JP2007237570A - 水性インク受容層形成用塗工液、及びインクジェット記録シート - Google Patents

水性インク受容層形成用塗工液、及びインクジェット記録シート Download PDF

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Abstract

【課題】 水性染料インクを使用するインクジェットプリンターで印刷された画像の高温高湿環境下での滲みと耐水性を改良し、長期保管のケースが多いフルカラーの写真印刷用として好適なインクジェット記録シートを提供する。
【解決手段】平均二次粒子径が1μm以下のカチオン性微粒子と、バインダー樹脂、及び下記一般式(1)を有するリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を含み、pHが2〜7であることを特徴とする水性インク受容層形成用塗工液。また、該水性インク受容層形成用塗工液が支持体に塗工されたインクジェット記録シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性インクを用いたインクジェット印刷用の記録シートに関する。さらに詳しくは、高温高湿環境下での画像の滲みと画像の耐水性が優れており、長期保管のケースが多いフルカラーの写真印刷用として好適なインクジェット記録シートに関する。
インクジェットプリンタによる記録方式は、騒音が少ないこと、多色印刷が容易であること、高速記録が可能であること、他の記録方式のプリンタに比べて小型で安価であること等の理由により、多方面で広く利用されている。また、近年、デジタルカメラの写真印刷用として普及しており、インク液滴の微細化技術や、高速度印刷技術の進歩により、銀塩写真並みの画質が家庭で簡単に得られるようになった。インクジェット用インクについては、溶媒は水系のもの、有機溶媒系のものがあり、色素は水又は溶媒に可溶な染料を使用するものと、溶媒に不溶の顔料を使用するものがある。ただし、家庭用のインクジェットプリンターとしては、溶媒が安全無害の水性であり、色素は鮮やかな発色を示し、かつ色再現領域が広い水溶性染料を使用するものが多い。
水に可溶な染料を使用するインクジェットプリンターの画像の安定性は銀塩写真に比較して未だ劣っているのが現状である。光、NOx、SOx、又はオゾンなどによる画像の劣化は、染料の改良により大幅に改善されたが、高温高湿環境に曝されたときに発生する画像の滲み(熱湿滲みと称する)は十分に改善されていない。また印刷後、十分な乾燥を行わないでアルバムに綴じたときに発生する滲みも改善を要する点であり、どちらも染料の定着が不十分なため、染料分子がインク受容層を拡散して発生するためと思われる。
写真印刷用のインクジェット記録シートとしては、樹脂被覆紙上にインク受容層を設けたものが銀塩写真プリントに近い光沢と質感を有するので広く使用されている。このタイプのインクジェット記録シートは紙基材上にインク受容層を設けたものと比較して、紙層によるインク吸収が行われないため、インク吸収能力が一般に劣る。またインク中にはインクジェットノズルの乾燥防止のため高沸点有機溶剤が添加されており、該高沸点有機溶剤がいつまでもインク受容層に残留するため、染料が拡散しやすく、画像に滲みが発生しやすい。特に高温高湿環境に保管された場合や、印刷後、十分な乾燥を行わないでアルバムに綴じたときに発生しやすい。
この画像の滲みを改良するため、種々の試みが行われている。例えば特許文献1にはハイドロタルサイト類を含有することを特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている。該発明のハイドロタルサイト類とは水酸化炭酸マグネシウムアルミニウムと記されているが、水酸化マグネシウムの八面体シート中のマグネシウムイオンを部分的にアルミニウムイオンで置き換えた構造であり、過剰の電荷を中和するためにシート間にアニオンが挟まっている。インクジェット記録に用いられる染料としては水溶性が高い直接染料または酸性染料が主に用いられており、アニオン性であるので、ハイドロタルサイトの層間アニオンとイオン交換することにより、層間に定着される。ハイドロタルサイト類単独ではインク吸収性に劣るため他の顔料、例えばシリカと混合使用することも、特許文献1又は特許文献2で提案されている。しかし、ハイドロタルサイトは、水酸化マグネシウムをベースとする構造であるために、配合した水性塗工液は強いアルカリ性を示し、インクの受容層に用いると色調に偏りを生じることがあった。また、カチオン性の微粒子と併用しようとしても塗工液が増粘したり、ゲル化して塗工できないことが多かった。
特許文献3、特許文献4、特許文献5には一般式(1)で表されるリチウムとアルミニウムからなる化合物を主成分として含む画像形性材料が開示されている。この化合物は水酸化アルミニウムをベースとする構造であり、ハイドロタルサイト類と同様、層間のアニオンは交換可能であり、また水酸化アルミニウムをベースとするため、水性塗工液に配合してもほぼ中性を示す。
Figure 2007237570
しかし、本発明者らの検討結果では、一般式(1)の化合物を主成分とし、バインダー樹脂を添加してインク受容層とした場合、インク吸収量が劣り、多量に塗工しても十分なインク吸収性が得られなかった。インク吸収性を改善するためシリカなどの多孔質顔料を混合した場合にはインク吸収性は十分であったが、染料の定着はインターカレーションで起こるためか、定着に時間を要し、インクジェットプリンターで印字直後の耐水性に問題があった。
特公平4−15747号公報 特開昭63−39372号公報 特開平10−226158号公報 特開平11−78209号公報 特開2005−280080号公報
本発明は水性染料インクを使用するインクジェットプリンター用で印刷された画像の高温高湿環境下での滲みと耐水性の改良を課題とし、長期保管のケースが多いフルカラーの写真印刷用として好適なインクジェット記録シートを製造可能な水性インク受容層形成用塗工液、及び該塗工液が塗工されてなるインクジェット記録シートを提供しようとするものである。
本発明者らは、以下の構成により課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
(1)平均二次粒子径が1μm以下のカチオン性微粒子と、バインダー樹脂、及び下記一般式(1)を有するリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を含み、pHが2〜7であることを特徴とする水性インク受容層形成用塗工液。
Figure 2007237570
(2)カチオン性微粒子が、シリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させたものである(1)記載の水性インク受容層形成用塗工液。
(3)カチオン性微粒子が、シリカ微粒子表面を多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物、カチオン性基含有シランカップリング剤の少なとも一種類で表面処理されたものである(1)〜(2)記載の水性インク受容層形成用塗工液。
(4)一般式(1)の層状化合物の平均二次粒子径が1μm以下である(1)〜(3)記載の水性インク受容層形成用塗工液。
(5)さらに、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物から選択される一種以上の化合物を含むことを特徴とする(1)〜(4)記載の水性インク受容層形成用塗工液。
(6)(1)〜(5)記載の水性インク受容層形成用塗工液が支持体に塗工されたインクジェット記録シート。
(7)支持体が非透気性支持体である(6)記載のインクジェット記録シート。
本発明の水性インク受容層形成用塗工液を塗工されたインクジェット記録シートに水性染料を使用するインクジェットプリンターで印刷された画像は、高温高湿環境下に長期間保存された場合でも画像の滲みが軽微である。そのため長期間、画質を損なうことなく保存が可能である。また、印刷後十分な乾燥を行わないで、アルバムに綴じた場合や合成樹脂製のクリアーファイル中に入れた場合でもにじみの懸念が少ない。また印刷直後に水に接触した場合でも染料が溶出することが少なく、画像の耐水性に優れている。もちろん本発明のインクジェット記録シートに水性の顔料インクを用いて印刷することもできるし、油性インクによる印刷もできる。
本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(層状化合物)
本発明は一般式(1)で示されるリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を含むことを特徴とする。この物質自体の製造法及び化学構造は、Clays and Clay Minerals、第25巻、384〜391ページ(1977年)及び第30巻、180〜184ページ(1982年)により公知のものである。該化合物はギブサイト構造の水酸化アルミニウム八面体シート中にリチウムイオンが入っており、リチウムイオンによる正電荷を補償するためにアニオンがシート間に挿入されている。この化合物はハイドロタルサイト類と呼ばれることもあるが、本来のハイドロタルサイトは広義には二価金属の水酸化物が形成する八面体シートの二価金属の一部を三価金属で置換した構造であり、通常、二価金属がマグネシウム、三価金属がアルミニウムであり、一般式(1)で表される化合物とは区別されるべきものである。
