JP2007238360A - ガラス成形品製造装置及びガラス成形品製造方法 - Google Patents

ガラス成形品製造装置及びガラス成形品製造方法 Download PDF

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繁樹 福田
Kenki Komikawa
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Abstract

【課題】流出パイプの先端部の温度低下を防止して、高品質で高い質量精度のガラス成形品を製造する装置及び方法を提供する。
【解決手段】ガラス成形品製造装置10は、流下装置20と成形型3を備え、流下装置20は溶融ガラスを滴下又は流下する。成形型3は、流下装置20から滴下流出する溶融ガラス塊7を受容して成形する。ガラス成形品製造装置10は、流体噴出手段4を更に備え、流体噴出手段4は、流下装置20と成形型3の上面との間隙に火炎流4aを吹き付ける。火炎流4aは流下装置20内を熱遮蔽できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス成形品製造装置及びガラス成形品製造方法に関する。
近年、光学素子、例えばデジタルカメラのレンズには、所定の形状に成形された光学レンズが用いられる。この光学レンズを高精度かつ大量に製造するため、例えば、以下のような方法が知られている。すなわち、まず、溶融ガラスを用いて、光学レンズの形状に近似した形状のプリフォームを成形し、その後、このプリフォームを成形型で熱間加工する。この方法によれば、溶融ガラスからプリフォームを経て光学レンズを成形するため、板状のガラスから切断、加工、プレス、研削、および研磨等の多段階の工程を経て光学レンズを製造する方法に比べ、リードタイムを短縮できるとともに、加工不良による歩留まりの低下を抑えることができ、結果としてコストを大幅に削減できる、といった利点がある。このプリフォームは、近年では溶融したガラス塊を成形型で受け、場合によっては成形型上で浮上成形させ、或いは転動させ、或いは上型を使用しプレスすることにより成形されている。
前述のよう溶融ガラス塊は、複数の成形型を順次流出パイプの下方に運び、溶融ガラスをこの成形型で受けて成形される。この場合、成形型上で溶融ガラス塊を浮上成形させる場合は、成形型からガスを噴出することによりガラスと成形型を非接触状態に保つのであるが、その際ガスが流出パイプに吹きかけられることがある。特に、成形型の中央に溶融ガラス滴を滴下する製造方法(いわゆる、滴下法)では、流出パイプの真下からガスが噴出するので、ガスが流出パイプを直撃する。したがって、流出パイプの温度が変動したり、滴下しようとする溶融ガラス塊の挙動が不安定になり、高い質量精度のガラス成形品が得にくいという欠点がある。
前述の欠点を改善して、高品質で高い質量精度のガラス成形品を製造するため、流出パイプから溶融ガラス滴を滴下し、ガスを噴出する成形型で受けて浮上させながら成形するガラス成形品の製造方法において、溶融ガラス滴の滴下経路を横切るように遮蔽体を設け、成形型から噴出するガスから流出パイプを遮蔽すると共に、溶融ガラス滴の滴下に同期して滴下経路から遮蔽体を取り除くガラス成形品の製造方法が発明されている(例えば、特許文献1参照)。
又、流出パイプの先端部を下端部が開口した円筒状のカバーで囲い、更に、このカバーの周囲をリングガスバーナーで加熱する方法が公知である。そして、カバー内の雰囲気温度を流出パイプの温度と一致すべくリングガスバーナーを制御して、流出パイプの先端部及び溶融ガラス滴の温度低下を防止しようと試みられている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−15301号公報 特開平10−1318号公報
前述のように、滴下法によるガラス成形品の製造方法では、成形型からのガスが流出パイプの先端部に吹きかかると、このガスにより流出パイプの先端部の温度が低下されるため、流出パイプの温度が変動し、ガラスの流出量が変動する。流出パイプの先端部の温度が低下すると、流出口で溶融ガラス滴の結晶が析出することがあり、この場合は、滴下質量が大きくなったり、ガラス成形品に脈理が発生したりする原因となる。ガラス成形品のガラス組成が、流出温度域で結晶化しやすい場合は、流出パイプの先端部の温度低下は大きな問題である。
しかし、特許文献1による製造方法では、溶融ガラス滴の滴下経路から遮蔽体が取り除かれたときに、成形型からの噴出ガスが前記カバーの開口を介して、カバー内に吹き付けるので、カバー内の雰囲気温度が低下する。結局は、流出パイプの先端部の温度が低下することになり、ガラス成形品に脈理が発生したりする。
