JP2007236217A - 黒胡麻入り油揚げの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 胡麻成分の消化吸収性に優れ、さらに、心地良い食感、芳しい香味、そして黒つやのある外観によって食欲が増進する美味しい油揚げを、過剰な経済的負担なく製造することができる黒胡麻入り油揚げの製造方法を提供すること。
【解決手段】 脱脂微粉砕された粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊を少なくとも使用して揚生地を製し、この揚生地の上面側に帯熱したとき遠赤外線を放射する遠赤重石を載置して、揚生地の上面が揚油の油面に没する程度に揚生地を浅沈せしめ、こうして浅沈されて揚出し処理が進行する揚生地を加熱揚油の中で表・裏・表・…裏・表と順次反転させながら揚出し処理を行った。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油揚げの製造方法の改良、詳しくは、栄養的価値が非常に高く、さらに、芳しい香味と心地良い食感を合わせ持つ美味なる油揚げを作製することができる黒胡麻入り油揚げの製造方法に関するものである。
周知のとおり、油揚げは、堅目の豆腐生地を水切りして菜種油や胡麻油などの植物油にて揚げて製せられる加工食料品であって、必須アミノ酸やミネラル、イソフラボン等、豊富な栄養素を含んだ高機能の健康食品である。
また、最近では、「不老長寿の妙薬・秘薬」と古くから言われてきた胡麻が、身体に対して優れた機能を有する有効成分を含有しているとして大きな注目を集めており、食品業界においては、「誤魔化す(胡麻化す)」の語源にもなった胡麻の風味を引き上げる作用を活かして様々な製品の開発が行われている。
そして、胡麻を使用した油揚げとしては、豆乳に胡麻及び様々な添加物を加えて豆腐生地を形成し、さらに、この豆腐生地をスティック型に裁断したものを揚出し処理して作製した胡麻入りの厚揚げが従来において開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の従来技術で作製された厚揚げは、磨り潰すことなく粒状のままで胡麻を使用していたことから、豆腐生地を作製する際に、豆乳内で胡麻が比重によって分離し、生地全体として胡麻の分布が不均一になる傾向があって、結果として、作製された油揚げの食感に支障が生じるのであった。加えて、胡麻を粒状のまま生地に含有させた場合、油揚げを食した際に歯と歯の間に胡麻が挟まり易かったため、非常に不快で評判が良くない。
そして、厚揚げの香りに関しても、豆乳と胡麻との比重差により胡麻の分布に偏りが生じたことから、厚揚げに対して胡麻の香ばしい風味が上手く調和せず、また、厚揚げの見栄えも通常の油揚げと大して変わり映えがなかったため、消費者の食欲をそそるには至らなかった。
さらに、上記の従来技術における厚揚げは、それを食した際に胡麻が噛み砕かれないまま飲み込まれてしまうことも多かったため、胡麻成分が消化され難く、せっかく胡麻を使用したにもかかわらずその栄養分を効率良く摂取することができなかった。
一方、従来においては、胡麻の外皮を磨り潰してペースト状にしたものを用いることにより、胡麻成分が消化され易い豆腐生地を製造する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、胡麻ペーストを豆乳中に均一に分散させるためには、高圧ホモジナイザー装置等の特殊な攪拌装置を使用して胡麻の油脂分を水溶性の豆乳中に乳化させなければならず、このような攪拌装置は非常に高額であったため、製造業者にとって過剰な経済的負担となっていた。
特開2002−320459号公報 (第2−6頁) 特開2003−219830号公報 (第2−6頁)
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、胡麻成分の消化吸収性に優れ、さらに、心地良い食感、芳しい香味、そして黒つやのある外観によって食欲が増進する美味しい油揚げを、過剰な経済的負担なく製造することができる黒胡麻入り油揚げの製造方法を提供することにある。
