JP2006295152A - 金属用研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い研磨速度と良好なディッシング性能を両立するために金属用研磨液に求め
られる物性を解明し、その物性を達成した金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法を提供する。
【解決手段】酸化剤を含有する金属用研磨液であって、被研磨金属表面が酸化され始め
た直後の酸化反応速度をE1、酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度をE2としたとき、E1/E2が1.5以上であり、かつ(E1+E2)/2の酸化反応速度に達する
までに要する時間が1〜50秒であることを特徴とする金属用研磨液及びそれを用いた研磨方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に関するものであり、特に半導体デバイスの配線工程における金属用研磨液およびそれを用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、近年配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術に化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)が用いられてきているが、これは絶縁性薄膜(SiO2など)や配線に用いられる金属薄膜の研磨に用いられ、基板の平滑化や配線形成時の余分な金属薄膜の除去を行う方法であり、例えば特許文献1に開示されている。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ)と酸化剤(例えば過酸化水素)とが含まれる。基本的なメカニズムは、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去していると考えられている。
しかしながら、このような固体砥粒を含む金属用研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が皿上にたわむ現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、配線金属面が皿上にたわむ現象(エロージョン)などが発生することがある。
また、研磨後に、半導体面に残留する研磨液を除去するために通常行なわれる洗浄工程において、固体砥粒を含有する研磨液を用いることによって、その洗浄工程が複雑となり、さらにその洗浄後の液(廃液)を処理するには固体砥粒を沈降分離する必要があるなどコスト面での問題点が存在する。
これらを解決するひとつの手段として、例えば、砥粒を含まない研磨液とドライエッチングとの組み合わせによる金属表面研磨方法があり、特許文献2には、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が開示されている。これらの方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られる。従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、スクラッチの発生は軽減されている。
一方、配線用の金属としては従来からタングステンおよびアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。この銅を配線する方法としては、例えば、特許文献3に記載されている、ダマシン法が知られている。また、コンタクトホールと配線用溝とを同時に層間絶縁膜に形成し、両者に金属を埋め込むデュアルダマシン法が広く用いられるようになってきた。この銅配線用のターゲット材には、ファイブナイン以上の高純度銅ターゲットが出荷されてきた。しかしながら、近年は更なる高密度化を目指す配線の微細化に伴って、銅配線の導電性や電子特性などの向上が必要となり、それに伴って高純度銅に第3成分を添加した銅合金を用いることも検討されはじめてきている。同時に、これらの高精細で高純度の材料を汚染させることなく高生産性を発揮し得る高速金属研磨手段が求められている。
また、最近は生産性向上のため、LSI製造時のウエハー径を大型化しており、現在は直径200mm以上が汎用されており、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めてきた。このような大型化に伴い、ウエハー中心部と周辺部とでの研磨速度の差が大きく
なり、面内均一性に対する改善要求が強くなってきている。
さらに、従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
特に半導体素子などのさらなる高集積化や多層化を達成するために、半導体製造工程において化学的機械的研磨(CMP)が行われるようになってきているが、研磨工程で生じる負荷により低比誘電率の層間絶縁膜に欠陥が生じることが問題である。より低比誘電率でかつ機械的強度に優れる層間絶縁膜材料が求められると共に、それらに悪影響がない低負荷で研磨することが必要となってきている。
銅及び銅合金に対して機械的研磨手段をもたない、すなわち低負荷である化学研磨方法としては、特許文献4に記載されている方法が知られている。しかしながら溶解作用のみによる化学研磨方法は、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨するCMPに比べ、ディッシングなどの発生によりその平坦性に課題が残っている。
銅配線形成工程のCMPプロセスにおいては、生産性の観点から高い研磨速度、デバイスの信頼性の観点から良好なディッシング性能が求められる。高い研磨速度のためには高い酸化反応性や強力な機械研磨が好ましいが、高い酸化反応性や強力な機械研磨は、配線部の過度の研磨であるディッシングを引き起こす。ディッシングは、配線部の過度の掘り込みであり、凹部分が研磨されることである。したがって、ディッシングの良好なスラリーは凸部の研磨速度に対して凹部の研磨速度が遅いスラリーといえる。凸部の研磨速度が高くなるようなスラリーは凹部も研磨速度が高くなるのが一般的で、高い研磨速度と良好なディッシング性能との両立は極めて困難な課題である。これに対しては、例えば、特許文献5には有機粒子と無機粒子を複合させ、研磨力の圧力依存性を拡大させる方法が開示されているが、効果は十分ではなかった。
米国特許4944836号公報 特開2001−127019号公報 特開平2−278822号公報 特開昭49−122432号公報 特開2001−152135号公報
本発明は、高い研磨速度と良好なディッシング性能を両立するために金属用研磨液に求められる物性を解明し、その物性を達成した金属用研磨液を提供する。
上記の金属用研磨液に係る問題点について、本発明者は鋭意検討した結果、下記金属用研磨液を用いることによって問題を解決できることを見出して課題を達成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)酸化剤を含有する金属用研磨液であって、被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度をE1、酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度をE2としたとき、E1/E2が1.5以上であり、かつ(E1+E2)/2の酸化反応速度に達するまでに要
