JP2007225671A - 清掃機構、及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】清掃部材を付勢する金属製の引っ張りばねが、中間転写ベルト上に電気的に担持されているトナー像を乱さないようにした清掃機構を提供する。
【解決手段】取付板金61に窓部72を設けて濃度センサ51のセンサ表面Sを中間転写ベルト15表面に対向させる。揺動中心Cに揺動する薄板状の清掃部材52を、金属性の引っ張りばね64によって閉位置にある開閉カバー(不図示)に当接させて退避位置に配置する。開閉カバーを開方向(矢印r47方向と逆方向)に開動作させると清掃部材52の払拭部材73がセンサ表面Sを摺擦して、表面に付着していたトナー等の異物を払拭する。引っ張りばね64が中間転写ベルト15の端部15bよりも外側に配置されているので、この引っ張りばね64が、中間転写ベルト15上に電気的に担持されているトナーを乱すことはない。
【選択図】図8
【解決手段】取付板金61に窓部72を設けて濃度センサ51のセンサ表面Sを中間転写ベルト15表面に対向させる。揺動中心Cに揺動する薄板状の清掃部材52を、金属性の引っ張りばね64によって閉位置にある開閉カバー(不図示)に当接させて退避位置に配置する。開閉カバーを開方向(矢印r47方向と逆方向)に開動作させると清掃部材52の払拭部材73がセンサ表面Sを摺擦して、表面に付着していたトナー等の異物を払拭する。引っ張りばね64が中間転写ベルト15の端部15bよりも外側に配置されているので、この引っ張りばね64が、中間転写ベルト15上に電気的に担持されているトナーを乱すことはない。
【選択図】図8
Description
本発明は、光学式の濃度センサのセンサ表面に付着したトナー,塵埃等の異物を除去するための清掃機構、及びこれを備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機,プリンタ等の画像形成装置においては、帯電、現像、転写等における画像形成条件(例えば、帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアス)や、温湿度等の環境によってトナー像の濃度が変化するため、逆にトナー像の濃度を検知して、所望の濃度のトナー像を得るための画像形成条件を決定するようにしている。
このためには、トナー像の濃度を高い精度で検知することが必要となる。この検知には、一般に光学式の濃度センサが使用される(例えば、特許文献1〜4参照)。感光ドラムや中間転写ベルト等の像担持体の表面に濃度検知用のトナー像(パッチ)を形成し、このトナー像の濃度を濃度センサで検知し、その検知結果を画像形成条件にフィードパックするようにしている。濃度センサは、そのセンサ表面が像担持体表面に対面するように配置されていて、発光部からの照射光やトナー像からの反射光が、このセンサ表面を透過することになる。このため、センサ表面が飛散トナーや塵埃や紙粉等の異物の付着によって汚染されていると、センサ表面を透過する光量が変化し、精度の高い濃度検知ができなくなる。
このような不具合を防止するため、清掃機構によってセンサ表面を清掃する技術が知られている。例えば、清掃部材(クリーニング部材)を揺動自在、又は往復自在に配設し、この清掃部材をばね等の付勢部材によって一方向に付勢して、通常の画像形成時には、センサ表面から退避させておく。そして、クリーニング時には、付勢部材の付勢力に抗して清掃部材でセンサ表面を摺擦することで、センサ表面に付着していた異物を払拭するものである。この清掃部材によるクリーニング動作を、開閉カバーの開閉動作に連動させて行うものもある。
ところで、上述の従来技術によると、濃度センサは、その検知精度を高めるために、濃度検知用のトナー像が形成される像担持体表面に対して近接して配設される。このため、像担持体表面とセンサ表面との間の間隙は狭いものとなる。この狭い間隙に、清掃部材やこれを付勢するための導電性の付勢部材、例えば金属製のばねが配設されることになる。ここで、画像形成時に感光ドラムや中間転写ベルト表面に担持されるトナー像は、定着後のようにシート材の表面に溶融固着されたものとは異なり、像担持体の表面に電気的な弱い力で拘束されているだけであり、さらにトナー粒子相互は同極性に帯電しているため相互に反発する力が作用するために、乱されやすい。特に、4色フルカラーの画像形成時に中間転写ベルトが4回転する方式の画像形成装置においては、中間転写ベルトの表面のトナーに対する拘束力が弱いために、中間転写ベルトの表面のトナー像は、導電性の付勢部材によって乱されやすい。
本発明の目的は、センサ表面に付着した異物を確実に除去することができ、しかも構成要素にばね等の導電性の付勢部材を有する場合であってもその付勢部材によってベルト部材の表面のトナー像が乱されないようにした清掃機構及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、トナー像を担持搬送するベルト部材の表面に対向配置された光学式の濃度センサのセンサ表面を摺擦して前記センサ表面に付着している異物を払拭する清掃機構に関する。