JP2007238301A - フォークリフトにおける振動吸収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】積載物の負荷条件に左右されないフォークリフトにおける振動吸収装置の提供にある。
【解決手段】車体に設けられたマストに沿って、フォーク17を支持するリフトブラケット18が昇降可能に設けられたフォークリフトにおいて、前記リフトブラケット18に対し、上下方向への移動を可能とする前記フォーク17の駆動機構を備え、前記フォーク17の一部に振動を検出する加速度センサ25を設け、該加速度センサ25からの入力信号に基づき前記フォーク17の駆動機構を作動させる制御コントローラ26を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フォークリフトにおける積載物への振動吸収装置に関するものである。
特許文献1で開示された従来技術では、フォークリフトの荷役装置1が開示されており、リフトシリンダ2のピストンロッド3とフォーク6が取り付けられたリフトブラケット7とは、チェーンホイール4を介してチェーン5で連結されている。リフトシリンダ2のボトム室2Aは、リフト用のコントロールバルブ11に管路12を介して接続されており、又、コントロールバルブ11は、荷役用の油圧ポンプ8と供給管路9を介して接続されている。オペレータは、コントロールバルブ11を操作して圧油をリフトシリンダ2のボトム室2Aに供給することでフォーク6を上昇させ、リフトシリンダ2のボトム室2Aから圧油を排出することでフォーク6を下降させることができる。
又、フォークリフトには振動抑制装置15が備えられており、振動抑制装置15は、リフトシリンダ2のボトム室2Aに導入管路16を介して接続されたアキュームレータ17と、導入管路16の中途部に設置された流量制御弁18とで構成されている。アキュームレータ17は金属ベローズ19に内蔵したガス室20と、ガス室20の収縮につれて拡大される油圧室21を備えている。油圧室21は導入する油圧に応じて容積が変化し、導入油圧の増加に応じて油圧室21に蓄圧し、かつ導入油圧の低下に応じて蓄圧した圧油を放出する。従って、アキュームレータ17は、ボトム室2Aの圧力変動に対応して、ガス室20と油圧室21の容積を変化させて、この圧力変動を吸収するように作動する。例えば、ボトム室2Aのボトム圧が外部からの衝撃などにより急激に上昇する際には、ガス室20の容積を収縮させて油圧室21を拡大することにより、アキュームレータ17の圧力―容積特性(圧力をP、容積をVとし、略してPV特性とする)により決まる圧力値に抑え、一時的な圧力上昇を抑制することができるとしている。
特開2003−201098号公報(第3−5頁、図1)
しかし、特許文献1で開示された従来技術においては、アキュームレータ17のPV特性により、アキュームレータ17は設定圧近傍での圧力変化に対しては大きく容積変化するが、圧力上昇につれて圧力変化に対する容積変化が減少する。ボトム室2Aのボトム圧(導入圧)は、フォーク6への積載荷重に応じて上昇し、例えば、積載荷重の大きい重い荷物Wを積載する場合には、ボトム室2Aのボトム圧が上昇し、ガス室20の容積が収縮し、拡大された油圧室21に圧油が蓄圧される。
このような条件下において、外部から強い衝撃が加わった場合に、アキュームレータ17は圧力変化に対して容積変化が減少しているので、ボトム室2Aのボトム圧の変動に対して油圧室21の容積変化が不十分となり、圧力変動を吸収しきれなくなってしまう問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、積載物の負荷条件に左右されないフォークリフトにおける振動吸収装置の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、車体に設けられたマストに沿って、フォークを支持するリフトブラケットが昇降可能に設けられたフォークリフトにおいて、
前記リフトブラケットに対し、上下方向への移動を可能とする前記フォークの駆動機構を備え、前記車体の一部に振動を検出するセンサを設け、該センサからの入力信号に基づき前記フォークの駆動機構を作動させる制御コントローラを備えていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、車体の一部に設けられたセンサにより振動を検出すると、フォークの駆動機構を作動させフォークを上下方向に移動可能となっているので、例えば、車体が突起物に乗り上げ等して上方に突き上げられた場合には、フォークを下方に向けて移動させることにより、フォーク上の荷物にかかる衝撃と振動を吸収できる。又、車体が溝にはまる等して下方に落下した場合には、フォークを上方に向けて移動させることにより、フォーク上の荷物がバウンドすることによる衝撃と振動を吸収できる。