する時間が1〜50秒であることを特徴とする金属用研磨液。
(2)酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度E2が、1.0nm/min以下であることを特徴とする上記(1)に記載の金属用研磨液。
(3)金属銅に対する吸着性より、酸化銅への吸着性が高い複素芳香環化合物を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の金属用研磨液。
(4)該複素芳香環化合物が下記一般式(I)または(II)で表される化合物から選ばれる少なくともひとつであることを特徴とする上記(3)の金属用研磨液。
Figure 2006295152
式(I)中、R1a及びR2aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1a及びR2aはお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1a及びR2aが同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
式(II)中、R3a〜R8aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3a〜R6aのうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。M+は陽イオンを表す。
(5)砥粒を2質量%以下の範囲で含有することを特徴とする上記(1)〜(4)の金属用研磨液。
(6)砥粒の平均径が50nm以下であり、かつ砥粒の径の変動係数が20%以下であることを特徴とする上記(5)に記載の金属用研磨液。
(7)更に下記一般式(1)または(2)で表される化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の金属用研磨液。
Figure 2006295152
1は、単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
2及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
4及びR5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、又はアシル基を表す。
但し、R1が単結合のとき、R4及びR5の少なくともいずれかは水素原子ではない。
Figure 2006295152
6は単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
7及びR8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
9は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、又はアルキル基を表す。
10はアルキレン基を表す。
但し、R10が−CH2−のとき、R6は単結合ではないか、R9が水素原子ではないかの
少なくともいずれかである。
(8)更に界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記
載の金属用研磨液。
(9)研磨対象が、比誘電率3以下の絶縁材料を有する半導体集積回路であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の金属用研磨液。
(10)研磨対象が、銅を含有する配線を有する半導体集積回路であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の金属用研磨液。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨液および/又は研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明により、高い研磨速度と良好なディッシング性能を両立することができる研磨液が提供される。
本発明による金属用研磨液は、酸化剤を含有し、被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度をE1、酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度をE2としたとき、E1/E2が1.5以上であり、かつ(E1+E2)/2の酸化反応速度に達するまでに
要する時間が1〜50秒であることを特徴とする。
本発明者は、銅の研磨は、エッチング、すなわち金属銅の酸化およびそれに引き続く溶解で進行し、単なる酸化反応性ではなく、上記のように、被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度E1、酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度E2により、酸化反応の時間挙動を制御することにより高い研磨速度と良好なディッシングが両立可能であることを見出したものである。
本発明のポイントは、本来、表面形状依存性を持たない不動態膜形成の速度を制御することによってディッシングが改良できることを見出した点である。
すなわち、不動態膜形成速度が特定の範囲にあるときのみ、凹凸に応じた研磨速度ディスクリを発現させることができ、逆に、不動態膜形成速度がこの範囲を外れると、表面形状(凹凸)に応じた研磨速度差は生じない。
<E1及びE2の測定法>
金属表面の酸化反応は、電気化学的な腐食電流測定で評価可能であり、本発明において
は、被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度E1、および酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度E2は、電気化学的な解析手法により求めることができる。
測定温度は、実際の研磨時の温度であるが、一般的に研磨中は30〜50℃であるので、便宜的に40℃で行うことができる。
具体的には、酸化剤を含有しない金属用研磨液を電解質とし、作用電極に被研磨金属を用いる。対極としては白金電極を用いる。参照電極は銀−塩化銀電極を用いることが好ましいが、飽和カロメル電極等、他の参照電極を用いてもよい。酸化剤を含有する場合と含有しない場合の腐食電位を測定し、その電位差を酸化剤による酸化電位とする。酸化剤を含有しない金属用研磨液を電解質とし、開回路状態に保持する。その後酸化剤による酸化電位に相当する電圧を印加し、腐食電流値およびその時間変化サブ秒レベルで測定する。
酸化反応速度(nm/min)は、腐食電流密度(A/cm2)と被研磨金属密度(g
/cm3)から求めることができる。
電圧印印加後100ミリ秒を金属表面が酸化され始めた直後、電圧印加後100秒後を定常状態であるとして、該被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度E1、および酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度E2を求める。