この発明に係る清掃機構は、前記センサ表面に沿って揺動可能に配設され、前記センサ表面を露出させる退避位置と前記センサ表面を摺擦する清掃位置との間を揺動可能な清掃部材と、開方向及び閉方向への開閉動作により閉位置と開位置との間を移動する開閉部材と、前記清掃部材を前記開閉部材の前記開方向に付勢して前記開閉部材に当接させる付勢部材と、を備え、前記開閉部材は、前記閉位置において、前記開方向への付勢状態の前記清掃部材を受け止めて前記退避位置に配置し、開動作に伴って、前記付勢部材の付勢力に基づいて前記清掃部材を前記退避位置から前記清掃位置に移動させ、閉動作に伴って、前記付勢部材の付勢力に抗して前記清掃部材を前記清掃位置から前記退避位置に復帰させる部材であり、前記付勢部材は、導電性の部材で構成されるとともに、前記ベルト部材の端部よりも外側に配設されて、前記清掃部材の揺動動作中においても前記ベルト部材の端部から内側に入り込まない、ことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る清掃機構において、前記清掃部材は、清掃位置に配置された際に、前記センサ表面を覆う、ことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る清掃機構において、前記付勢部材がコイルばねによって構成されている、ことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に係る清掃機構において、前記清掃部材が、前記像担持体表面と前記センサ表面との間に出入り可能な薄板状に形成されている、ことを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に係る清掃機構において、前記清掃部材は、前記センサ表面を摺擦して前記センサ表面に付着している異物を払拭する払拭部材と、前記払拭部材による前記センサ表面の摺擦時に前記払拭部材の浮き上がりを防止して侵入量を確保するためのガイド部と、を有する、ことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、トナー像を担持搬送するベルト部材と、前記ベルト部材にトナー像を形成する画像形成部と、前記ベルト部材の表面に形成されたトナー像の濃度を検知する光学式の濃度センサと、前記濃度センサのセンサ表面を清掃する清掃機構と、を備えた画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、前記清掃機構が、請求項1乃至6のいずれか1項に係る清掃機構である、ことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、清掃部材は、開閉部材の閉位置において退避位置に配置されてセンサ表面を露出させるので、濃度センサは、ベルト部材表面のトナー像の濃度を検知することができる。また、清掃部材は、付勢部材の付勢力に基づき、開閉部材の開閉動作に連動して、退避位置から清掃位置へ、またこの逆に清掃位置から退避位置に移動するので、センサ表面を摺擦してセンサ表面に付着していた異物を払拭することができる。さらに、付勢部材は、導電性の部材で構成されているが、清掃部材の停止中及び移動中のいずれの場合においてもベルト部材の端部よりも外側に配置されているので、この付勢部材が、ベルト部材の表面に電気的に担持されているトナー像を乱すことはない。
請求項2の発明によれば、開閉部材が開位置に配置されると、例えば、濃度センサ近傍が露出するおそれがあるが、清掃位置に配置された清掃部材が、センサ表面を覆うので、センサ表面は露出されることはない。したがって、開閉部材が開位置に配置された場合でも、誤ってセンサ表面が傷つけられたり、センサ表面に異物が付着させたりすることを防止することができる。
請求項3の発明によれば、付勢部材がコイルばねによって形成されているので、その伸縮の際に、中心軸から振れることが予想される。このため、コイルばねがベルト部材の表面に近接して配置された場合には、伸縮時にベルト部材の表面に接触するおそれがある。しかし、付勢部材であるこのコイルばねは、ベルト部材の端部よりも外側に配置されているので、コイルばねがベルと部材の表面に接触することはない。また、付勢部材がコイルばねである場合、適宜な付勢力を発揮するためには、相応の直径のものが必要となるが、上述のようにコイルばねがベルト部材の端部よりも外側に配置されているので、ベルト部材の表面とセンサ表面との間に配設される清掃部材は、コイルばねの直径にかかわらず、薄く構成することが可能となる。なお、コイルばねとしては、引っ張りばねと圧縮ばねのいずれも使用することが可能である。
請求項4の発明によれば、清掃部材が、薄板状に形成されているので、ベルト部材の表面とセンサ表面との間の距離を十分に確保できないような場合であっても、これらの間に清掃部材を出入りさせることができる。
請求項5の発明によれば、センサ表面に対する払拭部材の摺擦時に、ガイド部により、払拭部材をセンサ表面に押し付けることができるので、センサ表面に付着している異物を払拭部材によって確実に拭き取ることができる。さらに、このガイド部により、清掃部材が像担持体表面側に不要に変形することを防止することができるので、その分、ベルト部材の表面とセンサ表面との間の距離を短くしたり、また清掃部材の厚さを薄くしたりすることが可能となる。
請求項6の発明によれば、清掃機構がベルト部材の表面のトナー像を乱すことがなく、また清掃機構により濃度センサのセンサ表面を確実に清掃することができる。したがって、濃度センサによる精度の高い濃度検知を行うことができ、この検知結果に基づいて画像形成条件を適宜に設定することで、高品質の画像を形成することが可能となる。
なお、上述のベルト部材としては、感光体ベルトや中間転写ベルトなどがあるが、濃度センサ及びそのセンサ表面を清掃する清掃機構は、感光体ベルトと中間転写ベルトとの双方に対して適用することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。
<実施形態1>
まず、本発明に係る画像形成装置10の構成及び動作の概略を説明し、その後、本発明に係る清掃機構50について詳述する。なお、画像形成装置10としては、複写機,プリンタ,ファクシミリ,及びこれらの複合機等がある。
まず、本発明に係る画像形成装置10の構成及び動作の概略を説明し、その後、本発明に係る清掃機構50について詳述する。なお、画像形成装置10としては、複写機,プリンタ,ファクシミリ,及びこれらの複合機等がある。