又、特許文献2に記載のような加熱、保温手段を使用してもなお、成形型からの気体流にさらされると、パイプ先端の温度低下を防ぐことは困難であった。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、流出パイプの先端部の温度低下を防止することにより、高品質で高い質量精度のガラス成形品を製造する装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、流出パイプに向けて成形型から噴出するガスを、別の気体流又は火炎流で方向転換することにより、流出パイプの先端部の温度低下を防止することを見出し、これに基づいて、以下のような新たなガラス成形品製造装置及びガラス成形品製造方法を発明するに至った。
(1) 溶融ガラスを流下する流下装置と、この流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形する成形型と、を備えるガラス成形品製造装置であって、前記流下装置と前記成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付ける流体噴出手段を備えるガラス成形品製造装置。
(1)の発明によるガラス成形品製造装置は、流下装置と成形型を備えている。流下装置は溶融ガラスを流下する。成形型は、流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形する。このガラス成形品製造装置は、流体噴出手段を更に備えており、流体噴出手段は、流下装置と成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付ける。
ここで、流下装置は、溶融槽で溶融された溶融ガラスが滴下又は流下する流出パイプを含み、後述する、流下装置の流出口を所定の高温雰囲気温度に維持するように囲うカバーを含むこともできる。
流出パイプにはその耐熱性よりその材料として白金又は白金合金が使用されることが好ましく、白金合金は、金又は他の金属と白金との合金が使用できる。又、溶融ガラスとの濡れ性を考慮し、白金合金の表面に金をメッキしても良い。
前述のとおり、流体噴出手段は、流下装置と成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付ける手段であって、気体流は、後述するように高温の気体流が好ましい。火炎流を吹き付ける流体噴出手段としては、後述するようにラインガスバーナー又はリングガスバーナーが考えられる。
(1)の発明によるガラス成形品製造装置において、気体流又は火炎流が流下装置と成形型の上面との間隙に吹き付けることにより、エアーシャッタとして機能し、流下装置内を熱遮蔽できる。
(2) (1)記載のガラス成形品製造装置において、前記気体流は、高温の気体流であるガラス成形品製造装置。
(2)の発明によるガラス成形品製造装置は、高温の気体流又は火炎流が流下装置と成形型の上面との間隙に吹き付けることにより、流下装置内を高温に熱遮蔽できる。すなわち成形型から吹き付けられる気流を防ぐだけでなく、保温機能を併せ持つ。
(3) (1)又は(2)記載のガラス成形品製造装置において、前記流下装置の流出口を所定の高温雰囲気に維持するように囲うカバーを備え、前記成形型は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスを噴射する一つ以上の細孔を有するガラス成形品製造装置。
(3)の発明によるガラス成形品製造装置は、流下装置の流出口を所定の高温雰囲気温度に維持するように囲うカバーを備えている。ここで当該カバーの形状は円筒状でもよいしその他の形状でも良いし、材質等は特に限定するものでもなく、例えば前記特許文献2において使用されるような公知のカバーを使用することができる。
成形型に設けられた細孔は、例えば特開2003−40632号公報のように成形型の下部に設けられるものでも良いし、特開2002−234738号公報のように成形型自体が多孔質材料により作成されたものであっても良い。
前述のように、流出パイプは、成形型から吹き上げるガスで温度低下されることなく、溶融ガラス塊を滴下できるということもできる。そして、滴下した溶融ガラス塊は、気体流又は火炎流を通過し、成形型に受容されて浮上成形される。なお、流下した溶融ガラス流は、所定重量の溶融ガラスを受けたら降下させてガラス流を切断する方法を採用することも可能である。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、前記気体流又は火炎流の噴出幅は、前記成形型の受容面幅の1.2倍以上であり、前記気体流又は火炎流の噴出厚さは、前記流下装置と前記成形型の上面との間隙の0.8倍以下であるガラス成形品製造装置。
(4)の発明によるガラス成形品製造装置は、流下装置と成形型の上面との間隙を遮蔽すべく、気体流又は火炎流は、一定の噴出幅と噴出厚さを有することが好ましい。気体流又は火炎流の噴出幅は、あまり狭すぎると流出パイプの保温効果が低減しやすくなり、及び遮蔽効果が低減することがある。よって成形型の受容面幅の1.2倍以上、より好ましくは1.3倍以上である。又気体流又は火炎流の噴出厚さは、あまり厚いと流出パイプ及び成形型が過熱されやすくなる。よって流下装置と成形型の上面との間隙の0.8倍以下、より好ましくは0.7倍以下である。これにより流下装置内を効果的に熱遮蔽できる。
