JP2007238528A - 含フッ素アリルアルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを原料として、有用な医農薬中間体である含フッ素アリルアルコールを製造する。
【解決手段】1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、該1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルあたり1.65モル以上の「アルカリ金属、有機金属化合物、有機金属塩から選ばれる塩基」に対して添加し、反応混合物を得る。次いで、該反応混合物に、カルボニル化合物を反応させ、目的物を得る。
なお当該反応において、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル系溶媒を用いると、特に高い収率で目的物を得ることができる。

Description

本発明は、医薬もしくは農薬の中間体として有用な、含フッ素アリルアルコールの製造方法に関する。
トリフルオロメチル基を有するアリルアルコールは、クライゼン転位反応やディールズ・アルダー反応の基質を始めとして、広範な反応に利用することが可能な高汎用性物質であり、しかも分子内に塩素原子を有していることから、この原子を基点とする更なる変換反応も可能となる。
含フッ素アリルアルコールの製造法としては、3,3,3−トリフルオロプロピンや1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンから出発して、一旦含フッ素プロパルギルアルコールとし、それを還元する方法が最も一般的である。プロパルギルアルコールの合成に関して非特許文献1では、3,3,3−トリフルオロプロピンをグリニャール試薬(以下Grignard試薬と記す)で処理して対応するアセチリドとし、これをアルデヒド類と反応させている。非特許文献2では、n−ブチルリチウム(n−BuLi)を含むエーテル溶液に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを加え、発生したアセチリドをベンズアルデヒドで捕捉している。非特許文献3と特許文献1では、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを反応させて、生成したアセチリドをカルボニル化合物に求核攻撃させている。
このようにして製造したプロパルギルアルコールを、Red−Alなどの還元剤を用いることで、アリルアルコールを製造することが可能であるし、また、非特許文献4では、酢酸パラジウムを用いた接触水素添加反応により、アリルアルコールを製造している。より一般的には、Wittig反応により、α,β−不飽和ケトンやエステルを得、それを還元することで望むアリルアルコールを調製することができる。
特開平7−07215899号公報 Tetrahedron Lett.,1984,25,4749−4752 Chem. Commun.,2002,2420−2421 J. Org. Chem.,1995,60,6046−6056 Tetrahedron Lett.,2001,42,9051−9053
トリフルオロメチル基を有するアリルアルコールは、上記のように、対応するプロパルギルアルコールの立体選択的な還元を経て、E体またはZ体のアリルアルコールへと変換するのが主な合成経路である。例えば、Red−Alなどの還元剤を用いることで、E体のアリルアルコールへと変換できるが、トリフルオロメチル基を有するプロパルギルアルコールの場合には、生成したアリルアルコールが、更にヒドリドのSN2’型の攻撃を受けることで、ジフルオロモノアリルアルコールが副生することが大きな問題点であり、副生物が構造的に類似しているために、その精製はかなり煩雑であった。また、非特許文献4では酢酸パラジウムを用いた、プロパルギルアルコールからアリルアルコールが得られることを報告しているが、一般式(4)で示される構造
Figure 2007238528
のうちで、Rがアルキル基の場合しか明示されていない。
一方、Wittig型の反応では、常にE体とZ体の混合物が生成する可能性があり、その比率は反応条件や用いる基質の構造に大きく依存することとなる。更には、上記のような各手法においても、二重結合上に他の官能基を有するようなアリルアルコールを立体選択的に調製することは、非常に困難である。
さらに、上記各方法の中間原料となる、式(4)で表されるプロパルギルアルコールを調製することも一般に困難である。
非特許文献1に記載されている3,3,3−トリフルオロプロピンをアルキルリチウムや適当なGrignard試薬等で処理して対応するアセチリド(CF3−C≡C-)へと変換し、これをカルボニル化合物と反応させる方法は、原料の3,3,3−トリフルオロプロピンが非常に高価であり、かつガス状物質であるため、取り扱いに難があった。
非特許文献2に記載されている、n−ブチルリチウム(n−BuLi)を含むエーテル溶液に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを加え、発生したアセチリドをベンズアルデヒドで捕捉する方法は、アセチリドを発生するためにn−BuLiを3倍モル以上使用する必要があり、しかも脱フッ素化を伴う反応であることから設備的な負荷がかかる。また1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの沸点が15℃であることから、通常の試薬のように用いることは困難である。
非特許文献3と特許文献1に記載されている、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対し、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)を作用させ、生成したアセチリドをカルボニル化合物に求核攻撃させる方法は、小規模で行うには優れた方法である。しかし、原料の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンが、3,3,3−トリフルオロプロペンから2段階の煩雑な操作を経て合成される化合物であるため、経済的に必ずしも有利とはいえない。
こうしたことから、安価で取り扱いやすい物質から、簡便にかつ高立体選択的に含フッ素アリルアルコールを合成する手法の開発が望まれていた。
