JP5894719B2 - ねじ構造、ねじ部品、ねじ切りタップ、打込み鋲、ねじ構造の製造方法および転造ダイス - Google Patents

ねじ構造、ねじ部品、ねじ切りタップ、打込み鋲、ねじ構造の製造方法および転造ダイス Download PDF

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Description

本発明は、ねじ構造、このようなねじ構造を備えたねじ部品、ねじ切りタップおよび打込み鋲、ねじ構造の製造方法並びにねじ構造を製造するための転造ダイスに関する。
なお、一般に単に「ねじ」と言った場合、部品全体ではなく、ある部品のうちのねじ山とこのねじ山間に形成される谷部とからなる部分のみを意味する場合と、そのような部分を有する部品全体を意味する場合があり、どちらを意味するのかまぎらわしい場合がある。したがって、本願においては、部品全体ではなく、ある部品のうちのねじ山とこのねじ山間に形成される谷部とからなる部分のみを指す場合は、原則として「ねじ構造」と言うものとする(ただし、この原則を厳格に貫くと、一般的な用語の使い方との食い違いが非常に大きくなり、却って非常に違和感のある文章となるので、文脈上、前記部分のみを指すのか部品全体を指すのかが明かであったり、どちらを指すかはっきりしなくても特に不都合が生じる虞がない場合は、前記原則に従わないこともある)。
また、本願において、ねじ構造とは締結のためのもののみならず、ねじ切りタップ等の切削工具の刃部が構成するねじ部や、打ち込み鋲の外周のねじ部等の締結目的以外のものも含むものとする。
従来のねじ構造においては、基本的にねじ山がその始端から終端まで連続して形成されていたので、相手材との接触面積が大きくなっていた。
このため、例えば、相手材には予め雌ねじが形成されておらず、相手材に自らねじ立てをしながら(すなわち、自ら雌ねじを形成しながら)ねじ込まれるセルフタッピンねじや木ねじにおいては、必要とされる挿入トルクが非常に大きくなっていた。
そこで、従来より、例えば特許文献1に示されているように、軸部の横断面を非円形にしてねじ山に出っ張った部分が生ずるようにしたり、軸部の横断面は円形に保持したまま、ねじ山に出っ張った部分を設けることにより、ねじ山と相手材との接触面積を減少させて、挿入トルクを小さくしようとする対策も行われていた。
他方、従来よりねじ部品(JISに定義されている用語であって、その一部にねじを持った部品を意味する)においては、緩みを生じ易いという大きな問題があった。これ故、緩み止めを図るために、ねじ山の形状を工夫したり、ねじ山に隆起部を設ける等の試みが種々なされている。
特公昭39−22637号公報
前述のように挿入トルクを小さくするためにねじ山に出っ張った部分を設けた従来のセルフタッピンねじ等においては、それでもなお、ねじ山自体は連続しているので、挿入トルクを十分小さくすることができないという問題があった。
また、ねじ部品を転造加工により製造する場合は、対角距離が常に同じでないと転造ダイス間で素材を転がすことができない関係上、出っ張った部分を1回転につき2箇所以上の整数箇所設ける必要があるので、相手材に対する接触面積を小さくし、挿入トルクを減少させる効果が一層小さくなるという問題もあった。
また、前記従来の、ねじ山の形状を工夫したり、ねじ山に隆起部を設けることにより緩み止めを図ったねじ部品においても、それでもなお、ねじ山自体は連続しているので、十分な緩み止め効果は得られないという問題があった。
また、従来は、ねじ切りタップ(素材に雌ねじを加工する工具)においても、刃部を構成するねじ山が連続していたので、素材に対する接触面積が大きくなり、雌ねじを加工する際に大きな加工トルクが必要になるという問題があった。
また、従来の打込み鋲においても、連続したねじ山(リード角は通常のねじ部品より非常に大きい)が外周に形成されていたので、相手材に対する接触面積が大きくなり、ハンマー等により相手材に打ち込む際に大きな打ち込み力を必要とする問題があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、相手材に対する接触面積を従来より著しく小さくすることができるねじ構造およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ねじ部品に適用した場合、優れた緩み止め効果を得ることができるねじ構造およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、挿入トルクを従来より著しく減少させることができるねじ部品を提供することにある。
本発明の他の目的は、優れた緩み止め効果を得ることができるねじ部品を提供することにある。
本発明の他の目的は、必要とされる加工トルクを従来より著しく減少させることができることができるねじ切りタップを提供することにある。
本発明の他の目的は、打ち込み力を従来より著しく減少させることができることができる打込み鋲を提供することにある。
本発明の他の目的は、本発明のねじ構造の製造方法に使用できる転造ダイスを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によるねじ構造は、
