JP2007238427A - 被覆粒状有機肥料 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機系肥料、化学合成緩効性窒素肥料双方の性能を十分に発揮でき、かつ肥効を制御できる被覆粒状有機肥料を提供する。
【解決手段】化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子を芯とし、そのまわりを有機系肥料で被覆し成形してなる被覆粒状有機肥料であり、化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子の粒径が0.5〜4.5mmである被覆粒状有機肥料。
【選択図】 なし

Description

本発明は被覆粒状有機肥料に関する。詳しくは、化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子を芯とする被覆粒状有機肥料に関する。
近年、持続可能な環境保全型農業への取り組みが推進されており、農作物の栽培法は、従来の化成肥料を多く施用する栽培法から、省力かつ施肥効率のよい栽培法へ移行している。食品の安全の観点からは、地産地消、循環型の社会構造の構築が緊急の課題とされている。一方では、消費者の有機指向は市場ニーズとして大きくなりつつある。
堆肥に代表される有機系肥料は、地力向上や資源の循環という観点からは、その利用を推進すべきである。しかしながら、使用する農家の立場からみれば、有機系肥料を用いた場合、施肥等の作業は決して省力的と言えるものではなく、また、化学肥料と比べた場合そのコストパフォーマンスは決していいものとは言いがたい。有機系肥料の使用において、特に多量に施肥した場合には、有機系肥料に含まれる肥料成分が植物体に利用されないまま環境中へ流亡することもあり、有機系肥料の使用は地下水汚染の一因であると考えられている。
上記のような有機系肥料の使用上の課題を解決すべく、有機系肥料と化学合成緩効性窒素肥料を一体化した有機緩効性肥料(粒状肥料、特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、そのような粒状肥料は、粒状肥料中の全リン酸や水溶性リン酸の含有割合によっては、化学合成緩効性窒素肥料の無機化が進行し、化学合成緩効性窒素肥料の肥効制御が困難になる虞がある(特許文献2参照)。すなわち、前述の有機系肥料の場合と同様、植物体に利用されないまま環境に流亡する可能性がある。
有機系肥料、化学合成緩効性窒素肥料双方の単独の効果に関しては明らかになりつつあるが、それらの相互作用に関しては未解明な点が多く、優れた肥効を有する有機緩効性肥料が得られていないのが現状である。
特開平6−116075号公報 特開2003−212682号公報
本発明は、例えば、有機系肥料、化学合成緩効性窒素肥料双方の性能を十分に発揮できる、肥効の制御が容易である等の有利な効果を有する有機緩効性肥料を提供することを課題とする。
本発明者等は、前述の課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、粒径0.5〜4.5mmの化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子(以下、化学合成緩効性窒素肥料粒子という)を芯とし、そのまわりを有機系肥料で被覆し成形した被覆粒状有機肥料は、単に化学合成緩効性窒素肥料と有機系肥料とを原料粉の状態で混合して造粒した粒状肥料に比べ(1)肥効期間が長いこと、(2)その肥効の制御が容易であること、(3)良好な肥効を有する安価な有機系肥料であること、(4)この被覆粒状有機肥料に全リン酸や撥水性物質を特定の割合で含量させることにより、肥効の制御が可能となること、更に(5)化学合成緩効性窒素肥料粒子に難水溶性リン酸質肥料や撥水性物質を特定の割合で含有させることにより、より高い精度で肥効の制御が可能となること等を見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は、以下によって構成される。
(1)化学合成緩効性窒素肥料粒子(化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子)を芯とし、そのまわりを有機系肥料で被覆し成形してなる被覆粒状有機肥料であり、化学合成緩効性窒素肥料粒子の粒径が0.5〜4.5mmである被覆粒状有機肥料。
(2)化学合成緩効性窒素肥料が、脂肪族アルデヒド縮合尿素である前記(1)記載の被覆粒状有機肥料。
(3)脂肪族アルデヒド縮合尿素が、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、グリオキサール縮合尿素、及びホルムアルデヒド加工尿素肥料の群から選ばれた少なくとも1種である前記(1)または(2)記載の被覆粒状有機肥料。
(4)脂肪族アルデヒド縮合尿素が、アセトアルデヒド縮合尿素である前記(2)記載の被覆粒状有機肥料。
