JP2001334338A - 棒先付きねじ用転造ダイス - Google Patents

棒先付きねじ用転造ダイス

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JP2001334338A JP2000155734A JP2000155734A JP2001334338A JP 2001334338 A JP2001334338 A JP 2001334338A JP 2000155734 A JP2000155734 A JP 2000155734A JP 2000155734 A JP2000155734 A JP 2000155734A JP 2001334338 A JP2001334338 A JP 2001334338A
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rod tip
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    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H3/00Making helical bodies or bodies having parts of helical shape
    • B21H3/02Making helical bodies or bodies having parts of helical shape external screw-threads ; Making dies for thread rolling
    • B21H3/06Making by means of profiled members other than rolls, e.g. reciprocating flat dies or jaws, moved longitudinally or curvilinearly with respect to each other
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    • B21H3/02Making helical bodies or bodies having parts of helical shape external screw-threads ; Making dies for thread rolling
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被転造素材の外周面がスリップすることを防
止して、かかるスリップに伴って軸状部材のねじ部のお
ねじ等が剥離して破損することを防止することができる
棒先付きねじ用転造ダイスを提供すること。 【解決手段】 転造ダイス1によれば、本ねじ転造面2
によってワークの外周面にねじ部品のねじ部21を転造
する場合に、棒先転造面3によってねじ部品の棒先部が
転造されると共に、棒先用ねじ山5及び棒先用ねじ溝7
によって、棒先部に棒先ねじ溝及び棒先ねじ山が形成さ
れる。このため、棒先転造面3により転造されるねじ部
品の棒先部は、その外周面に棒先用ねじ山5及び棒先用
ねじ溝7が食い込みつつ転造されるので、ワークの軸部
が棒先転造面3との当接面でスリップすることが防止さ
れる。よって、かかるスリップに伴ってワークの外周面
に転造された本ねじ山が剥離することがなく、ねじ部品
のねじ部が破損することを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、被転造素材の外
周面を塑性変形させて、おねじ等が設けられたねじ部と
そのねじ部より外径が小さな棒先部とを有する軸状部材
を転造する棒先付きねじ用転造ダイスに関し、特に、被
転造素材の外周面がスリップすることを防止して、かか
るスリップに伴って軸状部材のねじ部のおねじ等が剥離
して破損することを防止することができる棒先付きねじ
用転造ダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 棒先付きねじ部品は、おねじが形成さ
れたねじ部と、そのねじ部の先端に設けられる円柱状の
棒先部とを備え、かかる棒先部の外径はねじ部の外径よ
り小さくされている。このような棒先付きねじ部品の製
造は、例えば、一対の転造平ダイスにより軸状素材であ
るワークの外周面を塑性変形させて、その外周面に棒先
部とねじ部とを同時に転造することにより行われる。こ
の製造に使用される転造平ダイスの1面には、棒先付き
ねじ部品のねじ部を転造するために複数のねじ山及びね
じ溝を有する転造ねじ面と、その転造ねじ面に沿って並
設され、棒先付きねじ部品の棒先部を転造する平面状の
平坦部とが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
した転造平ダイスでは、棒先付きねじ部品の棒先部を転
造する平坦部が平面状に形成されるため、かかる平坦部
に当接した軸状素材の外周面が平坦部上でスリップし
て、かかるスリップに伴って転造ねじ面により転造され
たおねじが剥離して破損してしまうという問題点があっ
た。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、被転造素材の外周面がスリップ
することを防止して、かかるスリップに伴って軸状部材
のねじ部のおねじ等が剥離して破損することを防止する
ことができる棒先付きねじ用転造ダイスを提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスは、被転
