JP2006242107A - 樹脂製シリンダヘッドカバー - Google Patents
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Abstract
【課題】 全面金属被覆せずに内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる内燃機関用の樹脂製シリンダヘッドカバー。
【解決手段】 フレーム部材12は、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体4に対して、ボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間における狭い範囲で一体化している。このため温度変化によってもシリンダヘッドカバー本体4に生じる歪みは小さく、経時によっても亀裂や剥離を生じるおそれはない。しかもボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間でのシリンダヘッドカバー2の剛性が向上するので、シリンダヘッドカバー2全体としてボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間の変形が十分に抑制される。したがってシリンダヘッドカバー2は、燃料噴射弁の貫通部位及びカム角センサの配置部位である開口部6,8及び挿入口部10の位置精度を高く維持できる。
【選択図】 図2
【解決手段】 フレーム部材12は、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体4に対して、ボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間における狭い範囲で一体化している。このため温度変化によってもシリンダヘッドカバー本体4に生じる歪みは小さく、経時によっても亀裂や剥離を生じるおそれはない。しかもボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間でのシリンダヘッドカバー2の剛性が向上するので、シリンダヘッドカバー2全体としてボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間の変形が十分に抑制される。したがってシリンダヘッドカバー2は、燃料噴射弁の貫通部位及びカム角センサの配置部位である開口部6,8及び挿入口部10の位置精度を高く維持できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の樹脂製シリンダヘッドカバー、特に燃料噴射弁などの内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位が形成されている樹脂製シリンダヘッドカバーに関する。
内燃機関における軽量化やその他、騒音防止などの観点からアルミニウム合金製等の金属製シリンダヘッドカバーに代えて、ほぼ全体が樹脂製のシリンダヘッドカバーの採用が検討されている。しかし、このような樹脂製シリンダヘッドカバーでは剛性が低くなるため、温度変化や内圧変化により樹脂製シリンダヘッドカバーが変形し易い。したがって、燃料噴射弁などの内燃機関機能装置を、シリンダヘッドカバーを貫通して配置する場合には、貫通するための開口部の位置が規定の位置から外れることがあり、シリンダヘッドカバーの取り外し作業や再取り付け作業が困難となるおそれがある。又、カム角センサなどのようにシリンダヘッドカバー上に配置される内燃機関機能装置の場合には、検出精度が低下するおそれがある。
ここで樹脂製シリンダヘッドカバーにおいてカバー形状を維持するために、樹脂製シリンダヘッドカバー本体の表面全面を覆うように金属製の覆材が接合されたシリンダヘッドカバーが提案されている(例えば特許文献1参照)。
又、樹脂製シリンダヘッドカバー本体の表面全面ではないが、樹脂製のシリンダヘッドカバーの周囲に設けられた取り付け部位のみ、全周に渡って金属製の補強部材をインサート成形にて接合したシリンダヘッドカバーが提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平10−9052号公報(第2−3頁、図1−3)
特開2001−152966号公報(第3−4頁、図1−5)
しかし前記特許文献1の技術では全面が金属と接合しているため、金属と樹脂との熱膨張率差による膨張量や収縮量の差が特に増大して現れやすくなる。このため内燃機関の温度変化によりシリンダヘッドカバーの樹脂部分に大きな歪みが生じやすく、経時により樹脂部分に亀裂や金属部分からの剥離を生じるおそれがある。このような亀裂や剥離の生じるおそれのあるシリンダヘッドカバーは、高精度に取り付ける必要のある内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位を設けるシリンダヘッドカバーに適用することはできない。
前記特許文献2の技術であれば、金属被覆はシリンダヘッドへの取り付け部分のみであることから、前記特許文献1のごとくの問題は生じない。しかし、特許文献2とは異なり、樹脂製シリンダヘッドカバー上に、燃料噴射弁やカム角センサなどの内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位を設定した場合には、取り付け部分以外は全面樹脂製であることから、温度変化や内圧変化による変形は樹脂製シリンダヘッドカバーの中央領域で生じることになる。したがって、結局、樹脂製シリンダヘッドカバーの中央領域に設定される内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位での変形を防止できない。しかも取り付け部分が周辺部であるために周辺部が拘束されている分、中央領域での変形が増幅される傾向にあり、位置精度に問題を生じる可能性が高くなる。