螺旋状に延びる第一の谷溝と、
前記第一の谷溝と交差する螺旋状に延びる第二の谷溝と、
それぞれ前記第一および第二の谷溝によって囲まれることにより形成されており、前記第一および第二の谷溝を挟んで互いに離間されて互いに不連続となっているが、右巻きまたは左巻きの一方の巻き方向に螺旋状に延びる共通の1条または多条のねじ山を構成する複数の隆起部と、
各前記隆起部に形成されている第一の立ち上がり面、第二の立ち上がり面、第三の立ち上がり面および第四の立ち上がり面とを有してなり、
前記第一および第二の谷溝は共に前記ねじ山と交差しており、
前記第一の立ち上がり面および前記第二の立ち上がり面は前記第一の谷溝の両側面によって構成されている一方、前記第三の立ち上がり面および前記第四の立ち上がり面は前記第二の谷溝の両側面によって構成されており、
前記4つの立ち上がり面のうちの少なくとも前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面は斜面とされており、
前記隆起部のうちの前記第一の立ち上がり面と前記第三の立ち上がり面との間の部分は前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしているものである。
本発明によるねじ構造においては、複数の隆起部が不連続なねじ山を構成する上、各隆起部のうちの第一の立ち上がり面と第三の立ち上がり面との間の部分がねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしており、各隆起部の第一の立ち上がり面と第四の立ち上がり面との交線部および第三の立ち上がり面と第二の立ち上がり面との交線部において相手材に接触することになるため、相手材に対する接触面積を従来より著しく小さくできる。
したがって、セルフタッピンねじや木ねじに適用した場合は、必要とされる挿入トルクを従来より著しく小さくすることができ、ねじ切りタップに適用した場合は、必要とされる加工トルクを従来より著しく小さくすることができ、打込み鋲に適用した場合は必要とされる打ち込み力を従来より著しく小さくすることができる。
また、セルフタッピンねじや木ねじ等に適用した場合、接触面積が少ない分だけ相手材に食い込む量が大きくなるので、大きな緩み止め効果を得ることができる。
また、第一の谷溝および第二の谷溝の両側面の傾きをそれぞれ不等角とすると、各隆起部の第一の立ち上がり面および第三の立ち上がり面より第二の立ち上がり面および第四の立ち上がり面の方が第一および第二の谷溝の谷底から急峻に立ち上がるようにすることができ、ねじ部品に適用した場合、極めて優れた緩み止め効果を得ることができる。
本発明による ねじ構造の製造方法は、
螺旋状に延びる第一の谷溝を素材に形成する段階と、
前記第一の谷溝と交差する螺旋状に延びる第二の谷溝を前記素材に形成する段階とを有してなり、
前記第一および第二の谷溝の条数、リード角および側面の角度は、複数の隆起部がそれぞれ前記第一および第二の谷溝によって囲まれることにより前記素材に形成され、これらの複数の隆起部は前記第一および第二の谷溝を挟んで互いに離間されて互いに不連続となっているが、右巻きまたは左巻きの一方の巻き方向に螺旋状に延びる共通の1条または多条のねじ山を構成し、前記第一および第二の谷溝は共に前記ねじ山と交差し、前記第一の谷溝の両側面によって各前記隆起部に第一の立ち上がり面および第二の立ち上がり面が構成される一方、前記第二の谷溝の両側面によって各前記隆起部に第三の立ち上がり面および第四の立ち上がり面が構成され、前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面が斜面となり、かつ各前記隆起部のうちの前記第一の立ち上がり面と前記第三の立ち上がり面との間の部分が前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなすこととなるように選択するものである。
本発明によるねじ構造の製造方法によれば、本発明によるねじ構造を容易に製造することができる。
なお、前記本発明のねじ構造およびその製造方法において、例えば、第一の谷溝は2以上の条数とし、第二の谷溝は第一の谷溝より少ない条数、かつ第一の谷溝のリード角B1より小さいリード角B2とし、隆起部が構成するねじ山は第一の谷溝と同じ巻き方向でかつ第一の谷溝のリード角B1より小さいリード角B3とすると、ねじ構造を最適に構成できる。
本発明による転造ダイスは、本発明のねじ構造を製造するための転造ダイスであって、
前記第一の谷溝に対応する第一の突条を有する第一の転造ダイスと、前記第二の谷溝に対応する第二の突条を有する第二の転造ダイスとを有してなり、
前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとを相対的に動かし、前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとの間で素材を転がすことにより、前記第一の谷溝を第一の転造ダイスにより前記素材に転造形成するとともに前記第二の谷溝を前記第二の転造ダイスにより前記素材に転造形成することができるようになっているものである。