従って、荷物の重量など、積載物の負荷条件に左右されずに荷物にかかる衝撃と振動を吸収でき、フォーク上の荷物が荷崩れなどを起こすことを未然に防止できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフォークリフトにおける振動吸収装置において、前記フォークの駆動機構を、前記リフトブラケットに取り付けられたボールネジと、前記フォークに取り付けられ前記ボールネジと螺合するボールネジナットと、前記ボールネジ又は、ボールネジナットと駆動連結された正逆回転可能な駆動モータとにより構成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、駆動モータを正回転駆動させることにより駆動モータと駆動連結されたボールネジ又は、ボールネジナットを回転させ、ボールネジナットに取り付けられたフォークを上方(或いは下方)に移動させることができる。又、駆動モータを逆回転駆動させることにより駆動モータと駆動連結されたボールネジ又は、ボールネジナットを回転させ、ボールネジナットに取り付けられたフォークを下方(或いは上方)に移動させることができる。駆動機構が簡単であり、装置をコンパクトにまとめることが可能である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のフォークリフトにおける振動吸収装置において、前記センサを加速度センサとし、前記フォークの一部に設けることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、フォークの一部に設けられた加速度センサにより、フォークにかかる上下方向の振動を精度良く検出可能である。
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載のフォークリフトにおける振動吸収装置において、前記センサを加速度センサとし、前記車体フレームの一部に設けることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、車体フレームの一部に加速度センサが設けられているので、加速度センサからの入力信号に基づき制御コントローラを制御し、フォークを上方又は、下方に移動させることができる。車体フレームの一部に設けられた加速度センサにより、フォークリフトの走行時の振動をいち早く検出可能となり、その検出結果に基づくアクション(フォークの上下方向への移動)を速やかにとれるので、振動がフォークより荷物の全体に伝わる前に吸収可能となる。フォーク部に加速度センサを取り付ける場合と比較して、振動の検出を早めることができ、フォークを移動させるまでのタイムラグを考慮した制御が可能となる。
本発明によれば、車体の振動の検出結果に基づき、フォークを上下方向に移動させることにより、積載物の負荷条件に左右されずに荷物にかかる衝撃と振動を吸収できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るフォークリフトにおける振動吸収装置を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示されるように、フォークリフト10は車体フレーム11の上に運転席14が設けられ、車体フレーム11の前後下方には前輪12及び後輪13がそれぞれ設けられている。又、運転席14の前方には、マスト15が立設され、該マスト15にはリフトブラケット18を介して左右一対のフォーク17が設置されている。ここで、フォークリフト10が走行する方向を前後方向とし、それと直角な方向を左右方向、垂直な方向を上下方向とする。リフトブラケット18は、マスト15に沿って上下方向に昇降可能に配置されている。
そして、フォークリフト10には、車体の振動がフォーク17上に積載されている荷物Wに伝わるのを防止する振動吸収装置16が設けられている。図2は振動吸収装置16の正面図を示しフォークリフト10の前方より眺めた図に相当する。図2に示されるように、上下左右の端部に前方に突出したフレーム面を有するリフトブラケット18が備えられ、リフトブラケット18には本発明の振動吸収装置16を構成するフォーク17の駆動機構が備えられている。フォーク17の駆動機構では、上下のフレーム18a、18b間の両端部に左右一対のボールネジ19が垂直方向に架設固定されている。又、L字型の左右一対のフォーク17を支持する支持部材20がフォーク17の垂直部に横架固定されており、支持部材20により一対のフォーク17は一体化形成されている。支持部材20上の、一対のフォーク17の中間部には、ボールネジ19と平行に正逆回転可能な駆動モータ22が配置され、駆動モータ22とボールネジ19とは、回転伝達手段により駆動連結されている。
図2及び振動吸収装置16の下面図である図4に示されるように、この実施形態における回転伝達手段としては、駆動モータ22に取り付けられたモータギヤ23と、ボールネジ19にそれぞれ螺合し上下方向に摺動するボールネジナット21のナットギヤ21bとの間に、中間ギヤ24を介在させて駆動連結したものである。ボールネジナット21は、一対のボールネジ19にそれぞれ螺合するように設けられ、かつ一対のフォーク17にそれぞれ一端を固定されている。ボールネジナット21は、内部にボールネジ19と螺合し回転する回転部21aを有しており、この回転部21aとナットギヤ21bとは一体形成されている。
