JP2007239710A - 内燃機関の燃料系保護構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリンダヘッド11に取り付けられる吸気マニホールド16の下方に配置される燃料噴射弁15等の燃料系部材の保護。
【解決手段】 この燃料系部材を覆うようにプロテクタ23を吸気マニホールド16及びシリンダブロック10の吸気側ブロック側壁31に取り付ける。プロテクタ23の内側より突出し、吸気マニホールド16側に設定された突当座部28に所定の間隙29を介して対向する突出ブロック(突出部)25を設ける。また、プロテクタ23が取り付けられる吸気側ブロック側壁31の固定ボス部を、上側リブによってフランジ状に張り出したトップデッキと一体的に接続するとともに、下側リブによって冷却管部やハウジング取付部に一体的に接続する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両への過大入力時等に燃料系部材を保護する内燃機関の燃料系保護構造の改良に関する。
車両に搭載されるような内燃機関では、安全性の面から、車両への過大入力時の燃料洩れを確実に防止することが要求される。特許文献1には、吸気側が車両前側となる横置姿勢で車両に搭載される内燃機関において、吸気ポートに燃料を噴射する燃料系部材が吸気ポートとシリンダヘッドの側壁との間に配置され、この燃料系部材の周囲を囲うプロテクタによって、燃料系部材を保護する技術が記載されている。
特開2004−169637号公報
上述した特許文献1のように、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射型の内燃機関では、一般的に、燃料系部材が吸気マニホールドとシリンダヘッドの側壁との間に配置され、吸気マニホールドによって燃料系部材が保護される形となる。しかしながら、燃焼室に燃料を直接噴射する筒内直噴型の内燃機関では、一般的に、燃料噴射弁や燃料配管等の燃料系部材が、吸気マニホールドの下側に配置され、燃料系部材が吸気マニホールドに覆われることなく露出する形となる。このため、特に吸気系が車両前側となる横置姿勢で車両に搭載される内燃機関では、前面衝突時における燃料系部材の保護が非常に重要な課題となる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、吸気マニホールドの下側に配置される燃料系部材を有効に保護し得る新規な内燃機関の燃料系保護構造を提供することをその目的としている。
シリンダブロックの上側に固定されるシリンダヘッドの吸気側ヘッド側壁に吸気マニホールドが取り付けられ、この吸気マニホールドの下方に燃料系部材が配置されている。この燃料系部材を覆うようにプロテクタが吸気マニホールド及びシリンダブロックの吸気側ブロック側壁に取り付けられる。上記プロテクタの内側より突出し、吸気マニホールド側に設定された突当座部に所定の間隙を介して対向する突出部を設ける。
本発明によれば、内燃機関の吸気側への側方入力に対し、プロテクタにより燃料系部材を保護することができ、かつ、仮に過大な入力によってプロテクタが変形しても、突出部が突当座部へ当接し、この部分を経由して側方入力を吸気マニホールド側へ伝えることによって衝撃を吸収し、吸気マニホールドの下方に位置する燃料系部材を確実に保護することができる。しかも、組付状態では突出部と突当座部との間に所定の間隙が確保されているために、過度な寸法精度を要求されることがない。
以下、本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料系保護構造を図面を参照して詳細に説明する。図1〜図6は、本発明の一実施例に係る燃料系保護構造が適用された直列4気筒型の筒内直噴式の火花点火式内燃機関を示している。この内燃機関は、吸気側(図1の右側)を車両前側とする横置姿勢で車両前側のエンジンルームに搭載される。
図1及び図2は上記内燃機関を組立状態で示している。シリンダブロック10の上部にはシリンダヘッド11が固定され、このシリンダヘッド11の上部にはカム軸受部13に嵌合するカムシャフト(図示せず)を挟んでヘッドカバー12が固定されている。シリンダブロック10やシリンダヘッド11はアルミ合金等の金属材料により鋳造され、内燃機関の骨格部材を構成している。シリンダヘッド11は、複数のヘッドボルト(図示せず)によってシリンダブロック10にヘッドガスケット(図示せず)を挟んで共締め固定される。シリンダヘッド11の吸気側の吸気側ヘッド側壁14には、タンブル制御弁(図示せず)を内蔵する金属製の制御弁ユニット15を介して、吸気マニホールド16が取り付けられている。
