JP2007239834A - 保持器付きころ軸受及びその製造方法 - Google Patents

保持器付きころ軸受及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軌道輪の一方が省略され、かつ、ころのアキシャル方向の移動が確実に規制される構造を有するとともに、軸受のアキシャル方向端面からの潤滑油の供給もスムーズに行なうことができる保持器付きころ軸受を提供する。
【解決手段】軌道輪側軌道面3tと軸受外軌道面60との間に、それら2つの軌道面と接する複数のころ4と、個別のころ窓7がラジアル方向に複数形成された環状の保持器5とが配置される。保持器5は、ころ4の軌道面に沿った転動は許容し、かつ、該保持器5に対するころ4のアキシャル方向への相対移動は規制するように、それら複数のころ4を各々対応する収容窓内にて保持する。そして、保持器5の軌道輪3に対するラジアル方向の相対移動は許容し、同じくアキシャル方向への相対移動は規制する形で該保持器5を軌道輪3に結合する保持器係合部5Sが、保持器5に対し軌道輪3側にのみ突出する形態で、軌道輪3と別体に設けられる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、保持器付きころ軸受及びその製造方法に関する。
特開2000−104738号公報 特表2002−525533号公報
回転軸を有する装置において、その回転軸を回転自在に支持するために、転がり軸受が使用されることが多い。転がり軸受の一タイプであるころ軸受は、その構造上、比較的大きなラジアル荷重を受けることができ、また内外輪間の軸線方向相対移動をある程度許容できるという特性を有している(例えば特許文献1及び特許文献2)。
ところで、軸やハウジングの一方を軌道面(以下、軸受外軌道面という)として利用するころ軸受の場合、軸やハウジングの軸受に対するスラスト方向の相対移動を許容するために、上記軸受外軌道面が、軸ないしハウジングのアキシャル方向の寸法的広がりを利用して、ころ長さよりも広幅に設定されることが多い。この場合、軸受外軌道面は、そのままでは、ころ4のスラスト方向の移動を規制する機能を有さない。しかし、軌道輪側の軌道面は幅方向寸法が限られており、当該軌道輪に対するころのアキシャル方向の相対移動は一定の範囲で規制する必要がある。特許文献2は内輪を省略して軸外周面を軸受外軌道面とする構成であるが、ころと保持器を軸側の周方向凹状段部内に収容し、その段部の内側面や、外輪の両鍔により、または保持器の両端突起と軸の溝や段部および外側リングとの組み合わせにより、ころのアキシャル方向の規制を図る構造が提示されている。
ところで、自動車用等の高負荷環境下で使用される軸受は、寿命向上のため軌道輪と転動体との間の潤滑が特に重要であり、潤滑油を恒常的に供給する必要がある。しかし、上記特許文献2の軸受の構成では、軸受収容段部の内側面や、外輪側の鍔、および保持器側の鍔がそれぞれ、軸受け側面における軌道輪と軸受外軌道面との環状の隙間(潤滑油供給部となる)を少なからず塞ぎ、潤滑油のアキシャル方向の流れが阻害されやすい、という構造上の欠点がある。図22では、軸端に隣接するサイドブロック53に形成された給油孔53uから潤滑油LBが供給されるようになっているが、軸受のアキシャル方向端面には軌道輪側の鍔3pと保持器とが立ちはだかり、内輪軌道面への潤滑油の流れが阻害されることは明らかである。
本発明の課題は、軌道輪の一方が省略され、かつ、ころのアキシャル方向の移動が確実に規制される構造を有するとともに、軸受のアキシャル方向端面からの潤滑油の供給もスムーズに行なうことができる保持器付きころ軸受を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の保持器付きころ軸受は、支持対象となる回転軸と、その回転軸の外側をラジアル方向に取り囲むケーシングとの間に形成される環状の軸受配置空間に配置して使用されるころ軸受であって、軌道輪として軸の外周面に固定される内輪と、ケーシングの内周面に固定される外輪との一方のみを備え、内輪の外周面又は外輪の内周面に軌道面が形成され、他方、軌道輪が非配置となるケーシングの内周面又は軸の内周面を軸受外軌道面として、前記軌道面との間に、それら2つの軌道面と接する複数のころと、個別のころ窓がラジアル方向に複数形成された環状の保持器とが配置され、保持器は、ころの軌道面に沿った転動は許容し、かつ、該保持器に対するころのアキシャル方向への相対移動は規制するように、それら複数のころを各々対応する収容窓内にて保持するとともに、
保持器の軌道輪に対するラジアル方向の相対移動は許容し、同じくアキシャル方向への相対移動は規制する形で該保持器を軌道輪に係合する保持器係合部が、保持器に対し軌道輪側にのみ突出する形態で、軌道輪と別体に設けられたことを特徴とする。
また、本発明は上記本発明の保持器付きころ軸受の製造方法が提供するものであって、該製造方法は、
複数のころを保持器に一括して組み付けるころ組み付け工程と、
そのころ組み付け後の保持器を軌道輪に組み付ける保持器組み付け工程とをこの順序で実施することを有することを特徴とする。