本発明は、全面金属被覆せずに位置精度を高く維持できる内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位を設けた樹脂製シリンダヘッドカバーの提供を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーは、内燃機関に用いられる樹脂製シリンダヘッドカバーであって、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体と、該シリンダヘッドカバー本体を形成する樹脂よりも高剛性の材料にて形成されるとともに、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で、前記シリンダヘッドカバー本体のシリンダヘッド取り付け部位から内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位にかけて形成されたフレーム部材とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーは、内燃機関に用いられる樹脂製シリンダヘッドカバーであって、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体と、該シリンダヘッドカバー本体を形成する樹脂よりも高剛性の材料にて形成されるとともに、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で、前記シリンダヘッドカバー本体のシリンダヘッド取り付け部位から内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位にかけて形成されたフレーム部材とを備えたことを特徴とする。
フレーム部材は、シリンダヘッド取り付け部位と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間での一体化であるので、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体全体に一体化はしていない。このためフレーム部材とシリンダヘッドカバー本体との熱膨張率差による膨張量や収縮量の差が増大することはないので、内燃機関の温度変化によってもシリンダヘッドカバー本体に生じる歪みは小さく、経時によってもシリンダヘッドカバー本体に亀裂や剥離を生じるおそれはない。
しかもフレーム部材の配置がシリンダヘッド取り付け部位と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間であることにより、シリンダヘッド取り付け部位と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間の剛性は向上している。このため、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体において温度変化や内圧変化が生じても、シリンダヘッド取り付け部位と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間の変形は抑制される。
したがって本発明の樹脂製シリンダヘッドカバーは、全面金属被覆することなく、内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる。
請求項2に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1において、前記シリンダヘッド取り付け部位はシリンダヘッドにボルト締結するための締結孔部分であることを特徴とする。
請求項2に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1において、前記シリンダヘッド取り付け部位はシリンダヘッドにボルト締結するための締結孔部分であることを特徴とする。
このようにシリンダヘッドにボルト締結するための締結孔部分と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間にて、フレーム部材をシリンダヘッドカバー本体に一体化状態で形成していることにより、シリンダヘッドに対する内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の配置設定が確実なものとなる。このことにより内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる。
請求項3に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1又は2において、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッド取り付け部位と前記内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間では、梁を兼ねた脚状に形成されていることを特徴とする。
