JP2005067923A - 緩効性肥料 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩効性に優れ、生育障害を生じる恐れがない、コスト的にも有利な粒子状の緩効性肥料を提供する。
【解決手段】20℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上である水溶性肥料、及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を含有し、粒子の形状を有する肥料であって、該水溶性肥料の含有率が10重量%以下である緩効性肥料である。
【選択図】なし

Description

本発明は肥料に関する。詳しくは、緩効性に優れ、生育障害を生じる恐れがない、コスト的にも有利な粒子状の緩効性肥料粒状に関する。
尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を緩効性肥料として使用する際の肥効の調節は、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度を調節することによって行われており、無機化速度の調節は、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を造粒し、その粒子径を調節することによって行われている。具体的には、長期に亘る肥効は粒子径を大きくすることによって達成され、比較的短期の肥効は粒子径を小さくすることによって達成されている(例えば、非特許文献1参照)。このように、粒状肥料の肥効特性は粒子径によって変化するが、植物体の生育速度を揃えるためには肥効を一定にする必要があり、そのためには粒状肥料の粒度分布を狭く粒子径を小さくして、単位面積当りの施肥粒子数を多くするのが最も容易である。
また、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度を制御する手法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物含有肥料は、尿素等の水溶性肥料を含む場合があり、その量が多いと、粒子径の小さいものを育苗ポットや芝生に施用した場合には、施用直後から水溶性成分が溶出して生育障害を生じる恐れがあり、それを回避するために施肥量が少量となって緩効性肥料としての効果を発揮できない場合がある。また、粒子径を小さくすると肥効が短期になり、粒子径を大きくすると尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度が極端に小さくなって肥効が十分発揮されない場合がある等、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の肥効の制御が不十分である。
また、粒子径の小さい粒状肥料の表面を樹脂等で被覆した被覆肥料も開発されているが、被覆加工時に芯の粒状肥料が割れたり、粒子同士が結合して団粒化する等、大量生産しにくく、通常粒子径の被覆肥料と比べてかなりコスト高である。
特開2003−212682号公報 吉原均著「新増補 造粒編」化学工業社、1991年4月25日、175−178頁。
本発明は、緩効性に優れ、生育障害を生じる恐れがない、コスト的にも有利な粒子状の緩効性肥料を提供することを課題とする。
本発明者らは、前述の課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、20℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上である水溶性肥料、及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を含有し、粒子の形状を有する肥料であって、該水溶性肥料の含有率が10重量%以下である緩効性肥料によって前記課題が解決されることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は、以下によって構成される。
(1)25℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上である水溶性肥料、及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を含有する粒子状の肥料であって、該水溶性肥料の含有率が10重量%以下である緩効性肥料。
(2)肥料が、粒子径1.0mm以上の粒子を70重量%以上含有し、かつ最大粒径が2.0mm以下である前記(1)項記載の緩効性肥料。
(3)尿素−脂肪族アルデヒド縮合物がアセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、グリオキサール縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、及びホルムアルデヒド加工尿素肥料の群から選ばれた少なくとも1種である前記(1)または(2)項記載の緩効性肥料。
(4)粒子が、更に難水溶性リン酸質肥料を含有する前記(1)〜(3)項のいずれか1項記載の緩効性肥料。