(5)被覆粒状有機肥料が、全リン酸をP換算で、被覆粒状有機肥料に対して0.01〜5重量%含有する前記(1)〜(4)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(6)化学合成緩効性窒素肥料粒子が、含有する化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対して、難水溶性リン酸質肥料をP換算で0.01〜5重量部含有する前記(1)〜(5)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(7)難水溶性リン酸質肥料が、リン鉱石、熔成リン肥、及び焼成リン肥から選ばれた1種以上である前記(6)記載の被覆粒状有機肥料。
(8)化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対する水溶性リン酸含有割合が、P25換算で0.5重量部以下である前記(1)〜(7)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(9)被覆粒状有機肥料が、撥水性物質を被覆粒状有機肥料に対して0.1〜20重量%含有する前記(1)〜(8)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(10)化学合成緩効性窒素肥料粒子が、撥水性物質を化学合成緩効性窒素肥料粒子に対して0.1〜20重量%含有する前記(1)〜(8)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(11)被覆粒状有機肥料の平均粒径が、2〜15mmである前記(1)〜(10)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
(12)粒径が0.5〜4.5mmである化学合成緩効性窒素肥料粒子の表面に、転動造粒法または攪拌型混合造粒法によって、有機系肥料を被覆することを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料の製造方法。
本発明の被覆粒状有機肥料は、1)有機系肥料と化学合成緩効性窒素肥料の接触面積を最小限に抑えつつ一体化させるので、双方の特性を互いに抑制することがなく、長期間安定的に窒素成分を供給することが可能であるとともに、2)肥効の制御が容易であり、3)芯である化学合成緩効性窒素肥料粒子のまわりを有機系肥料で被覆するだけで得られるため安価であり、4)更に、この被覆粒状有機肥料に全リン酸を特定の割合で含量させることにより、高い精度で肥効の制御が可能となる、等の優れた効果を有する。
本発明の被覆粒状有機肥料は、粒径0.5〜4.5mmの化学合成緩効性窒素肥料を主成分(一番多い成分)として含有する粒子(化学合成緩効性窒素肥料粒子)を芯とし、そのまわりを有機系肥料で被覆し成形して得られる。被覆粒状有機肥料の粒径は、取り扱いの容易さや均一な施肥の実現の点から、2〜15mmが好ましく、2.3〜6mmがより好ましい。
化学合成緩効性窒素肥料は、有効成分の溶出が、肥料が受ける化学分解の速度に依存する肥料である。具体的には、財団法人農林統計協会発行の「ポケット肥料要覧 2004」(p.104)に記載されている、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料、グリオキサール縮合尿素、やメチロール尿素重合肥料等の脂肪族アルデヒド縮合尿素や、オキサミド、硫酸グアニル尿素等である。これらの中では脂肪族アルデヒド縮合尿素が好ましい。
脂肪族アルデヒド縮合尿素は、特に限定されず、直鎖状、分岐のある鎖状、環状等の何れの分子構造を持つ脂肪族アルデヒド縮合尿素であっても使用することができる。具体的には、肥料取締法(普通肥料の公定規格、肥料の種類)に記載のアセトアルデヒド縮合尿素(CDUまたはOMU)、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)、メチロール尿素重合肥料、ホルムアルデヒド加工尿素肥料、グリオキサール縮合尿素等を挙げることができる。本発明においては、これらのうち1つ以上を任意に選択し使用すればよい。好ましくはアセトアルデヒド縮合尿素の1種である2−オキソ−4−メチル−6−ウレイドヘキサヒドロピリミジン(以下、「CDU」という)、イソブチルアルデヒド縮合尿素、メチロール尿素重合肥料であり、特に好ましくはCDUである。
化学合成緩効性窒素肥料粒子の原料となる化学合成緩効性窒素肥料が粉状である場合、その粒径は、化学合成緩効性窒素肥料粒子製造時の取り扱いの面、他原料との混合性、造粒性の面から1〜200μmの範囲であることが好ましい。
本発明の被覆粒状有機肥料に含有される化学合成緩効性窒素肥料の割合は、特に限定されないが、被覆粒状有機肥料に対して5〜70重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは15〜70重量%の範囲である。この範囲であれば、化学合成緩効性窒素肥料としての特性が得られやすい。
