JP2008203395A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガム液成分を含む現像液を用いる印刷版原版の現像処理において、ガム液(現像液)の乾燥を高い効率で行なうことができ、発熱量の大きなヒータなどを用いなくても、確実に印刷版原版の乾燥を行なうことができ、高い信頼性および安全性を得ることができる現像装置を提供する。
【解決手段】紫外光によって画像を記録可能な感光層を有する印刷版原版に現像処理を施し、また、ガム液を塗布して、乾燥する現像装置であって、ガム液となる成分を含む現像液を用いて、前記印刷版原版の現像を行なう現像部と、前記現像部で現像した印刷版原版を乾燥させる乾燥部と、紫外光の光源を有し、前記現像部で現像された印刷版原版に紫外光を照射して後露光を行なう後露光部と、前記後露光部内の空気を前記乾燥部内に送る送気手段とを有することにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、紫外光によって感光層に潜像を形成された印刷版原版の現像およびガム液の塗布を行ない、さらに、乾燥および感光層の後露光を行なう現像装置に関する。
平板印刷版原版は、一般的に、親水性の支持体の上に、親油性(親インキ性)で紫外光に感度を有する感光層を形成してなるものである。
このような平板印刷版原版(以下、印刷版原版とする)を用いた印刷版の作製では、まず、紫外光を用いて、印刷対象となる画像に応じて感光層を露光し、潜像を形成する。
印刷版原版の露光は、従来、印刷物に対応する網点画像を記録したフィルム原稿(リスフィルム)を印刷版原版の感光層側の面に積層して、水銀灯等によって紫外線を全面に照射することで行なっていた。これに対して、近年では、デジタル画像処理技術やレーザビームによる露光技術の進歩によって、印刷物に対応する網点画像に応じて変調した青紫色レーザ光等によって印刷版原版を二次元的に走査露光することにより、印刷版原版を印刷対象となる画像に応じて露光することが行なわれている。
露光済の印刷版原版は、現像液によって現像された後、ガム液(フィニッシャー液)と呼ばれる保護液の塗布(いわゆるガム引き)、および、ガム液の乾燥等を行なって、印刷に供される印刷版とされる。
また、耐刷性に優れた印刷版を作製するために、必要に応じて、印刷版原版を現像した後に、全面に一様に紫外光を照射して画像部を硬化する、後露光も行なわれる。特に、レーザ光によって印刷版原版を露光する場合には、高画質な画像が得られる反面、充分な露光量での露光が行なえない場合も多く、耐刷性の良好な印刷版を得る方法として、後露光は有効な方法である。
特許文献1に、このような現像、ガム引き、乾燥および後露光の各処理を行なう現像装置の一例が記載されている。
図3に概念図を示すように、この現像装置100は、現像部102と、洗浄部104と、ガム液塗布部106と、乾燥部108と、後露光部110とを有して構成される。
上流の露光装置(画像記録装置)において、レーザ光によって、印刷対象となる画像に応じて露光されて、感光層に潜像を記録された印刷版Paは、まず、現像装置100の現像部102に搬入されて、搬送されつつ、現像槽114に充填された現像液に浸漬され、かつ、回転するブラシローラ116に感光層を当接される。
これにより、感光層の非画像部(非露光部)が現像液によって溶解(および/または膨潤)され、ブラシローラ116によって掻き落とされて、感光層の画像部のみが残り、すなわち印刷版原版Paの現像が行なわれる。
現像部102で現像された印刷版原版Paは、次いで、搬送されつつ、水洗部104において、スプレーノズル118から噴射される洗浄水によって、付着した現像液を除去される。洗浄された印刷版原版Paは、次いで、ガム液塗布部106において、ノズル120から供給されるガム液を、画像部を形成された感光層側の面の全面に塗布され、絞りローラ122によって挟持搬送されることにより、ガム液の塗布量を調整される。ガム液を塗布された、印刷版原版Paは、次いで、乾燥部108において、温風を吹き付けられる等の手段でガム液を乾燥される。
ガム液を乾燥された印刷版原版Paは、さらに、後露光部110において、紫外光ランプ124が照射する紫外光を全面に一様に照射されて、後露光される。この後露光によって、前述のように、印刷版原版Paの画像部がより硬化され、耐刷性の良好な印刷版を得ることができる。
また、このような印刷版の製造工程においては、ガム液の成分を含有する現像液を用いて、印刷版原版の現像と共に、ガム液の塗布を行なうものが知られている。
例えば、特許文献2には、重合開始剤と、重合性化合物と、疎水性バインダーポリマーとを含有する感光層を有する印刷版原版と、ノニオン界面活性剤および/またはアニオン界面活性剤を1質量%以上含有し、かつ、ガム液成分となるアラビアガムなどの水溶性高分子化合物を含有する、pH2〜10の水溶液からなる現像液とを用い、先と同様に、現像液に浸漬しつつ回転するブラシローラを当接することにより、現像液で感光層の非画像部を溶解して、ブラシローラで掻き落とすことにより、印刷版原版の現像を行なうことが開示されている。
このガム液の成分を含有する現像液を用いる現像装置では、水洗工程やガム液の塗布工程が不要となるので、現像を行なった後に、水洗やガム液の塗布等を行なわずに、絞りローラ対等を用いたガム液(現像液)の塗布量の調整を行なって、ガム液の乾燥や後露光を行なう構成となる。
通常の現像液は、洗浄水や廃液等による環境上やランニングコストの問題、洗浄部が必要であるなど装置の大型化等の問題がある。
これに対して、ガム液の成分を含有する現像液を用いるシステムであれば、これらの問題を大幅に低減することができる。
特開2001−51427号公報 特開2006−65321号公報