本発明において、E1/E2は1.5以上であり、2以上が好ましく、さらに好ましくは4以上であり、最も好ましくは8以上である。上限は特にない。
酸化反応速度が(E1+E2)/2に達する時間は、1〜50秒であり、2秒以上であることが好ましく、さらに好ましくは5秒以上である。また20秒以下であることが好ましい。
E2は、1.0nm/min以下が好ましく、0.5nm/min以下であることがより好ましく、0.2nm/min以下であることがさらに好ましい。E2は、0.01nm/min以上であることが好ましい。
E1/E2が1.5以上であり、かつ(E1+E2)/2の酸化反応速度に達するまでに
要する時間が1〜50秒、さらにはE2が1.0nm/min以下である金属用研磨液の調製については後述するが、特に、複素芳香環化合物を添加することによって好ましく調製することができる。
複素芳香環化合物は、研磨対象金属の酸化物への吸着性が、研磨対象金属への吸着性よりも大きいことが好ましい。
例えば、研磨対象金属が銅である場合、複素芳香環化合物は金属銅または酸化銅に吸着して、不動態膜を形成し酸化反応を抑制するが、酸化銅よりも金属銅へ吸着しやすい場合には、酸化反応が進行する前から酸化反応抑制することになる。一方、金属銅よりも酸化銅に吸着しやすい場合には、酸化反応初期には酸化反応抑制が弱く、酸化反応進行に伴って酸化された銅イオンに吸着することになるため、酸化反応進行に伴って酸化反応抑制が働くことになる。
金属銅または酸化銅に対する吸着性は以下の方法で測定することができる。
表面を希硫酸処理した表面積既知の金属銅粒または酸化銅粒を水中に分散し、所定濃度の複素芳香環化合物を添加して吸着量を測定する。このとき金属銅粒および酸化銅粒の表面積は等しくしておく。吸着量の測定は、非吸着の複素芳香環化合物濃度を上澄み液から定量し添加量から差し引く方法や、金属銅粒および酸化銅粒を希硫酸等で溶解し、その溶解液中の複素芳香環濃度から求める方法等がある。金属銅と酸化銅への吸着選択性は、それぞれの吸着量の比で表すことができる。本発明においては、複素芳香環化合物は金属銅よりも酸化銅に吸着しやすい、すなわち酸化銅/金属銅の吸着選択性が1より大きいことが好ましく、さらに好ましくは5より大きいことである。
酸化銅/金属銅の吸着選択性を高めるためには、複素芳香環化合物のLogPは−3.0〜1.0であることが好ましく、−2.0〜−0.5であることがさらに好ましい。
logP値は、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある有機
化合物が油と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値で表した物性値であり、その値が0を挟んでプラス側に大きくなると油溶性が増し、マイナス側で絶対値が大きくなると水溶性が増すことを意味する。
本発明において、logP値は、以下に説明する計算で求めた値を用いる。すなわち、米国、Pomona大学のC.Hansch、A.LeoらのMedchemプロジェクトによって開発されたlogP(=log(Coil/Cwater);Coil=油相中のモル濃度、Cwater=水相中のモル濃度)値を推算するプログラムで求めた値である。このプログラ
ムはHansch−Leoのフラグメント法に基づいており、化学構造を部分構造(フラグメント)に分割し、そのフラグメントに与えられた分配係数の常用対数(logP)の寄与分を合計することによりlogP値を推算するものであり、詳細は、C.Hansch & A.Leo, Substituent Constants For Correlatlon Analysis in Chemistry and Biology や A.J.Leo Calculating logPoct from structure(Chem.Rev., 93、1581-1306、1993)等の
文献に記載されている。
複素芳香環化合物は研磨剤溶液中で脱プロトン化して負にイオン化していることが好ましく、研磨剤溶液のpHよりpKaは2以上小さいことが好ましい。
複素芳香環化合物の具体例としては、後述の芳香環を有する化合物について例示した複素芳香環化合物を挙げることができ、特に一般式(I)で表されるテトラゾール類及びその誘導体及び一般式(II)で表されるアントラニル酸類及びその誘導体が好ましい。
本発明において、表面形状(凹凸)に応じた研磨速度変化を付与するためには不動態膜形成速度を制御するとともに、不動態膜除去速度を制御することが有効である。(E1+E2)/2に達するまでの時間が本発明の範囲にある場合には、砥粒濃度は2質量%以下が好ましく、さらに好ましくは1質量%以下であり、最も好ましくは0.5%以下である。また、砥粒を実質上含まないことも好ましい。
また、砥粒の平均サイズ(平均直径)は50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。また好ましくは5nm以上である。砥粒サイズの変動係数は20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
研磨傷等の欠陥を低減するには研磨圧力は1psi程度以下の低圧で研磨することが好ましい。研磨圧力が低下するほど不動態膜除去速度は低下すると考えられ、それに合わせて不動態膜形成速度も低下させることが好ましい。
金属用研磨液の組成について、以下に説明するが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明において「金属用研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、金属用研磨液の濃縮液をも包含する意である。濃縮液または濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水または水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
本発明の金属用研磨液は、構成成分として少なくとも酸化剤を含有し、通常水溶液であ
る。
本発明の金属用研磨液は、さらに他の成分を含有してもよく、好ましい成分として、砥粒、いわゆる皮膜形成剤として添加される化合物、界面活性剤、水溶性ポリマー、及び添加剤を挙げることができる。
金属用研磨液が含有する各成分は1種でも2種以上併用してもよい。
また、酸化剤は、使用の直前に他の成分を含む組成物に添加して、研磨液としてもよい。
〔酸化剤〕
本発明の金属用研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N',N'−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N',N'−四酢酸、エチレンジアミン−N,
N'−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギ
ン酸、β-アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N'−ニ酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2
