JP2007232942A - 平版刷版の現像方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素によるラジカル光重合の阻害を防止して少ない光量で平版刷版の全面露光を行って後露光処理を可能とする。
【解決手段】現像処理されて平版刷版10の表面に画像を形成するように残っている画像記録層の上をガム液の溶媒を含む成分の層で覆って酸素を遮断する状態で、ラジカル光重合を起こさせる波長の光で全面露光を行うことにより、酸素による重合阻害の影響を受けることなくラジカル重合反応を残らず進めるようにして、画像を形成している画像記録層全体をポリマー化して硬化し、平版刷版10の耐刷性を向上する。
【選択図】図2

Description

この発明は、平板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像を記録するための画像記録層を設けた平版刷版に対して露光処理、現像処理をした後、親水層を保護する為いわゆるガム液を塗布してから乾燥させて画像記録層表面に親水層の保護層を形成する際に、塗布したガム液による酸素を遮断する機能を利用して光重合層を硬化する平版刷版の耐刷性向上のための後露光を行うようにした現像方法及び装置に関する。
一般に、平版刷版の製版では、支持体上に光重合性の感光膜(画像記録層)を設けた平版刷版の原版の感光膜を、露光装置で露光して重合反応を起こさせることによって、画像部を固化させた潜像を形成した後、平版刷版の潜像が形成された感光膜における重合されなかった非画像部を現像液で除去し、さらにガム液を塗布した後に乾燥させて親水層を保護するための保護層を形成している。
近年、平版印刷の分野では、未露光の平版刷版の供給を受けて、この平版刷版に対し、画像データをコンピュータ処理することで光源のレーザー光を直接変調し、平版刷版の原版に変調されたレーザー光を投影して平版刷版の原版の画像記録層に直接画像を記録するレーザー露光処理をし、自動現像機で感光性平版刷版上に形成された潜像を顕像に変換する現像処理をして直接平版刷版を製版するCTP(Computer to Plate)システムが実用化されている。
また、このようなCTPシステムで利用するために、レーザー光を直接照射して高感度で微細な露光を可能とした、ラジカル連鎖重合反応を利用したレーザー対応の平版刷版の開発が進んでいる。
このラジカル連鎖重合反応を利用したレーザー対応の平版刷版に対する露光処理では、画像記録層に対してレーザー光によって露光して画像記録層の露光した領域でラジカル重合反応を生じさせることによりポリマー化して硬化させる。
この露光処理においては、空気中の酸素が、露光により発生した画像記録層中のラジカルを失活化させる作用により、ラジカル重合反応を妨げる要因になっている。このため、平版刷版は、画像記録層の露光された領域で空気中の酸素によりラジカル重合反応を妨げられることにより感度が低下するので、ある程度以上に高感度化することが困難である。
そこで、平版刷版では、アルミ支持体上に形成された画像記録層の上にPVA(ポリビニルアルコール)などのオーバーコート層を形成して空気中の酸素を遮断し、空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにして高感度化する手段がとられている。
従来、上述のようなラジカル光重合によって潜像を記録する画像記録層を設けた平版刷版を製版する際に、耐刷性を向上させることを目的として、露光・現像の処理後に後露光処理し又は加熱処理することにより現像後の平版刷版に形成された顕像部分をさらに重合させて硬化させる、平版刷版の製版方法や後露光装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5参照)。
しかし、このような後露光処理を行う平版刷版の製版方法や後露光装置では、現像又は現像前処理の段階で、オーバーコート層が除去されているので、平版刷版に対して後露光を行う際に、露光により発生した画像記録層中のラジカルを失活化させる作用をもつ空気中の酸素が画像記録層内に入り込み、酸素による重合阻害の影響を大きく受けることになる。
このため、製版された平版刷版が十分な耐刷性能を持つような後露光効果を得る為には、後露光装置に非常に照度が高い大型の光源を装着しなければならなくなり後露光装置が大型化するので、大型の後露光を行う装置部分を組み込んで一体化した平版刷版の現像装置を実現させることが困難であり、現像装置の他に別体の後露光装置を設置しなければならなくなっていた。
さらに、製版された平版刷版が十分な耐刷性能を得る為には、露光時の露光エネルギーを高くしておく必要があるので、例えば、後露光装置に装着する照度が高い光源として水銀ランプを用いた場合に、水銀ランプに電力を供給する高圧電源が必要な上、水銀ランプの点灯後輝度が安定するまでに時間がかかるため、電源投入後処理可能となるまでに5〜10分の待機時間が必要となり作業効率が低下すると共に、待機時間程度の間隔で断続的に平版刷版が後露光装置に搬入されて来る場合でも、常に水銀ランプを点灯しておかなければならないため、水銀ランプの寿命が尽きて交換する期間が短くなるという問題がある。
特開2001−48326号公報 特開2001−51426号公報 特開2001−159811号公報 特開平11−265069号公報 特開2002−162753号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、平版刷版を現像処理して後露光処理を行う際に、空気中の酸素を遮断し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにした状態にして所要の少ない光量で全面露光を行うことにより後露光処理をできるようにすると共に、後露光処理に必要な波長の光を出射して均一に照明でき、しかも平版刷版に対する後露光処理を行うときにのみ点灯し待機時間無しで後露光処理を開始できるため寿命が尽きて交換する期間を長くできる光源を利用可能とした、平版刷版の現像方法及び装置を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の平版刷版の現像方法は、支持体の表面上に光ラジカル重合反応を利用した画像形成の手段としての画像記録層を設けた平版刷版の現像方法において、画像記録層に画像に対応した露光用の光を照射して潜像を形成した平版刷版に対して、潜像が形成された画像記録層を現像液に浸し画像記録層の未露光の部分を支持体から除去して潜像を顕在化する現像処理工程と、現像処理工程を終えた平版刷版の表面に画像を形成するように残っている画像記録層の上を、親水層を保護する保護層を形成するために塗布したガム液の層で覆ってガム液の溶媒を含む成分が酸素を遮断する状態で、ラジカル光重合を起こさせる波長の光で全面露光を行うことにより平版刷版の耐刷性を向上させる保護層形成及び後露光処理の工程と、を有することを特徴とする。
上述の平版刷版の現像方法によれば、現像処理されて平版刷版の表面に画像を形成するように残っている画像記録層における親水層を保護する保護層を形成するためにガム液を塗布してから平版刷版の表面を層状になって覆っているガム液を乾燥させる工程で、画像記録層の表面を層状になって覆っているガム液の溶媒を含む成分が酸素を遮断する状態で、このガム液の層を通してラジカル光重合を起こさせる波長の光を照射することにより全面露光を行うので、酸素によるラジカル光重合の阻害を防止して少ない光量で十分なラジカル光重合反応を得られる。よって、後露光処理に必要な波長の光を出射して均一に照明できて平版刷版に対する後露光処理を行うときにのみ点灯し待機時間無しで後露光処理を開始できるため寿命が尽きて交換する期間を長くできる、少ない光量で発光する光源を利用することができ、さらに画像記録層に保護層を形成するための構成と、画像記録層の表面を酸素が遮断されるように覆うための構成とを共用することにより、構成を簡素化できる。
本発明の請求項2に記載の平版刷版の現像装置は、板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される画像記録層を形成した平版刷版に、露光用の光を照射して画像記録層に潜像を形成した平版刷版を搬入して、現像槽内に貯留されている現像液に浸漬し、ブラシローラによってブラッシングすることにより、画像記録層における露光されなかった部分を支持体から除去して画像を顕在化する現像部と、画像が顕在化された平版刷版を気体中で搬送する搬送路と、搬送路上を搬送されている平版刷版に対して、少なくとも表面に画像を形成するように残っている画像記録層の上に親水層を保護する保護層を形成するためのガム液を塗布し、ガム液の溶媒を含む成分が画像記録層にラジカル光重合を起こさせる波長の光を透過可能で酸素を遮断し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにした状態で、搬送路上を搬送されている平版刷版の画像記録層全面に対してラジカル光重合を起こさせる波長の光を照射する光照射手段と、を有することを特徴とする。