造素材の外周面に当接され、その外周面を塑性変形させ
て、おねじ等が設けられたねじ部とそのねじ部より外径
が小さな棒先部とを有する軸状部材を転造するものであ
り、軸状部材のねじ部のねじ溝を形成するダイスねじ山
と軸状部材のねじ部のねじ山を形成するダイスねじ溝と
を有するねじ転造面と、そのねじ転造面に沿って並設さ
れ、軸状部材の棒先部にねじ溝を形成する棒先用ダイス
ねじ山と軸状部材の棒先部にねじ山を形成する棒先用ダ
イスねじ溝とを有する棒先用転造面とを備え、その棒先
用転造面における棒先用ダイスねじ山の山頂は前記ダイ
スねじ山の山頂より高くされ、且つ、前記棒先用ダイス
ねじ溝の谷底は前記ダイスねじ山の山頂より低くされる
と共に、前記棒先用ダイスねじ山のねじ山高さは、前記
ダイスねじ山のねじ山高さ以下とされている。
【0006】この請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダ
イスによれば、ねじ転造面によって被転造素材の外周面
に軸状部材のねじ部のおねじ等が転造される場合、被転
造素材の外周面には軸状部材の棒先部が同時に転造さ
れ、その棒先部には棒先用転造面の棒先用ダイスねじ溝
および棒先用ダイスねじ山によってねじ山およびねじ溝
が形成される。また、棒先用ダイスねじ山の山頂はダイ
スねじ山の山頂より高くされ、且つ、棒先用ダイスねじ
溝の谷底はダイスねじ山の山頂より低くされている。こ
のため、転造後の軸状部材は、その棒先部のねじ溝の谷
底がねじ部のねじ溝の谷底より低く、棒先部のねじ山の
山頂がねじ部のねじ溝の谷底より高く転造される。しか
も、かかる場合に、棒先用ダイスねじ山の高さはダイス
ねじ山の高さ以下なので、転造後の軸状部材における棒
先部のねじ山高さは、軸状部材のねじ部におけるねじ山
高さ以下に転造されるのである。
【0007】請求項2記載の棒先付きねじ用転造ダイス
は、請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダイスにおい
て、前記棒先用転造面のピッチ及びリード角は、前記ね
じ転造面のピッチ及びリード角と略等しくされている。
【0008】請求項3記載の棒先付きねじ用転造ダイス
は、請求項1または2に記載の棒先付きねじ用転造ダイ
スにおいて、前記棒先用ダイスねじ山の山頂と前記ダイ
スねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前
記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされてお
り、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底と前記ダイスねじ山
の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイス
ねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされている。
【0009】請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダイス
は、請求項1から3のいずれかに記載の棒先付きねじ用
転造ダイスにおいて、前記ダイスねじ溝の谷底と前記棒
先用ダイスねじ溝の谷底とに連通する切欠き溝を備え、
その切欠き溝の谷底は前記ダイスねじ溝の谷底から前記
棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて上昇傾斜されてい
る。
【0010】この請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダ
イスによれば、請求項1から3のいずれかに記載の棒先
付きねじ用転造ダイスと同様に作用する上、切欠き溝に
よって、軸状部材におけるねじ部のねじ山と棒先部のね
じ山との境界部分の転造が行われる。しかも、切欠き溝
の谷底はダイスねじ溝の谷底から棒先用ダイスねじ溝の
谷底へ向けて上昇傾斜されるので、転造された軸状部材
のねじ部と棒先部との境界部分では、ねじ部のねじ山が
棒先部のねじ山の頂部から徐々に外周方向へ隆起するよ
うに形成される。
【0011】請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダイス
は、請求項1から4のいずれかに記載の棒先付きねじ用
転造ダイスにおいて、前記切欠き溝の溝幅は前記ダイス
ねじ溝の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向け
て漸減されている。
【0012】この請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダ
イスによれば、請求項1から4のいずれかに記載の棒先
付きねじ用転造ダイスと同様に作用する上、切欠き溝に
よって、軸状部材におけるねじ部のねじ山と棒先部のね
じ山との境界部分の転造が行われる。しかも、切欠き溝
の溝幅はダイスねじ溝の谷底から棒先用ダイスねじ溝の
谷底へ向けて漸減されるので、転造された軸状部材のね
じ部と棒先部との境界部分では、ねじ部のねじ山の山頂
幅が漸増するように形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。図1(a)
は、本発明の一実施例である棒先付きねじ用平転造ダイ
ス(以下、単に「転造ダイス」と称す)1の平面図であ