周知の様に、ガム液は、現像後の非画像部への指紋の付着防止等、印刷版の版面(画像記録層側の面)を保護するために塗布されるものであり、通常、粘性が高く、比較的、乾燥しにくい液体である。また、ガム液は、実際に印刷物の印刷を開始する前に、試し刷りなどによって完全に除去する必要がある。
そのため、ガム液による版面の保護を確実に行ない、さらに、ガム液の乾燥を確実かつ迅速に行ない、かつ、印刷を適正に開始するためには、乾燥に先立って、ガム液の塗布量を適正に調整する必要がある。
図3の現像装置100にも示されるように、印刷版の製造において、ガム液(ガム液の成分を含有する現像液であれば現像液)の塗布量の調整は、一般的に、絞りローラ(スクイズローラ)と呼ばれる搬送ローラ対(以下、図3に合わせて絞りローラ対122とする)でガム液を塗布した印刷版原版を挟持搬送して、ガム液を絞る(スクイズする)ことで行なわれる(図4参照)。
ところが、このような絞りローラによるガム液の塗布量調整では、絞りローラの手前にガム液が溜まってしまうため印刷版原版Paによる絞りローラの間の間隙をガム液が通り抜ける。そのため、図5(図4のa方向矢視図)に示すように)印刷版原版Paのローラの延在方向の両端部において、ガム液の塗布量が厚くなってしまい、その部分が乾き難いという問題がある。
ここで、特許文献1に開示されるように、現像とは別にガム液の塗布を行なう場合には、ノズル120からのガム液の吐出量を調整する等、印刷版原版Paへのガム液の塗布量を調整することによって、ある程度は、この不都合を回避できる。
これに対し、ガム液成分を含む現像液を用いるシステムでは、絞りローラ122に供する前の現像液すなわちガム液の塗布量を調整することが出来ないため、印刷版原版Paの両端部のガム液の塗布量が増大し、ガム液の厚みが大きくなることを防げない。
そのため、印刷版原版の現像処理を行なう現像装置では、発熱量の大きな高出力のヒータが必要になる等、乾燥部の処理能力を高める必要があり、システムのコストの増大、システムのサイズ増大、ランニングコストの増大等の一因となっている。
また、発熱量の大きな高出力のヒータを使用する場合は、ヒータの故障や事故による、信頼性および安全性の低下を避けることができない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガム液成分を含む現像液を用いる印刷版原版の現像処理において、ガム液(すなわち現像液)の乾燥を高い効率で行なうことができ、発熱量の大きな高出力のヒータなどを用いなくても、確実に印刷版原版の乾燥を行なうことができ、高い信頼性および安全性を得ることができる現像装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、紫外光によって画像を記録可能な感光層を有する印刷版原版に現像処理を施し、また、ガム液を塗布して、乾燥する現像装置であって、ガム液となる成分を含む現像液を用いて、前記印刷版原版の現像を行なう現像部と、前記現像部で現像した印刷版原版を乾燥させる乾燥部と、紫外光の光源を有し、前記現像部で現像された印刷版原版に紫外光を照射して後露光を行なう後露光部と、前記後露光部内の空気を前記乾燥部内に送る送気手段とを有することを特徴とする現像装置を提供する。
ここで、前記現像部は、前記現像液に印刷版原版を浸漬して現像を行なうものであり、かつ、前記印刷版原版を上方に挟持搬送して前記現像液から引き上げる絞りローラを備え、この絞りローラが前記印刷版原版を上方に挟持搬送すると同時に、前記印刷版原版に付着した現像液の量を調整することが好ましい。
また、前記送気手段は、前記乾燥部と前記後露光部とを連通するダクト、および前記ダクトを通して、前記後露光部から乾燥部に空気を送るファンを備えることが好ましい。
さらに、前記乾燥部内に送る空気の温度を検出する温度検出手段、および前記温度検出手段によって検出された空気の温度に応じて警告を発する警告手段を備えることが好ましい。
上記構成を有する本発明によれば、ガム液成分を含む現像液を用いて印刷版原版の現像を行なった後に、乾燥、および、紫外光を印刷版原版の全面に一様に照射する後露光を行なう現像装置において、紫外光の光源によって温められた後露光部内の空気を、送気手段によって乾燥部に送気することにより、この空気の熱を利用して印刷版原版を乾燥するので、良好な効率で乾燥を行なうことができ、高出力のヒータ等を用いなくても、好適に印刷版原版の乾燥を行なうことができる。
また、上記構成を有する本発明によれば、上述のように、紫外光の光源によって温められた後露光部内の空気の熱を利用して印刷版原版を乾燥することにより、高出力のヒータを用いる必要がないため、高出力のヒータを使用することによる故障や事故が発生するといった虞がなく、高い信頼性および安全性を得ることができる。
図1は、本発明の現像装置の一実施形態を模式的に示す概念図である。図2は、本発明の現像装置で現像処理される感光性平板印刷版P(以下、単に、印刷版原版Pという)を模式的に示す断面図である。
図1に示す現像装置10は、主筐体12に収容される現像部20と、乾燥部40と、後露光部50と、送気手段70とを有する。
この現像装置10は、現像装置10の上流に配置された露光手段により露光され潜像が形成された印刷版原版Pを、各種搬送ローラおよびガイド(一部不図示)を利用して搬送経路L(図1中の二点鎖線で示す)に沿って搬送するとともに、現像部20で現像し、乾燥部40で乾燥させ、後露光部50で後露光を行ない印刷版を作製(製版)する。