本発明者が鋭意検討した結果、代替フロンの原料として、安価にかつ大量に入手できる1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを原料とし、これを有機金属化合物などの塩基を含む系に、特定条件下で添加して反応させ、得られた反応混合物を引き続き、カルボニル化合物と反応させることにより、目的とする含フッ素アリルアルコールを製造できることを見出して、本発明を完成するに至った。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、非特許文献3の出発原料2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに比べて、ハロゲンの種類が塩素であり、またその置換位置が1位である点でのみ異なる。しかしながら、その挙動は、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンとは大きく異なる。
すなわち、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルを、塩基を含む反応系に添加し、次いでカルボニル化合物を作用させる方法を行うにあたり、該塩基の量を1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対して「1.65モル以上」に設定することにより、非特許文献3とは全く異なる反応が起こり、一般式(3)
Figure 2007238528
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、(E)−2−フェニルビニル基、R3基もしくはR3O基を有するフェニル基(R3は炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基またはベンジル基を表す)、R45N基を有するフェニル基(R4およびR5はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)、並びにハロゲンを含むフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。]
で表される含フッ素アリルアルコールが高収率で得られることが判明した。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンにアルカリ金属、有機アルカリ金属または有機アルカリ金属塩等の塩基を作用させてアニオンとし、それとアルデヒドやケトンなどを反応させた例はこれまでにない。
さらに、発明者らは、これら一連の反応(アセチリド生成反応および含フッ素プロパルギルアルコール生成反応)を、テトラヒドロフランに代表される環状エーテル、ジエチルエーテルに代表される鎖状エーテル等、或いはヘキサメチルホスホルアミドなどの、非プロトン性極性溶媒を用いて行うことで、特に好適に進行させることができ、目的物を特に高い選択率で得られるという知見も得、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の2つのステップを含む、一般式(3)で表される含フッ素アリルアルコールの製造方法である。
[ステップ1]一般式(1)
Figure 2007238528
で表される1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、
「アルカリ金属、有機金属化合物および、有機金属塩からなる群より選ばれる塩基」を含む系中に添加するステップであって、
該塩基の量が、該1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対し、1.65モル以上であることを特徴とするステップ。
[ステップ2]ステップ1で得られた反応混合物と、
一般式(2)
Figure 2007238528
で表されるカルボニル化合物とを反応させ、一般式(3)
Figure 2007238528
で表される含フッ素アリルアルコールを得るステップ。
[式(1)〜(3)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、(E)−2−フェニルビニル基、R3基もしくはR3O基を有するフェニル基(R3は炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)、R45N基を有するフェニル基(R4およびR5はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)、並びにハロゲン基を有するフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。]
安価かつ容易に入手でき、取り扱いが比較的容易な1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを出発原料として、医薬、農薬の中間体として重要な含フッ素アリルアルコールの効率的な製造が可能になるという効果を奏する。
次に本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明は、代替フロン原料として入手の容易な一般式(1)で表される1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、該1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対し1.65モル以上の「アルカリ金属、有機金属化合物および、有機金属塩からなる群より選ばれる塩基」を含む系中に添加して、反応混合物を形成し(ステップ1)、次いで該反応混合物を、一般式(2)で表されるカルボニル化合物と反応させる(ステップ2)ことによって達成される。
原料として用いられる1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、HCFC−1233とも呼ばれ、E体の化合物(HCFC−1233t)、Z体の化合物(HCFC−1233c)、もしくはこれらの混合物を意味し、何れも好適に使用できる。
目的物である、式(3)で表される含フッ素アリルアルコールにも、式(3a)で表されるE体の化合物、式(3b)で表されるZ体の化合物とがある。
Figure 2007238528
Figure 2007238528
前者は、HCFC−1233tを原料に用いたときに生成し、後者は、HCFC−1233cを原料としたときに生成する。すなわち、本発明において、式(1)で表される化合物の立体化学は良好に保持される。
塩基としては、アルカリ金属、有機金属化合物及び有機金属塩からなる群より選ばれる塩基が用いられる。この中で、アルカリ金属としては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウムが好ましい。有機金属化合物及び有機金属塩を構成する金属としては、アルカリ金属が好ましい。具体的に有機金属化合物としては、メチルリチウム(MeLi)、プロピルリチウム、ブチルリチウム(n−C49Li、sec−C49Li、t−C49Li)に代表される炭素数1〜6のアルキルリチウムが好ましい。これに対し、有機金属塩としては、MNR67(Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムから選ばれる金属種で、R6およびR7はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、またはSiR8910(R8、R9およびR10はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)を表す)で表される金属アミド塩が挙げられ、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラジドが好ましい。