り、図1(b)は、図1(a)の側面図である。尚、図
1では、後述するワーク10の転造を行う一対の転造ダ
イス1のうち、転造盤(図示せず)に固定される一方の
転造ダイス1を図示しており、かかる固定される転造ダ
イス1に対して平行移動される他方の転造ダイス1の図
示を省略している。
【0014】転造ダイス1は、軸状素材の外周面におね
じを有するねじ部および棒先部を転造する工具であり、
図2(a),(b)に示すワーク10の軸部11の外周
面を塑性変形させて、その外周面におねじ部21及び棒
先部22を転造して図2(c)に示す棒先付きねじ部品
(以下、単に「ねじ部品」と称す。)20を製造するこ
とができる工具である。
【0015】なお、以下本実施例では、JIS規格B0
205(メートル並目ねじ)に規格されるメートル並目
ねじのおねじ、特に、ねじの呼びがM8×1.25のお
ねじを転造することができる転造ダイス1について説明
する。
【0016】ここで、図2を参照して、転造ダイス1に
より転造されるワーク10、及び、そのワーク10から
製造されるねじ部品20について説明する。図2(a)
は、転造前のワーク10の正面図であり、図2(b)
は、転造後のねじ部品20の正面図であり、図2(c)
は、図2(b)に示すねじ部品20における棒先部22
の拡大図である。図2(a)に示すように、ねじ部品2
0の素材であるワーク10は、主に、略円柱状の軸部1
1と、その軸部11の一端側に設けられる略六角柱状の
頭部12とを備えている。このワーク10の軸部11の
外周面には、転造ダイス1によってねじ部21及び棒先
部22が一括して転造される。
【0017】図2(b)に示すように、ねじ部品20
は、棒先付き六角ボルトの一種である。このねじ部品2
0は、転造ダイス1によって、ワーク10の軸部11の
外周面にねじ部21が転造されると共に、そのねじ部2
1の転造と同時に棒先部22が転造されたものである。
また、ねじ部21の外周面には本ねじ山21a及び本ね
じ溝21bが螺旋状に形成されており、棒先部22の外
周面には棒先ねじ山22a及び棒先ねじ溝22bが螺旋
状に形成されている。
【0018】ねじ部21及び棒先部22は境界部分23
を介して連設されている。また、ねじ部品20は、その
棒先部22の外径dがねじ部21の外径Dより小さくさ
れており(d<D)、ねじ部品20をナット等のめねじ
内へねじ込む場合には、棒先部22をナットのめねじ内
へ挿入することによって、かかるナット等をねじ部21
の本ねじ山21aの始端S(図2(b)右側)へと案内
することができる。
【0019】ここで、図2(c)に示すように、本ねじ
山21aのねじ山高さ(基準ねじ山高さ)H1の値は、
棒先ねじ山22aのねじ山高さ(基準ねじ山高さ)H2
の値以上とされている(H1≧H2)。また、棒先ねじ
山22aの山頂は本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差
ΔH1だけ高くされ、棒先ねじ溝22bの谷底は、本ね
じ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH2だけ低くされて
いる。更に、棒先部22の棒先ねじ溝22bのピッチ及
びリード角は、ねじ部21の本ねじ溝21bのピッチ及
びリード角と略等しくされ、且つ、棒先部22の棒先ね
じ山22aのねじ山角度はねじ部21の本ねじ山21a
のねじ山角度と略等しくされている。
【0020】上記のように構成されたねじ部品20によ
れば、その棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿
入された場合でも、棒先部22の棒先ねじ山22a及び
棒先ねじ溝22bがナット等のねじ溝及びねじ山と螺合
して、かかるナット等をねじ部21側へ向けて円滑に案
内することができる。しかも、棒先部22の外径dはお
ねじ部21の外径Dより小さくされるので、棒先ねじ山
22a及び棒先ねじ溝22bとナット等のねじ溝及びね
じ山との間に若干の隙間を設けることができる。このた
め、棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入され
た場合でも、棒先部22がナット等のめねじ内で焼き付
くことを防止することができる。
【0021】また、図2(c)に示すように、ねじ部2
1と棒先部22との境界部分23には、ねじ部21の本
ねじ山21aの始端Sと、棒先部22の棒先ねじ溝22
bの終端Eとが設けられている。ねじ部21の本ねじ山
21aの始端Sは、棒先ねじ溝22bの終端Eの近傍で
あって、棒先ねじ山22aの山頂に設けられている。本
ねじ山21aには、その始端Sからねじ部21側(図2
(c)左側)へ向けてねじ山高さ及びねじ山幅が漸増す
る境界本ねじ山23aが螺旋状に凸設されている。即
ち、ねじ部21の本ねじ山21aは棒先部22の棒先ね
じ山22aの頂部から徐々に軸部11の外周方向へ隆起
するように形成されている。更に、棒先ねじ溝22bに
は棒先部22側(図2(c)右側)からその終端Eへ向
けて溝深さ及び溝幅が漸減する境界棒先ねじ溝23bが
螺旋状に凹設されている。
【0022】このように境界部分23には、境界本ねじ
山23a及び境界棒先ねじ溝23bが設けられるので、
棒先部22がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場
合でも、かかる境界本ねじ山23a及び境界棒先ねじ溝
23bによって、そのナット等の傾きを修正することが
できる。しかも、境界本ねじ山23aは、本ねじ山21
