JP2008020052A - スラスト針状ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】枯渇潤滑状態や、高速回転で使用される場合においても、ころ端面とポケット端面の摩耗を抑制することができ、軸受寿命を向上することができるスラスト針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】スラスト針状ころ軸受10は、複数の針状ころ11と、針状ころ11を転動自在に収容する保持器12とを備える。保持器12はポケット13の径方向端面12a1,12b1の少なくとも一方にくぼみ部14を有する。
【選択図】図1
【解決手段】スラスト針状ころ軸受10は、複数の針状ころ11と、針状ころ11を転動自在に収容する保持器12とを備える。保持器12はポケット13の径方向端面12a1,12b1の少なくとも一方にくぼみ部14を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、スラスト針状ころ軸受に関し、特に、自動車や産業機械、例えば、自動車エアコン用コンプレッサーやトルクコンバータ、自動車用トランスミッションの回転部分などに利用されるスラスト針状ころ軸受に関する。
スラスト針状ころ軸受では、対向する軌道輪の軌道面間に、保持器のポケットによって保持された複数の針状ころが放射状に配置されている。従来、スラスト針状ころ軸受の長寿命化を図るにあたり、潤滑状態を良好にすべく、保持器の側面に油溝を設けたり、外周面とポケット内周面とを連通する油孔を設けて、ころを収容するポケットに潤滑油がより流れ込むようにすることが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2004−340269号公報
特開平7−174146号公報
ところで、上記の様に保持器に油孔や油溝を設けた場合、潤滑油が多い状態では、油孔や油溝からポケットへの潤滑油の供給・排出が為され軸受の長寿命化が図られるが、枯渇潤滑状態では、軸受回転による遠心力により潤滑油がポケットから排出されるばかりで溜まることができず、ころ端面とポケット端面との激しい摩耗が引き起こされる可能性がある。このような現象が合成樹脂製の保持器を用いた軸受で起きると、ころ端面とポケット端面の摩擦による発熱が原因となり、保持器が破損してしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、枯渇潤滑状態や、高速回転で使用される場合においても、ころ端面とポケット端面の摩耗を抑制することができ、軸受寿命を向上することができるスラスト針状ころ軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 複数の針状ころと、針状ころを転動自在に収容するポケットを有する合成樹脂製の保持器とを備えるスラスト針状ころ軸受であって、
保持器は、ポケットの径方向端面の少なくとも一方にくぼみ部を有することを特徴とするスラスト針状ころ軸受。
(2) 保持器は、くぼみ部から軸方向端面まで軸方向に向けて形成され、くぼみ部の開口円半径の略2倍の円周方向幅を有する溝を有することを特徴とする(1)に記載のスラスト針状ころ軸受。
なお、くぼみ部の開口円半径の略2倍の円周方向幅とは、くぼみ部の開口円半径の2倍の円周方向幅或は2倍より若干小さい円周方向幅を含む。
(1) 複数の針状ころと、針状ころを転動自在に収容するポケットを有する合成樹脂製の保持器とを備えるスラスト針状ころ軸受であって、
保持器は、ポケットの径方向端面の少なくとも一方にくぼみ部を有することを特徴とするスラスト針状ころ軸受。
(2) 保持器は、くぼみ部から軸方向端面まで軸方向に向けて形成され、くぼみ部の開口円半径の略2倍の円周方向幅を有する溝を有することを特徴とする(1)に記載のスラスト針状ころ軸受。
なお、くぼみ部の開口円半径の略2倍の円周方向幅とは、くぼみ部の開口円半径の2倍の円周方向幅或は2倍より若干小さい円周方向幅を含む。
本発明のスラスト針状ころ軸受によれば、保持器はポケットの径方向端面の少なくとも一方にくぼみ部を有するので、このくぼみ部に潤滑油を保持することができ、枯渇潤滑状態や、高速回転で使用される場合においても、ころ端面とポケット端面の摩耗を抑制することができ、軸受寿命を向上することができる。
以下、本発明の各実施形態に係るスラスト針状ころ軸受について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態のスラスト針状ころ軸受10は、図1に示すように、複数の針状ころ11と、針状ころ11を転動自在に収容する保持器12とを備え、対向する図示しない軌道輪の軌道面間に配置されている。
第1実施形態のスラスト針状ころ軸受10は、図1に示すように、複数の針状ころ11と、針状ころ11を転動自在に収容する保持器12とを備え、対向する図示しない軌道輪の軌道面間に配置されている。
保持器12は、合成樹脂製からなり、内側円環部12aと、外側円環部12bと、内側円環部12aと外側円環部12bを連結する隣接する柱部12cとで画成される複数のポケット13内に針状ころ11を保持している。図2に示すように、ポケット13の径方向端面となる外側円環部12bの内周面12b1には、油溜まりLを形成するための球面状のくぼみ部14が形成されている。
図3に示すようなポケット13の径方向端面が平面である従来の構成の場合、平面上には薄い油膜L´のみが形成されて潤滑油が溜まる場所がないため、ころ11の回転により油膜切れが発生するが、本実施形態のようにくぼみ部14を形成して、ポケット13の径方向端面に油溜まりLを形成することで、ころ端面に潤滑油が密着し、この密着した潤滑油がころ11の回転によりスムーズにころ端面やポケット13の端面に供給される。
なお、くぼみ部14は、もう一つのポケット13の径方向端面となる内側円環部12aの外周面12a1に形成してもよく、或は、両方にそれぞれ形成してもよい。但し、軸受の使用状態では、回転による遠心力により外径側環部12bの内周面12b1ところ端面との摺動が大きくなるため、本実施形態のように外径側環部12bの内周面12b1にくぼみ部14を設けることで、遠心力により潤滑油がくぼみ部14に溜まり、ころ11とポケット13との摩擦をより効果的に抑制できる。