吸気マニホールド16は、機能的には、各気筒の吸気ポート(図示せず)に接続する複数の吸気ブランチ部17と、上記制御ユニット15に固定される板状の取付フランジ部18と、を有し、この取付フランジ部18に複数の吸気ブランチ部17のシリンダヘッド側の端部が一体的に接続している。また、吸気マニホールド16は、構造的には、上記制御弁ユニット15に固定される取付体19と、この取付体19の一端に設けられたフランジ部19Aに固定されるフランジ部20Aが形成されたブランチ組立体20と、により構成されており、取付体19に取付フランジ部18と吸気ブランチ部17の一部とが形成され、吸気ブランチ部17の残りの部分がブランチ組立体20により形成されている。ブランチ組立体20は吸気ブランチ部17の長手方向に沿って2分割された2つの分割部材により構成されている。吸気ブランチ部17は、吸気側ヘッド側壁14及び制御弁ユニット15に対して斜め上方に傾斜した姿勢で側方へ突出するとともに、機関上方へ向けて湾曲しつつ延び、例えばスロットル等を内蔵した樹脂製のエアクリーナケース(図示せず)に接続している。
筒内直噴式の火花点火式内燃機関では、図示していないが、各気筒の燃焼室の頂部に点火プラグが配置される等の関係で、筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁22が、制御弁ユニット15や吸気マニホールド16の下方に配置され、その先端が燃焼室へ向かう傾斜姿勢、すなわち制御弁ユニット15や吸気マニホールド16の下側に沿う傾斜姿勢で、吸気側ヘッド側壁14に取り付けられている。つまり燃料噴射弁22及びその燃料配管(図示省略)等を含めた燃料系部材は、吸気マニホールド16に覆われることなく外部へ露出した形となっている。このような燃料系部材を覆うように、プロテクタ23が吸気マニホールド16及びシリンダブロック10の吸気側ブロック側壁31に複数の固定部24で固定されている。プロテクタ23は金属板からプレス成形されており、この実施例では2枚のプロテクタ23A,23Bに分割して構成され、両者23A,23Bの間に、センサ等の各種部品(図示せず)との干渉を回避する間隙21が確保されている。
そして、吸気マニホールド16に対向するプロテクタ23の内側に、突出部としての突出ブロック25が固定されている。この突出ブロック25は、本実施例では中実ブロック形状をなし、複数のブロック固定ボルト26によって、2つのプロテクタ23A,23Bにわたって外側より共締め固定されている。従って、ボルト26の頭部26Aはプロテクタ23上に表出している。組立状態では、突出ブロック25は、プロテクタ23の内側より吸気側ヘッド側壁14の側(図1の左側)へ突出しており、その先端部27が吸気マニホールド16側に設定された突当座部28に所定の間隙29を介して対向している。突当座部28は、吸気マニホールド16における取付フランジ部18と吸気ブランチ部17とが略垂直に折曲するコーナー部に設定されている。この突当座部28の折曲形状に対応して、上記突当ブラック25の先端部27は、断面略L字状に凹んだ形状に設定されている。
図3〜6は上記シリンダブロック10を単体で示している。シリンダブロック10は、金属材料により一体的に鋳造されるもので、吸気側ブロック側壁31を含む外壁の内側には、気筒列方向に沿って4つのシリンダ32が配列されたシリンダ壁部32Aと、このシリンダ壁部32Aを囲うジャケット外壁部43と、が設けられている。シリンダ壁部32Aとジャケット外壁部43との間には、冷却水が通流するウォータジャケット33がシリンダ壁部32Aを囲うように形成され、ジャケット外壁部43と吸気側ブロック側壁31との間には空間部42が形成されている。これら空間部42の一部は冷却水通路や油通路として用いられる。