又、図2及び振動吸収装置16の側面図である図3に示されるように、支持部材20の左右の両端部にはガイドピン20aが突出して設けられており、このガイドピン20aに対向する位置にあるリフトブラケット18の左右フレーム18c、18dには、ガイド溝18eが垂直方向に刻設されている。このガイド溝18eにガイドピン20aが嵌合し、ガイドピン20aはガイド溝18eに沿って上下方向に摺動することにより、フォーク17の前後方向の位置決めがなされている。
上記構成を有するフォーク17の駆動機構において、駆動モータ22の回転は各ギヤを介して両ボールネジナット21に伝達され、両ボールネジナット21はボールネジ19上を上下方向に摺動し、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は上下方向に移動する。図3(a)は、フォーク17が上方に移動した時の状態を示し、図3(b)は、フォーク17が下方に移動した時の状態を示している。
図2に示すように、フォーク17の後面部の下端、即ちL字型のフォーク17の垂直部の後面部の下端の周辺部品と干渉しない位置に、フォーク17の振動を検出するための加速度センサ25が取り付けられている。加速度センサ25は、圧電式のセンサを用いており、所定の強さを有する振動を検出すると、その検出信号は制御コントローラ26に入力される。制御コントローラ26は、入力信号に基づき各種演算処理及び判断処理を行い、駆動モータ22の回転を制御する。上記フォーク17の駆動機構、加速度センサ25及び制御コントローラ26により振動吸収装置16が構成されている。
ここで、振動吸収装置16における制御動作フローを図5に示すフローチャートに基づき説明を行う。
フォークリフト10が走行を開始すると制御ルーチンがスタートし、先ずステップ101において加速度センサ25により加速度が検出される。
ここで、加速度センサ25により検出された加速度をαとし、振動を検出する所定のレベル(しきい値)の加速度をα1とする。又、上向きの加速度をα1で表し、下向きの加速度を−α1(α1は正数)で表すとする。
加速度センサ25により検出された加速度αは、制御コントローラ26に送信される。次にステップ102においては、制御コントローラ26は入力された加速度αが、α>α1かどうかの判断処理を実行する。α>α1の時には、ステップ103に進み、制御コントローラ26は駆動モータ22を正回転するように制御信号を送信し、駆動モータ22は正回転駆動を行う。次にステップ104において、駆動モータ22と各ギヤにより駆動連結された両ボールネジナット21が正回転を行う。次にステップ105において、両ボールネジナット21は、両ボールネジナット21と螺合する両ボールネジ19上を下方に向けて摺動し、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は下方向に移動する。
一方、α>α1でない時には、ステップ106に進み、制御コントローラ26は、α<−α1かどうかの判断処理を実行する。α<−α1の時には、ステップ107に進み、制御コントローラ26は駆動モータ22を逆回転するように制御信号を送信し、駆動モータ22は逆回転駆動を行う。次にステップ108において、駆動モータ22と各ギヤにより駆動連結された両ボールネジナット21が逆回転を行う。次にステップ109において、両ボールネジナット21は、両ボールネジナット21と螺合する両ボールネジ19上を上方に向けて摺動し、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は上方向に移動する。
又、|α|≦α1の時には、ステップ110に進み、制御コントローラ26は所定の強さの振動が検出されないと判断し、ステップ111において、駆動モータ22に対し回転駆動信号を発することなく、制御ルーチンを終了する。
尚、加速度αの大きさ、即ち振動の大きさによりフォーク17の移動距離は予め決められており、制御コントローラ26にプログラムされているものとする。従って、ステップ103及び107において、制御コントローラ26は加速度αの大きさに基づいた駆動モータ22の正逆回転時間を制御することにより、フォーク17の移動距離を制御する。
以上の構成を持つフォークリフトにおける振動吸収装置についてその作用を説明する。
例えば、フォークリフト10が走行中に路面の突起物に乗り上げて、車体が上方に突き上げられる場合には、フォーク17は上向きの加速度α2を受け、フォーク17上に積載されている荷物Wにも加速度α2で上向きに押し上げようとする力が作用する。しかし、加速度センサ25で検出された加速度α2信号は、制御コントローラ26に送信され判断処理が実行される。もし、α2>α1の時には、フォーク17の受ける振動は、所定のレベル(しきい値)以上と判断され、振動を緩和するための処置が施される。