この転造ダイスによれば、本発明によるねじ構造を転造加工により容易に製造できる。
本発明によるねじ構造は、相手材に対する接触面積を従来より著しく小さくすることができ、タッピンねじや木ねじ等に適用した場合は、必要とされる挿入トルクを従来より著しく小さくすることができ、ねじ切りタップに適用した場合は、必要とされる加工トルクを従来より著しく小さくすることができ、打込み鋲に適用した場合は必要とされる打ち込み力を従来より著しく小さくすることができる。
本発明によるねじ構造は、タッピンねじや木ねじ等に適用した場合、相手材に対する食い込み量を大きくし、緩み止め効果を得ることができる。
本発明によるねじ構造は、第一の谷溝および第二の谷溝の両側面の傾きをそれぞれ不等角とすれば、ねじ部品に適用した場合、さらに優れた緩み止め効果を得ることができる。
本発明によるねじ構造の製造方法によれば、本発明によるねじ構造を容易に製造することができる。
本発明による転造ダイスは、本発明によるねじ構造を転造加工により容易に製造できるようにする。
従来のアヤ目ローレット加工により製造されたアヤ目模様を示す正面図である。 アヤ目ローレットを粗くして横に伸ばした形状を示す正面図である。 図2の隆起部を横に傾けると本発明によるねじ構造が得られることを説明する正面図である。 本発明の実施例1におけるセルフタッピンねじを示す正面図である。 前記実施例1におけるセルフタッピンねじを示す側面図である。 図5のE方向矢視図である。 本発明の実施例2における固定転造平ダイスを示す正面図である。 前記実施例2における移動転造平ダイスを示す正面図である。 前記実施例2における固定ダイスおよび移動ダイスを示す断面図である。 前記実施例2における素材を示す正面図である。 前記実施例2において固定ダイスと移動ダイスとの間で素材を転がす様子を示す平面図である。 前記実施例2において転造加工が実質的に完了した状態を示す断面図 本発明の実施例3において第1条目の第一の谷溝を切削または研削する工程を示す正面図である。 前記実施例3において第2条目の第一の谷溝を切削または研削する工程を示す正面図である。 前記実施例3において、第2条目の第一の谷溝の切削または研削完了後、第二の谷溝の切削または研削を開始する直前の状態を示す正面図である。 前記実施例3において第二の谷溝の切削または研削が完了した状態を示す正面図である。 本発明の実施例4における緩み止め機能付き小ねじを示す正面図である。 前記実施例4における緩み止め機能付き小ねじを示す側面図である。 前記実施例4における緩み止め機能付き小ねじを製造するための固定転造平ダイスおよび移動転造平ダイスを示す断面図である。 図19の一部を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の実施例5における打込み鋲を示す正面図である。 前記実施例5における打込み鋲を製造するための固定転造平ダイスを示す正面図である。 前記実施例5における打込み鋲を製造するための移動転造平ダイスを示す正面図である。
本発明によるねじ構造は、アヤ目ローレット加工の原理を応用して、切削加工や転造加工等で作成できる。本発明に対する理解を容易にするため、まず本発明によるねじ構造およびその製造方法の概略を従来のアヤ目ローレット加工を基礎として説明する。
図1は、アヤ目ローレット加工により、製造されたアヤ目模様と呼ばれているものを示しており、切削加工または転造加工により、円柱状の材料1にそれぞれ同じ大きさのリード角を有する右巻き(右ねじれ)の螺旋状の谷溝2と左巻き(左ねじれ)の螺旋状の谷溝3とを形成することにより、大略四角錐状をなす隆起部4が多数並んで形成されている(なお、右巻きの谷溝2と左巻きの谷溝3は、ともに多条であって互いに同じ条数とされている)。このようなアヤ目模様は滑り止め等の目的で使用されるものであり、ねじ構造として使用することは勿論できない。
なお、通常のねじ構造が上記のようなアヤ目模様と大きく異なる点は、通常のねじ構造では、谷溝は右巻きまたは左巻きの一方の巻き方向のみが設けられることである(従来、ねじの当業者は、ねじ山は当然連続すべききものであると頭から思い込んでいたので、互いに交差する谷溝を設けるなどということは思いもよらぬことであったのである)。
図2は、右巻きおよび左巻きの谷溝2,3の条数をそれぞれ減少するとともに両方の谷溝2,3のリード角をそれぞれ小さくすることにより、本来のアヤ目模様の場合より隆起部4の配置を粗くするとともに各隆起部4を横に引き伸ばした状態を示している。なお、矢印aは第一の谷溝2の螺旋方向、矢印bは第二の谷溝4の螺旋方向を示している。この図2の構造も、各隆起部4は円周方向に延びているので、依然としてねじ構造として使用することはできない。
本発明では、さらに右巻きの谷溝2と左巻きの谷溝3の条数および(または)リード角を互いに異なるようにすることにより、図3に示されるように、隆起部4を円周方向に対し傾ける。これにより、複数の隆起部4に不連続なねじ山を構成させ、ねじ構造として機能させることができるようになる。なお、図3では、互いに交差する谷溝2,3が右巻きと左巻きになっているが、本発明においては、同じ巻き方向でリード角が異なる谷溝を互いに交差させてもよい。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