(5)難水溶性リン酸質肥料が、下記式で示される重量比で30℃の2重量%クエン酸水溶液に浸漬後、含有するリン酸成分の80重量%がクエン酸水溶液に溶出するのに要する時間が0.1〜2000分の範囲である溶出特性を有する前記(4)項記載の緩効性肥料。
難水溶性リン酸質肥料/2重量%クエン酸水溶液(重量比)=0.013
(6)粒子が、更に撥水性物質を含有する前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載の緩効性肥料。
(7)前記(1)〜(6)項のいずれか1項記載の緩効性肥料と、難水溶性リン酸質粒状肥料との混合物である緩効性肥料。
(8)前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる芝用肥料。
(9)前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる育苗用肥料。
(10)前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる移植用肥料。
本発明の緩効性肥料であれば、小粒でも肥効を長期間制御でき、生育障害が発生し難く、特に芝や育苗用に好適である。
本発明の緩効性肥料は、20℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上である水溶性肥料と、難水溶性の尿素−脂肪族アルデヒド縮合物とからなり、粒子の形状を有し、水溶性肥料の含有率が10重量%以下である。上記の構成によって、本発明の緩効性肥料は、粒子径が小さくしても生育障害を生じる恐れがなく、単位面積や植物体当たりの粒数を多くすることができる。かつ、本発明の緩効性肥料は、水溶性肥料で速効分を過不足なく供給しながら、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の肥効を長期間制御することによる追肥の省略化を達成できるため、特に面状に茎葉を繁茂させ、施肥の均一性が重視される芝の施肥や容量が限定される育苗時の施肥に最適である。
本発明の緩効性肥料に含有される水溶性肥料としては、20℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上であれば、特に限定はされない。
具体的には、ク溶性肥料、水不溶性、緩効性窒素肥料を除く肥料であり、尿素、硫安、塩安、硝安等の窒素質肥料、リン酸1アンモニウム、リン酸2アンモニウム、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、重焼リン、苦土重焼リン等のリン酸質肥料、硫酸加里、塩化加里、重炭酸加里、腐植酸加里等の加里肥料等を挙げることができる。
本発明においては必要に応じてそれら肥料の中から1種以上を選択して用いればよいが、前述の尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の原料である尿素が安価かつ窒素成分濃度を増やすことができるため最も好ましい。
また、水溶性肥料としてリン酸質肥料、普通化成肥料、二成分複合化成肥料、高度化成肥料、有機質肥料等のリン酸成分を含有する肥料を用いるときは、含有するリン酸成分の溶出時間と含有量を考慮して使用することが好ましい。
本発明で使用される尿素−脂肪族アルデヒド縮合物は、特に限定されず、直鎖状、分岐のある鎖状、環状等の何れの分子構造を持つ尿素−脂肪族アルデヒド縮合物であっても使用することができる。具体的には、肥料取締法(普通肥料の公定規格、肥料の種類)に記載のアセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、グリオキサール縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、ホルムアルデヒド加工尿素肥料、オキサミド等を挙げることができる。本発明においてはそれらのうち1種以上を任意に選択し使用すればよい。
本発明の緩効性肥料に含有される尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の割合は、特に限定されないが、好ましくは75〜99.98重量%、より好ましくは90〜99.98重量%の範囲である。
また、本発明の緩効性肥料に含有される水溶性肥料の割合は、10重量%以下であり、好ましくは1〜7重量%である。上限値を超える量の水溶性肥料が含まれている肥料を例えば育苗容器で苗を育成中の苗床に施肥した場合、生育ステージが種子〜苗にある幼植物体や地表面を覆う植物体に水溶性肥料が速やかに作用して生育の遅れ、葉色異常、枯死等の被害を引き起こす。水溶性肥料の含有割合を0重量%とするには、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物が高純度でなければならず厳密な精製工程を介する分コスト高になり実用的でない。