図2に示す、印刷版原版Pは、支持体14と、支持体14に積層され、露光により硬化するネガ型の画像記録層16とを有する。本発明において、印刷版原版Pは、紫外光(例えば、波長が250〜420nmの光)に感度を持ち、かつガム液となる成分を含有する現像液22を用いて現像可能なものが全て利用可能である。このような印刷版原版Pとして、特開2006−65321号公報に詳細に記載される、支持体14上に、重合開始剤、重合性化合物および疎水性バインダーポリマーを含有する画像記録層16を形成してなる印刷版原版Pが好適に例示される。
この印刷版原版Pにおいて、支持体14は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の親水性支持体であればよく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
この画像記録層16において、重合開始剤は、光または熱エネルギーによりラジカルまたは酸を発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物である。このような重合開始剤としては、公知のラジカル発生剤または酸発生剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などから、適宜、選択して用いることができる。
上記のラジカルまたは酸を発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
画像記録層16に用いられる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。このようなモノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基などの求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物なども好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基などの親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基などの脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどに置き換えた化合物群を使用することも可能である。
また、この画像記録層16において、疎水性バインダーポリマーとしては、非水溶性ポリマーが好ましく用いられる。さらに、画像記録層16に使用可能な疎水性バインダーポリマーは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸基を実質的に含有しないものが好ましい。
バインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)は、0.3meq/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1meq/g以下である。
すなわち、疎水性バインダーポリマーは、水及びpH10以上の水溶液に対し不溶であることが好ましく、疎水性バインダーポリマーの水及びpH10以上の水溶液に対する溶解度が、0.5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1質量%以下である。このような疎水性バインダーポリマーを用いることによって、画像記録層16の膜強度、耐水性および着肉性が向上して、耐刷性の向上が得られる。
さらに、画像記録層16には、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。上記添加剤としては、例えば、赤外線吸収剤、増感剤、親水性ポリマー、界面活性剤、着色剤、焼き出し剤、重合禁止剤、可塑剤、無機微粒子、および低分子親水性化合物を用いることができる。
また、上述の画像記録層16の構成成分を画像記録層16に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号、同2001−277742号の両公報に記載のごとく、上記構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層16に添加してもよい。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
また、印刷版原版Pは、支持体14および画像記録層16から構成されるとしたが、これに限定されない。例えば、印刷版原版Pは、支持体14と画像記録層16との密着性を強化し、また未露光の非画像部においては、画像記録層16の支持体14からの剥離を生じやすくさせるために、支持体14と画像記録層16との間に下塗り層を有するものでもよい。これにより、印刷版原版Pの現像性が向上する。
また、印刷版原版Pは、画像記録層16における傷等の発生防止、酸素遮断、高照度レーザー露光時のアブレーション防止のため保護層を、画像記録層16の上に有するものでもよい。
また、印刷版原版Pは、支持体の裏面にバックコートを有するものでもよい。
上述の印刷版原版Pは、現像装置10よりも上流に配置される露光手段によって二次元的に露光され、印刷版原版Pの画像記録層に潜像が形成される。露光手段は、例えば、リスフィルムなどの銀塩写真フィルムを通して印刷版原版Pの画像記録層を露光して潜像を形成するものや、デジタル画像情報に基づいてレーザ光を変調しつつ印刷版原版の画像記録層を走査露光して潜像を形成する。
露光手段によって露光された印刷版原版Pは、図1に示す、現像装置10の最上流に位置する現像部20に搬送される。
現像部20は、現像液22の貯留槽24と、搬送ローラ対26、28と、ブラシローラ30と、絞りローラ対32と、ガイド36とを有する。