上記本発明の保持器付きころ軸受の構成によると、軌道輪として内輪と外輪との一方が省略された保持器付きころ軸受において、従来は軌道輪側の鍔で行なっていた保持器及びころの軌道輪に対するアキシャル方向の相対移動の規制を、本発明においては、保持器に対し軌道輪側にのみ突出する形態で、軌道輪と別体に設けられた保持器係合部により行なうようにした。その結果、ころのアキシャル方向移動を単独で規制できるような、大きく突出した鍔を軌道輪側に形成する必要がなくなり、当該鍔によって軸受のアキシャル方向端面側の開口から軸受内に供給される潤滑油の流れが阻害される不具合を効果的に緩和することができる。また、保持器係合部は、保持器に対し軌道輪側にのみ突出する形態で設けられる(つまり、軌道輪側から見て保持器よりも軸受外軌道面側に突出しない)ので、保持器係合部自体が上記潤滑油の供給を妨げる不具合も効果的に抑制できる。かくして、軌道輪の一方が省略されているにも拘わらず、ころのアキシャル方向の移動が確実に規制される構造を有し、かつ、軸受のアキシャル方向端面からの潤滑油の供給もスムーズに行なうことができる保持器付き軸受の構造が実現する。また、上記本発明の保持器付きころ軸受の製造方法によると、上記特徴のある保持器付き軸受を合理的に製造することができる。
軌道輪は、内輪のみを有する構成としてもよいし(この場合、外輪が省略される)、外輪のみを有する構成としてもいずれでもよい。しかし、特に、内輪のみを有する構成とした場合は、回転摺動状態の軸受において、遠心力の影響により潤滑油がより不足しやすい内周側軌道面に対しても、内輪には鍔が形成されないので、潤滑油の供給性改善効果がより顕著に表れる。
次に、本発明の保持器付き軸受は、軌道輪として内輪のみが設けられる場合には、内輪の外周面において軌道面の形成される領域が当該内輪の最大外径をなす領域とされ、軌道輪として外輪のみが設けられる場合には、外輪の内周面において、軌道面の形成される領域が当該外輪の最小内径をなす領域とすることができる。これは、軌道輪の軌道面形成側となる周面のアキシャル方向端部に、鍔状に突出する部分が全く形成されないことを意味する(つまり、当該の領域が軌道面の延長面となるか、又は軌道面よりも引っ込んで位置する)。このように構成すると、軌道輪側軌道面を研磨仕上げする際に、軌道面の両側に研磨用の砥石と干渉する突出部が形成されず、研磨工程の大幅な簡略化を図ることができる。
また、保持器は、ころ窓が形成された本体部と、本体部から軌道輪側に突出する形でこれと一体的に設けられた保持器側規制部とを有し、軌道輪には、保持器が軌道輪に対してアキシャル方向における第一方向に相対移動しようとした場合に、保持器側規制部と当接して当該第一方向への移動を規制する軌道輪側第一規制部と、保持器が軌道輪に対してアキシャル方向における第二方向に相対移動しようとした場合に、保持器側規制部と当接して当該第二方向への移動を規制する軌道輪側第二規制部とを有し、保持器側規制部が保持器係合部をなす構成とすることができる。これよると、保持器の本体部に一体形成された保持器側規制部と、軌道輪側第一規制部及び軌道輪側第二規制部との機械的な当接(あるいは係合)を利用することにより、保持器係合部を極めて簡略に構成できる利点がある。
具体的には、軌道輪を、最大外径が保持器側規制部の内接円径よりも大きく設定された内輪か、又は最小内径が保持器側規制部の外接円径よりも小さく設定された外輪のいずれかとし、上記保持器を、前記本体部を弾性変形させつつ保持器側規制部を軌道面上に乗り上げさせた後、保持器側規制部が軌道輪側第一規制部ないし軌道輪側第二規制部と対向する位置にて弾性復帰させることにより、該軌道輪に装着した構成とすることができる。また、これに対応する本発明の製造方法は、保持器組み付け工程において保持器を、本体部を弾性変形させつつ保持器側規制部を軌道面上に乗り上げさせた後、保持器側規制部が軌道輪側第一規制部ないし軌道輪側第二規制部と対向する位置にて弾性復帰させることにより、該軌道輪に装着するものとして実施できる。
本体部に弾性変形により、保持器側規制部と軌道輪との半径方向の干渉を一旦回避しつつ、保持器を軌道輪にはめ込み装着し、その後本体部(及び保持器側規制部)を弾性復帰することにより、保持器の組付けを一層簡単に行なうことができる。この場合、保持器側規制部が保持器のラジアル方向に断続的に設けた構成とすることにより、該組付けを一層容易に行なうことができる。
この場合、保持器の本体部は該保持器のアキシャル方向に幅方向を一致させた帯状に形成することができ、保持器側規制部は該帯状の本体部の幅方向における端縁から、軌道輪側に曲げ返す形状にて一体形成することができる。このような保持器は、保持器側規制部と本体部とを、板金材料による一体成形により容易に製造でき、保持器構造の更なる簡略化及び軽量化に寄与する。
保持器のころ窓には、軌道輪に非装着の状態においてもころを収容保持可能とするために、装着されたころの半径方向の抜け止め防止手段を形成することができる。また、これに対応する本発明の製造方法は、複数のころを保持器に一括して組み付けるころ組み付け工程と、そのころ組み付け後の保持器を軌道輪に組み付ける保持器組み付け工程とをこの順序で実施する。このようにすると、保持器を軌道輪に装着する前に、該保持器に複数のころを外段取りにて組み付けることが可能となり、予めころが組み付けられた保持器を軌道輪に装着することで、軸受の組み立てを一気に完了することができ、軸受の製造能率を飛躍的に高めることができる。
