JP2007232290A - 潜熱負荷の変動幅が大きい場合の空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導入された外気と、空調対象空間Sからの還気の一部である排気とを全熱交換して前記外気の冷却、除湿、又は加熱する外調機と、前記外調機から送給された外気を除湿する除湿機と、前記除湿機で除湿された外気と空調対象空間からの還気とが混じり合った空気を冷却、又は加熱して前記空調対象空間Sに給気する空調機とからなる空調システムにあって、前記導入された外気、又は外調機1で冷却、除湿、又は加熱された外気の湿度が空調に適した湿度以下であって、前記除湿機を作動しなくてもこと足りる場合に、前記外気を除湿機を経ることなく外調機から空調機に直接送給するために、前記外調機と空調機との間にバイパスダクトを備えてなる空調システムによる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、外気(新鮮空気)を取り入れ、空調対象空間S内空気の一部を外部に排出する機能を有する外調機1と、空調対象空間Sに温湿度を調節した処理空気を供給する空調機2と、前記外調機1、空調機2、空調対象空間Sを結ぶダクト53、54、55、56、57とで構成された空調システムであって、前記外調機1のハウジング内は、外気を取り入れるための給気室6と、空調対象空間S内空気の一部を外部に排出するための排気室7とに分離され、かつ給気室6と排気室7に跨って全熱交換ロータ71が設けられており、この全熱交換ロータ71によって外気と排気の持つ顕熱と潜熱を同時に交換するとともに、前記給気室6にはファン61によって生じる外気の流れの上流から下流に向けて、外気を加熱する温水コイル81と外気を一次冷却する冷水コイル83が、また、必要に応じて外気を加湿する加湿器91が配置され、外気の温湿度の一次調節を行ってダクト57により空調機2に送られる。
そして空調機2のハウジング内には、空気の流れの上流から下流に向けて順次、外調機1からの外気と空調対象空間Sからの還気が混じった空気を過冷却する冷水コイル84、冷水コイル84で過冷却された空気を加熱する温水コイル82を備えて、ファン65によって空調対象空間Sへ送り込む処理空気の温湿度調整を行っている。
しかし、収容可能人員の多い空調対象空間Sに大勢の人が入場し、その人員密度が2.5人/m2に達するというような混雑した状態において、上記のような好適な温湿度条件で空調を行う場合には、空調機2の冷水コイル84の除湿能力の限界により、空調対象空間Sに送給する風量は膨大なものとなる。
また、冷水コイル84へ供給する水の温度を低下させて冷水コイル84の除湿効果の限界を高めれば空調対象空間Sへの送給風量の削減は可能だが、冷凍機等の熱源機器で水温をより一層低下させなければならず、使用できる熱源機器が限られたり、熱源機器の外形寸法が増大したり、熱源機器の効率が低下したりする等の問題が生じる。
すなわち、ハウジング内の仕切壁によって、外気(新鮮空気)を導入するための給気室6と空調対象空間Sからの還気の一部である排気を外部に排出するための排気室7に2分され、かつ給気室6と排気室7に跨って全熱交換ロータ71が設けられ、この全熱交換ロータ71によって外気と排気の持つ顕熱と潜熱を同時に交換する全熱交換機4と、
ハウジング内の仕切壁によって前記全熱交換機4から送給された外気の除湿を行う除湿室8と別途外部から取り入れた空気を加熱して除湿剤を乾燥させる乾燥室9とに2分され、かつ除湿室8と乾燥室9に跨って除湿剤使用の除湿ロータ72が設けられ、また除湿室8には全熱交換機4から送給された外気を冷却又は加熱する冷温コイル85が前記除湿ロータ72の上流に配置されてなる除湿機3と、
前記除湿ロータ72により除湿されてダクト52から送給された空気と空調対象空間Sからの還気とが混じった処理空気を冷却又は加熱する冷温コイル86、及び必要に応じて空調対象空間Sへ送り込む処理空気に加湿する加湿器92を有する空調機2と、
前記全熱交換機4、除湿機3、空調機2及び空調対象空間Sを結ぶダクト51、52、53、54、55、56からなる空調システムである。
(1)導入された外気と、空調対象空間からの還気の一部である排気とを全熱交換して前記外気の冷却、除湿、又は加熱する外調機と、前記外調機から送給された外気を除湿する除湿機と、前記除湿機で除湿された外気と空調対象空間からの還気との混合空気を冷却、又は加熱して前記空調対象空間に処理空気として送給する空調機とからなる空調システムにあって、前記導入された外気、又は外調機で冷却、除湿、又は加熱された外気の湿度が空調に適した湿度以下であって、前記除湿機を作動しなくてもこと足りる場合に、前記外気を除湿機を経ることなく外調機から空調機に直接送給するために、前記外調機と空調機との間にバイパスダクトを備えてなることを特徴とする潜熱負荷の変動幅が大きい場合の空調システム。