化学合成緩効性窒素肥料の緩効性を維持するという観点から、被覆粒状有機肥料に含まれるリン酸は、全リン酸としてP換算で0.01〜5重量%の範囲であることが好ましい。肥効制御の観点から、被覆粒状有機肥料に含まれる水溶性リン酸は極力少ないことが好ましい。
尚、全リン酸含有量はキノリン重量法(第2改訂詳解肥料分析法、(株)養賢堂発行、に記載の方法)で測定することができる。
但し、難水溶性リン酸質肥料を、被覆粒状有機肥料の芯である化学合成緩効性窒素肥料粒子中に含有させることは、化学合成緩効性窒素肥料、特に脂肪族アルデヒド縮合尿素を土壌中で分解する微生物の増殖を促し、無機化を促進して肥効を十分発揮させるという観点から好ましい。難水溶性リン酸質肥料は、難水溶性で、植物に対してその正常な発育のために必要なリン酸成分を供給することが可能なものであれば特に限定されない。
難水溶性リン酸質肥料は、如何なる形態で化学合成緩効性窒素肥料粒子に加えられても良い。本発明における難水溶性リン酸質肥料とは、20℃の水に対する溶解度が5g/100mL以下のリン酸質肥料である。そのような溶解度を有する難水溶性リン酸質肥料としては、例えば、熔成リン肥、加工リン酸肥料、腐植酸混合リン肥、焼成リン肥、レナニアリン肥、副産リン酸二石灰、副産リン酸三石灰、トーマスリン肥、メタリン酸加里、メタリン酸石灰、メタリン酸苦土、メタリン酸加里苦土、リン鉱石等である。この中でも、熔成リン肥、焼成リン肥、リン鉱石は、特に水溶解度が低いため好ましい。
本発明において、化学合成緩効性窒素肥料粒子に添加する難水溶性リン酸質肥料の添加割合は特に限定されるものではないが、該粒子に含まれる化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対し、P換算で0.01〜5重量部の範囲であることが好ましい。難水溶性リン酸質肥料の添加割合がこの範囲内であれば、化学合成緩効性窒素肥料の無機化速度の制御を効果的に行うことが可能である。
難水溶性リン酸質肥料は、その難水溶性リン酸質肥料を下記式で示される重量比で30℃の2重量%クエン酸水溶液に浸漬後、含有するリン酸成分の80重量%が該クエン酸水溶液に溶出するのに要する時間が0.1〜2000分の範囲である溶出特性を有するものであることが特に好ましい。
式:難水溶性リン酸質肥料/2重量%クエン酸水溶液(重量比)=0.013
リン酸成分のクエン酸水溶液への溶出時間は、具体的には次のような方法で測定することができる。300mL容のポリ瓶に難水溶性リン酸質肥料2gと30℃に加熱した2重量%クエン酸水溶液150mLを入れ、30℃の振とう恒温槽で振とうする。経時的に該クエン酸水溶液の上澄みを少量ずつ取り、水で希釈後、希釈液中のリン酸成分をイオンクロマトグラフィーによって定量後、溶出曲線を作成することにより、該難水溶性リン酸質肥料が含有するリン酸成分の80重量%が溶出するまでに要した時間を求めることができる。
該溶出時間が0.1〜2000分の範囲であれば、化学合成緩効性窒素肥料、特に脂肪族アルデヒド縮合尿素の無機化速度を容易に制御することが可能である。
難水溶性リン酸質肥料の該溶出時間が0.1〜2000分の範囲であるためには、該難水溶性リン酸質肥料は水に対する溶解度が低く、単一の結晶で構成されていることが好ましい。更に、形状が粒子状である場合には粒子内に空隙が少ないものであることが好ましい。
難水溶性リン酸質肥料の溶出時間を0.1〜2000分の範囲に調節する方法は、特に限定されないが、例えば、難水溶性リン酸質肥料を粒子状としその粒径を調節する方法、粒子状の難水溶性リン酸質肥料の表面を水不溶性または疎水性の物質で被覆する方法、及び、難水溶性リン酸質肥料の微粉末とそれ以外の水不溶性または疎水性の微粉末とを混合・造粒する方法等を挙げることができる。
そのうち、難水溶性リン酸質肥料を粒子状としその粒径を調節する方法は、比較的簡便に実施可能であり好ましい。その際の粒径は使用する難水溶性リン酸質肥料の種類や、要求される溶出時間によって異なるが、製造面、或いは化学合成緩効性窒素肥料、特に脂肪族アルデヒド縮合尿素の無機化速度調節の面から0.01〜0.5mmの範囲であることが好ましい。
尚、難水溶性リン酸質肥料は、水溶解度の低いリン酸化合物を主成分とするものであっても良い。水溶解度の低いリン酸化合物を主成分とする難水溶性リン酸質肥料とは、例えば、水溶性のリン酸化合物を固定化し難水溶性にしたもの、粒子状のリン酸化合物の表面を水不溶性または疎水性の物質で被覆したもの、リン酸化合物の微粉末とそれ以外の水不溶性または疎水性の微粉末とを混合・造粒したもの等である。
本発明の肥料においては、水溶性リン酸が化学合成緩効性窒素肥料粒子にある程度以上存在すると、本発明の効果を損なう場合があることから、化学合成緩効性窒素肥料粒子に含まれる水溶性リン酸の含有割合は、該粒子に含まれる化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対して、P25換算で0.5重量部以下であることが好ましい。この観点からも、本発明に使用する難水溶性リン酸質肥料は、リン鉱石及び/または熔成リン肥であることが好ましい。水溶性リン酸の含有割合は、バナドモリブデン酸アンモニウム法(第2改訂詳解肥料分析法、(株)養賢堂発行、に記載の方法)で測定することができる。