−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N',N'−四酢酸、エチレンジアミン−N,N'−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコ
ハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カ
ルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニ
トリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
酸化剤の中でも過酸化水素並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N',N'−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)錯体が最も好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
〔一般式(1)または(2)で表される化合物〕
また、研磨液は一般式(1)または(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 2006295152
1は、単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
2及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
4及びR5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、又はアシル基を表す。
但し、R1が単結合のとき、R4及びR5の少なくともいずれかは水素原子ではない。
Figure 2006295152
6は単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
7及びR8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
9は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、又はアルキル基を表す。
10はアルキレン基を表す。
但し、R10が−CH2−のとき、R6は単結合ではないか、R9が水素原子ではないかの
少なくともいずれかである。
式(1)におけるR1としてのアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであっ
てもよく、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチレン基、エチレン基を挙げることができる。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
2及びR3としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、プロピル基などを挙げることができる。
2及びR3としてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
2及びR3としてのアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、ビニル
基、プロペニル基、アリル基を挙げることができる。
2及びR3としてのアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基を挙げることができる。
2及びR3としてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、例えばフェニル基を挙げることができる。
これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。
2及びR3としての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、芳香環(好ましくは炭素数3〜15)、カルボキシル基、アミノ基などを挙げることができる。
4及びR5としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。
アシル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、メチルカルボニル基を挙げることができる。
4及びR5としての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子を挙げることができる。 さらにR4およびR5の好ましい基として、それぞれ、R4はL1−R41と表される基を、R5はL2−R51と表される基をあげることができる。上記L1およびL2はそれぞれ、アルキレン基、−((CH2)O)−で表される基もしくは−CO(CH2)−で表される基である(ここで上記lは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、nは1〜3の整数である)。上記R41およびR51はそれぞれ、水素原子、水酸基もしくはアミノ基である。
一般式(1)において、R4及びR5のいずれか一方は水素原子でないことが好ましい。
また、一般式(1)において、R1が単結合、R2及びR4が水素原子であることが特に
好ましい。この場合、R3は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表すが、特に水素原子、アルキル基が好ましい。R5は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキ
ル基、又はアシル基を表すが、特にはアルキル基が好ましい。R3としてのアルキル基が
有してもよい置換基として、水酸基、カルボキシル基又はアミノ基が好ましい。R5とし
てのアルキル基が有してもよい置換基として、水酸基又はアミノ基が好ましい。
式(2)におけるR6及びR10としてのアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいず
れであってもよく、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチレン基、エチレン基を挙げることができる。
アルキレン基及びフェニレン基が有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
7及びR8としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、プロピル基などを挙げることができる。
7及びR8としてのシクロアルキル基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
7及びR8としてのアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、ビニル基、プロペニル基、アリル基を挙げることができる。
7及びR8としてのアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜9であり、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基を挙げることができる。