(ア)外調機にインバータを付加したファンを備えて外気取り入れ風量の制御を可能にしたので、大きな空調対象空間の入場人員数が少ない場合にも必要以上の外気を導入することなく、入場人員数に適合した風量の外気導入が可能になる。
(イ)取り入れた外気が乾燥し除湿の必要がなかったり、前記外調機での除湿によって空調に必要な湿度条件の空気が得られたりして除湿機を作動しなくてもこと足りる場合には、外調機と空調機間に配設されたバイパスダクトによって、除湿機を経ることなく外気を外調機から直接空調機に送給できるので、除湿機は外気の湿度が高く、室内での潜熱発生量が大きい場合、すなわち除湿が必要なときのみ運転すればよくなり、ガスバーナーの無用な点火が避けられ省エネルギー化が図れる。
(ウ)除湿機とバイパスダクトの併用により、除湿機で除湿する風量を必要最小限に抑制でき、除湿機の小型化を可能にする。
(エ)空調機に冷水コイル、温水コイルを備えたので空調機単独でも温湿度の制御が可能になり、外気条件、空調対象空間の人員密度によって運転パターンを変えることができ、最適な省エネルギー運転が可能になる。
図において1は外調機、2は空調機、3は除湿機、6は給気室、7は排気室、8は除湿室、9は乾燥室、50はバイパスダクト、51、52、53、54、55、56はダクト、5a、5bはバイパス手段、61、62、63、64、65はファン、71は全熱交換ロータ、72は除湿ロータ、81、82は温水コイル、83、84は冷水コイル、91は加湿器、Bはガスバーナー、Sは空調対象空間である。
導入された外気と、空調対象空間Sからの還気の一部である排気とを全熱交換して前記外気の冷却、除湿、又は加熱する外調機1と、前記外調機1から送給された外気を除湿する除湿機3と、前記除湿機3で除湿された外気と空調対象空間Sからの還気との混合空気を冷却、又は加熱して前記空調対象空間Sに処理空気として送給する空調機2とからなる空調システムにあって、前記導入された外気、又は外調機1で冷却、除湿、又は加熱された外気の湿度が空調に適した湿度以下であって、前記除湿機3を作動しなくてもこと足りる場合に、前記外気を除湿機3を経ることなく外調機1から空調機2に直接送給するために、前記外調機1と空調機2との間にバイパスダクト50を備えている。
そして、前記外調機1は、そのハウジング内の仕切壁によって外気を導入する給気室6と空調対象空間Sからの還気の一部である排気を導入する排気室7とに2分されており、その給気室6と排気室7とに跨って前記外気と排気間の全熱交換を行う全熱交換ロータ71が配設され、前記給気室6には外気を導入し給気室6内に気流を起こすファン61と、前記全熱交換ロータ71によって熱交換された外気を加熱する温水コイル81、及び冷却する冷水コイル83が、また前記排気室7には前記全熱交換ロータ71で熱交換された排気を外部に排出するファン62が備えられている。
さらに、前記外調機1の全熱交換ロータ71には導入された外気と空調対象空間Sからの還気の一部である排気との間での熱交換を必要としない場合に、全熱交換ロータ71をバイパスして外気を導入し排気を排出するバイパス手段5a、5bが備えられ、また、前記外調機1のファン61、62にはインバータが備えられ、外気の導入風量、及び排気の排出風量を制御可能にしている。
そして、前記空調機2は、前記除湿機3から送給された処理外気、又は前記バイパスダクト50を介して外調機1から直接送給された外気と、前記空調対象空間Sからの還気との混合空気を冷却する冷水コイル84及び加熱する温水コイル82を備えている。
なお、取り入れられた外気が乾燥していて除湿の必要がなかったり、前記外調機1での除湿によって空調に必要な湿度前後の空気が得られたりして除湿機3を作動しなくてもこと足りる場合には、それまで前記除湿機3に送給していた外気を外調機1から空調機2に直接送給するためのバイパスダクト50に送給するよう切り替えられる構成となっている。
そしてまた、前記給気室6と排気室7にはインバーターを付加したファン61、62を設け、前記ファン61、62の回転数を制御することによって導入する外気量及び外部に排出する排気量の制御を可能としており、少ない入場人員数の場合には外気の導入を抑制して空調対象空間Sからの還気の循環利用量を増やし、効率のよい空調が行えるようにしている。