(5) (3)又は(4)記載のガラス成形品製造装置において、前記気体流又は火炎流は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスの噴出方向を変えるガラス成形品製造装置。
(5)の発明によるガラス成形品製造装置は、溶融ガラス塊を浮上成形させるガスの噴出方向に対して、気体流又は火炎流を略直交する方向から吹き付けることが好ましく、気体流又は火炎流は、成形型から流出パイプへ向かうガスの噴出方向を変えることができる。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、前記流体噴出手段は、帯状の火炎流を噴出するラインガスバーナー又はリングガスバーナーであるガラス成形品製造装置。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、前記気体流又は火炎流は、前記流下装置の流出口を高温雰囲気温度に維持するガラス成形品製造装置。
前記(3)の発明によるガラス成形品製造装置は、例えば、溶融ガラス塊が滴下又は流下する流出パイプを囲う円筒状のカバーを備えているが、(6)及び(7)の発明においては、リングガスバーナーをカバーの周囲に配置し、リングガスバーナーからカバーの外壁に火炎流を吹き付ける。そして、カバー内の空気が加熱される。この火炎流を適宜に制御することにより、流出パイプの流出口を所定の高温雰囲気温度に維持できる。そして、流出パイプから滴下又は流下する溶融ガラス塊を所定の高温度に維持することができる。
(8) (3)から(7)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスは、不活性ガスであるガラス成形品製造装置。
(8)の発明において使用されるガスは空気であってもよく、不活性ガスであってもよい。このガスは、流出パイプから滴下又は流下する溶融ガラス塊に向って噴射されるが、気体流又は火炎流が流下装置と成形型の上面との間隙に吹き付けることにより、流下装置内を熱遮蔽できる。
(9) (1)から(8)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、前記流下装置は、logηが7.65以下のポアズで表した粘度ηを有する溶融ガラスを流下するガラス成形品製造装置。
(10) (1)から(9)のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、精密プレス成形用プリフォームを製造するガラス成形品製造装置。
(11) (10)記載のガラス成形品製造装置で製造された精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形する精密プレス成形装置。
(11)の発明においては、精密プレス成形自体の態様を特に限定するものではないが、当該精密プレス成形装置は、(10)のガラス成形品製造装置と連結され、ガラス原料から連続的に光学素子を成形できるものであっても良いし、プリフォーム製造と精密プレス成形が非連続的に行われても良い。
(12) 流下装置を用いて溶融ガラスを流下する流下工程と、この流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形型で成形する成形工程と、を含むガラス成形品製造方法であって、流体噴出手段を用いて前記流下装置と前記成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付けるガラス成形品製造方法。
(13) (12)記載のガラス成形品製造方法において、前記気体流は、高温の気体流であるガラス成形品製造方法。
(14) (12)又は(13)記載のガラス成形品製造方法において、前記流下装置の流出口を囲うカバーを用いて当該流出口を所定の高温雰囲気温度に維持し、前記成形型は、ガスを噴射する一つ以上の細孔を有し、当該ガスは前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガラス成形品製造方法。
(15) (12)から(14)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、前記気体流又は火炎流の噴出幅は、前記成形型の受容面幅の1.2倍以上であり、前記気体流又は火炎流の噴出厚さは、前記流下装置と前記成形型の上面との間隙の0.8倍以下であるガラス成形品製造方法。
(16) (14)又は(15)記載のガラス成形品製造方法において、前記気体流又は火炎流は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスの噴出方向を変えるガラス成形品製造方法。