上述のように構成することにより、平版刷版が気体中で搬送する搬送路上を搬送されているときに、少なくとも画像が形成された画像記録層の上に、ガム液を塗布してガム液の層で覆うようにし、このガム液の溶媒を含む成分が画像記録層にラジカル光重合を起こさせる波長の光を透過可能で酸素を遮断し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにした状態で、光照射手段から後露光用の光を全面に照射し、酸素による重合阻害の影響を受けることなくラジカル重合反応を残らず進めるようにして、画像を形成している画像記録層全体をポリマー化して硬化し、平版刷版の耐刷性を向上することができる。さらに、酸素を遮断する状態で、ラジカル光重合を起こさせる波長の光を液体の層を通して照射することにより全面露光を行うため、酸素によるラジカル光重合の阻害を防止して、少ない光量で十分なラジカル光重合反応を得られるので、後露光処理に必要な波長の光を出射して均一に照明できて平版刷版に対する後露光処理を行うときにのみ点灯し待機時間無しで後露光処理を開始できるため寿命が尽きて交換する期間を長くできる、少ない光量を発光する光源を利用でき、さらに画像記録層に保護層を形成するための構成と、画像記録層の表面を酸素が遮断されるように覆うための構成とを共用するので、構成を簡素化して、廉価な平版刷版の現像装置を提供できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の平版刷版の現像装置において、光照射手段を、発光ダイオード(LED)で構成したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、請求項2に記載の発明の作用、効果に加えて、LEDが点灯後直ちに所定の光量で発光する特性があるので、通電してから所定の発光量に至るまで長い待機時間を要する他の光源と異なり、後露光処理に必要なときだけ点灯させることができる。よって、平版刷版に対して後露光処理を行うときだけLEDを点灯するように制御することにより、後露光処理をしていないときにLEDを点灯するようなエネルギーの無駄を省き、後露光装置でLEDを使用できる期間(後露光装置で使用されているときのLEDの使用寿命)を長くすることができ、しかもLEDは廉価であるので、これを用いた平版刷版の現像装置を廉価に製造することができる。
本発明の平版刷版の現像方法及び装置によれば、平版刷版に対して露光処理、現像処理をした後、親水層を保護する為いわゆるガム液を塗布した後に乾燥させて画像記録層表面に親水層の保護層を形成する工程において、塗布したガム液による酸素を遮断する機能を利用し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まない状態にすることにより所要の少ない光量で全面露光する後露光処理を実行してより十分な耐刷性能を有する平版刷版を製版できるようにし、発光する光量が少ないが平版刷版の後露光処理に必要な波長の光を出射して均一に照明でき、しかも平版刷版に対する後露光処理を行うときにのみ点灯し待機時間無しで後露光処理を開始できるため寿命が尽きて交換する期間を長くできる小型で廉価な光源を用いることによって、小型で廉価な平版刷版の現像装置を製作可能とするという効果がある。
本発明の平版刷版の現像方法及び装置に関する実施の形態について、図1乃至図10により説明する。本実施の形態に係わる平版刷版の現像装置は、図7に示す前処理部200と、図8に示す現像処理部100とで構成する。
この平版刷版の現像装置は、一般に用いられている光ラジカル重合反応を利用した画像形成の手段としてのフォトンモード記録方式又はヒートモード記録方式の平版刷版10で露光処理を終えたものを対象にして現像処理を行う。
この一般に用いられている露光用の光(光ラジカル重合反応を開始又は促進する波長の光)を照射されたときに生じる光ラジカル重合反応を利用して潜像を形成する画像記録層を持つ平版刷版10(ラジカル重合系の平版印刷版)は、アルミニウム支持体の表面に陽極酸化皮膜を形成し、さらに陽極酸化皮膜の上に画像記録層(感光層)を設けた多層構造に構成する。
この平版刷版10に設ける画像形成手段としての画像記録層は、光重合性材料にレーザー等の記録光によって露光することにより、ラジカル開始剤から発生したラジカルがモノマーと反応し、このモノマーがラジカル化して更にモノマーと反応を繰り返すラジカル重合反応が連鎖的に継続して起きることによって、大きな分子構造を有するポリマーとなり、このポリマーとなった部分が潜像を構成する。
また、画像記録層におけるレーザー記録光が当たらなかった部分は、この平版刷版の現像装置により脱膜されて取り除かれ、ポリマーとなった部分により画像が形成される。
この前処理部200は、いわゆるフォトポリマー版である平版刷版10に対し、現像処理に先立って前加熱処理及び前水洗処理を施すように構成する。この前処理装置200によって前処理された平版刷版10は、現像処理部100によって現像処理する。また、本実施の形態に適用した前処理部200は、現像処理部100と別に単独で使用されるものであってもよく、この現像処理部100に連結して使用してもよい。
この自動現像装置で現像される平版刷版10は、例えば、一般に用いられるいわゆるフォトポリマー版(感光性平版印刷版)であり、アルミニウム等を用いた薄板の支持体の一方の面に、接着層を介して画像記録層(感光層)を形成し、その上にオーバーコート層を設けたものである。なお、この平版刷版10に対しては、一般に用いられる種々の露光手段で画像を露光して潜像を形成する。
この前処理装置200には、機枠202内に、前加熱部204を平版刷版10の搬送方向上流側に設け、前水洗工程としての前水洗部206を下流側に設ける。
前加熱部204には、加熱室208内に複数本の串型ローラ210を配置する。また、加熱室208内には、入口212側にヒータ214が設けられ、ヒータ214に通風するための循環ファン216が設けられている。
前加熱部204では、平版刷版10が加熱室208内を通過するときに、所定の温度及び所定の加熱時間となるようにして、平版刷版10の光重合層を的確に硬化させて、平版刷版10の耐刷力の増加を図っている。
一方、加熱室208内を通過した平版刷版10は、出口218から前水洗部206へ送られる。前水洗部206には、水洗タンク220が設けられており、この水洗タンク220内に洗浄水を貯留する洗浄槽222が形成されている。
前水洗部206には、前加熱部204側に、搬送ローラ224、226、228が千鳥状に配置されている。搬送ローラ224、228は、平版刷版10の上面に対向するように設けられ、搬送ローラ226は、搬送ローラ224、228の間で、平版刷版10の下面に対向するように配置されている。
これらにより、前水洗部206へ送り込まれた平版刷版10は、搬送ローラ224、228と搬送ローラ226との間に挟まれる状態で搬送される。
前水洗部206には、搬送ローラ228の下流側に、ブラシローラ230とバックアップローラ232が、上下に対で設けられている。ブラシローラ230とバックアップローラ232の接触位置は、搬送ローラ228の下端よりも低くなっている。これにより、平版刷版10は、搬送ローラ226、228の間から傾斜されてブラシローラ230とバックアップローラ232の間へ送り込まれる。
また、前水洗部206には、搬送ローラ228とブラシローラ230の間にスプレーパイプ234が設けられ、ブラシローラ230の上方にスプレーパイプ236が設けられている。
スプレーパイプ236は、ブラシローラ230の軸線方向に沿った全域に渡って洗浄水を噴射してブラシ素材に洗浄水を供給する。従って、平版刷版10は、洗浄水が供給されたブラシローラ230によってブラッシングされる。
また、平版刷版10には、スプレーパイプ234から表面に洗浄水が供給される。さらに、平版刷版10は、その表面に洗浄水が溜められた状態で、ブラシローラ230とバックアップローラ232との間へ送り込まれる。
この平版刷版10では、表面に洗浄水が溜まった状態となると、平版刷版10に設けているオーバーコート層が洗浄水によって膨潤して剥がれ易い状態となるので、ブラシローラ230によってブラッシングすることによりオーバーコート層を確実に除去することができ、部分的にオーバーコート層が残って現像処理を行ったときに、現像ムラを生じさせてしまうことを防止することができる。
この平版刷版10は、所定方向に回転された状態のブラシローラ230とバックアップローラ232との間を通過する際に、ブラシローラ230によって平版刷版10の表面がブラッシングされる。なお、ブラシローラ230は、バックアップローラ232との間で平版刷版10を挟んだときに、所定のブラシ圧が得られるように装着されている。
一方、前水洗部206には、ブラシローラ230の下流側に、串型ローラ238が設けられている。この串型ローラ238は、平版刷版10の搬送路の上方側に配置されており、ブラシローラ230とバックアップローラ232の間を通過した平版刷版10が、ブラシローラ230によってブラッシングされることにより浮き上がって、搬送路から外れてしまうのを防止するようになっている。
