JP2007224321A - シリンダ用メッキ方法及び装置 - Google Patents

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龍男 重田
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学 井上
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Abstract

【課題】 シリンダのサイズを問わずにブツやピット等の欠陥を生じることなくシリンダの全長に亘ってより均一な厚みの銅メッキを施すことができ、シリンダの両端部近傍が直胴部に比べて厚くメッキされるのを大幅に抑止して、事後的にメッキの厚みを均一化する研磨等の処理を不要乃至簡略化することのできるシリンダ用メッキ方法及び装置を提供する。
【解決手段】 長尺シリンダの外周表面に不溶性電極を用いてメッキを施すようにしたシリンダ用メッキ方法であって、前記不溶性電極を多数の分割電極に分割するとともに前記シリンダの長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する前記不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群に分割し、各分割電極群が1個以上の分割電極を有し、該分割電極群の電位を制御して該シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺状のシリンダ、例えばグラビア印刷に用いる中空円筒状のグラビアシリンダ(製版ロールとも呼ばれる)の外周表面に版面形成用の版材としてメッキ、例えば銅メッキを施すためのシリンダ用メッキ方法及び装置に関し、特には不溶性電極を分割した分割電極を用いてメッキを施しシリンダ端面における電流集中に起因するメッキ層の隆起を防止することができるようにしたシリンダ用メッキ方法及び装置に関する。なお、従来のメッキ方法においては上記した不溶性電極は不溶性陽極と称されるが、本発明においては不溶性電極を分割して分割電極としこの分割電極の電位を+やーに調節してシリンダ端面における電流集中に起因するメッキ層の隆起を防止する構成としたので、本明細書においては従来技術における不溶性陽極は不溶性陽極と表現し、本発明の説明においては不溶性陽極に替えて不溶性電極及び分割電極という用語を使用する。
グラビア印刷では、グラビアシリンダに対し製版情報に応じた微小な凹部(セル)を形成して版面を製作し、当該セルにインキを充填して被印刷物に転写するものである。一般的なグラビアシリンダは、円筒状の鉄芯またはアルミ芯(中空ロール)を基材とし、当該基材の外周表面上に下地層や剥離層等の複数の層を形成し、その上に版面形成用の銅メッキ層(版材)を形成する。そしてこの銅メッキ層にレーザー露光装置により製版情報に応じたセルを形成し、その後グラビアシリンダの耐刷力を増すためのクロムメッキ等を施して製版(版面の製作)が完了する。
従来、グラビアシリンダの外周表面に銅メッキを施すための方法及び装置としては、可溶性陽極従来として含燐銅ボールを用いたものが広く知られており、これはグラビアシリンダの長手方向両端を一対のロールチャックで回転可能且つ通電可能に把持して、メッキ液が貯留されたメッキ槽に収容し、グラビアシリンダを回転させつつ、メッキ液中の含燐銅ボール(可溶性陽極)とグラビアシリンダ(陰極)との間に電流密度10〜15A/dm2程度の電流を流すことにより、陰極となっているグラビアシリンダの外周表面に銅が析出して、銅メッキが行われるようにしたものである(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、一般的にグラビアシリンダ用銅メッキ方法及び装置で用いられている含燐銅ボールは、燐:350〜700ppm、酸素:2〜5ppmを含有し、残りが銅及び不純物からなるものであり、不可避的に含まれる不純物のためにメッキ処理中においてアノードスラッジが発生し、これがグラビアシリンダの外周表面にブツ(微小突起)やピット(ピンホール)等の欠陥を生じさせる原因となる。半導体製造用等には高純度の含燐銅ボールもあるが、高価であるためにグラビアシリンダ用としてはコスト面から採用されていない。また、銅メッキ液中の含燐銅ボールの溶解量が多くなり過ぎて銅イオン濃度が高くなり、適切なメッキ処理ができなくなるのを防止すべく、定期的にメッキ液を抜いて希釈し、適切な銅イオン濃度に調整したり、廃液を処理したりする必要もある。さらに、グラビアシリンダの両端部近傍に電流が集中するために直胴部に比べて両端部近傍の周面が厚くメッキされてしまい、事後的な研磨等によってメッキの厚みを均一化する処理が別途必要となっている。