本発明の緩効性肥料に要求される物性として粒度や粒重量が挙げられる。粒度においては、粒子径1.0mm以上が好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上であり、かつ最大粒子径が好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。粒子径が1.0mm未満では、例え、難水溶性の尿素−脂肪族アルデヒド縮合物であっても溶出速度が早くなり緩効性肥料でなくなるばかりで無く、硬度低下による粉化、粉立ちの発生等の不都合を招く恐れがある。また、最大粒子径が2.0mmを超えると、溶出速度が遅くなるほか施肥粒数が大幅に減少するため用途が限定される恐れがある。
本発明の緩効性肥料は、通常、芝や水稲育苗箱のように植物体上方から施肥するか育苗容器で育苗を行うに際して育苗用土に混合して施肥するか、育苗中の植物体の根本等に施肥する。その場合、苗移植時に株の根元に1株当たり1粒以上含まれ肥料成分の吸収利用効率を上げ高い肥効を発揮できるようにするため、肥料1粒当たりの重量が0.1〜5mg、好ましくは1〜3mgであることが望ましい。1粒当たりの重量が0.1mg未満の場合には、粒子が細かくなり肥効制御が困難になるほか、施肥機等に詰まり、また粉じんが発生し易くなる恐れがある。また、1粒当たりの重量が5mgを超える場合は、植物体1株(または種子1粒)当たりの施用個数が少ないため、施肥量にばらつきが出やすく、均一で安定した効力を発揮しにくくなる。ここで、1粒当たりの重量は1粒ずつ計量してもよいが、100粒で重量を計量し、その平均値でも構わない。
通常は植物体当たりの粒数を増やすと施肥量が増えることになるが肥料成分による濃度障害を回避するため施肥量は限定された範囲に設定されている。本発明では、水溶性肥料を少量にすることで従来の化成肥料と比べて施肥量を増やすことができる。
本発明の緩効性肥料においては、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化を促進して肥効を十分発揮させるため、更に難水溶性リン酸質肥料を加えることが好ましい。
本発明で使用される難水溶性リン酸質肥料は、水に難溶性で、植物に対してその正常な発育のために必要なリン酸成分を供給することが可能なものであれば特に限定されない。難水溶性リン酸質肥料は、溶解度の低いリン酸化合物を主成分とするものであっても良いが、水溶性のリン酸成分を固定化し難水溶性にしたもの、粒子状のリン酸質肥料の表面を水不溶性あるいは疎水性の物質で被覆したもの、更には、リン酸質肥料の微粉末とリン酸質以外の物質であって、水不溶性あるいは疎水性の微粉末とを混合・造粒したもの等も挙げられる。
その中でも、溶解度の低いリン酸化合物は、比較的簡便に用いることができるので好ましい。具体的には、水に対する溶解度が5g/100ml以下の物質が望ましく、例えば、熔成リン肥、加工リン酸肥料、腐植酸混合リン肥、焼成リン肥、レナニアリン肥、副産リン酸二石灰、副産リン酸三石灰、トーマスリン肥、メタリン酸加里、メタリン酸石灰、メタリン酸苦土、メタリン酸加里苦土、リン鉱石等を挙げることができる。この中でも、熔成リン肥、焼成リン肥、リン鉱石は、特に水に対する溶解度が低いため、本発明に好ましく使用することができる。
また、本発明に使用される難水溶性リン酸質肥料は、その難水溶性リン酸質肥料を下記式で示される重量比で30℃の2重量%クエン酸水溶液に浸漬後、含有するリン酸成分の80重量%が該クエン酸水溶液に溶出するのに要する時間が0.1〜2000分の範囲である溶出特性を有するものであることが特に好ましい。
式:難水溶性リン酸質肥料/2重量%クエン酸水溶液(重量比)=0.013
該溶出時間は具体的には次のような方法で測定することができる。300ml容のポリ瓶に難水溶性リン酸質肥料2gと30℃に加熱した2重量%クエン酸水溶液150mlを入れ、30℃の振とう恒温槽で振とうする。経時的に該クエン酸水溶液の上澄みを少量ずつ取り、水で希釈後、希釈液中のリン酸成分をイオンクロマトグラフィーによって定量後、溶出曲線を作成することにより、該難水溶性リン酸質肥料が含有するリン酸成分の80重量%が溶出するまでに要した時間を求めることができる。
該溶出時間が0.1〜2000分の範囲であれば、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度を容易に制御することが可能である。0.1分を下回る場合、及び2000分を上回る場合には、該無機化速度の制御が困難になる場合がある。
難水溶性リン酸質肥料の該溶出時間が0.1〜2000分の範囲であるためには、該難水溶性リン酸質肥料は水に対する溶解度が低く、単一の結晶で構成されていることが好ましい。更に、形状が粒子状である場合には粒子内に空隙が少ないものであることが好ましい。
本発明に使用される難水溶性リン酸質肥料の溶出時間を0.1〜2000分の範囲に調節する方法は、特に限定されないが、例えば、難水溶性リン酸質肥料を粒子状としその粒子径を調節する方法、粒子状の難水溶性リン酸質肥料の表面を水不溶性あるいは疎水性の物質で被覆する方法、及び、難水溶性リン酸質肥料の微粉末とリン酸質以外の物質であって、水不溶性あるいは疎水性の微粉末とを混合・造粒する方法等を挙げることができる。