図1,図2に本発明に係る画像形成装置10を示す。このうち図1は、画像形成装置10全体の概観を示す図であり、前方右斜め上方から見た斜視図である。ここで、以下の説明においては、特にことわらない限り、同図中の右上に矢印で示す方向を、それぞれ画像形成装置10の前後左右上下とする。また、図2は、画像形成装置10を、図1中の矢印A方向(前側)から見たときの縦断面を模式的に示す図である。また、同図は、画像形成装置本体Mの所定の位置(転写部T)に中間転写ユニット20が装着された状態を示している。これらの図に示す画像形成装置10は、電子写真方式、中間転写方式の4色フルカラーの画像形成装置(プリンタ)であり、中間転写ユニット20が、画像形成装置本体Mに対して着脱自在に構成されている。ここで、画像形成装置本体Mとは、画像形成装置10全体から中間転写ユニット20を除いた部分を指すものとする。
図2に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置本体Mのほぼ中央に、像担持体としてドラム形の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)11が配設されている。感光ドラム11は、駆動手段(不図示)によって矢印R11方向に回転駆動され、その表面(外周面)が帯電ローラ12によって所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム11の表面は、レーザスキャナ等の露光装置13によって画像情報に基づく露光Lが行われ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
静電潜像は、現像装置14によって現像される。現像装置14は、回転可能なロータリ14aと、このロータリ14aに搭載された4個の現像器、すなわち第1色目のイエロー(Y),第2色目のマゼンタ(M),第3色目のシアン(C),第4色目のブラック(K)の現像器14Y,14M,14C,14Kを有している。現像装置14は、感光ドラム11の表面に形成された静電潜像の現像に供される現像器、図2の例では第1色目のイエローの現像器14Yが、ロータリ14aの矢印R14方向の回転によって、感光ドラム11の表面に対向する現像位置に配置される。現像位置に配置されたイエローの現像器14Yは、感光ドラム11の表面の静電潜像にイエローのトナーを付着させてイエローのトナー像として現像する。
このイエローのトナー像は、ベルト部材としての中間転写ベルト15に転写される。中間転写ベルト15は、無端状(エンドレス)に形成されていて、4本のローラ、すなわちテンションローラ16、1次転写ローラ17、ガイドローラ18、駆動ローラ19に掛け渡されている。本実施形態では、駆動ローラ19は、後述の2次転写ローラ22との間に中間転写ベルト15を挟み込む2次転写対向ローラとなっている。中間転写ベルト15は、その裏面側から1次転写ローラ17によって感光ドラム11に押圧されており、これにより感光ドラム11と中間転写ベルト15との間には、前後方向(中間転写ベルト15の移動方向に向かって左右方向)に長い帯状の1次転写ニップN1が形成されている。中間転写ベルト15は、駆動ローラ19が駆動手段(不図示)により、矢印R19方向に駆動回転されるのに伴って、矢印R15方向に回転(無端移動)する。上述の感光ドラム11の表面に形成されたイエローのトナー像は、1次転写ローラ17に1次転写バイアスが印加されることで、1次転写ニップN1において、中間転写ベルト15の表面に1次転写されて担持される。
なお、上述の中間転写ベルト15、テンションローラ16、1次転写ローラ17、ガイドローラ18、駆動ローラ19等は、中間転写ハウジング39に組み込まれて、全体として中間転写ユニット20を構成している。この中間転写ユニット20は、ユニット単位で、画像形成装置本体Mに対して着脱されるようになっている。後述する清掃機構50は、画像形成装置本体Mに装着された状態の中間転写ユニット20の中間転写ベルト15に対して、対向するように配設されている。
トナー像の1次転写後の感光ドラム11は、1次転写残トナー、すなわち1次転写時に中間転写ベルト15に転写されないで感光ドラム11の表面に残ったトナーがクリーニング装置21によって除去され、その後、第2色目のマゼンタの画像形成に供される。
上述の画像形成プロセス、すなわち帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの一連のプロセスが、イエロー以外の残りの3色であるマゼンタ,シアン,ブラックについても順次に行われて、中間転写ベルト15の表面にイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色のトナー像が重ね合わされた状態で担持される。
中間転写ベルト15の表面への4色のトナー像の1次転写が終了すると、これらのトナー像は、画像形成装置本体Mの下部に配設されている給紙カセット23から搬送されてくるシート材Pに転写される。シート材Pは、給紙カセット23に収納されていて、給紙ローラ24、給送ローラ25、リタードローラ26によって1枚ずつ給紙され、さらに、大径ローラ27、搬送ローラ28,29等によって、停止中のレジストローラ対30に搬送されて、斜行が矯正される。シート材Pはその後、中間転写ベルト15の表面の4色のトナー像にタイミングを合わせてレジストローラ対30が回転することで、2次転写ニップN2に供給される。こうして2次転写ニップN2に供給されたシート材Pに対して、2次転写ローラ22に2次転写バイアスが印加されることにより、4色のトナー像が一括で2次転写される。なお、2次転写ローラ22は、トナー像の2次転写時以外は、中間転写ベルト15の表面から離間されている。