このようにフレーム部材は上記部位間では梁を兼ねた脚状に形成して接続していることにより、シリンダヘッドカバー本体に亀裂や剥離を生じることなく、シリンダヘッド取り付け部位と内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間の剛性を十分に向上させることができる。このことにより内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる。
請求項4に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、前記内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位では、該部位の周りを囲んで環状に形成されている環状部を有することを特徴とする。
このようにフレーム部材は、内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の周りでは、これら部位の周りを囲んでいる環状部を形成していることにより、内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を一層高く維持できる。
請求項5に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項4において、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッドカバー本体において対向する2つの前記シリンダヘッド取り付け部位の間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶ梁を兼ねた脚状接続部と、該脚状接続部の中間位置で一体に形成された前記環状部とを備えたことを特徴とする。
このように梁を兼ねた脚状接続部がシリンダヘッドカバー本体において対向する2つの前記シリンダヘッド取り付け部位の間を結ぶように、シリンダヘッドカバー本体に一体化状態で形成されている。このことにより、シリンダヘッドに対する環状部の位置決めがより強固となるので、内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる。
請求項6に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項4において、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッドカバー本体の前後方向にて前側の前記シリンダヘッド取り付け部位と後側の前記シリンダヘッド取り付け部位との間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶ梁を兼ねた脚状前後接続部と、前記シリンダヘッドカバー本体の左右方向にて左側の前記シリンダヘッド取り付け部位と右側の前記シリンダヘッド取り付け部位との間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶと共に、前記脚状前後接続部とは交叉状態で一体に形成された梁を兼ねた脚状左右接続部と、前記脚状前後接続部及び前記脚状左右接続部の一方又は両方の中間位置で一体に形成された前記環状部とを備えたことを特徴とする。
このようにシリンダヘッド取り付け部位間を結ぶ梁を兼ねた2つの脚状接続部が、脚状前後接続部と脚状左右接続部との2本が交叉状に一体に形成されている。このためシリンダヘッドに対する環状部の位置決めがより強固となる。このことにより内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる。
請求項7に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッドカバー本体を樹脂にて一体成形する際にインサート成形することにより前記シリンダヘッドカバー本体に一体化されていることを特徴とする。
フレーム部材とシリンダヘッドカバー本体との一体化はインサート成形により実現しても良い。特にシリンダヘッドカバー本体の樹脂中に埋設状態で一体化することにより強固に一体化して、内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できるとともに、外観は樹脂とすることができる。
請求項8に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、金属製であることを特徴とする。
フレーム部材としては金属製とすることができ、比較的容易に形状を加工できると共に、シリンダヘッド取り付け部位から内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位にかけてシリンダヘッドカバー本体の剛性を十分に向上させることができる。したがって全面金属被覆することなく内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる樹脂製シリンダヘッドカバーを容易に実現できる。
フレーム部材としては金属製とすることができ、比較的容易に形状を加工できると共に、シリンダヘッド取り付け部位から内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位にかけてシリンダヘッドカバー本体の剛性を十分に向上させることができる。したがって全面金属被覆することなく内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位の位置精度を高く維持できる樹脂製シリンダヘッドカバーを容易に実現できる。