7及びR8としてのアリール基は、好ましくは炭素数6〜15であり、例えばフェニル
基を挙げることができる。
これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。
7及びR8としての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、芳香環(好ましくは炭素数3〜15)などを挙げることができる。
9としてのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチ
ル基を挙げることができる。
これらの基におけるアルキレン鎖中には、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。
9としての各基が有してもよい置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、
カルボキシル基を挙げることができる。
一般式(2)において、R9は水素原子でないことが好ましい。
以下に、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2006295152
Figure 2006295152
一般式(1)または(2)で表される化合物は、公知の方法により合成できるが、市販のものを用いてもよい。
一般式(1)または(2)で表される化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、好ましくは0.0005〜5mol、より好ましくは0.01〜0.5molである。
一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物の両者を併用することが好ましい。この場合の割合(一般式(1)で表される化合物/一般式(2)で表される化合物)は、質量比として、一般的には100/1〜1/100、好ましくは10/1〜1/10である。
〔芳香環を有する化合物〕
また、金属用研磨液は、芳香環を有する化合物を含有することが好ましい。
芳香環を有する化合物とは、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環を有する、好ましくは分子量20〜600の芳香環化合物であり、例えば、テトラゾール類及びその誘導体またはアントラニル酸類及びその誘導体、アミノトルイル酸、キナルジン酸、以下のようなアゾール類が挙げられる。
芳香環を有する化合物としてのアゾール類は、ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオ
キシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等が挙げられ、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
本発明においては、芳香環を有する化合物として、特に、テトラゾール類及びその誘導体またはアントラニル酸類及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有することが好ましい。
テトラゾール類及びその誘導体としては、式(I)で表される化合物が好ましく、アントラニル酸類及びその誘導体としては、式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006295152
式(I)中、R1a及びR2aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1a及びR2aはお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1a及びR2aが同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
式(II)中、R3a〜R8aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3a〜R6aのうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。M+は陽イオンを表す。
式(I)におけるR1a及びR2aとしての置換基は、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、
アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルア
ミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これらの中でも好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、
(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)が挙げられる。
さらに好ましくは、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
1a及びR2aが結合して、式(I)における−C−N−結合とともに、形成する環としては、単環であっても多環であってもよく、好ましくは5〜6員環の単環、または5〜6員環から構成される多環である。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。
一般式(I)で表される化合物の分子量は、好ましくは20〜600、より好ましくは40〜400である。
一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2006295152
Figure 2006295152
Figure 2006295152
一般式(I)で表される化合物の中で好ましいものとしては、化合物I−1、I−3、I−4、I−10、I−15、I−21、I−22、I−23、I−41、I−48が挙げられ、化合物I−1、I−4、I−15、I−22、I−23がより好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(I)で表される化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
式(II)におけるR3a〜R8aとしての置換基は、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイ
ル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、
アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
これらの中でも好ましい置換基としては、R3a〜R6aのうち少なくとも1つが、置換基を有しないアルキル基以外の置換基であり、さらに好ましくは、R7a〜R8aのそれぞれが水素原子である。特に好ましくは、R3a〜R6aのうち少なくとも1つが上述の電子吸引性基でかつR7a〜R8aのそれぞれが水素原子である。
+としての陽イオンは、特に限定されないが、例えば、水素イオン、アルカリ金属イ
オン(例えば、Na+、K+、Li+など)、アンモニウムイオン(例えば、NH4 +、4級