即ち、駆動モータ22は正回転駆動を行い、駆動モータ22の回転は各ギヤ23、24、21bを介して両ボールネジナット21に伝達され、両ボールネジナット21は正回転を行う。両ボールネジナット21が正回転することにより、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は、両ボールネジ19上を軸に沿って下方向に所定距離だけ移動する。従って、フォーク17が上向きの加速度α2を受け、フォーク17上に積載されている荷物Wに上向きの力が作用する前に、加速度α2を小さくさせるようにフォーク17が下方向に移動するので、荷物Wに作用する上向きの力を緩和させることができ、荷物Wにかかる振動及び衝撃を吸収できる。
一方フォークリフト10が走行中に路面の溝などに落ち込んで、車体が下方に落下するような場合には、フォーク17は下向きの加速度α3を受け、フォーク17上に積載されている荷物Wにも加速度α3で下向きに押し下げようとする力が作用する。しかし、加速度センサ25で検出された加速度α3信号は、制御コントローラ26に送信され判断処理が実行される。もし、α3<−α1の時には、フォーク17の受ける振動は、所定のレベル(しきい値)以下と判断され、振動を緩和するための処置が施される。
即ち、駆動モータ22は逆回転駆動を行い、駆動モータ22の回転は各ギヤ23、24、21bを介して両ボールネジナット21に伝達され、両ボールネジナット21は逆回転を行う。両ボールネジナット21が逆回転することにより、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は、両ボールネジ19上を軸に沿って上方向に所定距離だけ移動する。従って、フォーク17が下向きの加速度α3を受け、フォーク17上に積載されている荷物Wに下向きの力が作用する前に、加速度α3を小さくさせるようにフォーク17が上方向に移動するので、荷物Wに作用する下向きの力を緩和させることができ、荷物Wにかかる振動及び衝撃を吸収できる。
この実施形態に係るフォークリフトにおける振動吸収装置によれば以下の効果を奏する。
(1)フォーク17に設けられた加速度センサ25により所定レベル以上の振動を検出すると、フォーク17の駆動機構を作動させフォーク17を上下方向に移動可能となっているので、例えば、車体が突起物に乗り上げ等して上方に突き上げられた場合には、フォーク17を下方に向けて移動させることにより、フォーク17上の荷物Wにかかる衝撃と振動を吸収できる。又、車体が溝にはまる等して下方に落下した場合には、フォーク17を上方に向けて移動させることにより、フォーク17上の荷物Wがバウンドすることによる衝撃と振動を吸収できる。従って、荷物Wの重量など、積載物の負荷条件に左右されずに荷物Wにかかる衝撃と振動を吸収でき、フォーク17上の荷物Wが荷崩れなどを起こすことを未然に防止できる。
(2)駆動モータ22を正逆回転駆動させることにより駆動モータ22と各ギヤにて駆動連結された両ボールネジナット21を回転させ、ボールネジナット21に取り付けられたフォーク17を、両ボールネジ19上を軸に沿って、上方又は下方に移動させることができる。駆動機構が簡単であり、装置をコンパクトにまとめることが可能である。
(3)フォーク17の一部に設けられた加速度センサ25により、フォーク17にかかる上下方向の振動を精度良く検出可能であり、検出結果に基づくアクション(フォーク17の上下方向への移動)を速やかに取る事により、荷物Wにかかる衝撃と振動を吸収できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るフォークリフトにおける振動吸収装置を図6〜図7に基づいて説明する。
この実施形態では、第1の実施形態において、加速度センサの取り付け位置を変更したものである。
従って、ここでは、説明の便宜上、先の説明で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、変更した個所のみ説明を行う。
図6に示されるように、車体フレーム11の前方下部には前輪12を含むフロントアクスル30が設けられ、車体フレーム11の後方下部には後輪13を含むリヤアクスル31が設けられている。そして、車体フレームの一部を構成するフロントアクスル30及びリヤアクスル31には、前輪12及び後輪13を通して車体に伝わる振動を検出するための加速度センサ32、33がそれぞれ取り付けられている。
加速度センサ32、33は、圧電式のセンサを用いており、所定の強さを有する振動を検出すると、その検出信号は制御コントローラ26に入力される。制御コントローラ26は、入力信号に基づき各種演算処理及び判断処理を行い、駆動モータ22の回転を制御する。尚、フォークリフトの前進運転時には、フロントアクスル30に取り付けた加速度センサ32の信号により駆動モータ22の回転を制御し、フォークリフトの後進運転時には、リヤアクスル31に取り付けた加速度センサ33の信号により駆動モータ22の回転を制御する。上記フォークの駆動機構、加速度センサ32、33及び制御コントローラ26により振動吸収装置29が構成されている。
