3参照)も設けられる。この配置構成により、画像表示パネル55は遊技領域52の背面の全域にわたって配置されるが、鎧部68と起点図柄始動主ゲート70との間の領域を用いて動画による画像表示が行われ、これら各入賞口等に対峙する位置では静止画の画像表示(背景表示)が行われるように表示制御される。
また、前記遊技盤ユニット5には、図3及び図4に示す、起点図柄変動表示ゲームに関連する起点図柄表示器74A及び起点図柄記憶表示器74Bからなる起点図柄表示装置74や、第1図柄変動表示ゲームに関連する第1図柄表示器78A及び第1図柄記憶表示器78Bからなる第1図柄表示装置78並びに第2図柄変動表示ゲームに関連する第2図柄表示器80A及び第2図柄記憶表示器80Bからなる第2図柄表示装置80が設けられる。
なお、図2では、カバーガラス12を介して透過されるガラス枠9の前面の開口部11は、図示を省略してある。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機の遊技盤ユニット5の正面図である。
遊技盤5の表面には、略円形状の遊技領域52が形成される。遊技領域52は、遊技盤ユニット5の四方に各々設けられた樹脂製のサイドケース53及びガイドレール62によって画成される。遊技領域52の右下に設けられたサイドケース53は、前面の中央部を黒色透明の証紙プレート65で覆われている。また、遊技領域52の右上及び右下に設けられたサイドケース53には、遊技盤ユニット5を遊技機の前面枠に対して固定するための係合部54が設けられている。
遊技領域52の背後には、前述したように、遊技画像を表示する薄型の画像表示パネル55が配置される。画像表示パネル55は、LCD(液晶表示器)によって構成される。画像表示パネル55は前記光源ユニット6の直前で、ガラスなどの透過板61の背面に位置して設けられる。画像表示パネル55は背面側からバックライト(光源)により照射される。
このLCDによって表示される表示画面のうち、透明な遊技盤ベース50を通して遊技者から視認可能な領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(装飾図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、後述する起点図柄変動表示ゲームに関する画像が表示される。すなわち、表示画面の左、中及び右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた装飾図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が変動表示して起点図柄変動表示ゲームが行われる。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示又はエンディング表示等)が表示される。
遊技領域52の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾装置76が設けられ、これらの装飾装置76は、当たり等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する。
遊技領域52の略中央の下方には、起点図柄始動領域として起点図柄始動主ゲート70が配設され、遊技領域52の右上部には、同じく起点図柄始動領域として起点図柄始動副ゲート71が配設される。遊技領域52の略中央上部には鎧部68が張り出すように形成されており、遊技領域52の略中央上部に流下した遊技球が、当該鎧部68によって左右に振り分けられ、鎧部68の左右のそれぞれの端部から流下する。
遊技領域52の左下部には、四つの一般入賞口73が、遊技領域52の外周に沿うように上下に並んで配設される。また、起点図柄始動主ゲート70の直下には、一般入賞口73を上部に備えた起点図柄表示装置74が配設される。
そして、起点図柄表示装置74、第1図柄表示装置78及び第2図柄表示装置80で変動表示ゲームを実行する。
遊技領域52の略中央下部に設けられた起点図柄始動主ゲート70又は遊技領域52の右上部に設けられた起点図柄始動副ゲート71を遊技球が通過すると、起点図柄始動主ゲート70の直下に設けられた起点図柄表示装置74で起点図柄変動表示ゲームが実行される。
起点図柄表示装置74は、起点図柄変動表示ゲームを実行する起点図柄表示器74A、及び、起点図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる起点図柄記憶表示器74Bで構成される。起点図柄表示器74Aでは、7セグメントLEDよりなる起点図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「C」、「E」等の英文字)が点灯することで、起点図柄変動表示ゲームを実行する。起点図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
遊技領域52の右下部には、上から順に起点図柄変動入賞装置77、第1図柄変動入賞装置79、第2図柄変動入賞装置81が配設される。
起点図柄変動入賞装置77は、第1図柄始動口(第1図柄始動領域)として機能する。起点図柄変動入賞装置77は一つの可動翼片を備え、当該可動翼片を外方に開くことによって、起点図柄変動入賞装置77が遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な不利状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な有利状態)に、起点入賞装置ソレノイド40(図4参照)への通電によって、所定の時間だけ拡開するように変換される。