そのうち、難水溶性リン酸質肥料を粒子状としその粒子径を調節する方法は、比較的簡便に実施可能であり好ましい。その際の粒子径は使用する難水溶性リン酸質肥料の種類や、要求される溶出時間によって異なるが、製造面、或いは尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度調節の面から0.01〜0.5mmの範囲であることが好ましい。
本発明において難水溶性リン酸質肥料の添加割合は、特に限定されないが、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物に対しP換算で0.01〜5重量%の範囲であることが好ましい。難水溶性リン酸質肥料の添加割合がこの範囲内であれば、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度の制御を効果的に行うことが可能である。
前述の尿素−脂肪族アルデヒド縮合物のうち、土壌中での無機化速度の制御が特に難しいアセトアルデヒド縮合尿素である2−オキソ−4−メチル−6−ウレイドヘキサヒドロピリミジン(以下、「CDU」という)、グリオキサール縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、及びホルムアルデヒド加工尿素肥料において、本発明の効果がより顕著である。
尚、水溶性リン酸が本発明の肥料にある程度以上存在すると、本発明の効果を損なう場合があるため、本発明の肥料に含まれる水溶性リン酸の含有割合は、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物に対して、P換算で0.5重量%以下であることが好ましい。この観点から、本発明に使用する難水溶性リン酸質肥料は、リン鉱石及び/または熔成リン肥であることが好ましい。
本発明の緩効性肥料には、難水溶性リン酸質肥料と該尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の土壌中における溶解を抑制し、該尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の肥効を更に広い範囲で制御するため、撥水性物質を含有させることができる。
本発明で使用される撥水性物質は、防湿性、防水性を有する撥水性物質であれば特に限定されないが、その中でも融点が60〜130℃の範囲、好ましくは60〜100℃の範囲である撥水性物質は、本発明に好ましく使用することができる。撥水性物質の融点が60℃以上であれば、本発明肥料の夏季における保存性が安定し、該融点が130℃以下であれば、本発明肥料の製造時に物温が130℃を超えるような熱処理を行う必要がなく、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の製造時における分解が生じにくい。
本発明においては、撥水性物質として天然ワックス、合成ワックスから選ばれた1種以上を適宜使用するのが好ましい。天然ワックスとしては、キャデリンワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油ワックスが挙げられ、合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等が挙げられる。この中でも、硬化ひまし油及びその誘導体が尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度を制御するのに効果的である。
本発明において撥水性物質の含有割合は、難水溶性リン酸質肥料、撥水性物質、水溶性肥料及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の総量に対して好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%の範囲である。0.1重量%未満のときは撥水性物質の効果が少ない場合があり、20重量%を超えるときは製造コストに見合う効果が得られにくい場合がある。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、本発明の必須成分である水溶性肥料、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物、難水溶性リン酸質肥料、撥水性物質以外の成分を、本発明の原料として使用することができる。該成分としては難水溶性リン酸質肥料と水溶性肥料以外の肥料、各種造粒助剤、結合材等を挙げることができる。該成分は、水溶性肥料、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物、難水溶性リン酸質肥料、撥水性物質を混合する際に添加するのが望ましい。
肥料としては、前述の難水溶性リン酸質肥料を除いた水溶性1g/25℃純水100g未満の水溶性肥料であり、硫酸グアニル尿素等の化学合成系緩効性肥料、骨粉、油かす、肉かす等の有機質肥料、石灰質肥料、苦土質肥料、ケイ酸質肥料、及び微量要素肥料等を挙げることができる。本発明においては必要に応じてそれら肥料の中から1種以上を選択して用いればよい。