本発明者が、上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、脱脂微粉砕された粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊を少なくとも使用して揚生地を製し、この揚生地の上面側に帯熱したとき遠赤外線を放射する遠赤重石を載置して、揚生地の上面が揚油の油面に没する程度に揚生地を浅沈せしめ、こうして浅沈されて揚出し処理が進行する揚生地を加熱揚油の中で表・裏・表・…裏・表と順次反転させながら揚出し処理する点に特徴がある。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、色付き豆腐塊を製する際、粉末状の黒胡麻を大豆に対して10〜40wt%の割合で混入するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、揚生地を製するに際し、粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊と通常の豆腐塊とを接合一体化させ、こうして得られた揚生地を揚出し処理するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、色付き豆腐塊と通常の豆腐塊とを交互に積層一体化させて揚生地を製し、こうして得られた積層揚生地を揚出し処理するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、揚生地を揚出し処理するに際し、含水分が沸点近くまで温度上昇して揚生地の表面が硬化することなく揚生地の体積が膨張する予備加熱帯域と、揚生地表面に脱水皮膜が形成される揚油温度の低加熱帯域と、この低加熱帯域より揚油温度が高くて前記揚生地の内部が脱水し当該内部に気泡が生ずる中加熱帯域と、この中加熱帯域よりも揚油温度が高くて前記揚生地の内部が脱水し当該内部に気泡が生ずる中加熱帯域と、この中加熱帯域よりも揚油温度が高くて揚生地表面の脱水皮膜が大略金茶色に変色してメラノイジン反応が生起される高加熱帯域との揚油の中へ浅沈状態に浸漬せしめる工程を順番に履歴させてゆくという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、予備加熱帯域が85〜100℃、低加熱帯域が100〜130℃、中加熱帯域が130〜150℃、高加熱帯域が160〜180℃の温度に揚油を加熱して揚出し処理を行うという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、揚出し処理時に使用する遠赤重石として、花崗岩、長石などの無水珪素成分を含有する自然石盤を使用するという技術的手段を採用することができる。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、揚出し処理の揚油として、風味豊かな胡麻油を使用するという技術的手段を採用することができる。
本発明では、白胡麻や金胡麻と異なり、外皮にも栄養成分が豊富に含まれている黒胡麻を使用し、この黒胡麻内部の油脂分を取り除いた後、これを微粉砕して粉末状にした。そして、この粉末状の黒胡麻を使用して揚生地を作製し、この揚生地を揚出し処理したことにより、大豆と胡麻の両方の栄養を一度に享受できる機能的な油揚げを完成させた。
さらに、黒胡麻を粉末状で使用したことにより、粒状のままで胡麻を使用した場合よりも、体内での胡麻成分の消化・吸収効率は飛躍的に向上しているため、黒胡麻の栄養を取りこぼしなく摂取することができる。
そして、黒胡麻を脱脂粉砕して粉末状にしたことにより、胡麻粉体を簡単な攪拌で豆乳中にコロイド分散させることができるため、生地内における胡麻の分布を容易に均一化することができ、それによって油揚げの食感を滑らかで口当たりの良いものとすることができる。なお、胡麻粉体を豆乳中に分散させる際、高価な攪拌装置等は不用となるため、製造者が過剰な経済的負担を強いられることもない。
また、油揚げの食感においては、揚出し処理の際、帯熱したとき遠赤外線を放射する遠赤重石を揚生地に載置して熱の浸透性を高めたことにより、揚生地の中心部まで充分に加熱することができるため、表面はサクっとし、内部がふわっとした理想的な歯応えを実現することができる。しかも、黒胡麻が粉末状であることにより、油揚げを噛んだときに胡麻粒が歯間に挟まるような不快な事態も生じないため、噛み心地も良好である。
そしてまた、油揚げの風味に関しては、粉末状の黒胡麻を豆乳中に均一分散させたことにより、生地外面に胡麻粉体が満遍なく表出するため、胡麻が炒られることによって生じる胡麻特有の加熱香気成分(ピラジン類)が、豆腐生地が含有する大豆タンパク及び糖質のメラノイジン反応により生じる香ばしい匂いとバランス良く調和してその風味を格段に引き上げ、食欲を掻き立てる芳しい薫りを生成する。