Figure 2007237570
LiとAlの原子比率は厳密に1:2ではなく、製造条件により多少変動することが知られているが、本発明では一般式(1)で表している。
層間のアニオンは交換可能であり、インクジェットプリンター用水性インクに使用されている染料は主として酸性染料または直接染料でありアニオン性であるため、層間のアニオンと交換して定着される。この現象はインターカレーションと呼ばれており、層間に定着された染料は運動しにくく、そのため高温高湿環境下でも拡散しにくいと考えられる。
Aは有機または無機のアニオンであり、特に限定されないが、例えばハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、次亜硫酸イオン、炭酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、メタリン酸イオン、縮合リン酸イオン、ホウ酸イオン、メタホウ酸イオン、次ホウ酸イオン、四ホウ酸イオン、五ホウ酸イオン、水酸化物イオン、ケイ酸イオン、縮合ケイ酸イオン、スルホン酸イオン(メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ヒドロキシベンゼンスルホン酸イオンなど)、カルボン酸イオン(ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、乳酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、コハク酸イオン、アジピン酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、安息香酸イオン、フタル酸イオン、テレフタル酸イオン、サリチル酸イオンなど)、フェノールイオン(フェノールイオン、クレゾールイオン、レゾルシン、クロロフェノールイオンなど)などが例示される。好ましくは低pHでも安定なアニオン状態を保つ強酸のアニオン、例えば塩素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオンである。
製造方法については上記文献以外にも、多くの特許文献が利用できる。例えば、特公平7−2858号公報、特許300313号公報、特許3434634号公報、特許3444732号公報、特許3444752号公報、特許3487937号公報、特許3537529号公報、特許3650231号公報、特許3690876号公報、特開2002−308824号公報、特開2003−160332号公報、特表平9−503750号公報などが開示されている。
さらに具体的な製造方法を以下に述べるが、特に限定するものではない。
一般には水溶性リチウム塩と水溶性アルミニウム塩とを、希望の層間アニオンを含む水溶性塩及びアルカリの存在下に反応させることにより得られる。水溶性リチウム塩としては、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、炭酸リチウムなどをあげることができる。
水溶性アルミニウム塩としては塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウムなどをあげることができる。アルカリとしては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが良く使用される。これらの各成分はAl/Liの原子比が約2になるように、層間アニオンが1価の場合は、層間アニオン/Liのモル比が1以上となるように、層間アニオンがn価の場合は、層間アニオン/Liのモル比が1/n以上となるように配合するのが良い。アルカリは、全成分が添加された後のpHが9〜12の範囲となるように添加すればよく、反応温度は常温から130℃までの範囲が適当である。反応温度が低いと結晶化度が低いので一般には60℃以上の温度で製造される。反応時間は一般に5〜20時間程度である。
一般式(1)の化合物はそのまま使用しても良いが、さまざまな改良、修飾を行ったものを使用することもできる。例えば特公平07−002858号公報には、例えばステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、脂肪酸のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム塩等の金属石鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、各種ワックス類、未変性乃至変性の各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコーテイング剤で表面処理することが記載されている。
特許3451718号公報には、交換性陰イオンを有する層状無機高分子の交換性陰イオンを、層間化合物の層間距離を拡げしかも層間を部分的に疎水化できる有機陰イオン、例えば高級脂肪酸陰イオンで置換させた層状無機高分子を含むことを特徴とするインクジェット記録用印画紙が開示されている。
特開平11−078209号公報には、一般式(1)の化合物にフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸などの有機酸を吸着させたものを使用することが開示されている。特開2002−11944号公報には、層間アニオンにn価のケイ酸アニオンを用いることが示されている。また、特開2000−211917号公報には層間アニオンが過塩素酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどの無機酸素酸イオンを用いることが示されている。
層状化合物の平均粒子径は1μm以下が好ましい。本発明において二次粒子径とは、動的光散乱法により測定され、キュムラント法を用いた解析から算出される値である。平均粒子径を1μm以下とすることにより、比表面積が増大して、少ない添加量で短時間の内にインク中の染料を定着できるようになる。また高光沢のインクジェット記録シートが製造しやすい。さらに、光を乱反射することが少ないので、インク受容層に配合しても印字濃度を低下させることが少なくなる。さらに好ましい平均粒子径は0.005μm〜0.5μmであり、最も好ましくは0.005μm〜0.3μmである。
平均粒子径を好ましい範囲とする方法は、特に限定するものでないが、湿式若しくは乾式の粉砕方法、例えばビーズミル、ボールミル、振動ミル、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、ロールミル、ジェットミルなどを単独で、若しくは組み合わせて用いれば良い。
一般式(1)で表される化合物の塗工液中への配合割合は、以下に述べるカチオン性微粒子100質量部に対し1〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは5〜50質量部である。1部未満ではインクジェット記録シートの滲み改善効果が不十分であり、100質量部を超える場合には、インク吸収性が悪化する場合がある。
(カチオン性微粒子)
インク受容層の主成分となるカチオン性微粒子としては、カチオン性のものであれば使用できる。ここでカチオン性とは水中で測定したゼータ電位がプラスであることを指す。例えばベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナなどが知られている。ただしこれらは細孔容積が小さく、多量に塗工しないとインクを十分に吸収できない欠点がある。特に好ましいのはシリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させてカチオン化したもの、又はシリカ微粒子表面を多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物、カチオン性基含有シランカップリング剤の少なとも一種類で表面処理してカチオン化したものである。
シリカ微粒子としては、コロイダルシリカが広く知られている。その製造方法に関しては、多くの方法が知られているが、ケイ酸ソーダの希釈水溶液をカチオン交換樹脂で処理して酸性の活性ケイ酸水溶液を調製し、この活性ケイ酸水溶液の一部に対しケイ酸ソーダをアルカリとして添加して安定化させて加熱重合することにより、シリカのシード粒子が単分散した液(シード液)を作り、アルカリ性条件を保持しながら活性ケイ酸水溶液の残部(フィード液)をこれに徐々に添加してケイ酸を重合させ、コロイダルシリカの単分散粒子を成長させる方法が広く行われている。また一次粒子が非球状のもの、鎖状のもの、ネックレス状に連結したものもある。コロイダルシリカは非常に粒子径が小さく、インク受容層に用いると高い光沢が得られるが、細孔容積は一般に小さい。
一方、細孔容積の大きい多孔質シリカとしては湿式法で製造される含水非晶質シリカがある。これはケイ酸アルカリ溶液に鉱酸を混合し、ゲル化あるいは沈降させた後、湿式粉砕して得られるものである。例えば、ケイ酸アルカリ水溶液に対して2段に分けて酸添加を行い、シリカを沈殿させることにより細孔容積0.5ml/g以上の含水ケイ酸非晶質シリカを得る方法(沈降法)が行われている。また、ケイ酸アルカリ溶液に酸を添加して、混合物全体をゲル化させたのち粉砕、洗浄、乾燥を行って多孔質の含水非晶質シリカを製造する方法(ゲル法)も行われている。このような湿式法で得られるシリカは、一次粒子が凝集して二次粒子を形成しており、一次粒子間あるいは二次粒子間の空隙により一般に0.5ml/g以上の高い細孔容積を保持している。しかしその粒子径が3〜20μmであることから、光の散乱度が高く、その分散液は一般に白濁し、バインダーとの混合塗膜を作成した場合にも、その塗膜は不透明で、低光沢のマット調となる。