(17) (12)から(16)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、前記流体噴出手段は、帯状の火炎流を噴出するラインガスバーナー又はリングガスバーナーであるガラス成形品製造方法。
(18) (12)から(17)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、前記気体流又は火炎流は、前記流下装置の流出口を高温雰囲気温度に維持するガラス成形品製造方法。
(19) (15)から(18)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスは、不活性ガスであるガラス成形品製造方法。
(20) (12)から(19)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、前記流下装置は、logηが7.65以下のポアズで表した粘度ηを有する溶融ガラスを流下するガラス成形品製造方法。
(21) (12)から(20)のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、精密プレス成形用プリフォームを製造するガラス成形品製造方法。
(22) (21)記載のガラス成形品製造方法で製造された精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形する精密プレス成形方法。
本発明によるガラス成形品製造装置は、溶融ガラスを流下する流下装置と、流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形する成形型と、を備え、流下装置と成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付けているので、流下装置が熱遮蔽され、溶融ガラス塊が温度低下することなく、成形型に受容されて成形される。このように製造されたガラス成形品は、例えば脈理の発生を防止できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明によるガラス成形品製造装置の一実施形態の構成を示す縦断面図である。図2は、前記実施形態によるガラス成形品製造装置の流出パイプの縦断面図であり、流出パイプから滴下される溶融ガラス塊の温度変化による状態図である。図3は、前記実施形態によるガラス成形品製造装置の流出パイプから滴下される溶融ガラス塊の重量と成形サイクル及び表面脈理の状態の関係を示すグラフである。
最初に、本発明によるガラス成形品製造装置の構成を説明する。図1において、ガラス成形品製造装置10は、流下装置20と成形型3を備えている。流下装置20は溶融ガラスを流下する。成形型3は、流下装置20から滴下又は流下する溶融ガラス塊7を受容して成形する。流下装置20は、溶融槽(図示せず)で溶融された溶融ガラスが流下する流出パイプ1を含み、装置の流出口を所定の高温雰囲気温度に維持するように囲うカバー2を含んでいる。成形型3は、細孔31からガスを噴射し、流出パイプ1から滴下又は流下する溶融ガラス塊7を浮上成形させる。なお、流下した溶融ガラス流は、所定重量の溶融ガラスを受けたら降下させてガラス流を切断する方法を採用することも可能である。
図1において、ガラス成形品製造装置10は、流体噴出手段となるラインガスバーナー4を更に備えている。ラインガスバーナー4は、帯状の火炎流4aを噴出しており、流下装置20と成形型3の上面との間隙に火炎流4aを吹き付けている。
図1において、カバー2は、溶融ガラス塊が滴下又は流下する流出パイプ1を囲うように円筒状に形成されている。リングガスバーナー5がカバー2の周囲に配置し、リングガスバーナー5からカバー2の外壁に火炎流5aが吹き付けられる。そして、カバー2内の空気が加熱される。火炎流5aを適宜に制御することにより、流出パイプ1の流出口を所定の高温雰囲気温度に維持できる。そして、流出パイプ1から滴下又は流下する溶融ガラス塊7を所定の高温度に維持できる。
次に、本発明に作用を説明する。図1において、ガラス成形品製造装置10は、火炎流4aが流下装置20と成形型3の上面との間隙に吹き付けることにより、エアーシャッタとして機能し、流下装置20内を熱遮蔽できる。火炎流4aを所定の高温度とすることにより、流下装置20内を高温に熱遮蔽できる。
図1において、成形型3は、細孔31からガスを噴射し、流出パイプ1から滴下又は流下する溶融ガラス塊7を浮上成形させる。このガスは空気であってもよく、不活性ガスであってもよい。このガスは、流出パイプ1から滴下又は流下する溶融ガラス塊7に向って噴射されるが、火炎流4aが流下装置20と成形型3の上面との間隙に吹き付けることにより、流下装置20内を熱遮蔽できる。又は、高温の火炎流が流下装置20と成形型3の上面との間隙に吹き付けることにより、流下装置20内を高温に熱遮蔽できる。