吸気側ブロック側壁31には、その上縁に側方(図5,6の右方向)へフランジ状に張り出したトップデッキ34が一体的に形成されるとともに、このトップデッキ34の下方に、プロテクタ23の固定部24が固定される固定ボス部35(35A,35B)が側方へ一体的に突出形成されている。各固定ボス部35は、固定ボルト(図示せず)が螺合する雌ネジ部36が形成された円筒状をなしている。そして、この固定ボス部35とトップデッキ34とが薄膜状の上側リブ37により一体的に接続されている。上側リブ37は、吸気側ブロック側壁31より垂直に起立する薄肉壁状をなし、図5にも示すように、トップデッキ34の先端下縁と固定ボス部35の先端外周とを斜めにつないでいる。
また、吸気側ブロック側壁31には、固定ボス部35の下方位置に、冷却システムを構成する冷却系構成部として、冷却管部38と、サーモスタットハウジング(図示せず)が取り付けられるハウジング取付部39と、が側方へ張り出すように一体的に形成されている。冷却管部38は、気筒列方向に沿って延びるとともに、吸気側ブロック側壁31から半円筒状に膨出しており、その内部には、冷却水が通流する断面略円形の冷却水通路38Aが形成されている。この冷却水通路38Aの一端がハウジング取付部39に開口している。
そして、固定ボス部35と冷却管部38及びハウジング取付部39とが薄膜状の下側リブ40(40A,40B)により一体的に接続されている。下側リブ40は、吸気側ブロック側壁31より垂直に起立する薄肉壁状をなしている。一方の下側リブ40Aは図5に示すように一方の固定ボス部35Aの先端外周と冷却管部38の外周とをつないでおり、他方の下側リブ40Bは他方の固定ボス部35Bの先端外周とフランジ状に張り出したハウジング取付部39の上壁面とをつないでいる。
以上のように本実施例では、吸気マニホールド16の下方に配置される燃料噴射弁22等の燃料系部材を覆うようにプロテクタ23が吸気マニホールド16及びシリンダブロック10の吸気側ブロック側壁31にわたって取り付けられており、このプロテクタ23により、車両の前面衝突等により車両前方から内燃機関の吸気側へ外部入力が作用するときに、燃料噴射弁22を含む燃料系部材を保護するようになっている。そして、プロテクタ23の内側より突出し、吸気マニホールド16側に設定された突当座部28に所定の間隙29を介して対向する突出ブロック(突出部)25を設けているために、仮に過大な入力によってプロテクタ23が変形しても、突出ブロック25の先端部27が突当座部28へ当接し、この部分から外部入力を吸気マニホールド16側へ伝えることによって衝撃を吸収し、吸気マニホールド16の下方に位置する燃料系部材をより確実に保護することができる。しかも、組付状態では突出ブロック25の先端部27と突当座部28との間には所定の間隙29が確保されているために、過度な寸法精度を要求されることがなく、プロテクタ23の組付作業も容易であるとともに、プロテクタ23の固定箇所を低減でき、固定ボルト等の削減による部品点数の低下及び軽量化等を図ることができる。
また、上記の突当座部28が、吸気マニホールド16の中でも比較的強度・剛性の高い取付フランジ部18と吸気ブランチ部17とのコーナー部に設定されているため、例えばブランチ部の途中に突当座部を設定する場合に比して、外部入力時におけるプロテクタ23の支持剛性を更に高めることができ、しかも、突当座部28の形状に応じて突出ブロック25の先端部27を断面L字状に凹んだ形状としているために、外部入力時に両者27,28を機関上下方向にずれることなく所定位置で確実に突き合わせることができ、プロテクタ23の支持剛性、ひいてはプロテクタ23による燃料系保護性能を一段と向上することができる。
吸気側ブロック側壁31には、その上縁に側方へフランジ状に張り出したトップデッキ34が形成されるとともに、このトップデッキ34の下方に、プロテクタ23が固定される固定ボス部35が側方へ突出形成されており、この固定ボス部35とトップデッキ34とが薄膜状の上側リブ37により一体的に接続されている。この上側リブ37によって、固定ボス部35に取り付けれるプロテクタ23の支持剛性が向上するとともに、外側へフランジ状に張り出したトップデッキ34の剛性を向上することができる。このため、ヘッドボルトの締付時におけるトップデッキ34の外側への倒れ変形に対する剛性が向上し、特にヘッドガスケット部分でのシール性を向上することができる。