図4〜6は、本発明の実施例1におけるセルフタッピンねじ5を示している。このセルフタッピンねじ5は、軸部6とこの軸部6の後端に設けられた頭部7とを有している。なお、矢印Aはセルフタッピンねじ5の締付方向を示している。
前記軸部6の外周に設けられたねじ構造は、右巻きでリード角B1で螺旋状に延びる2条の第一の谷溝2(図4の矢印aは第一の谷溝2の螺旋方向を示している)と、左巻きで前記第一の谷溝2のリード角B1より小さいリード角B2で螺旋状に延びる1条の第二の谷溝3(図4の矢印bは第二の谷溝3の螺旋方向を示している)と、第一および第二の谷溝2,3によって囲まれることにより形成された複数の大略菱形四角錐条の隆起部4とを有している。
ここで本実施例では、第一の谷溝2のピッチと第二の谷溝3のピッチとは互いに同一とされている(ただし、本発明では、必ずしも両者のピッチを一致させる必要はない)。
前記複数の隆起部4は、第一および第二の谷溝2,3を挟んで互いに離間されて互いに不連続となっているが、第一の谷溝2と同じ右巻きでかつ第一の谷溝2のリード角B1より小さいリード角B3で螺旋状に延びる共通のねじ山を構成している(図4の矢印cは隆起部4群が構成するねじ山の螺旋方向を示している)。
本実施例においては、隆起部4群が構成するねじ山の条数N1は1となっている。本実施例のように第一の谷溝2と第二の谷溝3の巻き方向が違う場合、隆起部4群が構成するねじ山のリード角B3と第一の谷溝2のリード角B1および第二の谷溝3のリード角B2との関係は、基本的に、
3=(B1−B2)/2 (1)
の関係となる。
なお、図4〜6において、横一列に見たとき、隆起部4は前記ねじ山の2リード毎(すなわち、2回転毎)に表れていることに注意されたい。このことは、参考のために図4に示した相手材8に形成されている雌ねじ9の谷が1個おきに一番上の横の列の隆起部4と嵌合しているかのように見えることに着目されると分かり易いであろう。
図5に示されるように、本実施例では、軸方向に見ると、隆起部4は120度間隔で表れており、1回転につき1.5個(2回転につき3個)の隆起部4が形成されている。
図6によく示されるように、各隆起部4は、第一の立ち上がり面10、第二の立ち上がり面11、第三の立ち上がり面12および第四の立ち上がり面13を有しており、第一の立ち上がり面10および第二の立ち上がり面11は第一の谷溝2の両側面によって構成されている一方、第三の立ち上がり面12および第四の立ち上がり面13は第二の谷溝3の両側面によって構成されている。本実施例では、4つの立ち上がり面10〜13はすべて斜面とされている。
前記第一の立ち上がり面10と第三の立ち上がり面12とは互いに交差して交線部(稜線部)91を形成するとともに前記ねじ山の先頭側に位置し、第二の立ち上がり面11と第四の立ち上がり面13とは互いに交差して交線部(稜線部)92を形成するとともに前記ねじ山の後端側に位置し、第一の立ち上がり面10と第四の立ち上がり面13とは互いに交差して交線部(稜線部)93を形成するとともに前記ねじ山の一方の側部を構成し、第三の立ち上がり面12と第二の立ち上がり面11とは互いに交差して交線部(稜線部)94を形成するとともにねじ山の他方の側部を構成している。
各隆起部4のうちの第一の立ち上がり面10と前記第三の立ち上がり面12との間の部分は前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしている。
なお、本実施例では、各隆起部4の第一の立ち上がり面10と第三の立ち上がり面12との交線部91の先端点(図6の点F)と第二の立ち上がり面11と第四の立ち上がり面13との交線部92の後端点(図6の点G)とを結ぶ線分は、基本的に言って、隆起部群4がなす前記ねじ山の螺旋方向(図4の矢印cの方向)に沿って延びている。
このねじ構造においては、複数の隆起部4が不連続なねじ山を構成する上、各隆起部のうちの第一の立ち上がり面10と前記第三の立ち上がり面12との間の部分が前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしており、各隆起部4の第一の立ち上がり面10と第四の立ち上がり面13との交線部93および第三の立ち上がり面12と第二の立ち上がり面11との交線部94において相手材8に接触することになるため、相手材8に対する接触面積を従来より著しく小さくできる。
また、接触面積が少ない分だけ相手材8に食い込む量が大きくなるので、大きな緩み止め効果を得ることができる。
さらに、前述のように、従来は、軸部の横断面を非円形にしてねじ山に出っ張った部分が生ずるようにしたり、軸部の横断面は円形に保持したまま、ねじ山に出っ張った部分を設けることにより、ねじ山と相手材との接触面積を減少させる場合であって、かつねじ部品を転造加工により製造する場合は、出っ張った部分を1回転につき2箇所以上の整数箇所設ける必要があるので、挿入トルクを減少させる効果が一層小さくなるという問題があったが、本実施例では、1回転につき1.5個(2回転につき3個)の隆起部4が得られるので、相手材8に対する接触面積をより大きく減少できる。