bの始端Sからねじ部22側(図2(c)左側)へ向け
てねじ山高さ及びねじ山幅が漸増されるので、棒先部2
2がナット等のめねじ内へ傾いて挿入された場合に、か
かる境界本ねじ山23aとナット等のねじ山とが噛み合
って焼き付くことを防止することができる。
【0023】図1に戻って説明する。転造ダイス1は、
転造に適した合金工具鋼又は高速度工具鋼等の金属材料
で略直方体状に形成されており、主に、その1面(図1
手前側)に本ねじ転造面2と、その本ねじ転造面2に沿
って並設される棒先転造面3とが設けられている。本ね
じ転造面2は、ワーク10の軸部11(図2(a)参
照)にねじ部21(図2(b)参照)の転造を行うもの
であり、この本ねじ転造面2には、転造ダイス1の長手
方向一端側(図1右側)に食付き部2aが設けられてい
る。この食付き部2aは、その始端(図1右側)から終
端(図1左側)へ向けて所定の食付き角κ1で上昇傾斜
されている。尚、この食付き角κ1は、固定側の転造ダ
イス1において略1°40′とされ、移動側の転造ダイ
ス1において略0°とされる。
【0024】食付き部2aの終端(図1左側)には、そ
の食付き部2aと連続して仕上げ部2bが設けられ、こ
の仕上げ部2bの終端、即ち、転造ダイス1の長手方向
他端側(図1左側)には、仕上げ部2bと連続して逃げ
部2cが設けられている。この逃げ部2cは、その始端
(図1右側)から終端(図1左側)へ向けて所定の逃げ
角κ3で下降傾斜されている。尚、この逃げ角κ3は、
固定側の転造ダイス1において略3°00′とされ、移
動側の転造ダイス1において略0°とされる。
【0025】これらの食付き部2a、仕上げ部2b及び
逃げ部2cで構成された本ねじ転造面2には、複数のね
じ部用ねじ山4が刻設されている。複数のねじ部用ねじ
山4は、それぞれ食付き部2aの始端(図1右端)から
逃げ部2cの終端(図1左端)へ向けて連続して形成さ
れている。この複数のねじ部用ねじ山4は、転造ダイス
1の長手方向(図1左右方向)に対してリード角βで食
付き部2aの始端から逃げ部2cの終端へ傾斜して刻設
されている。リード角βは、転造平ダイス1により転造
されるねじ部品20のねじ部21(図2(b)参照)の
リード角と略等しくされており、略3°10′とされて
いる。
【0026】一方、棒先転造面3は、ワーク10の軸部
11(図2(a)参照)に棒先部22(図2(b)参
照)の転造を行うものであり、本ねじ転造面2の長手方
向と略同一方向に沿って連続して形成されている。この
棒先転造面3の長手方向一端側(図1右側)には食付き
部3aが設けられており、この食付き部3aは、その食
付き部3aの始端(図1右側)から仕上げ部3bの始端
(図1左側)へ向けて所定の食付き角κ2で上昇傾斜さ
れている。
【0027】この食付き角κ2は、本ねじ転造面2にお
ける食付き角κ1より大きくされており(κ2>κ
1)、この結果、本ねじ転造面2に比べて、棒先転造面
3をワーク10の軸部11の外周面に食い込み(食付
き)易くすることができるのである。尚、この食付き角
κ2は、固定側の転造ダイス1において略2°00′と
され、移動側の転造ダイス1において略0°とされる。
【0028】食付き部3aの終端には食付き部3aと連
続して仕上げ部3bが設けられ、この仕上げ部3bの終
端、即ち、転造ダイス1の長手方向他端側(図1左側)
には、仕上げ部3bと連続して逃げ部3cが設けられて
いる。この逃げ部3cは、本ねじ転造面2の逃げ部2c
と同様に、その逃げ部3cの始端(図1右側)から終端
(図1左側)へ向けて所定の逃げ角κ3で下降傾斜され
ている。
【0029】これらの食付き部3a、仕上げ部3b及び
逃げ部3cで構成された棒先転造面3には、複数の棒先
用ねじ山5が刻設されている。複数の棒先用ねじ山5
は、それぞれ食付き部3aの始端(図1右端)から逃げ
部3cの終端(図1左端)へ向けて連続して形成されて
いる。この複数の棒先用ねじ山5は、転造ダイス1の長
手方向(図1左右方向)に対してリード角βで食付き部
3aの始端から逃げ部3cの終端へ傾斜して刻設されて
いる。
【0030】ここで、棒先転造面3における棒先用ねじ
山5のリード角βは、本ねじ転造面2におけるねじ部用
ねじ山4のリード角βと略等しくされるので、ワーク1
0の軸部11の外周面に転造されるねじ部21及び棒先
部22のリード角を略等しく形成することができるので
ある。
【0031】図3は、図1のIII−III線における
本ねじ転造面2及び棒先転造面3の部分的な拡大断面図
であり、図1に示すねじ部用ねじ山4及び棒先用ねじ山
5の傾斜方向(リード角β分の傾き方向)との直交方向
(図1のIII−III線方向)に本ねじ転造面2及び
棒先転造面3を切断した断面図である。図2に示すよう
に、転造平ダイス1の本ねじ転造面2には、ねじ部品2
0のねじ部21の本ねじ溝21bを形成するため、断面
視略台形状に形成された複数のねじ部用ねじ山4がピッ
チ(間隔幅)Pで形成されており、このピッチPは略
1.25mmとされている。
【0032】各ねじ部用ねじ山4は、その頂部に円弧状
に形成された山頂4aが設けられ、各ねじ部用ねじ山4
の両側面には略八の字状の傾斜面であるフランク4b,
4bが設けられている。このねじ部用ねじ山4は、フラ
ンク4b,4b間の角度が所定のねじ山角度(ねじ山の
角度)αとされており、このねじ山角度αは略60°と
されている。また、ねじ部用ねじ山4の高さ、即ち、そ
の山頂4aから後述するねじ部用ねじ溝6の谷底6aま
での距離はねじ山高さ(基準ねじ山高さ)Haとされて
おり、このねじ山高さHaは略0.677mmとされて