次に、軌道輪が内輪である場合には、保持器に対し、軌道輪への装着が完了した状態の外径であって、保持器側規制部が軌道輪側第一規制部ないし第二規制部によりアキシャル方向への移動が規制される第一外径と、保持器側規制部と軌道輪側第一規制部ないし第二規制部との干渉が回避しつつ軌道輪に該保持器を装着するための第一外径よりも大きく設定された第二外径との間で、本体部の外径を変更する外径変更手段を設けることも可能である。また、これに対応する本発明の製造方法は、保持器組付け工程において、外径変更手段により本体部を第二外径に拡径させ、保持器側規制部と軌道輪側第一規制部ないし第二規制部との干渉を回避しつつ前記軌道輪に装着し、その後、本体部を前記第一外径に戻すことを特徴とする。このように保持器の外径を一時的に拡径する外径変更手段を設けることで、保持器側規制部を有した本体部を軌道輪に対して容易に組み付けることができる。
次に、本発明において保持器係合部は、軌道輪及び保持器のいずれとも別体に設けられた保持器係合部材とすることができる。これに対応する本発明の製造方法は、保持器組付け工程において、保持器を軌道輪の周面上に配置し、その後、保持器係合部材を保持器及び軌道輪に組み付けることを特徴とする。このようにすると、軌道輪との干渉が不可避な保持器係合部を本体部から一旦取り外すことができるので、本体部の軌道輪への装着を極めてスムーズに行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の保持器付きころ軸受の第一実施形態を示す正面全体図であり、図2はその要部を外観を示す断面斜視図、図3は軸受の回転軸線を含む断面構造をそれぞれ示すものである。図3に示すように、保持器付きころ軸受(以下、単に「軸受」ともいう)4は、その支持対象となる回転軸52と、その回転軸52の外側をラジアル方向に取り囲むケーシング51との間に形成される環状の軸受配置空間に配置して使用されるころ軸受である。軌道輪3としては、回転軸52の外周面に固定される内輪のみを備え、外輪は省略された構造である。軌道輪(内輪)3の外周面には軌道面3tが形成され、他方、軌道輪3が非配置となるケーシング51の内周面を軸受外軌道面60として、軌道輪側軌道面3tと軸受外軌道面60との間に、それら2つの軌道面と接する複数のころ4と、個別のころ窓7(図2参照)がラジアル方向に複数形成された環状の保持器5とが配置されている。保持器5は、ころ4の軌道面に沿った転動は許容し、かつ、該保持器5に対するころ4のアキシャル方向への相対移動は規制するように、それら複数のころ4を各々対応する収容窓7内にて保持する。そして、保持器5の軌道輪3に対するラジアル方向の相対移動は許容し、同じくアキシャル方向への相対移動は規制する形で該保持器5を軌道輪3に係合する保持器係合部(本実施形態では、図3に示す後述の保持器側規制部5S)が、保持器5に対し軌道輪側にのみ突出する形態で、軌道輪3と別体に設けられている。
図3に示すように、軸52の端面側にはサイドブロッ53が配置され、軸受1のアキシャル方向端面に形成されたケーシング51と軌道輪3との隙間に臨む位置において上記のサイドブロック53には給油孔53uが形成され、その給油孔53uから潤滑油LBが供給されるようになっている。図22のごとく従来は軌道輪3側の鍔3pで行なっていた、保持器5及びころ4の軌道輪3に対するアキシャル方向の相対移動の規制を、本発明においては、図3に示すように、保持器5に対し軌道輪側にのみ突出する形態で、軌道輪3と別体に設けられた保持器係合部(保持器側規制部)5Sにより行なう。その結果、ころ4のアキシャル方向移動を単独で規制できるような、大きく突出した鍔を軌道輪3側に形成する必要がなくなり、当該鍔によって潤滑油LBの流れが阻害される不具合を効果的に緩和できる。また、保持器係合部5Sは、保持器5に対し軌道輪側にのみ突出する形態で設けられるので、保持器係合部自体が上記潤滑油LBの供給を妨げる不具合も抑制できる。
なお、潤滑油LBの供給に支障を来たさない程度のごく高さの小さいものであれば、軌道輪側軌道面3tのアキシャル方向両端5b領域に突出部5hが形成されることを妨げない。この場合、突出高さが、軸受のラジアル方向隙間の大きさよりも小さくなっているのがよい。
保持器係合部5Sは、図4に示すように、軌道輪3のラジアル方向において連続的に設けてもよいが、図5あるいは図1に示すように、断続的に設けることも可能である。後者の場合、潤滑油供給される軸受1のアキシャル方向端面において、保持器係合部5Sの存在しない領域が断続的に形成されることになり、この部分では保持器係合部自身による潤滑油流動阻害も生じないため、潤滑油にの供給を一層スムーズに行なうことが可能となる。
以下、さらに詳しく説明する。
図3に示すように、保持器5は、ころ窓7が形成された本体部5mと、本体部5mから軌道輪側に突出するかたちこれと一体的に設けられた保持器側規制部5Sとを有する。他方、軌道輪3には、保持器5が軌道輪3に対してアキシャル方向における第一方向に相対移動しようとした場合に、保持器側規制部5Sと当接して当該第一方向への移動を規制する軌道輪側第一規制部3wと、保持器5が軌道輪3に対してアキシャル方向における第二方向に相対移動しようとした場合に、保持器側規制部5Sと当接して当該第二方向への移動を規制する軌道輪側第二規制部3wとを有する。前述のごとく、保持器側規制部5Sが保持器係合部をなす。これにより、軌道輪3のアキシャル方向両端5b面にて保持器5をより安定的に支持することができ、また、軌道面上に汚れや異物が介在しても、これをアキシャル方向の両側から軸受外に掃き出しやすく、スムーズな軸受摺動を維持しやすい利点がある。