アンモニウムイオンなど)を挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物の分子量は、好ましくは20〜600、より好ましくは40〜400である。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2006295152

Figure 2006295152
Figure 2006295152
上記の化合物の中で、II−2、II−5、II−9、II−27、II−29、II−30、II−33、II−35、II−37が好ましく、II−5、II−9、II−27、II−29、II−33が特に好ましい。
さらに、上記例示化合物におけるカルボキシ基の水素原子をNa+、K+、Li+などの
アルカリ金属イオン、NH4 +や4級アンモニウムイオンなどのアンモニウムイオンで置換し塩としたものを挙げることができる。
また、一般式(II)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(II)で表される化合物は、市販品を使用してもよいし、常法に従って合成してもよい。
例えば、化合物II−29は、Synthesis (8), 654-659 (1983) に記載の合成法に準じ
て合成することができる。化合物II−37は、Tetrahedron Letters, 51(7), 1861-1866 (1995) 及び Tetrahedron Letters, 44(25), 4741-4745 (2003) に記載の方法に準じて合成することができる。他の化合物もこれらに記載の方法に準じて合成することができる。
上記テトラゾール類及びその誘導体またはアントラニル酸類及びその誘導体などの芳香環を有する化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)の1L中、0.0001〜1.0molが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5mol、更に好ましくは0.01〜0.1molである。
すなわち、芳香環を有する化合物の添加量は、酸化剤及びこれらの化合物の劣化(無効果、分解)防止の点から研磨に使用する際の研磨液1L中1.0mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0001mol以上が好ましい。
なお、テトラゾール類及びその誘導体またはアントラニル酸類及びその誘導体の添加量よりも少ない添加量で、チオシアン酸塩、チオエーテル類、チオ硫酸塩又はメソイオン化合物を併用してもよい。
〔酸〕
本発明の研磨液は更に酸を含有することができる。ここでいう酸は、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸、及び、前述の一般式(1)又は(2)で表される化合物を包含するものではない。ここでの酸は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。
酸の例として、その範囲で、例えば、無機酸、有機酸、アミノ酸が挙げられる。
無機酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などが挙げられ、無機酸の中では燐酸が好ましい。
本発明においては特に有機酸やアミノ酸が存在することが好ましく、さらにはアミノ酸が好ましい。
有機酸としては、水溶性のものが望ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中ではギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が銅、銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。
アミノ酸としては、水溶性のものが好ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。
グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨ−ド−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、
4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ
酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸。
特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリシン、グリコール酸については実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
酸の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
〔キレート剤〕
本発明の金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
〔添加剤〕
また、本発明の金属用研磨液には以下の添加剤を用いることも好ましい。
アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2'−ビ
キノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン。
これらの中でもキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることが
より好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
〔界面活性剤及び/又は親水性ポリマー〕
本発明の金属用研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキ
シメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム
塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
但し、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。また、これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
〔アルカリ剤及び緩衝剤〕
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、さらにはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
アルカリ剤及び緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
アルカリ剤及び緩衝剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウムなどを挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ剤及び緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく、0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
