JP2009179528A - ガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置 - Google Patents

ガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融ガラスの落下距離の延長を抑え、又は落下距離を短くしつつ、所望の組成を有するガラス塊をより確実に製造できるガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置を提供する。
【解決手段】ガラス塊の製造方法は、流路より溶融ガラスの液滴を落下しガラス塊を形成するガラス塊の製造方法であって、落下軌道の周囲から前記流路から離脱した後の液滴の落下軌道に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を含むものである。また、ガラス塊製造装置は、溶融ガラスを滴下し又は流下する流路と、鉛直方向に等しい位置かつ前記溶融ガラスの落下軌道を囲んで水平方向に対称形状となる位置から、前記流路から離脱した後の液滴の落下軌道に向けて、略均等に流体を噴射する流体噴出装置と、を含むものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置に関する。
従来、DVD、CD、及び光磁気ディスク等の光ピックアップレンズ、カメラ付携帯電話用レンズ、光通信用レンズ、光学機器等に用いられるレンズ、並びにLED用レンズ部材等は、研磨により直接ガラスを球面加工して形成してきた。しかし、研磨には多大なコストがかかり、多くの時間を要した。そのため、微小な球状のガラスであるプリフォームから、精密プレスによりレンズを成形することが多くなり、球状に近い粒状のガラスを製造する技術が急速に求められている。
プリフォームをはじめ、球状に近い粒状のガラスを、高精度にかつ安価で大量に生産する方法として、溶融ガラスの液滴を落下する際に冷却しつつ粒状に整え、落下した液滴を地上で受けて回収する方法が検討されてきた。
ここで、特許文献1には、溶融ガラスをノズルから連続流として流下し、流下した溶融ガラスが落下する間に液滴状のガラス塊に変化した後に、これらガラス塊を回収し、プリフォームを製造する方法が開示されている。
特許文献2には、溶融ガラスに振動を付与しながら、溶融ガラスを保持する保持容器に設けられたオリフィスより溶融ガラスを気相中に排出して液滴を形成し、この液滴を落下させながら凝固させる球状ガラスの製造方法が開示されている。
特許文献3には、ノズル先端から溶融ガラスを滴下し、この溶融ガラスの液滴の表面温度が軟化温度より低い温度になるまで落下する、略球状のガラスゴブの製造方法が開示されている。
特開平09−235122号公報 特開2003−104744号公報 特開昭61−146721号公報
しかしながら、特許文献1で開示された方法では、溶融ガラスをノズルから流下する際に、溶融ガラスを連続流として流下するには、ほぼ層流状態の連続流で流下する必要がある。このため、溶融ガラスを流下するノズルを細くする必要があり、形成されるガラス塊は小さくならざるを得なかった。その点、特許文献2及び特許文献3のように溶融ガラスをノズルから滴下する方法では、ノズルにおける流れの状態によらず、溶融ガラスの表面張力によって液滴の大きさが決まるため、形成されるガラス塊も大きくすることができるが、特に大きなガラス塊を形成するときには溶融ガラスの落下距離をより長くする必要があるため、落下による衝撃でガラス塊が破損しやすくなる問題点があった。
さらに、特許文献1〜3で開示された方法では、ノズルから流出したときの状態によっては、溶融ガラスが落下する軌道に振れが生じるため、落下したガラスの中には回収しきれないものが存在する問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、溶融ガラスの落下距離の延長を抑え、又は落下距離を短くしつつ、所望の組成を有するガラス塊をより確実に製造できるガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、溶融ガラスの液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射することによって、溶融ガラスの落下距離の延長を抑え、又は落下距離を短くしつつ、所望の組成を有するガラス塊をより確実に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 流路より溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流を流下することによりガラス塊を形成するガラス塊の製造方法であって、落下軌道の周囲から前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を含むガラス塊の製造方法。