芯となる化学合成緩効性窒素肥料粒子の粒径は、0.5〜4.5mmであり、好ましくは、0.7〜2.8mmである。粒径が上記の範囲であれば、肥効が長く持続し、有機系肥料の割合も十分で、粒子の取り扱いも容易である。
また、本発明の被覆粒状有機肥料1粒の中に、化学合成緩効性窒素肥料粒子は1粒以上入っていればよく、好ましくは1〜10粒である。
本発明で用いられる有機系肥料とは、動植物に由来する有機物を含有するものであり、肥料取締法で規定される有機質肥料、汚泥肥料等及び特殊肥料を意味する。
有機質肥料とは、例えば魚かす粉末、干魚肥料粉末、魚節煮かす、甲殻類質肥料粉末、蒸製魚鱗及びその粉末、肉かす粉末、肉骨粉、蒸製てい角粉、蒸製てい角骨粉、蒸製毛粉、乾血及びその粉末、生骨粉、蒸製骨粉、蒸製鶏骨粉、蒸製皮革粉、干蚕蛹粉末、絹紡蚕蛹くず等の動物性のもの、大豆油粕及びその粉末、菜種油粕及びその粉末、わたみ油粕及びその粉末、落花生油粕及びその粉末、ごま油粕及びその粉末、米ぬか油粕及びその粉末、その他の草本性植物油粕及びその粉末、とうもろこし胚芽油粕及びその粉末、たばこくず肥料粉末、豆腐かす乾燥肥料、乾燥菌体肥料等の植物性のもの、魚廃物加工肥料、副産動物質肥料、副産植物質肥料、加工家きんふん肥料、混合有機質肥料である。
汚泥肥料等とは、下水汚泥肥料、し尿汚泥肥料、工業汚泥肥料、混合汚泥肥料、焼成汚泥肥料、汚泥発酵肥料、水産副産物発酵肥料である。
特殊肥料とは、例えば魚かす、甲殻類質肥料、蒸製骨、肉かす、羊毛くず、米ぬか、はっこう米ぬか、はっこうかす、アミノ酸かす、くず植物油粕及びその粉末、草本性植物種子皮殻油粕及びその粉末、木の実油粕及びその粉末、コーヒーかす、くず大豆及びその粉末、たばこくず肥料及びその粉末、乾燥藻及びその粉末、落棉分離かす肥料、魚鱗、家きん加工くず肥料、はっこう乾ぷん肥料、人ぷん尿、動物の排せつ物、動物の排せつ物の焼却灰、堆肥が挙げられ、これらの中から1種以上選択して使用することができる。
有機系肥料の粒径は、均一な被膜の形成しやすさの面から0.1〜5mmの範囲であることが好ましい。
本発明の被覆粒状有機肥料には、本発明の効果を損なわない範囲で硝酸化成抑制剤を添加することができる。硝酸化成抑制剤とは、硝酸化成細菌によってなされるアンモニア態窒素の硝酸化成を抑制する物質である。具体的には、ジシアンジアミド、チオ尿素、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−メルカプトベンゾチアゾール、サルファーチアゾール、グアニルチオウレア、N−2,5−ジクロロフェニルサクシナミド酸、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール塩酸塩、2−[(N−ニトロ)メチルアミノ−1,3,4−チアジアゾール、5−メルカプト−1,3,4−トリアゾール、2−クロロ−6−(トリクロロメチル)ピリジン、トリクロロメチルメチルアミノトリアジン、2,4−ジクロロアニリン、及び2−トリクロロメチルキノリン等を挙げることができるが、これらに限るものではない。その中でもジシアンジアミドは、肥料である窒素成分を多量に含有し、安価であることから、本発明に好ましく使用することができる。
化学合成緩効性窒素肥料の無機化速度制御の面から、化学合成緩効性窒素肥料粒子に撥水性物質を含有させることが好ましい。撥水性物質によって、化学合成緩効性窒素肥料の土壌中における溶解を抑制し、また、被覆する有機系肥料に含まれるリン酸の影響を受けにくくして、化学合成緩効性窒素肥料の肥効を広い範囲で制御することが可能となる。
本発明に使用する撥水性物質は、水をはじく性質を有する物質であって、被覆粒状有機肥料に防湿性、防水性を付与することが可能な物質であれば特に限定されるものではないが、その中でも融点が60〜130℃の範囲、好ましくは60〜100℃の範囲である撥水性物質は、本発明に好ましく使用することが出来る。
該撥水性物質の融点が60℃以上であれば、本発明肥料の夏季における保存性が安定し、該融点が130℃以下であれば、本発明肥料の製造時に物温が130℃を超えるような熱処理を行う必要がなく、化学合成緩効性窒素肥料の製造時における分解が生じにくい。
撥水性物質は、例えば天然ワックス、及び合成ワックスから選ばれた1種以上を適宜使用するのが好ましい。天然ワックスとしては、キャデリンワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油ワックスが挙げられ、合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等である。この中でも、硬化ひまし油及びその誘導体が化学合成緩効性窒素肥料の無機化速度を制御するのに効果的である。
