JP2007229269A - マンモグラフィ装置及び該マンモグラフィ装置に用いられる乳房圧迫板 - Google Patents

マンモグラフィ装置及び該マンモグラフィ装置に用いられる乳房圧迫板 Download PDF

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Abstract

【課題】マンモグラフィ装置において、乳房を圧迫する乳房圧迫板による乳房の圧迫固定時、技師が容易に手を抜くことを可能とする。
【解決手段】被検者32の乳房44の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置12は、前記放射線画像の情報を取得する固体検出器46等を有する撮影台36と、撮影台36に対して乳房44を圧迫する乳房圧迫板38とを備える。また、乳房圧迫板38は、被検者32の胸壁32aに対峙する当接面54を含み乳房44を圧迫固定する固定部56と、乳房44の圧迫を解除する方向に変位可能に構成される可動部60a、60bとを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置及び該マンモグラフィ装置に用いられる乳房圧迫板に関する。
一般に、マンモグラフィ装置においては、放射線を照射する放射線源と放射線を受ける検出器を有する撮影台との間に、該撮影台に対して被検者の乳房を圧迫する乳房圧迫板が使用されている。該乳房圧迫板により、被写体としての乳房を扁平して圧迫することで、乳房の厚さを略均一にして良好な放射線画像を得ている。
特許文献1には、上下動可能な支持部材に設けられた乳房圧迫板を降下させ、乳房を圧迫することが記載されている。また、特許文献2には、乳房圧迫板と該乳房圧迫板を支持する支持棒との間に角度調節部を設けることにより、角度の調整が可能な乳房圧迫板が記載されている。
ところで、通常、乳房圧迫板により乳房を固定する際は、始めから乳房圧迫板を用いるのではなく、先ず、撮影を行う技師が乳房を手で固定し、このように手で固定した状態のまま乳房圧迫板により圧迫固定している。従って、固定後には、技師は乳房圧迫板により乳房と共に圧迫された(挟まれた)状態の手を乳房圧迫板から逃げるようにして抜き出す必要がある。
しかしながら、上記引用文献1に記載の乳房圧迫板のように、撮影台と平行のままで圧迫固定する構成では、圧迫固定後、手を抜き出すのが困難であり、また、技師及び被検者の双方に苦痛を伴う懸念がある。また、上記引用文献2に記載の乳房圧迫板では、被検者の体型に合わせて乳房圧迫板の角度を調整することができるが、この場合、被検者の体型等に合わせて角度調整を行った後、角度調節部を固定してから圧迫する構成であるため、上記引用文献1と同様に、技師が手を抜き出すのが困難である。
一方、特許文献3には、乳房の先端に向けた傾斜に応じて角度を調節可能で、小さいサイズの乳房にも有効な乳房圧迫板が記載されている。しかしながら、この場合の角度調節は、乳房をより均一に固定するための機能であって、技師の手の抜き易さについては考慮されておらず、角度固定後は手を抜くことが困難である。また、この場合、乳房圧迫板が一枚板であり、該乳房圧迫板の全面で乳房を圧迫固定する構造であるため、技師が手を抜く際、仮に角度を緩めてしまうと、所望の位置で固定されている乳房がずれてしまうことになる。
特開平4−64346号公報 実開平6−38916号公報 米国特許第5506877号明細書
本発明は、上記従来の課題を考慮してなされたものであり、乳房を圧迫する乳房圧迫板による乳房の圧迫固定時、乳房を所望の位置に固定した状態で、技師が容易に手を抜くことを可能とする乳房圧迫板及び該乳房圧迫板を備えるマンモグラフィ装置を提供することを目的とする。
本発明は、被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置であって、前記放射線画像の情報を取得する放射線画像取得部を有する撮影台と、前記撮影台に対して前記乳房を圧迫する乳房圧迫板とを備え、前記乳房圧迫板は、前記被検者の胸壁に対峙する面を含み乳房を圧迫固定する固定部と、前記乳房の圧迫を解除する方向に変位可能に構成される可動部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における撮影台に対して前記乳房を圧迫する乳房圧迫板であって、前記被検者の胸壁に対峙する面を含み乳房を圧迫固定する固定部と、前記乳房の圧迫を解除する方向に変位可能に構成される可動部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、マンモグラフィ装置における乳房の圧迫固定時、技師が乳房圧迫板と乳房や撮影台との間から容易に手を抜くことができるようになる。このため、技師の作業負担が軽減されると共に、被検者の負担も軽減される。