ちなみに、上記においての「メラノイジン反応」とは、食材中のアミノ酸、ペプチド、タンパク質中のアミノ基と糖類の配糖体形成能を有する水酸基との間に起こる反応であって、食材の風味を向上させると共に、糖アミノ縮合反応を第1段階として、次いで分解反応に至り、種々の反応活性なカルボニル化合物やレダクトンを経て含窒素カッ色物質(メラノイジン)を生成させるものであり、特に胡麻油を使用した場合には、その風味は大いに向上する。
そして、油揚げの外観においては、黒胡麻の黒色粉末を豆乳と混合することにより、揚生地が灰色調となり、さらに、この生地を揚出し処理することによって黒つやのある照りを呈した食欲をそそる外観に仕上げることができる。
したがって、本発明により、健康食品としての機能性に優れ、かつ、消費者の味覚・嗅覚・触覚・視覚を効果的に刺激する美味しい油揚げを経済的に作製できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の実施形態を具体的に図示した図1〜図3に基いて詳細に説明する。本実施形態においては、図1に示すように、まず、黒胡麻を脱脂微粉砕した粉末状のと大豆と混合したものを磨砕した後、それを加熱濾過して豆乳を抽出した。次いで、この豆乳に凝固剤(にがり等)を加え、その際に生じた沈殿物を型枠に移して加圧脱水することにより灰色調に着色された色付き豆腐塊Gを作製し、この色付き豆腐塊を使用して揚生地Cを製した(図2参照)。
さらに、この揚生地Cを油槽の揚油Oの中で予備加熱した後、高温域の油槽に揚生地Cを移して、加熱揚油の中で揚生地を表・裏・表・…裏・表と順次反転させながら揚出し処理を行って油揚げFを製造した(図3参照)。
そして、この揚出し処理は、帯熱したとき遠赤外線がを放射する遠赤重石Wを揚生地Cの上面側に載置して、揚生地の上面が揚油の油面に没する程度に揚生地を浅沈させながら進行した。なお、遠赤重石Wとしては、遠赤外線の放射効果に優れた花崗岩、長石などの無水珪素成分を含有する自然石盤を使用した。
上記のような工程で油揚げFを製造したことによって、粒状のままで胡麻を使用した場合よりも、体内での胡麻成分の消化・吸収効率を格段に向上させることができるため、黒胡麻の栄養を存分に摂取することができる。
また、簡単な攪拌で胡麻粉体を豆乳中に均一に分散させることができるため、生地内における胡麻の分布を容易に均等化することができ、それによって油揚げFの食感を滑らかで口当たりの良いものとすることができる。しかも、胡麻粉体の豆乳中への攪拌に高価な攪拌装置等が不用となるため、製造者が過剰な経済的負担を強いられることはない。
そしてまた、油揚げFの食感においては、揚出し処理中に帯熱した遠赤重石Wを揚生地C上に載置して熱の浸透性を高めたことで、表面はサクっとし、内部がふわっとした理想的な歯応えを実現した。しかも、黒胡麻が粉末状であることで、油揚げを噛んだときに胡麻粒が歯間に挟まるような事態も生じないため、噛み心地も良好となる。
そしてまた、油揚げFの風味に関しては、粉末状の黒胡麻が豆乳中に均一分散させたことにより、生地C外面に胡麻粉体が満遍なく表出するため、豆腐生地Cが含有する大豆タンパク及び糖質のメラノイジン反応によって生じる香ばしい匂いと、胡麻が炒られることによって生じる加熱香気成分(ピラジン類)とがバランス良く調和して、食欲を掻き立てる芳しい薫りを生成する。
そして、油揚げFの外観においては、黒胡麻の黒色粉末が豆乳と混合することにより、揚生地Cを灰色調となり、さらに、この生地に揚出し処理を行うことによって黒つやのある照りを呈して食欲をそそる外観に仕上げることができる。
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態を図4から図7に基いて詳細に説明する。本実施形態においては、揚生地Cを製するに際し、粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊Gと通常の豆腐塊Tとを組み合わせて接合一体化させた(図4参照)。そして、この色付き豆腐塊Gと通常の白色系の豆腐塊Tとを組み合わせた揚生地Cを揚出し処理することによって、油揚げFを黄金色と黒色との二色調から成る独創的な外観に作り上げた(図5参照)。
[製造例]
それでは、本発明における第2実施形態の製造例を以下から説明する。まず、専用器具を用いて黒胡麻を脱脂し、それからこの脱脂した胡麻をミキサーにかけて微粉砕する。なお、この脱脂粉砕工程に関しては、脱脂前に胡麻をミキサーにかけると、油脂分の粘性によりミキサーが上手く作動しないため、脱脂後に胡麻を微粉砕することが好ましいが、液体窒素等を用いて胡麻を凍結した場合は、先にミキサーで微粉砕してから、脱脂することも可能である。