なお、本実施の形態では、変動入賞装置が作動せずに遊技球を受け入れることが不能な状態を「不利状態」(遊技者からみて不利な状態)とし、変動入賞装置が作動して遊技球を受け入れることが可能な状態を「有利状態」(遊技者からみて有利な状態)とする。ただし、「不利状態」は、変動入賞装置が遊技球を受け入れ不能な状態に限らず、変動入賞装置の開口部が極めて狭く、遊技球を受け入れることが困難な状態も含むものとする。また、「有利状態」は、変動入賞装置が最初に作動を開始してから、複数回連続して間欠作動して、この間欠作動が終了するまでの全ての時間帯を有利状態としてもよい。
また、起点図柄変動入賞装置77は、当たり等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する装飾用ランプ、LED等の装飾装置76を備えている。
起点図柄変動入賞装置77の左下方には、第1図柄変動入賞装置79が設けられている。第1図柄変動入賞装置79は、第2図柄始動口(第2図柄始動領域)として機能する。第1図柄変動入賞装置79は一つの可動翼片を備え、当該可動翼片を外方に開くことによって、第1図柄変動入賞装置79が遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な不利状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な有利状態)に、第1入賞装置ソレノイド42(図4参照)への通電によって、所定の時間だけ拡開するように変換される。
また、第1図柄変動入賞装置79は、第1図柄表示装置78を備える。第1図柄表示装置78は、第1図柄変動表示ゲーム(第1図柄補助遊技)を実行する第1図柄表示器78A、及び、第1図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる第1図柄記憶表示器78Bで構成される。第1図柄表示器78Aでは、7セグメントLEDよりなる第1図柄が点灯することで、第1図柄変動表示ゲームを実行する。第1図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
第1図柄変動入賞装置79の左下方には、第2図柄変動入賞装置81が設けられている。第2図柄変動入賞装置81は、最下段入賞口(最下段入賞領域)として機能する。第2図柄変動入賞装置81は一つの可動翼片を備え、当該可動翼片を外方に開くことによって、第2図柄変動入賞装置81が遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な不利状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な有利状態)に、第2入賞装置ソレノイド43(図4参照)への通電によって、所定の時間だけ拡開するように変換される。
また、第2図柄変動入賞装置81は、第2図柄表示装置80を備える。第2図柄表示装置80は、第2図柄変動表示ゲーム(第2図柄補助遊技)を実行する第2図柄表示器80A、及び、第2図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる第2図柄記憶表示器80Bで構成される。第2図柄表示器80Aでは、7セグメントLEDよりなる第2図柄が点灯することで、第2図柄変動表示ゲームを実行する。第2図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
遊技機1では、発射装置402(図4参照)から遊技領域52に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。発射装置402から打ち出された遊技球は、発射速度測定センサ59Aを備え遊技領域52へ遊技球を案内する案内通路58を通過して遊技領域52に到達し、遊技領域52内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域52を流下する。そして、一般入賞口73、起点図柄始動主ゲート70、起点図柄始動副ゲート71又は図柄入賞装置に入賞するか、遊技領域52の最下部に設けられたアウト口57から排出される。
一般入賞口73への遊技球の入賞は、一般入賞口73に備えられた一般入賞検出スイッチ73.1〜73.N(図4)によって検出される。一般入賞口73に遊技球が入賞すると、払出ユニット(排出装置)から、遊技機の前面枠に設けられた上皿16又は下皿18に、所定個数(例えば、5個)の賞球が排出される。
遊技領域52から流下する遊技球のうち、起点図柄始動主ゲート70には、主に遊技領域52の左半分を流下する遊技球が入賞する(図6の図中矢印参照)。また、起点図柄始動副ゲート71には、主に遊技領域52の右半分を流下する遊技球が入賞する(図7の図中矢印参照)。
起点図柄始動主ゲート70又は起点図柄始動副ゲート71への遊技球の通過は、それぞれ起点図柄始動主スイッチ70A(図4参照)又は起点図柄始動副スイッチ71A(図4参照)によって検出される。
このように、起点図柄始動主スイッチ70Aは、遊技領域52の左側(鎧部68と案内通路58との間の領域)を流下する遊技球を検出可能な左側遊技球検出手段(第1遊技球検出手段)として機能し、起点図柄始動副スイッチ70Bは、遊技領域52の右側(鎧部68と弾性反発体56との間の領域)を流下する遊技球を検出可能な右側遊技球検出手段(第2遊技球検出手段)として機能する。
この遊技球の通過タイミングによって抽出された起点図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の起点図柄始動記憶領域(起点図柄始動記憶手段)に起点図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この起点図柄始動記憶数は、起点図柄記憶表示器14Bに表示される。遊技制御装置100は、起点図柄始動記憶に基づいて、起点図柄表示器74Aにて起点図柄変動表示ゲームを実行する。このとき画像表示パネル55には、起点図柄変動表示ゲームに同期して識別情報が変動表示される。また、画像表示パネル55には、起点図柄変動表示ゲームに関する演出画像も表示される(図6及び図7参照)。