ただし、本発明においては、第一および第二の谷溝2,3の条数やピッチを変更することにより、1回転当たりの隆起部4の数は変更でき、必ずしも本実施例のように隆起部4の数を1回転につき1.5個としなくてもよい。
また、本実施例では、第一の谷溝2と第二の谷溝3のピッチを合わせているので、隆起部4が軸方向に整列しているが、本発明においては必ずしも第一の谷溝2と第二の谷溝3のピッチとを合わせる必要はなく、ピッチを合わせなければ、隆起部4は軸方向に整列しなくなり、螺旋状に配置されるようになる。
また、本実施例では、隆起部4群により構成されるねじ山が1条のねじ山とされているが、第一および第二の谷溝2,3の条数やピッチを変更することにより、隆起部4群により構成されるねじ山の条数を変更することができる。
なお、本実施例は、本発明のねじ構造のうちの雄ねじ構造をセルフタッピンねじに適用した例であるが、本発明のねじ構造のうちの雄ねじ構造は木ねじに適用しても挿入トルクを従来より著しく小さくすることができるとともに、大きな緩み止め効果を得ることができる。また、本発明のねじ構造のうちの雄ねじ構造をねじ切りタップの刃部に適用すれば、必要とされる加工トルクを従来より著しく小さくすることができる。
図7〜12は、実施例1の図4〜6のようなねじ構造を転造加工により製造する実施例を示している。このうち図7は本実施例における固定転造平ダイス(本実施例における第一の転造ダイスであり、以下固定ダイスと略記する)14を示す正面図、図8は本実施例における移動転造平ダイス(本実施例における第二の転造ダイスであり、以下移動ダイスと略記する)15を示す正面図、図9は前記固定ダイス14および移動ダイス15を示す断面図である。
図7および8に示されるように、固定ダイス14のダイス面14aには、実施例1の第一の谷溝2に対応する第一の突条16が設けられており、これらの第一の突条16間には第一のダイス溝17が形成されている。なお、図7では、第一の突条16および第一のダイス溝17を詳細に図示しようとすると非常に細かい煩雑な図になってしまうので、通例行われているとおり、第一の突条16および第一のダイス溝17はそれらの方向性が分かるだけのように簡略化して示している。
図8および9に示されるように、移動ダイス15のダイス面15aには、実施例1の第二の谷溝3に対応する第二の突条19が設けられており、これらの第二の突条19間には第二のダイス溝20が形成されている。なお、図8においても、第二の突条19および第二のダイス溝20を詳細に図示しようとすると非常に細かい煩雑な図になってしまうので、通例行われているとおり、第二の突条19および第二のダイス溝20はそれらの方向性が分かるだけのように簡略化して示している。
図10は本実施例における素材21を示しており、円柱状の軸部6’と、この軸部6’の一端に設けられた頭部7とを有している。
図11は本実施例において転造加工を行っている状態を示し、固定ダイス14は固定し、移動ダイス15を矢印C方向に動かし、固定ダイス14と移動ダイス15との間で素材21を転がすことにより、第一の谷溝2を固定ダイス14により素材21の軸部6’に転造形成するとともに第二の谷溝3を移動ダイス15により素材21の軸部6’に転造形成する。通常のねじ転造と大きく異なる点は、固定ダイス14と移動ダイス15が違う谷溝2,3をそれぞれ加工していることである(通常のねじ転造においては、固定ダイスおよび移動ダイスが同じ谷溝を加工している)。したがって、通常のねじ転造作業では、固定ダイスと移動ダイスとの位相合わせ(ピッチ合わせ)が必要になるのに対し、本願発明のねじ構造の転造作業では、固定ダイス14と移動ダイス15との位相合わせが不要であり、転造作業が容易になる。
図12は、素材21が固定ダイス14および移動ダイス15の終端付近まで転がり、転造加工が実質的に完了した状態を示しており、実施例1のようなねじ構造を得ることができる。
なお、本実施例のように転造加工により本発明のねじ構造を製造する場合は、各隆起部4の第一の立ち上がり面10、第二の立ち上がり面11、第三の立ち上がり面12および第四の立ち上がり面13間の交線部91〜94がだれてしまい(丸みがついてしまい)、本願の図に示しているように明確に表れなくなり、各隆起部4のうちの第一の立ち上がり面10と前記第三の立ち上がり面12との間の部分も鈍く尖った形状となることがあるが、そのような場合でも本発明の作用効果が少なくとも著しく損なわれることはない。したがって、そのように前記交線部91〜94がだれているものも本発明の範囲内にあるものである。
また、本実施例では、平ダイスを用いているが、本発明においては丸ダイス等の他の形状のダイスを用いて転造加工を行ってもよい。
図13〜16は、実施例1の図4〜6のようなねじ構造を切削または研削加工により製造する実施例を示している。