流出パイプ1は、成形型3から吹き上げるガスで温度低下されることなく、溶融ガラス塊7を滴下できる。そして、滴下した溶融ガラス塊7は、瞬間的に火炎流4aを通過し、成形型3に受容されて浮上成形される。
図1において、流下装置20と成形型3の上面との間隙を遮蔽すべく、火炎流4aは、一定の噴出幅と噴出厚さを有することが好ましい。火炎流4aの噴出幅は、成形型3の受容面幅の1.2倍以上であることが好ましく、火炎流の噴出厚さは、流下装置20と成形型3の上面との間隙の0.8倍以下であることが好ましく、流下装置20内を効果的に熱遮蔽できる。溶融ガラス塊7を浮上成形させるガスの噴出方向に対して、火炎流4aを略直交する方向から吹き付けることが好ましく、火炎流4aは、溶融ガラス塊7を浮上成形させるガスの噴出方向を変えることができる。
図1において、流下装置20は、logηが7.65以下のポアズで表した粘度ηを有する溶融ガラスを流下することができる。又、ガラス成形品製造装置10は、精密プレス成形用プリフォームを製造するための好適な構成となっている。
本発明によるガラス成形品製造装置は、溶融ガラスを流下する流下装置と、流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形する成形型と、を備え、流下装置と成形型の上面との間隙に火炎流を吹き付けているので、流下装置が熱遮蔽され、溶融ガラス塊が温度低下することなく、成形型に受容されて成形される。このように製造されたガラス成形品は、例えば脈理の発生を防止できる。
本発明の構造に基づいて、ガラス成形品に脈理が発生しないことを検証した結果を説明する。
図1において、流出パイプ1には、外経が8mm、内径が2.9mmの白金パイプを使用した。流出パイプ1の先端部に設けられるノズル11は、白金合金製のものを使用し、ノズル11のオリフィス径を1.6mmとした。
図1に示されるように、カバー2の下面に設けられるスカートであって、溶融ガラス塊7が通過する開口近傍に温度検出器S1を取り付けた。又、カバー2の筒部外壁の中段に温度検出器S2を取り付け、カバー2の筒部外壁の下段に温度検出器S3を取り付けた。そして、ラインガスバーナー4の有無によって、温度検出器S1〜S3の検出温度がどの程度変化するか、検証した。又、ラインガスバーナー4の有無によって、ガラス成形品の成形サイクルや、ガラス成形品の重量がどの程度変化するかを検証した。その結果を表1に示す。なおガラス流が流下した時点での粘度ηの対数logηは1.7であった。又、火炎流噴幅は成形型の受容面幅の2倍であり、火炎流の噴出厚さは、流下装置と前記成形型の上面との間隙の0.6倍であった。
Figure 2007238360
表1において、第1行目の「カバー」とは、リングガスバーナー5の上部に設けられたカバー51であって(図1参照)、リングガスバーナー5の内径が50mm用のカバー51であることを示している。又、表1において、第2行目の「ガス流速」とは、成形型3に供給される圧縮空気の流速を示している。温度検出器S1〜S3で検出された温度の単位は、摂氏である。
この検証において、ノズル11は、別の加熱手段で1000℃に維持されている。そして、流下装置20と成形型3の上面との間隙に火炎流4aを吹き付けた場合は、温度検出器S1〜S3の検出温度が高くなっていることから(表1参照)、この火炎流4aが流下装置20内を有効に熱遮蔽していることが実証された。火炎流に代えて、気体流又は高温の気体流を吹き付けることによっても、同様の効果が得られると考えられる。
一方、表1に示されるように、火炎流4aを吹き付けることにより、成形サイクルが短くなる現象と、ガラス成形品の重量が低下する現象が発生した。更に、この検証において、火炎流4aを吹き付けることにより、表面脈理が消失する傾向にあることが確認されたが、この表面脈理の消失は、再溶融によるものではないと推測される。
溶融ガラス塊の温度上昇に伴って、溶融ガラス塊が一般に低粘性化するので、成形サイクルが短縮されることは十分に推測される。しかし、溶融ガラス塊の重量は、ノズル11の先端外径で略決定されるので、溶融ガラス塊が再溶融して、その重量が5mgも減少することは考え難い(表1参照)。したがって、溶融ガラス塊の再溶融とは別のメカニズムにより表面脈理が消失したと推測する。
流下装置20と成形型3の上面との間隙に火炎流4aを吹き付ける、この装置を用いて更に検証を進めた結果、ガラス成形品の重量は80mgまで減少したときに、成形サイクルは5.0secまで短縮したことから(図3参照)、ガラス成形品の重量の減少と成形サイクルの短縮とは、関連性があることが判明した。
図3に示されるように、溶融ガラス塊の重量(ゴブ重量)と成形サイクルは比例関係を示し、溶融ガラス塊の重量減少に伴い、表面脈理が改善される傾向となる。これらのことを考え合わせると、火炎流で熱遮蔽することにより表面脈理が改善されたメカニズムは、溶融ガラス塊の再溶融ではなく、溶融ガラス塊の温度とノズル11の先端での濡れ性に関連すると考えられる。