他方、可溶性陽極として含燐銅ボールを用いる方法以外にも、不溶性陽極を用いる銅メッキ方法が知られており、これによるグラビアシリンダ用銅メッキ方法及び装置としては、不溶性陽極として例えばチタン板の表面に酸化イリジウム等をコーティングしたものを用い、メッキ槽と銅の溶解槽とを用意して、溶解槽にて銅メッキ材料(例えば酸化銅や炭酸銅等)を溶解して、これをメッキ槽中のメッキ液に供給し、不溶性陽極と陰極をなすグラビアシリンダとの間で通電して、銅メッキを施すようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
上記方法及び装置によれば、アノードスラッジの発生がないのでブツやピット等の欠陥は生じないものの、グラビアシリンダの両端部近傍の周面が厚くメッキされてしまう欠点が依然としてあった。そこで、これを解消すべく、メッキ槽内において、グラビアシリンダの下方に位置する不溶性陽極を昇降自在に構成し、種々のサイズのグラビアシリンダに応じて不溶性陽極をグラビアシリンダの下面に5mm〜30mmの間隙となるように近接せしめることにより、グラビアシリンダの両端部近傍で電流集中が生じず、グラビアシリンダの全長に亘って略均一な厚みのメッキを施すことができ、且つメッキ液の銅濃度及び硫酸濃度を自動調節可能なグラビアシリンダ用銅メッキ方法及び装置を本願出願人は提案している(特許文献4参照)。
またさらに、上記提案では、不溶性陽極を直接メッキ液中に設置しているために光沢剤やコゲ止め剤等の添加剤の消耗量が著しく多くなることや、コゲ防止のため電流密度15〜20A/dm2程度、電圧10〜15V程度となるためにメッキ処理に長時間を要し電力供給コストが掛かることや、メッキ厚みの均一化が不充分であることや、不溶性陽極がグラビアシリンダの下方に位置するために視認性が悪く操作性も悪いこと等に鑑みて、中空円筒状のグラビアシリンダをその長手方向両端で把持し、銅メッキ液が満たされたメッキ槽に収容し、所定速度で回転しつつ陰極となるように通電すると共に、該メッキ槽内でグラビアシリンダの両側方にスライド自在に垂設され且つ陽極となるように通電された不溶性陽極を内設してなる一対の長尺箱状の陽極室を該グラビアシリンダの両側面に所定間隔をおいて近接せしめ、グラビアシリンダの外周表面に銅メッキを施すようにしたグラビアシリンダ用銅メッキ方法及び装置を本願出願人は既に提案した(図13、特願2005−152187号)。図13において、300はグラビアシリンダ、14はチャック手段、20は陽極室、24は不溶性陽極である。
上記提案によれば、グラビアシリンダのサイズを問わずにブツやピット等の欠陥を生じることなくグラビアシリンダの全長に亘って従来よりも均一な厚みの銅メッキを施すことができ、且つ銅メッキ液の自動的な濃度管理が可能であると共に、添加剤の消耗量を低減せしめ、短時間でのメッキ処理を可能とし、電力供給コストを低減させ、視認性良く取り扱い易いグラビアシリンダ用銅メッキ方法及び装置を提供することができるが、グラビアシリンダ300の全長に亘る銅メッキの厚みの均一性という観点からは必ずしも充分なものではなく、グラビアシリンダ300の両端部近傍(特に端部から50mm〜200mm程度の部分)において、電流が集中するために直胴部に比べて両端部近傍の周面が厚くメッキされ150μm程度の厚いメッキ層301A(図12の一点鎖線)が形成されてしまうという現象は依然として充分には解決されていなかった。
特公昭57−36995号公報 特開平11−61488号公報 特開2005−29876号公報 特開2005−133139号公報
本発明者は、従来技術における上述した問題点を解決すべく鋭意研究を続けたところ不溶性電極を分割し、各分割電極の電位を調節することによって、シリンダ端部における電流集中を効果的に防止することができるという画期的な新規知見を得、本発明に到達した。