研磨に使用する際の研磨液のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましく、3.5〜8が最も好ましい。この範囲において本発明の金属液は特に優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpHを設定することが好ましい。
なお、金属用研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止する点で、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。
〔砥粒〕
本発明の金属用研磨液は砥粒を含有することが好ましい。好ましい砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレートなどが挙げられ、特にコロイダルシリカが好ましい。
砥粒の平均径(直径)は50nm以下が好ましく、5〜30nmがより好ましい。砥粒の径の変動係数は20%以下が好ましい。
砥粒の添加量は、使用する際の金属用研磨液の全質量に対して0〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。
また、砥粒を含有しないか、濃度0.01質量%未満で砥粒を含有する場合、好ましくはpH3.5以上、特にはpH4.0以上とすることにより、研磨速度とディッシングの特性が向上することを見出した。この場合、ポリアクリル酸など前述の親水性ポリマーを添加することが好ましく、添加量は一般的には0.0001〜5質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%である。
〔配線金属原材料〕
本発明においては、研磨対象が、銅を含有する配線を有する半導体集積回路が好ましい。銅を含有する配線は、銅金属及び/又は銅合金からなる配線であり、銅合金からなる配線が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔バリア金属〕
本発明においては、半導体が銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
〔半導体集積回路が有する絶縁材料〕
なお、研磨する対象である半導体集積回路は、比誘電率3以下の絶縁材料(低誘電率絶縁膜)を有することが好ましい。
本発明において、研磨する対象の一つである低誘電率絶縁膜について説明する。従来、半導体デバイスの層間絶縁膜材料としてSiO2(比誘電率約4.1)が用いられてきた。本発明における低誘電率絶縁膜の比誘電率は3.0以下と定義する。
本発明で用いられる低誘電率絶縁膜は有機系でも無機系でもよいが、好ましくはSiOC、MSQ等の有機−無機ハイブリッド系、またはポリイミド、テフロン(登録商標)等の有機ポリマー系である。これらの材料は微小な空孔を有しても構わない。
膜形成方法はプラズマCVDでもスピン塗布でもよい。誘電率は低い方が好ましいが、特に好ましくは1.8〜2.5である。具体的には、SiOC−プラズマCVD方式の「ブラックダイヤモンド(アプライドマテリアルズ社、商標)」や有機ポリマー系の「SiLK(ダウケミカルカンパニー社、商標)」などが挙げられる。
〔研磨方法〕
金属用研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の金属用研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足す
るためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される金
属用研磨液の成分を合計した成分が、金属用研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した金属用研磨液を調製することができる。
濃縮された金属用研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された金属用研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
金属用研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
濃縮された金属用研磨液を水または水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法である。または、1つの容器に、所定量の濃縮された金属用研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した金属用研磨液を供給し、研磨をする方法がある。
本発明の別の研磨方法は、金属用研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。
例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された金属用研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、金属用研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温
して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また本発明においては、上述したように金属用研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。また、金属用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
〔パッド〕
研磨用のパッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明の金属用研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
下記に示す研磨液を調製し、研磨試験を行い、評価した。
(研磨液の調製)
コロイダルシリカ(平均粒子径30nm)
複素芳香環化合物またはベンゾトリアゾール(BTA) 0.001M
過酸化水素(酸化剤) 15g/L
式(1)もしくは(2)で表される化合物またはグリシン 0・08M
ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)(表1に示す量)
純水を加えて全量 1000mL
pHを6.8に調整。
(研磨試験)
基体: 厚さ1μmの銅/銀合金の膜を形成したシリコン基板
研磨パッド: IC1400K−Groove(ロデール社)
研磨機: LGP−612(LapmaSter FT社)
押さえ圧力: 240g/cm2
研磨液供給速度: 170ml/min
ウエハー直径: 200mm
ウエハー: Cuブランケットウエハまたはセマテック社製CMP854パターンウエハ(200mm)
研磨パッド/ウエハーの回転数:95/95rpm
(評価方法)
〔研磨速度〕
ウエハー面上の49箇所に対し、金属膜のCMP前後での膜厚さを電気抵抗値から換算して平均研磨速度を求めた。
〔ディッシング〕
セマテック社製CMP854パターンウエハをTa露出までの時間に加え、さらに30%分オーバーポリッシュした試料について、触針式段差計DektakV320Si(Veeco社製)で、