トナー像の2次転写後の中間転写ベルト15は、シート材Pに転写されないで表面に残ったトナー(2次転写残トナー)が、ベルトクリーナ31によって除去され、次のトナー像の1次転写及び2次転写に供される。
一方、トナー像の2次転写後のシート材Pは、定着装置32に搬送され、ここで定着ローラ33及び加圧ローラ34によって加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後のシート材Pは、搬送ローラ35,36、切換えフラッパ38、搬送ローラ対40、排出ローラ対41によって、画像形成装置本体Mの上面の排紙トレイ42に排出される。以上で、1枚のシート材Pの片面(表面)に対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
これに対し、シート材Pの両面(表面及び裏面)に画像形成を行う場合には、表面にトナー像が定着されたシート材Pは、その後端が搬送ローラ35,36を通過した時点で、切換えフラッパ38が切り換えられ、さらに搬送ローラ対40が逆転され、搬送ローラ36,37が回転されることにより、再給紙パス43に導かれて表裏反転される。そして、再給紙ローラ対44、再搬送ローラ対45によって、上述のレジストローラ対30に搬送され、片面(表面)の場合と同様にして裏面にトナー像が2次転写され、さらに定着された後、排紙トレイ42に排出される。以上で、1枚のシート材Pの両面に対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
なお、画像形成装置本体Mの右側の大径ローラ27の上方には、手差し給紙を行う際に使用される手差し給紙ローラ46が配設されている。手差し給紙時には、図1に示す開閉カバー(開閉部材)47をその下端側の支点47a(図4,図5参照)を中心に上端側を右方に引くように開放すると、その上面が手差し給紙トレイとしてシート材Pの裏面をガイドする。なお、この開閉カバー47は、画像形成装置本体Mに対する中間転写ユニット20の着脱時、後述するトナー補給容器48(図2参照)の交換時等、ジャム(紙詰まり)処理時等にも開閉される。さらに、後述するが、開閉カバー47は、本発明に係る清掃機構50の一部を構成していて、この開閉カバー47の開閉動作(図5に示す矢印R47a方向の開動作、及び図4に示す矢印R47b方向の閉動作)に連動して、清掃部材52(図8,図9参照)がクリーニング動作を行うようになっている。中間転写ユニット20の上方には、トナー補給容器48が配設されている。トナー補給容器48は、現像装置14の各色の現像器14Y,14M,14C,14Kに補給される各色のトナーがそれぞれ個別に収納されている。これら各色のトナーは、必要に応じて、トナー補給装置49により各色の現像器14Y,14M,14C,14Kに補給されるようになっている。
以上で、画像形成装置10全体の構成及び動作の概略の説明を終える。
上述構成の画像形成装置10においては、図2に示すように、中間転写ユニット20のテンションローラ16の下方に、中間転写ベルト15の表面に対向するようにして光学式の濃度センサ51が配設されている。感光ドラム11の表面に、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色ごとに濃度検知用のトナー像(パッチ)を形成して中間転写ベルト15の表面に転写する。そして、このトナー像の濃度を濃度センサ51によって検知し、その検知結果をフィードパックして、現像バイアスや転写バイアスを決定するようにしている。これにより、高い品質のトナー像を形成している。
ところで、濃度センサ51の表面(以下「センサ表面S」という。)Sに飛散トナーや塵埃や紙粉等の異物が付着すると、センサ表面Sを透過する照射光や反射光が変化するため、高い精度の濃度検知ができなくなる。そこで、本実施形態では、清掃機構50を設けて濃度センサ51のセンサ表面Sを清掃するようにしている。
次に、図3を参照して、本発明に係る清掃機構50が清掃対象とする濃度センサ51について説明する。この図3は、濃度センサ51を取付部材53に取り付けるようすを説明する図である。
図3に示すように、濃度センサ51は、箱形のセンサ本体54と板状のセンサ基盤55とが一体に形成されている。センサ本体54は、上面に平面状のセンサ表面Sを有していて、内部には、中間転写ベルト15の表面のトナー像に向けて光を照射する発光部(不図示)と、トナー像からの反射光を受光する受光部(不図示)とが配設されている。照射光及び反射光のいずれもが上述のセンサ表面Sを透過する。センサ基盤55は、その4隅のそれぞれに各1個、合計4個の透孔56が穿設されていて、下側の2つを取付部材53側のボス57に係合させ、また、上側の2つにねじ58を貫通させてこのねじ58を取付部材53のねじ孔60に螺合させることで、取付部材53に固定されている。こうして、濃度センサ51が取り付けられた取付部材53は、図4,図5に示すように、画像形成装置本体Mの取付板金61の下面(裏面)に下方からねじ止めされている。なお、濃度センサ51の取付状態については取付板金61の説明後に詳述する。