(2) 流体を、鉛直方向に等しい位置及び/若しくは前記液滴又は前記連続流の落下軌道を囲んで水平方向に対称形状となる位置から、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、略均等に噴射する(1)記載のガラス塊の製造方法。
(3) 前記流体噴出工程を異なる高さで複数回行う(1)又は(2)記載のガラス塊の製造方法。
(4) 噴射する前の流体を冷却する工程をさらに含む(1)から(3)のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
(5) 前記流路に向かう流体の流れを制限する工程をさらに含む(1)から(4)のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
(6) 前記流路に向かう流体の流れを遮蔽する工程をさらに含む(5)記載のガラス塊の製造方法。
(7) 液体の微小飛沫に前記液滴又は前記連続流を通す工程をさらに含む(1)から(6)のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
(8) 前記液体が水である(7)記載のガラス塊の製造方法。
(9) (1)から(8)のいずれか記載の方法により製造されるガラス塊を精密プレス成形する工程を含む光学素子の製造方法。
(10) (1)から(8)のいずれか記載の方法により製造されるガラス塊を成形する工程を含むLED用レンズ部材の製造方法。
(11) 溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流を流下する流路を有する溶融ガラス滴下装置に対して、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射するように流体噴出手段を設ける工程を含むガラス塊製造装置の組立方法。
(12) 溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流として流下する流路と、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射する流体噴出装置と、を含むガラス塊製造装置。
本発明によれば、溶融ガラスの液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射することにより、溶融ガラスがガラス塊に変化する冷却速度が高まる。このため、溶融ガラスの落下距離の延長を抑え、又は落下距離を短くしつつ、所望の組成を有するガラス塊をより確実に製造することのできるガラス塊の製造方法及びガラス塊製造装置を提供することができる。
本発明のガラス塊の製造方法は、流路より溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流を流下することによりガラス塊を形成するガラス塊の製造方法であって、落下軌道の周囲から、流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を含む。
また、本発明のガラス塊製造装置は、溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流として流下する流路と、鉛直方向に等しい位置かつ前記溶融ガラスの落下軌道を囲んで水平方向に対称形状となる位置から、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、略均等に流体を噴射する流体噴出装置と、を含む。
以下、本発明のガラス塊製造装置及びガラス塊の製造方法の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス塊製造装置]
図1は、本発明のガラス塊製造装置1の概略を示した図である。本発明のガラス塊製造装置1は、溶融ガラスAの液滴6を滴下し又は連続流を流下する流路42と、流路42から離脱した後の液滴6又は連続流の落下軌道61に向けて流体を噴射する流体噴出手段として流体噴出装置2を有する。
流体噴出装置2は、流路42から離脱した溶融ガラスAの落下軌道61の周囲から、落下軌道61に向けて流体を噴射する装置である。この流体噴出装置2は、例えば図2に示すように、噴射口21と、流体供給源24と、これら噴射口21及び流体供給源24を接続する配管23及び25とから構成され、流体供給源24からの流体を、配管23及び25を通じて噴射口21から噴射することができる。なお、本実施形態及び図2においては、流路42から落下する溶融ガラスAを落下する態様として、液滴6を滴下する態様を例示しているが、これに限定されるものではなく、流路42から溶融ガラスAの連続流を流下してその後に液滴6に自然に分離してもよい。すなわち最終的に冷却手段に落下するまでに液滴状のガラスとなっていればよい。