まず、図13に示されるように、素材21を該素材21の軸線回りに回転させるとともに矢印Dのように軸方向に送って行きながら、回転切削工具である第一の切削工具(または砥石)22で素材21を切削(または研削)することにより、実施例1の第一の谷溝2の第1条目を形成して行く。なお、第一の切削工具(または砥石)22は第一の谷溝2のリード角B1に対応してその回転軸を傾けられている。
第一の谷溝2の第1条目が完成したら、次に図14に示されるように、第1条目と同様にして、第一の谷溝2の第2条目を、第一の切削工具(または砥石)22で素材21を切削(または研削)して形成して行く。
第一の谷溝2の第2条目が完成したら、次に、第2の谷溝5を切削(または研削)する。図15は、回転切削工具である第二の切削工具(または砥石)23で第二の谷溝3の切削(または研削)を行う直前の状態を示している。第二の切削工具(または砥石)23は第二の谷溝3のリード角B2に対応してその回転軸を傾けられている。
図15の状態から素材21を該素材21の軸線回りに回転させるとともに矢印Dのように軸方向に送って行きながら、第二の切削工具(または砥石)23で素材21を切削(または研削)することにより、第二の谷溝3を形成して行く。
図16は、第二の谷溝3の切削(または研削)が完了した状態を示しており、実施例1のようなねじ構造が完成する。
図17および18は本発明の実施例4における緩み止め機能付き小ねじ24、図19および20はこの緩み止め機能付き小ねじ24を製造するための固定転造平ダイス(本実施例における第一の転造ダイスであり、以下固定ダイスと略記する)14および移動転造平ダイス(本実施例における第二の転造ダイスであり、以下移動ダイスと略記する)15を示している。
固定ダイス14および移動ダイス15の構成は、基本的には図7〜12の実施例2の場合と同様であるが、実施例2では第一および第二の突条16,19の両側面の傾きが互いに等しくされていたのに対し、本実施例では、図19および20に示されるように、第一および第二の突条16,19の両側面の傾きが互いに異なるようにされている。
緩み止め機能付き小ねじ24は、軸部6とこの軸部6の後端に設けられた頭部7とを有しており、軸部6に前記固定ダイス14および移動ダイス15によりねじ構造を転造加工されている。
そして、固定ダイス14および移動ダイス15の第一および第二の突条16,19の両側面の傾きが互いに異なるようにされているので、第一の谷溝2の両側面の角度が不等角となるとともに第二の谷溝3の両側面の角度も不等角となっている。このため、第一の立ち上がり面10および第三の立ち上がり面12より第二の立ち上がり面11および第四の立ち上がり面13の方が第一および第二の谷溝2,3の谷底から急峻に立ち上がっている。したがって、本実施例では、極めて優れた緩み止め効果を得ることができる。
なお、本実施例では、第二の立ち上がり面11および第四の立ち上がり面13は垂直面に近く急峻に立ち上がっているが、完全な垂直面とはなっておらず、非常に急峻な斜面となっている(したがって、本実施例においても、4つの立ち上がり面10〜13は全て斜面となっている)。しかし、第二の立ち上がり面11および第四の立ち上がり面13を垂直面となるようにしてもよい。
図21は本発明の実施例5における打込み鋲25、図22および23はこの打込み鋲25を製造するための固定転造平ダイス(本実施例における第一の転造ダイスであり、以下固定ダイスと略記する)14および移動転造平ダイス(本実施例における第二の転造ダイスであり、以下移動ダイスと略記する)15を示している。
打込み鋲25は、軸部26とこの軸部26の後端に設けられた頭部27とを有している。前記軸部26の外周には本発明のねじ構造が設けられている。前記各実施例では第一の谷溝2の巻き方向と第二の谷溝3の巻き方向とが反対方向であったが、本実施例においては、第一の谷溝2の巻き方向と第二の谷溝3の巻き方向とが同じとされている(両方とも右巻きとされている)。
本実施例においても、第一の谷溝2のピッチと第二の谷溝3のピッチとは同一とされ、第一の谷溝2は2条、第二の谷溝3は1条とされている。また、第一の谷溝2のリード角B1より第二の谷溝3のリード角B2の方が小さくされている。
なお、第一および第二の谷溝2,3の巻き方向およびリード角B1,B2は、図22の固定ダイス14の第一の突条16の方向およびリード角B1と図23の移動ダイス15の第二の突条19の方向およびリード角B2を参照すると、よりよく把握できるであろう。
本実施例においても、第一および第二の谷溝2,3によって囲まれることにより複数の隆起部4が形成されており、これらの隆起部4により第一の谷溝2と同じ右巻きでかつ第一の谷溝2のリード角B1より小さいリード角B3で螺旋状に延びる不連続なねじ山が形成されている。
本実施例においても、隆起部4群が構成するねじ山の条数N1は1となっている。本実施例のように第一の谷溝2の巻き方向と第二の谷溝3の巻き方向が同じ場合、隆起部4群が構成するねじ山のリード角B3と第一の谷溝2のリード角B1および第二の谷溝3のリード角B2との関係は、基本的に、
3=(B1+B2)/2 (2)
の関係となる。