いる。
【0033】本ねじ転造面2には、ねじ部品20のねじ
部21の本ねじ山21aを形成するため、互いに隣り合
うねじ部用ねじ山4,4の間部分に窪んだ空間部分であ
る複数のねじ部用ねじ溝6が設けられている。ねじ部用
ねじ溝6は、隣り合ったねじ部用ねじ山4,4の互いに
対向するフランク4b,4bの間に設けられ、ねじ部用
ねじ溝6の底部には、ねじ部品20のねじ部21の本ね
じ山21aにおける山頂を形成するための平面状の谷底
6aが設けられている。
【0034】一方、転造平ダイス1の棒先転造面3に
は、ねじ部品20の棒先部22の棒先ねじ溝22bを形
成するため、断面視略台形状に形成された複数の棒先用
ねじ山5がピッチ(間隔幅)Pで形成されている。この
各棒先用ねじ山5のピッチPは、ねじ部用ねじ山4のピ
ッチPと等しく、略1.25mmとされている。
【0035】各棒先用ねじ山5は、その頂部に円弧状に
形成された山頂5aが設けられ、各棒先部用ねじ山5の
両側面には略八の字状の傾斜面であるフランク5b,5
bが設けられている。尚、棒先用ねじ山5とねじ部用ね
じ山4との間部分に設けられるねじ部用ねじ溝6は、隣
り合ったねじ部用ねじ山4と棒先用ねじ山5の互いに対
向するフランク4b,5bの間に設けられている。
【0036】棒先用ねじ山5はフランク5b,5b間の
角度が所定のねじ山角度αとされており、このねじ山角
度αは、ねじ部用ねじ山4のねじ山角度αと等しく、略
60°とされている。また、棒先用ねじ山5の高さ、即
ち、その山頂5aから後述する棒先用ねじ溝7の谷底7
aまでの距離はねじ山高さ(基準ねじ山高さ)Hbとさ
れており、このねじ山高さHbは略0.332mmとさ
れている。
【0037】このように、棒先用ねじ山5のねじ山高さ
Hbの値はねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの値以下
とされるので、ねじ部品20における棒先ねじ山22a
のねじ山高さH2の値を本ねじ山21aのねじ山高さH
1の値以下にすることができる。このため、棒先用ねじ
山5によるワーク10の圧下量はねじ部用ねじ山4によ
るワーク10の圧下量以下とされるので、その分、ねじ
部品20の棒先部22に棒先ねじ山22a及び棒先ねじ
山22bを転造する際に生じる転造負荷を軽減すること
ができる。
【0038】棒先転造面3には、ねじ部品20の棒先部
22の棒先ねじ山22aを形成するため、互いに隣り合
う棒先用ねじ山5の間部分に窪んだ空間部分である複数
の棒先用ねじ溝7が設けられている。棒先用ねじ溝7
は、隣り合った棒先用ねじ山5,5の互いに対向するフ
ランク5b,5bの間に設けられ、棒先用ねじ溝7の底
部には、ねじ部品20の棒先部22の棒先ねじ山22a
における山頂を形成するための平面状の谷底7aが設け
られている。棒先転造面3における谷底7aの切取り高
さhbは、本ねじ転造面2における谷底6aの切取り高
さhaより大きくされている。このため、棒先転造面3
における谷底7aの幅は、本ねじ転造面2における谷底
6aの幅より大きく形成されている。
【0039】また、棒先用ねじ山5の山頂5aはねじ部
用ねじ山4の山頂4aより高低差Δh1分だけ高くさ
れ、且つ、棒先用ねじ溝7の谷底7aはねじ部用ねじ山
4の山頂4aより高低差Δh2分だけ低くされている。
このため、転造ダイス1によれば、ねじ部品20の棒先
ねじ山22aの山頂を本ねじ溝21bの谷底に比べて高
低差ΔH1だけ高く、且つ、棒先ねじ溝22bの谷底を
本ねじ溝21bの谷底に比べて高低差ΔH2だけ低く、
形成することができるのである。
【0040】具体的に、高低差Δh1,Δh2は略0.
05以上、且つ、ねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの
略1/2以下とされている。即ち、本実施例の高低差Δ
h1,Δh2は、略0.05mm以上かつ略0.338
5(=0.677÷2)mm以下の範囲とされており、
かかる範囲内で適宜設定される。例えば、これらの高低
差Δh1,Δh2は、棒先用ねじ山5のねじ山高さHb
の値がねじ部用ねじ山4のねじ山高さHaの値以下(H
b≦Ha)で、且つ、ねじ部用ねじ溝6における谷底6
aの切取り高さhbが棒先用ねじ溝7における谷底7a
の切取り高さhaより大きく(hb>ha)なるように
設定される。このように、上記範囲で高低差Δh1,Δ
h2を設定することによって、転造後のねじ部品20
は、その棒先部22によるナット等の案内をより円滑に
行うことができるのである。
【0041】また、これらの高低差Δh1,Δh2を設
定する場合、これらの高低差Δh1,Δh2は、高低差
Δh3が略0.2mmとなるように設定される。このよ
うに高低差Δh3を略0.2mmとすることにより、ね
じ部品20の棒先部22によるナット等の案内を更に円
滑行うことができるのである。尚、高低差Δh3はねじ
部用ねじ溝6の谷底6aと棒先用ねじ溝7の谷底7aと
の高低差であり、かかる谷底7aは、谷底6aより高低
差Δh3分、高くされている。
【0042】図4(a)は、図1のIVA−IVA線に
おける部分断面図であり、図4(b)は、図4(a)の
B−B線における部分断面図である。図4(a)に示す
ように、棒先用ねじ山5は、その本ねじ転造面2側の端
部(図3(a)右側)に略円弧状の面取り面8が設けら
れており、この面取り面8は棒先用ねじ山5の山頂5a
からねじ部用ねじ山4の山頂4aへ向けて下降傾斜され
ている。このような面取り面8を棒先用ねじ山5の本ね