現像部20は、潜像が形成された印刷版原版Pを搬送しつつ、貯留層24に貯留されている現像液22に浸漬し、印刷版原版Pの画像記録層16の未露光部すなわち非画像部を溶解(および/または膨潤)させ、ブラシローラ30で掻き落として取り除き、印刷版原版Pを現像する。
なお、本発明の現像装置10では、現像液22として、ガム液となる成分を含有し、未露光の画像記録層16(非画像部)を溶解可能な溶液を用いる。従って、現像部20は、印刷版原版Pを現像するとともに、印刷版原版Pへガム液を塗布する。
本発明の現像装置10において、現像液22は、ガム液となる成分を含有し、画像記録層16の現像と共に、ガム液を塗布できるものであれば各種の現像液が利用可能である。一例として、特開2006−65321号公報に開示される、未露光の画像記録層16を溶解可能な成分としての界面活性剤を1質量%以上と、ガム液の成分としての水溶性高分子化合物と、を含有する現像液が例示される。この現像液において、上記界面活性剤は、アニオン界面活性剤および/またはノニオン界面活性剤である。
この現像液22において、アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。
アニオン界面活性剤は、スルホン酸のアニオン基または硫酸モノエステルのアニオン基を有することが好ましく、少なくとも一つの芳香族基を有することがより好ましい。このアニオン型界面活性剤は、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008203395

(式中、R、Rは置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。アルキル基としては、例えば炭素数1〜20個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、ステアリル基等を好ましく挙げることができる。)
また、ノニオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンジグリセリン類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等が挙げられる。
また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。これらの化合物は環境面への影響を考慮して適宜選択して使用することが好ましい。上記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは処理液の全質量に基づいて0.01〜20質量%である(アニオン界面活性剤成分)。
ノニオン界面活性剤として特に好ましくは、下記式(1)で示されるノニオン芳香族エーテル系界面活性剤が挙げられる。
X−Y−O−(A)−(B)−H (1)
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香族基を表し、Yは単結合又は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し、A及びBは互いに異なる基であって、−CHCHO−又は−CHCH(CH)O−のいずれかを表し、n、mはそれぞれ0又は1〜100の整数を表し、但しnとmは同時に0ではなく、またn若しくはmのいずれかが0である場合にはn及びmは1ではない。)
また、水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
また、この現像液22には上記の他に、湿潤剤、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、有機溶剤、無機酸、無機塩などを含有することができる。
現像部20の搬送ローラ対26は、現像部20における印刷版原版Pの挿入口の近傍に設けられ、図示しない露光手段等の上流の部位から搬送されてきた印刷版原版Pを挟持し搬送する。また、搬送ローラ対28は、搬送ローラ対26の下流に、貯留槽24の上方に設けられ、印刷版原版Pを現像液22に浸漬しつつ搬送する。
ガイド36は、貯留槽24の内部に配置され、水平な板状部分と、印刷版原版Pの搬送方向の板状部分の両端部で、上方に傾斜している傾斜部分とを有するガイド部材である。ガイド36は、現像液22中を搬送される印刷版原版Pの搬送経路Lを規定する。なお、ガイド36には、多数の穴が形成されており、ガイド36の一方の面側と他方の面側とで現像液の循環を妨げることがない形状となっている。
ブラシローラ30は、通常の製版装置において印刷版原版の現像に用いられる公知のものであり、印刷版原版Pの搬送方向と直交する方向(以下、印刷版原版Pの幅方向ともいう)と回転軸を一致され、前記ガイド36の水平部の上部において、搬送ローラ28等により現像液22中を搬送される印刷版原版Pと当接する位置に配置される。また、ブラシローラ30は、搬送中の印刷版原版Pに当接した状態で、図示しない駆動源によって回転される。
ブラシローラ30は、搬送ローラ対28や絞りローラ対32(あるいはさらに搬送ローラ対34)により搬送される印刷版原版Pに、ガイド36の水平な板状部分において当接し、回転することにより、現像液22によって溶解した印刷版原版Pの未露光部(非画像部)を掻き落として除去し、印刷版原版Pを現像する。本実施形態では、ガイド36の水平部分でブラシローラ30が印刷版原版Pに当接するため、印刷版原版Pの未露光部を確実に除去して良好な現像処理を施すことができる。
絞りローラ対32は、ブラシローラ30の下流に配置され、現像液22の液面よりも上方で印刷版原版Pを挟持して印刷版原版Pに付着した現像液22を絞るとともに、印刷版原版Pを上方に向かって所定の角度で搬送するローラ対である。すなわち、絞りローラ対32は、現像液22中から外に搬送された印刷版原版Pを現像液22の液面よりも上方で挟持搬送して上方に向かって所定の角度で搬送するとともに、印刷版原版Pに付着した現像液22を絞る。これにより、印刷版原版に付着した現像液の量を調整することができる。