なお、起点図柄表示器74Aで起点図柄変動表示ゲームが開始されると、画像表示パネル55では、前述した数字等で構成される図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、中(第二特別図柄)、右(第三特別図柄)の順に変動表示を開始する。起点図柄表示器74Aで図柄が確定すると、画像表示パネル55の図柄も起点図柄変動表示ゲームの結果に対応する停止態様で停止して表示される。
具体的には、起点図柄変動表示ゲームの結果が当たりであれば、画像表示パネル55に表示される各図柄はぞろ目の組み合わせ(当たり図柄)で停止し、起点図柄変動表示ゲームの結果が外れであれば、画像表示パネル55に表示される各図柄はぞろ目以外の組み合わせ(外れ図柄)で停止する。即ち、画像表示パネル55においても変動表示ゲームが実行され、起点図柄変動表示ゲームの当たり/外れの結果に対応して、この画像表示パネル55の変動表示ゲームの結果も導き出される。このように、起点図柄表示器74Aは変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らせ、画像表示パネル55は興趣向上のために多様な表示を演出する。
起点図柄始動主ゲート70又は起点図柄始動副ゲート71への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の起点図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には当たり状態となり、表示図柄によって特定の結果態様が導出される。具体的には、起点図柄表示器74Aは当たり図柄で停止して、画像表示パネル55は三つの識別情報が揃った状態(当たり図柄)で停止する。このとき、起点入賞装置ソレノイド40(図4)への通電によって、起点図柄変動入賞装置77が所定の時間だけ開放するように変換される。すなわち、起点図柄変動入賞装置77に備えられた第1図柄始動口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得し、また、続いて第1図柄変動表示ゲームを実行できるという遊技価値が付与される。
なお、起点図柄乱数カウンタ値の当たり値は、約1/300の確率で抽出されるようになっている。起点図柄表示器74Aが当たりになると、画像表示パネル55でも当たり図柄が表示され、起点図柄変動入賞装置77が約6秒間開放する。
開放した起点図柄変動入賞装置77へ入賞した遊技球は、第1図柄始動口への入賞となり、第1図柄始動口が備える第1図柄始動スイッチ77A(図4参照)によって検出される。この遊技球の入賞タイミングによって抽出された第1図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の第1図柄始動記憶領域(第1図柄始動記憶手段)に第1図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この第1図柄始動記憶数は、第1図柄記憶表示器78Bに表示される。
遊技制御装置100は、第1図柄始動記憶に基づいて、第1図柄表示器78Aにて第1図柄変動表示ゲームを実行する。そして、第1図柄乱数カウンタ値の判定結果に対応する第1図柄変動表示ゲームを行い、その結果として当たり状態が発生すると、第1入賞装置ソレノイド42(図4)への通電によって、第1図柄変動入賞装置79が所定時間だけ開放するように変換される。すなわち、第1図柄変動入賞装置79に備えられた第2図柄始動口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得し、また、続いて第2図柄変動表示ゲームを実行できるという遊技価値が付与される。
なお、第1図柄乱数カウンタ値は、ほとんどが当たり値で構成され、外れ値は極めて低い確率(例えば、1/4000)で抽出されるようにするとよい。つまり、第1図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生する確率は限りなく0に近い。
開放した第1図柄変動入賞装置79へ入賞した遊技球は、第2図柄始動口への入賞となり、第2図柄始動口が備える第2図柄始動スイッチ79A(図4)によって検出される。この遊技球の入賞タイミングによって抽出された第2図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の第2図柄始動記憶領域(第2図柄始動記憶手段)に第2図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この第2図柄始動記憶数は、第2図柄記憶表示器80Bに表示される。
遊技制御装置100は、第2図柄始動記憶に基づいて、第2図柄表示器80Aにて第2図柄変動表示ゲームを実行する。そして、第2図柄乱数カウンタ値の判定結果に対応する第2図柄変動表示ゲームを実行し、その結果として当たり状態が発生すると、第2入賞装置ソレノイド43(図4)への通電によって、第2図柄変動入賞装置81が所定時間だけ開放するように変換される。すなわち、第2図柄変動入賞装置81が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得できるという遊技価値が付与される。