本発明は、シリンダのサイズを問わずにブツやピット等の欠陥を生じることなくシリンダの全長に亘ってより均一な厚みの銅メッキを施すことができ、且つ銅メッキ液の自動的な濃度管理が可能であると共に、添加剤の消耗量を低減せしめ、短時間でのメッキ処理を可能とし、電力供給コストを低減させ、視認性良く取り扱い易いシリンダ用メッキ方法及び装置を提供すると共に、シリンダの両端部近傍が直胴部に比べて厚くメッキされるのを大幅に抑止して、事後的にメッキの厚みを均一化する研磨等の処理を不要乃至簡略化することのできるシリンダ用メッキ方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明のシリンダ用メッキ方法は、長尺状のシリンダをその長手方向両端で把持して、メッキ液が満たされたメッキ槽に収容し、所定速度で回転しつつ陰極となるように通電すると共に、該メッキ槽内でシリンダの両側方にスライド自在に垂設され且つ所定の通電がおこなわれる不溶性電極を内設してなる一対の長尺箱状の電極室を該シリンダの両側面に所定間隔をおいて近接せしめ、該シリンダの外周表面にメッキを施すようにしたシリンダ用メッキ方法であって、前記不溶性電極を多数の分割電極に分割するとともに前記シリンダの長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する前記不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群に分割し、各分割電極群が1個以上の分割電極を有し、該分割電極群の電位を制御して該シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする。
本発明のシリンダ用メッキ装置は、メッキ液が満たされるメッキ槽と、長尺状のシリンダを回転可能且つ通電可能に長手方向両端を把持して該メッキ槽に収容するチャック手段と、該メッキ槽内でシリンダの両側方にスライド自在に垂設され且つ所定の通電が行われる不溶性電極を内設してなる一対の長尺箱状の電極室とを備え、該電極室を該シリンダの両側面に所定間隔をおいて近接せしめ、該シリンダの外周表面にメッキを施すようにしたシリンダ用メッキ装置であって、前記不溶性電極を多数の分割電極に分割するとともに前記シリンダの長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する前記不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群に分割し、各分割電極群が1個以上の分割電極を有し、該分割電極群の電位を制御して該シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする。
これにより、ブツやピット等の欠陥を生じることなく、あらゆるサイズのシリンダに対応でき、添加剤の消耗量の低減が図られ、メッキ処理に要する時間の短縮や電力供給コストを図ることができ、電極室がシリンダの両側方に位置するので、視認性や操作性にも優れた態様となると共に、不溶性電極を分割した分割電極を用いることにより、シリンダの両端部近傍が直胴部に比べて厚くメッキされるのを大幅に抑止可能となり、事後的にメッキの厚みを均一化する研磨等の処理を不要乃至簡略化することができるようになる。
前記3つの分割電極群が、前記シリンダの長手方向両端部及びその近傍に対応して位置する少なくとも1個の基準分割電極を有する基準分割電極群と、前記シリンダの長手方向両端部の外方に対応して位置する最外側分割電極群と、前記シリンダの長手方向中央部に対応して位置する中央分割電極群と、であり、前記最外側分割電極群が前記基準分割電極群に隣接する少なくとも1個の最外側隣接電極を有する最外側隣接電極群を含むのが好ましい。
前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群には電位をかけず、前記最外側分割電極群のうち前記基準分割電極群に隣接する最外側隣接分割電極群に−電位をかけると共に残りの最外側分割電極群には電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにするのが好ましい。
また、前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群及び前記最外側分割電極群の全てには電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにすることもできる。なお、基準分割電極群が1個の基準分割電極で構成され、最外側隣接分割電極群が1個の最外側隣接分割電極で構成される場合には、1個の基準分割電極に電位をかけず、1個の最外側隣接分割電極に−電位をかけ又は電位をかけないようにすればよいことはいうまでもない。
前記電極室及び分割電極室のグラビアシリンダ側の側面にはカチオン交換膜を付設してなることが好ましい。前記所定間隔(電極室をグラビアシリンダ側面に近接せしめる間隔)は、1mm〜50mm程度、好ましくは3mm〜40mm程度、最も好ましくは5mm〜30mm程度である。近接せしめる間隔は狭ければ狭いほどメッキの厚みの均一化の観点からは好ましいが、あまり狭すぎるとメッキ処理中に電極室とグラビアシリンダが接触してしまう事故が生じる危険があるからである。