また、前処理部200を現像処理部100と連結する場合には、前水洗部206の最下流に、現像処理部100の搬送ローラ対142を設けるものとする。
図8に示す自動現像装置は、露光装置(図示せず)によって画像が露光された平版刷版10を現像処理するのに用いる。
この現像処理部100は、平版刷版10を現像液によって処理するための現像部114と、現像液によって処理された平版刷版10へ水洗水を供給して水洗する水洗部117と、平版刷版10の現像された表面に親水層保護の為にガム液を塗布してから乾燥する間に後露光処理をする後露光処理部を兼ねた保護層形成工程(不感脂化処理工程)とを有する。
すなわち、現像処理部100では、平版刷版10の搬送方向(図の矢印A方向)に沿って、現像工程、水洗工程、保護層形成及び後露光処理工程を順に配置する。
現像処理部100内には、処理タンク122が設けられている。この処理タンク122には、処理槽として現像部114となる位置に現像槽124が形成され、水洗部117と保護層形成及び後露光処理部(不感脂化処理部及び後露光処理)118となる位置に受け皿部材128及び不感脂化処理槽28が形成されている。また、処理タンク122には、現像槽124の上流側(平版刷版10の搬送方向の上流側)に挿入部134のスペースが設けられ、不感脂化処理槽28の下流側に乾燥部120のスペースが形成されている。
処理タンク122の周囲を覆う外板パネル130には、現像処理部100への平版刷版10の挿入側(図2に向かって紙面左側)にスリット状の挿入口132が形成され、処理タンク122には、現像部114の挿入口132側に挿入部134が形成されている。
現像処理部100には、処理タンク122の上部及び乾燥部120の上部を覆うカバー136、138が設けられている。挿入口132側のカバー136は、処理タンク122の挿入部134から水洗部117の上部を覆い、カバー138は、水洗部117の上部から乾燥部120の上部の間を覆うように配置される。
また、カバー136には、現像部114と水洗部117との間に平版刷版10を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)140が設けられている。この副挿入口140は、現像部114での処理を除く自動現像装置(PS版プロセッサー)100での処理を行うための平版刷版10の挿入用となっている。
現像処理部100の挿入部134には、ゴム製の搬送ローラ対142が配設されている。画像が焼付けられた平版刷版10は、挿入口132から矢印A方向に沿って挿入されることにより、搬送ローラ対142の間に送り込まれる。
搬送ローラ対142は、回転駆動されることにより、この平版刷版10を挿入口132から引き入れながら、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部114へ送り込む。なお、片面タイプの平版刷版10の処理に用いる現像処理部100では、画像記録層(感光面)が上方へ向けられた状態で挿入口132から挿入される。すなわち、平版刷版10は、感光面を上方へ向けられた状態で現像処理部100によって処理される。
処理タンク122に形成されている現像槽124は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、平版刷版10の現像処理を行うためのアルカリ現像液を貯留する。
この現像槽124では、遮蔽蓋101を配置することにより、現像槽124内の現像液が空気中の炭酸ガス等と接触してしまうことによる劣化や水分の蒸発を防止するようにしている。なお、遮蔽蓋101及び処理タンク122と搬送ローラ148や搬送ローラ対152等の間にシリコンゴム等によって形成したブレード状の遮蔽部材(図示省略)を設けて、現像槽124内の現像液が新鮮な外気と接触すること及び現像液中の水分が蒸発することを防止する。
この現像槽124内には、平版刷版10の搬送路の上流部となる挿入部134側に搬送ローラ148が配置されている。また、現像槽124内には、PS版の搬送路の中央部に搬送ローラ対150が配置され、下流部となる水洗部117側に搬送ローラ対152が配置されている。
現像処理部100の現像槽124には、搬送ローラ148と搬送ローラ対150の間にガイド116が設けられる。このガイド116は、一端部が搬送ローラ148に対向し、他端部が搬送ローラ対150の間へ向けられている。
これにより、搬送ローラ対142によって現像処理部100内に引き入れられた平版刷版10は、搬送ローラ148とガイド116の間に送り込まれ、ガイド116上を搬送ローラ対150の間へ案内搬送される。
また、現像槽124内には、搬送ローラ対150の近傍に、ガイド116に対向してブラシローラ141が配置される。ブラシローラ141は、所定回転方向及び所定の回転速度で回転駆動して、ガイド116上を搬送される平版刷版10の表面に接触することにより、平版刷版10の上面をブラッシングする。なお、ガイド116は、ブラシローラ141が所定のブラシ圧で平版刷版10の上面に接触するように装着されている。
また、ブラシローラ141は、アルカリ現像液の液面から突出するようになっており、遮蔽蓋101の凹部101Bには、搬送ローラ対150と共に、ブラシローラ141の液面から突出した上部が入り込むようになっている。
一方、現像槽124内には、搬送ローラ対150、152の間に、ブラシローラ143と搬送ローラ160が配置されている。ブラシローラ143及び搬送ローラ160は、搬送ローラ対150、152の間を搬送される平版刷版10の上面側に対向するように取り付けられている。ブラシローラ143は、所定方向及び所定の回転方向に回転しながら平版刷版10の上面に接触することにより、平版刷版10の上面側の画像記録層をブラッシングして、現像液によって不要な画像記録層の除去を促進するようになっている。
搬送ローラ対142によって挿入口132から引き入れられた平版刷版10は、搬送ローラ148の下方を通過してブラシローラ141によってブラッシングされた後に搬送ローラ対150の間へ送り込まれ、さらに、搬送ローラ150によって現像槽124内のガイド部材147に沿うように搬送ローラ対152へ向けて斜め上方へ案内する。このとき、平版刷版10の上面側がブラシローラ143によってブラッシングされる。
また、搬送ローラ対152は、例えば外周部がゴム製のローラによって形成されており、平版刷版10を挟持して現像槽124から引き出しながら、水洗部117へ送り込む動作を行う。
現像槽124内には、搬送ローラ対150と搬送ローラ対152の間のガイド部材147近傍にスプレーパイプ156が設けられている。このスプレーパイプ156には、図示しないポンプによって吸引した現像槽124内の現像液が供給され、このスプレーパイプ156から供給された現像液を噴出する。これにより、現像槽124内の現像液が攪拌されて、平版刷版10の均一な処理が可能となる。
搬送ローラ対152によって現像槽124から搬出された平版刷版10は、この搬送ローラ対152によって表面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部117へ送り込まれる。
この平版刷版10の水洗部117は、一対のニップローラである搬送ローラ172、174によって平版刷版10を大気中で略水平の搬送路上を搬送しながら画像が顕在化された平版刷版10に対して、水洗水を平版刷版10の表裏の各全面に噴出して現像液を洗い落とす。
この水洗部117では、搬送路の上方に、洗浄液(ここでは現像液を洗浄する液体と酸素遮断用の液体とを兼ねた水)を各ノズルから噴射する液体シャワーバー170を設置する。なお、この液体シャワーバー170から噴射されて平版刷版10上へ供給された液体は、平版刷版10の表面全体に広がって搬送方向下流側の搬送ローラ172、174で絞り落とされることになる。
このように平版刷版10上から絞り落とされ又は平版刷版10の両側からこぼれ落ちた液体を受けるため、搬送路の下側には、露光位置を挟む2組の搬送ローラ172、174を配置した所定範囲を含む一回り大きな範囲をカバーするように、受け皿部材128を設置する。
また、この水洗部117では、搬送路の下方に液体シャワーバー170を設置し、この液体シャワーバー171の多数のノズル孔から洗浄液を噴射して平版刷版10の裏面から現像液を洗い流す。この水洗部117では、現像液を洗い流すのに用いた洗浄液が受け皿部材128内へ流れ込むように構成する。なお、この受け皿部材128と、液体シャワーバー170、171との間には、図示しないが、フィルタ、ポンプ及びヒータを備えた液体循環管路を設置する。
上述のようにして水洗部117において、画像が顕在化された画像記録層からアルカリ等の現像液が洗浄された平版刷版10は、搬送路上を搬送されて保護層形成及び後露光処理部118へ送り出される。