なお、第2図柄乱数カウンタ値は、ほとんどが当たり値で構成され、外れ値は低い確率(例えば、1/500)で抽出されるようになっている。つまり、第2図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生する可能性はほとんどない。ただし、第2図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生した場合は、第2図柄変動表示ゲームの実行時間を調整して、第2図柄変動入賞装置81の非作動時間を短縮する制御が行われる。
そして、第2図柄変動入賞装置81への遊技球の入賞は、第2図柄変動入賞装置81が備える最下段入賞検出スイッチ81A(図4)によって検出される。
そして、起点図柄変動入賞装置77、第1図柄変動入賞装置79又は第2図柄変動入賞装置81へ遊技球が入賞すると、払出ユニットから、遊技機の前面枠に設けられた上皿16又は下皿18に、所定個数(例えば、それぞれ15個)の賞球が排出される。なお、起点図柄変動入賞装置77、第1図柄変動入賞装置79及び第2図柄変動入賞装置81は、いずれも遊技領域52の右側に配設されている上に、鎧部68の右下から起点図柄始動主ゲート70の右側にかけて、図示しない障害釘が列設されているため、これらの各変動入賞装置へ遊技球を入賞させるためには、遊技者は、遊技領域52の右側へ遊技球が流下するように発射装置402による遊技球の発射勢を調整する必要がある。
このように、起点図柄始動主ゲート70又は起点図柄始動副ゲート71へ遊技球が通過して、起点図柄表示装置74で起点図柄変動表示ゲームが実行されて、当該変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生することを契機として、下位の変動表示ゲーム、すなわち、第1図柄変動表示ゲーム、第2図柄変動表示ゲームの順に変動表示ゲームが実行され、遊技者に多くの遊技球が獲得できるという遊技価値が付与される。
なお、起点図柄変動表示ゲームの結果が当たり状態だった場合に、起点図柄変動入賞装置77が開放されてから、第2図柄変動入賞装置81が作動を停止するまで、又は、第1図柄変動表示ゲーム若しくは第2図柄変動表示ゲームで外れ状態が発生するまでの遊技を特別遊技とする。
特別遊技中は、遊技者は、遊技領域52の右側へ遊技球が流下するように発射装置402による遊技球の発射勢を調整するので、起点図柄副ゲート71を頻繁に遊技球が通過するが、前述したように、鎧部68の右下から起点図柄始動主ゲート70の右側にかけて障害釘が列設されているために、特別遊技中は、遊技球が起点図柄主ゲート70をほとんど通過しない。そして、特別遊技中に起点図柄変動表示ゲームが再度当りとなると、起点図柄変動入賞装置77が再び開放して遊技球を取り込むことにより、特別遊技が延長される。
また、起点図柄始動副ゲート71は、起点図柄始動主ゲート70よりも遊技球が通過しにくい釘調整となっているので、特別遊技でない場合(通常遊技中)は、遊技者は、遊技領域52の左側へ遊技球が流下するように発射装置402による遊技球の発射勢を調整し、起点図柄始動主ゲート70を遊技球が通過するように遊技を行う。前述したように、鎧部68の右下から起点図柄始動主ゲートの右側にかけて障害釘が列設されているために、通常遊技中は、遊技球が起点図柄副ゲート71をほとんど通過しない。
図4は、本発明の実施の形態の遊技機の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101には外部通信端子が設けられており、外部通信端子からは、遊技用マイクロコンピュータ101に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子に検査装置や管理用コンピュータ(いわゆる、ホールコン)を接続することで、管理用コンピュータが遊技機を識別することができる。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞検出スイッチ73.1〜73.N、起点図柄始動主スイッチ70A、起点図柄始動副スイッチ71A、第1図柄始動スイッチ77A、第2図柄始動スイッチ79A、又は、最下段入賞検出スイッチ81A)からの検出信号を受けて、当たり抽選等、種々の処理を行う。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して遊技領域52に設けられた起点図柄表示装置74(起点図柄表示器74A、起点図柄記憶表示器74B)、第1図柄表示装置78(第1図柄表示器78A、第1図柄記憶表示器78B)、又は、第2図柄表示装置80(第2図柄表示器80A、第2図柄記憶表示器80B)に各種情報を出力する。
起点図柄表示器74Aには、起点図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、起点図柄記憶表示器74Bには、起点図柄始動記憶数表示を出力する。
第1図柄表示器78Aには、第1図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、第1図柄記憶表示器78Bには、第1図柄始動記憶数表示を出力する。
第2図柄表示器80Aには、第2図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、第2図柄記憶表示器80Bには、第2図柄始動記憶数表示を出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して、各従属制御装置(表示制御装置150及び排出制御装置200)、起点入賞装置ソレノイド40、第1入賞装置ソレノイド42、第2入賞装置ソレノイド43等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。この出力インターフェース103を介して、起点図柄始動主スイッチ70A及び起点図柄始動副スイッチ71Aからの検出信号が表示制御装置150に送信される。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、盤用外部情報端子44を介して、管理用コンピュータに遊技機に関する情報を出力する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、遊技機に併設されるカードユニット45からの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