前記メッキ液を銅メッキ液とし、前記シリンダをグラビアシリンダとすることができる。この場合、前記電極室の内部には酸性電解液を満たしてなり、該電極室の液量を計測して、不足する場合には水を補給することが望ましい。また、前記銅メッキ液は硫酸銅、硫酸、塩素及び添加剤を含み、該銅メッキ液の比重及び硫酸濃度を計測して、比重が高すぎる場合には水を補給し、硫酸濃度が高すぎる場合には酸化第二銅粉末を補給することが好適である。これにより、従来の定期的な銅メッキ液のメンテナンスや廃液処理が不要となる。なお、前記銅メッキ液は不純物を濾過器で除去してなることが好ましい。
本発明によれば、シリンダのサイズを問わずにブツやピット等の欠陥を生じることなくシリンダの全長に亘ってより均一な厚みのメッキを施すことができ、且つメッキ液の自動的な濃度管理が可能であると共に、添加剤の消耗量を低減せしめ、短時間でのメッキ処理を可能とし、電力供給コストを低減させ、視認性良く取り扱い易いシリンダ用メッキ方法及び装置を提供すると共に、シリンダの両端部近傍が直胴部に比べて厚くメッキされるのを大幅に抑止して、事後的にメッキの厚みを均一化する研磨等の処理を不要乃至簡略化することができ、特にグラビアシリンダの銅メッキ処理に好適に用いられるという著大な効果が達成されるものである。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されたもので、本発明の技術的思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
図1は本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の一例を示す説明図である。図2は本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の他の例を示す説明図である。図3は本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の別の例を示す説明図である。図4は、本発明のシリンダ用メッキ装置の基本構成の一例を示す概略説明図である。図5は、図4における電極室を拡大して示す要部拡大説明図である。図6は、本発明における電極室のスライド機構の一例を示す平面説明図である。図7は、本発明における電極室のスライド機構の一例を示す側面説明図である。図8は、本発明における電極室のスライド機構の一例を示す正面説明図である。図9は、本発明における電極室の一例を示す模式断面説明図である。図10は、本発明における銅メッキ液自動管理機構の一例を示す概念説明図である。図11は、本発明における電極室液量補給機構の一例を示す概念説明図である。図12はシリンダ端部における本発明及び従来のメッキ層の形態を示す説明図である。
図中、符号2は本発明のシリンダ用メッキ装置であるが、具体的な図示例としては、グラビアシリンダ用銅メッキ装置について説明する。本発明のグラビアシリンダ用銅メッキ装置2は、長尺中空円筒状のグラビアシリンダ300の外周表面に銅メッキを施すための装置であり、メッキ槽10、一対のチャック手段14,14、一対の電極室20,20(図8)を備えるものである(図1〜図10参照)。メッキ槽10やチャック手段14については、従来の装置(特許文献1〜特許文献3参照)と略同様の構成を有するものであり、重複した説明は省略するが、メッキ槽10は、銅メッキ液304が満たされるメッキ処理用の槽であり、グラビアシリンダ300を銅メッキ液304中に全没するように浸漬可能とされている。メッキ槽10の周囲には、オーバーフローした銅メッキ液304を回収する回収槽(溢流枡)12が設けられ(図4、図6、図7参照)、メッキ槽10の下方には、回収槽12と連通して銅メッキ液304を溜めておく貯留槽70を備える(図4、図10参照)。貯留槽70には、銅メッキ液304を所定の液温(例えば40℃程度)に保つためのヒータ86及び熱交換器88が内設され、銅メッキ液304の不純物の除去を行うための濾過器80や、貯留槽70から銅メッキ液304を汲み上げてメッキ槽10に循環せしめるポンプP1等が設けられている(図4、図10参照)。