撥水性物質の含有割合は、化学合成緩効性窒素肥料粒子に対して好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%の範囲である。また、有機系肥料中に撥水性物質を含有させても良く、その場合の撥水性物質の含有割合は有機系肥料に対し0.1〜20重量%の範囲とすることが好ましい。すなわち、本発明の被覆粒状有機肥料における撥水性物質の含有割合は、0.1〜20重量%であることが好ましい。撥水性物質の含有割合が上記の範囲であれば、撥水性物質の効果が十分で製造コストの上昇が少ない。
本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記以外の成分を、被覆粒状有機肥料の原料として使用することができる。その成分は、例えば、各種造粒助剤、結合材等である。それらは、化学合成緩効性窒素肥料粒子に含有されても、有機系肥料に含有されてもよい。
造粒助剤としては、ベントナイト、クレイ、カオリン、セリサイト、タルク、酸性白土、軽石、珪砂、珪石、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト等の鉱物質、モミガラ、オガクズ、木質粉、パルプフロック、大豆粉等の植物質等を挙げることができる。本発明においては必要に応じてそれら造粒助剤の中から1種以上を選択して用いればよい。
結合材としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、グリセリン、ゼラチン、糖蜜、微結晶セルロース、ピッチ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アルミナゾル、セメント、ポリリン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、界面活性剤、デンプン、熱硬化性樹脂原料等を挙げることができる。本発明においては必要に応じてそれら結合剤の中から1種以上を選択して用いればよい。
本発明品の製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には、粒径0.5〜4.5mmの化学合成緩効性窒素肥料粒子を製造することによって芯となる粒子を得、次いでその表面を有機系肥料で被覆し、乾燥する方法を挙げることができる。
該化学合成緩効性窒素肥料粒子の製造方法は特に限定されるものではないが、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料、化学合成緩効性窒素肥料、及び水等を原料とする粒子を造粒し(造粒工程)、次いで該撥水性物質の融点以上500℃以下の温度である気体を用いて該粒子の乾燥を行う(乾燥工程)製造方法を挙げることができる。ただし、造粒物が有機系肥料の被覆時に(被覆工程)崩壊しない場合は、乾燥工程を経ずに有機系肥料による被覆をおこなっても良い。造粒工程後に乾燥を行わない場合は、被覆工程後に該撥水性物質の融点以上500℃以下の温度である気体を用いて乾燥を行う。
該造粒工程においては、先ず原料となる撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料、化学合成緩効性窒素肥料、及び水等の混合を行い、この混合物を所定の形状に造粒する。また、該被覆工程においては、原料となる有機系肥料粉末、撥水性物質、及び水等の混合を行い、該造粒物及びその乾燥物に被覆する。これらの際の原料混合方法としては、コンクリートミキサー等の回転容器型混合装置による対流混合や、攪拌混合造粒機等の固定容器型混合装置による攪拌等が挙げられ、状況に応じて適宜選択すれば良い。
原料に撥水性物質を使用する場合、混合時の該撥水性物質の状態は、スラリー状、粒子状、塊状、溶融状態、または溶液状態の何れかの状態であっても良いが、混合物の均一性の面から粒子状、溶融状態、或いは溶液状態であることが好ましく、その中でも特に製造時の取り扱い面や製造コストの面から粒子状であることが好ましい。
該撥水性物質が粒子状である場合の粒子径は、製造時の取り扱い面、他原料との混合性、造粒性の面から0.005〜1mmの範囲であることが好ましい。
該化学合成緩効性窒素肥料粒子の造粒方法は特に限定されるものではないが、転動造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型造粒法、押出造粒法、破砕型造粒法、流動層及び流動層多機能型造粒法等を挙げることができ、本発明においては、転動造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型混合造粒法、押出造粒法等によって造粒することが好ましい。
また、該化学合成緩効性窒素肥料粒子の表面を被覆する方法も特に限定されないが、転動造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型造粒法、押出造粒法、破砕型造粒法、流動層及び流動層多機能型造粒法等を挙げることができ、本発明においては、転動造粒法、攪拌型混合造粒法等によって被覆することが好ましい。
その中でも攪拌型混合造粒法は、原料の混合及び造粒、原料の混合及び被覆を、それぞれ1つの装置で行うことができ、更に温度条件の設定が容易であることから、本発明に好ましく使用することが出来る。該攪拌混合造粒機は、原料が適度に混合され造粒が可能な装置であれば特に限定されないが、本発明においては、パドル型、アンカー型、ゲート型、ダブルモーションパドル型、リボン型、スクリュー型から選ばれた攪拌羽根を持つ装置が特に好ましく使用することが出来る。