遊技制御装置100から表示制御装置150には、表示制御指令信号として変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、当たりコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されていない状態である。特別遊技状態とは、起点図柄変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生し、特別遊技(当たり遊技)が実行されている状態である。確率変動状態とは、通常遊技状態と比較して当たりの発生確率が高く、特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する状態である。
変動開始コマンドは、変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、起点図柄変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。当たりコマンドは、特別遊技状態中のインターバル表示、確定図柄の表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
表示制御装置150は、これらの表示制御指令信号(コマンド)によって、遊技制御装置100が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
表示制御装置150は、表示制御用のCPU、プログラムやデータを格納したROM、CPUの動作時のワークエリアや、画像表示装置7に表示される画像データを一時的に記憶するフレームバッファが設けられたRAM、VDC(Video Display Controller)、入力インターフェース等から構成される。
CPUは、遊技制御装置100からの表示指令信号に基づいて、画面情報(図柄表示情報、背景画像情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成して、RAMに記憶する。この画面情報は、VDCの垂直同期割込のタイミングで、転送指令を受けたDMAC(Direct Memory Access Controller)により、VDCに転送される。VDCは、この画像情報に基づき、ROMの該当画像データを取り込み、画像表示装置(画像表示パネル)55の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示(描画)を行う。
表示制御装置150と遊技制御装置100とを接続する通信インターフェースには、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられる。よって、遊技制御装置100と表示制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみが許容され、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力は禁止されている。これにより、表示制御装置150から遊技制御装置100に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置100と表示制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファに双方向バッファを用いることもできる。
また、通信インターフェースには、画面位置選択スイッチ21A、打球反発検出スイッチ56A、発射速度測定センサ59A、発射制御装置400、装飾制御装置250及び音制御装置300が接続されている。
発射制御装置400は、発射装置402及び発射装置402を操作する発射操作部19に接続されており、発射操作部402が設定する発射勢に基づいて、発射装置402が遊技領域7に向けて発射する遊技球の発射勢を制御する。発射制御装置400は、発射信号を出力して発射装置402に遊技球を発射させるとともに、発射信号を表示制御装置150に出力する。
このように、発射操作部19は、遊技球に付与される発射勢を設定する発射操作部として機能する。
打球反発検出スイッチ56Aは、遊技盤ユニット5(図3参照)の右上部に設けられた弾性反発体56の背後に設置されている。打球反発検出スイッチ56Aは、鉄製の遊技球が接近したときの磁束変化を利用して、弾性反発体56に接触する遊技球を検出する。打球反発検出スイッチ56Aは、遊技球を検出すると、検出信号を表示制御装置150に出力する。
このように、弾性反発体56は、発射装置402によって発射された遊技球に付与された発射勢が所定の強度以上である場合に、遊技球が接触する弾性反発体として機能し、打球反発検出スイッチ56Aは、弾性反発体56へ遊技球が接触したことを検出する接触検出手段として機能する。
画面位置選択スイッチ21Aは、遊技機1の前面下部の上皿16に設けられた画面位置選択ボタン21に接続されている。画面位置選択スイッチ21Aは、遊技者による画面位置選択ボタン21の操作の有無を検出する。画面位置選択スイッチ21Aは、遊技者による画面位置選択ボタン21の操作を検出すると、検出信号を表示制御装置150に出力する。