軌道輪3は、最大外径が保持器側規制部5Sの内接円径よりも大きく設定された内輪3であり、図6Aに示すように、上記保持器5は、前記本体部5mを弾性変形させつつ保持器側規制部5Sを軌道面上に乗り上げさせた後、保持器側規制部5Sが軌道輪側第一規制部3wないし軌道輪側第二規制部3wと対向する位置にて弾性復帰させることにより、該軌道輪3に装着される。本体部5mの弾性変形により、保持器側規制部5Sと軌道輪3との半径方向の干渉を一旦回避しつつ、保持器5を軌道輪3にはめ込み装着し、その後本体部5m(及び保持器側規制部5S)を弾性復帰することにより、保持器5の組付けを簡単に行なうことができる。
上記の効果は、図1に示すように、保持器側規制部5Sを保持器5のラジアル方向に断続的に設けた構成とすることにより一層高められる。この場合、図5のように、保持器側規制部5Sを3以上の複数箇所に設けることも可能であるが、図1に示すごとく、保持器5の一直径の両端対応位置に一箇所ずつの計2箇所に設ける構成が、組み付けの観点においては有利である。具体的には、軌道輪3の軸線に対して保持器5の軸線を傾けた状態で、一方の保持器側規制部5Sに軌道輪3を係合させ、その状態で両者を軸線が一致する方向に接近させて他方の保持器側規制部5Sを軌道輪3に係合させる。上記本体部5mの弾性変形/嵌め込み装着/弾性復帰の組付けを、上記他方の保持器側規制部5Sの1箇所についてのみ行なえばよく、組み付け作業を劇的に簡略化することができる。
本実施形態では、保持器側第一規制部5S(図3においての左側の端部形成されているもの)の突出高さが、保持器側第二規制部5Sの突出高さよりも小さく設定されている。このようにすると、図6Aに示すように、軌道輪3に対し保持器5を、該保持器側第一規制部5Sの側から装着することで、保持器側第一規制部5Sの軌道面上への弾性的な乗り上げがより容易となり、保持器5の軌道輪3に対する組付けの利便性が向上する。
次に、図3に示すように、軌道輪3には、内周面及び外周面のうち、軌道面3tが形成される側(ここでは外周面)の幅方向の両縁部に、該両縁部を軌道面3t側から当該軌道輪3のラジアル厚さ方向途中位置まで切り欠くことにより、軌道面3t側及びアキシャル方向端面側に各々開放する環状の切欠部35を形成されている。軌道輪3のそれら切欠部35の間に位置する周面領域が軌道面3tとして使用される。また、切欠部35の内側面が軌道輪側第一規制部3w及び軌道輪側第二規制部3wとして使用されている。このように構成すると、保持器5の保持器側第一規制部5S及び保持器側第二規制部5Sがそれぞれ切欠部35内に収容され、軌道輪3のアキシャル方向端面よりも内側に保持器側第一規制部5S及び保持器側第二規制部5Sを収めることができる。その結果、軌道輪3のアキシャル方向端面(通常、研磨仕上げされる)を利用して、これを軌道輪3に対しアキシャル方向に隣接するケーシング51の端面などを位置決めベースとして当接させることにより、軸と軸受とのアキシャル方向の相対位置決めに有効活用できる利点が生ずる。
他方、図6Bに示すように、軌道輪3のアキシャル方向両端3S面を軌道輪側第一規制部3S及び軌道輪側第二規制部3Sとして使用し、保持器5の保持器側第一規制部5S及び保持器側第二規制部5Sをそれぞれアキシャル方向に移動規制する構成とすることも可能である。
次に、保持器5のころ窓7には、軌道輪3に非装着の状態においてもころ4を収容保持可能とするために、装着されたころ4の半径方向の抜け止め防止手段が形成されている。これにより、図6に示すように、保持器5を軌道輪3に装着する前に、該保持器5に複数のころ4を外段取りにて組み付けることが可能となり、予めころ4が組み付けられた保持器5を軌道輪3に装着することで、軸受の組み立てを一気に完了することができる。
また、図10に示すように、軌道輪3が内輪3である場合には、保持器5に対し、軌道輪3への装着が完了した状態の外径であって、保持器側規制部5Sが軌道輪側第一規制部3wないし第二規制部3wによりアキシャル方向への移動が規制される第一外径D1と、保持器側規制部5Sと軌道輪側第一規制部3wないし第二規制部3wとの干渉が回避しつつ軌道輪3に該保持器5を装着するための第一外径D1よりも大きく設定された第二外径D2との間で、本体部5mの外径を変更する外径変更手段を設けることも可能である。この場合、保持器組付け工程においては、外径変更手段により本体部5mを第二外径D2に拡径させ((1))、保持器側規制部5Sと軌道輪側第一規制部3wないし第二規制部3wとの干渉を回避しつつ前記軌道輪3に装着し、その後、本体部5mを前記第一外径D1に戻すようにする((2))。このように保持器5の外径を一時的に拡大する外径変更手段を設けることで、保持器側規制部5Sを有した本体部5mを軌道輪3に対して容易に組み付けることができる。また、図9に示すように、保持器5の本体部5mが厚肉に形成され、図6Aのように本体部5mを弾性変形させながらアキシャル方向から軌道輪に装着するのが難しい場合も、上記の方法であれば容易に組み付けを行なうことができる。