そして、大豆と水が入った容器に、この粉末状の黒胡麻を大豆の重量に対して10〜40wt%の割合で混入した。なお、胡麻の混入量が少な過ぎると、栄養、香り、そして外観の面で充分な効果を得ることができず、一方で、胡麻の混入量が多過ぎると油揚げFを食した際に口当たりが粉っぽくなってしまうため、胡麻の混入量は適量であることが重要となる。
そうして、大豆と水と黒胡麻の混合物を磨り潰して呉を作製し、この呉を加熱処理したものを100〜120メッシュの濾し布を使用して豆乳を抽出した。なお、濾し布の目の大きさは、油揚げFに滑らかな食感としっかりとした歯応えを持たせるための大事な要素である。
そしてさらに、抽出した豆乳を棒材により攪拌を行いながらにがりを加えていき、そのときに生じた沈殿物を型枠に移して加圧脱水することにより色付き豆腐塊Gを作製した。次いで、この色付き豆腐塊G及び通常の豆腐塊Tをそれぞれ10cm×10cm×3.5cmサイズに切り分け、それらを積層した状態で接合一体化して揚生地Cを製した。
なお、複数の豆腐塊を一体的に接合するには、色付き豆腐塊G及び通常の豆腐塊Tをそれぞれ切断し、その切断面に澱粉等の食用接着材を塗布した後、豆腐塊同士を積層して切断面同士を圧着するのが好ましい。
そして最後に、図6に示すようなフライ処理槽を使用して、作製した揚生地Cを揚出し処理した。なお、揚出し処理に使用する揚油Oには、風味が豊かで酸化し難い胡麻油を採用した。
ここで、上記における揚出し処理の具体的工程を、そのときの揚生地Cの状態と併せて説明していく。
最初に、フライ処理槽における揚油Oが89〜100℃の温度にまで加熱された予備加熱帯域に揚生地Cを浸漬する。この際、まず、揚生地Cにおける通常の豆腐塊Tの含水分が沸点近くまで温度上昇してその体積が拡張し始め、それに若干遅れて色付き豆腐塊Gの体積も拡張を開始して揚生地C全体が膨張する。その後、フライ処理槽における揚油Oの温度が110〜127℃の低加熱帯域へと揚生地Cを移し替える。この際、揚生地Cの表面は濃灰色及び淡黄色の脱水皮膜を形成する。
なお、低加熱帯域からは、揚生地C上面に遠赤重石Wを固定した掬い網を載置する(図7参照)。そして好ましくは、遠赤重石Wにより揚生地Cを油面下に5mm程に浅沈させて、重石からの重力及び油中で揚生地C自体に生じる浮力で揚生地Cを適度に圧迫し、生地内の余分な含水分を生地外部へ蒸発脱水させて、揚出し処理後に油揚げF内に過剰に水分が残余しないようにする。
そして次に、揚生地Cを140〜154℃の中加熱帯域へと移す。この際、揚生地Cの表面は薄茶色に変色する一方、揚生地Cの含水分が気化して揚生地Cの内部に気泡が生じることで、揚生地Cは周囲部から中心部に向かって徐々に膨らんでいく。
そして、最初の状態から縦横厚さがそれぞれ約2〜3cm伸長する程度に体積が膨張した時点で揚生地Cを160〜168℃の高加熱帯域に移し替える。この際、揚生地Cの表面ではメラノイジン反応が急速に進み、揚生地Cの白色及び灰色であった部分は、それぞれ照りのある大略金茶色及び黒色に変化する。
また同時に、高加熱帯域では、急速なメラノイジン反応によって香ばしい匂いの元となる香気成分が大量に発生し、さらに、胡麻粉体が炒られることで胡麻特有の加熱香気成分が放出されて、芳しい薫りを生成する。なお、この中加熱帯域から高加熱帯域に揚生地Cを移動させる際には、外気に触れて収縮しないように揚油O中を浸漬状態のまま移動させることが好ましい。
そして最後に、揚出し処理が完了してフライ処理槽から取り出した油揚げFの表面に温かい揚油Oをスプレーすることによって油揚げFを徐冷し、生地内の急激な温度低下により引き起こされる油揚げFの収縮を防止する。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、黒胡麻粉末の混入量を調節して、色度が段階的に異なる色付き豆腐塊Gを作製し、これらを積層して接合一体化することにより、グラデーション状の独創的な揚生地Cを製することも可能である。
また、揚生地Cに関しては、図8のように色付き豆腐塊Gと通常の豆腐塊Tとを刳り抜き技法を用いて組み合わせ、図9のような複雑な模様の油揚げFを製してよく、何れも本発明の技術的範囲に属する。
最近では、健康指向の流れにより、消費者の多くが、化学調味料やバイオテクノロジーを使用した食品に対して強い警戒心を抱くようになった。そして、食品製造業界においては、そのような消費者に応えるためにも、自然の食材が有する風味や栄養的機能を最大限活かした食品づくりが重要な課題となっている。