造粒工程及び被覆工程において、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料、化学合成緩効性窒素肥料、有機系肥料及び水等の原料の温度は特に限定されるものではないが、融点が60〜130℃の範囲内である撥水性物質を用いる場合において、該温度は該撥水性物質の融点より0〜40℃低い温度であることが好ましい。該温度はこの範囲である場合には、乾燥工程を経て得られる化学合成緩効性窒素肥料粒子内及び被覆層において撥水性物質が良好に拡散する。
乾燥工程において使用する気体は特に限定されるものではなく、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができ、その中でも空気は製造コストの面から好ましく本発明に使用することが出来る。
原料に撥水性物質を使用する場合、気体の温度は、用いる撥水性物資の融点以上であることが必須である。該融点以上の温度の気体を用いることにより、化学合成緩効性窒素肥料の無機化速度制御に対する撥水性物質の効果が増す。その理由は本発明肥料粒子に含まれる撥水性物質が溶融することにより、該粒子内及び被覆層において撥水性物質が更に拡散されるためであると考えられる。更に該気体の温度は高くとも500℃以下である。該温度が500℃を超えるときは、混合する化学合成緩効性窒素肥料が分解する場合がある。
本発明の肥料の製造方法においては原料として水を使用する。その際の水の割合は特に限定されるものではないが、該造粒工程においては、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料、及び化学合成緩効性窒素肥料等の水を除く原料の総量に対して5〜30重量%の範囲であり、該被覆工程においては、有機系肥料、撥水性物質等の水を除く原料の総量に対して5〜30重量%の範囲であることが好ましい。
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
1.脂肪族アルデヒド縮合尿素(CDU)の合成例
尿素60gを水60mLに溶解し、濃塩酸8.5mLを加え、氷冷下にアセトアルデヒド30gを滴下し、50℃で4時間攪拌しながら反応させ析出した結晶を濾過し、水で洗浄した後に減圧乾燥してCDU(純度99.9%以上)を得た。得られたCDUを篩い、目開き150μmの篩いの目をパスした粉粒体を以下の試験に用いた。
2.肥料成分分析
窒素(N):農林水産省農業環境技術研究所「肥料分析法(一九九二年版)」((財)日本肥糧検定協会、1992年12月発行)に従い、全窒素含有量は硫酸法等で測定した。また、CDU窒素含有量は、ジメチルアミノベンズアルデヒド法(「改訂詳解肥料分析法」、養賢堂、1973年1月発行、p.69−p.72に記載の方法)で測定した。
リン酸(P):農林水産省農業環境技術研究所「肥料分析法(一九九二年版)」((財)日本肥糧検定協会、1992年12月発行)に従い、全リン酸含有量はキノリン重量法で測定した。同様に、難水溶性リン酸はク溶性リン酸として抽出、測定した。
実施例、比較例で用いた有機系肥料の全窒素含有率、及び全リン酸含有率を表1に示す。
Figure 2007238427
全リン酸はP換算値
蒸製毛粉(羽毛):南国興産(株)製
菜種油かす:全農製
堆肥(牛ふん):JAいずみ有機1号(商品名)、鹿児島県いずみ農業協同組合製
3.被覆粒状有機肥料の製造
(1)化学合成緩効性窒素肥料粒子(芯)の製造
前記のCDU粉体89%、尿素(関東化学(株)製、試薬特級)5%、熔成リン肥(南九州化学工業(株)製、くみあい熔リン20−15−20(商品名)の篩分品(180μmの篩いを通り、150μmの篩いを通らないもの))1%、撥水性物質(カスターワックスFP(商品名)、小倉合成工業(株)製、硬化ひまし油、融点81℃)5%の割合で投入量の合計が20kgとなるように、容量50Lの球形混合機に投入し、内容物温度が50℃になるように加温しながら5分間混合して、混合物を得た。
ついで、該混合物1kgを直径120cmの回転皿型パン造粒機に入れ、40rpmの回転速度で該混合物を転動させながら水及び混合物を少量ずつ添加し、平均粒径が1.3mm程度になるまで造粒した。その際、内容物温度が50℃になるようにドライヤーで加温した。造粒後、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥し、更に、振動篩で分級して粒径が1.18〜1.40mmの化学合成緩効性窒素肥料粒子を得た。ここで、難水溶性リン酸質肥料の含有割合は、CDU100重量部に対してP換算で0.22重量部であった。また、水溶性リン酸の含有割合は、CDU100重量部に対してP換算で0.01重量部以下(検出限界以下)であった。
(2)被膜形成
実施例1
