JP2007237223A - 転造ダイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工コストを低減して、転造ダイスを安価に製造することができる転造ダイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】本願発明の転造ダイス1の製造方法によれば、いわゆる2重ねじ51が形成された軸状部材50をダイス素材上で転動させる転動工程を備え、その転動工程で軸状部材50をダイス素材上で転動させて第1及び第2加工歯31,32を転造する。即ち、軸状部材50の外周面のみに研削加工を施せばよいので、ダイス素材の転造面全体に研削加工を施す場合と比較して、研削加工の加工面積を小さくすることができる。その結果、加工コストの低減を図り、その分、転造ダイス1を安価に製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、転造ダイスの製造方法に関し、特に、加工コストを低減して、転造ダイスを安価に製造することができる転造ダイスの製造方法に関するものである。
ボルトとナットとを締結する場合には、ナットの緩み止め手段として、いわゆるダブルナット方式による締結が一般に利用されている。この場合、リードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじを有する2重ねじボルトを使用することで、ダブルナット方式による緩み止め機能をより発揮させることも行われている。
ところで、2重ねじは、一般に、転造加工で形成される。例えば、特開2003−260532号公報に記載の技術では、ダイス(転造ダイス)の転造面に並目雄ねじ形成用突条(並目ねじ形成用歯形)と細目雄ねじ形成用突条(細目ねじ形成用歯形)とが互いに交差した状態で研削されており、このダイスの転造面上で被転造素材を転動させて、被転造素材の外周面に2重ねじを転造する。
特開2003−260532号公報(段落[0054]、図10など)
しかしながら、上述したダイスでは、並目雄ねじ形成用突条及び細目雄ねじ形成用突条をダイスの転造面全体に研削する必要があるので、加工面積の増大により加工コストが嵩み、転造ダイスを安価に製造することができないという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、加工コストを低減して、転造ダイスを安価に製造することができる転造ダイスの製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の転造ダイスの製造方法は、並目ねじを形成するための並目ねじ形成用歯形と細目ねじを形成するための細目ねじ形成用歯形とを有する転造歯形面を備え、その転造歯形面上で被転造素材を転動させ、前記被転造素材の外周面にリードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじを転造するものであり、外周面にリードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじが形成された軸状部材をダイス素材上で転動させる転動工程を備え、その転動工程により前記軸状部材の外周面を前記ダイス素材に食い込ませ、前記ダイス素材に前記並目ねじ形成用歯形と前記細目ねじ形成用歯形とを転造するように構成されている。
請求項2記載の転造ダイスの製造方法は、請求項1記載の転造ダイスの製造方法において、前記転動工程の前に、前記ダイス素材に荒ねじを研削する研削工程を備え、その研削工程により研削される荒ねじの形状は、谷の底面が前記並目ねじ形成用歯形の谷の底面よりも山の頂側に位置し、かつ、フランクが前記並目ねじ形成用歯形のフランクに対応する形状に形成されている。
請求項1記載の転造ダイスの転造方法によれば、リードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじが形成された軸状部材をダイス素材上で転動させる転動工程を備え、その転動工程では、軸状部材の外周面をダイス素材に食い込ませ、並目ねじを形成するための並目ねじ形成用歯形と細目ねじを形成するための細目ねじ形成用歯形とをダイス素材に転造する。
ここで、従来の転造ダイスの製造方法は、ダイス素材の転造面全体に研削加工を施して、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を形成しているため、加工面積の増大により加工コストが嵩み、転造ダイスを安価に製造することができない。
これに対し、本発明によれば、2重ねじが形成された軸状部材をダイス素材上で転動させることにより、ダイス素材に並目ねじ形成用歯形と細目ねじ形成用歯形とを転造する。即ち、軸状部材の外周面のみに研削加工を施せばよいので、ダイス素材の転造面全体に研削加工を施す場合と比較して、研削加工の加工面積を小さくすることができる。その結果、加工コストの低減を図り、その分、転造ダイスを安価に製造することができるという効果がある。