図2(A)は、火炎流を使用せず、ノズル11から滴下する溶融ガラス塊の状態を想定している。図2(A)において、滴下する溶融ガラス塊の重量は、例えば108mgである(表1参照)。図2(B)は、火炎流を使用して、ノズル11から滴下する溶融ガラス塊の状態を想定している。図2(B)において、滴下する溶融ガラス塊の重量は、例えば103mgである(表1参照)。図2(C)は、火炎流を使用して、ノズル11から滴下する溶融ガラス塊の状態を想定している。図2(C)において、滴下する溶融ガラス塊の重量は、例えば80mgである(図3参照)。
図2(A)において、成形型3から噴射されるガスにより、溶融ガラス塊7aは温度が低下し、粘性が高くなっている。粘性の高い溶融ガラス塊7aは、白金で形成されたノズル11との濡れ性がよく、この溶融ガラス塊7aは、ノズル11先端の外径まで浸透して、滴下される。図2(A)に示された、このような溶融ガラス塊7aを、この明細書では「外径切断」と呼ぶ(図3参照)。外径切断された溶融ガラス塊7aは、表面脈理が発生しやすい。
図2(B)において、成形型3から噴射されるガスが遮蔽されて、溶融ガラス塊7aは温度が上昇し、粘性が低くなっている。粘性の低い溶融ガラス塊7aは、白金で形成されたノズル11との濡れ性がよくなく、この溶融ガラス塊7aは、ノズル11先端の内径と外径の中間まで浸透して、滴下される。図2(B)に示された、このような溶融ガラス塊7aを、この明細書では「端面切断」と呼ぶ(図3参照)。端面切断された溶融ガラス塊7aは、表面脈理の発生が抑制される。なお、ガラス流を、成形型を下降させることにより切断する方法を採用することも可能である。
図2(C)において、成形型3から噴射されるガスが遮蔽されて、溶融ガラス塊7aは温度が更に上昇し、粘性が更に低くなっている。更に粘性の低い溶融ガラス塊7aは、白金で形成されたノズル11との濡れ性が更に良くなく、この溶融ガラス塊7aは、ノズル11先端の内径に達して、滴下される。図2(B)に示された、このような溶融ガラス塊7aを、この明細書では「内径切断」と呼ぶ(図3参照)。内径切断された溶融ガラス塊7aは、表面脈理の発生が更に抑制される。図2(C)では、溶融ガラス塊は、実質的にノズル11の内径に依存することになる。
このようなメカニズムであれば、火炎流で流下装置を熱遮蔽することにより表面脈理が改善され、ノズル11から滴下する溶融ガラス塊の重量が減少する理由を説明できる。本発明は、火炎流で流下装置を熱遮蔽することにより、ノズルから滴下する溶融ガラス塊を高温化し、その結果、ノズルとの濡れ性を低下させて、表面脈理の発生を抑止できた。しかし、いたずらにノズルから滴下する溶融ガラス塊の温度を上昇させると、溶融ガラス塊が焼き付きをおこす可能性があるので、ここでいう端面切断程度に溶融ガラス塊の温度を制御することが好ましい。
本発明によるガラス成形品製造装置の一実施形態の構成を示す縦断面図である。 前記実施形態によるガラス成形品製造装置の流出パイプの縦断面図であり、流出パイプから滴下される溶融ガラス塊の温度変化による状態図である。 前記実施形態によるガラス成形品製造装置の流出パイプから滴下される溶融ガラス塊の重量と成形サイクル及び表面脈理の状態の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 流出パイプ
2 カバー
3 成形型
4 ラインガスバーナー(流体噴出手段)
7 溶融ガラス塊
10 ガラス成形品製造装置
20 流下装置

Claims (22)

  1. 溶融ガラスを流下する流下装置と、この流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形する成形型と、を備えるガラス成形品製造装置であって、
    前記流下装置と前記成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付ける流体噴出手段を備えるガラス成形品製造装置。
  2. 請求項1記載のガラス成形品製造装置において、
    前記気体流は、高温の気体流であるガラス成形品製造装置。
  3. 請求項1又は2記載のガラス成形品製造装置において、
    前記流下装置の流出口を所定の高温雰囲気温度に維持するように囲うカバーを備え、
    前記成形型は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスを噴射する一つ以上の細孔を有するガラス成形品製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    前記気体流又は火炎流の噴出幅は、前記成形型の受容面幅の1.2倍以上であり、
    前記気体流又は火炎流の噴出厚さは、前記流下装置と前記成形型の上面との間隙の0.8倍以下であるガラス成形品製造装置。
  5. 請求項3又は4記載のガラス成形品製造装置において、