上記の含水非晶質シリカを機械的手段で湿式粉砕処理する方法は、コロイド状シリカ微粒子の分散液を得る方法として公知であり、ビーズミルや高圧ホモジナイザーなどで合成無定型シリカに強い機械的力を加えることにより、一次粒子が凝集してなる平均粒子径が10nm〜1000nmの二次粒子よりなるコロイド状シリカ微粒子を製造することができる。
また、乾式法により得られるシリカを水中で機械的に粉砕する方法もシリカの二次粒子が水中にコロイド状に分散した分散液を得る方法として公知である。乾式法シリカとは、四塩化珪素などの揮発性珪素化合物を火焔中で高温分解する方法により製造される微粒子状シリカである。乾式法シリカの水分散液は湿式法シリカと比べると機械的に微粒子化することが容易であるので、最近の光沢インクジェット記録シートには好んで用いられている。
さらに、特開2001−354408号公報で開示されている、活性ケイ酸を縮合させて得られる微細シリカも好ましく使用できる。この方法では機械的手段によらずに直接、上記の粒子径や細孔容積を有する微細シリカを製造でき、かつ粒度分布が狭いので透明度や光沢が良好な塗工層となる。
シリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させ、カチオン性とする方法は既知である。例えば特開平10−272833号公報には、圧力式ホモジナイザーを用いて粉砕した平均粒径10〜300nmのシリカ微粒子を含有する分散液に、カチオン性樹脂を添加して凝集、増粘させ、凝集した微粒子を再分散させて平均粒径500nm以下とした分散液を塗工・乾燥した層を設けてなるインクジェット記録シートが開示されている。特開2001−80204号公報には、フュームドシリカ(乾式法シリカ)とカチオン化合物を含む分散液を機械的粉砕により平均粒子径1μm以下に分散または粉砕したスラリー状混合物を含有する塗工液を支持体に塗工してなるインクジェット記録シートが開示されている。特開2002−302552号公報にはカチオン性樹脂水溶液に40℃以下の乾式シリカ分散液を添加しながら、且つ20℃〜45℃の温度範囲内で分散せしめた後、高圧ホモジナイザーによる分散処理を行うことを特徴とするカチオン性樹脂変性シリカ分散液の製造方法が開示されている。また、カチオン性樹脂水溶液中に、直接シリカ粉体を少しずつ真空吸引し、分散を行ってシリカ表面にカチオン性樹脂を吸着させる方法も行われている。
カチオン性樹脂としては公知のものが使用できる。代表的なカチオン性樹脂としては、ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第1〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレートの重合物、第1〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体の重合物、ビニルアミン重合物又はその誘導体、アリルアミン重合物又はその誘導体、ジアリルアミン重合物、ジアリルメチルアミン重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルアミン−二酸化イオウ共重合、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合物、アクリルアミド−ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン性樹脂、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン性樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、アクリロニトリルとN−ビニルホルムアミド共重合体の加水分解物、ポリビニルアミジン系樹脂等のカチオン性樹脂が例示でき、単独又は数種類を組み合わせて使用しても良い。
シリカ微粒子表面を多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物、カチオン性基含有シランカップリング剤の少なとも一種類で表面処理してカチオン化する方法も公知である。シリカ微粒子分散液に水溶性多価金属塩や水溶性多価金属塩基性塩を添加して、場合によっては加熱することにより表面に多価金属イオンや多価金属水酸化物、多価金属酸化物を吸着させたり、化学的に結合させてシリカをカチオン性にすることができる。例えば米国特許第3007878号公報、特公昭47−26959号公報、及び特許公報第2677646号公報にはコロイダルシリカを塩基性塩化アルミニウムで処理してカチオン性とする方法が開示されている。
塩基性塩化アルミニウムはシリカ表面をカチオン化するのに好ましい化合物であるが、その他にも、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム、スズ、ビスマスなどの多価金属含有化合物を使用することもできる。特公平4−60435号公報にはシリカの表面にカルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛の少なくとも1種以上の化合物をシリカ当たり酸化物基準で0.5〜20重量%の量で被覆したインクジェット記録紙用填料が開示されている。特開平1−259982号公報にはカルシウム、マグネシウム及び/又はバリウムで表面処理した微粒子シリカを用いることが開示されている。
アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムを含む化合物は、得られるカチオン性シリカ微粒子が安定であること、また無害であることから特に好ましい。ジルコニウムを含む化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、乳酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、が好ましく、特に酸塩化ジルコニウム、塩基性塩化ジルコニルが好ましい。アルミニウムを含む化合物の具体例としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩基性硫酸ケイ酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸ケイ酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウムなどが挙げられるが、これらの中でも塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウムが好ましい。
シリカ微粒子表面をカチオン性基含有シランカップリング剤で処理してカチオン性にすることも公知の技術で行うことができる。特許第2668379号公報にはカチオン性シランカップリング剤で被覆された微粉珪酸、及び合成珪酸塩を用いた被記録材が開示されている。カチオン性のシランカップリング剤の一例としては、第1級、第2級、第3級のアミノ基、又は第4級アンモニウム基を分子構造内に有するものが挙げられ、これらの具体例としては、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、SH−6026、SZ−6050(東レダウコーニング製)の商品名で市販されている特殊アミノシラン等が挙げられる。上記のようなシランカップリング剤分子中のシリル基は、シリカ等の無機顔料表面の水酸基と結合を作るため、これらのシランカップリング剤を用いてシリカを処理することによって、表面に第1〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム基を有するシリカ微粒子が得られる。ここで、第1〜第3級のアミノ基を有するシランカップリング剤を用いる場合、カチオン性を発現するためには、アミノ基を酸で中和して、塩とする必要がある。酸は塩酸、硝酸、などの無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの有機酸を用いれば良い。中和後のpHは3〜7が好ましく、4〜6.5が特に好ましい。酸による中和は、シリカ微粒子にシランカップリング剤を作用させる前、あるいは作用させた後のいずれでも構わない。
シリカ微粒子表面を、多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、及び多価金属含有酸化物から選ばれる少なくとも一種類と、カチオン性基含有シランカップリング剤の両方を用いてカチオン化する方法は特開2005−213504号公報中に開示されており、この方法も用いることができる。
(粒子径)
本発明に用いるカチオン性微粒子は、平均二次粒子径が、1μm以下のものを用いる。このとき、カチオン性微粒子の分散液を充分に水中で希釈した状態で測定される。二次粒子径を1μm以下とすることにより、光沢の高いインクジェット記録シートが得られる。さらに好ましい二次粒子径は、0.02μm〜0.8μmであり、最も好ましい粒子径は0.05μm〜0.5μmである。
(細孔容積)
本発明に用いるカチオン性シリカ微粒子の細孔容積は、0.4ml/g〜2.0ml/gが好ましい。ここで細孔容積とは、窒素ガス吸着法により測定され、直径が100nm以下の細孔の全細孔容積の値である。細孔容積が0.4ml/g未満の場合、インクを吸収するのに塗工量を多くしなければならず不経済であるばかりか、一般に吸収速度が遅く、インク吐出量の多いベタ印字部分の画質に劣る傾向がある。細孔容積が2.0ml/gを超える場合には、インク受容層の密度が小さくなりすぎ、塗工の工程中にひび割れが発生しやすくなる。