請求項9に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置は燃料噴射弁であり、該燃料噴射弁は前記シリンダヘッドカバー本体を貫通してシリンダヘッドに配置されていることを特徴とする。
このような燃料噴射弁を貫通部位に配置する場合、本発明の樹脂製シリンダヘッドカバーは温度変化や内圧変化が生じても貫通部位の位置精度が高く維持できる。このため貫通部位が規定の位置から外れることが防止でき、シリンダヘッドカバーの取り外し作業や再取り付け作業が困難となるのを防止できる。
請求項10に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置はスパークプラグチューブであり、該スパークプラグチューブは前記シリンダヘッドカバー本体を貫通してシリンダヘッドに配置されていることを特徴とする。
このようなスパークプラグチューブを貫通部位に配置する場合、本発明の樹脂製シリンダヘッドカバーは温度変化や内圧変化が生じても貫通部位の位置精度が高く維持できる。このため貫通部位が規定の位置から外れることが防止でき、シリンダヘッドカバーの取り外し作業や再取り付け作業が困難となるのを防止できる。
請求項11に記載の樹脂製シリンダヘッドカバーでは、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置はカム角センサであり、該カム角センサは前記シリンダヘッドカバー本体に配置されていることを特徴とする。
このようなカム角センサを配置部位に配置する場合、本発明の樹脂製シリンダヘッドカバーは温度変化や内圧変化が生じても配置部位の位置精度が高く維持できる。このため配置部位が規定の位置から外れることが防止でき、カム角センサによる検出精度低下を防止できる。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された樹脂製シリンダヘッドカバー2の斜視図、図2は平面図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は図2におけるB−B断面図、図5は図2におけるC−C断面図である。
図1は上述した発明が適用された樹脂製シリンダヘッドカバー2の斜視図、図2は平面図、図3は図2におけるA−A断面図、図4は図2におけるB−B断面図、図5は図2におけるC−C断面図である。
ここでシリンダヘッドカバー2のほぼ全体形状をなすシリンダヘッドカバー本体4は樹脂にて一体成形されている。このシリンダヘッドカバー2は4気筒ディーゼルエンジン用であり、頂部2aには図5に破線で示す燃料噴射弁Fのための燃料回収及び電力供給用の4つの開口部6(貫通部位に相当)が設けられ、開口部6に並行して側面傾斜部2bには燃料供給用の開口部8(貫通部位に相当)が設けられている。
頂部2aの前方側には、シリンダヘッドカバー2の外部にカム角センサが配置されるが、このカム角センサの検出部を、シリンダヘッドカバー2内部のカムシャフトに設けたロータに向けて配置するための挿入口部10(配置部位に相当)が形成されている。
シリンダヘッドカバー2の周辺部には、シリンダヘッドカバー2全体をエンジンのシリンダヘッドにボルト締結して固定するためのシリンダヘッド取り付け部位としてのボルト締結孔2cが形成されている。
このシリンダヘッドカバー本体4内には、図2に破線で示すごとく、シリンダヘッドカバー本体4が一体成形される際に同時にインサート成形にて、図6,7に示すフレーム部材12が配置されている。図6はフレーム部材12の斜視図、図7は平面図である。
フレーム部材12は金属製、ここでは鉄合金製であり、例えば鉄板の打ち抜き及びプレス加工により成形されている。フレーム部材12の形状は、脚状前後接続部14、脚状左右接続部16及び2種の環状部18,20とから構成されている。
脚状前後接続部14は、シリンダヘッドカバー2の前方側に設けられるボルト締結孔2cから、後方側に設けられるボルト締結孔2cまでのシリンダヘッドカバー本体4の形状に対応させて長尺の板状に形成されている。すなわち中間部分を梁状とし両端部分を脚状とすることで、梁を兼ねた脚状接続部として形成されている。更にボルト締結孔2cに対応させて、脚状前後接続部14の前端側と後端側とにそれぞれ貫通孔14a,14bが設けられている。又、脚状前後接続部14は、シリンダヘッドカバー2におけるカム角センサを取り付けるための挿入口部10部分も通過しており、この挿入口部10に適合した貫通孔14cを形成している。
脚状左右接続部16は、シリンダヘッドカバー2の左側に設けられるボルト締結孔2cから、右側に設けられるボルト締結孔2cまでのシリンダヘッドカバー本体4の形状に対応させて長尺の板状に形成されている。すなわち中間部分を梁状とし両端部分を脚状とすることで、梁を兼ねた脚状接続部として形成されている。更にボルト締結孔2cに対応させて、脚状左右接続部16の左右端部にはそれぞれ貫通孔16a,16bが設けられている。そして脚状前後接続部14に対して直交状態で交叉した状態で一体に形成されている。
2種の環状部18,20はシリンダヘッドカバー2の開口部6,8に対応させて形成したものであり、開口部6,8の周り囲むように環状に形成されて開口部6,8の形状に対応させた貫通孔18a,20aを形成している。そして環状部18,20は脚状前後接続部14と一体化し、更に一部は脚状左右接続部16とも一体化している。