ここで、噴射口21は、流体を噴射する部材であり、落下軌道61の周囲から落下軌道61に向けて流体を噴射するように設けられる。噴射口21は複数設けられていることが好ましく、これら複数の噴射口21が各々鉛直方向に等しい位置及び/若しくは溶融ガラスAの液滴6又は連続流の落下軌道61を囲んで水平方向に対称形状となる位置に配置することがより好ましい。これら複数の噴射口21から流体の噴射方向に向けて延長した線が、落下軌道61に対して各々略等しい角度θを有することが最も好ましい。複数の噴射口21を鉛直方向に等しい位置に配置することにより、流体噴出装置2を鉛直方向により薄くすることができる。また、複数の噴射口21を、落下軌道61を囲んで水平方向に対称形状となる位置に配置することにより、噴射する流体によって作用する水平方向の力が打ち消されるため、落下軌道61の振れを全体的に小さくした状態で、流体噴出装置2から液滴6又は連続流を落下することができる。さらに、複数設けられた噴射口21からの延長線と落下軌道61とがなす角度θを各々略等しくすることにより、各々の噴射口21から噴射した流体が互いにぶつかり合って上下方向に流れていくため、落下軌道61を流体のぶつかり合う位置に近づけることができる。
噴射口21と落下軌道61との間隔は、1〜20cmであることが好ましく、1〜10cmであることがより好ましく、1〜5cmであることが最も好ましい。噴射口21と落下軌道61との間隔を1cm以上とすることにより、溶融ガラスAの落下軌道61が乱れたときに、流体噴出装置2と液滴6又は連続流との接触を低減することができる。一方、噴射口21と落下軌道61との間隔を20cm以下とすることにより、液滴6又は連続流と接触せずに拡散する流体が減少するため、噴射口21から噴出すべき流体の量を低減することができる。
流体噴出装置2のハウジング22のうち落下軌道61と対向する面の厚さは、0.5〜10cmであることが好ましく、1〜8cmであることがより好ましく、2〜7cmであることが最も好ましい。さらに、落下軌道61に対向する面の厚さを特に0.5cm以上とすることにより、噴射口21から噴射した流体が上下方向に流れやすくなるため、噴射した流体による液滴6又は連続流への水平方向の影響を小さくすることができる。一方、落下軌道61に対向する面の厚さを10cm以下とすることにより、流体から流体噴出装置2への熱の移動が少なくなるため、溶融ガラスAの冷却効率の低下を抑制することができる。なお、ハウジング22の材質は、噴射口21及び配管23の内部で生じる圧力、流体による材質変化、及び、飛散した高温な溶融ガラスAによる変形に耐えられる材質であればよく、例えば、金属やプラスチック等の公知の材質を用いることができる。
流体噴出装置2と流路42との間隔Dは、1〜80cmであることが好ましく、5〜50cmであることがより好ましく、6〜20cmであることが最も好ましい。間隔Dを1cm以上とすることにより、流路42にぶつかる流体が少なくなるため、流体がぶつかることによる流路42及び流路先端41の温度低下を抑えることができる。一方、間隔Dを80cm以下とすることにより、流体噴出装置2と落下軌道61が振れた液滴6又は連続流との接触を低減することができる。なお、間隔Dは、流路42の下端と、ハウジング22のうち落下軌道61と対向する面の上端との垂直方向の間隔を指す。
また、流体噴出装置2は異なる高さに複数設けることが好ましい。流体噴出装置2を複数設けることにより、流体噴出工程を複数回行うことができる。ここで、複数の流体噴出装置2を設ける間隔Dは、1〜50cmであることが好ましく、3〜35cmであることがより好ましく、5〜20cmであることが最も好ましい。間隔Dを1cm以上とすることにより、流体噴出装置2から噴出した流体が溶融ガラスAから奪った熱を効率よく逃がすことができる。一方、間隔Dを50cm以下とすることにより、溶融ガラスAの落下軌道61が乱れたときに、下方の流体噴出装置2と液滴6又は連続流との接触を低減することができる。なお、この流体噴出装置2は、ガラス塊製造装置1の中に何個設けてもよい。また、間隔Dは、ハウジング22のうち落下軌道61と対向する面の下端と、落下軌道61に沿った下方で隣接する流体噴出装置2のハウジング22のうち落下軌道61と対向する面の上端との垂直方向の間隔を指す。
流体噴出装置2の噴射口21と流路42との間には、例えば図4に示すような遮蔽板26を設けることが好ましい。遮蔽板26を設けることで、流体噴出装置2から上方向に向かう流体を制限して遮蔽することができる。ここで、遮蔽板26は、図4のようにハウジング22の上に載置して設けてもよく、ハウジング22と一体的に設けてもよい。また、遮蔽板26は、最も上方に設けられた流体噴出装置2のみに設けてもよい。
流路42は、溶融ガラスAを流路先端41へと誘導し、流路先端41から溶融ガラスAを滴下し又は連続流として流下するものである。これにより、球状に成形されたガラス塊を得ることができる。流路42及び流路先端41としては、公知のガラス流出用ノズルの形状が使用できる。そして、この流路先端41は、流路42と連通するように、流路42に接続する。ここで、流路先端41は流路42と一体となっていてもよい。