外径変更手段は、図11Aに示すように、本体部5mのラジアル方向の一部区間を形成するとともに、当該ラジアル方向の引張り力に応じて弾性的に伸縮する弾性伸縮部5J1とすることができる。この構成では、保持器5組付け工程においては、弾性伸縮部5J1を伸張させて本体部5mを第二外径D2に拡径させ、保持器側規制部5Sと軌道輪側第一規制部3wないし第二規制部3wとの干渉を回避しつつ軌道輪3に装着し、その後、弾性伸縮部5J1を弾性復帰させて第一外径D1に戻すことで組み付けを完了する。弾性伸縮部5J1の形成により、本体部5mにラジアル方向の引張り力付加により組み付けに適した第二外径D2に簡単に拡径することができ、その状態で本体部5mを軌道輪3に装着して引張力を解除するだけで第一外径D1に復帰するので、組み付け工程の更なる簡略化を図ることができる。図11Aにおいて弾性伸縮部5J1は、帯状の本体部5mの一部区間において、その幅方向における第一縁側から切れ込む第一のスリット5l1と、同じく第二縁側から切れ込む第二のスリット5l2とをラジアル方向にて互い違いに形成したものであり、ラジアル方向の引張力が作用することにより、第一のスリット5l1と第二のスリット5l2とをV字状に開く形で伸張変形するものとされている。
また、外径変更手段は図11Bに示すような構成とすることも可能である。この構成では、本体部5mはラジアル方向の途中位置にて分断されてなり、該本体部5mの分断により生じた対応する端部同士を着脱可能に結合する着脱結合部5J2を有する。そして、着脱結合部5J2を係合させた状態で本体部5mが第一外径D1となり、着脱結合部5J2の係合を解除した状態で、端部同士を当該本体部5mの弾性変形により周方向に離間させることにより、本体部5mの外径が第二外径D2に変更される。この場合、保持器5組付け工程は、着脱結合部5J2を結合解除した状態で本体部5mを軌道輪3に装着し、その後、着脱結合部5J2を結合状態となす形で実施される。この構成では、着脱結合部5J2の係合解除→保持器5の軌道輪3への装着→着脱結合部5J2の再係合という形で、組み付けの工数は若干増えるものの、図11Aの構成のごとき弾性伸縮部5J1を有さないので、本体部5mの第二外径D2への拡径変形をより小さな力で実施できる利点がある。また、本体部5mの弾性的な拡径代を大きく取ることができ、軌道輪3への装着もより容易である。本実施形態において着脱結合部5J2は、本体部5mの一方の分断端面に形成された板面方向の突出部5hと、他方の分断端面から板面方向に引っ込んで形成されるとともに突出部5hを嵌合させる凹部5gとからなる。
なお、図7に示すように、軌道輪側から見て保持器5の本体部5mを、ころ4の中心軸線位置よりも遠い側に配置し、ころ窓7のラジアル方向幅をころ4の直径よりも、ころの嵌め込み代だけ小さくした構成とすることもできる。この場合、図8に示すように、保持器5を軌道輪3へ装着後、ころ窓7が拡幅する方向に窓区画部5hを弾性的に撓ませる形で、ころ4を該ころ窓7に対しラジアル方向に強制的に押し込んで組み付ける工程を採用することができる。
以上、本発明の第一実施形態として、軌道輪として内輪のみを採用する構成について説明したが、軌道輪として外輪のみを採用する構造も、上記とほど同様の思想により実現が可能である。図12はその一例を示す断面図である(図3等と概念的に共通する部分には、同一の符号を付与して詳細な説明は行なわない)。図12の軸受50は、軌道輪6として、ケーシング51の内周面に固定される外輪のみを備え、内輪が省略されている。軌道輪(外輪)6の内周面に軌道輪側軌道面3tが形成され、他方、軌道輪が非配置となる回転軸52の外周面を軸受外軌道面52tとして、軌道輪側軌道面6tと軸受外軌道面52tとの間に、それら2つの軌道面と接する複数のころ4と保持器5とが配置される。保持器5は、ころ4の軌道面に沿った転動は許容し、かつ、該保持器5に対するころ4のアキシャル方向への相対移動は規制するように、それら複数のころ4を各々対応するころ窓7内にて保持する。そして、保持器5の軌道輪6に対するラジアル方向の相対移動は許容し、同じくアキシャル方向への相対移動は規制する形で該保持器5を軌道輪6に係合する保持器係合(保持器側規制部5S)が、保持器5に対し軌道輪6(つまり、外輪)側にのみ突出する形態で、軌道輪6と別体に設けられている。
外輪6の内周面において軌道輪側軌道面6tの形成される領域は、当該外輪3の最小外径をなす領域とされている。換言すれば、軌道輪6の軌道面形成側となる周面のアキシャル方向端部に、鍔状に突出する部分が全く形成されていない。
ここでも、保持器側規制部5Sは保持器5のラジアル方向に断続的に(具体的には、保持器5の一直径の両端対応位置に一箇所ずつの計2箇所に)設けることができる。保持器5の本体部5mは該保持器5のアキシャル方向に幅方向を一致させた帯状に形成され、保持器側規制部5Sは、該帯状の本体部5mの幅方向における端縁から、軌道輪6側(従って、ここでは半径方向外向き)に曲げ返す形状にて一体形成されている。
図12において保持器側規制部5Sは、本体部5mの幅方向両側に第一と第二の2つが設けられ、軌道輪6には、外周面及び内周面のうち、軌道面6tが形成される側(ここでは外周面)の幅方向の両縁部に、該両縁部を軌道面6t側から当該軌道輪6のラジアル厚さ方向途中位置まで切り欠くことにより、軌道面6t側及びアキシャル方向端面側に各々開放する環状の切欠部65が形成されている。軌道輪6のそれら切欠部65の間に位置する周面領域が軌道面6tとして使用される。また、切欠部65の内側面が軌道輪側第一規制部6w及び軌道輪側第二規制部6wとして使用されている。
(実施の形態2)