取付板金61は、中間転写ベルト15のうちの張り側15a(中間転写ベルト15の回転方向(矢印R15方向)に沿っての駆動ローラ19の上流側で、かつテンションローラ16の下流側に位置する部分)に対して、狭い間隙を介してほぼ平行に配設されている。取付板金61は、中間転写ベルト15に対してほぼ平行に、かつ右端側が高くなるように配設されている。取付板金61は、右端側に、上方に向けて屈曲された屈曲部63とを有している。図8,図9に示すように、屈曲部63における前端側(これらの図中では右側)の上部には、後述する引っ張りばね64の基端部64aが引っ掛けられる取付部65が形成されている。また、屈曲部63における取付部65よりも少し後端側の下部には、その一部を左方に向けて切り起こすことにより、前後方向に長いスリット66が形成されている。後述する清掃部材52の前端側の当接部78が、このスリット66から右側に向けて突出されるようになっている。このスリット66は、清掃部材52が揺動する際に、清掃部材52の前端側が上方に浮き上がることを防止している。取付板金61における、スリット66の後端側の少し左側(図9の清掃部材52の揺動中心Cの下方に位置する部分)には、清掃部材52を揺動可能に支持するための支点孔68(図7(c)参照)が穿設されている。支点孔68は、円形の透孔70と、この透孔70の周縁部70aに相互に対向するように形成された2つの矩形の切欠71によって構成されている。取付板金61における、支点孔68よりも後端側には、図8,図9に示すように扇形の窓部72が形成されている。この窓部72は、取付板金61の裏面に配設された濃度センサ51のセンサ表面Sを上方に向けて露出させて中間転写ベルト15の表面に対面させるためのものである。
図6に示すように、上述の濃度センサ51は、取付板金61の裏面における右端側で、かつ前端側に取り付けられている。濃度センサ51及び取付部材53は、この取付状態において、図4,図5に示すように、取付部材53が左側に、そして濃度センサ51が右側に配置されている。なお、後述するように、濃度センサ51の右方には、画像形成装置本体の外枠の一部を構成する、開閉カバー47が配設されていて、この開閉カバー47を開放すると、図6に示すように、濃度センサ51がほぼ右方に向けて露出するようになる。したがって、濃度センサ51の、取付部材53からの取外しや位置調整が容易に行えるようになっている。
図4,図5に示すように、濃度センサ51は、その取付状態において、センサ基盤55が取付板金61に対して直角で、かつ長手方向が画像形成装置本体Mの前後方向を向くように配置されている。また、取付板金61における濃度センサ51のセンサ表面Sに対応する位置には、上述の扇形の窓部72が形成されていて、センサ表面Sが中間転写ベルト15に対して平行に対面するようになっている。また、センサ表面Sの高さ方向の位置については、取付板金61の裏面とほぼ一致するように設定されている。
図4に示すように、濃度センサ51のセンサ表面Sは、左右方向の中心(中間転写ベルト15の回転方向に沿った方向の中心)が、中間転写ベルト15の表面の検知位置Aを向くようになっている。ここで、検知位置Aとは、中間転写ベルト15の張り側15aの表面に位置する部分であって、中間転写ベルト15とテンションローラ16との接点Bからわずかに下流側の位置である。この位置は、検知精度を確保しやすい。すなわち、この位置は、中間転写ベルト15における張り側15aであり、かつテンションローラ16に近接しているため、中間転写ベルト15の緩み側やローラから離れた部分と比較して、ベルト自体の表裏方向の振れが少ない。また、この位置は、中間転写ベルト15のうちのローラに巻き掛けられた部分が曲面を構成するのとは異なり、平面状である。以上の理由により、この位置は、検知精度を確保するには、好適な位置である。ただし、この位置は、飛散トナーが発生しやすいという欠点もある。つまり、中間転写ベルト15の表面に担持されたトナーは、前述のように電気的な力で保持されている。一方、中間転写ベルト15には厚みがあるため、テンションローラ16に掛かると表面側に伸びが発生し、テンションローラ16から外れると伸びが解消される。つまり検知位置Aが設置されている位置は、一端、伸びた中間転写ベルト15の表面が元に復帰する位置近傍であるため、ベルト表面に弱い力で担持されているトナーは、飛散しやすくなる。つまり、検知位置に対向するように配置されたセンサ表面Sは、ほぼ上方を向けられていることもあり、飛散トナーが付着しやすい。このため、濃度センサ51が他の箇所に配設されている場合に比べて、清掃機構50が一層、有効なものとなる。
次に、図4〜図9を参照して、本発明に係る清掃機構50について詳述する。なお、これらの図においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。図4〜図9のうち、図4は、閉位置に配置された開閉カバー47によって清掃部材52が退避位置に配置された状態を説明する正面図である。また、図5は、閉位置から開位置(不図示)に向けて開動作中の開閉カバー47によって清掃部材52が清掃位置に配置された状態を説明する正面図である。図6は、濃度センサ51を、画像形成装置本体Mの右側の後方斜め上方から見た斜視図である。図7(a)は清掃部材52を説明する上面図であり、(b)は(a)のX−X線矢視図であり、(c)は支点孔68の上面図であり、(d)は(a)のY−Y線矢視図である。図8は、閉位置に配置された開閉カバー(不図示)によって退避位置に配置された清掃部材52を説明する図である。図9は、開位置に配置された開閉カバー(不図示)によって清掃位置に配置された清掃部材52を説明する図である。
図8,図9に示すように、清掃機構50は、薄板状の清掃部材52と、この清掃部材52を付勢する付勢部材としての導電性の引っ張りばね(コイルばね)64とを備えており、さらに図4,図5に示すように、開閉部材としての開閉カバー47を備えている。
図7,図8,図9に示すように、清掃部材52は、薄板状に形成されていて、センサ表面Sを摺擦する払拭部材73を有している。清掃部材52は、前後方向の中間部に、揺動中心Cを有している。揺動中心Cを挟んでその左側と右側とには、図7(a),(b)に示すように、下面(裏面)側に「L」字形に突設されたフック74を有している。このフック74は、取付板金61の支点孔68(図7(c)参照)に係合される。すなわち、清掃部材52を取付板金61に組み付ける際に、フック74は支点孔68の切欠71に上方から挿入され、その後、清掃部材52を少し回転させることで、支点孔68の周縁部70aの裏面側に係合される。これにより、清掃部材52は、揺動中心Cを中心として、ほぼ左右方向に揺動することができる。