造粒助剤としては、ベントナイト、クレイ、カオリン、セリサイト、タルク、酸性白土、軽石、珪砂、珪石、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト等の鉱物質、モミガラ、オガクズ、木質粉、パルプフロック、大豆粉等の植物質等を挙げることができる。本発明においては必要に応じてそれら造粒助剤の中から1種以上を選択して用いればよい。
結合材としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、グリセリン、ゼラチン、糖蜜、微結晶セルロース、ピッチ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、アルミナゾル、セメント、ポリリン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、界面活性剤、デンプン、熱硬化性樹脂原料等を挙げることができる。本発明においては必要に応じてそれら結合剤の中から1種以上を選択して用いればよい。
本発明の緩効性肥料は、他の粒子状農業資材とを組み合わせて組成物を形成することが有効である。
該農業資材としては、殺菌剤、殺虫剤、除草剤等の各種農薬、更には前述の肥料等を挙げることができる。特に、難水溶性リン酸質粒状肥料は本発明肥料と組み合わせは好ましい。難水溶性リン酸質粒状肥料は前述の物を粒状化した物のほかリン酸カリウムマグネシウムの粒状化物でもよく、カリウム成分の添加が好ましい。カリウム成分は本発明効果を損なわない範囲であれば水溶性、難水溶性を問わない。組み合わせ時は、それぞれの粒度分布を同様にし、公知の混合機で配合することができる。混合割合は使用目的に応じて決定されるが、育苗時のような局所施肥の場合には混合物のリン酸分(P)が50重量%以下であれば肥効の安定化の上で好ましい。
本発明の緩効性肥料の製造方法は、特に限定されないが、具体的には、尿素−アルデヒド縮合物合成工程における尿素−アルデヒド縮合物と尿素等水溶性成分を調節するほか、ろ過等で尿素−アルデヒド縮合物を分離後、水溶性肥料を添加する等によりスラリー状、粉状、塊状の何れかの状態である造粒前の原料が得られ、公知の造粒法により造粒後乾燥、篩い工程を経て本発明粒度を有する肥料を製造することができる。
尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の形状は、特に限定されず、スラリー状、粒子状、塊状の何れかの状態であっても良いが、製造時の取り扱いの面、難水溶性リン酸質肥料や撥水性物質等の他原料との混合性、均一分散性、造粒性の面から粉状であることが好ましく、粒子径は1〜200μmの範囲であることが好ましい。
該撥水性物質が粒子状である場合の粒子径は、製造時の取り扱い面、他原料との混合性、造粒性の面から0.001〜1mmの範囲であることが好ましい。
造粒原料として撥水性物質を含有し、その形状が粒子状である本発明肥料の製造方法は、特に限定されないが、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物、水溶性肥料、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料及び水を原料とする粒子を造粒し(造粒工程)、次いで該撥水性物質の融点以上500℃以下の温度である気体を用いて該粒子の乾燥を行う(乾燥工程)製造方法を挙げることができる。
該造粒工程においては、先ず原料となる尿素−脂肪族アルデヒド縮合物、水溶性肥料、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料及び水の混合を行い、この混合物を所定の形状に造粒するのであるが、その際の混合方法としては、コンクリートミキサー等の回転容器型混合装置による対流混合や、攪拌混合造粒機等の固定容器型混合装置による攪拌等が挙げられ、状況に応じて適宜選択すれば良い。
混合の際、該撥水性物質を添加する場合は該撥水性物質の状態が、スラリー状、粒子状、塊状、溶融状態、または溶液状態の何れかの状態であっても良いが、混合物の均一性の面から粒子状、溶融状態、或いは溶液状態であることが好ましく、その中でも特に製造時の取り扱い面や製造コストの面から粒子状であることが好ましい。
混合後の造粒方法は特に限定されるものではないが、転動造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型造粒法、押出造粒法、破砕型造粒法、流動層及び流動層多機能型造粒法等を挙げることができ、本発明においては、転動造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型混合造粒法、押出造粒法等によって造粒することが好ましい。
その中でも攪拌型混合造粒法は、混合及び造粒を1つの装置で行うことができ、更に温度条件の設定が容易であることから、本発明に好ましく使用することができる。該攪拌混合造粒機は、原料が適度に混合され造粒が可能な装置であれば特に限定されないが、本発明においては、パドル型、アンカー型、ゲート型、ダブルモーションパドル型、リボン型、スクリュー型から選ばれた攪拌羽根を持つ装置が特に好ましく使用することができる。