また、本発明によれば、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形は、塑性変形によって形成されているので、その被加工面が硬化して、強度が向上する。その結果、従来のように並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を研削によって形成する場合と比較して、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形の強度を向上させ、その分、転造ダイスの高寿命化を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の転造ダイスの製造方法によれば、請求項1記載の転造ダイスの製造方法の奏する効果に加え、転動工程の前に、ダイス素材に荒ねじを研削する研削工程を備え、その研削工程により研削される荒ねじの形状は、谷の底面が並目ねじ形成用歯形の谷の底面よりも山の頂側に位置し、かつ、フランクが並目ねじ形成用歯形のフランクに対応する形状に形成されるものであり、ダイス素材に研削加工を施して荒ねじを作成し、その荒ねじを軸状部材で塑性変形させて、並目ねじ形成用歯形と細目ねじ形成用歯形とを転造するように構成されている。
即ち、予め荒ねじを研削加工により形成せずに並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を転造する場合と比較して、ダイス素材の塑性変形量を減少させることができるので、転造加工を容易として、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を高効率に形成することができるという効果がある。
更に、ダイス素材の塑性変形量を減少させることができるので、軸状部材にかかる負荷を低減させ、その分、軸状部材の高寿命化を図ることができるという効果がある。
また、荒ねじは、そのフランクが並目ねじ形成用歯形のフランクに対応する形状に形成されているので、軸状部材を転動させて並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を転造する際に、荒ねじがガイドの役割を果たし、軸状部材を適切な回転ピッチで転動させることができる。その結果、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形の形状を高精度で形成することができるという効果がある。
また、従来の転造ダイスの製造方法では、並目ねじ形成用歯形及び細目ねじ形成用歯形を研削加工で形成する、即ち、並目ねじ形成用歯形の谷底側に細目ねじ形成用歯形を形成する必要があるので、研削加工が複雑となり、加工コストが嵩む。
これに対し、本発明によれば、荒ねじを形成するのみで、細目ねじ形成用歯形を形成することが不要となるので、ダイス素材に複雑な研削加工が不要となり、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
更に、荒ねじの谷の底面が平坦面で形成されているので、加工が容易となり、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、細目ねじ形成用歯形を研削加工で形成する際には、先細の砥石で研削加工を施す必要があるので、砥石の先端が欠け易く、砥石の工具寿命が短くなるのに対し、本発明では、ダイス素材に細目ねじ形成用歯形を形成することが不要であるので、砥石の損壊による加工コストの増大を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における転造ダイス1を説明する図であり、図1(a)は、転造ダイス1の上面図であり、図1(b)は、転造ダイス1の側面図である。
なお、図1(a)では、第1加工歯31の山頂線を実線で図示すると共に、第2加工歯32の山頂線を波線で図示している。また、図1(a)では、理解を容易とするために、第1及び第2加工歯31,32の谷底線の図示が省略されると共に、食付き角及び逃げ角が大きく図示されている。
まず、図1を参照して、転造ダイス1の全体構成について説明する。転造ダイス1は、円柱状の被転造素材の外周面を塑性変形させて、リードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじを転造加工により転造して2重ねじボルト(図示せず)を製造するための工具である。
なお、図1では、一対の転造ダイス1のうち、転造盤(図示せず)に固定される一方の転造ダイス1を図示しており、かかる一方の転造ダイス1に対して平行移動される他方の転造ダイス1の図示を省略している。
転造ダイス1は、図1に示すように、転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料から略直方体状に形成されており、その上面側(図1(a)紙面手前側、図1(b)上側)には、被転造素材の外周面に2重ねじの転造を行うための転造歯形面2が設けられている。