また、枯渇潤滑状態においても、くぼみ部14が潤滑油を保持するため、ポケット13の径方向端面ところ端面の潤滑は常に良好に保たれ、保持器摩耗や摩擦熱による樹脂製保持器12の融解などの2次的損傷を防ぐことが可能である。
従って、本実施形態のスラスト針状ころ軸受10によれば、保持器12はポケット13の径方向端面12a1,12b1の少なくとも一方にくぼみ部14を有するので、このくぼみ部14に潤滑油を保持することができ、枯渇潤滑状態や、高速回転で使用される場合においても、ころ端面とポケット端面の摩耗を抑制することができ、軸受寿命を向上することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のスラスト針状ころ軸受10aについて、図4〜図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或は簡略化する。
次に、第2実施形態のスラスト針状ころ軸受10aについて、図4〜図6を参照して説明する。なお、第1実施形態と同等部分については同一符号を付して、説明を省略或は簡略化する。
本実施形態のスラスト針状ころ軸受10aは、第1実施形態の構成に加えて、保持器12が、くぼみ部14から軸方向端面12dまで軸方向に向けて形成される溝15を有するように構成される。合成樹脂製の保持器12は、図示しない金型によって成形されるが、ポケット13の径方向端面にくぼみ部14を成形する場合、くぼみ部14の深さが深いものになると、金型をポケット13から引き抜く際にポケット13の形状を変形することが懸念される。
このため、本実施形態のように、溝15を設けることで金型のくぼみ部14を成形する部分がくぼみ部14から引き抜かれる際にポケット13の形状が崩れるのを防ぐ。
溝15の円周方向幅Bは、くぼみ部14の開口円14aの半径の略2倍、即ち、図5に示す開口円14aの円弧部分の半径Rの2倍或は2倍より若干小さく設定されている。この溝15の円周方向幅が非常に小さい場合、図6に示すように、金型をくぼみ部14から引き抜く際にポケット13の塑性変形が引き起こされる。このため、溝15の円周方向幅Bは、くぼみ部14の開口円14aの半径の略2倍に設定される。また、この溝15はくぼみ部14への潤滑油吸入口にもなり、効果的に油溜まりが形成され、軸受寿命の向上にも繋がる。なお、本実施形態では、溝15の溝深さは、くぼみ部14の深さと略等しく設定されており、上面視円弧状に形成されている。
以上説明した様に、本実施形態のスラスト針状ころ軸受10aによれば、保持器12は、くぼみ部14から軸方向端面12dまで軸方向に向けて形成され、くぼみ部14の開口円14aの半径の略2倍の円周方向幅Bを有する溝15を有するので、保持器14を成形する金型をポケット13から引き抜く際にポケット13の形状が崩れるのを防止することができ、また、この溝15からくぼみ部14へ潤滑油を供給できるので、軸受寿命をより向上することができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
10 スラスト針状ころ軸受
11 針状ころ
12 保持器
13 ポケット
14 くぼみ部
15 溝
11 針状ころ
12 保持器
13 ポケット
14 くぼみ部
15 溝
Claims (2)
- 複数の針状ころと、該針状ころを転動自在に収容するポケットを有する合成樹脂製の保持器とを備えるスラスト針状ころ軸受であって、
前記保持器は、前記ポケットの径方向端面の少なくとも一方にくぼみ部を有することを特徴とするスラスト針状ころ軸受。 - 前記保持器は、前記くぼみ部から軸方向端面まで軸方向に向けて形成され、前記くぼみ部の開口円半径の略2倍の円周方向幅を有する溝を有することを特徴とする請求項1に記載のスラスト針状ころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006194621A JP2008020052A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | スラスト針状ころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006194621A JP2008020052A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | スラスト針状ころ軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008020052A true JP2008020052A (ja) | 2008-01-31 |
Family
ID=39076146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006194621A Pending JP2008020052A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | スラスト針状ころ軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008020052A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107313822A (zh) * | 2017-06-29 | 2017-11-03 | 绵阳富临精工机械股份有限公司 | 一种带有储油槽的摇臂 |
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2006
- 2006-07-14 JP JP2006194621A patent/JP2008020052A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107313822A (zh) * | 2017-06-29 | 2017-11-03 | 绵阳富临精工机械股份有限公司 | 一种带有储油槽的摇臂 |
CN107313822B (zh) * | 2017-06-29 | 2023-06-13 | 绵阳富临精工机械股份有限公司 | 一种带有储油槽的摇臂 |
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