図13の軸受101(図14はその要部の断面斜視図)は、図3の軸受1の一変形例に相当する(従って、図2及び図3と共通する部分には同一の符号を付与して詳細な説明は省略する)。図13に示すごとく、この軸受101においては、保持器側規制部5Sは、本体部5mの幅方向における第一端側のみに形成されている。これに対応して、軌道輪3の軌道面形成側の周面には、そのアキシャル方向の一方の端縁寄りに、保持器側規制部5Sを係合させる環状の溝部3gが形成され、該溝部3gの両内側面が軌道輪側第一規制部3gs及び軌道輪側第二規制部3gsを形成している。軌道輪3の上記周面は、溝部3gよりも第二縁側に位置する領域が軌道面3tとして使用される。そして、図15に示すように、保持器5は軌道輪3に対し、保持器側規制部5Sの形成されていない側から装着される。図13の構成において保持器側規制部5Sは、帯状の本体部5mの幅方向における端縁から、軌道輪側に曲げ返す形状にて一体形成されたものである。保持器側規制部5Sの厚さは溝部3gの幅よりも小さく、また、保持器側規制部5Sの先端と溝部3gの底面との間には一定の隙間が確保され、過度の摺動接触によるかじり防止が図られている。
上記の構成では、軌道輪3の軌道面形成側の周面に溝部3gを形成し、これに保持器係合部5Sを係合させることで、そのアキシャル方向の移動規制を行なう。保持器5は、その本体部5mの第一端側のみに保持器側規制部5Sを形成すればよいから構造が簡便であり、かつ、保持器側規制部5Sのない第二端側から軌道輪3に装着することで、その組み付けも容易に行なうことができる。
図15に示すように、本実施形態では、軌道輪3において軌道面形成側の周面のアキシャル方向第一縁側に位置する周方向の細長い領域を、アキシャル方向において上記溝部3g側から該第一縁側に向けて下り勾配で形成された傾斜面3fとしている。保持器側規制部5Sは、その傾斜面3fに沿ってガイドしつつ溝部3gにはめ込むことができる。具体的には、保持器5を軌道輪3に対し前記第一端側から装着し、アキシャル方向に相対接近させる形で押し込む。すると、第二端側の保持器側規制部5Sは、傾斜面3fによるカム作用により本体部5mを弾性変形させつつ該傾斜面3fに乗り上げ、溝位置が到来すれば、本体部5mが弾性復帰しつつ保持器側規制部5Sが該溝内にはまり込む。これにより、保持器5と軌道輪3とをワンストローク押し込みで簡単に装着することができる。
図16の軸受151は、軌道輪6を外輪のみとした構成の例であり、実施の形態1の図12に対応するものである。この軸受151においては、外輪をなす軌道輪6の軌道面形成側の周面(つまり、内周面)に溝部6gが形成され、該溝部6gの両内側面が軌道輪側第一規制部6gs及び軌道輪側第二規制部6gsを形成している。軌道輪6の上記周面は、溝部6gよりも第二縁側に位置する領域が軌道面6tとして使用される。溝部6gに関し軌道面6と反対側に位置する細長い領域は、下り勾配で形成された傾斜面6fとされている。
(実施の形態3)
図17の軸受201(図18はその要部の断面斜視図、図19は軸受回転軸線を含む断面図)は、図3の軸受1の別変形例に相当する(従って、図2及び図3と共通する部分には同一の符号を付与して詳細な説明は省略する)。保持器係合部は、軌道輪3及び保持器5のいずれとも別体に設けられた保持器係合部材30とされている。図20に示すように、保持器組付け工程においては、保持器5を軌道輪3の周面上に配置し、その後、保持器係合部材30を保持器5及び軌道輪3に組み付ける。このようにすると、軌道輪3との干渉が不可避な保持器係合部を本体部5mから一旦取り外すことができるので、本体部5mの軌道輪3への装着を極めてスムーズに行なうことができる。
以下、具体的に説明する。図19に示すように、軌道輪3の幅方向における両端部に軌道輪側規制部3wが形成されている。この軌道輪側規制部3wは、図3等に示すのと同様の切欠部35の内側面により形成されている。保持器5は、最大内径が軌道輪(内輪)3の最大外径よりも大きく設定され、軌道輪3のアキシャル方向において、2つの軌道輪側規制部3wの内縁位置間に収まるように軌道輪3の周面上に配置される。これにより、本体部5mを軌道輪3に対し、軌道輪側との干渉を生ずることなくアキシャル方向にスムーズに装着することができる。
図19に示すように、保持器係合部材30は、ころ窓7内に露出するころ4の外周面と干渉しない形態にて、保持器5の軌道面3tに面しているのと反対側の周面の、ラジアル方向の一部区間領域上に重ね配置される係合部材本体30mと、該係合部材本体30mのアキシャル方向の両端縁から各々保持器5の両縁側面を経て軌道面側に突出し、軌道輪側規制部3wとにそれぞれ係合する係合部材側規制部30Sとを有する。図20に示すごとく、本体部5mを軌道輪3の軌道面上に装着し、その後、保持器係合部材30を装着した本体部5mの上から軌道輪3に対し、半径方向にはめ込んで係合部材側規制部30Sを保持器5の両側面に嵌合することで、保持器5の組み付けが容易に完了する。このような保持器係合部材30が、図17に示すように、保持器5のラジアル方向において予め定められた間隔で複数箇所(本実施形態では、保持器5の一直径の両端5bに対応した2箇所)に設けられている。