さらに、取り入れる外気の風量が少なく、また外気温度と排気温度の差が少なくて全熱交換ロータでの熱交換の必要がない場合に、全熱交換ロータ71の動作を停止して外気を送給できるようバイパス手段5a、5bを備えている。
前記乾燥室9において、ファン64によって生じる空気流の除湿ロータ72より上流側に、除湿ロータ72の除湿剤に捕捉された水分を乾燥させるガスバーナーB等の加熱手段が配置され、前記除湿ロータ72から水蒸気として除去された水分は、取り込まれた空気とともにファン64によって乾燥室9外に排出される。
なお、導入された外気がすでに乾燥状態にあって、空調の好適温湿度条件といわれる湿度40%以下になっている場合には、加湿器91によって外気に必要量の加湿を行い、バイパスダクト50から直接空調機2に送給する。この際除湿機3は運転を停止する。
除湿機3の乾燥室9内に蒸発した水分は、ファン64によって加熱された空気とともに外部に排出される。
また、前記外調機1に導入された外気(新鮮空気)と前記空調対象空間Sからの排気との間の温度差が少なく全熱交換ロータ71による熱交換が必要ない場合には、外気を全熱交換ロータ71に送給することなく、バイパス手段5aを介して冷水コイル83に送給し、また排気をバイパス手段5bを介して排出することもできる。
さらに、外調機1のファン61、62にはインバータが付加されているので、ファン61、62の回転数を制御することにより外気の取り入れ風量を制御し、空調対象空間Sの入場人員数が少ない場合、空調システムに導入する外気量及び排気量を減らし、空調対象空間Sからの還気の再利用率を高め、入場人員数の変動が大きい大空間での効率的な空調を可能としている。
この場合、一般的には、全熱交換ロータ71、ファン61、62、65はすべて駆動され、また温水コイル81、82の開閉弁が開かれて温水機等の熱源機器からの温水が前記温水コイル81、82に循環供給されている。
なお、雨天時や積雪時であって導入された外気が、すでに空調の好適温湿度条件といわれる湿度40%以上になっている場合には、除湿機3を運転し、それまで加湿器91によって外気に必要量の加湿を行い、バイパスダクト50に導いていた外気を、ダクト51に切り替えて除湿機3に送給する。
除湿機の乾燥室9に取り込まれた空気は、ガスバーナーB等の乾燥手段により加熱され、この加熱空気により除湿ロータ72の除湿剤を加熱して除湿室8で外気から吸収した水分を蒸発させ、ファン64によって蒸発させた水蒸気を伴って外部に排出される。
さらに、外調機1のファン61、62にはインバータが付加されているので、ファン61、62の回転数を制御することにより外気の取り入れ風量を制御し、空調対象空間Sの入場人員数が少ない場合、空調システムに導入する外気量及び排気量を減らし、空調対象空間Sからの還気の再利用率を高め、入場人員数の変動が大きい大空間での効率的な空調を可能としている。
冷房時における本発明の空調システムと従来の空調システムとの空調風量、冷凍機容量、エネルギー消費量の比較を表1に示す。
すなわち、従来の過冷却と再熱方式による空調システムの場合の空調風量は170m3/hm2、冷凍機容量は0.36米国冷凍トン/m2、一次エネルギー消費量は夏期で在室人員密度が2.5人/m2の場合には11,160kJ/h・m2、在室人員密度が1.5人/m2の場合には5,310kJ/h.m2、在室人員密度が0.75人/m2の場合には4,410kJ/h.m2であることを示している。
また、従来の除湿機を使用する空調システムの場合の空調風量は71m3/hm2、冷凍機容量は0.21米国冷凍トン/m2、一次エネルギー消費量は夏期で在室人員密度が2.5人/m2の場合には7,740kJ/h・m2、在室人員密度が0.75人/m2の場合には5,040kJ/h.m2である。
そして、本発明の空調システムの場合には、空調風量は71m3/hm2、冷凍機容量は0.21米国冷凍トン/m2、一次エネルギー消費量は夏期で在室人員密度が2.5人/m2の場合には6,570kJ/h・m2、在室人員密度が1.5人/m2の場合には4,860kJ/h.m2、在室人員密度が0.75人/m2で外調機にインバータを備えていない場合には4,410kJ/h.m2、インバータを備えている場合は4,230kJ/h.m2となっている。
2:空調機
3:除湿機
4:全熱変換機
6:給気室
7:排気室
8:除湿室
9:乾燥室
50:バイパスダクト
51、52、53、54、55、56、57:ダクト
5a、5b:バイパス手段
61、62、63、64、65:ファン
71:全熱交換ロータ
72:除湿ロータ
81、82:温水コイル
83、84:冷水コイル