造粒工程において、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物、水溶性肥料、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料及び水等の原料の温度は、特に限定されないが、融点が60〜130℃の範囲内である撥水性物質を用いる場合、該温度は該撥水性物質の融点より0〜40℃低い温度であることが好ましい。該温度はこの範囲である場合には、乾燥工程を経て得られる肥料粒子内において撥水性物質が良好に拡散する。
乾燥工程において使用する気体は、特に限定されず、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等を挙げることができ、その中でも空気は製造コストの面から好ましく本発明に使用することができる。
気体の温度は、用いる撥水性物資の融点以上であることが必須である。該融点以上の温度の気体を用いることにより、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の無機化速度制御に対する撥水性物質の効果が増す。その理由は本発明肥料粒子に含まれる撥水性物質が溶融することにより、該粒子内において撥水性物質が更に拡散されるためであると考えられる。更に該気体の温度は高くとも500℃以下である。該温度が500℃を超えるときは、混合する尿素−脂肪族アルデヒド縮合物が分解する場合がある。
本発明の緩効性肥料の製造方法においては原料として水を使用する。その際の水の割合は特に限定されるものではないが、撥水性物質、難水溶性リン酸質肥料、及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の総量に対して5〜30重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の緩効性肥料を用いた作物の栽培方法は、本発明の肥料または上述の無機化速度制御方法により無機化速度が制御された尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を用いるものであれば、対象作物、肥培管理方法等は特に限定されない。
特に本発明の緩効性肥料は、水溶性肥料と尿素−脂肪族アルデヒド縮合物とを併用することにより従来用いることが困難とされた、水稲、野菜、花卉、果樹、樹木等の育苗時においても施肥量を増やすことができ、被覆肥料でなくても根に肥料やけを起こさない特長を有する。また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、水溶性肥料を少量足してもかまわない。
育苗容器としては、軟質や硬質ポリエチレン製のポリポットやセルトレーに代表される連結移植ポットや連結鉢、プラスチック育苗箱等を挙げることができる。
また、芝等地表面に繁茂させる植物体に対しては、表面から施用しても植物体に引っかかることが無く土壌に到達し、緩効性を示すことで追肥の回数を減らすことができる。
本発明の緩効性肥料の使用によって、水溶性肥料で速効分を過不足なく供給しながら、尿素−脂肪族アルデヒド縮合物の肥効を長期間制御することにより追肥の省略化ができ、かつ粒子径が小さいため単位面積や植物体当たりの粒数を多くすることができる。そのため、本発明の緩効性肥料は、地面を覆う植物や食用作物、園芸作物、鑑賞作物等苗を育成して栽培する植物の施肥に最適である。
以下実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。尚、以下の実施例における「%」は特に断りがない限り「重量%」である。
1.CDUの製造
尿素60gを水60mlに溶解し、濃塩酸8.5mlを加え、氷冷下にアセトアルデヒド30gを滴下し、50℃で4時間攪拌しながら反応させ析出した結晶を濾過し、水で洗浄した後に減圧乾燥してCDU(純度99.9重量%以上)を得た。得られたCDUを篩い、目開き150μmの篩いの目を通過した粉粒体を以下の試験に用いた。尚、CDU粉粒体の尿素等水溶性肥料含有率は、0.05重量%以下であった(薄層クロマトグラフ法による)。
2.緩効性肥料の製造
前記のCDU粉粒体、及び尿素(20℃の純水に対する溶解度が107.7g/100ml)を表1の実施例1に示した割合で投入量の合計が20kgとなるように、容量50Lの球形混合機に投入し5分間混合して、混合物を得た。
ついで、該混合物1kgを直径120cmの回転皿型パン造粒機に入れ、40rpmの回転速度で該混合物を転動させながら水及び混合物を少量ずつ添加し、平均粒径が1.3mm程度になるまで造粒した。造粒後、熱風循環乾燥機を用い120℃の条件下で6時間乾燥し、更に、振動篩で分級して粒子径が1.18〜1.40mmの粒子を得た。
3.土壌中における無機化量測定試験
