JP2007227583A - 金属用研磨液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、特定のアミノ酸誘導体を含有する金属用研磨液。
【選択図】なし
Description
このための技術として、絶縁性薄膜(SiO2等)や配線に用いられる金属薄膜を研磨し、半導体集積回路用基板(以下、単に「基板」ともいう。)の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行う化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」という。)等の種々の技術が用いられてきている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液(スラリー)で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤および基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。CMPに用いる金属用研磨液は、一般には砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
このような従来の固体砥粒における問題点を解決するための技術として、例えば、特許文献1には、砥粒を含まず、過酸化水素、リンゴ酸、ベンゾトリアゾール、ポリアクリル酸アンモニウムおよび水を含有する金属用研磨液が開示されている。
この方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られるものの、従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、十分な研磨速度が得難いという問題点を有している。
しかしながら、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、溶解作用のみによる化学研磨方法は、凸部以外の部分も画一的に溶解させるため、ディッシング等が発生しやすく平坦性の確保が課題となっている。
このため、銅配線を高速研磨する際に銅と一緒にタンタルまで研磨することを防止するために、研磨液には、銅が削れやすく、タンタルが削れにくいという、銅とタンタルとの研磨選択性(以下、「銅/タンタル研磨選択性」という。)が要求されている。
(1)半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、
下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体、および/または、下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体にカルボキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基およびこれらの基を部分構造として含む置換基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基が導入されたアミノ酸誘導体を含有する金属用研磨液。
(式中、X1〜X5は、それぞれ独立に、CHまたはNを表し、X1〜X5のうち少なくとも1つはNである。)
(2)研磨される金属が、銅または銅合金である上記(1)に記載の金属用研磨液。
(3)更に、水および/または水溶液を含有する上記(1)または(2)に記載の金属用研磨液。
(4)更に、酸化剤を含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属用研磨液。
(5)更に、不動態膜形成剤を含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属用研磨液。
(6)更に、砥粒を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の金属用研磨液。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の金属用研磨液を用いて化学的機械的研磨された半導体集積回路用基板。
本発明の金属用研磨液は、半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液であって、下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体(以下、「アミノ酸誘導体(A)」という。)、および/または、下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体にカルボキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基およびこれらの基を部分構造として含む置換基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基が導入されたアミノ酸誘導体(以下、「アミノ酸誘導体(B)」という。)を含有する。
まず、本発明の金属用研磨液に用いられるアミノ酸誘導体(A)およびアミノ酸誘導体(B)について詳細に説明する。
上記アミノ酸誘導体(A)は、下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体である。
また、上記アミノ酸誘導体(B)は、下記式(I)で表されるアミノ酸誘導体(アミノ酸誘導体(A))にカルボキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基およびこれらの基を部分構造として含む置換基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基が導入されたアミノ酸誘導体である。これらは、単独で用いてもよく、併用してもよい。
X1=N,X2〜X5=CH;
X2=N,X1,X3〜X5=CH;
X3=N,X1,X2,X4およびX5=CH;
X1〜X2=N,X3〜X5=CH;
X1およびX3=N,X2,X4およびX5=CH;
X1およびX4=N,X2,X3およびX5=CH;
X1およびX5=N,X2〜X4=CH;
X1,X3およびX5=N,X2およびX4=CH
が好適に挙げられる。
より好ましくは、
X1=N,X2〜X5=CH;
X1〜X2=N,X3〜X5=CH;
X1およびX3=N,X2,X4およびX5=CH;
X1およびX4=N,X2,X3およびX5=CH;
X1およびX5=N,X2〜X4=CH;
X1,X3およびX5=N,X2およびX4=CHである。
更に好ましくは、X1=N,X2〜X5=CHである。
また、上記アミノ酸誘導体に導入しうる、アルキル基を部分構造として含む置換基としては、例えば、活性メチン基を含むアルキル基等が挙げられる。
上記アリール基は、置換基を有していてもよいが、無置換である方が好ましい。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基がより好ましい。
なお、これらの置換基は、ここに挙げられた置換基により更に置換されていてもよい。
上記ヘテロ環基は、置換基を有していてもよいが、無置換である方が好ましい。
また、上記アミノ酸誘導体に導入しうる置換基の数は、1〜2個が好ましく、より好ましくは1個である。
ここで、複数の置換基が導入される場合、それらは同じものであっても、互いに異なるものであってもよい。