このようなフレーム部材12がシリンダヘッドカバー本体4内に埋設状態で配置されてシリンダヘッドカバー本体4と強固に接合し一体化された状態にある。このため、シリンダヘッドカバー2全体としては、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体4がほぼ全体を占めていても、樹脂よりも高剛性の金属からなるフレーム部材12により、特にフレーム部材12の埋め込み部分での剛性が高まる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).フレーム部材12は、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体4の全面に一体化しているわけではなく、前後左右の各1つのボルト締結孔2cと、燃料噴射弁F用の開口部6,8及びカム角センサ用の挿入口部10との間における狭い範囲での一体化である。
(イ).フレーム部材12は、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体4の全面に一体化しているわけではなく、前後左右の各1つのボルト締結孔2cと、燃料噴射弁F用の開口部6,8及びカム角センサ用の挿入口部10との間における狭い範囲での一体化である。
このためフレーム部材12とシリンダヘッドカバー本体4との熱膨張率差による膨張量や収縮量の差が増大することはないので、内燃機関の温度変化によってもシリンダヘッドカバー本体4に生じる歪みは小さく、経時によってもシリンダヘッドカバー本体4に亀裂や剥離を生じるおそれはない。
しかもフレーム部材12の配置がボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間であることにより、ボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間におけるシリンダヘッドカバー2の剛性が向上している。このため、樹脂製であるシリンダヘッドカバー本体4において温度変化や内圧変化が生じても、シリンダヘッドカバー2全体としてはボルト締結孔2cと開口部6,8及び挿入口部10との間の変形が十分に抑制される。
したがってシリンダヘッドカバー2は、燃料噴射弁Fの貫通部位及びカム角センサの配置部位である開口部6,8及び挿入口部10の位置精度を高く維持できる。このことから開口部6,8及び挿入口部10が規定の位置から外れることが防止でき、燃料噴射弁Fがシリンダヘッドに取り付けられていても、シリンダヘッドカバー2の取り外し作業や再取り付け作業が困難となるのを防止でき、更にカム角センサにおける検出精度低下を防止できる。
(ロ).特にフレーム部材12の環状部18,20が開口部6,8及び挿入口部10を環状に周りを取り囲んでいるので、開口部6,8及び挿入口部10の位置精度を一層高く維持できる。
(ハ).特にフレーム部材12の脚状前後接続部14及び脚状左右接続部16の各両端が、ボルト締結孔2cに配置されていることにより、シリンダヘッドに対する開口部6,8及び挿入口部10の配置設定が一層高くかつ確実なものとなる。このことにより燃料噴射弁F及びカム角センサの位置精度を、より高く確実なものとできる。
しかもこれら脚状前後接続部14及び脚状左右接続部16はシリンダヘッドカバー本体4において対向する2つのボルト締結孔2cの間を結ぶように形成されていることにより、シリンダヘッドに対する開口部6,8及び挿入口部10の位置決めがより強固となり、位置精度を高く維持できる。
特に、脚状前後接続部14及び脚状左右接続部16が直交状態に交叉しているので、シリンダヘッドに対する開口部6,8及び挿入口部10の位置決めがより強固となり、位置精度を効果的に維持できる。
[その他の実施の形態]
(a).図6に示したごとく前記実施の形態のフレーム部材12では脚状前後接続部14と脚状左右接続部16とが直交状態で交叉し一体化していたが、直交とは異なる角度で交叉し一体化した状態にフレーム部材を形成しても良い。
(a).図6に示したごとく前記実施の形態のフレーム部材12では脚状前後接続部14と脚状左右接続部16とが直交状態で交叉し一体化していたが、直交とは異なる角度で交叉し一体化した状態にフレーム部材を形成しても良い。
(b).前記実施の形態のごとく2本の脚状接続部を形成するのではなく、1本の脚状接続部でも良い。例えば図8のフレーム部材112に示すごとく脚状前後接続部114のみでも良い。又、図9のフレーム部材212に示すごとく2本とも脚状左右接続部216,218のみでも良い。又、図10のフレーム部材312に示すごとく、脚状前後接続部314の前端側を省略して、脚状左右接続部316の両端とで、3点支持としても良い。
図11のフレーム部材412に示すごとく1本の脚状前後接続部414の場合も両端側を左右に伸ばしても良い。
(c).前記実施の形態ではディーゼルエンジンの例であったが、ガソリンエンジンの場合でも良く、カム角センサについての配置部位は前記実施の形態と同じであり、同様な効果を生じる。
(c).前記実施の形態ではディーゼルエンジンの例であったが、ガソリンエンジンの場合でも良く、カム角センサについての配置部位は前記実施の形態と同じであり、同様な効果を生じる。
更に、ガソリンエンジンの場合には貫通部位としてはスパークプラグチューブを貫通させるための開口部が相当し、この場合も、樹脂製のシリンダヘッドカバー本体とフレーム部材との組み合わせにより、温度変化や内圧変化が生じても貫通部位の位置精度を高く維持でき、前記実施の形態と同様な効果を生じる。