また、絞りローラ対32は、現像された印刷版原版Pを次工程の乾燥部40へと搬送する。
なお、本発明では、現像液22としてガム液を含む現像液を用いるので、現像液22から引き上げられた印刷版原版Pの表面にはガム液が付着している。すなわち、本発明では、印刷版原版Pは、現像液22から引き上げられることでガム液が塗布される。絞りローラ対32は、ガム液を塗布された印刷版原版Pを挟持搬送することにより、印刷版原版Pの表面に塗布されたガム液を絞り、ガム液の塗布量を調整する。すなわち、本発明においては、現像部20で、現像処理と、ガム液の塗布(ガム引き)が施される。
ここで、図3に示すような現像装置100では、通常、ガム液を塗布した印刷版原版Paを絞りローラ対122で挟持搬送して、ガム液を絞ることでガム液の塗布量の調整が行なわれる(図3、図4参照)。ところが、このような絞りローラによるガム液の塗布量調整では、印刷版原版による絞りローラの間の間隙をガム液が通り抜け、図5に示すように印刷版原版のローラの延在方向の両端部において、ガム液の塗布量が厚くなってしまい、その部分が乾き難いという問題があることは上述の通りである。特に、ガム液成分を含む現像液を用い、現像と共にガム液の塗布を行なう装置では、ノズルからの吐出量を調整する等の方法がとれず、絞りローラに供する前の現像液すなわちガム液の塗布量を調整することが出来ないため、印刷版原版の両端部のガム液塗布量が厚くなることが防げない。そのため、ガム液を乾燥する乾燥部の処理能力を高める必要があり、システムのコストの増大、システムのサイズの増大、ランニングコストの増大等の一因となっている。また、発熱量の大きなヒータを使用する場合は、ヒータの故障や事故による、信頼性および安全性の低下を避けることができない。
これに対し、図1に示す本実施形態の現像装置10では、好ましい態様として、現像部20において、絞りローラ対32が印刷版原版Pを上方に向かって所定の角度で搬送することにより、前述のように、絞りローラ対32の手前(絞りローラ対32の上流側)に現像液22すなわちガム液が溜まることを防止でき、絞りローラ対32の回転軸方向の印刷版原版Pの両端部でガム液が厚くなってしまうことを防止できる。従って、ガム液を塗布した印刷版原版Pを、従来に比して、非常に乾燥し易い状態にでき、その結果、乾燥能力が低い乾燥部でも十分に乾燥を行なうことができるため、乾燥部40の処理能力を高める必要がなく、システムのコストの増大、システムのサイズ増大、ランニングコストの増大等を抑制することができる。また、乾燥部40に高出力のヒータを使用する必要がないので、信頼性および安全性の低下を防止することができる。
ここで、本実施形態では、絞りローラ対32が印刷版原版Pを上方に向かって搬送する際の所定の角度は、特に制限的ではない。この所定の角度は、絞りローラ対32の手前に現像液22が溜まることを防止でき、絞りローラ対32で絞られた印刷版原版Pの両端部でガム液が厚くなってしまうことを防止できる角度であればよく、水平方向を0度として、7°〜27°の範囲が好ましい。
乾燥部40は、現像部20の下流側に配設され、筐体42と、花形ローラ対44と、モルトンローラ対46とを有する。乾燥部40は、現像部20で現像され、ガム液を塗布された印刷版原版Pを後述する送気手段70による熱(温)風によって乾燥する。
筐体42は、乾燥部40における乾燥室を提供する筐体である。筐体42は、乾燥部40での熱効率を向上させるために断熱作用を有する部材で形成されることが好ましい。
花形ローラ(スターローラ)対44は、乾燥部40における印刷版原版Pの入口近傍に配置される、印刷版原版Pを挟持搬送するローラ対である。花形ローラ対44は、その回転軸方向に延在する突起が周方向に配列されたローラを用いるローラ対であり、印刷版原版Pの挟持搬送する際に印刷版原版Pとの接触面積が小さく、印刷版原版Pの表面のガム液を取り除くことなく搬送することができる。
モルトンローラ対46は、乾燥部40における印刷版原版Pの出口近傍に配置され、通常のゴムローラの周囲に絨毯状の布を巻いて形成されたローラからなるローラ対である。モルトンローラ対46は、後述する送気手段70からの送風により乾燥された印刷版原版Pを挟持搬送して後露光部50に送る。このとき、モルトンローラ対46は、完全に乾燥しなかった印刷版原版Pに付着している現像液(ガム液)を吸い取る。
後露光部50は、筐体52と、搬送ローラ対54と、排出ローラ対56と、UV光源58と、紫外光遮光部材60、62とを有する。後露光部50は、搬送ローラ対54および56で印刷版原版Pを搬送しつつ、乾燥部40で乾燥された印刷版原版Pに、UV光源52から紫外光を照射して、現像部20で現像された印刷版原版Pの画像記録層16を露光する後露光を行なう。これにより、印刷版原版Pの画像部(露光部)の強度を向上して、印刷版の耐刷性を向上することができる。
筐体52は、後露光部50の各部材を内部に収め、印刷版原版Pの後露光に用いるUV光源58が照射する紫外光が外部に放出されることのないように遮光する。筐体52の上面には、後述する送気手段70によって筐体52内の空気を排気するための排気口64が形成されている。この排気口64は、送気手段70のダクト72と接続されている。また、筐体52の底面には、複数の吸気口66が形成されている。後露光部50においては、この吸気口66から、送気手段70が筐体52から排気した分の空気を筐体52内に取り入れる。
搬送ローラ対54は、後露光部50における印刷版原版Pの入口近傍で、筐体52内に配置され、印刷版原版Pを搬送する。