この保護層形成及び後露光処理部118は、前述のように、平版刷版10の画像記録層に対して露光処理をしてラジカル光重合によってポリマー化させて潜像を形成し、平版刷版に対してアルカリ現像液に浸漬した状態でブラシローラによって潜像が形成された画像記録層における未露光の部分を除去し露光された画像記録層部分だけを残すことにより画像を顕在化し、水洗部117でアルカリ等の現像液を洗浄された平版刷版10に対して、保護層を形成する処理の際中に後露光処理を行う。
この保護層形成及び後露光処理部118では、保護層を形成する処理として、画像が顕在化された画像記録層の全面にガム液を塗布してからガム液を乾燥させて保護層を形成する。
これと共に、保護層形成及び後露光処理部118では、保護層形成の処理におけるガム液を塗布してからガム液を乾燥させるまでの間の、ガム液の溶媒を含む成分が酸素を遮断する機能を利用し、空気中の酸素が画像記録層内に入り込まない状態にすることにより所要の少ない光量で全面露光する、後露光処理を実行する。
この保護層形成及び後露光処理部118で後露光処理を行うのは、耐刷性を向上させるためである。すなわち、平版刷版10は、露光処理後に現像処理されることにより画像記録層におけるポリマー化した部分だけがアルミニウム支持体上に残って画像が形成されることになる。このとき、現像処理後の平版刷版10では、アルミニウム支持体上に画像を形成するように残っている画像記録層の部分が十分にポリマー化されているとは限らず、画像記録層の部分におけるアルミニウム支持体側の一部にポリマー化が不十分な所が残っている場合がある。
そこで、保護層形成及び後露光処理部118では、後露光処理によって、平版刷版10の全面を、画像記録層の感光領域の波長を有する光で均等に露光することにより、アルミニウム支持体上に画像を形成するように残っている画像記録層の部分を全体に渡って十分にポリマー化することで硬化させることにより、耐刷性を向上させることができる。
図1及び図2に示すように、平版刷版10の耐刷性向上用の保護層形成及び後露光処理部118は、大気中を搬送する略水平の搬送路上を搬送されている画像が顕在化され水洗された平版刷版10に対して、ガム液を平版刷版10の表裏の各全面に噴出して所定厚さのガム液の膜を作り、平版刷版10の表面をガム液の膜が覆った酸素遮断状態で平版刷版10の耐刷性を向上する後露光処理を行うようにし、平版刷版10に保護層を形成する構成と、平版刷版10の表面をガム液で覆って酸素遮断状態とする構成とを兼用し、部品点数を削減して構成を簡素化する。
このため、図1及び図2に示す保護層形成及び後露光処理部118におけるガム液塗布部分では、平版刷版10を大気中で搬送する搬送路上で後露光処理を行うため、後露光位置前後の各所定位置に一対のニップローラである搬送ローラ12、14を配置する。
各搬送ローラ12、14は、これら搬送ローラ12、14の間に平版刷版10を挟み込んだ状態で、一方の搬送ローラ12又は14を図示しない駆動源であるモータ等で回転駆動することにより、平版刷版10を搬送するよう構成する。なお、これら搬送ローラ12、14は、共にフリーローラとして構成し、又は平版刷版10の表面に転接するローラだけにしてこれをフリーローラで構成し、これらの他に、平版刷版10を搬送するための駆動源で回転駆動されるニップローラを装着して構成しても良い。
2組の搬送ローラ12、14の間に設定された後露光位置には、光照射手段20を構成するため搬送される平版刷版10の画像記録層側の表面から所定距離(ここでは、略1mmから略3mmに設定する)をおいた位置に、透明な部材として構成された露光補助部材16を配置する。ここで、実際に実験した結果、後述するように平版刷版10上にガム液供給手段である液体シャワーバー26によってガム液を供給したところ、粘性の高いガム液の表面張力の作用によって、平版刷版10の端部に至るまで、平版刷版10の表面に平均的に広がった厚さ略1mmから略3mmのガム液の層ができることを確認した。
よって、この保護層形成及び後露光処理部118では、平版刷版10と光照射手段20を構成するための露光補助部材16の底面との間にガム液の層だけができて空気が入り込まない状態に設定するため、ガム液供給手段である液体シャワーバー26からガム液を供給して、平版刷版10上にガム液の層ができるようにしたとき、このガム液の層の厚さに等しい距離か又はこれより短い距離となるように平版刷版10と露光補助部材16の底面との間の距離を設定する。
この露光補助部材16は、レーザービームの入射面と出射面(底面)とを平面に仕上げた透明なガラス又はプラスチック等の材料を矩形板状(直方体状)に形成したものである。なお、この露光補助部材16は、レンズとしての機能を持つように構成しても良い。
この保護層形成及び後露光処理部118の光照射手段20では、上述のように構成した露光補助部材16を用いることにより、平版刷版10上にのる比較的粘性が高いガム液の層の表面に凹凸ができていても、このガム液の層の表面に露光補助部材16が被さってガム液の層の表面を平面化できる。また、露光補助部材16は、その表面が平面であるので、この表面に入射した光を部分的な光量の偏りが起こらないように平均的に平版刷版10の画像記録層に照射させて良好に後露光処理することができる。
また、図1に示すように、露光補助部材16の直下に当たる搬送される平版刷版10の下側(裏側)には、平版刷版10の裏面に転接して支持することにより平版刷版10にノズルから噴射されたガム液が当たって振動を生じることを防止するガイドローラ40(平版刷版10の下面に摺接してガイドするガイド部材で代用しても良い)を装着する。このガイドローラ40を配置した場合には、液体シャワーバー26のノズルから噴射されたガム液を受けているときに平版刷版10に振動を生じることを抑制した状態で後露光処理することができる。
この保護層形成及び後露光処理部118では、露光補助部材16を介して後露光処理するために、後露光用の光照射手段20を設ける。この光照射手段20は、例えば、平版刷版10の画像記録層にラジカル光重合反応を起こさせるのに適した感光用の波長の光(赤外線、可視光線又は紫外線等の所定の波長を有する光)を発光する複数の発光ダイオード(LED、ここでは、紫外線を発光する紫外線LED)20Aを、例えば千鳥格子状等の高い密度で配置されるように集めて構成した光源であるLEDアレイ光源で構成する。
この保護層形成及び後露光処理部118では、光照射手段20を構成するための各LED20Aを、図1及び図2に示すように、露光補助部材16の上面部分に埋め込むようにして設置する。なお、複数のLED20Aを設けたLEDアレイ光源を、露光補助部材16と別体に構成しても良い。また、LED20Aを用いる事で、他の光源に比べて使用寿命を飛躍的に延ばす事が出来る。
なお、光照射手段20は、感光用の波長の光を発光する面光源であるエレクトロルミネセンス(EL:Electro Luminescence)素子で構成しても良い。
この保護層形成及び後露光処理部118では、搬送路の上方に、ガム液供給手段としての液体シャワーバー26を設置する。この液体シャワーバー26は、露光補助部材16とこれより搬送方向上流側に配置された搬送ローラ12、14との間の所定位置に搬送方向に直交する方向に向けて、平版刷版10の幅方向全体に渡る範囲に対応してガム液を噴射するように配置する。
この液体シャワーバー26は、例えば、円筒形に形成し、その平版刷版10に向けた周側面に等間隔で多数のノズル孔を列状に配置し、この液体シャワーバー26の内部に供給されたガム液を各ノズルから噴射して平版刷版10の表面に略均等な薄膜状のガム液の層を作るように構成する。
すなわち、この液体シャワーバー26から噴射されて平版刷版10上へ供給されたガム液は、平版刷版10の表面全体に広がって余分なものが端部から流れ落ちることにより、そのガム液の粘性と表面張力によって略均等な薄膜状のガム液の層を作る。
このように平版刷版10上に供給されたガム液によりできた略均等な薄膜状のガム液の層は、平版刷版10と共に搬送されて、露光補助部材16の位置に至り、露光補助部材16と平版刷版10との間を満たすように入り込んで、露光補助部材16と平版刷版10との間の隙間に空気の泡を残すことなく十分に埋め尽くし、ガム液の溶媒を含む成分の作用により後露光処理用の酸素遮断状態を作り出す。
なお、ここで用いるガム液は、平版刷版10を後露光するための光ビームが透過可能なものを用いる。例えば、ここで用いるガム液は、富士フイルム株式会社製の、商品名「PS−PLATE FINISHING GUM」品番「FP−2W」を使用することができる。
この平版刷版10上に作られた略均等な薄膜状のガム液の層は、平版刷版10と共に搬送されて露光補助部材16の位置を離れ、搬送方向下流側の搬送ローラ12、14によって、所定量の薄膜を残すように絞り落とされる。
このように平版刷版10上から絞り落とされ又は平版刷版10の両側からこぼれ落ちたガム液を受けるため、搬送路の下側には、露光位置を挟む2組の搬送ローラ12、14を配置した所定範囲を含む一回り大きな範囲をカバーするように、不感脂化処理槽28を設置する。