また、清掃部材52は、上述の揺動中心Cよりも後端側に、前後方向に長い短冊状の、払拭部材73の取付部75(図7中では、二点鎖線で図示)を有している。図7(a)に示すように、払拭部材73は、取付部75の表面側と裏面側とに、「U」字形に折り返されるようにして貼着される。本実施形態では、払拭部材73は、アクリルパイルシールによって構成されている。アクリルパイルシールは、例えば、厚さが2mm程度のものを使用している。取付部75よりもさらに後端側には、ガイド部76が形成されている。ガイド部76は、図7(a),(d)に示すように、裏面側に向けて「L」字形に突設されていて、上述の取付板金61の窓部72における周縁部72aの裏面に引っかかり、清掃部材52の揺動動作の際に、周縁部72aの裏面にガイドされて移動する。これにより、上述の払拭部材73がセンサ表面Sを摺擦する際に、払拭部材73の浮き上がりを防止して、適宜な侵入量を確保するようになっている。具体的には、1mm程度の侵入量が設定されている。すなわち、上述の厚さ2mmのアクリルパイルシールは、上述のセンサ表面Sを摺擦する際にこのガイド部76によってセンサ表面Sに押し付けられ、厚さが1mm程度に圧縮されるようになっている。これにより、払拭部材73としてのアクリルパイルシールによってセンサ表面Sに付着している異物を良好に払拭することができる。
清掃部材52における取付部75のすぐ前端側には、係止部77が形成されている。係止部77は、左方に向けて突設されていて、取付板金61の窓部72の一部であるストッパ部72bに当接するようになっている。図9に示すように係止部77が窓部72のストッパ部72bに当接することで、清掃部材52が清掃位置に配置されるようになっている。
清掃部材52の先端側は、ほぼ扇形に形成されており、先端側における右端側の角部は、上述の開閉カバー47が係脱される係合部78となっている。この係合部78は、清掃部材52が清掃位置に配置されたときには、上述の取付板金61の折曲部63のスリット66から右方に大きく突出するようなっている。また、この係合部78は、清掃部材52における他の部分よりも厚く形成されていて、図8に示すように、清掃部材52が退避位置に配置された際には、スリット66に右方から衝突して、係止部として作用する。清掃部材52の先端側の角部には、左方が開口したフック80が設けられている。このフック80には次に説明する引っ張りばね64の先端部64bが掛けられている。清掃部材52は、上述の払拭部材73を除いて、例えば、合成樹脂によって形成されている。
付勢部材としての引っ張りばね64は、導電性の金属によって形成されており、その基端部64aが上述の取付板金61の折曲部63の取付部65に掛けられている。また先端部64bは、上述の清掃部材52のフック80に掛けられている。引っ張りばね64は、清掃部材52が、図8に示す退避位置に配置されたときに伸張され、また図9に示す清掃位置に配置されたときに伸張される。引っ張りばね64の先端部64bの位置は、引っ張りばね64の伸張時及び短縮時のいずれも、基端部64aよりも少し後側に位置している。
図8,図9では、中間転写ユニット20(図2参照)を取り除いた状態を図示しているが、中間転写ユニット20を画像形成装置本体Mの所定の位置に配置した場合には中間転写ベルト15の端部15bは、同図中の二点鎖線で図示する位置に配置される。すなわち、上述の引っ張りばね64は、中間転写ベルト15の端部15bよりも外側(これらの図中では、右側)に位置する。これは、清掃部材52が、図8に示す退避位置に配置された場合も、図9に示す清掃位置に配置された場合も、さらに退避位置と清掃位置との間を移動中である場合についても同様である。
上述の清掃部材52との間に連動関係が設定される開閉カバー47は、図1に示すように、画像形成装置本体Mの右側面に配設されており、図4,図5に示すように、下端の支点47aを中心として、上側が揺動可能である。図4は、開閉カバー47が閉位置に配置された状態を示し、また、図5は、開閉カバー47が閉位置から開位置(不図示)に移動する途中の状態を示している。開閉カバー47は、ユーザやサービスマンが図4に示す閉位置から上側を右方に引くことで、図5中の開方向(矢印R47a方向)に移動して、開位置(不図示)に配置される。なお、開閉カバー47は、開位置においては、安定した状態で、ほぼ水平に配置される。図4に示すように、開閉カバー47は、内側部分に、上述の清掃部材52の当接部78に係脱する係合部47bを有している。
図4,図8に示すように、開閉カバー47の閉位置に対応して、清掃機構50の清掃部材52は、センサ表面Sから退避した退避位置に配置される。すなわち、閉位置に配置された(閉状態の)開閉カバー47の係合部47bによって清掃部材52の当接部78が、引っ張りばね64の付勢力に抗して左方に押され、これにより、清掃部材52が退避位置に配置される。このとき、清掃部材52は、濃度センサ51のセンサ表面Sから退避され、センサ表面Sは中間転写ベルト15の表面に対向するようになる。一方、図5,図9に示すように、清掃部材52は、引っ張りばね64によって開閉カバー47の開方向に付勢されているので、開閉カバー47が開方向に移動されると、その開動作(矢印R47a方向の動作)に連動して引っ張りばね64の付勢力により、清掃位置側に移動する。そして、さらに開閉カバー47が開方向に移動されて、開閉カバー47が清掃部材52から離れると、係止部77が窓部72のストッパ部72bに当接し、これにより清掃部材52は、清掃位置に配置される。上述のように、清掃部材52は、開閉カバー47の閉位置から開位置への開動作に連動して、退避位置から清掃位置に移動し、このとき払拭部材73がセンサ表面Sを摺擦して、センサ表面Sに付着していた異物を払拭する。また、清掃部材52は、逆に開閉カバー47の開位置から閉位置への閉動作に連動して、清掃位置から退避位置に移動し、このときも払拭部材73がセンサ表面Sを摺擦して、センサ表面Sに付着していた異物を払拭する。このように、清掃部材52は、開閉カバー47の開閉動作に連動して、センサ表面Sを払拭部材73で摺擦する、いわゆるクリーニング動作を行う。この際、清掃部材52の上述のガイド部76により、払拭部材73は、センサ表面Sに押圧された状態で摺擦されるので、センサ表面Sの異物を確実に払拭することができる。