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(蒸製毛粉(羽毛)、南国興産(株)製)75%と前記化学合成緩効性窒素肥料粒子(粒径1.18〜1.40mm、窒素成分31%)25%を均一になるように混合し、造粒水としてポリビニルアルコール(商品名:PVA−117 重合度:1700 ケン化度:98〜99%、クラレ(株)製)3%水溶液を適宜供給しながら転動造粒機で造粒し、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥した。乾燥後、篩い分けして、粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素17.3%、全リン酸0.09%であった。
実施例2
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(菜種油かす、全農製)74%、結合材としてリグニンスルホン酸カルシウム(サンエキスP201(商品名)、日本製紙製)1%、前記化学合成緩効性窒素肥料粒子(粒径1.18〜1.40mm、窒素成分31%)25%を均一になるように混合し、水を適宜供給しながら転動造粒機で造粒し、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥した。乾燥後、篩い分けして、粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素11.5%、全リン酸1.7%であった。
実施例3
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(菜種油かす、全農製)70%、撥水性物質(カスターワックスFP(商品名)、小倉合成工業(株)製、硬化ひまし油、融点81℃)5%、前記化学合成緩効性窒素肥料粒子(粒径1.18〜1.40mm、窒素成分31%)25%を均一になるように混合し、造粒水としてポリビニルアルコール(商品名:PVA−117 重合度:1700 ケン化度:98〜99%、クラレ(株)製)3%水溶液を適宜供給しながら転動造粒機で造粒した。その際、物温が50℃になるようにドライヤーで加温した。造粒後、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥した。乾燥後、篩い分けして、粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素11.3%、全リン酸1.6%であった。
実施例4
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(菜種油かす、全農製)60%、リン酸二アンモニウム(DAP、関東化学製、試薬特級)20%、結合材としてリグニンスルホン酸カルシウム(サンエキスP201(商品名)、日本製紙製)1%と前記化学合成緩効性窒素肥料粒子(粒径1.18〜1.40mm、窒素成分31%)19%を均一になるように混合し、水を適宜供給しながら転動造粒機で造粒し、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥した。乾燥後、篩い分けして、粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素13.1%、全リン酸12.1%であった。
比較例1
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(菜種油かす、全農製)74%、結合材としてリグニンスルホン酸カルシウム(サンエキスP201(商品名)、日本製紙製)1%、前記化学合成緩効性窒素肥料粒子の粉砕品(篩(目開き0.425mm)通過品、窒素成分31%)25%の配合割合で混合した後、水分を添加し混練物を得た。次に、該混練物を押出式造粒機(ダイス径3.0mmφ、不二パウダル製)を用いて押出造粒し粒状肥料を得た。該粒状肥料を回転円盤式整粒機(マルメライザーQJ400(商品名)、不二パウダル製)に2.5kg供給し、平滑化処理を行った。処理後、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥し、更に、振動篩で分級して粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素11.5%、全リン酸1.7%であった。
比較例2
篩(目開き0.5mm)通過の有機系肥料(堆肥(牛ふん、鹿児島県いずみ農業協同組合製、JAいずみ有機1号(商品名)粉砕品))60%、リン酸二アンモニウム(DAP、関東化学製、試薬特級)20%、結合材としてリグニンスルホン酸カルシウム(サンエキスP201(商品名)、日本製紙製)1%と前記化学合成緩効性窒素肥料粒子の粉砕品(篩(目開き0.425mm)通過品、窒素成分31%)19%の配合割合で混合した後、水分を添加し混練物を得た。次に、該混練物を押出式造粒機(ダイス径3.0mmφ、不二パウダル製)を用いて押出造粒し粒状肥料を得た。該粒状肥料を回転円盤式整粒機(マルメライザーQJ400(商品名)、不二パウダル製)に2.5kg供給し、平滑化処理を行った。処理後、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥し、更に、振動篩で分級して粒径2.0〜4.0mmの被覆粒状有機肥料を得た。肥料成分含有率は全窒素10.5%、全リン酸12.0%であった。