    前記気体流又は火炎流は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスの噴出方向を変えるガラス成形品製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    前記流体噴出手段は、帯状の火炎流を噴出するラインガスバーナー又はリングガスバーナーであるガラス成形品製造装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    前記気体流又は火炎流は、前記流下装置の流出口を高温雰囲気温度に維持するガラス成形品製造装置。
  8. 請求項3から7のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスは、不活性ガスであるガラス成形品製造装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    前記流下装置は、logηが7.65以下のポアズで表した粘度ηを有する溶融ガラスを流下するガラス成形品製造装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のガラス成形品製造装置において、
    精密プレス成形用プリフォームを製造するガラス成形品製造装置。
  11. 請求項10記載のガラス成形品製造装置で製造された精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形する精密プレス成形装置。
  12. 流下装置を用いて溶融ガラスを流下する流下工程と、この流下装置から滴下又は流下する溶融ガラス塊を受容して成形型で成形する成形工程と、を含むガラス成形品製造方法であって、
    流体噴出手段を用いて前記流下装置と前記成形型の上面との間隙に気体流又は火炎流を吹き付けるガラス成形品製造方法。
  13. 請求項12記載のガラス成形品製造方法において、
    前記気体流は、高温の気体流であるガラス成形品製造方法。
  14. 請求項12又は13記載のガラス成形品製造方法において、
    前記流下装置の流出口を囲うカバーを用いて当該流出口を所定の高温雰囲気温度に維持し、
    前記成形型は、ガスを噴射する一つ以上の細孔を有し、当該ガスは前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガラス成形品製造方法。
  15. 請求項12から14のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    前記気体流又は火炎流の噴出幅は、前記成形型の受容面幅の1.2倍以上であり、
    前記気体流又は火炎流の噴出厚さは、前記流下装置と前記成形型の上面との間隙の0.8倍以下であるガラス成形品製造方法。
  16. 請求項14又は15記載のガラス成形品製造方法において、
    前記気体流又は火炎流は、前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスの噴出方向を変えるガラス成形品製造方法。
  17. 請求項12から16のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    前記流体噴出手段は、帯状の火炎流を噴出するラインガスバーナー又はリングガスバーナーであるガラス成形品製造方法。
  18. 請求項12から17のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    前記気体流又は火炎流は、前記流下装置の流出口を高温雰囲気温度に維持するガラス成形品製造方法。
  19. 請求項15から18のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    前記溶融ガラス塊を浮上成形させるガスは、不活性ガスであるガラス成形品製造方法。
  20. 請求項12から19のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    前記流下装置は、logηが7.65以下のポアズで表した粘度ηを有する溶融ガラスを流下するガラス成形品製造方法。
  21. 請求項12から20のいずれかに記載のガラス成形品製造方法において、
    精密プレス成形用プリフォームを製造するガラス成形品製造方法。
  22. 請求項21記載のガラス成形品製造方法で製造された精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形する精密プレス成形方法。
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JP2009179530A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Ohara Inc 加熱装置及びガラス製造方法

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