(比表面積)
本発明に用いるカチオン性シリカ微粒子の比表面積は、50m/g以上400m/g未満が好ましい。ここで比表面積とは、窒素ガス吸着法により測定され、BET法を用いて求められる値である。比表面積が大きいほど一次粒子が小さく、光を乱反射しなくなるために、高い印字濃度が得られる。しかし、比表面積が大きすぎると、乾燥時の毛管収縮力が大きすぎ、塗工の工程中にひび割れが発生しやすくなる。
(水性インク受容層形成用塗工液)
インク受容層を形成する塗工液は、カチオン性微粒子、一般式(1)で示される層状化合物、及びバインダー樹脂が必須成分であるが、それ以外にも種々の材料を配合することができる。例えば、カチオン性微粒子以外の他の顔料、例えばカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪藻土、ゼオライト、などの無機顔料;アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の樹脂からなる有機顔料が挙げられ、これらの顔料は真球状でも不定形でも良く、無孔質でも多孔質でも良い。これらの顔料は、1種を用いても良く2種以上を混合して用いても良い。
バインダー樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白などの蛋白質類;澱粉や酸化澱粉、加工澱粉等の各種澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリビニルアセタール、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロイルモルホリン、ポリヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアクリル酸、完全けん化ポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコールなどの合成水溶性樹脂;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂ラテックス;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体または共重合体であるアクリル系樹脂ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂ラテックス等が挙げられる。なかでも、特に、ポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく使用される。これらのバインダー樹脂は、1種を用いても良く2種以上を混合して用いても良い。
バインダー樹脂の配合量は、カチオン性微粒子、一般式(1)で示される化合物、及びその他の顔料の合計100質量部に対して5〜100質量部程度が好ましい。水性インク受容層は多孔質構造であることが、インク吸収速度やインク吸収量の面で優れているため、バインダー樹脂はインク受容層のひび割れが発生しない範囲内で最小量に抑えることが望ましい。以上の理由から、さらに好ましい配合量は5〜50質量部、最も好ましくは5〜30質量部である。
本発明の水性インク受容層形成用塗工液においては、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物から選択される一種以上の化合物を含むことが画像の滲みを最小にするので好ましい。ここで水溶性とは20℃の水100gに1g以上溶解することを目安とする。水溶性ジルコニウム化合物の中でも、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、乳酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、塩基性塩化ジルコニルが好ましく、特にジルコニウムイオンが複数個結合してポリマー状となった化合物が好ましく、そのような化合物として塩基性塩化ジルコニルが知られている。水溶性アルミニウム化合物としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸ケイ酸アルミニウムが好ましく、特にアルミニウムイオンが複数個結合してポリマー状となった化合物が好ましく、そのような化合物として塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム塩基性硫酸ケイ酸アルミニウムなどが知られている。塗工液への配合量はカチオン性微粒子100質量部に対し、酸化物換算(Al又はZrO)で1〜50質量部が好ましく、より好ましくは2〜30質量部である。
他の任意成分としては、一般の記録シート製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性改善助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐ガス性改善助剤、ブロッキング防止剤、防腐剤などの各種助剤等が適宜添加される。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。アニオン系界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル塩系等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系(高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンおよび脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物)、多価アルコール系(グリセリンおよびペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド等)等が挙げられる。
上記界面活性剤の中でも、インクジェットプリンターのインクとの親和性が高いことから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン性三重結合を形成する互いに隣接した炭素原子に酸素原子が結合されているため、ノニオン性でありながら、非常に強い極性を有している。そのため、少量の添加でも表面活性効果が高く、支持体に対する塗工液の濡れ性を向上させることができる。また、一般的に、界面活性剤は気泡形成性が強いため、泡立ちという問題を生ずるが、アセチレングリコール系界面活性剤は消泡性を有しており、泡立ちを抑制できる。アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン結合とアルコール性水酸基とを有する化合物であり、その中でも、アルキニレングリコール化合物とエチレンオキサイドとの付加反応生成物が好ましい。特に好ましいアセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレンオキサイドを付加した化合物である。
酸化防止剤としては、例えば特開平1−115677号公報や特許3377093号公報に開示されている化合物が挙げられる。具体的には、分子中に硫黄原子を含む化合物が好ましい。
上記の材料を配合して、塗工液を調製するが、すべての材料を配合した後の塗工液のpHは2〜7の範囲である。特に好ましくは3〜6である。pHが2未満であると、塗工装置の腐食の懸念がある他、インクジェットプリンターで印刷した画像の色調が偏ることがある。またpH7以上では塗工液の増粘やゲル化、また染料の定着が悪化し、滲みや耐水性が悪化する。本発明の塗工液に使用するカチオン性微粒子は前記したように、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナなどのカチオン性微粒子、シリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させてカチオン化したもの、シリカ微粒子表面を多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物、カチオン性基含有シランカップリング剤の少なとも一種類で表面処理してカチオン化したものである。ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナは等電点がpH9〜9.3とされており、塗工液pHが高くなるとカチオン電荷が減少するために染料を強固に定着することができなくなる。また本発明では平均二次粒子径が1μm以下の微粒子を用いるため、表面のカチオン電荷が減少すると、分散液の安定性が減少し、塗工液の増粘やゲル化を引き起こす。
シリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させてカチオン化したものは、吸着されたカチオン性樹脂が第1〜第3級のアミノ基を有するものの場合は、pHが上昇するとプロトンが結合したアミノ基の割合が減少し、カチオン性が減少するので染料を強固に定着することができなくなる。また、表面のカチオン電荷が減少するため、分散液の安定性が減少し、塗工液の増粘やゲル化を引き起こす。第4級アンモニウム基を有するカチオン性樹脂の場合、pHが高くても電荷が減少することはないが、シリカ表面のシラノール基が解離してアニオン性が高くなるため、カチオン性樹脂との相互作用が強くなり、塗工液はゲル化する。