以下、本発明に係るマンモグラフィ装置について、該マンモグラフィ装置に搭載される乳房圧迫板との関係で実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマンモグラフィ装置12の斜視説明図である。マンモグラフィ装置12は、被写体である乳房の放射線画像情報を撮影して取得する装置である。
マンモグラフィ装置12は、立設状態に設置される基台26と、基台26の略中央部に配設される旋回軸28に固定されるアーム部材30と、被検者32の乳房(マンモ)に対して放射線を照射する放射線源を収納し、アーム部材30の一端部に固定される放射線源収納部34と、被検者32を透過した放射線を検出して放射線画像情報を取得する固体検出器を収納し、アーム部材30の他端部に固定される撮影台36と、撮影台36に対して被検者32の乳房を圧迫して固定(保持)する乳房圧迫板38とを備える。
放射線源収納部34、撮影台36及び乳房圧迫板38が固定されたアーム部材30は、旋回軸28を中心として矢印A方向に旋回することで、被検者32の乳房に対する撮影方向が調整可能に構成される。
図2は、マンモグラフィ装置12における撮影台36の内部構成概略説明図であり、撮影台36と乳房圧迫板38の間に被検者32の撮影部位である乳房44を設定した状態を示す。
撮影台36の内部には、放射線源収納部34に内蔵された放射線源から出力された放射線Xに基づく放射線画像情報を蓄積し、電気信号として出力する固体検出器46(放射線画像情報取得部)と、固体検出器46に蓄積記録された放射線画像情報を読み取るために、固体検出器46に読取光を照射する読取光源48と、固体検出器46に蓄積されている不要電荷を除去するために、固体検出器46に消去光を照射する消去光源50とを備える。
固体検出器46は、直接変換方式且つ光読出方式の放射線固体検出器であって、乳房圧迫板38により扁平に圧迫されて保持される乳房44を透過した放射線Xからなる放射線画像情報を静電潜像として蓄積し、読取光源48からの読取光により走査されることで、静電潜像に応じた電流を発生する。固体検出器46は、放射線画像情報の記録時には乳房44に近接する部位に移動し、消去時には消去光源50に近接する部位に移動するように構成される。
固体検出器46は、より具体的には、ガラス基板上に形成され、放射線Xを透過する第1導電層と、放射線Xが照射されることで電荷を発生する記録用光導電層と、第1導電層に帯電される潜像極性電荷に対して略絶縁体として作用する一方、潜像極性電荷と逆極性の輸送極性電荷に対して略導電体として作用する電荷輸送層と、読取光が照射されることで電荷を発生して導電性を呈する読取用光導電層と、放射線Xを透過する第2導電層とを順に積層して構成される。記録用光導電層と電荷輸送層との界面には、蓄電部が形成される。
第1導電層及び第2導電層は、それぞれ電極を構成する。第1導電層の電極は、二次元状の平坦な平板電極とされ、第2導電層の電極は、記録される放射線画像情報を画像信号として検出するための所定の画素ピッチからなる多数の線状電極として構成される。線状電極の配列方向が主走査方向、線状電極の延在する方向が副走査方向に対応する(例えば、特開2004−154409号公報参照)。
読取光源48は、例えば、複数のLEDチップを一列に並べて構成されるライン光源と、ライン光源から出力された読取光を固体検出器46上に線状に照射させる光学系とを有し、固体検出器46の第2導電層である線状電極の延在方向と直交する方向にLEDチップが配列されたライン光源を前記線状電極の延在方向に移動させることで固体検出器46の全面を露光走査する。
消去光源50は、短時間で発光又は消光し、且つ、残光の非常に小さい光源が好適であり、例えば、読取光源48を構成するLEDチップの配列方向に延在し、且つ、前記配列方向と直交する方向に配列される複数の外部電極型希ガス蛍光ランプを使用することができる。
乳房圧迫板38は、アーム部材30に連結された状態で放射線源収納部34と撮影台36の間に配設されており、矢印B方向に可動(変位)する支持アーム52を介して矢印B方向に変位可能である。
ここで、乳房圧迫板38について、図2〜図7を参照して説明する。図2及び図3に示すように、本実施形態に係る乳房圧迫板38は、被検者32の胸壁32aに対峙する面(胸壁32aに当接する部分)である当接面54を有し、支持アーム52が取り付けられる平面視略T字状の固定部56と、可動部60a、60bとから構成される。可動部60a、60bは、固定部56において支持アーム52が取り付けられている主圧迫部56bを挟むように2個設けられ、固定部56の当接面54を有する基部56aに設けられるヒンジ58を軸として撮影台36側とは反対側に変位(旋回)自在である(図5及び図6参照)。