また、この不感脂化処理槽28と、液体シャワーバー26との間には、液体循環管路30を設置する。この一連の液体循環管路30を構成する管部材32の途中には、フィルタ34及びポンプ36と、必要に応じてヒータ38を配置する。
この液体循環管路30は、不感脂化処理槽28の底面に開口した取液口から導入したガム液を、管部材32を通してフィルタ34へ送ってろ過してからポンプ36へ送る。
このポンプ36は、フィルタ34側から吸引したガム液を加圧して必要応じてヒータ38へ送って所定温度に加熱してから液体シャワーバー26へ供給し、そのノズルから所定の流量で噴射させるという、一連の液体循環系を構成する。なお、この液体循環管路30で液体シャワーバー26へ供給する新しいガム液は、平版刷版10の処理量に応じて図示しない供給手段によって不感脂化処理槽28に供給される。
図2に示すように、この保護層形成及び後露光処理部118では、光照射手段20であるLEDアレイ光源のLED20Aを、後露光処理に必要なときだけ点灯させるための点灯制御手段を設ける。
なお、この保護層形成及び後露光処理部118で光照射手段20としてLED20Aを用いる場合には、LED20Aが点灯後直ちに所定の光量で発光するので、通電してから所定の発光量に至るまで長い待機時間を要する他の光源と異なり、後露光処理に必要なときだけ点灯させる制御が可能である。
ここで、通電してから所定の発光量に至るまで長い待機時間を要する他の光源を用いる場合には、平版刷版10が露光補助部材16へ搬入される時より、通電してから所定の発光量に至るまで長い待機時間だけ前の時点でその他の光源を点灯させる操作を行わなければならないため、こまめに点灯と消灯とを繰り返す制御が困難であり、後露光処理に拘わらない無駄な点灯時間が増加してしまう。
この光照射手段20としてのLED20A用の点灯制御手段では、露光補助部材16の搬送方向上流側に直近する搬送ローラ12、14より搬送方向上流側に当たる搬送路上の所定位置に、搬送されている平版刷版10の搬送方向先端と搬送方向後端とをそれぞれ検出可能に構成した版端検出センサ21を配置する。
この版端検出センサ21は、例えば、反射型の光検出センサで構成し、搬送路上の検出位置に照射したセンサ光の反射光を受光して、その受光量の値を光源点灯制御回路23へ送信する。
この光源点灯制御回路23は、平版刷版10の版端が搬送路上の検出位置を通過する際に版端検出センサ21で受光した検出用反射光の光量が変化した時点で平版刷版10の版端を検出したと判断する。なお、この光源点灯制御回路23は、検出用反射光の光量が平版刷版10の表面に反射したときの所定の光量となった時点で平版刷版10の版端を検出したと判断するようにしても良い。
また、この光源点灯制御回路23では、例えば、搬送路上を平版刷版10が搬送開始してから初めて版端を検出したときに平版刷版10の搬送方向先端と判断し、2度目に版端を検出したときに平版刷版10の搬送方向後端と判断する。
この光源点灯制御回路23は、平版刷版10の搬送方向先端を検知したときに、ON操作用の制御信号をLED光源用電源25へ送信して、LED20Aを点灯する。なお、このLED20Aを点灯させる制御では、平版刷版10の搬送方向先端を検知したときに直ちにLED20Aを点灯させる。または、この光源点灯制御回路23は、平版刷版10の搬送方向先端が露光補助部材16の直前に至るまでの点灯用所定待機時間をタイマで計るように構成し、平版刷版10の搬送方向先端を検知してから、点灯用所定待機時間を経過した時点でLED20Aを点灯させるように制御しても良い。
また、この光源点灯制御回路23は、平版刷版10の搬送方向後端を検知したときに、平版刷版10の搬送方向後端が露光補助部材16を通過し終えるまでの消灯用所定待機時間をタイマで計り、この消灯用所定待機時間が経過した時点でLED20Aを消灯させるように制御する。
このように点灯制御手段によって、平版刷版10に対して後露光処理を行うときだけLED20Aを点灯するように制御することにより、後露光処理をしていないときにLED20Aを点灯するようなエネルギーの無駄を省き、保護層形成及び後露光処理部118でLED20Aを使用できる期間(保護層形成及び後露光処理部118で使用されているときのLED20Aの使用寿命)を長くすることができる。
すなわち、この保護層形成及び後露光処理部118では、LED20Aを点灯し続けて使用するときよりも、こまめに点灯と消灯を行った場合のほうがLED20Aを点灯させている時間を短くできるので、保護層形成及び後露光処理部118でLED20Aを使用できる期間を長くできる。
また、光照射手段20としてLED20Aを用いる場合には、LED20Aが単一波長の光を発光するので光ラジカル重合反応に寄与する光のみを発光するLED20Aを用いて露光することにより、例えばLED20Aが余分な赤外線を発生させることなく所定波長の紫外線だけで均一に照明して露光できる。
次に、上述のように構成した図1及び図2に示す平版刷版用の保護層形成及び後露光処理部118における、平版刷版の後露光動作について説明する。
この保護層形成及び後露光処理部118では、現像処理及び水洗処理後の平版刷版10が搬送路上を搬送されて保護層形成及び後露光処理部118へ搬入される。この搬入された平版刷版10は、搬送路上流側に配置された一対の搬送ローラ12、14の間に挟持されて搬送されることにより、液体シャワーバー26の下でノズルから噴射されたガム液が平版刷版10の表面上に供給されて平版刷版10の表面にガム液の膜を形成する。
この平版刷版10は、さらに搬送されて、露光補助部材16の下の後露光位置に至る。このとき、点灯制御手段によって、光照射手段20であるLED20Aが点灯される。さらに、平版刷版10上にあるガム液の層は、露光補助部材16に押し延べられて平版刷版10と露光補助部材16との間の隙間空間内にガム液が充満し、かつ空気の泡等が存在しない状態とされる。
この保護層形成及び後露光処理部118では、平版刷版10を搬送しながら、点灯された千鳥格子状に配置された複数のLED20Aで構成したLEDアレイ光源から平版刷版10の幅方向全幅に渡りかつ搬送方向に所定の長さを持つ所定範囲をいわゆる面露光状態で露光することにより、平版刷版10の画像記録層全面を平均的に後露光処理する。
この保護層形成及び後露光処理部118では、露光補助部材16のある後露光位置から搬送方向下流側の搬送ローラ12、14の位置まで平版刷版10が搬送される間、平版刷版10の画像記録層がガム液に被われて空気中の酸素から遮断された状態を維持するので、画像記録層において、酸素による重合阻害の影響を受けることなく少ない露光量でラジカル重合反応を残らず進めて十分な反応を実現し、画像を形成している画像記録層全体をポリマー化して硬化し、平版刷版10の十分な耐刷性を確保できる。
また、このように平版刷版10に対して後露光処理する場合には、平版刷版10の原版に変調されたレーザー光を投影して平版刷版10の原版の画像記録層に直接画像を記録して潜像を形成するレーザー露光処理を行う際に、この潜像形成の為の露光量を少なく抑える事ができるので、記録光としてのレーザー光の出力を低パワーにして画像形成をすることが可能となる。
この保護層形成及び後露光処理部118では、後露光処理のため点灯したLED20Aを、光源点灯制御回路23の制御により、版端検出センサ21が平版刷版10の搬送方向後端を検知したときからタイマで計測して消灯用所定待機時間を経過した時点で消灯させる。
前述のように露光補助部材16がある後露光位置で後露光処理された平版刷版10は、搬送ローラ12、14で表面に所定量のガム液の膜が残るように絞られ、その搬送方向下流側にある乾燥部120へ搬出される。
この保護層形成及び後露光処理部118では、ガム液を、液体循環系のフィルタ34とポンプ36とを用いて液に紛れ込むゴミを除去しながら循環して使用する。よって、この保護層形成及び後露光処理部118では、液体循環系のフィルタ34を通すことによりゴミを除去したガム液を平版刷版10の画像記録層に供給するので、ガム液中に浮遊するゴミにより後露光されない部分が発生することを防止できる。
この保護層形成及び後露光処理部118では、大気中を搬送する搬送路上を、画像記録層を上に向けて搬送されている平版刷版10に対して後露光用の光を上方から照射して後露光処理できるので、LEDアレイ光源を、平版刷版10上のガム液及びガム液を流下させる液体シャワーバー26よりも高い位置に配置し、ガム液が跳ねが有ったり又は万一ガム液漏れが有った場合でも、LEDアレイ光源がガム液で濡れることを防止できる。
また、この図1及び図2に示す保護層形成及び後露光処理部118では、図示しないスプレーパイプの吐出孔から平版刷版10の裏面へ向けてガム液を吐出して、平版刷版10の裏面にガム液を塗布するよう構成しても良い。また図示しないが、スプレーパイプに換えて、吐出したガム液に平版刷版10が接触しながら移動することにより平版刷版10の裏面にガム液を塗布する吐出ユニット等を用いても良い。