転造歯形面2には、図1に示すように、転造ダイス1の転造方向始端側(図1右側)から終端側(図1左側)へ向けて、食付き部21、仕上げ部22及び逃げ部23が順に連続して設けられている。
なお、これら食付き部21、仕上げ部22及び逃げ部23で構成された転造歯形面2には、図1(a)に示すように、2種類の加工歯31,32(第1加工歯31、第2加工歯32)がそれぞれ複数刻設されている。
第1加工歯31は、並目ねじを形成するためのねじ山であり、図1(a)に示すように、転造歯形面2の始端(図1(a)右側)から終端(図1(b)左側)へ向けて連続して形成されると共に、転造ダイス1の長手方向(図1左右方向)に対して所定のリード角で傾斜して構成されている。なお、本実施の形態では、第1加工歯31のリード角が3°10’に設定されると共に、ピッチ(互いに隣り合う第1加工歯31の相対応する2点間の距離)が1.5mmに設定されている。
第2加工歯32は、細目ねじを形成するためのねじ山であり、図1(a)に示すように、転造歯形面2の始端から終端へ向けて連続して形成されると共に、転造ダイス1の長手方向に対して所定のリード角で傾斜して構成されている。なお、本実施の形態では、第2加工歯32のリード角が1°33’に設定されると共に、ピッチが0.75mmに設定されている。
食付き部21は、転造歯形面2を被転造素材の外周面に食い付かせるための部位であり、いわゆる食付き部として用いられる。この食付き部21は、図1(b)に示すように、その始端(図1(b)右側)から終端(図1(b)左側)へ向けて所定の傾斜角で上昇傾斜して形成されている。
仕上げ部22は、食付き部21によって被転造素材に転造された2重ねじを仕上げるための部位であり、図1(b)に示すように、転造ダイス1の支持面(図1(b)下側面)に対して略平行に形成されている。
逃げ部23は、仕上げ部22により仕上げられた被転造素材を転造歯形面2から排出するための部位であり、いわゆる逃げ部として用いられている。この逃げ部23は、図1(b)に示すように、その始端(図1(b)右側)から終端(図1(b)左側)へ向けて所定の傾斜角で下降傾斜して形成されている。
次いで、図2を参照して、軸状部材50の詳細について説明する。図2(a)は、軸状部材50の正面図であり、図2(b)は、軸状部材50の部分拡大図である。なお、図2(b)では、図面を簡素化して理解を容易とするために、軸状部材50の長手方向長さ(図2(b)左右方向長さ)の図示が省略されている。
軸状部材50は、ダイス素材の転造面を塑性変形させて、第1及び第2加工歯31,32(図1参照)を転造加工により転造するための工具である。この軸状部材50は、図2(a)に示すように、合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料から略円柱状に形成されており、その外周面に2重ねじ51を備えて構成されている。
なお、軸状部材50は、その長手方向両端面(図2(a)左右方向両端面)に軸支穴(図示せず)がそれぞれ穿設されており、この軸支穴を介して転造盤(図示せず)に軸支可能に構成されている。また、本実施の形態では、軸状部材50が合金工具鋼(SKD11)で構成されると共に、硬度がHRC60に設定されている。
2重ねじ51は、転造ダイス1により製造(転造)される2重ねじボルトと同一形状に形成される部位であり、並目ねじ52と細目ねじ53とが互いに交差した状態で形成されている。即ち、細目ねじ53は、図2(b)に示すように、並目ねじ52を横切る状態で延びている。
この軸状部材50の製造に際しては、まず、合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料からなる円柱状部材の外周面に研削加工を施して、並目ねじ52(本実施の形態では、リード角:3°10’、ピッチ:1.5mm)を形成する。そして、その並目ねじ52が形成された円柱状部材の外周面に再度研削加工を施して、細目ねじ53(本実施の形態では、リード角:1°33’、ピッチ:0.75mm)を形成する。これにより、並目ねじ52及び細目ねじ53で構成された2重ねじ51が形成される。最後に、2重ねじ51が形成された円柱状部材に熱処理を施して、軸状部材50が製造される。
次いで、図3及び図4を参照して、転造ダイス1の転造方法について説明する。図3(a)から図3(d)は、それぞれ軸状部材50による転造前の歯形面12の部分断面図である。図4(a)から図4(d)は、それぞれ図1(a)のIVa−IVa線からIVd−IVd線における転造歯形面2の部分断面図である。
なお、図3(a)から図3(d)は、それぞれ図1(a)のIVa−IVa線からIVd−IVd線における断面図に対応する。また、図3では、理解を容易とするために、軸状部材50による転造後の第2加工歯32のねじ山形状を破線で図示している。また、図4では、理解を容易とするために、第2加工歯32のねじ山形状を2点鎖線を用いて仮想的に図示している。また、図3及び図4では、第1及び第2加工歯31,32のねじ山形状を鋭角に図示しているが、山頂及び谷底は平坦面及び曲面とされている。