85、86:冷温コイル
91、92:加湿器
B:ガスバーナー
S:空調対象空間
Claims (8)
- 導入された外気と、空調対象空間Sからの還気の一部である排気とを全熱交換して前記外気の冷却、除湿、又は加熱する外調機1と、前記外調機1から送給された外気を除湿する除湿機3と、前記除湿機3で除湿された外気と空調対象空間Sからの還気との混合空気を冷却、又は加熱して前記空調対象空間Sに処理空気として送給する空調機2とからなる空調システムにあって、前記導入された外気、又は外調機1で冷却、除湿、又は加熱された外気の湿度が空調に適した湿度以下であって、前記除湿機3を作動しなくてもこと足りる場合に、前記外気を除湿機3を経ることなく外調機1から空調機2に直接送給するために、前記外調機1と空調機2との間にバイパスダクト50を備えてなることを特徴とする潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記外調機1が、そのハウジング内の仕切壁によって外気を導入する給気室6と空調対象空間Sからの還気の一部である排気を導入する排気室7とに2分されてなり、前記給気室6と排気室7とに跨って前記外気と排気間の全熱交換を行う全熱交換ロータ71が配設され、前記給気室6には外気を導入し給気室6内に気流を起こすファン61と、前記全熱交換ロータ71によって熱交換された外気を加熱する温水コイル81又は冷却する冷水コイル83とが、また前記排気室7には前記全熱交換ロータ71で熱交換された排気を外部に排出するファン62が備えられてなることを特徴とする請求項1に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記外調機1が、そのハウジング内の仕切壁によって外気を導入する給気室6と空調対象空間Sからの還気の一部である排気を導入する排気室7とに2分されてなり、前記給気室6と排気室7とに跨って前記外気と排気間の全熱交換を行う全熱交換ロータ71が配設され、前記給気室6には外気を導入し給気室6内に気流を起こすファン61と、前記全熱交換ロータ71によって熱交換された外気を加熱する温水コイル81及び冷却する冷水コイル83とが、また前記排気室7には前記全熱交換ロータ71で熱交換された排気を外部に排出するファン62が備えられてなることを特徴とする請求項1に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記外調機1の全熱交換ロータ71が、導入された外気と空調対象空間Sからの還気の一部である排気との間での熱交換を必要としない場合に、全熱交換ロータ71をバイパスして外気を導入し排気を排出するバイパス手段5a、5bを備えてなることを特徴とする請求項2又は3に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記外調機1のファン61、62がインバータを備え、外気の導入風量、及び排気の排出風量を制御可能にしてなることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記除湿機3が、そのハウジング内の仕切壁によって、外調機1から送給された外気の除湿を行う除湿室8と別途外部から取り入れた空気を加熱して除湿剤を乾燥させる乾燥室9とに2分されてなり、前記除湿室8と乾燥室9とに跨って除湿剤使用の除湿ロータ72が配設され、前記乾燥室9には別途取り入れた空気を加熱する加熱手段Bが、また除湿室8、乾燥室9にはそれぞれ室内に気流を生じさせるファン63、64が備えられてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記空調機2が、前記除湿機3から送給された処理外気、又は前記バイパスダクト50を介して外調機1から直接送給された外気と、前記空調対象空間Sからの還気との混合空気を冷却する冷水コイル84又は加熱する温水コイル82を備えてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
- 前記空調機2が、前記除湿機3から送給された処理外気、又は前記バイパスダクト50を介して外調機1から直接送給された外気と、前記空調対象空間Sからの還気との混合空気を冷却する冷水コイル84及び加熱する温水コイル82を備えてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の潜熱負荷の変動幅の大きい場合の空調システム。
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