この保護層形成及び後露光処理部118では、図示しないが、搬送ローラ12に転接する洗浄ローラへ所定のタイミングで洗浄スプレーから洗浄水を滴下することにより、洗浄水を搬送ローラ12の周面に均一に拡散させて、搬送ローラ12、14の周面からガム液を洗い流し、搬送ローラ12、14の周面にガム液が固着して平版刷版10を損傷させてしまうことを防止する。
次に、この平版刷版の現像装置に用いる、平版刷版用の露光用器具を備えた保護層形成及び後露光処理部118に係わる他の構成例について図3乃至図6図9及び図10により説明する。この図3乃至図5に示す平版刷版用の保護層形成及び後露光処理部118では、露光補助部材16に対してガム液を平版刷版10上に供給する手段を一体的に構成する。
この図3に示す保護層形成及び後露光処理部118では、平版刷版10を大気中で搬送する搬送路上の後露光位置の前後にそれぞれ一対のニップローラである搬送ローラ12、14を配置すると共に、搬送路の露光位置上に所定距離だけ離間して、後露光に用いる器具である液体供給手段を備えた露光補助部材16を配置する。
この後露光用器具としての液体供給手段を備えた露光補助部材16は、透明のガラス又はプラスチック等の材料で構成するもので、例えば図4及び図5に示すように、矩形状の部材本体16Aと、長手方向の端面側部材16Bと、短手方向の一方の端面部材16Cと、管部材32に接続させるための接続端部材16Dとを有する。
この部材本体16Aには、その搬送方向上流側に当たる長手方向の端面部に、コの字状の導液溝17Aを形成する。さらに部材本体16Aには、導液溝17Aの平版刷版10側に隣接させる側に当たる端部17Bを、導液溝17Aの平版刷版10から離間した側に当たる端部17Cよりも突出量が液体供給用開口の幅だけ短くなるように形成する。
この部材本体16Aにおける導液溝17Aの平版刷版10から離間した側に当たる端部17Cには、部材本体16Aの長手方向と同じ長さで部材本体16Aの厚さと同じ幅の直方体に形成した端面側部材16Bを、気密を保つように固着する。
この部材本体16Aに端面側部材16Bを固着したものの長手方向の一方の端部には、端面部材16Cを、気密を保つように固着する。さらに、部材本体16Aに端面側部材16Bを固着したものの長手方向の他方の端部には、接続端部材16Dを、気密を保つように固着する。
この接続端部材16Dには、管部材32の管口部分が固着されている。この接続端部材16Dは、部材本体16Aに固着された状態で、接続端部材16Dに一端部を固着された管部材32の管口を、導液溝17Aと連通させるように構成する。
このように構成された露光用器具としての液体供給手段を備えた露光補助部材16では、管部材32の管口に連通する導液溝17Aが、部材本体16Aの端部17Bと端面側部材16Bとの間に形成された液体供給用開口と相俟って断面鉤形に連通した液体供給路を形成する。
この後露光に用いる器具である露光補助部材16は、管部材32から送給されたガム液を液体供給路の導液溝17Aから液体供給用開口を通じて、平版刷版10上へ所要量づつ流下させる機能を持つ。
図3に示すように、この後露光に用いる器具である露光補助部材16を備えた平版刷版用の保護層形成及び後露光処理部118では、露光補助部材16の直下に当たる搬送路の下側にガイドローラ40を配置して、平版刷版10の下側面をガイドするように構成する。なお、この保護層形成及び後露光処理部118ではガイドローラ40を省略しても良い。
この図3に示す後露光に用いる器具を備えた保護層形成及び後露光処理部118では、後露光処理を行う際に、搬送ローラ12、14とガイドローラ40とによって搬送されている平版刷版10の画像記録層上に対し、露光補助部材16の搬送方向上流側にある液体供給用開口から、平版刷版10の幅方向全長に渡って略均等に所要量のガム液を流下させる。
すると、露光補助部材16の液体供給用開口から流下したガム液は、平版刷版10の搬送動作と相俟って、平版刷版10の画像記録層と露光補助部材16の下面全体との間に充填され、空気の泡が混入しないように満たされる。この後露光に用いる器具としての液体供給手段を備えた露光補助部材16では、露光補助部材16における搬送方向上流側にある液体供給用開口からガム液を流下するので、ガム液が直ちに平版刷版10と露光補助部材16の下面全体との間に広がって迅速に充満するため、比較的少ない量のガム液で効率良く平版刷版10と露光補助部材16との間にガム液を充満させることができ、しかも平版刷版10と露光補助部材16との間に充満されてできたガム液の層の厚さを比較的容易に厚くすることができる。
このとき、平版刷版10上に供給されたガム液は、後露光位置より搬送方向上流側の搬送ローラ12、14と、後露光位置より搬送方向下流側の搬送ローラ12、14との間に広がるように流れてガム液の層を形成する。
この平版刷版用の保護層形成及び後露光処理部118では、露光補助部材16と平版刷版10との間にガム液を満たした状態で、搬送ローラ12、14によって平版刷版10を搬送しながら、光照射手段20から出射された後露光用の光を、後露光位置の所定範囲でいわゆる面露光して後露光処理をする。
このとき、現像処理済みの平版刷版10の画像記録層は、ガム液に被われて空気中の酸素から遮断された状態が維持されるので、現像処理済みの画像記録層において、酸素による重合阻害の影響を受けることなくラジカル重合反応を残らず進めるようにして、画像を形成している画像記録層全体をポリマー化して硬化し、平版刷版10の耐刷性を向上することができる。
なお、上述した図3乃至図5に示す平版刷版用の保護層形成及び後露光処理部118における以上説明した以外の構成、作用及び効果は前述した図1及び図2に示す保護層形成及び後露光処理部と同様であるので、その説明を省略する。
次に、保護層形成及び後露光処理部に係わる他の構成例について図6により説明する。この図6に示す保護層形成及び後露光処理部118では、搬送路上の後露光位置よりも搬送方向上流側に直近の搬送ローラ12を利用して、ガム液を平版刷版10の画像記録層上に供給するよう構成する。また、この図6に示す保護層形成及び後露光処理部118では、平版刷版10上にガム液の層を形成している状態で、露光補助部材を介することなく直接的に光照射手段20で後露光処理を行うよう構成する。
このため、後露光位置よりも搬送方向上流側に直近の搬送ローラ12における搬送ローラ12の中心を通る鉛直線よりも搬送方向下流側の外周面上に液体シャワーバー26からガム液を流下させるように構成する。
また、この保護層形成及び後露光処理部118では、後露光位置よりも搬送方向上流側に直近の搬送ローラ12の外周面に沿ってガム液を平均的に流すようにガイドする流下ガイド部材15を設置する。
この流下ガイド部材15は、搬送ローラ12の外周面に対して所定間隔を開けて配置される円弧状のガイド部分15Aと、この円弧状のガイド部分15Aの上端部から搬送ローラ12の略ラジアル方向に向けて延出する導入ガイド部15Bと、この円弧状のガイド部分15Aの下端部から平版刷版10の表面に対して所定間隔を開けて平行に延出する排出ガイド部15Cとを有する。
また、この搬送ローラ12の部分には、流下ガイド部材15の導入ガイド部15Bと相俟って液体シャワーバー26から流下するガム液を溢さないように受けるために、導入ガイド部15Bと所定間隔を開けて対向する状態で搬送ローラ12の接線方向に延出するように補助流下ガイド部材19を配置する。
このように構成した図6に示す保護層形成及び後露光処理部118では、液体シャワーバー26から流下したガム液を導入ガイド部15Bと補助流下ガイド部材19とで受けて搬送ローラ12の外周面と円弧状のガイド部分15Aとの間に導入し、これらの間を搬送ローラ12の外周面に沿うように流して平版刷版10上へ導く。
このように平版刷版10上に導かれたガム液は、排出ガイド部15Cにガイドされて平版刷版10の画像記録層全面上に平均的に供給され、後露光位置より搬送方向上流側と搬送方向下流側とにそれぞれ配置された搬送ローラ12、14との間に広がるように流れて表面張力によりガム液の層を形成する状態となる。
また、保護層形成及び後露光処理部118では、図9に示すように、後露光位置よりも搬送方向上流側に直近の搬送ローラ12における搬送ローラ12の中心を通る鉛直線よりも搬送方向上流側の外周面上に液体シャワーバー26からガム液を流下させるように構成しても良い。
この場合には、後露光位置よりも搬送方向上流側に直近の搬送ローラ12における搬送方向上流側に向いている外周面に沿ってガム液を平均的に流すようにガイドする流下ガイド部材29を設置する。
この流下ガイド部材29は、搬送ローラ12の外周面に対して所定間隔を開けて配置される円弧状のガイド部分29Aと、この円弧状のガイド部分29Aの上端部から搬送ローラ12の略ラジアル方向に向けて延出する導入ガイド部29Bとを有する。