チャック手段14,14は、グラビアシリンダ300の長手方向両端を把持し、メッキ槽10に収容せしめるロールチャック装置(特許文献1〜特許文献3参照)であり、軸受6で軸承されるスピンドル16と銅メッキ液304の進入防止用の防液アダプタ15を備え、架台4に設けられたシリンダ回転モータ306によりチェーンC及びスプロケット18を介して所定速度(例えば120rpm程度)で回転駆動され、また、グラビアシリンダ300が陰極となるように通電可能とされているものである(図4参照)。その他、メッキ槽10の上方で開閉自在とされた蓋板8や排気ダクト11等を適宜備えている(図4、図8参照)。
そして、本発明のグラビアシリンダ用銅メッキ装置2にあっては、一対の電極室20,20がメッキ槽10内でグラビアシリンダの両側方にスライド自在に垂設されたスライド式電極室とされている(図4〜図8)。電極室20,20は、グラビアシリンダ300の直胴部に対応した長さを有する長尺箱状の部材であり(図4〜図8参照)、図9に示したように、希硫酸等の酸性電解液308が電極ケース23に充填され、不溶性電極22が取付治具25により内設されている。不溶性電極22としてはチタン板の表面に酸化イリジウム等をコーティングしたものが用いられる。電極室20のグラビアシリンダ側の側面にはカチオン交換膜26が取付治具27及び押さえフランジ28により付設されている。
本発明装置の最大の特徴は、電極室20に内設された不溶性電極22が多数の分割電極22に分割されていることである(図1〜図7)。この分割電極22の形状としては短冊状、棒状、網板状等の所望の形状を採用することが出来る。この分割電極22の形状は特別の限定はないが、その幅は5mm〜50mm、好ましくは10mm〜30mmであり、その厚さは特別の限定はないが、1mm〜10mm程度あればよい。また、分割電極22の設置間隔は互いに接触しない間隔であればよいが、1mm〜10mmの間隔があればよく、3mm〜7mm程度がより好ましい。
前記分割電極22の設置個数は特別の限定はないが、例えば、長さ1500mmのグラビアシリンダに対して短冊状の分割電極を設置する場合には短冊状分割電極の幅20mm、設置間隔5mmとして60個の分割電極を設置し、また長さ1100mmのグラビアシリンダに対しては同一条件の場合44個の分割電極を設置すればよい。
前記分割電極22の設置態様は、特別の限定はないが、図1〜図3に示したように、グラビアシリンダ300の長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群22A、22B、22Cに分割する必要がある。各分割電極群22A、22B、22Cはそれぞれ1個以上の分割電極を有している。前記3つの分割電極群22A、22B、22Cは、前記グラビアシリンダ300の長手方向両端部及びその近傍に対応して位置する基準分割電極群22Bと、前記グラビアシリンダ300の長手方向両端部の外方に対応して位置する最外側分割電極群22Aと、前記グラビアシリンダ300の長手方向中央部に対応して位置する中央分割電極群22Cである。前記基準分割電極群22Bは、少なくとも1個の基準分割電極22Bを有しかつ前記最外側分割電極群22Aが前記基準分割電極群に隣接する少なくとも1個の最外側隣接電極22A1を有する最外側隣接電極群22A1を含むものである。なお、図示例では基準分割電極群は1個の基準分割電極22Bで構成され、最外側隣接電極群も1個の最外側隣接電極22A1で構成されている場合が示されている。中央分割電極群22Cは図示例のように複数個の分割電極で構成するのが好ましい。同一の電位をかければよいので1個又は複数個の幅広の分割電極を用いることもできる。
各分割電極に対する電位のかけ方としては、図1及び図2に示したように、整流器302を用いて中央分割電極群22Cに+電位をかけ、基準分割電極22Bには電位をかけず、最外側分割電極群22Aのうち基準分割電極22Bに隣接する最外側隣接分割電極22A1に−電位をかけるとともに残りの全ての最外側分割電極群22Aには電位をかけないようにするのが最も好適である。なお、図1は最外側分割電極群22Aが最外側隣接分割電極22A1の1個のみの場合を示し、図2は最外側分割電極群22Aが最外側隣接分割電極22A1の他に3個存在する場合を示している。図1〜図3において、Sは各分割電極22に対する電流の供給のオンオフを行うスイッチである。
図1〜図3に示したように、分割電極22に対して電位をかけてグラビアシリンダ300の端部にかかる電位の制御を行うことによって、シリンダの両端部に対する電流集中を防止することができ、当該端部のメッキ層の厚みを図12の実線にしめすように30μm〜40μm程度の厚さのメッキ層301Bまで従来に比べ大幅に減少させることができる。