まず、HETEROCYCLES,349−355(1985)を参考にして合成したエステル体を溶媒に溶解する。この溶媒としては、例えば、水、アセトニトリル、アルコール、またはこれらの混合溶媒が挙げられ、水単独が好ましい。
次に、上記混合物に、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはアンモニアの水溶液を、上記エステル体に対して0.1〜10倍モル加える。そして、反応溶液を5〜90℃でかくはんした後、貧溶媒を加えて生成物を析出させる。貧溶媒としては、アルコール、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合溶媒がよい。
その後、濾取した析出物を風乾することで目的物が得られる。
また、本発明の金属用研磨液は、上記アミノ酸誘導体(A)および/またはアミノ酸誘導体(B)がタンタルとは銅ほど相互作用しないため、良好な銅/タンタル研磨選択性を有すると考えられる。
また、上記アミノ酸誘導体(A)および/またはアミノ酸誘導体(B)が銅表面を改質するため、本発明の金属用研磨液を用いてCMPを行なう場合、ディッシングが少なく、基板の平坦性を向上させることできると考えられる。
本発明の金属用研磨液は、上述したアミノ酸誘導体(A)および/またはアミノ酸誘導体(B)と、酸化剤と、溶媒/分散媒とを含有する他は、その処方に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない限りにおいては、公知の金属用研磨液に用いられる化合物を目的に応じて選択して用いることができる。本発明の金属用研磨液は、更に、芳香環を有する化合物を含有することが好ましく、芳香族へテロ環化合物を含有することがより好ましい。
本発明の金属用研磨液は、溶媒/分散剤として、更に、水および/または水溶液を含有するのが好ましい。
上記水溶液としては、例えば、酸化剤、有機酸、添加剤および界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有する水溶液等が挙げられる。
本明細書において「濃縮」および「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」および「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発等の物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
本発明の金属用研磨液は、更に、酸化剤を含有するのが好ましい。
上記酸化剤としては、研磨対象の金属を酸化できる化合物であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、銀(II)塩、鉄(III)塩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、およびオゾン水が好ましい。
上記鉄(III)の有機錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸等やこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸およびその塩等が挙げられる。
これらの中でも、過酸化水素、硝酸、過ヨウ化酸カリウム、次亜塩素酸、およびオゾン水が好ましく、特に過酸化水素が好ましい。
酸化剤を混合する時期は、研磨液を使用する直前の1時間以内が好ましく、より好ましくは5分以内、更に好ましくは、研磨装置にて研磨液を供給する直前に混合液を設け、被研磨面へ供給する直前5秒以内に混合することである。
本発明の金属用研磨液は、更に、不動態膜形成剤を含有することが好ましい。
上記不動態膜形成剤は、金属表面に研磨速度を制御する不動態膜を形成し得る化合物であり、例えば、芳香環を有する化合物(以下「芳香環化合物」という。)が好適に挙げられる。
上記芳香環化合物は、不動態膜を形成する機能の他に、酸化剤の分解を抑制する機能を有する。特に、本発明の金属用研磨液が、金属塩、金属イオンを含む場合、これらが触媒として機能して酸化剤の分解を早める問題があるが、上記芳香環化合物を含有すると酸化剤の分解を抑制できるので有用である。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが、高いCMP速度と低いエッチング速度を両立できる点から好ましい。
上記式(III)中、R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子または後述する置換基を表す。R3とR4、R4とR5、R5とR6は、それぞれ独立に、互いに結合して環を形成してもよい。
M+は後述する陽イオンを表す。
また、塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属等の陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等の有機の陽イオンを意味する。
即ち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)、アルキル基(直鎖、分岐または環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい。)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない。)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む。)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリールまたはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基は、ここで挙げた置換基で更に置換されていてもよい。
また、化合物III−37は、Tetrahedron Letters、51(7)、1861−1866(1995)およびTetrahedron Letters、44(25)、4741−4745(2003)に記載の方法に準じて合成することができる。
他の化合物もこれらに記載の方法に準じて合成することができる。
これらの特性のバランスにより優れる点から、上記不動態膜形成剤の含有量は、研磨に使用する際の金属用研磨液(使用液)1L中、より好ましくは0.001〜0.5mol、更に好ましくは0.01〜0.1molである。
本発明の金属用研磨液は、更に、砥粒を含有することが好ましい。
上記砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレート等が好適に挙げられる。
これらの特性のバランスにより優れる点から、上記砥粒の含有量は、使用する際の金属用研磨液(使用液)の全質量に対して、0.05〜5質量%であることがより好ましい。
本発明の金属用研磨液は、、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用等を目的として、上記アミノ酸誘導体以外の有機酸を含有することができる。上記有機酸は、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、上述した酸化剤として機能する酸を包含するものではない。