転造ダイス1(図1参照)の製造に際しては、まず、合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料からなるダイス素材を略直方体状に切断する。そして、図3に示すように、その略直方体状に切断されたダイス素材の一面側に研削加工を施して、荒ねじ4を形成することで、歯形面12が形成される(研削工程)。
この歯形面12は、食付き部、仕上げ部及び逃げ部を備えて構成されている。なお、歯形面12の食付き角及び逃げ角は、転造歯形面2の食付き角及び逃げ角と同一に設定されている。
また、荒ねじ4は、そのフランクが第1加工歯31(図4参照)のフランクに対応する形状に形成されている。更に、この荒ねじ4は、その谷底面が第2加工歯32の山頂と谷底とを結ぶフランクの略中央に位置するように形成されている。
即ち、図3に示すように、荒ねじ4の谷底面と荒ねじ4の谷底面よりも下側(図3下側)の破線とにより囲まれる面積の合計が、荒ねじ4の谷底面と荒ねじ4の谷底面よりも上側(図3上側)の破線とにより囲まれる面積の合計と等しくなる。これにより、後述する転動工程では、軸状部材50が荒ねじ4の谷底面に食い込むと共に、その食い込みにより余肉が盛り上がることで第2加工歯32が形成される。
次に、この荒ねじ4が形成された転造歯形面2上で軸状部材50(図2参照)を転動させて、転造歯形面2に転造加工を施す。これにより、軸状部材50が荒ねじ4の谷底面に食い込むことで荒ねじ4の谷底面よりも下側の部分(荒ねじ4の谷底面とその谷底面よりも下側の破線とにより囲まれる範囲)が盛り上げられ、図4に示すように、第1及び第2加工歯31,32が併存する2重ねじが形成される(転動工程)。
この転造加工が施された第2加工歯32は、上述したように、そのピッチが第1加工歯31の半分のピッチで構成されているので、転造方向(図4左右方向)への位相が360°ずれるごとに、第2加工歯32が第1加工歯31を横切ることとなる。
その結果、第2加工歯32は、図4に示すように、隣り合う第1加工歯31のフランク間に位置する断面積が転造方向への位相がずれるに従い除々に変化する。なお、第2加工歯32は、その谷底が第1加工歯31の谷底に一致する深さ位置に形成されている。
転動工程を経た後のダイス素材には、焼き入れ工程において所定の焼き入れ処理が施される。かかる焼き入れ工程の完了により、転造ダイス1の製造が完了する。
以上のように、本実施の形態によれば、転動工程において軸状部材50の外周面に刻設された2重ねじ51を荒ねじ4の谷底面に食い込ませ、その荒ねじ4の谷底面に転造加工を施して塑性変形させることにより、第1及び第2加工歯31,32を形成している。
ここで、従来の転造ダイスの製造方法では、第1及び第2加工歯31,32を研削加工で形成する、即ち、第1加工歯31の谷側に配置される第2加工歯32を形成するために複雑な研削加工が必要となり、その分、加工コストが嵩む。
これに対し、本発明によれば、荒ねじ4を形成するのみで、第2加工歯32を形成することが不要となるので、ダイス素材に複雑な研削加工が不要となり、その分、加工コストの低減を図ることができる。
更に、図3に示すように、荒ねじ4の谷底面が平坦面で形成されているので、荒ねじ4の谷底に第2加工歯32を形成する場合と比較して、荒ねじ4の研削加工が容易となり、その分、加工コストの低減を図ることができる。
また、第2加工歯32を研削加工で形成する際には、先細の砥石で研削加工を施す必要があるので、砥石の先端が欠け易く、砥石の工具寿命が短くなるのに対し、本発明では、ダイス素材に第2加工歯32を形成することが不要であるので、砥石の損壊による加工コストの増大を抑制することができるという効果がある。
また、第1及び第2加工歯31,32は、荒ねじ4の谷底面を塑性変形させることにより形成されているので、第1及び第2加工歯31,32の被加工面が軸状部材50の外周面に押しつけられ、第1及び第2加工歯31,32の被加工面が硬化する。これにより、研削加工を施して第1及び第2加工歯31,32を形成する場合と比較して、第1及び第2加工歯31,32の強度を向上させることができ、その分、転造ダイス1の高寿命化を図ることができる。
また、本発明では、ダイス素材に研削加工を施して荒ねじ4を形成し、その荒ねじ4の谷底面を軸状部材50で塑性変形させて、第1及び第2加工歯31,32を形成する。
ここで、予め荒ねじ4を研削加工により形成せずに第1及び第2加工歯31,32を転造加工により形成する場合では、ダイス素材を塑性変形させる塑性変形量が第1加工歯31の大きさの約半分程度となる。
これに対し、本発明では、上述したように、予め荒ねじ4を研削加工で形成し、その荒ねじ4の谷底面を軸状部材50で塑性変形させている。これにより、ダイス素材を塑性変形させる塑性変形量は、図3に示すように、荒ねじ4の谷底面と荒ねじ4の谷底面よりも下側(図3下側)の破線とにより囲まれる容積となる。