また、本実施形態では、開閉カバー47は、トナー補給容器48(図2参照)の交換時、中間転写ユニット20の着脱時、ジャム(紙詰まり)処理時等に、開閉カバー47が開閉される。この開閉カバー47の開閉動作に連動して、清掃機構50によるセンサ表面Sの清掃が行われる。
また、本実施形態では、清掃部材52は、係止部77が窓部72のストッパ部72bに当接することで、清掃位置に配置され、この清掃位置において、清掃部材52がセンサ表面Sのほぼ全体を上方から覆うようになっている。したがって、例えば、画像形成装置本体Mから中間転写ユニット20を引き抜いた場合であっても、センサ表面Sが露出することがないので、中間転写ユニット20の着脱作業中やジャム処理時に誤ってセンサ表面Sが傷つけられたり、塵埃等で汚染されたりすることを有効に防止することができる。
本実施形態では、図4に示すように、中間転写ベルト15表面と取付板金61との間には、板状の狭い空間しか確保されていない。そして、本発明に係る清掃機構50の清掃部材52は、中間転写ベルト15の表面と取付板金61との間に配置される部分、すなわち図8,図9における中間転写ベルト15の端部15bよりも後端側に位置する部分は、払拭部材73を除いて上方に突出するものがない。つまり、清掃部材52のうち、中間転写ベルト15表面に対面する部分は、平坦に形成されている。また、清掃部材52を揺動させるためのフック74や払拭部材73の浮き上がりを防止するためのガイド部76は、はいずれも清掃部材52の裏面側に設けられている。このため、清掃部材52は、中間転写ベルト15表面と取付板金61との間の間隙に応じて、薄く構成することが可能である。
また、本実施形態では、引っ張りばね64は、必要な付勢力を得るために、適宜な直径が必要となる。このため、引っ張りばね64が中間転写ベルト15表面と取付板金61との間に配置される構成の場合は、両者間に間隔、ひいては中間転写ベルト15表面とセンサ表面Sとの間隙が広くなり、濃度センサ51の検知精度が低下するおそれがある。本実施形態では、引っ張りばね64が中間転写ベルト15の端部15bよりも外側に配置されているので、このようなおそれはない。
また、さらに導電性の引っ張りばね64が、中間転写ベルト15表面と取付板金61との間に配設された場合には、中間転写ベルト15の表面に担持されたトナー像がこの導電性の引っ張りばね64によって乱されることがあるが、引っ張りばね64が中間転写ベルト15の端部15bの外側に配設されている本実施形態では、このような中間転写ベルト15の表面のトナー像の乱れは発生しない。
本実施形態では、清掃機構50によるセンサ表面Sに清掃は、開閉カバー47を開閉するごとに行われる。本実施形態では、この開閉カバー47は、トナー補給容器48の交換時、中間転写ユニット20の着脱時、ジャム(紙詰まり)処理時をはじめ、画像形成装置本体Mの内部のメンテナンス時等にも開閉されることになり、その開閉動作ごとに清掃機構50によりセンサ表面Sの清掃が行われることになる。
なお、以上の説明では、開閉カバー47の開閉動作に連動させて、清掃機構50によりセンサ表面Sの清掃を行うようにしたが、本発明は、開閉カバー47以外の部材によって清掃機構50を動作させるようにしてもよい。例えば、図2に示す画像形成装置本体Mに対する給紙カセット23の着脱動作に連動させることが可能である。また、図2では不図示であるが、定着装置32や、その下流側においてのジャム処理を行うために、図2中の左端側に、定着装置32の下流側の搬送パスを開放するためのドアが設けられることがある。清掃機構50を、この場合のドアの開閉動作に連動させるようにしてもよい。ただし、構成を簡潔にするという観点からは、清掃機構50に近接する部材に連動させて、清掃機構50を動作させることが好ましい。
図10に、上述の清掃機構50の主要部を模式的に示す。そして、これに倣って、図11,図12に、本発明に係る清掃機構の変形例を模式的に示す。
図10(a)に示すように、清掃機構50は、揺動可能な清掃部材52と、開閉自在な開閉カバー(開閉部材)47と、清掃部材52を開閉カバー47に向けて付勢する引っ張りばね(付勢部材)64とを備えている。引っ張りばね64は、基端部64aが基端部64bに対して右側に配設されている。清掃部材52は、前後方向の中間に揺動中心Cを有し、後端側には払拭部材73が左側を向けて取り付けられ、また前端側の当接部78が引っ張りばね64によって、閉位置にある開閉カバー47に当接されることで、センサ表面Sを露出させている。開閉カバー47を開方向(矢印R47方向)に移動させると、開閉カバー47は、(a)に示す退避位置から(b)に示す清掃位置へ移動する。この際、払拭部材73がセンサ表面Sに摺擦されて、センサ表面Sに付着している異物を払拭する。また、開閉カバー47を開位置から閉位置に移動させると、清掃部材52が清掃位置から退避位置に移動し、この際、払拭部材73がセンサ表面Sを清掃する。この構成によると、前述のように、導電性の引っ張りばね64は、中間転写ベルト(不図示)の端部15bよりも外側に配設されているため、中間転写ベルトの表面に担持されているトナー像を乱すことがない。