4.製品の無機化試験
2L容の容器に2mmの篩いを通った風乾土壌(熊本県植木町で採取した黒ボク土)を1kg入れ、そこに実施例1〜4、比較例1〜2の複合肥料を全窒素で1.0g相当量、水を最大容水量の60%になるように入れ混合し無機化土壌サンプルを作成した。
該無機化土壌サンプルが入った容器の上縁をポリエチレンフィルムで覆い25℃の恒温室に静置した。20日または40日経過後に土壌を全て回収し、よく混合した後、そのうち10gを採取した。
採取した土壌中の無機態窒素量をアンモニア態、亜硝酸態、硝酸態窒素の同時浸出測定法(養賢堂 土壌養分測定法 p.197〜p.200に記載の方法)で測定した。
試験は全て3反復制とし、供試土壌に元来含まれていた無機態窒素量を測定するために、肥料を施用していない無肥料区も設けた。各サンプリング日の土壌中のアンモニア態窒素量と硝酸態窒素量を表2に示した。また、これらの値の合計値(無機態窒素合計量、単位:mg/100g風乾土壌)から、下記式に従って無機化率を算出した。
無機化率(%)=(20日または40日培養後の施用土壌に含まれる無機態窒素合計量−20日または40日培養後の無肥料区土壌に含まれる無機態窒素合計量)/施用前の肥料に含まれる全窒素量×100
結果を表3に示した。尚、表中に示した(40日目の無機化率(%)−20日目の無機化率(%))は緩効性の指標であり、20日目の無機化率(%)に比べこの値が著しく少ない場合は緩効性と見なされない。
Figure 2007238427
Figure 2007238427
本結果から、本発明の被覆粒状有機肥料であれば、長期に渡って肥効が持続することが明らかとなった。
本発明の被覆粒状有機肥料は、長期に渡って肥効が持続するため、施肥の省力化が可能である。

Claims (12)

  1. 化学合成緩効性窒素肥料を含有する粒子(以下、化学合成緩効性窒素肥料粒子という)を芯とし、そのまわりを有機系肥料で被覆し成形してなる被覆粒状有機肥料であり、化学合成緩効性窒素肥料粒子の粒径が0.5〜4.5mmである被覆粒状有機肥料。
  2. 化学合成緩効性窒素肥料が、脂肪族アルデヒド縮合尿素である請求項1記載の被覆粒状有機肥料。
  3. 脂肪族アルデヒド縮合尿素が、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、グリオキサール縮合尿素、及びホルムアルデヒド加工尿素肥料の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の被覆粒状有機肥料。
  4. 脂肪族アルデヒド縮合尿素が、アセトアルデヒド縮合尿素である請求項2記載の被覆粒状有機肥料。
  5. 被覆粒状有機肥料が、全リン酸をP換算で、被覆粒状有機肥料に対して0.01〜5重量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  6. 化学合成緩効性窒素肥料粒子が、含有する化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対して、難水溶性リン酸質肥料をP換算で0.01〜5重量部含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  7. 難水溶性リン酸質肥料が、リン鉱石、熔成リン肥、及び焼成リン肥から選ばれた1種以上である請求項6記載の被覆粒状有機肥料。
  8. 化学合成緩効性窒素肥料100重量部に対する水溶性リン酸含有割合が、P25換算で0.5重量部以下である請求項1〜7のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  9. 被覆粒状有機肥料が、撥水性物質を被覆粒状有機肥料に対して0.1〜20重量%含有する請求項1〜8のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  10. 化学合成緩効性窒素肥料粒子が、撥水性物質を化学合成緩効性窒素肥料粒子に対して0.1〜20重量%含有する請求項1〜8のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  11. 被覆粒状有機肥料の平均粒径が、2〜15mmである請求項1〜10のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料。
  12. 粒径が0.5〜4.5mmである化学合成緩効性窒素肥料粒子の表面に、転動造粒法または攪拌型混合造粒法によって、有機系肥料を被覆することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の被覆粒状有機肥料の製造方法。
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