UV光源58は、筐体52内の搬送経路Lの上方、すなわち、搬送される印刷版原版Pの画像記録層16側(版面側)に配置され、紫外領域の光を照射する光源である。UV光源58としては、画像記録層16が感度を有する光を照射可能な各種の光源が利用可能であるが、一例として、紫外LEDまたは水銀ランプを印刷版原版Pの幅方向に複数配置したものや、紫外蛍光灯等が例示される。
紫外光遮蔽部材60は、筐体52の底面近傍に配置される遮光板であり、UV光源58から照射される紫外光が、吸気口66から筐体52の外部へ漏れることを防止する。
また、紫外光遮蔽部材62は、筐体52の上面の、後述する送気手段70のダクト72が接続している排気口64の近傍に配置され、紫外光遮光部材60と同様に、紫外光が、排気口64から筐体52の外部へ漏れることを防止する。
排出ローラ対56は、後露光部50における印刷版原版Pの出口近傍に配置され、印刷版原版Pを現像装置10の外部に排出する。
送気手段70は、メインダクト72と、第1サブダクト74と、第1送気口76と、第2サブダクト78と、第2送気口80と、排気ファン82と、温度センサ84とを有する。送気手段70は、乾燥部40および後露光部50に接続してこれらを連通し、後露光部50の空気を乾燥部40に送気する。
送気手段70は、メインダクト72、第1サブダクト74および第2サブダクト76の各ダクトを介して、後露光部50の筐体52内の空気を乾燥部40の筐体42内に送気するが、当然ながら、後露光部50の筐体52内の空気は、UV光源58の発熱によって温められ、装置の立ち上げ時等を除き、高温となっている。本発明の現像装置10では、後露光部50の温められた空気を送気手段70によって乾燥部40(その筐体42内)に送気することにより、後露光部50で発生した熱を乾燥部40での印刷版原版Pの乾燥に利用することができ、高い効率で印刷版原版Pを乾燥させることができる。
特に、図1に示す、本実施形態の現像装置10においては、印刷版原版Pを絞りローラ対32で上方に挟持搬送して、印刷版原版Pに付着するガム液(現像液22)の量を調整することにより、絞りローラ対32の手前に現像液22すなわちガム液が溜まることを防止でき、絞りローラ対32の回転軸方向の印刷版原版Pの両端部でガム液が厚くなってしまうことを防止できる。従って、ガム液を塗布した印刷版原版Pを、従来に比して、非常に乾燥し易い状態にできるため、図1に示す現像装置10のようにヒータを不要にできる場合もある。また、必要に応じて低出力のヒータを設けてもよい。すなわち、本実施形態の現像装置10によれば、乾燥のために低出力のヒータを用いても、あるいは、乾燥のためのヒータを設けなくとも、印刷版原版Pの乾燥を確実に行なうことができ、乾燥に要するコストを低減することができ、さらに、高出力のヒータを用いることによる安全性および信頼性の低下といった問題が生じることなく、高い安全性および信頼性を得ることができる。
メインダクト72は、後露光部50の筐体52の上面に形成された排気口64に接続されている送気用の配管である。なお、メインダクト72が、枝分かれして第1サブダクト74および第2サブダクト78となる。送気手段70は、メインダクト72、第1サブダクト74および第2サブダクト78を介して、乾燥部40に送気する。
排気ファン82は、メインダクト72に配置され、後露光部50のUV光源58から発生する熱により暖められた空気を後露光部50の筐体52内から排気する。排気ファン82としては、図中では軸流ファンとしているが、これに限定されず、シロッコファンといった遠心ファンを用いてもよい。
第1サブダクト74は、メインダクト72から枝分かれして乾燥部40の上面側から筐体32内の搬送経路Lの近傍に至る配管である。第1サブダクト74のメインダクト72と反対側の端部には、第1送気口76が設けられている。
第1送気口76は、搬送経路Lの上側すなわち印刷版原版Pの画像記録層16側(版面側)で、搬送経路Lの近傍に配置され、後露光部50から排気された空気を乾燥部50の筐体52内に送気する。
第2サブダクト78は、メインダクト72から枝分かれして乾燥部40の底面側から筐体32内の搬送経路Lの近傍に至る配管である。第2サブダクト78のメインダクト72と反対側の端部には、第2送気口80が設けられている。
第2送気口80は、搬送経路Lの下側すなわち印刷版原版Pの画像記録層16側とは反対側で、搬送経路Lの近傍に配置され、後露光部50から排気された空気を乾燥部50の筐体52内に送気する。
第1送気口76および第2送気口80は、印刷版原版Pの幅方向に開口したスリット状の空気の噴出し口を有するものでもよく、複数の噴出し口が幅方向に配列したものでもよい。また、第1送気口76および第2送気口80は、必要に応じて送気用のファンを有してもよく、これを排気ファン82に代えてもよい。さらに、排気ファン82は、メインダクト72内や、第1送気口76、第2送気口80に配置されるのにも限定されず、例えば、筐体52の吸気口66近傍に配置され、吸気口66から筐体52内に吸気して筐体52内を加圧することにより、筐体52内の温められた空気を各ダクトを介して乾燥部40の筐体42内に送気するものでもよい。
温度センサ84は、送気手段70のメインダクト72内に配置され、排気ファン82によって後露光部50から排気され乾燥部40に送られる空気の温度を測定するセンサである。なお、温度センサ84の配置位置は、メインダクト72内に限定されず、後露光部50内の温められた空気の温度が計測できればよい。
温度センサ84は、図示しない警報手段に接続され、この警報手段は、温度センサ84の測定値が所定の範囲外の値の場合に、後露光部50に異常が発生したことを警報等で知らせる。