上記有機酸は、酸を発生する有機化合物であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物が好適に挙げられる。また、上記有機酸は、水溶性のものが好ましく、具体的には、例えば、アミノ酸類が好適に挙げられる。
これらの中でも、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリシン、グリコール酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸が、実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点からより好ましい。
これらの特性のバランスにより優れる点から、上記有機酸の含有量は、研磨に使用する際の金属用研磨液(使用液)1L中、0.005〜0.3molがより好ましく、0.01〜0.1molが更に好ましい。
本発明の金属用研磨液は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用等を目的として、更に、無機酸を含有することができる。
上記無機酸としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸等が挙げられる。これらの中でも、リン酸が好ましい。
これらの特性のバランスにより優れる点から、上記無機酸の含有量は、研磨に使用する際の金属用研磨液(使用液)1L中、0.005〜0.3molがより好ましく、0.01〜0.1molが更に好ましい。
本発明の金属用研磨液は、混入する多価金属イオン等の悪影響を低減できる点から、更に、キレート剤(即ち、硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
上記キレート剤は、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物である。具体的には、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の金属用研磨液は、更に、界面活性剤および/または親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。
上記界面活性剤および/または親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好ましい。
また、フッ素系界面活性剤を用いることもできる。
上記例示した化合物の中でも、シクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーが好ましい。
これらの特性のバランスにより優れる点から、0.01〜5gがより好ましく、0.1〜3gが更に好ましい。
本発明の金属用研磨液は、必要に応じて、pH調整のために、更に、アルカリ剤を含有することができる。また、pHの変動抑制の点から、更に、緩衝剤を含有することができる。
より具体的には、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、およびテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドが好ましい。
また、研磨に使用する際の金属用研磨液(使用液)のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましく、3.5〜8が更に好ましい。pHがこの範囲であれば、本発明の金属用研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明の金属用研磨液は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、以下の添加剤を含有してもよい。
上記添加剤としては、アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムおよびキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2′−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)およびキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン;アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でもキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが、高いCMP速度と低いエッチング速度を両立できる点から好ましい。
これらの特性のバランスにより優れる点から、上記添加剤の含有量は、研磨に使用する際の金属用研磨液(使用液)1L中、0.001〜0.2molとすることがより好ましく、0.005〜0.1molとすることが更に好ましい。
本発明の金属用研磨液を用いてCMPを行なう対象となる基板は、直径が200mm以上であることが好ましく、本発明の金属用研磨液が顕著に効果を発揮できる点から300mm以上がより好ましい。
本発明の金属用研磨液を用いて研磨される金属は、銅および/または銅合金が好ましい。即ち、本発明においては、研磨する対象である基板が、銅および/または銅合金からなる配線を持つ基板であることが好ましく、銅合金からなる配線を持つ基板がより好ましい。
更には、銅合金の中でも、銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0.00001〜0.1質量%が特に好ましい。この範囲であれば、本発明の金属用研磨液の効果を十分発揮できる。
本発明においては、研磨する対象である基板の配線の太さは、例えば、DRAMデバイス系では、ハーフピッチで0.15μm以下であるのが好ましく、0.10μm以下であるのがより好ましく、0.08μm以下であるのが更に好ましい。一方、MPUデバイス系では、0.12μm以下が好ましく、0.09μm以下がより好ましく、0.07μm以下が更に好ましい。これらのLSIに対して、本発明の金属用研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨する対象である基板が、銅および/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐためのバリア層を有していることが好ましい。バリア層としては低抵抗の金属材料がよく、特に、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが更に好ましい。
以下、本発明の金属用研磨液を用いた研磨方法を説明するが、研磨方法はこれに限定されない。
本発明の金属用研磨液は、(1)濃縮液であって、使用する際に水または水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、(2)各成分が後述する水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、(3)使用液として調製されている場合がある。
本発明の金属用研磨液を用いた研磨方法は、特に限定されないが、上記(1)〜(3)のいずれの場合にも適用でき、具体的には、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させることで研磨する研磨方法である。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。