カチオン性基含有シランカップリング剤で表面処理されたシリカ微粒子の場合もカチオン性樹脂の場合と同様のメカニズムで、塗工液pHが高くなると染料の定着が悪化し、滲みや耐水性が悪化したり、塗工液の増粘やゲル化が発生する。
多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物から選ばれる少なくとも一種類で表面処理されたシリカ微粒子を用いた場合には、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナと同様に、pHが高くなると等電点に近づくため染料の定着が悪化し、滲みや耐水性が悪化したり、塗工液の増粘やゲル化が発生する。
また本発明の好ましい態様として、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物から選択される一種以上の化合物が塗工液に配合されるが、pHが高いとそれぞれ水酸化ジルコニウム及び水酸化アルミニウムとして不溶化するため、滲みの防止効果が小さくなる。
塗工液のpH調整は、必要に応じて酸又は酸性化合物を添加することにより行えば良い。酸としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、サリチル酸などカルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのスルホン酸;アスコルビン酸などが例示される。酸性物質としては、アルミニウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、スズ、アンチモンの強酸塩や、塩化アンモニウムなどの有機弱塩基と強酸の塩が例示される。pHが低すぎる場合にはアルカリで調整すればよい。アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アミン類などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録シートには、各種支持体を使用することができる。王研式透気度が500秒/100ml未満の透気性を有する支持体を用いた場合は、支持体自体にインク吸収能力があるため、インク受容層は比較的少ない塗工量で済む。しかし透気度が低い支持体の場合、インクを吸収して膨張するため、皺やボコツキが発生しやすく、銀塩写真としての風合いを損なう面もある。その点、非透気性支持体はインクが浸透しないため、印字しても皺やボコツキが発生せず、銀塩写真の風合い、又は光沢感が容易に得られる。
本発明において、非透気性の支持体とは、王研式透気度が500秒/100ml以上、好ましくは800秒/100ml以上、より好ましくは1000秒/100ml以上であるような基材を意味する。このような支持体としては、例えば、ポリエチレン樹脂を被覆した、所謂樹脂被覆紙、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施した、ユポ(商品名:ユポ・コーポレーション社製)に代表される所謂合成紙、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PETなど)、ポリスチレンなどのフィルム、金属蒸着紙、樹脂含浸などにより透気度を高くした紙類などが挙げられる。中でも、樹脂被覆紙、合成紙、フィルムは表面の平滑性が高いため、高光沢のインクジェット記録シートが容易に得られるので好ましい。
特に、酸化チタンを練り込んだポリエチレンを紙表面に樹脂被覆した支持体は、銀塩写真印画紙にも使用されており、好ましく用いられる。ポリエチレン被覆層の厚みは、3〜50μmが好ましく、5〜30μmがより好ましい。ポリエチレン被覆層の厚みが3μm未満の場合は、樹脂被覆時にポリエチレン樹脂の穴等の欠陥が多くなりやすく、厚みのコントロールに困難がある場合が多く、平滑性も得にくくなる。逆に50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。また、インク受容層との接着性を高めるため、樹脂層表面にコロナ放電処理を施したり、ゼラチン、ポリビニルアルコールなどのサブコート層を設けることが好ましい。
このポリエチレン樹脂を被覆した、所謂樹脂被覆紙に用いる紙基材としては、木材パルプを主材料として製造されているものが使用される。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を適宜使用することができ、これらのパルプは紙力や平滑性、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。叩解度は、特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度が好ましい範囲である。また、所謂ECF、TCFパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。また、必要に応じて、顔料を添加することができる。顔料には、タルク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライト等が好ましく使用される。顔料の添加により、不透明性や平滑度を高めることができるが、過剰に添加すると、紙力が低下する場合があり、顔料の添加量は、対木材パルプ1〜20質量%程度が好ましい。
また、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透明性が優れているプラスチックフィルムを用いると、バックプリントやOHPシート等の光透過性記録媒体として利用できるインクジェット記録シートを作製することができる。これらの支持体は、その表面に形成するインク受容層との接着力が不十分な場合にはサブコート層を施したり、コロナ放電処理などの各種の易接着処理を施すことができる。
支持体の厚さは、プリンターの通紙性を考慮すると50〜500μmが好ましい。また、インクジェット記録シートのカール抑制や、搬送性の向上のため、基材シートのインク受容層とは反対側に裏面層を設けることもできる。裏面層の構成及びそれに伴う基材シート裏面の易接着処理等はその用途に応じて選択することができ、特に限定されるものではないが、塗工性、コストを鑑みると顔料と親水性樹脂を主成分とする裏面層を設けることが好適である。但し、裏面層の吸水性が高すぎると、印刷後に積層した記録シートが貼り付いたり、べたついたりするため好ましくない。更に両面印刷を想定し、インク受容層を含む塗工層を両面に設けても良く、ラベルやシール用途に対応すべく、裏面に粘着剤を塗工した後、剥離紙と組み合わせても良い。
インク受容層の塗工量は乾燥後の質量で2〜50g/mとするのが好ましく、5〜30g/mとするのがより好ましい。塗工量を2g/m以上とすることにより、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が向上する。塗工量を50g/m以下とすることにより、塗膜強度やカールを良好に保つことができる。なお、インク受容層は複数層積層しても良く、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていても良い。
インク受容層の塗工は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行っても良い。
高光沢のインクジェット記録シートを製造する場合には、塗工層をキャスト法で形成しても良い。キャスト法とは支持体または下塗り層を塗工した支持体上に、塗工液を塗工し、そのまま、又は半乾燥の状態で、或いはゲル化剤を塗工して塗工層をゲル化させた後、加熱された鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、ドラムから剥離してドラムの鏡面を塗工層に写し取る方法である。また、乾燥された塗工層に溶媒を塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、ドラムから剥離してドラムの鏡面を塗工層に写し取るリウェットキャスト法も行うことができる。キャスト法に使用する塗工液の処方は、本発明の処方、すなわち、平均二次粒子径が1μm以下のカチオン性微粒子と、バインダー樹脂を含み、さらに一般式(1)の化合物を有する塗工液であっても良いし、他の処方でも良い。
非透気性の支持体の場合、上記のキャスト法は実施できないが、特開2004−294296号公報、特開2004−293957号公報などに記載されている方法により光沢層を形成することができる。この光沢層形成方法は、光沢層用塗工液層を設ける工程、該塗工液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、及び該塗工液層を乾燥する工程にで行われる。光沢層用塗工液層を設ける工程と、該塗工液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程と、該塗工液層を乾燥する工程を連続的に実施しても良いし、各工程を個々の設備に分離して実施しても良い。本法に使用する塗工液の処方は、本発明の処方、すなわち、平均二次粒子径が1μm以下のカチオン性微粒子と、バインダー樹脂を含み、さらに一般式(1)の化合物を有する塗工液であっても良いし、他の処方でも良い。