実施例1の場合と同様に、各隆起部4は、第一の立ち上がり面10、第二の立ち上がり面11、第三の立ち上がり面12および第四の立ち上がり面13を有しており、第一の立ち上がり面10および第二の立ち上がり面11は第一の谷溝2の両側面によって構成されている一方、第三の立ち上がり面12および第四の立ち上がり面13は第二の谷溝3の両側面によって構成されている。本実施例においても、4つの立ち上がり面10〜13はすべて斜面とされている。
また、各隆起部4のうちの第一の立ち上がり面10と前記第三の立ち上がり面12との間の部分は前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしている。
さらに、各隆起部4の第一の立ち上がり面10と第三の立ち上がり面12との交線部91の先端点と第二の立ち上がり面11と第四の立ち上がり面13との交線部92の後端点とを結ぶ線分は、基本的に言って、隆起部群4がなす前記ねじ山の螺旋方向に沿って延びている。
この打込み鋲25においても、複数の隆起部4が不連続なねじ山を構成する上、各隆起部のうちの第一の立ち上がり面10と前記第三の立ち上がり面12との間の部分が前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしており、各隆起部4の第一の立ち上がり面10と第四の立ち上がり面13との交線部93および第三の立ち上がり面12と第二の立ち上がり面11との交線部94において相手材8に接触することになるため、相手材に対する接触面積を従来より著しく小さくできる。
さらに、本実施例では、実施例1の場合と同様に1回転につき1.5個(2回転につき3個)の隆起部4が得られるので、相手材に対する接触面積をより大きく減少できる。
したがって、相手材に打ち込むために必要とされる打ち込み力を従来より著しく減少させることができる。
なお、前記各実施例では、第一の谷溝および隆起部群により構成されるねじ山を右巻きとしているが、本発明においては、第一の谷溝および隆起部群により構成されるねじ山を左巻きとしてもよいことは勿論である。
また、前記各実施例は本発明のねじ構造を雄ねじに適用した例であるが、本発明のねじ構造は雌ねじに適用できるものであり、したがってナット等の雌ねじ部品やねじ切りダイス等にも適用できるものである。なお、雌ねじのねじ構造の場合も、雄ねじの場合と同様にして転造加工や切削または研削加工等により製造できる。
以上のように本発明によるねじ構造、ねじ部品、ねじ切りタップ、打込み鋲、ねじ構造の製造方法および転造ダイスは、産業上有用である。
2 第一の谷溝
3 第二の谷溝
4 隆起部
5 セルフタッピンねじ
8 相手材
10 第一の立ち上がり面
11 第二の立ち上がり面
12 第三の立ち上がり面
13 第四の立ち上がり面
14 固定ダイス(第一の転造ダイス)
14a 固定ダイスのダイス面
15 移動ダイス(第二の転造ダイス)
15a 移動ダイスのダイス面
16 第一の突条
17 第一のダイス溝
19 第二の突条
20 第二のダイス溝
21 素材
22 第一の切削工具または砥石
23 第二の切削工具(または砥石)
24 緩み止め機能付き小ねじ
25 打込み鋲
91 第一の立ち上がり面と第三の立ち上がり面との交差部
92 第二の立ち上がり面と第四の立ち上がり面との交差部
93 第一の立ち上がり面と第四の立ち上がり面との交差部
94 第三の立ち上がり面と第二の立ち上がり面との交差部
1 第一の谷溝2のリード角
2 第二の谷溝3のリード角
3 隆起部群により構成されるねじ山のリード角

Claims (14)

  1. 螺旋状に延びる第一の谷溝と、
    前記第一の谷溝と交差する螺旋状に延びる第二の谷溝と、
    それぞれ前記第一および第二の谷溝によって囲まれることにより形成されており、前記第一および第二の谷溝を挟んで互いに離間されて互いに不連続となっているが、右巻きまたは左巻きの一方の巻き方向に螺旋状に延びる共通の1条または多条のねじ山を構成する複数の隆起部と、
    各前記隆起部に形成されている第一の立ち上がり面、第二の立ち上がり面、第三の立ち上がり面および第四の立ち上がり面とを有してなり、
    前記第一および第二の谷溝は共に前記ねじ山と交差しており、
    前記第一の立ち上がり面および前記第二の立ち上がり面は前記第一の谷溝の両側面によって構成されている一方、前記第三の立ち上がり面および前記第四の立ち上がり面は前記第二の谷溝の両側面によって構成されており、
    前記4つの立ち上がり面のうちの少なくとも前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面は斜面とされており、
    前記隆起部のうちの前記第一の立ち上がり面と前記第三の立ち上がり面との間の部分は前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなしているねじ構造。
  2. 前記第一の谷溝は2以上の条数とされ、
    前記第二の谷溝は前記第一の谷溝より少ない条数、かつ前記第一の谷溝のリード角より小さいリード角とされ、
    前記隆起部が構成する前記ねじ山は前記第一の谷溝と同じ巻き方向でかつ前記第一の谷溝のリード角より小さいリード角とされている請求項1記載のねじ構造。