2L容の容器に2mmの篩いを通った風乾土壌(熊本県水俣市古賀町のシラス土壌)を1kg入れ、そこに前記の緩効性肥料粒子を全窒素で1.0g相当量、水を最大容水量の60%になるように入れ混合し無機化土壌サンプルを作成した。
該無機化土壌サンプルが入った容器の上縁をポリエチレンフィルムで覆い25℃の恒温室に静置した。所定の期間(20日、40日、60日、80日)経過後に土壌を全て回収し、よく混合した後、そのうち10gを採取した。採取した土壌中の無機態窒素量をアンモニア態、亜硝酸態、硝酸態窒素の同時浸出測定法(養賢堂 土壌養分測定法 p197−p200に記載の方法)で測定し、測定値Aとした。
試験は全て3反復制とした。また、肥料を施用していない試験区を設け、供試土壌に元来含まれていた無機態窒素量を測定し、測定値Bとした。このような操作を反復して20日間毎の無機化量(測定値A−測定値B)を算出した。肥料の無機化量測定結果を表2に示した。
緩効性肥料の製造において、CDU粉粒体、下記の方法で得られた難水溶性リン酸質肥料粒子、及び尿素を表1の実施例2に示した割合で投入量の合計が20kgとなるようにした以外は、実施例1と同様にして試験した。土壌中における無機化量測定試験の結果を表2に示した。
「難水溶性リン酸質肥料粒子の取得と、得られた難水溶性リン酸質肥料粒子のリン酸溶出時間測定」
熔成リン肥(南九州化学工業(株)製、くみあい熔リン20−15−20(商品名))を振動篩で分級して粒子径が150〜180μmの該難水溶性リン酸質肥料粒子を得た。
分級によって得られた該難水溶性リン酸質肥料粒子2gと、30℃に加熱した2重量%クエン酸水溶液150mlとを、300ml容のポリ瓶に入れ、30℃の振とう恒温槽で振とうした。経時的に上澄みを少量取り、水で希釈後、希釈液中のリン酸成分をイオンクロマトグラフィーによって定量した。測定値から溶出曲線を作成し、グラフからリン酸溶出時間を算出した。その結果、80%溶出するのに要する時間は360分であることが示された。
緩効性肥料の製造において、CDU粉粒体、上記の方法で得られた難水溶性リン酸質肥料粒子、及び尿素を表1の実施例3に示した割合で投入量の合計が20kgとなるようにした以外は、実施例1と同様にして試験した。土壌中における無機化量測定試験の結果を表2に示した。
緩効性肥料の製造において、CDU粉粒体、上記の方法で得られた難水溶性リン酸質肥料粒子、尿素、及び撥水性物質としてカスターワックスFP(商品名、小倉合成工業(株)製)を表1の実施例4に示した割合で投入量の合計が20kgとなるようにした以外は、実施例1と同様にして試験した。結果を表2に示した。
(比較例1)
緩効性肥料の製造において、CDU粉粒体及び尿素を表1の実施例4に示した割合で投入量の合計が20kgとなるようにした以外は、実施例1と同様にして試験した。結果を表2に示した。
(表1)緩効性肥料の組成と窒素含量
Figure 2005067923
窒素成分含量は肥料分析法(デバルダ合金−硫酸法)による測定値
熔成リン肥:南九州化学工業(株)製、くみあい熔リン20−15−20(商品名)の篩 分品(180μmの篩いを通り、150μmの篩いを通らないもの)。
尿素:関東化学(株)製、試薬特級。
撥水性物質:カスターワックスFP(商品名)、小倉合成工業(株)製、硬化ひまし油、 融点81℃。
(表2)施肥肥料の無機化量[単位:g/土壌10g]
Figure 2005067923
本発明の肥料に関して、表2の結果から、水溶性成分の含有量を調整することにより、粒子径が小さい場合でも緩効性にすることが可能であることが示された。また、難水溶性リン酸質肥料や撥水性物質を含有させることにより、無機化速度の調節が可能であることが示された。
4.栽培試験
栽培試験例1
実施例3、実施例4で製造された緩効性肥料の芝に対する肥効を市販の粒状肥料グリーンホスカ35号(商品名、細粒品、チッソ旭肥料(株)製)と市販の尿素を溶液としたものを比較として調査した。供試した芝はコーライ芝で、各肥料とも窒素成分で1m2当たり5gを施肥した。調査は施肥後の植物体(地上部)の窒素含有率を調べるほか、地上部、地下部の生育状態の肉眼観察を行った。窒素含有率の結果を表3に示す。尚、無施肥は20日目で試験を打ち切った。
これとは別に粒状肥料グリーンホスカ35号(商品名、普通品;粒度2〜4mm、粒重量13.7mg/粒、チッソ旭肥料(株)製)を用いて同様の試験を行った。
(表3)芝の窒素含有率
Figure 2005067923
グリーンホスカ35号:N−P−KO−MgO=10−10−10−5(細粒品)粒径1.4〜2mm。
粒重量:100粒で重量を計量し、その平均値。
表3の結果から、尿素液肥及び粒状肥料のグリーンホスカ35号では早期に葉中窒素濃度が高くなったのに対して実施例3、4の緩効性肥料を施用した芝はゆっくりと上昇し、たことが明らかである。肥効は尿素液肥、グリーンホスカ35号の葉中窒素含有率が実施例の肥料より低下が早く、肥効の持続性に乏しいことが推測される。実施例3、4の緩効性肥料を施用した芝では30日以降グリーンホスカ35号を施用した芝と同等に葉中窒素含有率が高くなっており、特に実施例4の緩効性肥料は80日まで持続していることから肥料の吸収利用効率が高いものと推測でき、施肥量、施肥回数を少なく省力的に行うことが可能であることがわかる。