このように、画面位置選択ボタン21は、遊技画像の表示位置を選択する表示位置選択手段として機能する。
発射速度測定センサ59Aは、遊技盤ユニット5の左部の案内通路58に2個、上下に並んで配置されている。発射速度測定センサ59Aは、鉄製の遊技球が接近したときの磁束変化を利用して、センサの付近を通過する遊技球を検出する。発射速度測定センサ59Aは、案内通路58を通過する遊技球を検出する2個のセンサの検出間隔(タイムラグ)から、通過する遊技球の速度を測定する。遊技球の通過速度が速いときは、2個のセンサの検出間隔が小さくなり、遊技球の通過速度が遅いときは、2個のセンサの検出間隔が大きくなる。
装飾制御装置250は、表示制御装置150からの装飾制御指令信号に基づいて、遊技領域52に設けられた装飾用ランプ、LED等の装飾装置76を制御する。
音制御装置300は、表示制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、遊技機の前面枠に設けられたスピーカから出力される効果音を制御する。
表示制御装置150には出力インターフェースが設けられている。出力インターフェースには画像表示装置7が接続されており、出力インターフェースを介して画像表示装置7に信号を出力する。画像表示装置7は、表示制御装置150からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)等をバックアップする。ただし、遊技機への電源投入時に、図示しないメモリクリアスイッチを操作すると、バックアップされているデータは消去され、初期化される。
なお、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150とは別個に設けたが、従属制御装置のうち、装飾制御装置250や音制御装置300を表示制御装置150に含めて、装飾制御装置250及び/又は音制御装置300を表示制御装置150と一体に構成してもよい。
また、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150に接続せずに、遊技制御装置100に直接接続してもよい。
図5は、本発明の実施の形態の画像位置決定処理のフローチャートであって、表示制御装置150で実行される。
画像位置決定処理では、表示制御装置150は、まず、遊技者による画像位置選択ボタン21(図1参照)を用いた画面位置の選択操作があるか否かを判定する(S1)。
遊技者による画像位置選択ボタン21の操作は、画像位置選択ボタン21に接続された画像位置選択スイッチ21A(図4参照)によって検出され、検出信号は表示制御装置150に送信される。
本実施の形態においては、画像位置選択ボタン21は4個のボタンから構成されている。遊技者は、この4個のボタンのうち、遊技者から見て手前のボタンを押下することによって、画面位置を下方に設定することができる。また、遊技者は、遊技者から見て奥側のボタンを押下することによって、画面位置を上方に設定することができる。同様に、遊技者は、左側のボタンを押下することによって、画面位置を左側に、右側のボタンを押下することによって、画面位置を右側に設定することができる。
このように、画面位置選択ボタン21は、変動表示画像90の表示位置を選択する表示位置選択手段として機能する。
なお、画像位置選択ボタンを構成するボタンの数は4個に限らず、左右又は上下2個でもよく、それ以外の個数でもよい。
また、ボタンによる画面の操作は左右上下等の画面の移動に限らず、画面の拡大縮小であってもよい。この操作に基づいて、例えば画像を縮小して画像と流下する遊技球が重なることを防止したり、重ならないときは画像を拡大して見やすくしたりすることができる。
また、画像位置の選択にあたっては、ボタンの替わりにレバーを用いて構成することもできる。
ステップS1において、遊技者による画面位置の選択操作があると判定された場合は、表示制御装置150は、図柄表示位置を選択操作に対応させて設定する(S2)。
このように表示制御装置150は、遊技者による画面位置選択スイッチ21の操作に基づいて、変動表示画像90の表示位置を決定する表示位置決定手段として機能する。
その後、メイン割込処理へ復帰して、この設定された図柄表示位置において図柄変動表示ゲーム処理を実行する。
一方、ステップS1において、遊技者による画面位置の選択操作がないと判定された場合は、ステップS3に処理を進める。
ステップS3において、表示制御装置150は、現在の遊技球の流下範囲(以下、打球流下範囲と言うことにする)を推定する。
具体的には、遊技盤ユニット5に設けられた起点図柄始動主ゲート70又は起点図柄始動副ゲート71への所定時間内の入賞数で、その時点の打球流下範囲を推定することができる。起点図柄始動主ゲート70への入賞は、起点図柄始動主ゲート70に配置された起点図柄始動主スイッチ70Aによって検出される。同様に、起点図柄始動副ゲート71への入賞は、起点図柄始動副ゲート71に配置された起点図柄始動副スイッチ71Aによって検出される。
このように、起点図柄始動主スイッチ70Aは、遊技領域52の左側を流下する遊技球を検出可能な左側遊技球検出手段として機能し、起点図柄始動副スイッチ70Bは、遊技領域52の右側を流下する遊技球を検出可能な右側遊技球検出手段として機能する。これによって、遊技領域を流下する遊技球の流下範囲を判定するために、従来の遊技機が備える遊技に用いる検出手段を用いることで、変動表示ゲームを始動させるための検出手段と、遊技球の流下範囲を判定するための検出手段とを兼用することが可能となり、別々に検出手段を設けるような構成と比較して、コストの増加を抑えることができる。