また、研磨条件は、特に制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の回転速度が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体集積回路用基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性およびパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
研磨終了後の半導体集積回路用基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体集積回路用基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮された濃縮液を調製することができる。
例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤および水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で、構成成分(A)および構成成分(B)を希釈して使用することができる。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、酸化剤、添加剤、および界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、および水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え、構成成分(A)および構成成分(B)を希釈して使用する。
その他の混合方法としては、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された金属用研磨液(使用液)を供給する方法が挙げられる。
研磨用パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特に、2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、研磨用パッドは、研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂等)を含有したものでもよい。
また、研磨用パッドの硬さは、軟質のものと硬質のもののどちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。
研磨用パッドの材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。
また、研磨用パッドの研磨面と接触する面には、格子溝、穴、同心溝、らせん状溝等の加工が施されていてもよい。
<アミノ酸誘導体A−1の合成>
N−[2]−ピリジルメチル-グリシン-エチルエステル630g(3.2mol)を水945mLに溶解し、これに25%アンモニア水溶液415mL(6.1mol)を加えた。反応液を室温で24時間かくはんした後、塩酸で中和した。次に、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを加えることにより、析出物を得た。この析出物を濾取し、風乾し、下記式で表されるアミノ酸誘導体A−1を450g(2.7mol,収率85%)得た。
元素分析値 C8H10N2O2=166.2として、
計算値 C57.8 N16.9(%)
実測値 C57.6 N17.2(%)
下記に示す各成分を下記に示す組成でかくはん機を用いて混合し、実施例1の金属用研磨液を調製した。
得られた金属用研磨液を用いて、下記の方法により研磨試験を行い、銅研磨速度、ディッシングおよび銅/タンタル研磨選択性を評価した。
結果を下記第1表に示す。
(1)アミノ酸誘導体A−1・・・6g
(2)過酸化水素(酸化剤)・・・5g
(3)ベンゾトリアゾール(不動態膜形成剤)・・・0.9g
(4)コロイダルシリカ(砥粒)・・・9g
(5)純水・・・全量が1000mlとなる量
(6)アンモニア水および硫酸・・・研磨液のpHが6.4になるように調整
研磨試験は、以下の条件で行った。
・研磨パッド:IC1400XY−K Groove(ロデール社製)
・研磨機:LGP−612(LapmaSterSFT社製)
・押さえ圧力:100g/cm2
・研磨液供給速度:200ml/min
・銅ブランケットウエハ:厚さ1.4μmの銅膜を形成したウエハ(200mm)
・タンタルブランケットウエハ:厚さ1μmのタンタル膜を形成したウエハ(200mm)
・パターンウエハ:セマテック社製CMP854パターンウエハ(200mm)
・研磨パッド/ウエハの回転数:95/120rpm
・定盤温調:20℃
(1)銅研磨速度
上記銅ブランケットウエハ面上の49箇所に対し、銅膜のCMP前後での膜厚を電気抵抗値から換算して、銅の平均研磨速度(nm/min)を求めた。
上記パターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、この時間の50%に相当する時間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン100μm、スペース100μm)のディッシングを触針式段差計で測定した。
上記(1)の銅ブランケットウエハを上記タンタルブランケットウエハに換えた以外は上記(1)の方法と同様にして、タンタルの平均研磨速度(nm/min)を求めた。
このタンタルの平均研磨速度および上記(1)で測定した銅の平均研磨速度を、下記式に導入し、銅とタンタルの研磨速度比(銅/タンタル研磨速度比)を算出した。
実施例1の金属用研磨液の組成において、ベンゾトリアゾール(不動態膜形成剤)をテトラゾールに換えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の金属用研磨液を調製した。
得られた金属用研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、銅研磨速度、ディッシングおよび銅/タンタル研磨選択性を評価した。
結果を下記第1表に示す。
実施例1の金属用研磨液の組成において、アミノ酸誘導体A−1を下記第1表に示す有機酸に換えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の金属用研磨液を調製した。
得られた金属用研磨液を用いて、実施例1と同様の方法で、研磨速度、ディッシングおよび銅/タンタル研磨選択性を評価した。
結果を下記第1表に示す。
このような結果から、本発明の金属用研磨液は、銅および/または銅合金からなる配線を有する基板の研磨に用いられることが好ましく、銅および/または銅合金からなる配線を有し、バリア金属がタンタルである基板の研磨に用いられることがより好ましいことが明らかとなった。
Claims (3)
- 研磨される金属が、銅または銅合金である請求項1に記載の金属用研磨液。
- 請求項1または2に記載の金属用研磨液を用いて化学的機械的研磨された半導体集積回路用基板。
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