ここで、第2の実施形態に係る振動吸収装置29における制御動作フローを図7に示すフローチャートに基づき説明を行う。
フォークリフトが走行を開始すると制御ルーチンがスタートし、先ずステップ201において前進運転かどうかの判断がなされる。前進運転であれば、ステップ202に進み、加速度センサ32により加速度βが検出される。
後進運転であれば、ステップ203よりステップ204に進み、加速度センサ33により加速度γが検出される。前進運転でも後進運転でもなければ、ステップ205においてフォークリフトは停車中と判断され、スタートに戻り以下同じルーチンを繰り返す。
ここで、加速度センサ32、33により検出された加速度をβ、γとし、振動を検出する所定のレベル(しきい値)の加速度をβ1、γ1とする。又、上向きの加速度をβ1、γ1で表し、下向きの加速度を−β1、−γ1(β1、γ1は正数)で表すとする。
次にステップ206においては、制御コントローラ26は入力された加速度β又はγが、β>β1又は、γ>γ1かどうかの判断処理を実行する。β>β1又は、γ>γ1の時には、ステップ207に進み、制御コントローラ26は駆動モータ22を正回転するように制御信号を送信し、駆動モータ22は正回転駆動を行う。次にステップ208において、駆動モータ22と各ギヤにより駆動連結された両ボールネジナット21が正回転を行う。次にステップ209において、両ボールネジナット21は、両ボールネジナット21と螺合する両ボールネジ19上を下方に向けて摺動し、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は下方向に移動する。
一方、β>β1又は、γ>γ1でない時には、ステップ210に進み、制御コントローラ26は、β<−β1又は、γ<−γ1かどうかの判断処理を実行する。β<−β1又は、γ<−γ1の時には、ステップ211に進み、制御コントローラ26は駆動モータ22を逆回転するように制御信号を送信し、駆動モータ22は逆回転駆動を行う。次にステップ212において、駆動モータ22と各ギヤにより駆動連結された両ボールネジナット21が逆回転を行う。次にステップ213において、両ボールネジナット21は、両ボールネジナット21と螺合する両ボールネジ19上を上方に向けて摺動し、両ボールネジナット21に固定されている一対のフォーク17は上方向に移動する。
又、|β|≦β1又は、|γ|≦γ1の時には、ステップ214に進み、制御コントローラ26は所定の強さの振動が検出されないと判断し、ステップ215において、駆動モータ22に対し回転駆動信号を発することなく、制御ルーチンを終了する。
尚、加速度β又はγの大きさ、即ち振動の大きさによりフォーク17の移動距離は予め決められており、制御コントローラ26にプログラムされているものとする。従って、ステップ207及び211において、制御コントローラ26は加速度β又はγの大きさに基づいた駆動モータ22の正逆回転時間を制御することにより、フォーク17の移動距離を制御する。
以上の構成を持つフォークリフトにおける振動吸収装置での作用については、前進運転時にはフロントアクスル30に取り付けられている加速度センサ32の検出信号を用い、後進運転時にはリヤアクスル31に取り付けられている加速度センサ33の検出信号を用いること以外は、第1の実施形態における作用と同様であり説明を省略する。
但し、前輪12又は、後輪13を通して車体に伝わる振動は、フロントアクスル30に取り付けられた加速度センサ32又は、リヤアクスル31に取り付けられた加速度センサ33により検出され制御コントローラ26に送信されるが、この車体に伝わった振動がマスト15に伝わり、マスト15に取り付けられているリフトブラケット18を介してフォーク17に伝わり、最終的にフォーク17に積載されている荷物Wに伝わるには、若干の時間的なタイムラグがある。従って、この実施形態においては、第1の実施形態におけるフォーク部での振動検出タイミングより若干早めに振動を検出することができ、振動が荷物Wに伝わる前に振動吸収装置29を作動させることが可能となる。
この実施形態に係るフォークリフトにおける振動吸収装置によれば以下の効果を奏する。
尚、第1実施形態の(1)〜(3)の効果は共通なので省略し、それ以外の効果を記す。