図11(a),(b)に示す変形例は、上述の図10(a),(b)のものと比較して、以下の点が異なる。揺動中心Cに対して、清掃部材52の当接部78が後端側に配設されている点。払拭部材73が右向きに取り付けられている点。そして、引っ張りばね64は、その基端部64aに対して先端部64bが左側に配置されている点。このように、図11に示す変形例は、図10に示すものと構成は異なるが、作用・効果は同様に奏することができる。
図12(a),(b)に示す変形例は、上述の図10(a),(b)のものと比較して、以下の点が異なる。揺動中心Cが後端に設けられている点。そして、払拭部材73が右向きに取り付けられている点。このように、図12に示す変形例は、図10に示すものと構成は異なるが、作用・効果は同様に奏することができる。
以上の変形例から明らかなように、本発明は、清掃部材52の揺動中心Cの位置、払拭部材73の向き、引っ張りばね64の向きについては、適宜に設定することができる。すなわち、これらの位置関係に基づいて、清掃部材52が、開閉カバー47の開動作に連動して退避位置から清掃位置に移動してセンサ表面Sを清掃し、また、開閉カバー47の閉動作に連動して清掃位置から退避位置に移動してセンサ表面Sを清掃することができ、さらに引っ張りばね64が中間転写ベルトの端部15bの外側に配設されていることを条件に、上述の位置関係は任意に設置することができる。
これに従うと、上述の図10〜図12に示す例において、原理的に、引っ張りばね64をすべて圧縮ばね(不図示)に置き換えることが可能である。この場合、付勢力がほぼ同じ方向に作用するように、圧縮ばねを配設すればよい。ただし、この場合でも、圧縮ばねは、中間転写ベルト15の端部15aよりも外側に配置するものとする。
以上に説明では、本発明に係る清掃機構50を、ベルト部材としての中間転写ベルト15の表面に担持搬送されるトナー像の濃度を検知する濃度センサ51のそのセンサ窓を清掃するものに適用した場合を例に説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ベルト部材が、ベルト状の感光体である感光体ベルト(不図示)である場合も適用することができる。つまり、感光体ベルトの表面に担持搬送されるトナー像の濃度を検知する濃度センサの、そのセンサ表面を清掃するものに対しても適用することができる。
本発明の清掃機構は、複写機,プリンタ,ファクシミリ,及びこれらの複合機等の画像形成装置に使用される中間転写ベルトや感光体ベルトに担持されたトナー像の濃度を検知する濃度センサのセンサ表面を清掃する態様を例示したが、本発明は、トナー像を担持する部材が、中間転写ベルトや感光体ベルト等のベルト部材に限らず、ドラム形の、感光ドラム、中間転写ドラム等である場合にも適用することができる。
10……画像形成装置、15……中間転写ベルト(ベルト部材)、15b……中間転写ベルトの端部(ベルト部材の端部)、47……開閉カバー(開閉部材)、50……清掃機構、51……濃度センサ、52……清掃部材、64……引っ張りばね(コイルばね,付勢部材)、73……払拭部材、76……ガイド部、S……センサ表面、
Claims (6)
- トナー像を担持搬送するベルト部材の表面に対向配置された光学式の濃度センサのセンサ表面を摺擦して前記センサ表面に付着している異物を払拭する清掃機構において、
前記センサ表面に沿って揺動可能に配設され、前記センサ表面を露出させる退避位置と前記センサ表面を摺擦する清掃位置との間を揺動可能な清掃部材と、
開方向及び閉方向への開閉動作により閉位置と開位置との間を移動する開閉部材と、
前記清掃部材を前記開閉部材の前記開方向に付勢して前記開閉部材に当接させる付勢部材と、を備え、
前記開閉部材は、前記閉位置において、前記開方向への付勢状態の前記清掃部材を受け止めて前記退避位置に配置し、開動作に伴って、前記付勢部材の付勢力に基づいて前記清掃部材を前記退避位置から前記清掃位置に移動させ、閉動作に伴って、前記付勢部材の付勢力に抗して前記清掃部材を前記清掃位置から前記退避位置に復帰させる部材であり、
前記付勢部材は、導電性の部材で構成されるとともに、前記ベルト部材の端部よりも外側に配設されて、前記清掃部材の揺動動作中においても前記ベルト部材の端部から内側に入り込まない、
ことを特徴とする清掃機構。 - 前記清掃部材は、清掃位置に配置された際に、前記センサ表面を覆う、
ことを特徴とする請求項1に記載の清掃機構。 - 前記付勢部材がコイルばねによって構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃機構。 - 前記清掃部材が、前記像担持体表面と前記センサ表面との間に出入り可能な薄板状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の清掃機構。 - 前記清掃部材は、前記センサ表面を摺擦して前記センサ表面に付着している異物を払拭する払拭部材と、前記払拭部材による前記センサ表面の摺擦時に前記払拭部材の浮き上がりを防止して侵入量を確保するためのガイド部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の清掃機構。 - トナー像を担持搬送するベルト部材と、前記ベルト部材にトナー像を形成する画像形成部と、前記ベルト部材の表面に形成されたトナー像の濃度を検知する光学式の濃度センサと、前記濃度センサのセンサ表面を清掃する清掃機構と、を備えた画像形成装置において、
前記清掃機構が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の清掃機構である、
ことを特徴とする画像形成装置。
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