これらの中でも、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、炭素数1〜6のアルキルリチウム、およびMNR67(M、R6およびR7はそれぞれ前記に同じ。)からなる群より選ばれる塩基は好ましい。
中でもメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)及びリチウムヘキサメチルジシラジド([(CH33Si]2NLi)が特に好ましい。
本発明において、塩基の量は非常に重要である。すなわち、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対する塩基の量は1.65モル以上である。
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対して反応させる塩基の量が1.65モル未満であると、含フッ素アリルアルコールはほとんど得られなくなり、一般式(4)
Figure 2007238528
[式中、R1ならびにR2の意味は前記に同じ。]
で表される含フッ素プロパルギルアルコールが高い選択率で生成する。すなわち、塩基の量をコントロールすることは、式(3)で表される目的物を製造する上できわめて重要である。
なお、塩基の量に上限は特にないが、5モルを超えて用いても反応に関与しない塩基が増えるだけであるから、塩基は5モル以下とすることが好ましい。塩基の量は1.70モル以上2.50モル以下であることは好ましく、中でも1.70モル以上2.0モル以下であることは一層好ましい。
反応温度は、通常、−120℃〜−50℃、好ましくは−100℃〜−70℃の範囲である。
本発明の反応は、水、アルコール等のプロトン性溶媒の存在しない(概ね100ppm以下、好ましくは50ppm以下)条件下で行われる。反応は、非プロトン性極性溶媒存在下、行うことが好ましい。これらの溶媒としては、テトラヒドロフランに代表される炭素数4〜6の環状エーテル(テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなど)、ジエチルエーテルに代表される炭素数4〜8の鎖状エーテル(ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジt−ブチルエーテルなど)、またはヘキサメチルホスホルアミドを用いるのが好ましい。これらの中ではテトラヒドロフランが特に好ましい。また、これらの溶媒の混合物を使用することができる。溶媒の選定方法として、後工程の反応および分離に配慮することが薦められる。
なお、本発明では水が反応を阻害するため、好ましくは、溶媒は脱水グレード(無水グレード)か、予め合成ゼオライト等で脱水処理し、水の含有量を100ppm以下(好ましくは50ppm)としたものが推奨される。通常は、前記塩基を、上述の溶媒に溶解しておき、この溶液に対して、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを添加する。この方法によって、反応を特に円滑に実施することができる。
反応時間については特に制限はなく、TLC(薄層クロマトグラフィー)またはガスクロマトグラフィー等で反応の進行状況を確認し、終点に近づいたことを確認した後、反応工程を終了することが好ましい。
本発明の反応を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、ガラスグラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
本発明を実施する方法は限定されるものではないが、望ましい態様の一例につき、詳細を述べる。反応条件に耐えられる反応器に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを溶媒であるテトラヒドロフランに混合してから−80℃近傍に冷却し、メチルリチウムなどの塩基をゆっくり添加した後30分ほど同じ温度で撹拌を継続する。
この系に適当なカルボニル化合物を加え、−80℃近傍で1時間程度撹拌する。反応は、塩酸等を加えることにより終結する。有機溶媒に抽出後、有機相を乾燥し、溶媒を留去することにより、粗生成物が得られる。
得られた化合物は、カラム分離、減圧蒸留等の既存の方法にて精製が可能である。カラム分離法は特に限定されないが、通常、充填剤としてシリカゲルを用いて溶媒で展開させる方法が一般的である。溶媒としては、酢酸エチル/ヘキサンの混合溶媒を用いることができる。
このように、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対して、塩基や溶媒がこのような影響を及ぼすことは当業者に知られておらず、しかも収率ならびに選択性良く、目的物を製造できることは容易に予想できることではなかった。
[実施例]
以下、具体的に、実施例を示して、より詳細に説明するが、実施態様はこれに限定されない。
アルゴン置換した30mL二口ナス型フラスコにテトラヒドロフラン(THF)5mLを入れて、−80℃に冷却し、そこに1.65mLのメチルリチウム(MeLi)のエーテル溶液(1M,1.65mmol)を加えた。そこに、(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン0.10mL(0.99mmol)を滴下し、30分攪拌を行った。この溶液にベンズアルデヒドを0.125mL(1.23mmol)導入して、更に1時間攪拌を続けた。10mLの水を加えて反応を停止させた後、酢酸エチル(20mLを3回)で抽出を行い、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過により乾燥剤を除去した後に、エバポレーターで濃縮を行い、n−ヘキサンと酢酸エチルを8:1の比率で混合した溶媒を展開液として用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、目的とする(E)−2−クロロ−4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−2−ブテノールを0.227g(0.96mmol)単離することができた。収率97%。
1H NMRスペクトル(CDCl3,TMS)δ(ppm): 2.49(1H,d,J=7.2Hz),6.02(1H,d,J=7.2Hz),6.11(1H,q,J=7.8Hz),7.34−7.45(5H,m).