本実施形態では、図19に示すように、保持器係合部材30は板状金属片の幅方向両縁部分をそれぞれ曲げ返すことにより係合部材側規制部30Sを形成している。また、保持器係合部材30は保持器5に対しころ窓7と重なる区間に配置され、係合部材本体30mには、ころ窓7内に配置されたころ4を露出させるための補助窓30Wが形成されている。保持器5はころ4とともに軌道輪3に対して相対回転するため、係合部材本体30mのアキシャル方向幅は軌道輪側軌道面3tのアキシャル方向幅よりも広く設定される。他方、保持器係合部材30は保持器5と一体回転する必要があるので、係合部材側規制部30Sの内面と、保持器5の側面との間は摩擦嵌合状態となっている。従って、保持器5のアキシャル方向幅は、軌道輪側軌道面3tのアキシャル方向幅よりも広くなっている。
図21の軸受251は、軌道輪6を外輪のみとした構成の例であり、実施の形態1の図12に対応するものである。軌道輪6の幅方向における両端部に切欠部65が形成され、その内側面が軌道輪側規制部6wとされている。保持器5は、最小内径が軌道輪(外輪)6の最小外径よりも小さく設定され、軌道輪6のアキシャル方向において、2つの軌道輪側規制部6wの内縁位置間に収まるように軌道輪6の周面上に配置される。保持器係合部材30の構成は図19と同様である。
本発明の実施の形態1の保持器付きころ軸受を示す正面全体図。 図1の要部断面斜視図。 図1の軸受の正面断面模式図。 保持器側規制部の形成形態の変形例を示す正面部分図。 同じく別変形例を示す正面部分図。 図3の軸受の組立工程の説明図。 図3の軸受の第一変形例を示す断面部分図。 同じく第二変形例を示す断面部分図。 図7の軸受の組立工程を示す説明図。 図3の軸受の第三変形例を示す断面部分図。 図3の軸受の第四変形例を、その組立工程とともに示す断面部分図。 保持器の外径変更手段の第一実施例を示す部分図。 保持器の外径変更手段の第二実施例を示す部分図。 図3の軸受の第五変形例を正面断面模式図。 本発明の実施の形態2の保持器付きころ軸受を示す正面断面模式図。 図13の軸受の要部断面斜視図。 図13の軸受の組立工程を示す説明図。 図13の軸受の変形例を正面断面模式図。 本発明の実施の形態3の保持器付きころ軸受を示す正面全体図。 図17の要部断面斜視図。 図17の軸受の正面断面模式図。 図17の軸受の組立工程の説明図。 図17の軸受の変形例を示す断面部分図。 従来技術の第一説明図。
符号の説明
1,50,101,151,201 保持器付きころ軸受
3,6 軌道輪
3 内輪
3w 軌道輪側規制部
4 ころ
5 保持器
5m 本体部
5h 窓区画部
5c 中間部
Cp ピッチ円
5S 保持器側規制部(保持器係合部)
5b 両端
5g 下り勾配部
5J1 弾性伸縮部(外径変更手段)
5J2 着脱係合部(外径変更手段)
6 外輪
3t,6t 軌道輪側軌道面
3g,6g 溝部
3w 軌道輪側規制部
7 ころ窓
30 保持器係合部材
30m 係合部材本体
30S 係合部材側規制部
35 切欠部
51 ケーシング
52 回転軸
60,52t 軸受外軌道面

Claims (15)

  1. 支持対象となる回転軸と、その回転軸の外側をラジアル方向に取り囲むケーシングとの間に形成される環状の軸受配置空間に配置して使用されるころ軸受であって、軌道輪として前記軸の外周面に固定される内輪と、前記ケーシングの内周面に固定される外輪との一方のみを備え、前記内輪の外周面又は前記外輪の内周面に軌道輪側軌道面が形成され、他方、軌道輪が非配置となる前記ケーシングの内周面又は前記軸の内周面を軸受外軌道面として、前記軌道輪側軌道面と前記軸受外軌道面との間に、それら2つの軌道面と接する複数のころと、個別のころ窓がラジアル方向に複数形成された環状の保持器とが配置され、前記保持器は、前記ころの前記軌道面に沿った転動は許容し、かつ、該保持器に対する前記ころのアキシャル方向への相対移動は規制するように、それら複数のころを各々対応する前記収容窓内にて保持するとともに、
    前記保持器の前記軌道輪に対するラジアル方向の相対移動は許容し、同じくアキシャル方向への相対移動は規制する形で該保持器を前記軌道輪に係合する保持器係合部が、前記保持器に対し前記軌道輪側にのみ突出する形態で、設けられたことを特徴とする保持器付きころ軸受。
  2. 前記軌道輪として前記内輪のみが設けられる場合には、前記内輪の外周面において前記軌道輪側軌道面の形成される領域が当該内輪の最大外径をなす領域とされ、前記軌道輪として前記外輪のみが設けられる場合には、前記外輪の内周面において、前記軌道輪側軌道面の形成される領域が当該外輪の最小内径をなす領域とされる請求項1記載の保持器付きころ軸受。
  3. 前記保持器は、前記ころ窓が形成された本体部と、前記本体部から前記軌道輪側に突出する形でこれに一体化された保持器側規制部とを有し、前記軌道輪には、前記保持器が前記軌道輪に対して前記アキシャル方向における第一方向に相対移動しようとした場合に、前記保持器側規制部と当接して当該第一方向への移動を規制する軌道輪側第一規制部と、前記保持器が前記軌道輪に対して前記アキシャル方向における第二方向に相対移動しようとした場合に、前記保持器側規制部と当接して当該第二方向への移動を規制する軌道輪側第二規制部とを有し、前記保持器側規制部が前記保持器係合部をなす請求項1又は請求項2に記載の保持器付きころ軸受。
  4. 前記軌道輪は、最大外径が前記保持器側規制部の内接円径よりも大きく設定された内輪か、又は最小内径が前記保持器側規制部の外接円径よりも小さく設定された外輪のいずれかであり、前記保持器は、前記本体部を弾性変形させつつ前記保持器側規制部を前記軌道面上に乗り上げさせた後、前記保持器側規制部が前記軌道輪側第一規制部ないし前記軌道輪側第二規制部と対向する位置にて弾性復帰させることにより、該軌道輪に装着されたものである請求項3記載の保持器付きころ軸受。