(d).前記実施の形態のフレーム部材は鉄合金製であったが、アルミニウム合金製でも良く、この場合には更に軽量化することができる。
(e).脚状前後接続部や脚状左右接続部は長尺の板状であったが、棒状でも良く、パイプ状でも良い。
(e).脚状前後接続部や脚状左右接続部は長尺の板状であったが、棒状でも良く、パイプ状でも良い。
2…樹脂製シリンダヘッドカバー、2a…頂部、2b…側面傾斜部、2c…ボルト締結孔、4…シリンダヘッドカバー本体、6,8…燃料噴射弁用の開口部、10…カム角センサ用の挿入口部、12…金属製のフレーム部材、14…脚状前後接続部、14a,14b,14c…貫通孔、16…脚状左右接続部、16a,16b…貫通孔、18,20…環状部、18a,20a…貫通孔、112…フレーム部材、114…脚状前後接続部、212…フレーム部材、216,218…脚状左右接続部、312…フレーム部材、314…脚状前後接続部、316…脚状左右接続部、412…フレーム部材、414…1本の脚状前後接続部、F…燃料噴射弁。
Claims (11)
- 内燃機関に用いられる樹脂製シリンダヘッドカバーであって、
樹脂製のシリンダヘッドカバー本体と、
該シリンダヘッドカバー本体を形成する樹脂よりも高剛性の材料にて形成されるとともに、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で、前記シリンダヘッドカバー本体のシリンダヘッド取り付け部位から内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位にかけて形成されたフレーム部材と、
を備えたことを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。 - 請求項1において、前記シリンダヘッド取り付け部位はシリンダヘッドにボルト締結するための締結孔部分であることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1又は2において、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッド取り付け部位と前記内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位との間では、梁を兼ねた脚状に形成されていることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、前記内燃機関機能装置の配置部位又は貫通部位では、該部位の周りを囲んで環状に形成されている環状部を有することを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項4において、前記フレーム部材は、
前記シリンダヘッドカバー本体において対向する2つの前記シリンダヘッド取り付け部位の間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶ梁を兼ねた脚状接続部と、
該脚状接続部の中間位置で一体に形成された前記環状部と、
を備えたことを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。 - 請求項4において、前記フレーム部材は、
前記シリンダヘッドカバー本体の前後方向にて前側の前記シリンダヘッド取り付け部位と後側の前記シリンダヘッド取り付け部位との間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶ梁を兼ねた脚状前後接続部と、
前記シリンダヘッドカバー本体の左右方向にて左側の前記シリンダヘッド取り付け部位と右側の前記シリンダヘッド取り付け部位との間を、前記シリンダヘッドカバー本体に一体化した状態で結ぶと共に、前記脚状前後接続部とは交叉状態で一体に形成された梁を兼ねた脚状左右接続部と、
前記脚状前後接続部及び前記脚状左右接続部の一方又は両方の中間位置で一体に形成された前記環状部と、
を備えたことを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。 - 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、前記シリンダヘッドカバー本体を樹脂にて一体成形する際にインサート成形することにより前記シリンダヘッドカバー本体に一体化されていることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記フレーム部材は、金属製であることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置は燃料噴射弁であり、該燃料噴射弁は前記シリンダヘッドカバー本体を貫通してシリンダヘッドに配置されていることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置はスパークプラグチューブであり、該スパークプラグチューブは前記シリンダヘッドカバー本体を貫通してシリンダヘッドに配置されていることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記内燃機関機能装置はカム角センサであり、該カム角センサは前記シリンダヘッドカバー本体に配置されていることを特徴とする樹脂製シリンダヘッドカバー。
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