13C NMRスペクトル(CDCl3,TMS) δ(ppm): 70.61(q,J=1.9Hz),118.64(q,J=36.0Hz),121.58(q,J=271.0Hz),125.81,128.50,138.02,149.93(q,J=6.2Hz).
19F NMRスペクトル(CDCl3,C66)δ(ppm): −56.75(d,J=9.0Hz).
IRスペクトル(neat): ν 640,650,700,720,760,820,850,920,1020,1050,1090,1120,1150,1260,1300,1320,1380,1450,1500,1610,1650,3030,3060,3330cm−1
実施例1で化合物(2)として用いたベンズアルデヒドの代わりに、以下の表1に示す化合物を用い、同様の操作を行った結果、相当する化合物を得た。結果を表1に示す。
Figure 2007238528
Figure 2007238528
実施例1と同じ反応基質を用い、メチルリチウムの量のみを変更し、他は同一の条件、操作で反応を行った。メチルリチウムとしては、実施例1と同じく1M溶液を用い、その溶液の添加量を変更することで、該塩基の添加量を調節した。
得られた結果を次の表2に示し、図1に図示する。
Figure 2007238528
Figure 2007238528
Figure 2007238528
実施例3の結果を、横軸を「MeLiの(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対するモル量」、縦軸を「プロパルギルアルコール(5)」または「アリルアルコール(6)の収率(%)」として、表示したものである。

Claims (4)

  1. 次の2つのステップを含む、一般式(3)で表される含フッ素アリルアルコールの製造方法。
    [ステップ1]一般式(1)
    Figure 2007238528
    で表される1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを、
    「アルカリ金属、有機金属化合物および、有機金属塩からなる群より選ばれる塩基」を含む系中に添加するステップであって、
    該塩基の量が、該1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン1モルに対し、1.65モル以上であることを特徴とするステップ。
    [ステップ2]ステップ1で得られた反応混合物と、
    一般式(2)
    Figure 2007238528
    で表されるカルボニル化合物とを反応させ、一般式(3)
    Figure 2007238528
    で表される含フッ素アリルアルコールを得るステップ。
    [式(1)〜(3)において、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、(E)−2−フェニルビニル基、R3基もしくはR3O基を有するフェニル基(R3は炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)、R45N基を有するフェニル基(R4およびR5はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)、並びにハロゲン基を有するフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。]
  2. 請求項1において、塩基が金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、炭素数1〜6のアルキルリチウム、およびMNR67(Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムから選ばれる金属種で、R6およびR7はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、またはSiR8910(R8、R9およびR10はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)を表す)からなる群より選ばれる塩基であることを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素アリルアルコールの製造方法。
  3. 請求項1において、塩基が金属リチウム、炭素数1〜6のアルキルリチウム、およびLiNR67(R6およびR7はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ベンジル基、またはSiR8910(R8、R9およびR10はそれぞれ独立に炭素数が1から10の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基を表す)を表す)からなる群より選ばれる塩基であることを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素アリルアルコールの製造方法。
  4. 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと塩基との反応および、該操作で得られた反応混合物とカルボニル化合物との反応を、環状エーテル、鎖状エーテルおよびヘキサメチルホスホルアミドからなる群より選ばれる溶媒の存在下で行うことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の含フッ素アリルアルコールの製造方法。
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