即ち、予め荒ねじ4を研削加工により形成せずに第1及び第2加工歯31,32を転造加工により形成する場合と比較して、ダイス素材の塑性変形量を減少させることができるので、その分、転造加工が容易となり、第1及び第2加工歯31,32を高効率に形成することができる。
更に、ダイス素材の塑性変形量を減少させることができるので、ダイス素材に食い込ませる軸状部材50の2重ねじ51にかかる負荷を低減させることができる。その結果、軸状部材50の2重ねじ51が損傷することを防止して、軸状部材50の高寿命化を図ることができる。
また、荒ねじ4は、上述したように、そのフランクが第1加工歯31のフランクに対応する形状に形成されているので、荒ねじ4が形成されたダイス素材上で軸状部材50を転動させる際に、荒ねじ4が軸状部材50の並目ねじ52と係合する、即ち、荒ねじ4が軸状部材50をガイドする役割を果たす。その結果、軸状部材50を適切な回転ピッチで転動させて、第2加工歯32の形状を高精度で形成することができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、ダイス素材に研削加工を施して荒ねじ4を形成し、その荒ねじ4の谷底面を塑性変形させて第1及び第2加工歯31,32を形成しているが、必ずしもこれに限られるものではなく、荒ねじ4が形成されていない平坦面のダイス素材上で軸状部材50を転動させ、そのダイス素材を塑性変形させて第1及び第2加工歯31,32を形成してもよい。
これにより、軸状部材50をダイス素材上で転動させるのみで第1及び第2加工歯31,32を形成することができる、即ち、一度の転造加工で同時に第1及び第2加工歯31,32を製造することができるので、荒ねじ4の形成工程を省略して、その分、転造ダイス1を高効率に製造することができると共に、転造ダイス1を安価に製造することができる。
また、上記実施の形態では、荒ねじ4は、そのフランクが第1加工歯31のフランクに対応する形状に形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、そのフランクが第1加工歯31のフランクよりも大きくなるように構成する、即ち、荒ねじ4が第1加工歯31よりも大きくなるように構成してもよい。
また、上記実施の形態で説明した各数値は例示であり、他の数値を採用することは当然可能である。同様に、上記実施の形態では、第2加工歯32のピッチが第1加工歯31の半分のピッチで構成される場合を説明したが、かかる両ピッチの比率(1/2)を他の比率(例えば、1/3、2/3等)とすることは当然可能である。
また、上記実施の形態では、第1加工歯31のリード及びピッチが第2加工歯32のリード及びピッチよりも大きく設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2加工歯32のリード及びピッチを第1加工歯31のリード及びピッチよりも大きく設定することは当然可能である。
本発明の一実施の形態における転造ダイスを説明する図であり、(a)は、転造ダイスの上面図であり、(b)は、転造ダイスの側面図である。 (a)は、軸状部材の正面図であり、(b)は、軸状部材の部分拡大図である。 (a)から(d)は、それぞれ軸状部材による転造前の歯形面の部分断面図である。 (a)から(d)は、それぞれ図1(a)のIVa−IVa線からIVd−IVd線における転造歯形面の部分断面図である。
符号の説明
1 転造ダイス
2 転造歯形面
4 荒ねじ
31 第1加工歯(並目ねじ形成用歯形)
32 第2加工歯(細目ねじ形成用歯形)
50 軸状部材
51 2重ねじ
52 並目ねじ
53 細目ねじ

Claims (2)

  1. 並目ねじを形成するための並目ねじ形成用歯形と細目ねじを形成するための細目ねじ形成用歯形とを有する転造歯形面を備え、その転造歯形面上で被転造素材を転動させ、前記被転造素材の外周面にリードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじを転造する転造ダイスの製造方法において、
    外周面にリードの異なる並目ねじと細目ねじとが併存する2重ねじが形成された軸状部材をダイス素材上で転動させる転動工程を備え、その転動工程により前記軸状部材の外周面を前記ダイス素材に食い込ませ、前記ダイス素材に前記並目ねじ形成用歯形と前記細目ねじ形成用歯形とを転造することを特徴とする転造ダイスの製造方法。
  2. 前記転動工程の前に、前記ダイス素材に荒ねじを研削する研削工程を備え、
    その研削工程により研削される荒ねじの形状は、谷の底面が前記並目ねじ形成用歯形の谷の底面よりも山の頂側に位置し、かつ、フランクが前記並目ねじ形成用歯形のフランクに対応する形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の転造ダイスの製造方法。
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