また、固定部56の主圧迫部56bと可動部60a、60bとの間には、ロック機構62が2個ずつ設けられる(図4参照)。ロック機構62は、乳房44の圧迫固定時や撮影時、可動部60a、60bを固定部56(主圧迫部56b)にロック(固定)する機能を奏するものであり、主圧迫部56bの長手方向両側面に突設され、三角柱を横臥した形状からなる突起部62aと、該突起部62aが係合可能で、可動部60a、60bにおける主圧迫部56b側の側面に設けられる孔部62bとから構成される。このため、乳房圧迫板38では、可動部60a、60bの固定部56への固定(ロック)又は固定の解除(ロックの解除)を容易に変更可能である。
さらに、基台26には、マンモグラフィ装置12によって検出された被検者32の撮影部位、撮影方向等の撮影情報、被検者32のID情報等を表示すると共に、必要に応じてこれらの情報を設定可能な表示操作部40が配設される。
本実施形態のマンモグラフィ装置12は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
先ず、図示しないコンソール、IDカード等を用いて、被検者32に係るID情報、撮影方法等の設定を行う。この場合、ID情報には、被検者32の氏名、年齢、性別等の情報があり、被検者32が所持するIDカード等から取得することが可能である。また、撮影方法には、医師によって指示された撮影部位、撮影方向等の情報があり、例えば、コンソールから技師が入力する。これらの情報は、マンモグラフィ装置12の表示操作部40に表示して確認することができる。
次に、技師は、指定された撮影方法に従ってマンモグラフィ装置12を所定の状態に設定する。例えば、乳房44の撮影方法としては、上部から放射線Xを照射して撮影を行う頭尾方向(CC)撮影(図2参照)、側面から放射線Xを照射して撮影を行う側面方向(ML)撮影、斜め方向から放射線Xを照射して撮影を行う内外側斜位(MLO)撮影があり、これらの撮影方法に応じてアーム部材30を旋回軸28を中心に旋回させる。
次いで、マンモグラフィ装置12に対して被写体である乳房44を指定された撮影状態に設定する。例えば、乳房44に対する頭尾方向(CC)撮影を行う場合、図2に示すように、乳房44を撮影台36に載置した後、乳房圧迫板38を押し下げ、撮影台36と乳房圧迫板38との間に乳房44を保持させる。
この場合、先ず、技師が手で乳房44の撮影台36上の所望の位置に固定し、この手で固定した状態のまま乳房圧迫板38を降下させて、技師の手を挟んだ状態で乳房44を圧迫固定する。従って、その後、技師は乳房圧迫板38から逃げるように手を抜き出す必要がある。
ここで、マンモグラフィ装置12では、上記のような乳房圧迫板38を備えるため、技師の手で固定した状態のまま乳房圧迫板38を降下させて圧迫する際には、固定部56の基部56aにより乳房44の根元部分(胸壁32a側)が幅方向に確実に保持され、且つ、固定部56の主圧迫部56bにより乳房44の幅方向中心部が根元部分から先端部分まで確実に保持される。
このとき、可動部60a、60bのロックを解除した状態としておくことで、可動部60a、60bがヒンジ58により撮影台36とは反対側に変位(旋回)することにより、技師の手は可動部60a、60bによって過度に圧迫されることはない。このため、技師は、例えば、図4及び図5の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。なお、この際、上記のように、乳房44の根元部分と幅方向中心部の根元部分から先端部分は、固定部56により確実に保持されている。このため、乳房44が固定されたままほとんどずれることなく、手を抜くことができる。
次いで、可動部60a、60bにより乳房44を均一に圧迫しながら、ロック機構62により可動部60a、60bをロックする。これにより、乳房44は乳房圧迫板38と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定される。
以上のように、本実施形態に係る乳房圧迫板38によれば、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。なお、小さいサイズの乳房44の場合には、該乳房44を所望の位置への固定する際、技師が一層強く乳房を引っ張りながら固定する必要があり、この場合、技師が手を抜く際に乳房44の位置がずれてしまう可能性が高い。しかしながら、本実施形態の乳房圧迫板38では、乳房44の根元部分と、幅方向中心部の根元部分から先端部分を、固定部56により確実に保持しておきながら手を抜くことができる。すなわち、乳房圧迫板38は、小さいサイズの乳房44に対して一層有効である。