じ転造面2側の端部に設けることによって、ねじ部品2
0の境界棒先ねじ溝23bの溝深さを、棒先部22側か
ら棒先ねじ溝23bの終端Eへ向けて漸減するように形
成することができる。尚、面取り面8の曲率半径は略
0.1〜0.5mmの範囲とされている。
【0043】また、ねじ部用ねじ溝6と棒先用ねじ溝7
との間には、上述したねじ部品20の境界本ねじ山23
a(図2(c)参照)を形成するため、ねじ部用ねじ溝
6と棒先ねじ溝7とに連通する切欠き溝9が設けられて
いる。この切欠き溝9は、ねじ部用ねじ溝6の谷底6a
と棒先用ねじ溝7の谷底7aとに連通する谷底9aを備
え、この谷底9aは、ねじ部用ねじ溝6の谷底6aから
棒先用ねじ溝7aへ向けて上昇傾斜されている。このよ
うな谷底9aを有する切欠き溝9を設けることによっ
て、ねじ部品20の境界本ねじ山23aを、本ねじ山2
1aの始端Eからねじ部21側へ向けてねじ山高さが漸
増するように形成することができるのである。
【0044】更に、図4(b)に示すように、切欠き溝
9は、その谷底9aの両端に斜面9b,9bが設けられ
ており、この各斜面9b,9b及び谷底9aにより、境
界本ねじ山23aの外形に適合した断面視略V字状に形
成されている。しかも、この切欠き溝9の溝幅は、ねじ
部用ねじ溝6の谷底6aから棒先用ねじ溝7の谷底7a
へ向けて漸減されている。このように切欠き溝7を形成
することによって、ねじ部品20の境界本ねじ山23a
を、本ねじ山21aの始端Sからねじ部21側へ向けて
ねじ山幅が漸増するように形成することができるのであ
る。
【0045】以上説明したように、本実施例の転造ダイ
ス1によれば、本ねじ転造面2によってワーク10の外
周面にねじ部品20のねじ部21を転造する場合、棒先
転造面3によってねじ部品20の棒先部22を転造する
ことができると共に、棒先用ねじ山5及び棒先用ねじ溝
7によって、棒先部22に棒先ねじ溝22b及び棒先ね
じ山22aを形成することができる。
【0046】このため、棒先転造面3により転造される
ねじ部品20の棒先部22は、その棒先部22の外周面
に棒先用ねじ山5及び棒先用ねじ溝7が食い込みつつ転
造されるので、ワーク10の軸部11が棒先転造面3と
の当接面でスリップすることを防止することができる。
よって、かかるスリップに伴ってワーク10の外周面に
転造された本ねじ山21aが剥離することがなく、ねじ
部品20のねじ部21が破損することを防止することが
できるのである。
【0047】また、棒先用ねじ山5の山頂5aはねじ部
用ねじ山4の山頂4aより高くされ、且つ、棒先用ねじ
溝7の谷底7aはねじ部用ねじ山4の山頂4aより低く
されると共にねじ部用ねじ溝6の谷底6aより高くされ
る。このように本ねじ転造面2および棒先転造面3の各
ねじ山4,5及びねじ溝6,7を形成することにより、
ねじ部品20のねじ部21及び棒先部22の転造を円滑
に行うことができるのである。
【0048】更に、ねじ部品20の棒先部22を転造す
る棒先転造面3は、その棒先転造面3におけるねじ山角
度α、ピッチP及びリード角βが本ねじ転造面2におけ
るねじ山の角度α、ピッチP及びリード角βと略等しく
されている。よって、この棒先転造面3は、ねじ部品2
0の棒先部22におけるねじ山の角度、ピッチ、リード
角を、ねじ部品20のねじ部21におけるねじ山の角
度、ピッチ、リード角と略等しく形成することができ
る。
【0049】このため、転造後のねじ部品20をナット
等のめねじへねじ込む場合には、ねじ部品20の棒先部
22の各ねじ山22a及びねじ溝22bをナット等のめ
ねじに螺合させて案内することができ、更に、かかる案
内によりねじ部品20のねじ部21の各ねじ山21a及
びねじ溝21bのナット等のめねじへのねじ込みを円滑
に行うことができるのである。
【0050】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0051】本実施例では、例えば、ねじの呼びがM8
×1.25のメートル並目ねじ(metric coares threa
d)を転造する転造ダイス1について具体的な数値を示
して説明したが、必ずしも係る数値にのみ限定されるも
のではなく、例えば、本実施例の転造ダイスの各数値
を、JIS規格B0205に規格されたメートル細目ね
じ等の他種類のメートルねじ、インチねじ、ユニファイ
ねじ又は台形ねじ等の各種ねじに応じて設定しても良
い。
【0052】また、本実施例では、ねじ部品20の本ね
じ溝21b及び棒先ねじ溝22bのピッチを略等しくす
るため、転造ダイス1におけるねじ部用ねじ山4及び棒
先用ねじ山5のピッチPを略等しくしたが、例えば、転
造ダイス1におけるねじ部用ねじ溝6及び棒先用ねじ溝
7のピッチを略等しく(いわゆる谷基準で)形成するこ
とによって、本ねじ山21a及び棒先ねじ山22aのピ
ッチが略等しい(いわゆる山基準の)ねじ部品20を転
造することもできる。
【0053】本実施例では、ねじ部品20の棒先ねじ山
22aのねじ山角度をねじ部21の本ねじ山21aのね
じ山角度と略等しく形成するため、転造ダイス1の棒先
転造面3のねじ山角度αを本ねじ転造面2のねじ山の角
度αと略等しくした。しかしながら、ねじ部品20の棒
先ねじ山22aのねじ山角度は、必ずしも、ねじ部21
の本ねじ山21aのねじ山角度と略等しく形成する必要
はなく、棒先ねじ山22aのねじ山角度を本ねじ山21
aのねじ山角度より小さくしても良い。例えば、棒先ね
じ山22aのねじ山角度を略50°又は略55°とする
一方、本ねじ山21aのねじ山角度を略60°としても