本発明の塗工液は平均二次粒子径が1μm以下の微粒子を使用するため、塗工後の乾燥工程でひび割れが発生しやすい。このひび割れを防ぐ方法が種々工夫されており、例えば塗工液中にバインダー樹脂を架橋させる架橋剤を配合する技術が知られている。例えば特開平11−158165号公報にはバインダー樹脂としてポリビニルアルコールを使用し、架橋剤としてホウ酸又はその塩を使用する技術が開示されている。ホウ酸又はその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及びそれらの塩が含まれる。ホウ酸又はその塩の使用量は、塗工液の無機微粒子や親水性バインダーの量により広範に変わり得るが、親水性バインダーに対して概ね1〜60質量%、好ましくは5〜40質量%である。また、インク受容層形成用塗工液を塗工した後、乾燥前或いは乾燥中に架橋剤水溶液を塗工して塗工液を架橋しても良い。また、支持体または下塗り層に架橋剤を塗工しておき、その上にインク受容層形成用塗工液を塗工して、該塗工層を架橋させることもできる。
上記の技術以外にもインク受容層形成用塗工液に活性エネルギー線で架橋する物質を添加しておき、塗工後に活性エネルギー線を照射して、塗工層をゲル化もしくは増粘させてから乾燥する技術を採用しても良い。例えば特開2002−160439号公報には平均粒径が1μm以下で細孔容積が0.4〜2.5ml/gの微細顔料と、水溶液に電子線を照射することによりハイドロゲルを形成する親水性樹脂とを含有する水性塗工液を塗工し、ついで電子線を照射して該塗工層をハイドロゲル化させたのち乾燥して多孔質のインク受容層を形成する技術が開示されている。特開2004−136644号公報には、支持体上に、主鎖に複数の側鎖を有する重合度が300以上の親水性高分子化合物に電離放射線を照射することによって、側鎖間で架橋結合させた高分子化合物を含む多孔質層を有するインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開2003−040916号公報には、一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点より高い温度領域では疎水性を示す高分子エマルジョンを塗工液に配合し、感温点以下の温度に冷却することにより、塗工層をゲル化もしくは増粘させた後、乾燥する記録媒体製造方法が開示されている。
以下に本発明の更に詳しい説明を実施例により行う。実施例および比較例に記載した試験項目の測定方法は以下の通りである。
(比表面積、細孔容積測定方法)
試料が水分散液の場合はそのまま105℃で乾燥し、粉体の場合は一旦10質量%の水分散液としてから105℃で乾燥し、窒素ガス吸着法比表面積・細孔分布測定装置〔Coulter社製SA3100plus型〕を用い、前処理として200℃で2時間真空脱気した後に測定した。比表面積は、BET多点法(5点法)を使用し、細孔容積は細孔径100nm以下の全細孔容積の値(窒素相対圧0.9814)を使用した。
(平均二次粒子径測定方法)
動的光散乱法によるレーザー粒度分布計(大塚電子株式会社製FPAR1000)を用いて、サンプルを十分に蒸留水で希釈した状態で測定した。平均二次粒子径はキュムラント法を用いた解析から算出される値を用いた。
(75度白紙光沢)
村上色彩技術研究所の光沢度計(GM−26 PRO/AUTO)を用い、ISO 8254−1に基づいて測定した。
(高温高湿下における画像の熱湿にじみ評価)
L判サイズ(89mm×127mm)に切り取った各記録シートを30℃、湿度80%の環境でセイコーエプソン社製インクジェットプリンタPM−G820(染料インク搭載機)のEPSON写真用紙推奨・L判縁無し設定によりJIS−X9204「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/SCID」画像識別番号:N1の画像を1サンプルにつき2枚ずつ続けて出力した。2枚目出力後、排出トレイに2枚重なって出力された記録シートをそのままアクリル板の上に移し、その上にL判サイズの厚さ5mmのアクリル板を重ねて静置した。24時間後、1枚目に出力した記録シートを取り出してISO環境中(23℃、相対湿度50%)で24時間乾燥させた。
ISO環境で1サンプルにつき1枚ずつ同設定条件で出力後、積層せずに24時間乾燥させた通常画像と共に、下記指標をもとに画質を5段階に評価した。
5点:積層画像ににじみは無く、色調も通常画像とほぼ同じで鮮明である。
4点:積層画像ににじみは無い。通常画像と比較すると淡色部の色調が微妙に異なるが、不自然さはなく差違は比較しないと判別できない程度で鮮明である。
3点:積層画像に若干のにじみがある。通常画像と比較すると色調が全体的に異なる。
2点:積層画像ににじみがひどく、色調も色が沈んで不自然な印象がある。
1点:積層画像はにじみが激しく画像が破綻している。通常画像も鮮明性に欠ける。
(画像耐水性の評価方法)
L判サイズ(89mm×127mm)に切り取った各試料に、ISO環境でインクジェットプリンター(EPSON製、PM−G820)のEPSON写真用紙推奨モード設定で100%イエロー、100%シアン、100%マゼンタ、100%ブラックベタの正方形(一辺10mm)を印字し、プリンターから排出直後に、純水に3分間浸漬し、乾燥後に染料の溶出状態を5段階に評価した。
5点:染料の溶出が認められない。
4点:よく見ると印字部と未印字部の境界に溶出した染料が認められる程度である。
3点:印字部と未印字部の境界に溶出した染料が認められるが程度は軽い。
2点:印字部と未印字部の境界に溶出した染料がはっきりと認められる。
1点:印字部全体に染料の溶出が激しい。
以下に支持体の製造方法を示す。
(原紙A)
CSF(JIS P−8121)が250mlまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m、密度1.0g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25ml/m塗工して、樹脂被覆前の原紙A(透気度:1000秒)を得た。
(樹脂被覆紙A)
この原紙Aの両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、原紙Aのフェルト面側に、塗工量25g/mとなるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2を、原紙のワイヤー側に、塗工量20g/mとなるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗工し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の樹脂被覆を行った。その後、ポリオレフィン樹脂組成物1で樹脂被覆した側に再度コロナ放電処理した後、市販の写真用ゼラチン(宮城化学工業株式会社製、品名:P−487)の1%熱水溶液を乾燥質量で0.3g/mになるように塗工し60℃で熱風乾燥して樹脂被覆紙Aを得た。
(ポリオレフィン樹脂組成物1)
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)50質量部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15質量部、ステアリン酸亜鉛0.1質量部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03質量部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09質量部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.3質量部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
(ポリオレフィン樹脂組成物2)
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm、メルトインデックス20g/10分)65質量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm、メルトインデックス2g/10分)35質量部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
以下に、カチオン性微粒子の製造方法を示す。
(カチオン性微粒子Aの調製)
イオン交換水880gにカチオン性樹脂であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)の10%水溶液を89g添加攪拌し、ついで市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、比表面積300m/g、トクヤマ社製)111gを分散した。この混合分散液に高圧ホモジナイザーの一種であるマイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)による粉砕分散処理を50MPaで1回施し、固形分濃度11%のカチオン性微粒子Aを含む分散液を製造した。この状態の微粒子の細孔容積は1.4ml/g、平均二次粒子径は313nmであった。
(カチオン性微粒子Bの調製)
イオン交換水880gに塩基性塩化アルミニウム(商品名:タキバイン♯1500、多木化学(株)製)の23.5%水溶液(Al換算濃度)47gを添加攪拌し、ついで市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、比表面積300m/g、トクヤマ社製)111gを分散した。この混合分散液を90℃で二時間加熱後、マイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)による粉砕分散処理を50MPaで1回施し、固形分濃度12%のカチオン性微粒子Bを含む分散液を製造した。この微粒子の細孔容積は1.5ml/g、平均二次粒子径は365nmであった。