これらの流路42及び流路先端41には、図示しない加熱手段が設けられていることが好ましい。これにより、流路42内の溶融ガラスAの粘度が一定になり、一定量の溶融ガラスAが流路先端41から流出するため、一定の質量を有する球状粒を成形し易くすることができる。それとともに、流路42及び流路先端41が加熱されるため、流路42及び流路先端41の中で溶融ガラスAが溶融した状態を保つことができる。
ここで、溶融ガラスAは、例えば図1に示すように、上述の流路42及び流路先端41の他に、流路42が下部に設けられた保持容器51と、保持容器51を支持して加熱する炉体52と、を備えるガラス塊製造装置1を用いて作製することが好ましい。
保持容器51は、溶融ガラスAを作製して保持するものであり、例えば、耐火物容器、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝、イリジウム坩堝等の公知の保持容器を用いることができる。
この保持容器51には、原料投入口53が設けられている。原料投入口53が閉じたときには、保持容器51が密閉状態となることが好ましく、特に保持容器51の内部の圧力を調整する圧力調整手段(図示せず)を保持容器51に設ける場合には、保持容器51が耐圧性を備えることがより好ましい。保持容器51が耐圧性を備えることにより、圧力調整手段による加圧又は減圧に耐えることができる。なお、本実施形態では、原料投入口53から原料が投入される構成としたが、これに限定されるものではなく、原料投入口53から溶融ガラスが投入される構成であってもよい。
さらに、この保持容器51には、ヒータ及び/又は攪拌機54が設けられていることが好ましい。保持容器51にヒータが設けられることで、保持した溶融ガラスAを所定温度に保つことができる。また、保持容器51に攪拌機54を設けることで、溶融ガラスAを攪拌して均質化することができる。
炉体52は、保持容器51の周囲を覆う耐火レンガ等の耐熱材からなり、図示しないタワーによって高所に設置される。炉体52の材質等は、保持容器51の温度に耐えることができれば、特に限定されない。
このガラス塊製造装置1には、図1に示すように、さらに落下したガラスを冷却する冷却手段を用いることが好ましい。冷却手段としては、例えば溶媒32を充填した液体槽31が挙げられる。ここで、液体槽31は、溶媒32を保持できる容器であればよく、例えば、金属やプラスチック等の公知の液体槽を使用することができる。また、液体槽31の中に気体噴出口(図示せず)を設けることが好ましい。気体噴出口を設けることにより、液体槽31に充填した溶媒32の液面に気泡が形成される。このため、液面からガラスへと伝わる落下衝撃が気泡により軽減される。
[ガラス塊の製造方法]
本発明のガラス塊の製造方法は、溶融ガラスAの液滴6又は連続流が落下する落下軌道61の周囲から、流路42から離脱した後の液滴6又は連続流の落下軌道61に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を有するものであり、例えば図1に示すような、上述のガラス塊製造装置1を用いて製造することができる。なお、上述した内容と重複する箇所については説明を省略する。
溶融ガラスAは、例えばガラス原料を溶融して保持容器51にて保持し、この保持容器51から流路42及び流路先端41を経て、溶媒32に向けて滴下し又は連続流として流下する。
溶融ガラスAを保持容器51にて保持する際には、攪拌機54を回転させて、攪拌翼により溶融ガラスAを攪拌し均質化することが好ましい。ここで、溶融ガラスAは、他の溶融手段によってガラス原料を溶融して作製した後に保持容器51に移し替えてもよく、保持容器51の中でガラス原料を溶融して作製してもよい。
また、溶融ガラスAを滴下し又は連続流として流下する際には、保持容器51の内部の圧力を調整する圧力調整手段を作動して、溶融ガラスAが流路先端41から流出する量を調整することが好ましい。より具体的には、圧力調整手段を用いて、保持容器51の中を加圧して溶融ガラスAの流路42への流出量を増加し、保持容器51の中を減圧して溶融ガラスAの流路42への流出量を減少することができる。
流路42から離脱した後の溶融ガラスAの液滴6又は連続流の落下軌道61に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を行うことが好ましい。この流体噴出工程は、例えば流体噴出装置2を設けることにより行うことができる。落下軌道61に向けて流体を噴射することにより、溶融ガラスAの液滴6又は連続流に流体が接触し、この液滴6又は連続流の有する熱が奪われ、溶融ガラスAの冷却速度が高められるため、短い落下距離でガラス塊を作製することができる。
この流体を、落下軌道61の周囲から噴射口21を介して噴射することが好ましく、鉛直方向に等しい位置及び/又は落下軌道61を囲んで水平方向に対称形状となる位置から落下軌道61に略均等に噴射することがより好ましい。このような位置から略均等に流体を噴射することにより、溶融ガラスAの冷却速度が均等に高まり、ガラス塊の組成の偏りが抑えられるため、均一な組成を有するガラス塊をより確実に製造することができる。