良い。
【0054】このように、ねじ部品20における棒先ね
じ山22aのねじ山角度を本ねじ山21aのねじ山角度
より小さく形成する場合、転造ダイス1の棒先転造面3
のねじ山角度αは、本ねじ転造面2のねじ山の角度αよ
り小さくされる。例えば、棒先転造面3のねじ山角度α
を略50°又は略55°とし、本ねじ転造面2のねじ山
の角度αを略60°としても良い。
【0055】更に、例えば、ねじ部品20のねじ部21
をメートル並目ねじで形成し、棒先部22を丸ねじ(ro
und thread,knuckle thread)又は電球ねじ(electric
socket and lamp-base thread)等で形成しても良い。
かかる場合、転造ダイス1の棒先転造面3の棒先用ねじ
山5及びねじ溝7は、丸ねじ又は電球ねじ等のねじ山
(ねじ溝)に適合した形状に形成されるのである。尚、
丸ねじとは、台形ねじの山の頂と谷底とに曲率半径が大
きな丸味を付けたねじである。また、電球ねじとは、電
球の口金及び受け金に用いるねじであり、丸味付けされ
た山の頂と谷底とが交互に連続して連なると共にその山
の頂および谷底における丸味の曲率半径が略等しく形成
されたねじである。
【0056】
【発明の効果】 請求項1記載の棒先付きねじ用転造ダ
イスによれば、ねじ転造面によって被転造素材の外周面
に軸状部材のねじ部のおねじ等を転造する場合、被転造
素材の外周面には棒先用転造面によって軸状部材の棒先
部が転造されると共に、その軸状部材の棒先部には棒先
用ダイスねじ溝および棒先用ダイスねじ山によってねじ
山およびねじ溝が形成される。即ち、棒先用転造面によ
り転造される軸状部材の棒先部は、その棒先部の外周面
に棒先用ダイスねじ溝および棒先用ダイスねじ山が食い
込みつつ転造されるので、被転造素材の外周面が棒先用
転造面との当接面でスリップすることを防止することが
できる。よって、かかるスリップに伴って被転造素材の
外周面に転造されたおねじ等が剥離することがなく、軸
状部材のおねじ等が破損することを防止することができ
るという効果がある。
【0057】また、かかる場合に、棒先用ダイスねじ山
の山頂はダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、棒先
用ダイスねじ溝の谷底はダイスねじ山の山頂より低くさ
れる。このように、ねじ転造面および棒先用転造面の各
ねじ山およびねじ溝を形成することにより、軸状部材の
ねじ部および棒先部の転造を円滑に行うことができると
いう効果がある。しかも、棒先用ダイスねじ山の高さは
ダイスねじ山の高さ以下とされるので、転造後の軸状部
材の棒先部のねじ山高さを、かかる軸状部材のねじ部の
ねじ山高さ以下とすることができる。よって、棒先用ダ
イスねじ山による被転造素材の圧下量はダイスねじ山に
よる被転造素材の圧下量以下とされるので、軸状部材の
棒先部にねじ山及びねじ溝を転造する際に生じる転造負
荷を軽減することができるという効果がある。
【0058】請求項2または3に記載の棒先付きねじ用
転造ダイスによれば、請求項1記載の棒先付きねじ用転
造ダイスの奏する効果に加え、軸状部材の棒先部を転造
する棒先用転造面は、その棒先用転造面のピッチ及びリ
ード角がねじ転造面のピッチ及びリード角と略等しくさ
れている。よって、この棒先用転造面は、軸状部材の棒
先部におけるピッチ、リード角を、軸状部材のねじ部に
おけるピッチ、リード角と略等しく形成することができ
るという効果がある。
【0059】このため、例えば、転造後の軸状部材をナ
ット等のめねじ内へ螺入する場合には、かかるナット等
のめねじを軸状部材の棒先部のねじ山及びねじ溝に螺合
させつつ案内することができ、かかる案内により軸状部
材のねじ部のナット等への螺入を円滑に行うことができ
るという効果がある。
【0060】特に、請求項3記載の棒先付きねじ用転造
ダイスによれば、請求項1または2に記載の棒先付きね
じ用転造ダイスの奏する効果に加え、更に、棒先用ダイ
スねじ山の山頂とダイスねじ山の山頂との高低差は略
0.05mm以上、且つ、ダイスねじ山のねじ山高さの
略1/2以下とされ、棒先用ダイスねじ溝の谷底とダイ
スねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上、且
つ、ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされて
いる。よって、被転造素材から転造される軸状部材は、
その棒先部のねじ溝の谷底とねじ部のねじ溝の谷底との
高低差が略0.05mm以上かつダイスねじ山のねじ山
高さの略1/2以下とされ、棒先部のねじ山の山頂とね
じ部のねじ溝の谷底との高低差が略0.05mm以上か
つダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされる。
このように軸状部材の棒先部におけるねじ山およびねじ
溝が上記の範囲で形成されることにより、かかる棒先部
によるナット等のめねじの案内を更に円滑に行うことが
できるという効果がある。
【0061】請求項4記載の棒先付きねじ用転造ダイス
によれば、請求項1から3のいずれかに記載の棒先付き
ねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、切欠き溝により
転造された軸状部材における棒先部とねじ部との境界部
分では、かかる境界部分に形成されるねじ部のねじ山
を、棒先部のねじ山の山頂から徐々に外周方向へ隆起す
るように形成することができる。このように軸状部材の