そして、被検者32の撮影部位(姿勢)が確定した後、放射線源収納部34に収納されている放射線源を駆動し、放射線画像情報の撮影が行われることになる。
すなわち、乳房圧迫板38及び撮影台36間に保持された乳房44を透過した放射線Xは、撮影台36に収納されている固体検出器46に照射される。なお、固体検出器46は、撮影に先立ち、消去光源50からの消去光が全面に照射されて不要電荷が除去された後、図2の二点鎖線で示す位置に配置されている。そして、放射線画像情報を担持した放射線Xが固体検出器46に照射されると、固体検出器46の記録用光導電層内で正負の電荷対が発生し、その負電荷が記録用光導電層と電荷輸送層との界面に形成された蓄電部に蓄積されることにより、放射線画像情報の撮影が行われる。
次いで、読取光源48が固体検出器46に沿って矢印方向に移動して読取光が照射され、上記放射線画像情報は、図示しないCAD装置等により、病変部位等の自動検出が行われ、該放射線画像情報に病変部位を示すマーキング等の処理が施された後、診断が行われる。
その後、放射線画像情報の読み取られた固体検出器46には、次の撮影を行うため、消去光源50から発せられた消去光が照射され、蓄積されている不要電荷が除去される。
次に、本発明の第2の実施形態に係る乳房圧迫板につき、図8〜図10を参照して説明する。なお、図8〜図10において、図1〜図7に示される参照符号と同一の参照符号は、同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして、以下同様とする。
この第2の実施形態に係る乳房圧迫板64は、上記第1の実施形態における乳房圧迫板38と比較して、ヒンジ58の近傍にねじりコイルばね(トーションばね)66が設けられ、ロック機構62を有していない点が相違する。
ねじりコイルばね66は、可動部60a、60bを撮影台36側に付勢するように設けられる。このため、乳房圧迫板64により技師の手で固定されている乳房44を圧迫する際には、固定部56により乳房44の根元部分及び幅方向中心部の根元部分から先端部分までが確実に固定され、可動部60a、60bは技師の手を軽微に圧迫しながら、ねじりコイルばね66の付勢力に抗って、撮影台36とは反対側に変位することになる(図9及び図10参照)。
従って、技師の手及び乳房44は過度に圧迫されることがない。よって、技師は、例えば、図8及び図9の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。また、技師が手を抜いた後、ねじりコイルばね66の付勢力により、可動部60a、60bは乳房44を均一に圧迫することになる。これにより、乳房44は乳房圧迫板64と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定される。
以上のように、マンモグラフィ装置12において、本実施形態における乳房圧迫板64を用いることにより、上記第1の実施形態における乳房圧迫板38を用いる場合と同様に、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。なお、本実施形態に係る乳房圧迫板64についても、ロック機構62を設けることは当然可能である。
なお、本実施形態における乳房圧迫板64においては、図10中の二点差線で示すように、可動部60a、60bを主圧迫部56bと水平な状態よりも撮影台36側に変位するように構成してもよい。このようにすると、根元部分から先端部分に向かって傾斜するような形状の乳房44であっても、一層確実に固定することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る乳房圧迫板につき、図11〜図13を参照して説明する。
この第3の実施形態に係る乳房圧迫板68は、上記第1の実施形態における乳房圧迫板38と比較して、固定部56及び可動部60a、60bの替わりに、固定部70及び可動部72a、72bが設けられ、ロック機構62を有していない点が相違する。
固定部70は、上記固定部56における主圧迫部56bの替わりに主圧迫部70bを有し、該主圧迫部70bの基部56a側とは反対側の端部(乳房44を圧迫した場合における乳房44の先端方向の端部)には、撮影台36方向に所定距離オフセットして、コイルばね74が取り付けられる取付部76が2個設けられる。