流下範囲の判定は次のように行う。単位時間(例えば、1分間)あたりの起点図柄始動主ゲート70への入賞が、単位時間あたりの起点図柄始動副ゲート71への入賞よりも多い場合は、打球流下範囲は「左側メイン」と推定する。逆に、単位時間あたりの起点図柄始動副ゲート71への入賞が、単位時間あたりの起点図柄始動主ゲート70への入賞よりも多い場合は、打球流下範囲は「右側メイン」と推定する。いずれの条件も満たさない場合は、打球流下範囲は「左右均等」と推定する。
なお、起点図柄始動主ゲート70への入賞数や、起点図柄始動副ゲート71への入賞数をカウントするのではなく、別の方法によって打球流下範囲を推定することもできる。例えば、発射操作部19の設定値に基づいて行うこともできる。遊技機1の前面下部に設けられた発射操作部19の遊技者による回動操作の量に応じて、発射される遊技球の発射勢が決定されるが、遊技領域52を流下する遊技球の流下範囲は、この発射勢に応じて変化する。すなわち、回動操作の量が大きければ、発射される遊技球の発射勢が強いため、遊技球は遊技領域52の上部に配置された鎧部68の上方を通過して遊技領域52の右側を流下することになる。一方、回動操作の量が小さければ、発射勢が弱いため、遊技球は遊技領域52の上部に配置された鎧部68の左部から遊技領域52の左側を流下することになる。従って、この発射勢を決定する発射操作部19の回動操作の量(設定値)によって、打球流下範囲を推定することができる。
この場合、発射操作部19の回動操作の量が第1の所定値未満の場合は、打球流下範囲は「左側メイン」と推定する。発射操作部19の回動操作の量が第1の所定値以上であって第2の所定値未満の場合は、打球流下範囲は「左右均等」と推定する。発射操作部19の回動操作の量が第2の所定値以上の場合は、打球流下範囲は「右側メイン」と推定する。
このように、発射操作部19は、遊技球に付与される発射勢を設定する発射操作部として機能する。これによって、遊技領域52を流下する遊技球の流下範囲が発射勢に対応することを用いることによって、流下範囲を前もって短時間で判定することができる。
また、打球流下範囲の推定は、遊技球の速度に基づいて行うこともできる。遊技盤ユニット5の左側の案内通路58に配置された発射速度測定センサ59Aによって、発射速度測定センサ59A付近を通過する遊技球の速度を測定することができる。
発射速度測定センサ59A付近を通過する遊技球の速度が速ければ、遊技球は遊技領域52の上部に配置された鎧部68の上方を通過して遊技領域52の右側を流下することになる。一方、発射速度測定センサ59A付近を通過する遊技球の速度が遅ければ、遊技球は遊技領域52の上部に配置された鎧部68の左部から遊技領域52の左側を流下することになる。このように、遊技領域52を流下する遊技球の流下範囲は、案内通路58における速度に応じて変化する。従って、発射速度測定センサ59Aの測定する案内通路58における遊技球の速度によって、打球流下範囲を推定することができる。
この場合、遊技球の測定された速度が第1の所定値未満の場合は、打球流下範囲は「左側メイン」と推定する。遊技球の測定された速度が第1の所定値以上であって第2の所定値未満の場合は、打球流下範囲は「左右均等」と推定する。遊技球の測定された速度が第2の所定値以上の場合は、打球流下範囲は「右側メイン」と推定する。
また、打球流下範囲の推定は、遊技盤ユニット5の右上部に設けられた弾性反発体56に遊技球が接触する頻度に基づいて行うこともできる。
遊技球の弾性反発体56への接触の頻度が高ければ、遊技球の発射勢も強いことから、遊技球の多くは遊技領域52の右側を流下することになる。一方、遊技球の弾性反発体56への接触の頻度が低ければ、遊技球の発射勢も弱いことから、遊技球の多くは遊技領域の左側を流下することになる。従って、所定時間内に検出した遊技球の接触を計数することで、弾性反発体56に遊技球が接触する頻度を評価することが可能である。遊技領域の弾性反発体56への遊技球の接触は、弾性反発体56の背後に設置された打球反発検出スイッチ56Aによって検出することができる。
このように、弾性反発体56は、発射装置402によって発射された遊技球に付与された発射勢が所定の強度以上である場合に、遊技球が接触する弾性反発体として機能し、打球反発検出スイッチ56Aは、弾性反発体56へ遊技球が接触したことを検出する接触検出手段として機能する。
この場合、打球反発検出スイッチ56Aが所定の時間内に検出した遊技球の数が第1の所定値(例えば、1分間に接触する遊技球が33個)未満の場合は、打球流下範囲は「左側メイン」と推定する。打球反発検出スイッチ56Aが所定の時間内に検出した遊技球の数が第1の所定値以上であって第2の所定値(例えば、1分間に接触する遊技球が66個)未満の場合は、打球流下範囲は「左右均等」と推定する。打球反発検出スイッチ56Aが所定の時間内に検出した遊技球の数が第2の所定値以上の場合は、打球流下範囲は「右側メイン」と推定する。
また、上記の打球流下範囲の推定方法は、それぞれを単独で用いて推定しているが、これに限らず以上の打球流下範囲の推定方法の全て又はその一部を総合することによって、打球流下範囲を推定することもできる。例えば、上記の全ての推定方法を用いた場合に、それぞれの方法の推定結果を、推定方法毎に「左側メイン」ならば「0」、「左右均等」ならば「1」、「右側メイン」ならば「2」として「0」〜「2」の値によって評価する。そして、この評価値を合計した値は「0」〜「10」の間の値をとることになる。打球流下範囲は、この合計値が「0」〜「3」の場合は「左側メイン」、「4」〜「6」の場合は「左右均等」、「7」〜「10」の場合は「右側メイン」と推定される。
ここで、各推定方法は同一の比重で合計値を算出したが、さらに、推定方法毎に異なる重みを付けて合計してもよい。
このように、表示制御装置150は、発射装置402により発射された遊技球の流下範囲を判定する打球流下範囲判定手段として機能する。