(1)フロントアクスル30及びリヤアクスル31に取り付けられている加速度センサ32、33により、前進運転時又は後進運転時におけるフォークリフトの走行時の振動をいち早く検出可能となり、その検出結果に基づくアクション(フォーク17の上下方向への移動)を速やかにとれるので、振動がフォーク17より荷物Wの全体に伝わる前に吸収可能となる。フォーク部に加速度センサを取り付ける場合と比較して、振動の検出を早めることができ、荷物Wにかかる衝撃と振動を事前に確実に吸収できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1、第2の実施形態では、駆動モータとボールネジナットをギヤにより駆動連結し、駆動モータの回転をボールネジナットに伝達するとして説明したが、ボールネジに駆動モータを取り付け駆動モータによりボールネジを直接駆動するようにしても構わない。この場合には、ボールネジが回転することによりボールネジナットが上下方向に摺動し、ボールネジナットに取り付けられたフォークが上下方向に移動する。
○ 第1、第2の実施形態では、フォークの駆動機構としてボールネジ方式を用いるとして説明したが、それ以外の油圧シリンダ方式、ラック&ピニオン方式、リニアモータ方式等を用いても構わない。
○ 第1の実施形態ではフォーク部に加速度センサを取り付け、第2の実施形態ではフロントアクスル部及びリヤアクスル部に加速度センサを取り付けるとして説明したが、フォーク部、フロントアクスル部及びリヤアクスル部にそれぞれ振動を検出するための加速度センサを取り付け、一番早く検出したセンサ信号に基づきフォークを上下方向に移動するようにしても構わない。この場合には、状況に応じたより的確なアクションが可能となり、荷物Wにかかる衝撃と振動を確実に吸収できる。
○ 第2の実施形態では、車体フレームの一部としてのフロントアクスル部及びリヤアクスル部にそれぞれ振動を検出するための加速度センサを取り付けるとして説明したが、加速度センサをフロントアクスル部及びリヤアクスル部以外の車体フレームの一部に設けても構わない。また、設ける場所は一箇所でも良いし、複数個所に設けても構わない。
○ 第1、第2の実施形態では、振動を検出するセンサとして圧電式の加速度センサを用いるとして説明したが、動電式或いはひずみケージ式等の加速度センサでも良く、又変位センサ、速度センサを用いても構わない。
○ 第1、第2の実施形態で説明した振動吸収装置に、フォークに積載された荷物を振り払うための切り替えスイッチを設け、切り替えスイッチのオン操作により、フォークの駆動機構を作動させ、荷物Wに強制的に振動を付与することにより荷崩れを発生させるような使い方をしても良い。例えば廃棄物をフォークに積載し、廃棄場所までフォークリフトで運んでそこに廃棄物を廃棄するような場合に、このような機能を備えていると好都合である。
第1の実施形態に係る振動吸収装置を備えたフォークリフトの全体構成図である。 第1の実施形態に係る振動吸収装置の正面図である。 第1の実施形態に係る振動吸収装置の側面図である。(a)フォークの上昇位置を示す。(2)フォークの下降位置を示す。 第1の実施形態に係る振動吸収装置の下面図である。 第1の実施形態に係る振動吸収装置の制御動作フローを示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る振動吸収装置を備えたフォークリフトの全体構成図である。 第2の実施形態に係る振動吸収装置の制御動作フローを示すフローチャートである。
符号の説明
10 フォークリフト
11 車体フレーム
15 マスト
16 振動吸収装置
17 フォーク
18 リフトブラケット
19 ボールネジ
21 ボールネジナット
22 駆動モータ
25 加速度センサ
26 制御コントローラ
W 荷物













Claims (4)

  1. 車体に設けられたマストに沿って、フォークを支持するリフトブラケットが昇降可能に設けられたフォークリフトにおいて、
    前記リフトブラケットに対し、上下方向への移動を可能とする前記フォークの駆動機構を備え、
    前記車体の一部に振動を検出するセンサを設け、
    該センサからの入力信号に基づき前記フォークの駆動機構を作動させる制御コントローラを備えていることを特徴とするフォークリフトにおける振動吸収装置。
  2. 前記フォークの駆動機構を、前記リフトブラケットに取り付けられたボールネジと、前記フォークに取り付けられ前記ボールネジと螺合するボールネジナットと、前記ボールネジ又は、ボールネジナットと駆動連結された正逆回転可能な駆動モータとにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォークリフトにおける振動吸収装置。
  3. 前記センサを加速度センサとし、前記フォークの一部に設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォークリフトにおける振動吸収装置。
  4. 前記センサを加速度センサとし、前記車体フレームの一部に設けることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォークリフトにおける振動吸収装置。
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