生育観察の結果、実施例3、4の緩効性肥料は尿素液肥、無施肥と比べて根張りが良く、硬くて芝葉の立った良質な芝であった。実施例3、4の緩効性肥料は葉色においても80日経過時まで鮮やかであった。
また、グリーンホスカ35号普通品は細粒品と肥料成分が同じであるが、局所的に肥料やけの症状が見られた。
栽培試験例2
実施例2、実施例4、比較例1で製造したの緩効性肥料を用いて育苗を行い、その様子を調査した。ヤンマートレイ20−288穴(商品名、ヤンマー農機(株)製、セル容量20mm角×深さ40mm、288穴)に培土(「ねぎ専用培土」(商品名)、チッソ旭肥料(株)製)を充填後ネギ(品種「長悦葱」、協和種苗(株)製)を播種後、該培土で覆土した。その他は慣行法に従って育苗を行った。移植前に、各肥料で1トレイずつ使用して、1穴当たりチッソ成分で0.1gとなるようにセルトレイの上から施肥(トップドレッシング)を行い、本圃に移植した。以降は慣行法に従い栽培を行った。
栽培試験例3
試験例2と同様に実施例2、実施例4、比較例1で製造したの緩効性肥料を用いて育苗を行い、その様子を調査した。ヤンマートレイ30−128穴(商品名、ヤンマー農機(株)製、セル容量30mm角×深さ45mm、128穴)に培土(「与作N−15」(商品名)、チッソ旭肥料(株)製)を充填後、各肥料で1トレイずつ使用して、1穴当たりチッソ成分で0.05gとなるようにセルトレイの上から施肥を行い、セルを撹拌して均一混合した。そして、白菜(品種「優黄」、タキイ種苗(株)製)を播種後、十分な量のかん水を行った。以後は慣行法に従って育苗を行った。
栽培試験例4
栽培試験例2、3と同様に実施例3、実施例4、比較例1で製造した緩効性肥料と難水溶性リン酸質粒状肥料の熔成リン肥(南九州化学工業(株)製、くみあい熔リン20−15−20(商品名)の篩分品(2.0mmの篩いを通り、1.0mmの篩いを通らないもの))を混合した肥料を用いて育苗を行い、その様子を調査した。ヤンマートレイ45−55穴(商品名、ヤンマー農機(株)製、セル容量45mm角×深さ45mm、55穴)に培土(「与作N−150」(商品名)、チッソ旭肥料(株)製)を底から10mmまで充填後、各肥料で1トレイずつ使用して、1穴当たりチッソ成分(N)で0.5g、リン酸成分(P)で0.5gとなるようにセルトレイの上から施肥後残りの容積を該培土で充填した。そして、トマト(品種「強力米寿」、タキイ種苗(株)製)を播種後、十分な量のかん水を行った。以後は慣行法に従って育苗を行った。
栽培試験2〜4の結果、本発明肥料を用いて育苗を行った苗は生育、根張りとも良好で試験例2〜4に関しては本圃に容易に移植できたが、比較例1の肥料を用いて育苗した試験区は生育障害が発生した。水溶性成分による根焼けが原因と推測される。

Claims (10)

  1. 20℃の純水に対する溶解度が1g/100ml以上である水溶性肥料、及び尿素−脂肪族アルデヒド縮合物を含有する粒子状の肥料であって、該水溶性肥料の含有率が10重量%以下である緩効性肥料。
  2. 肥料が、粒子径1.0mm以上の粒子を70重量%以上含有し、かつ最大粒子径が2.0mm以下である請求項1記載の緩効性肥料。
  3. 尿素−脂肪族アルデヒド縮合物が、アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素、グリオキサール縮合尿素、メチロール尿素重合肥料、及びホルムアルデヒド加工尿素肥料の群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記載の緩効性肥料。
  4. 粒子が、更に難水溶性リン酸質肥料を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の緩効性肥料。
  5. 難水溶性リン酸質肥料が、下記式で示される重量比で30℃の2重量%クエン酸水溶液に浸漬後、含有するリン酸成分の80重量%がクエン酸水溶液に溶出するのに要する時間が0.1〜2000分の範囲である溶出特性を有する請求項4記載の緩効性肥料。
    難水溶性リン酸質肥料/2重量%クエン酸水溶液(重量比)=0.013
  6. 粒子が、更に撥水性物質を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の緩効性肥料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の緩効性肥料と、難水溶性リン酸質粒状肥料との混合物である緩効性肥料。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる芝用肥料。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる育苗用肥料。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項記載の緩効性肥料からなる移植用肥料。
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