ライン100μm&スペース100μm部の段差として求めた。
腐食電流測定による酸化初期および定常状態の酸化反応速度は、以下の方法で測定した。電気化学測定器として、プリンストン・アプライド・リサーチ社(PAR)製Model263Aを用い、参照電極として銀―塩化銀電極、作用電極度して純度99.99%以上の銅板、対極として白金電極を用いた。酸化剤を加えた研磨液と酸化剤を除いた研磨液を用意し、前述の測定器にてそれぞれの液を用いた場合の開放電位(腐食電位)を求め、その電位差を酸化剤の酸化電位とした。酸化剤を加えない研磨液を用いて、開回路状態に酸化電位分の電圧を印加し、サンプリング時間100ミリ秒にて腐食電流密度(A/cm2
)の時間変化を追跡した。腐食電流密度(A/cm2)はファラデー定数および銅分子量
、金属銅密度から酸化反応速度(nm/min)に変換した。
複素芳香環化合物の金属銅および酸化銅への吸着性は、以下の方法で測定した。粒径約数ミリの金属銅粒と酸化銅粒をBET法にて表面積を測定し、0.005m2の表面積と
なる量の金属銅粒および酸化銅粒を0.1N硫酸で表面を洗浄した後、100mlの水に分散した。この分散液に7.5×10-6Mの複素芳香環化合物水溶液を1ml添加し、40℃で30分間攪拌した。その後、上澄み液の複素芳香環濃度をICPで定量し、吸着量を逆算した。複素芳香環化合物の酸化銅/金属銅の吸着選択性は上述の吸着量の比で表した。
表1における複素芳香環化合物H−1〜H−5は、以下の化合物であり、これらのLogP値を、I−1及びBTAとともに示す。H−1〜H−5以外の複素芳香環化合物は、先に例示した化合物である。
LogP値
H−1: 2−アミノピロール −0.48
H−2: 2,6−ジアミノピリジン 0.01
H−3: トリアゾール −0.19
H−4: 5−カルボキシトリアゾール −0.15
H−5: ピロール 0.75
I−1: 先に例示の化合物 −1.10
BTA: ベンゾトリアゾール 1.41
Figure 2006295152
本発明の金属用研磨液では、ディッシングが著しく小さく、研磨速度も速いことがわかる。

Claims (11)

  1. 酸化剤を含有する金属用研磨液であって、被研磨金属表面が酸化され始めた直後の酸化反応速度をE1、酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度をE2としたとき、E1/E2が1.5以上であり、かつ(E1+E2)/2の酸化反応速度に達するまでに要する時間が1〜50秒であることを特徴とする金属用研磨液。
  2. 酸化反応が定常状態に達した際の酸化反応速度E2が、1.0nm/min以下であることを特徴とする請求項1の金属用研磨液。
  3. 金属銅に対する吸着性より、酸化銅への吸着性が高い複素芳香環化合物を含有することを特徴とする請求項1または2の金属用研磨液。
  4. 該複素芳香環化合物が、下記一般式(I)または(II)で表される化合物から選ばれる少なくともひとつであることを特徴とする請求項3の金属用研磨液。
    Figure 2006295152
    式(I)中、R1a及びR2aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1a及びR2aはお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1a及びR2aが同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
    式(II)中、R3a〜R8aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3a〜R6aのうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。M+は陽イオンを表す。
  5. 砥粒を2質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜4の金属用研磨液。
  6. 砥粒の平均径が50nm以下であり、かつ砥粒の径の変動係数が20%以下であることを特徴とする請求項5の金属用研磨液。
  7. 更に下記一般式(1)または(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の金属用研磨液。
    Figure 2006295152
    1は、単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
    2及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
    4及びR5は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、又はアシル基を表す。
    但し、R1が単結合のとき、R4及びR5の少なくともいずれかは水素原子ではない。
    Figure 2006295152
    6は単結合、アルキレン基、又はフェニレン基を表す。
    7及びR8は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又はアリール基を表す。
    9は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、又はアルキル基を表す。
    10はアルキレン基を表す。
    但し、R10が−CH2−のとき、R6は単結合ではないか、R9が水素原子ではないかの少なくともいずれかである。
  8. 更に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属用研磨液。
  9. 研磨対象が、比誘電率3以下の絶縁材料を有する半導体集積回路であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の金属用研磨液。
  10. 研磨対象が、銅を含有する配線を有する半導体集積回路であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の金属用研磨液。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨液および/又は研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
JP2006075065A 2005-03-17 2006-03-17 金属用研磨液及び研磨方法 Abandoned JP2006295152A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007088302A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Fujifilm Corp 金属用研磨液及び化学的機械的研磨方法
JP2010514222A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 化学機械平坦化組成物、システム、及びその使用方法

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