なお、図1に示す現像装置10では、印刷版原版Pの乾燥のために乾燥部40内を温めるためのヒータを配設していないが、必要に応じて、乾燥部40内や送気手段70の各ダクト内にヒータを配設してもよいのはもちろんである。この際に、ヒータは公知のものが全て利用可能であるが、通常の現像装置の乾燥部に比して低出力のヒータであっても十分であることは前述のとおりである。
以下、上述のように構成される本実施形態の現像装置10の作用について説明する。
現像装置10の上流に配置された露光手段により潜像を形成され、あるいはさらに、現像装置10の上流に配置されたその他の前段部で各種前処理を施された印刷版原版Pが、現像部20に搬送される。
現像部20では、印刷版原版Pは、搬送ローラ対26、搬送ローラ対28およびガイド36等によって搬送されつつ、貯留層24に貯留された現像液22に浸漬される。現像液22に浸漬された印刷版原版Pは、その画像記録層16の未露光部(非画像部)が溶解(および/または膨潤)する。印刷版原版Pは、ガイド36に沿って搬送されるとともに、画像記録層16側(版面側)から印刷版原版Pに当接するブラシローラ30によって画像記録層16の未露光部(非画像部)が掻き落とされ、印刷版原版Pが現像される。
現像された印刷版原版Pは、絞りローラ対32によって、現像液22から引き出され、下流の乾燥部40に向かって搬送される。本実施形態では、現像液22は、ガム液成分を含有するため、印刷版原版Pにガム液が塗布される。
現像されガム液が塗布された印刷版原版Pは、絞りローラ対32に挟持搬送されることにより、ガム液を絞られ、ガム液の付着量を調整される。
ここで、前述のように、本実施形態の現像装置10では、好ましい態様として、絞りローラ対32が印刷版原版Pを上方に向かって所定の角度で搬送することにより、絞りローラ対32の手前に現像液22すなわちガム液が溜まることを防止でき、絞りローラ対32の回転軸方向の印刷版原版Pの両端部でガム液が厚くなってしまうことを防止できる。従って、ガム液を塗布した印刷版原版Pを、従来に比して、非常に乾燥し易い状態にでき、その結果、乾燥能力が低い乾燥部でも十分に乾燥を行なうことができるため、乾燥部40の処理能力を高める必要がなく、システムのコストの増大、システムのサイズ増大、ランニングコストの増大等を抑制することができる。また、乾燥部40に高出力のヒータを使用する必要がないため、信頼性および安全性の低下を防止することができる。
ガム液を絞られた印刷版原版Pは、絞りローラ対32によって乾燥部40に搬送される。
乾燥部40では、印刷版原版Pは、花形ローラ対44等によって搬送されつつ、送気手段70による後露光部50で温められた空気の送気により乾燥される。ここで、送気手段70は、下流に位置する後露光部50で温められた空気を、第1送気口76および第2送気口80から印刷版原版Pに向かって送気する。すなわち、本発明の乾燥部40では、送気手段70によって、後露光部50のUV光源58が発する熱で暖められた空気が送気されるので、この熱を印刷版原版Pの乾燥に利用することができ、高い効率で印刷版原版Pを乾燥させることができる。
また、図1に示す本実施形態の現像装置10では、送気手段70は、上述のダクト機構を用いて印刷版原版Pの画像記録層側の面とその反対側の面の両面から温風を当てることにより、より高い効率で確実に印刷版原版Pを乾燥させることができる。
乾燥部40で乾燥された印刷版原版Pは、モルトンローラ対46によって乾燥部40から後露光部50に搬送される。なお、モルトンローラ対46は、印刷版原版Pを搬送する際に、完全に乾燥しなかったガム液(現像液)を吸い取る。
後露光部50では、印刷版原版Pに、UV光源58から紫外光を照射して後露光を行なう。これにより、印刷版原版Pの画像部の強度を向上して、印刷版の耐刷性を向上することができる。なお、図2中の矢印で示すように、後露光部50では、送気手段70によって筐体52から排気された分の空気を、筐体52の下面側に設けられた吸気口66から吸気している。
ここで、送気手段70の温度センサ84は、メインダクト72内の温度を測定する。この測定値が所定の範囲外の場合、温度センサ84に接続している図示しない警報手段が警報等で後露光部50に異常が発生したことを知らせる。具体的には、例えば、温度センサ84の測定値が所定値よりも低い場合には、UV光源58が正常に動作していない、あるいはシステムが立ち上げ中である等の可能性がある。また、温度センサ84の測定値が所定値よりも高い場合も、UV光源58に異常が発生している可能性がある。送気手段70では、排気された空気の温度を温度センサ84で測定することにより、後露光部50で発生した異常を速やかにかつ容易に検知することができる。
印刷版原版Pは、後露光部50で後露光を施され、印刷版Pとして排出ローラ対56により排出される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の現像処理装置10によれば、印刷版原版Pに現像処理を施すと共にガム液を塗布し、次いで、乾燥および後露光の各処理を施すことにより、その表面にガム引き処理を施された、良好な耐刷性を有する印刷版を得ることができる。
上述のように、本発明の現像装置10では、後露光時にUV光源58から発生する熱によって温められた空気を、送気手段70の排気ファン82で後露光部50から排気し、メインダクト72、第1サブダクト74および第2サブダクト76を介して乾燥部40に送り、乾燥部40での印刷版原版Pの乾燥に利用することにより、高い効率で印刷版原版Pを乾燥させることができる。
また、本発明の現像装置10では、後露光部50のUV光源58から発生する熱を、乾燥部40での印刷版原版Pの乾燥に利用することにより、高出力のヒータを用いなくとも印刷版原版Pを乾燥させることができ、印刷版原版Pの乾燥に要するコストを低減することができる。