更に、吸気側ブロック側壁31には、固定ボス部35の下方に、冷却システムを構成する冷却管部38やハウジング取付部39が側方へ張出形成されており、これら冷却管部38やハウジング取付部39と固定ボス部35とが薄膜状の下側リブ40によって一体的に接続されている。この下側リブ40によって、上記の固定ボス部35及びトップデッキ34の剛性を更に有効に向上することができる。
また、シリンダブロック10には、シリンダ32が形成されるシリンダ壁部32Aとジャケット外壁部43との間に、冷却水が通流するウォータジャケット42が形成されるとともに、ジャケット外壁部43と吸気側ブロック側壁31との間に所定の空間部42が確保されている。従って、このような空間部42が設けられていない構造(つまり、ブロック外壁の一部を構成するジャケット外壁部に固定ボス部が設けられる構造)に比して、ジャケット外壁部43及びシリンダ壁部32Aの倒れ変形をより確実に抑制することができ、この倒れ変形に起因する水・油・燃焼ガス等を漏れを確実に防止することができる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記実施例では突出部としての突出ブロック25が所定厚さ及び幅を有するブロック形状をなしているが、これに限らず、例えば複数の棒状部材を突出部としても良い。
本発明の一実施例に係る燃料系保護構造が適用された内燃機関を示す断面図。 図1の内燃機関を示す斜視図。 上記内燃機関のシリンダブロックを単体で示す斜視図。 図3のシリンダブロックの吸気側の側面図。 図4のV−V線に沿う断面図。 図4のVI−VI線に沿う断面図。
符号の説明
10…シリンダブロック
16…吸気マニホールド
17…吸気ブランチ部
18…取付フランジ部
22…燃料噴射弁(燃料系部材)
23…プロテクタ
25…突出ブロック(突出部)
28…突当座部
29…間隙
31…吸気側ブロック側壁
32A…シリンダ壁部
34…トップデッキ
35…固定ボス部
37…上側リブ
38…冷却管部(冷却系構成部)
39…ハウジング取付部(冷却系構成部)
40…下側リブ
42…ウォータジャケット
43…ジャケット外壁部

Claims (5)

  1. シリンダブロックの上側に固定されるシリンダヘッドの吸気側ヘッド側壁に吸気マニホールドが取り付けられ、この吸気マニホールドの下方に燃料系部材が配置され、この燃料系部材を覆うようにプロテクタが吸気マニホールド及びシリンダブロックの吸気側ブロック側壁に取り付けられ、
    かつ、上記プロテクタの内側より突出し、吸気マニホールド側に設定された突当座部に所定の間隙を介して対向する突出部が設けられていることを特徴とする内燃機関の燃料系保護構造。
  2. 上記吸気側ブロック側壁には、その上縁に側方へフランジ状に張り出したトップデッキが形成されるとともに、このトップデッキの下方に、上記プロテクタが固定される複数の固定ボス部が側方へ突出形成されており、この固定ボス部と上記トップデッキとが薄膜状の上側リブにより一体的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料系保護構造。
  3. 上記吸気側ブロック側壁には、上記固定ボス部の下方に、冷却系構成部が側方へ張出形成されており、この冷却系構成部と上記固定ボス部とが薄膜状の下側リブによって一体的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料系保護構造。
  4. 上記吸気マニホールドが、管状をなす複数の吸気ブランチ部と、これら吸気ブランチの一端が一体に接続されるとともにシリンダヘッド側に取り付けられる板状の取付フランジ部と、を有し、
    上記取付フランジ部と吸気ブランチとのコーナー部に上記突当座部が設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料系保護構造。
  5. 上記シリンダブロックには、シリンダが形成されるシリンダ壁部とジャケット外壁部との間に、冷却水が通流するウォータジャケットが形成されるとともに、ジャケット外壁部と吸気側ブロック側壁との間に所定の空間部が確保されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の燃料系保護構造。
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