(カチオン性微粒子Cの調製)
イオン交換水880gにγ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:SH6020、東レダウコーニング社製)11gを添加攪拌し、ついで塩酸で中和してpH6.5に調整した。これに市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、比表面積300m/g、トクヤマ社製)111gを分散した。この混合分散液を90℃で二時間加熱後、マイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)による粉砕分散処理を50MPaで1回施し、固形分濃度12%のカチオン性微粒子Cを含む分散液を製造した。この微粒子の細孔容積は1.4ml/g、平均二次粒子径は289nmであった。
(カチオン性微粒子Dの調製)
容量2000mlのガラス製反応器(セパラブルフラスコ、撹拌羽根、温度計付き)に、イオン交換水810gとイソプロパノール675gを仕込み、マントルヒーターにより液温を75℃に加熱した。撹拌しながらアルミニウムイソプロポキシド306.4gを添加し、液温を75〜78℃に保持しながら20時間加水分解を行った。次いで、イソプロピルアルコールを留去しながら95℃まで昇温し、酢酸9gを添加して95℃で40時間解膠した。さらにこの液を濃縮し、固形分濃度15%の白色の擬ベーマイトゾルを得た。この微粒子の細孔容積は0.90ml/gで、平均二次粒子径は280nmであった。
以下に本発明で用いたリチウムとアルミニウムからなる層状化合物の製造法を示す。
(層状化合物A)
攪拌羽を取り付けた300ml容の2頭型セパラブルフラスコ中で、0.02molの硝酸アルミニウム九水和物を蒸留水に溶解し、全体量を100gとしてからオイルバスで加熱して60℃に昇温した。ここに、0.06molの水酸化リチウム一水和物を蒸留水に溶解して全体量を80gとした水溶液を15分かけて徐々に滴下した(Li/Alモル比=3/1)。滴下完了後、溶液温度を60℃に保って攪拌したまま2時間保持した。2時間後、沈殿を濾別し、ろ液が中性となるまで純水で十分洗浄し、組成がLiAl(OH)NOのリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を得た。この層状化合物Aを濃度が20質量%になるように純水中に分散し、マイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)による粉砕分散処理を処理圧及び処理回数を変えて、平均粒子径を0.29μm、0.89μm、2.54μmに調整した。分散液のpHはいずれも7.5であった。
(層状化合物B)
水酸化ナトリウム(NaOHとして96%)25.00gと炭酸ナトリウム(NaCOとして99.7%)7.44gとを撹拌下蒸留水2リットルに加えて、これを40℃に加温した。次いで、この水溶液に、Al/Liのモル比が2.0になるように塩化リチウム(LiOとして52.90%)4.33gと塩化アルミニウム(Alとして20.48%)49.78gを蒸留水500mlに加えて調製した水溶液を徐々に滴下した。滴下終了後のpHは10.7であった。更に撹拌下90℃の温度で20時間反応を行った。反応終了後、懸濁液を濾過しろ液が中性となるまで純水で十分洗浄し、組成がLiAl(OH)(CO0.5のリチウムとアルミニウムからなる層状化合物Bを得た。この層状化合物Bを濃度が20質量%になるように純水中に分散し、マイクロフルイタイザーによる粉砕分散処理を行って、平均粒子径が0.35μmに調整した。分散液のpHは7.7であった。
以下に、インクジェット記録シートを作成するときに用いる下塗り層塗工液と硼砂液の調整方法を示す。
(下塗り層用塗工液の調製)
市販ゲル法シリカ(商品名:サイロジェット703A、平均1次粒子径:12nm、平均2次粒子径:約300nm、グレースデビソン社製)の20%水分散液の固形分100部に対して、固形分として15部分の完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−145、重合度=4500、けん化度=99%以上、クラレ社製)の8%水溶液と、固形分として0.05部のアセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)並びに希釈水を混合し、固形分濃度16%の下塗り層用塗工液を調製した。
(硼砂液の調製)
硼砂2%水溶液100部と前述のアセチレングリコール系界面活性剤オルフィンE1004の0.1%水溶液3部を混合攪拌して硼砂液とした。
実施例1
カチオン性微粒子Aを含む分散液と、平均粒子径を0.29μmに調整した層状化合物Aの分散液と、前述のPVA−145の8%水溶液を配合し、配合比が固形分質量比でカチオン性微粒子A:層状化合物A:PVA−145=100:10:15の塗工液とした。pHは3.3であった。粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
樹脂被覆紙Aのポリオレフィン樹脂組成物1をラミネートした側に、下塗り層用塗工液を乾燥質量で塗工量が10g/mとなるようにダイコーターで塗工し、110℃で10分間熱風乾燥した。次いでこの面に、ロッドバーコーターで硼砂液を10g/m塗工した後、上記の塗工液を乾燥質量で塗工量が13g/mとなるようにダイコーターで塗工し、110℃で10分間熱風乾燥してインクジェット記録シートを得た。
実施例2
実施例1において塗工液の配合比を、カチオン性微粒子A:層状化合物A:PVA−145=100:20:17に変更したこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.4であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例3
実施例1において塗工液の配合比を、カチオン性微粒子A:層状化合物A:PVA−145=100:40:20に変更したこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.6であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例4
層状化合物Aとして平均粒径が0.89μmのものを使用したこと以外は実施例2と同様にして、塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.3であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例5
層状化合物Aとして、平均粒径が2.54μmのものを使用したこと以外は実施例2と同様にして、塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.3であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例6
実施例2の層状化合物Aに代えて層状化合物Bを使用したこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.6であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例7
実施例2のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Bにしたこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは2.9であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例8
実施例2のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Cにしたこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは5.4であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例9
実施例2のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Dにしたこと以外は同様にして塗工液とインクジェット記録シートを得た。塗工液pHは3.5であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。
実施例10
実施例2の塗工液に塩基性塩化アルミニウム(多木化学(株)製、タキバイン#1500)を配合し、塗工液を得た。配合比は、カチオン性微粒子A:層状化合物A:PVA−145:塩基性塩化アルミニウム(Al換算)=100:20:17:2とした。塗工液pHは3.2であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
実施例11
実施例2の塗工液に塩基性塩化ジルコニル(組成式ZrO(OH)Cl・nHO、第一稀元素(株)製、ジルコゾールZC−2)を配合し、塗工液を得た。配合比は、カチオン性微粒子A:層状化合物A:PVA−145:塩基性塩化ジルコニル(ZrO換算)=100:20:17:2とした。塗工液pHは3.1であり、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