可動部72a、72bは、上記可動部60a、60bと比較すると、コイルばね74が取り付けられる取付部78を有する点が相違する。取付部78は、可動部72a、72bが原点位置(可動部72a、72bの旋回角度が略0°、すなわち、可動部72a、72bと主圧迫部70bとが略同表面を成す位置)において、主圧迫部70bの取付部76と重なるように設けられる(図11参照)。
そして、コイルばね74は、主圧迫部70bの取付部76と、可動部72a、72bの取付部78との間に、可動部72a、72bを撮影台36側に付勢するように設けられる。このため、上記第2の実施形態における乳房圧迫板64の場合と同様、乳房圧迫板68により技師の手で固定されている乳房44を圧迫する際には、固定部70により乳房44の根元部分及び幅方向中心部の根元部分から先端部分までが確実に固定され、可動部72a、72bは技師の手を軽微に圧迫しながら、コイルばね74の付勢力に抗って、撮影台36とは反対側に変位することになる。
従って、技師の手及び乳房44は過度に圧迫されることがない。そして、技師は、例えば、図11及び図12の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。また、技師が手を抜いた後、コイルばね74の付勢力により、可動部72a、72bは乳房44を均一に圧迫することになる。これにより、乳房44は乳房圧迫板68と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定される。
以上のように、マンモグラフィ装置12において、本実施形態における乳房圧迫板68を用いることにより、上記各実施形態における乳房圧迫板38、64を用いる場合と同様に、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。なお、本実施形態における乳房圧迫板68についても、ロック機構62を設けることは当然可能である。
次に、本発明の第4の実施形態に係る乳房圧迫板につき、図14及び図15を参照して説明する。
この第4の実施形態に係る乳房圧迫板80は、上記第1の実施形態に係る乳房圧迫板38と比較して、固定部56及び可動部60a、60bの替わりに、固定部82及び可動部84a、84bを有する点が相違する。
図14及び図15に示すように、固定部82は、平面視略H字状であって、上記固定部56における基部56a及び主圧迫部56bの替わりに、基部82a及び主圧迫部82bを有し、さらに、主圧迫部82bの基部82a側とは反対側には、基部82aと平行に先端部82cが設けられる。主圧迫部82bには、ヒンジ58が4個設けられ、各ヒンジ58を軸として可動部84a、84bが、撮影台36側とは反対側に旋回自在に取り付けられる。
つまり、基部82aと先端部82cで挟まれる主圧迫部82bの一方の側面には、2個の可動部84aが設けられると共に、他方の側面には、2個の可動部84bが設けられる。さらに、基部82aと可動部84a、84bとの間、先端部82cと可動部84a、84bとの間、可動部84a同士の間、及び、可動部84b同士の間には、ロック機構62が夫々2個ずつ備えられる。
このため、本実施形態における乳房圧迫板80により、技師の手で所望の位置に固定されている乳房44を圧迫する際には、ロック機構62を解除しておくことで、固定部82により乳房44の根元部分及び幅方向中心部の根元部分から先端部分までが確実に固定されると共に、可動部84a、84bが旋回移動するため、技師の手及び乳房44が過度に圧迫されることはない。そして、技師は、例えば、図14及び図15の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。次いで、可動部84a、84bにより乳房44を均一に圧迫しながら、ロック機構62により可動部84a、84bをロックすると、乳房44は乳房圧迫板80と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定されることになる。
以上のように、マンモグラフィ装置12において、本実施形態における乳房圧迫板80を用いることにより、上記各実施形態における乳房圧迫板38、64、68を用いる場合と同様、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。
次に、本発明の第5の実施形態に係る乳房圧迫板につき、図16及び図17を参照して説明する。
この第5の実施形態に係る乳房圧迫板86は、上記第4の実施形態に係る乳房圧迫板80と比較して、ヒンジ58の近傍にねじりコイルばね(トーションばね)66が設けられ、先端部82c及びロック機構62を有していない点が相違する。