この流体噴出工程は、異なる高さで複数回行うことが好ましい。流体噴出工程を複数回行うには、例えば複数の流体噴出装置2を設けることにより行うことができる。流体噴出工程を複数回行うことにより、溶融ガラスAの冷却効率がより高められるため、より短い落下距離でガラス塊を作製することができる。
流体噴出工程において噴射する流体としては、溶融ガラスAと混合せず、かつ、溶融ガラスAよりも低温で流動性を有する液体、気体、又は超臨界流体を用いることが好ましい。その中でも、液滴6又は連続流から熱を吸収した後で容易に落下軌道61から離脱できるため、流体として気体を用いることがより好ましく、コスト面から流体として圧縮空気を用いることが最も好ましい。
この流体に対しては、流体噴出装置2から噴出する前に冷却する工程を行うことが好ましい。流体を冷却する工程は、例えば空冷や水冷等により行うことができる。流体を冷却した後で液滴6又は連続流に噴射することにより、冷却した流体によって液滴6又は連続流の熱が効率よく奪われるため、溶融ガラスAの冷却効率をより高めることができる。
こうした流体噴出工程に加えて、流体噴出装置2から流路42に向かう流体の流れを制限する工程を行うことが好ましく、流路42に向かう流体の流れを遮蔽する工程を行うことがより好ましい。流体の流れを制限し及び/又は遮蔽する工程は、例えば流体噴出装置2に遮蔽板26を設けることにより行うことができる。流路42に向かう流体の流れを制限し及び/又は遮蔽することにより、流路42の温度低下が抑制され、溶融ガラスAに含まれる成分の結晶化が抑えられる。このため、流路42から滴下し又は流下する液滴6又は連続流の組成及び径の均一性を高めることができる。
流路先端41から滴下した溶融ガラスAは、落下しながら重力及び表面張力により球状に成形される。このとき、液滴6又は連続流を液体の微小飛沫の中に通しながら落下することが好ましい。液滴6又は連続流を液体の微小飛沫の中に通すことで、微小飛沫が液滴6又は連続流に徐々に付着して冷却するため、ガラス塊の組成等への悪影響を抑えつつ、溶融ガラスAの冷却効率をより高めることができる。液体の微小飛沫としては水のミストを用いることがより好ましい。熱容量が大きい水をミストの状態で用いることで、溶融ガラスAの冷却効率をさらに高めることができる。
落下により球状に形成されたガラスを、冷却手段を用いて略球状のまま冷却することが好ましい。ここで、冷却手段は、例えば液体槽31に充填した溶媒32で受けることが好ましく、液面に気泡を生じた溶媒32でガラスを受けることがより好ましい。ガラスを溶媒32で受けることにより、ガラスが溶媒32の液面に衝突する際の落下衝撃が吸収されるため、落下したガラスが液面に接触したときの落下衝撃を軽減することができる。なお、溶媒32の代わりにスポンジ等の緩衝材を用いてガラスを受けてもよい。
液体槽31に充填する溶媒32としては、落下したガラスと反応しにくく、かつ、落下したガラスを冷却することができれば特に限定されず、例えば、水、アルコール類、油等公知の種々の液体を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。その中でも、熱容量が大きく、ガラスを効率良く冷却することができるため、水又はアルコール類若しくはその混合物等を用いることがより好ましい。その中でも特に、回収したガラス塊を洗浄することなく乾燥させ、又は、簡単に洗浄して乾燥させ、プリフォーム材又はレンズ等の光学素子として使用できるため、アルコール類を用いることが最も好ましい。アルコール類としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の公知のアルコールが使用できる。
また、液体槽31に充填する溶媒32を加熱することも好ましい。溶媒32を加熱することで、液体槽31に回収されるガラス塊の温度と溶媒32との温度差が小さくなるため、これらの温度差による影響を少なくすることができる。
冷却した後に回収されたガラス塊に対して、その後、精密プレス成形装置を用いて精密プレス成形する工程を行い、所望の光学素子を製造することができる。また、冷却した後に回収されたガラス塊を成形して、LED用レンズ部材を製造することもできる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
白金製の坩堝からなり、炉体52で覆われている保持容器51を設けるとともに、保持容器51の下部に流路先端41を有する流路42を設けた。ここで、流路先端41の内径は3mmである。そして、流路42の先端から鉛直下方に、溶融ガラスAの液滴6が落下する落下軌道61を中心軸にした流体噴出装置2を3個設けた。この流体噴出装置2のうち落下軌道61と対向する面は、内径が50mm、高さが30mmの円筒形状になっている。この円筒形状の下端から10mm上方には、16個の噴射口21が鉛直方向に等しい位置になるように等間隔に設けられている。流体噴出装置2のうち落下軌道61と対向する面の上端と流路42の先端との鉛直方向の距離は20cmであり、流体噴出装置2のうち落下軌道61と対向する面の下端と、落下軌道61に沿った下方で隣接する流体噴出装置2のうち落下軌道61と対向する面の上端との鉛直方向の距離は20cmである。