この図9に示す流下ガイド部材29を設けた保護層形成及び後露光処理部118では、液体シャワーバー26から流下した粘性を有するガム液を導入ガイド部29Bと搬送ローラ12の外周面との間に受けて、この搬送ローラ12の外周面と円弧状のガイド部分29Aとの間に導入し、搬送ローラ12が平版刷版10を搬送するため図9の矢印方向に回動する際にガム液の粘性によってガム液が搬送ローラ12の外周面と一体的に回動するよう運ばれて平版刷版10上へ導かれる。
このように平版刷版10上に導かれたガム液は、搬送ローラ12が平版刷版10に転接する際に画像記録層全面上に平均的に押し広げられて、後露光位置より搬送方向上流側と搬送方向下流側とにそれぞれ配置された搬送ローラ12、14との間に広がるガム液の層を形成する状態となる。
前述のように構成した場合には、図6に示すように、後露光位置より搬送方向上流側の直近に配置された搬送ローラ12と、後露光位置より搬送方向下流側の直近に配置された搬送ローラ12との間に、液体シャワーバー26からガム液を流下させるためのスペースを設けないで済むので、後露光位置より搬送方向上流側の直近に配置された搬送ローラ12と、後露光位置より搬送方向下流側の直近に配置された搬送ローラ12との間を接近させて配置することにより、保護層形成及び後露光処理部118を備えた平版刷版の現像装置を小型化することができる。
また、この保護層形成及び後露光処理部118では、後露光位置の上方に光照射手段20としての複数のLED20Aを設けたLEDアレイ光源を配置し、LED20Aからガム液の薄い酸素遮断用の層を介して平版刷版10の現像処理済みの画像記録層に、後露光用の光を照射するよう構成する。
この保護層形成及び後露光処理部118では、平版刷版10の現像処理済みの画像記録層に形成される酸素遮断用のガム液の層の表面に多少の凹凸が発生しても、LED20Aから光を照射して後露光処理を行う上で支障がない。これは、記録用のレーザービームを平版刷版10の画像記録層に合焦させる場合と異なり、平版刷版10の現像処理済みの画像記録層に後露光用の所定波長の光を照射してラジカル重合反応を生じさせることができれば良いので、酸素遮断用ガム液層の表面にできた凹凸で、後露光用の光が散乱してもラジカル重合反応を生じさせることに影響が無いためである。
なお、前述した図1及び図2に示す保護層形成及び後露光処理部118でも、露光補助部材16を省略してLED20Aから酸素遮断用のガム液の層を介して平版刷版10の現像処理済みの画像記録層に後露光用の光を照射するように構成しても良い。
さらに、図6に示す流下ガイド部材15を設けた保護層形成及び後露光処理部118では、液体シャワーバー26から搬送ローラ12にガム液が流下される際に流下したガム液が跳ね返って光照射手段20としてのLED20Aに付着することを流下ガイド部材15によって防止できる。
なお、この図6(図9に示す構成に代えたものも同じ)に示す保護層形成及び後露光処理部118における以上説明した以外の構成、作用及び効果は、前述した図1及び図2に示す保護層形成及び後露光処理部118と同様であるので、その説明を省略する。
図8に示すように、この平版刷版の現像装置では、保護層形成及び後露光処理部118において、平版刷版10の表裏面にガム液を塗布して表裏面にガム液が所定量残った状態(ガム液が薄膜として残った状態)で乾燥部120へ送る。
この保護層形成及び後露光処理部118では、ガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分と乾燥部120との間に、仕切り板182が設けられている。この仕切り板182は、平版刷版10の搬送路の上方に、処理タンク122の上端と対向するように配置されており、これにより、ガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分と乾燥部120の間にスリット状の挿通口184が形成されている。なお、仕切り板182は、二重構造となっており、これにより、挿通口184の乾燥部120側に溝状の通気路が形成され、乾燥部120内の空気がこの通気路内に入り込むことにより、乾燥部120内の空気が挿通口184からガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分内に入り込んでしまうのを防止している。
乾燥部120内には、挿通口184の近傍に、平版刷版10を支持する支持ローラ186が配設され、また、平版刷版10の搬送方向の中央部及び、排出口188の近傍には、搬送ローラ対190及び搬送ローラ対192が配設されている。平版刷版10は、支持ローラ186及び搬送ローラ対190、192によって乾燥部120内を搬送される。
支持ローラ186と搬送ローラ対190との間、及び搬送ローラ対190と搬送ローラ対192との間には、平版刷版10の搬送路を挟んで対でダクト194、196が配設されている。ダクト194、196は、長手方向が平版刷版10の幅方向に沿って配設されており、平版刷版10の搬送路に対向する面にスリット孔198が設けられている。
ダクト194、196は、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔198から平版刷版10の搬送路へ向けて吐出し、平版刷版10に吹き付ける。これにより、平版刷版10は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。
この保護層形成及び後露光処理部118では、後露光処理を、平版刷版10の現像された表面に親水層保護の為にガム液を塗布してから乾燥し終えるまでの間に、ガム液の溶媒を含む成分によって空気中の酸素を遮断し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにした状態にして行うものである。
このため、保護層形成及び後露光処理部118では、乾燥部120で後露光処理を行い、ガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分で後露光処理を行わないように構成しても良い。
図10に示すように、この場合には、乾燥部120における搬送方向上流側のダクト194に、後露光用の光照射手段を設ける。この光照射手段は、例えば、ダクト194のスリット孔198を設けた部分に配置した導光体195と、平版刷版10の画像記録層にラジカル光重合反応を起こさせるのに適した感光用の波長の光(赤外線、可視光線又は紫外線等の所定の波長を有する光)を発光する複数の発光ダイオード(LED、ここでは、紫外線を発光する紫外線LED)20Aで構成した光源であるLEDアレイ光源とによって構成する。
この導光体195は、出射端部を、スリット孔198近くを搬送される平版刷版10の画像記録層に臨ませ、入射端部をスリット孔198から噴射される熱風の熱気が及ばない位置に臨ませるように配置する。さらに、導光体195の入射端部には、発光ダイオード20Aで構成したLEDアレイ光源を配置する。
このように構成することにより、発光ダイオード20Aがダクト194のスリット孔198から噴射される熱気によって劣化することを防止できる。
次に、上述のように構成した本実施の形態に係わる平版刷版の現像装置の作用及び動作について説明する。
この平版刷版の現像装置の前処理装置200は、画像を露光された平版刷版10が、前加熱部204へ挿入されると、平版刷版10の搬送処理を開始する。これと共に、前処理装置200では、前水洗部206に設けたスプレーパイプ234、236へ洗浄槽222内の洗浄水を供給する動作を開始する。
次に挿入口から挿入された平版刷版10が、機枠内に引き入れられると共に、加熱室208内へ送り込まれる。前加熱部204では、加熱室208内に送り込まれた平版刷版10をヒータ214によって加熱しながら搬送する。これにより、平版刷版10は、予め設定されている加熱温度及び加熱時間で加熱され、画像部の光重合層の重合度を増加させて耐刷力が増加されて前水洗部206へ送り出される。
前水洗部206では、千鳥状に配置している搬送ローラ224〜228によって平版刷版10に搬送力を付与しながら、斜め下方へ向けて送り出す。これにより、平版刷版10は、ブラシローラ230とバックアップローラ232との間へ送り込まれる。
また、前水洗部206では、スプレーパイプ236から洗浄水を噴出することにより、この洗浄水をブラシローラ230へ供給すると共に、スプレーパイプ234から洗浄水を噴出する。
これにより、平版刷版10は、搬送ローラ226、228の間からブラシローラ230とバックアップローラ232の間へ搬送されるときに、ブラシローラ230とバックアップローラ232の間へ送り込まれてブラシローラ230によってブラッシングされる。
なお、平版刷版10は、表面に洗浄水が供給されることにより、最上層のオーバーコート層が膨潤して剥がれ易くなる。また、オーバーコート層は、洗浄水に漬かっている時間が長くなることにより、より剥がれやすくなっている。
このようにして、ブラッシングされてオーバーコート層が除去された平版刷版10は、現像処理部100の搬送ローラ対142に挟持されて、前処理部200から現像処理部100へと送り出される。