実施例12
樹脂被覆紙Aに代えて原紙Aを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェット記録シートを得た。
比較例1
配合比が、カチオン性微粒子A:PVA145=100:17の塗工液を調製した。これは実施例2において層状化合物Aを含まない塗工液処方である。塗工液pHは3.2であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例2
配合比が、カチオン性微粒子B:PVA145=100:17の塗工液を調製した。これは実施例7において層状化合物Aを含まない塗工液処方である。塗工液pHは2.7であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例3
配合比が、カチオン性微粒子C:PVA145=100:17の塗工液を調製した。これは実施例8において層状化合物Aを含まない塗工液処方である。塗工液pHは5.2であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例4
配合比が、カチオン性微粒子D:PVA145=100:17の塗工液を調製した。これは実施例9において層状化合物Aを含まない塗工液処方である。塗工液pHは3.3であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例5
配合比が、カチオン性微粒子A:PVA145:塩基性塩化アルミニウム(タキバイン#1500)=100:17:2の塗工液を調製した。塗工液pHは3.1であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例6
協和化学工業の合成ハイドロタルサイト(商品名DHT、組成式MgAl(OH)16・CO.4HO)をマイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)で粉砕分散処理し、平均粒子径が0.33μmで20%の分散液とした。この分散液のpHは9.5であった。これを実施例2と同様に、配合比が、カチオン性微粒子A:ハイドロタルサイト:PVA−145=100:20:17の塗工液を得ようとしたが、塗工液全体がゲル化してしまった。
比較例7
比較例6のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Bにしたこと以外は同様にして塗工液を得ようとしたが、塗工液全体がゲル化してしまった。
比較例8
比較例6のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Cにしたこと以外は同様にして塗工液を得ようとしたが、塗工液全体がゲル化してしまった。
比較例9
比較例6のカチオン性微粒子Aに代えてカチオン性微粒子Dにしたこと以外は同様にして塗工液を得ようとしたが、塗工液全体がゲル化してしまった。
比較例10
実施例2の塗工液を攪拌しながら12%アンモニア水を添加してpHを8.2にしたところ塗工液全体がゲル化してしまった。
比較例11
実施例7の塗工液を攪拌しながら12%アンモニア水を添加してpHを8.6にしたところ塗工液全体がクリーム状になってしまい、塗工はできなかった。
比較例12
実施例8の塗工液を攪拌しながら12%アンモニア水を添加してpHを8.5にしたところ塗工液全体がクリーム状になってしまい、塗工はできなかった。
比較例13
実施例9の塗工液を攪拌しながら12%アンモニア水を添加してpHを8.5にしたところ塗工液全体がクリーム状になってしまい、塗工はできなかった。
比較例14
水712gにカチオン性微粒子A製造で用いたポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの10%水溶液を128g混合し、次いで(株)トクヤマ製のファインシールX45(沈降法シリカ、比表面積280m2/g、平均二次粒子径4.5μm、アニオン性)160gを混合し、十分攪拌してカチオン性樹脂をシリカに吸着させた。次いで平均粒径が0.29μmの層状化合物Aの20質量%分散液173g混合した。次いで、PVA−145の8%水溶液を518g添加してよく混合し、塗工液を得た。この塗工液の配合比は固形分比で、カチオン性シリカ:層状化合物A:PVA−145=100:20:24である。塗工液pHは3.4であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例15
イオン交換水890gにカチオン性微粒子A製造で用いた市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、アニオン性)110gを分散した。この混合分散液に、比較例6で用いたハイドロタルサイトの分散液110gを添加し、良く混合した。マイクロフルイタイザー(Microfluidics社製、型番:M110/EH)による粉砕分散処理を50MPaで1回施し、固形分濃度11.9%の分散液を製造した。この分散液にPVA−145の8%水溶液を添加して、配合比率が固形分比で、シリカ:ハイドロタルサイト:PVA=100:20:17の塗工液を得た。塗工液pHは9.3でありアルカリ性であったが、粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例16
比較例15のハイドロタルサイトの代わりに平均粒子径0.29μmの層状化合物Aを用いたこと以外は比較例15と同様にして塗工液を得た。塗工液pHは5.5であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行った。
比較例17
平均粒子径0.29μmの層状化合物AにPVA−145の8%水溶液を添加し、配合比率が固形分比で、層状化合物A:PVA=100:15の塗工液を得た。塗工液pHは7.3であり粘度、流動性ともに塗工に問題なかった。インクジェット記録シートの製造は実施例1と同様に行い、高温高湿下における画像の耐熱湿にじみ評価と、画像耐水性の評価を行うためにインクジェットプリンターで印刷したところ、インクが溢れてしまい、評価を行えなかった。
Figure 2007237570
Figure 2007237570
実施例1〜9が示しているように、カチオン性微粒子と、リチウムとアルミニウムからなる層状化合物の両方を含む塗工液から製造されたインクジェット記録シートは高温高湿条件での滲みと印字直後の画像耐水性に優れており、さらに水溶性アルミニウム化合物や水溶性ジルコニウム化合物を含む場合には、さらに改善された(実施例10〜11)。一方、カチオン性微粒子のみでリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を含まない場合には、滲みが非常に悪かった(比較例1〜4)。
リチウムとアルミニウムからなる層状化合物の代わりにハイドロタルサイトを用いた場合には塗工液がゲル化して塗工できなかった(比較例6〜9)。また、カチオン性微粒子と、リチウムとアルミニウムからなる層状化合物の両方を含む塗工液でも、pHを7以上とした場合には塗工液がゲル化または著しく増粘してクリーム状になってしまい塗工できなかった。顔料として粒子径が大きなシリカを用いた場合には、全く光沢がなくマット調であった(比較例14)。またアニオン性微粒子の場合にはハイドロタルサイトと混合することができたが、画像耐水性に劣り、滲みも十分ではなかった(比較例15)。また、アニオン性微粒子に層状化合物Aを混合した場合にも画像耐水性に劣った(比較例16)。層状化合物Aにバインダーを配合して塗工液を製造し、インクジェット記録シートを製造した場合には、インク吸収性が不十分でインクが溢れてしまった(比較例17)。
本発明はインクジェット記録シート、特に光沢を有するインクジェット記録シートの製造に好適に使用できる。


Claims (7)

  1. 平均二次粒子径が1μm以下のカチオン性微粒子と、バインダー樹脂、及び下記一般式(1)を有するリチウムとアルミニウムからなる層状化合物を含み、pHが2〜7であることを特徴とする水性インク受容層形成用塗工液。

    Figure 2007237570
  2. カチオン性微粒子が、シリカ微粒子表面にカチオン性樹脂を吸着させたものである請求項1記載の水性インク受容層形成用塗工液。
  3. カチオン性微粒子が、シリカ微粒子表面を多価金属含有イオン、多価金属含有水酸化物、多価金属含有酸化物、カチオン性基含有シランカップリング剤の少なとも一種類で表面処理されたものである請求項1〜2記載の水性インク受容層形成用塗工液。
  4. 一般式(1)の層状化合物の平均二次粒子径が1μm以下である請求項1〜3記載の水性インク受容層形成用塗工液。
  5. さらに、水溶性ジルコニウム化合物及び水溶性アルミニウム化合物から選択される一種以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4記載の水性インク受容層形成用塗工液。
  6. 請求項1〜5記載の水性インク受容層形成用塗工液が支持体に塗工されたインクジェット記録シート。
  7. 支持体が非透気性支持体である請求項6記載のインクジェット記録シート。


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