これら流体噴出装置2のうち、流路42に最も近い流体噴出装置2の上に、流体噴出装置2と同軸の直径20mmの開口部を有する遮蔽板26を設け、この噴射口21から上方向への気流を遮蔽した。
一方、保持容器51の中にガラス原料を投入し、La及びBを主成分とする光学ガラス溶融物(溶融ガラスA)を調製し、1000℃で保持した。保持容器51から流路42を通じて流路先端41へと溶融ガラスAを流出し、流路42から溶融ガラスAを滴下した。このとき、流体噴出装置2の噴射口21からは圧縮空気を噴射した。
流路42から滴下した溶融ガラスAの液滴6は、流体噴出装置2の中心軸の近傍を通りながら20m落下させた後、液体槽31に充填された溶媒32で受けた。溶媒32としては、イソプロピルアルコールを用いた。そして、液体槽31の中に回収されたガラス塊を取り出して乾燥した後、ガラス塊の形状について評価した。
比較例として、流体噴出装置2を設けなかった場合についても実施例と同様の試験を行った。
その結果、流体噴出装置2を設けると、ガラス塊の形状は球形に近い形状になった。一方、流体噴出装置2を設けなかった場合は、ガラスが冷却して流動性を失う前に溶媒32の液面に衝突しており、溶媒32の液面に衝突する際の落下衝撃により、ガラス塊の形状は球形を有しないものが多かった。実施例と比較例のガラス塊の形状を比較すると、流体噴出装置2を設けると溶融ガラスの落下距離の延長を抑えられることがわかる。
本実施形態のガラス塊製造装置の概略を示す図である。 本実施形態の流体噴出装置の(a)平面図及び(b)A−A’で切断した断面図である。 本実施形態の流体噴出装置の別の実施態様の断面図である。 本実施形態の遮蔽板を有する流体噴出装置の(a)平面図及び(b)A−A’で切断した断面図である。
符号の説明
1 ガラス塊製造装置
2 流体噴出装置
21 噴射口
22 ハウジング
23、25 配管
24 流体供給源
26 遮蔽板
31 液体槽
32 溶媒
41 流路先端
42 流路
51 保持容器
52 炉体
53 原料投入口
54 攪拌機
6 液滴
61 落下軌道
A 溶融ガラス

Claims (12)

  1. 流路より溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流を流下することによりガラス塊を形成するガラス塊の製造方法であって、落下軌道の周囲から前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、流体を噴射する流体噴出工程を含むガラス塊の製造方法。
  2. 流体を、鉛直方向に等しい位置及び/若しくは前記液滴又は前記連続流の落下軌道を囲んで水平方向に対称形状となる位置から、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて、略均等に噴射する請求項1記載のガラス塊の製造方法。
  3. 前記流体噴出工程を異なる高さで複数回行う請求項1又は2記載のガラス塊の製造方法。
  4. 噴射する前の流体を冷却する工程をさらに含む請求項1から3のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
  5. 前記流路に向かう流体の流れを制限する工程をさらに含む請求項1から4のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
  6. 前記流路に向かう流体の流れを遮蔽する工程をさらに含む請求項5記載のガラス塊の製造方法。
  7. 液体の微小飛沫に前記液滴又は前記連続流を通す工程をさらに含む請求項1から6のいずれか記載のガラス塊の製造方法。
  8. 前記液体が水である請求項7記載のガラス塊の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか記載の方法により製造されるガラス塊を精密プレス成形する工程を含む光学素子の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか記載の方法により製造されるガラス塊を成形する工程を含むLED用レンズ部材の製造方法。
  11. 溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流を流下する流路を有する溶融ガラス滴下装置に対して、前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射するように流体噴出手段を設ける工程を含むガラス塊製造装置の組立方法。
  12. 溶融ガラスの液滴を滴下し又は連続流として流下する流路と、
    前記流路から離脱した後の液滴又は連続流の落下軌道に向けて流体を噴射する流体噴出装置と、を含むガラス塊製造装置。
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