このため、乳房圧迫板86により技師の手で固定されている乳房44を圧迫する際には、固定部82により乳房44の根元部分及び幅方向中心部の根元部分から先端部分までが確実に固定され、可動部84a、84bは技師の手を軽微に圧迫しながら、ねじりコイルばね66の付勢力に抗って、撮影台36とは反対側に変位することになる。
従って、技師の手及び乳房44は過度に圧迫されることがない。そして、技師は、例えば、図16及び図17の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。また、技師が手を抜いた後、ねじりコイルばね66の付勢力により、可動部84a、84bは乳房44を均一に圧迫することになる。これにより、乳房44は乳房圧迫板86と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定される。
以上のように、マンモグラフィ装置12において、本実施形態における乳房圧迫板86を用いることにより、上記各実施形態における乳房圧迫板38、64、68、80を用いる場合と同様、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。なお、本実施形態に係る乳房圧迫板86についても、ロック機構62を設けることは当然可能であり、この場合には、固定部82について、上記第4の実施形態の乳房圧迫板80と同様に、先端部82cを備えるようにすればよい。
なお、本実施形態における乳房圧迫板86においても、上記乳房圧迫板64と同様に、可動部84a、84bを主圧迫部82bと水平な状態よりも撮影台36側に変位するように構成してもよい。
次に、本発明の第6の実施形態に係る乳房圧迫板につき、図18及び図19を参照して説明する。
この第6の実施形態に係る乳房圧迫板88は、上記第4の実施形態に係る乳房圧迫板80と比較して、固定部82及び可動部84a、84bの替わりに、固定部90及び可動部92a、92bが設けられ、ロック機構62を有していない点が相違する。
固定部90は、上記固定部82における基部82a及び先端部82cの替わりに基部90a及び先端部90cを有する。基部90aの可動部92a、92bと向かい合う端部には、取付部76が2個設けられ、同様に、先端部90cの可動部92a、92bと向かい合う端部には、取付部76が2個設けられる。また、可動部92a、92bは、上記可動部84a、84bと比較すると、コイルばね74が取り付けられる取付部78を有する点が相違する。
そして、コイルばね74は、可動部92a、92bを撮影台36側に付勢するように設けられる。このため、上記第5の実施形態における乳房圧迫板86の場合と同様、乳房圧迫板88により技師の手で固定されている乳房44を圧迫する際には、固定部90により乳房44の根元部分及び幅方向中心部の根元部分から先端部分までが確実に固定され、可動部92a、92bは技師の手を軽微に圧迫しながら、コイルばね74の付勢力に抗って、撮影台36とは反対側に変位することになる。
従って、技師の手及び乳房44は過度に圧迫されることがない。そして、技師は、例えば、図18及び図19の矢印H方向に容易に手を抜き取ることができる。また、技師が手を抜いた後、コイルばね74の付勢力により、可動部92a、92bは乳房44を均一に圧迫することになる。これにより、乳房44は乳房圧迫板88と撮影台36との間で、所望の位置に確実に固定される。
以上のように、マンモグラフィ装置12において、本実施形態における乳房圧迫板88を用いることにより、上記各実施形態における乳房圧迫板38、64、68、80、86を用いる場合と同様、技師の手が過度に圧迫されることが回避されると共に、乳房44が技師の手を介して過度に圧迫されることも回避される。さらに、技師が手を抜く際の作業時間も大幅に短縮される。このため、技師の作業負担や圧迫による苦痛が大幅に軽減されると共に、被検者32の負担や苦痛も大幅に軽減される。なお、本実施形態に係る乳房圧迫板88についても、上記乳房圧迫板80と同様に、ロック機構62を設けることは当然可能である。
なお、本発明は上記各実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
各固定部56、70、82、90と各可動部60a、60b、72a、72b、84a、84b、92a、92bの形状は、上記各実施形態に挙げた形状以外にも、乳房44の圧迫した状態で、技師が容易に手を抜くことができる形状であればよい。例えば、図20の乳房圧迫板65に示すように、主圧迫部を有さず、固定部56に一枚板の可動部61aを取り付けるような構成としてもよい。なお、この場合、主圧迫部による乳房44の幅方向中心部の根元部分から先端部分までの固定はできないが、より低コスト且つ簡略的な構成となるため、使用条件等によっては有効である。