その後、ステップS3で推定された打球流下範囲によって、表示制御装置150は、図柄表示領域を決定する(S4)。打球流下範囲が左側メインであると判定された場合には、図柄表示領域を右に設定する(S5)。打球流下範囲が左右均等であると判定された場合には、図柄表示領域を中央に設定する(S6)。打球流下範囲が右側メインであると判定された場合には、図柄表示領域を左に設定する。
このように、表示制御装置150は、打球流下範囲に基づいて、変動表示画像90の表示位置である図柄表示領域を決定する表示位置決定手段として機能する。
その後、メイン割込処理へ復帰して、この設定された図柄表示位置において図柄変動表示ゲーム処理を実行する。
なお、本実施の形態では、遊技領域52を流下する遊技球の流下範囲を、「左側メイン」、「左右均等」及び「右側メイン」の3つに区分して推定し、これに基づいて図柄表示領域を決定したがこれに限らず、2又は4以上に区分してもよく、連続量で流下範囲の推定及び図柄表示領域の決定をしてもよい。
図6及び図7は、本発明の実施の形態の変動表示画像90が画像位置決定処理の実行により決定された位置で表示されている遊技盤ユニット5の正面図である。
図6は、変動表示画像90の表示位置が右側に決定された場合の遊技盤ユニット5の正面図である。
図6では、例えば、遊技領域52左下部の起点図柄変動入賞装置77、第1図柄変動入賞装置79及び第2図柄変動入賞装置81が閉じている通常遊技が行われている場合であって、遊技者が遊技領域52略中央の起点図柄始動主ゲート70を狙って発射操作部402の回動操作の操作量を少なくしている場合等のように、発射勢が弱い状態で遊技球が発射されている。
弱い発射勢で案内通路58を経て遊技領域52に発射された遊技球は、図中の矢印のように、弾性反発体56まで到達せずに、鎧部68の左端から遊技領域52の左側を流下する。なお、この矢印は、遊技球の流下範囲の説明のために図示したものであって、実際の画像表示パネル55には表示されない。
また図6では変動表示画像90が、遊技領域52の略中央やや右寄りの、遊技領域52を図中の矢印のように流下する遊技球を右方に避ける位置に表示されている。この変動表示画像90の表示位置は、画像位置決定処理(図5参照)によって設定されたものである。
また、変動表示画像90を構成する左図柄90L、中図柄90C、右図柄90Rの図柄変動によって変動表示ゲームが実行されている。
そして、左図柄90L(例えば、上から「6」「・」「7」」)と右図柄90Rが(例えば、上から「7」「・」「6」」)で停止表示されており、変動表示されている中図柄90Cの上から2列目が「7」で確定すると大当たりとなるリーチ状態となっている。
図7は、変動表示画像90の表示位置が左側に設定された場合の遊技盤ユニット5の正面図である。
図7では、例えば、遊技領域52左下部の起点図柄変動入賞装置77、第1図柄変動入賞装置79及び第2図柄変動入賞装置81が開いている大当たり遊技が行われている場合であって、遊技者が左下部の変動入賞装置を狙って発射操作部402の回動操作の操作量を多くしている場合等のように、発射勢が強い状態で遊技球が発射されている。
強い発射勢で案内通路58を経て遊技領域52に発射された遊技球は、図中の矢印のように、鎧部68の上方を通過して弾性反発体56まで到達し、弾性反発体56に接触して反射され、遊技領域52の右側を流下する。なお、この矢印は、図6同様に遊技球の流下範囲の説明のために図示したものであって、実際の画像表示パネル55には表示されない。
また図7では変動表示画像90が、遊技領域52の左部の、遊技領域52を図中の矢印のように流下する遊技球を左方に避ける位置に表示されている。この変動表示画像90の表示位置は、図6同様に画像位置決定処理(図5参照)によって設定されたものである。
また、図6と同様に、変動表示画像90を構成する左図柄90L、中図柄90C、右図柄90Rの図柄変動によって変動表示ゲームが実行され、リーチ状態となっている。
以上説明したように、本発明の実施の形態では、変動表示画像90の表示位置を画像位置決定処理により遊技球の遊技領域52上の流下位置との関係を適切に設定することによって、変動表示画像90が遊技領域52を図中の矢印のように流下する遊技球と重なることが回避でき、遊技球が流下する遊技領域52に変動表示画像90を表示しつつも、変動表示画像90の視認性の低下を防止することが可能となる。
また、変動表示ゲームが実行されている変動表示画像90の図柄変動により変動表示ゲームの実行中において、変動表示が、特別遊技が実行される期待感を強く与えることができるリーチ状態(例えば、図6及び図7のように変動表示されている中図柄90Cの上から2列目が「7」で確定すると大当たりとなるリーチ状態)となっている場合には、遊技者は変動表示ゲームの結果に強く興味を抱き、変動表示画像90(例えば図6及び図7の場合においては、特に中図柄90C)を注視することになる。ここで、リーチ状態の変動表示画像90と遊技領域52を流下する遊技球とが重なることを防止して変動表示画像90を視認し易くすることで、結果的に遊技の興趣性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、遊技球の流下範囲によって表示位置が変更される遊技画像の例として、変動表示ゲームの画像を例示しているが、他の画像であっても構わない。例えば、遊技方法の説明用の画像を遊技画像として画像表示パネル55に表示し、遊技球の流下範囲に従ってこの遊技方法の説明用の画像の表示位置を、画像表示パネル55上で任意の方向に移動させるようにしてもよい。
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。