  3. 前記第一の谷溝の両側面の角度が不等角とされるとともに前記第二の谷溝の両側面の角度が不等角とされており、これにより前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面より前記第二の立ち上がり面および前記第四の立ち上がり面の方が谷底側から急峻に立ち上がっている請求項1または2記載のねじ構造。
  4. 前記第一の谷溝と前記第二の谷溝とは巻き方向が異なる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のねじ構造。
  5. 前記第一の谷溝と前記第二の谷溝とは巻き方向が同じである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のねじ構造。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のねじ構造を有するねじ部品。
  7. 刃部として1乃至5のいずれか1項に記載のねじ構造を有するねじ切りタップ。
  8. 請求項5に記載のねじ構造を有する打込み鋲。
  9. 螺旋状に延びる第一の谷溝を素材に形成する段階と、
    前記第一の谷溝と交差する螺旋状に延びる第二の谷溝を前記素材に形成する段階とを有してなり、
    前記第一および第二の谷溝の条数、リード角および側面の角度は、複数の隆起部がそれぞれ前記第一および第二の谷溝によって囲まれることにより前記素材に形成され、これらの複数の隆起部は前記第一および第二の谷溝を挟んで互いに離間されて互いに不連続となっているが、右巻きまたは左巻きの一方の巻き方向に螺旋状に延びる共通の1条または多条のねじ山を構成し、前記第一および第二の谷溝は共に前記ねじ山と交差し、前記第一の谷溝の両側面によって各前記隆起部に第一の立ち上がり面および第二の立ち上がり面が構成される一方、前記第二の谷溝の両側面によって各前記隆起部に第三の立ち上がり面および第四の立ち上がり面が構成され、前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面が斜面となり、かつ各前記隆起部のうちの前記第一の立ち上がり面と前記第三の立ち上がり面との間の部分が前記ねじ山の進行方向に向けて尖った形状をなすこととなるように選択するねじ構造の製造方法。
  10. 前記第一の谷溝は2以上の条数とし、
    前記第二の谷溝は前記第一の谷溝より少ない条数、かつ前記第一の谷溝のリード角より小さいリード角とし、
    前記隆起部が構成する前記ねじ山は前記第一の谷溝と同じ巻き方向でかつ前記第一の谷溝のリード角より小さいリード角とする請求項9記載のねじ構造の製造方法。
  11. 前記第一の立ち上がり面および前記第三の立ち上がり面より前記第二の立ち上がり面および前記第四の立ち上がり面の方が谷底側から急峻に立ち上がるように、前記第一の谷溝の両側面の角度を不等角とするとともに前記第二の谷溝の両側面の角度を不等角とする請求項9または10記載のねじ構造の製造方法。
  12. 前記第一の谷溝に対応する第一の突条を有する第一の転造ダイスと前記第二の谷溝に対応する第二の突条を有する第二の転造ダイスとを用意する段階と、
    前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとを相対的に動かし、前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとの間で前記素材を転がし、前記第一の谷溝を前記第一の転造ダイスにより前記素材に転造形成するとともに前記第二の谷溝を前記第二の転造ダイスにより前記素材に転造形成する段階とを有してなる請求項9乃至11のいずれか1項に記載のねじ構造の製造方法。
  13. 前記素材を第一の切削工具または砥石に対し相対的に該素材の軸線回りに回転させるとともに、前記素材の軸線方向に相対的に移動させながら前記第一の切削工具または砥石で前記素材を切削または研削して前記第一の谷溝を形成する段階と、
    前記素材を第二の切削工具または砥石に対し相対的に該素材の軸線回りに回転させるとともに、前記素材の軸線方向に相対的に移動させながら前記第二の切削工具または砥石で前記素材を切削または研削して前記第二の谷溝を形成する段階とを有してなる請求項9乃至11のいずれか1項に記載のねじ構造の製造方法。
  14. 請求項1のねじ構造を製造するための転造ダイスであって、
    前記第一の谷溝に対応する第一の突条を有する第一の転造ダイスと、前記第二の谷溝に対応する第二の突条を有する第二の転造ダイスとを有してなり、
    前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとを相対的に動かし、前記第一の転造ダイスと前記第二の転造ダイスとの間で素材を転がすことにより、前記第一の谷溝を第一の転造ダイスにより前記素材に転造形成するとともに前記第二の谷溝を前記第二の転造ダイスにより前記素材に転造形成することができるようになっている転造ダイス。
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