また、豆腐食品業界では、地域に根付いた個人事業者が多く、それらの製造者にとっては、大企業のような潤沢な資金による高額の設備投資は大きな負担となってしまうため、できるだけ経済的な製造技術が求められる。
そのような中で、本発明の黒胡麻入り油揚げの製造方法は、自然食材である大豆と黒胡麻の特性を活かして、消費者の五感を刺激する風味、食感及び外観を実現し、さらには、栄養的機能にも配慮した油揚げを経済的に製造することができることから、豆腐食品業界における需要は非常に大きく、本発明の産業上の利用価値は非常に高いと云える。
本発明の第1実施形態における黒胡麻入り油揚げの作製手順を表わす工程説明図である。 本発明の第1実施形態における揚生地を表わす全体斜視図である。 本発明の第1実施形態における油揚げを表わす全体斜視図である。 本発明の第2実施形態における揚生地を表わす全体斜視図である。 本発明の第2実施形態における油揚げを表わす全体斜視図である。 本発明の第2実施形態の製造例における揚出し処理の状態を表わす状態説明図である。 本発明の第2実施形態の製造例における揚出し処理時の揚生地の状態を表わす状態説明図である。 本発明の変形例における揚生地を表わす全体斜視図である。 本発明の変形例における油揚げを表わす全体斜視図である。
符号の説明
G 色付き豆腐塊
T 豆腐塊
C 揚生地
O 揚油
F 油揚げ
W 遠赤重石

Claims (8)

  1. 脱脂微粉砕された粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊を少なくとも使用して揚生地を製し、この揚生地の上面側に帯熱したとき遠赤外線を放射する遠赤重石を載置して、揚生地の上面が揚油の油面に没する程度に揚生地を浅沈せしめ、こうして浅沈されて揚出し処理が進行する揚生地を加熱揚油の中で表・裏・表・…裏・表と順次反転させながら揚出し処理することを特徴とする黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  2. 色付き豆腐塊を製する際、粉末状の黒胡麻を大豆に対して10〜40wt%の割合で混入することを特徴とする請求項1記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  3. 揚生地を製するに際し、粉末状の黒胡麻を混入した色付き豆腐塊と通常の豆腐塊とを接合一体化させ、こうして得られた揚生地を揚出し処理することを特徴とする請求項1または2に記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  4. 色付き豆腐塊と通常の豆腐塊とを交互に積層一体化させて揚生地を製し、こうして得られた積層揚生地を揚出し処理することを特徴とする請求項3記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  5. 揚生地を揚出し処理するに際し、含水分が沸点近くまで温度上昇して揚生地の表面が硬化することなく揚生地の体積が膨張する予備加熱帯域と、揚生地表面に脱水皮膜が形成される揚油温度の低加熱帯域と、この低加熱帯域より揚油温度が高くて前記揚生地の内部が脱水し当該内部に気泡が生ずる中加熱帯域と、この中加熱帯域よりも揚油温度が高くて前記揚生地の内部が脱水し当該内部に気泡が生ずる中加熱帯域と、この中加熱帯域よりも揚油温度が高くて揚生地表面の脱水皮膜が大略金茶色に変色してメラノイジン反応が生起される高加熱帯域との揚油の中へ浅沈状態に浸漬せしめる工程を順番に履歴させてゆくことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  6. 予備加熱帯域が85〜100℃、低加熱帯域が100〜130℃、中加熱帯域が130〜150℃、高加熱帯域が160〜180℃の温度に揚油を加熱して揚出し処理を行うことを特徴とする請求項5記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  7. 揚出し処理時に使用する遠赤重石として、花崗岩、長石などの無水珪素成分を含有する自然石盤を使用することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
  8. 揚出し処理に使用する揚油として、風味豊かな胡麻油を採用していることを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載の黒胡麻入り油揚げの製造方法。
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