現像処理部100では、図示しない画像露光装置によって露光処理されて潜像が形成された平版刷版10が、挿入口132から挿入されると、搬送ローラ対142を回転駆動させる。これにより、平版刷版10は、搬送ローラ対142によって挟持されて、自動現像装置内に引き入れられる。
なお、現像処理部100を含む自動現像装置では、挿入口132の近傍に、挿入口132を通過する平版刷版10を検出するセンサを設け、このセンサが平版刷版10の挿入を検出したときに搬送ローラ対142等の回転駆動を開始するとともに、このセンサによる平版刷版10の検出に基づいたタイミングで、水洗部117のスプレーパイプ166、168からの水洗水の吐出及び保護層形成及び後露光処理部118のスプレーパイプ172、174からのガム液の吐出を行うように制御する。なお、この自動現像装置では、センサによる平版刷版10の検出に基づいた所定のタイミングで、LED20Aを点灯又は消灯する制御を行うようにして、図2に示す版端検出センサ21を省略しても良い。
搬送ローラ対142は、挿入口132から引き入れた平版刷版10を、水平方向に対して15°〜31°の範囲の挿入角度で、現像槽124へ送り込む。これにより、平版刷版10は、ガイド板116によって案内されながら搬送ローラ148及び搬送ローラ対150、52によって現像槽124内を搬送されて、現像槽124内に貯留されている現像液に浸漬され、17°〜31°の範囲の排出角度で、現像液中から送り出される。
平版刷版10は、現像槽124内で現像液に浸漬されることにより、画像記録層の露光されなかった部分が支持体から除去される。このとき、自動現像装置では、現像槽124内に配置しているブラシローラ141、143によって平版刷版10の表面(画像記録層側の面)をブラッシングすることにより、平版刷版10の表面からの不要な画像記録層の除去を促進するようにしている。
現像処理を終えて現像槽124から送り出される平版刷版10は、搬送ローラ対152によって水洗部117へ送られる。このとき、搬送ローラ対152は、平版刷版10の表裏面に付着している現像液を絞り落とす。
水洗部117では、この平版刷版10を搬送ローラ172、174によって挟持して略水平方向に搬送しながら、液体シャワーバー26、液体シャワーバー27から水洗水を噴出して、平版刷版10の表裏面に残っている現像液を洗い落とし、図示しない乾燥器で乾燥してから、この平版刷版10を保護層形成及び後露光処理部118へ送り出す。
保護層形成及び後露光処理部118へ送られた平版刷版10は、搬送ローラ12、14に挟持されて転接されることにより、搬送路上を搬送されて乾燥部120へ送り出される。
このとき、保護層形成及び後露光処理部118では、液体シャワーバー26等からガム液を吐出して、平版刷版10の表裏面にガム液を均一に塗布する。搬送ローラ12、14は、平版刷版10を挟持搬送して、余剰となったガム液を平版刷版10の表裏面から絞り落とすことにより、平版刷版10の表裏面にガム液の均一な薄膜を形成する。
ガム液が塗布された平版刷版10は、搬送ローラ12、14によって挿通口184からから乾燥部120へ送り込まれる。なお、挿通口184にシャッタを設けているときには、平版刷版10の処理開始のタイミング又は平版刷版10がガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分から送り出されるタイミングで、シャッタを作動させて、挿通口184を開放し、平版刷版10の非通過時に乾燥部120の乾燥風が不必要にガム液を塗布するための不感脂化処理槽28を設けた部分へ入り込んで、搬送ローラ12、14にガム液が固着してしまうのを防止すると共に、挿通口184から空気が入り込み、現像部114にまで及んで空気中の炭酸ガスにより現像液が劣化するのを防止したり、現像液中の水分や水洗水さらにガム液中の水分が蒸発して挿通口184から出てしまうのを防止している。
乾燥部120では、支持ローラ186及び搬送ローラ対190、192によって平版刷版10を搬送しながら、ダクト194、196からこの平版刷版10の表裏面に熱風である乾燥風を吹き付ける。この乾燥部120では、平版刷版10に熱風を吹き付けるので、熱により光重合層の重合度を増加させて耐刷力を向上させることができる。
この保護層形成及び後露光処理部118では、液体シャワーバー26から噴射したガム液で画像記録層の表面を全体的に覆い、ガム液の溶媒(水分等)及びその他の成分により空気中の酸素を遮断し空気中の酸素が画像記録層内に入り込まないようにした状態でLED20Aを点灯して後露光処理を行う。
これにより、平版刷版10は、表面に塗布されているガム液による保護膜が形成されて排出口188から排出される。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる保護層形成及び後露光処理部の要部概略構成を示す斜視図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる保護層形成及び後露光処理部の要部を部分断面で示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる他の構成の保護層形成及び後露光処理部の要部を部分断面で示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる他の構成の保護層形成及び後露光処理部に用いる後露光用器具を取り出して示す斜視図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる他の構成の保護層形成及び後露光処理部に用いる後露光用器具を取り出して示す分解斜視図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わるさらに他の構成の保護層形成及び後露光処理部の要部を部分断面で示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる前処理部を示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる現像処理部を示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わるさらに他の構成の保護層形成及び後露光処理部に用いる搬送ローラの外周面上に液体シャワーバーからガム液を流下させるための構成の要部を取り出して示す概略構成図である。 本発明の平版刷版の現像方法及び装置の実施の形態に係わる、保護層形成及び後露光処理部の乾燥部に用いる後露光用の光照射手段を取り出して示す概略構成図である。
符号の説明
10 平版刷版
12 搬送ローラ
15 流下ガイド部材
16 露光補助部材
20 光照射手段
20A発光ダイオード
26 液体シャワーバー
28 不感脂化処理槽
100現像処理部
118後露光処理部
120乾燥部
194ダクト
195導光体

Claims (3)

  1. 支持体の表面上に光ラジカル重合反応を利用した画像形成の手段としての画像記録層を設けた平版刷版の現像方法において、
    前記画像記録層に画像に対応した露光用の光を照射して潜像を形成した前記平版刷版に対して、前記潜像が形成された前記画像記録層を現像液に浸し前記画像記録層の未露光の部分を前記支持体から除去して潜像を顕在化する現像処理工程と、
    前記現像処理工程を終えた前記平版刷版の表面に画像を形成するように残っている前記画像記録層の上を、親水層を保護する保護層を形成するために塗布したガム液の層で覆って当該ガム液の溶媒を含む成分が酸素を遮断する状態で、ラジカル光重合を起こさせる波長の光で全面露光を行うことにより前記平版刷版の耐刷性を向上させる保護層形成及び後露光処理の工程と、
    を有することを特徴とする平版刷版の現像方法。
  2. 板状の支持体の表面にラジカル光重合によって潜像が記録される画像記録層を形成した平版刷版に、露光用の光を照射して前記画像記録層に潜像を形成した前記平版刷版を搬入して、現像槽内に貯留されている現像液に浸漬し、ブラシローラによってブラッシングすることにより、前記画像記録層における露光されなかった部分を前記支持体から除去して画像を顕在化する現像部と、
    画像が顕在化された前記平版刷版を気体中で搬送する搬送路と、
    前記搬送路上を搬送されている前記平版刷版に対して、少なくとも表面に画像を形成するように残っている前記画像記録層の上に親水層を保護する保護層を形成するためのガム液を塗布し、前記ガム液の溶媒を含む成分が前記画像記録層にラジカル光重合を起こさせる波長の光を透過可能で酸素を遮断し空気中の酸素が前記画像記録層内に入り込まないようにした状態で、前記搬送路上を搬送されている前記平版刷版の前記画像記録層全面に対してラジカル光重合を起こさせる波長の光を照射する光照射手段と、
    を有することを特徴とする平版刷版の現像装置。
  3. 前記光照射手段を、発光ダイオード(LED)で構成したことを特徴とする請求項2に記載の平版刷版用の現像装置。
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