  5. 前記保持器側規制部は、前記本体部の前記幅方向における第一端側のみに形成され、前記軌道輪の軌道面形成側の周面には、そのアキシャル方向の一方の端縁寄りに、前記保持器側規制部を係合させる環状の溝部が形成され、該溝部の両内側面が前記軌道輪側第一規制部及び軌道輪側第二規制部を形成する請求項3又は請求項4に記載の保持器付きころ軸受。
  6. 前記保持器の前記ころ窓には、前記軌道輪に非装着の状態においても前記ころを収容保持可能とするために、装着されたころの半径方向の抜け止め防止手段が形成されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に保持器付きころ軸受。
  7. 前記軌道輪は内輪であり、前記保持器には、前記軌道輪への装着が完了した状態の外径であって、前記保持器側規制部が前記軌道輪側第一規制部ないし第二規制部により前記アキシャル方向への移動が規制される第一外径と、前記保持器側規制部と前記軌道輪側第一規制部ないし第二規制部との干渉が回避しつつ前記軌道輪に該保持器を装着するための前記第一外径よりも大きく設定された第二外径との間で、前記本体部の外径を変更する外径変更手段が設けられている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の保持器付きころ軸受。
  8. 前記外径変更手段は、前記本体部のラジアル方向の一部区間を形成するとともに、当該ラジアル方向の引張り力に応じて弾性的に伸縮する弾性伸縮部である請求項7記載の保持器付きころ軸受。
  9. 前記本体部は、ラジアル方向の途中位置にて分断されてなり、該本体部の前記分断により生じた対応する端部同士を着脱可能に結合する着脱結合部を有するとともに、前記着脱結合部を係合させた状態で前記本体部が第一外径となり、前記着脱結合部の係合を解除した状態で、前記端部同士を当該本体部の弾性変形により周方向に離間させることにより、前記本体部の外径が前記第二外径に変更される請求項7記載の保持器付きころ軸受。
  10. 前記保持器係合部は、前記軌道輪及び前記保持器のいずれとも別体に設けられた保持器係合部材である請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の保持器付きころ軸受。
  11. 前記軌道輪の幅方向における両端部に前記軌道輪側規制部が形成され、
    前記保持器は、前記軌道輪が内輪である場合は、最大内径が前記軌道輪の最大外径よりも大きく設定されるものであり、前記軌道輪が外輪である場合は、最小外径が前記軌道輪の最小内径よりも小さく設定されるものであり、かつ前記軌道輪のアキシャル方向において、2つの前記軌道輪側規制部の内縁位置間に収まるように前記軌道輪の周面上に配置され、
    前記保持器係合部材は、前記ころ窓内に露出する前記ころの外周面と干渉しない形態にて、前記保持器の前記軌道面に面しているのと反対側の周面の、ラジアル方向の一部区間領域上に重ね配置される係合部材本体と、該係合部材本体の前記アキシャル方向の両端縁から、各々前記保持器の両縁側面を経て前記軌道面側に突出し、前記軌道輪側規制部にそれぞれ係合する係合部材側規制部とを有するものであり、該保持器係合部材が、前記保持器のラジアル方向において予め定められた間隔で複数箇所に設けられている請求項10に記載の保持器付きころ軸受。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の保持器付きころ軸受の製造方法であって、
    前記軌道輪に前記ころを組み付けるころ組み付け工程と、
    前記軌道輪に前記保持器を組み付ける保持器組み付け工程とを有することを特徴とする保持器付きころ軸受の製造方法。
  13. 製造対象となる保持器付きころ軸受は請求項4記載の要件を備えるものであり、前記保持器組み付け工程において、前記保持器は、前記本体部を弾性変形させつつ前記保持器側規制部を前記軌道面上に乗り上げさせた後、前記保持器側規制部が前記軌道輪側第一規制部ないし前記軌道輪側第二規制部と対向する位置にて弾性復帰させることにより、該軌道輪に装着される請求項12記載の保持器付きころ軸受の製造方法。
  14. 製造対象となる保持器付きころ軸受は請求項7記載の要件を備えるものであり、前記保持器組付け工程において、前記外径変更手段により前記本体部を前記第二外径に拡径させ、前記保持器側規制部と前記軌道輪側第一規制部ないし第二規制部との干渉を回避しつつ前記軌道輪に装着し、その後、前記本体部を前記第一外径に戻す請求項12記載の保持器付きころ軸受の製造方法。
  15. 製造対象となる保持器付きころ軸受は請求項6記載の要件を備えるものであり、複数の前記ころを前記保持器に一括して組み付ける前記ころ組み付け工程と、そのころ組み付け後の保持器を前記軌道輪に組み付ける保持器組み付け工程とをこの順序で実施する請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の保持器付きころ軸受の製造方法。
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