さらに、高出力のヒータを用いなくとも乾燥部40を構成することができるため、高出力のヒータを用いることによる安全性および信頼性の低下が生じることがなく、高い安全性および信頼性を得ることができる。
また、本実施形態では、現像部20において、絞りローラ対32が印刷版原版Pを上方に向かって所定の角度で挟持搬送しつつ絞ることにより、前述のように、絞りローラ対32の手前(絞りローラ対32の上流側)に現像液22すなわちガム液が溜まることを防止でき、絞りローラ対32の回転軸方向の印刷版原版Pの両端部でガム液が厚くなってしまうことを防止できる。従って、ガム液を塗布した印刷版原版Pを、従来に比して、非常に乾燥し易くすることができ、その結果、乾燥能力が低い乾燥部でも十分に乾燥を行なうことができ、乾燥のためのヒータを別途設けることなく送気手段70による送気のみで印刷版原版Pの乾燥を行なうことも可能となる。
また、本実施形態では、ヒータを使用しなくとも印刷版原版Pを乾燥できるので、乾燥に費やすコストを低減することができ、さらに、ヒータを使用することによる安全性および信頼性の低下といった問題が生じることがなく、高い安全性および信頼性を得ることができる。
また、本実施形態では、上述のように、絞りローラ対32で印刷版原版Pを上方に搬送しつつ絞ることにより、印刷版原版Pにの両端でガム液(現像液)が厚くなることを防止できるため、乾燥に要する時間を短縮することができ、乾燥部40で印刷版原版Pを高速で搬送しながら現像液の乾燥を行なうことができる、すなわち、処理速度を向上させることができる。
なお、本実施形態の現像装置10では、印刷版原版Pの乾燥を目的として乾燥部40の筐体42内を加熱するために、乾燥部40の筐体42内にヒータを配置してもよく、また、送気手段70にヒータを配置してもよい。この場合、本実施形態の現像装置10では、UV光源58から発生する熱により暖められた空気を印刷版原版Pの乾燥に利用するため、配置するヒータは低出力のヒータでも十分であり、高出力のヒータを使用することによる、ランニングコストの増加、ならびに安全性および信頼性の低下といった問題が生じないため、低コストかつ高い安全性および信頼性を有する現像装置を得ることができる。
また、刷版原版Pの乾燥を目的として乾燥部40の筐体42内を加熱するために、乾燥部40の筐体42内や送気手段70にヒータを配置した場合は、乾燥部の乾燥能力を向上させることができ、乾燥に要する時間を短縮することができる。
ところで、本実施形態の現像装置10では、送気手段70は、メインダクト72から分かれた、第1サブダクト74および第2サブダクト78で印刷版原版Pの搬送経路Lを挟んで上下方向から送気するが、本発明はこれに限定されず、後露光部50内の空気を乾燥部40内に送気することができるものであればよい。送気手段としては、例えば、乾燥部40と後露光部50とが隣接している側の、筐体42および筐体52の壁面に開口を設け、その開口をダクト等で接続し、後露光部50内の空気を乾燥部40内に送気するものでもよい。
なお、本発明の現像装置は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
本発明の一実施形態の現像装置を模式的示す概念図である。 本実施形態の現像装置で用いる印刷版原版を示す断面図である。 従来の現像装置を模式的に示す概念図である。 図3に示す従来の現像装置のフィニッシャー部を示す。 図4の矢印aの方向から見た矢視図である。
符号の説明
10 現像装置
12 主筐体
14 支持体
16 画像記録層
20 現像部
22 現像液
24 貯留層
26、28、32、54 搬送ローラ対
30 ブラシローラ
32 絞りローラ対
40 乾燥部
42、52 筐体
44 花形ローラ対
46 モルトンローラ対
50 後露光部
56 排出ローラ対
58 UV光源
60、62 遮光部材
64 排気口
66 吸気口
70 送気手段
72 メインダクト
74 第1サブダクト
76 第1送気口
78 第2サブダクト
80 第2送気口
82 排気ファン
84 温度センサ

Claims (4)

  1. 紫外光によって画像を記録可能な感光層を有する印刷版原版に現像処理を施し、また、ガム液を塗布して、乾燥する現像装置であって、
    ガム液となる成分を含む現像液を用いて、前記印刷版原版の現像を行なう現像部と、
    前記現像部で現像した印刷版原版を乾燥させる乾燥部と、
    紫外光の光源を有し、前記現像部で現像された印刷版原版に紫外光を照射して後露光を行なう後露光部と、
    前記後露光部内の空気を前記乾燥部内に送る送気手段とを有することを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像部は、前記現像液に印刷版原版を浸漬して現像を行なうものであり、かつ、前記印刷版原版を上方に挟持搬送して前記現像液から引き上げる絞りローラを備え、この絞りローラが、前記印刷版原版を挟持搬送すると同時に、前記印刷版原版に付着した現像液の量を調整する請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記送気手段は、前記乾燥部と前記後露光部とを連通するダクト、および前記ダクトを通して、前記後露光部から乾燥部に空気を送るファンを備える請求項1または2に記載の現像装置。
  4. さらに、前記乾燥部内に送る空気の温度を検出する温度検出手段、および前記温度検出手段によって検出された空気の温度に応じて警告を発する警告手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置。
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