また、ロック機構62は、突起部62a及び孔部62bからなるもの以外にも、各可動部60a、60b、72a、72b、84a、84b、92a、92bを固定及び固定の解除が可能であれば特に限定されるものではない。
また、上記乳房圧迫板64、86においては、可動部60a、60b、84a、84bを主圧迫部56b、82bと水平な状態よりも撮影台36側に変位するように構成してもよいものとしたが、他の実施形態に係る乳房圧迫板38、65、68、80、88でも同様な構成とすることは当然可能である。この場合、例えば、乳房圧迫板38では、主圧迫部56bを若干厚く構成して、突起部62aを上下2段又は3段に設けるようにする等すればよい。また、例えば、乳房圧迫板68では、主圧迫部70bの先端に設けられる取付部76を撮影台36側に若干オフセットするようにする等すればよい。
なお、上記各実施形態に係る乳房圧迫板38、64、65、68、80、86、88を構成する各部品としては、放射線を透過する材質を用いることが好ましい。
また、固体検出器46の替わりに、放射線を照射すると、その放射線エネルギの一部を蓄積し、後にレーザ光や可視光等の励起光を照射することで蓄積されたエネルギに応じた輝尽発光を示す蓄積性蛍光体層を有する蓄積性蛍光体シートや、X線フィルムを収納したカセッテ等を用いてもよい。
本発明の第1の実施形態におけるマンモグラフィ装置の斜視説明図である。 前記マンモグラフィ装置における撮影台の内部構成概略説明図である。 前記マンモグラフィ装置における乳房圧迫板の斜視図である。 前記乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す側面図である。 図4の線VII−VIIにおける断面図である。 本発明の第2の実施形態における乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態における乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態における乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態における乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態における乳房圧迫板の平面図である。 前記乳房圧迫板の可動部が変位した状態を示す斜視図である。 本発明に係る乳房圧迫板の変形例を示す斜視図である。
符号の説明
12…マンモグラフィ装置 26…基台
32…被検者 32a…胸壁
34…放射線源収納部 36…撮影台
38、64、65、68、80、86、88…乳房圧迫板
44…乳房 46…固体検出器
52…支持アーム 54…当接面
56、70、82、90…固定部 56a、82a、90a…基部
56b、70b、82b…主圧迫部 58…ヒンジ
60a、60b、61a、72a、72b、84a、84b、92a、92b…可動部
62…ロック機構 62a…突起部
62b…孔部 66…ねじりコイルばね
74…コイルばね 76、78…取付部

Claims (4)

  1. 被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置であって、
    前記放射線画像の情報を取得する放射線画像取得部を有する撮影台と、
    前記撮影台に対して前記乳房を圧迫する乳房圧迫板とを備え、
    前記乳房圧迫板は、前記被検者の胸壁に対峙する面を含み乳房を圧迫固定する固定部と、前記乳房の圧迫を解除する方向に変位可能に構成される可動部とを備えることを特徴とするマンモグラフィ装置。
  2. 請求項1記載のマンモグラフィ装置において、
    前記乳房圧迫板は、前記可動部の変位をロックするロック機構を備えることを特徴とするマンモグラフィ装置。
  3. 被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における撮影台に対して前記乳房を圧迫する乳房圧迫板であって、
    前記被検者の胸壁に対峙する面を含み乳房を圧迫固定する固定部と、
    前記乳房の圧迫を解除する方向に変位可能に構成される可動部とを備えることを特徴とする乳房圧迫板。
  4. 請求項3記載の乳房圧迫板において、
    前記可動部の変位をロックするロック機構を備えることを特徴とする乳房圧迫板。
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