ねじ部のねじ山は棒先部との境界部分で徐々に外周方向
へ隆起されるので、軸状部材がナット等のめねじ内へ螺
入される場合に、軸状部材におけるねじ部と棒先部との
境界部分でナット等のめねじが焼き付くことを防止する
ことができるという効果がある。
【0062】請求項5記載の棒先付きねじ用転造ダイス
によれば、請求項1から4のいずれかに記載の棒先付き
ねじ用転造ダイスの奏する効果に加え、切欠き溝により
転造された軸状部材の棒先部とねじ部との境界部分で
は、かかる境界部分に形成されるねじ部のねじ山の山頂
幅を漸増するように形成することができる。このように
軸状部材のねじ部のねじ山における山頂幅は棒先部との
境界部分で漸増されるので、軸状部材がナット等のめね
じ内へ螺入される場合に、軸状部材のねじ部と棒先部と
の境界部分でナット等のめねじが焼き付くことを更に防
止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の一実施例である棒先付き
ねじ用平転造ダイスの平面図であり、(b)は、(a)
の側面図である。
【図2】 (a)は、転造前のワークの正面図であり、
(b)は、転造後の棒先付きねじ部品の正面図であり、
(c)は、(b)に示す棒先付きねじ部品における棒先
部の拡大図である。
【図3】 図1のIII−III線における本ねじ転造
面及び棒先転造面の部分的な拡大断面図である。
【図4】 (a)は、図1のIVA−IVA線における
部分断面図であり、(b)は、(a)のB−B線におけ
る部分断面図である。
【符号の説明】
1 棒先付きねじ用転造平ダイス(棒先付きね
じ用転造ダイス) 2 本ねじ転造面(ねじ転造面) 3 棒先転造面(棒先用転造面) 4 ねじ部用ねじ山(ダイスねじ山) 4a 山頂(ダイスねじ山の山頂) 5 棒先用ねじ山(棒先用ダイスねじ山) 5a 山頂(棒先用ダイスねじ山の山頂) 6 ねじ部用ねじ溝(ダイスねじ溝) 6a 谷底(ダイスねじ溝の谷底) 7 棒先用ねじ溝(棒先用ダイスねじ溝) 7a 谷底(棒先用ダイスねじ溝の谷底) 9 切欠き溝 9a 谷底(切欠き溝の谷底) 10 ワーク(被転造素材) 20 棒先付きねじ部品(軸状部材) 21 ねじ部 21a 本ねじ山(軸状部材のねじ部のねじ山) 21b 本ねじ溝(軸状部材のねじ部のねじ溝) 22 棒先部 Ha ねじ山高さ(ダイスねじ山のねじ山高さ) Hb ねじ山高さ(棒先用ダイスねじ山のねじ山
高さ) P ピッチ α ねじ山角度(ねじ山の角度) β リード角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被転造素材の外周面に当接され、その外
    周面を塑性変形させて、おねじ等が設けられたねじ部と
    そのねじ部より外径が小さな棒先部とを有する軸状部材
    を転造する棒先付きねじ用転造ダイスにおいて、 軸状部材のねじ部のねじ溝を形成するダイスねじ山と軸
    状部材のねじ部のねじ山を形成するダイスねじ溝とを有
    するねじ転造面と、 そのねじ転造面に沿って並設され、軸状部材の棒先部に
    ねじ溝を形成する棒先用ダイスねじ山と軸状部材の棒先
    部にねじ山を形成する棒先用ダイスねじ溝とを有する棒
    先用転造面とを備え、 その棒先用転造面における棒先用ダイスねじ山の山頂は
    前記ダイスねじ山の山頂より高くされ、且つ、前記棒先
    用ダイスねじ溝の谷底は前記ダイスねじ山の山頂より低
    くされると共に、前記棒先用ダイスねじ山のねじ山高さ
    は、前記ダイスねじ山のねじ山高さ以下とされているこ
    とを特徴とする棒先付きねじ用転造ダイス。
  2. 【請求項2】 前記棒先用転造面のピッチ及びリード角
    は、前記ねじ転造面のピッチ及びリード角と略等しくさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の棒先付きねじ
    用転造ダイス。
  3. 【請求項3】 前記棒先用ダイスねじ山の山頂と前記ダ
    イスねじ山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ
    前記ダイスねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされて
    おり、前記棒先用ダイスねじ溝の谷底と前記ダイスねじ
    山の山頂との高低差は略0.05mm以上かつ前記ダイ
    スねじ山のねじ山高さの略1/2以下とされていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の棒先付きねじ用
    転造ダイス。
  4. 【請求項4】 前記ダイスねじ溝の谷底と前記棒先用ダ
    イスねじ溝の谷底とに連通する切欠き溝を備え、その切
    欠き溝の谷底は前記ダイスねじ溝の谷底から前記棒先用
    ダイスねじ溝の谷底へ向けて上昇傾斜されていることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の棒先付き
    ねじ用転造ダイス。
  5. 【請求項5】 前記切欠き溝の溝幅は前記ダイスねじ溝
    の谷底から前記棒先用ダイスねじ溝の谷底へ向けて漸減
    されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか
    に記載の棒先付きねじ用転造ダイス。
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