また、図3に示したように中央分割電極群22Cに+電位をかけ、基準分割電極22B及び最外側分割電極群22Aの全てに電位をかけないようにすることも可能である。なお、図3は最外側分割電極群22Aが最外側隣接分割電極22A1の他に3個存在する場合が示されている。
次に、一対の電極室20,20をグラビアシリンダ300の両側方においてスライド自在とする機構については特に限定されないが、図6〜図8に基づいて一例を説明する。メッキ槽10の正面外方には架台4が立設されており、架台4の内壁面にはリニアレール50,52が設けられている。リニアレール50,52と平行して、ラック60,62が平歯車35,38の正逆転により往復運動するように設けられており、取付架枠58,59を介して、リニアレール50,52と摺動可能に係合するガイド部材54,55に連結されている(図6〜図8参照)。
ラック60,62を往復運動せしめる平歯車35,38は、夫々、平歯車35が架台4の外壁面側のスプロケット45と同軸で回動するように取付金具40で架台4に固着され、他方、平歯車38は架台4の外壁面側のスプロケット48と同軸で回動するように取付金具39で架台4に固着されている。スプロケット45の直下には、スプロケット44が平歯車34と同軸で回動するように具設され、他方のスプロケット48の直下には、スプロケット47がスプロケット46と同軸で回動するように具設されている。架台4の外壁面には、取付アングル31を介してギヤードモータ30が設置されており、平歯車32が備えられている。平歯車32と係合するように平歯車33がスプロケット43と同軸で回動するように具設されており、スプロケット43,46の間にはチェーンC1を係回し、スプロケット44,45の間にはチェーンC2を係回し、スプロケット47,48の間にはチェーンC3を係回する。従って、ギヤードモータ30の正逆転駆動により、平歯車35,38が正逆転し、ラック60,62を往復運動せしめられ、これに連動して電極室20,20がリニアレール50,52に沿って正確にスライド可能となっている(図6〜図8参照)。
電極室20,20をグラビアシリンダ300の側面に近接せしめる間隔としては、1mm〜50mm程度、好ましくは3mm〜40mm程度、最も好ましくは5mm〜30mm程度である。メッキ厚みの均一化の観点からは、電極室20,20を近接させればさせるほど好ましいと言えるが、あまり近接させ過ぎると銅メッキ処理中に電極室20,20とグラビアシリンダ300が接触してしまう危険があるためである。
本発明のグラビアシリンダ用銅メッキ装置2は、更に、銅メッキ液自動管理機構100並びに電極室液量補給機構200を備えることが望ましい(図10及び図11参照)。メッキ槽10の下方には、銅メッキ液304を溜めておく貯留槽70が備えられており、銅メッキ液304は濾過器80により不純物の除去が行われつつ、ポンプP1により汲み上げられてメッキ槽10に供給されるようになっている。また、適宜、光沢剤やコゲ止め剤等の添加剤を供給するポンプP4を備える自動添加装置90が設けられている(図10参照)。
銅メッキ液自動管理機構100は、貯留槽70に溜められている銅メッキ液304の銅濃度及び硫酸濃度を調整するための管理機構である。銅メッキ液304が、例えば硫酸銅(CuSO4・5H2O)濃度:200〜250g/L、硫酸(H2SO4)濃度:50〜70g/L、塩素(Cl)濃度:50〜200ppm及び光沢剤やコゲ止め剤等の添加剤濃度:1〜10mL/Lからなる場合、グラビアシリンダ300に対する銅メッキが進行するにつれて、銅メッキ液304中の銅イオン濃度が減少し、遊離の硫酸が増加する。そこで、減少した銅イオン濃度は酸化第二銅(CuO)を添加することにより、CuO+H2SO4→CuSO4+H2Oという反応を生じせしめて銅イオン濃度を調整すべく、銅メッキ液自動管理機構100を導入するものである(図7参照)。これにより、従来の定期的な銅メッキ液304のメンテナンスや廃液処理が不要となるので好ましい。
銅メッキ液自動管理機構100は、比重センサ112及び硫酸センサ114を備えるコントローラ110により貯留槽70内の銅メッキ液304をサンプリングし、必要な調整を溶解槽102で行い、溶解槽102からポンプP3により調整後の銅メッキ液304を汲み上げて貯留槽70に供給するものである(図10参照)。即ち、貯留槽70内の銅メッキ液304をポンプP2で汲み上げ、コントローラ110に備えられている比重センサ112及び硫酸センサ114で銅メッキ液304の比重(銅濃度)と硫酸濃度を計測し、比重(銅濃度)が高すぎる(例えば濃度範囲200〜250g/Lを超えている)と判断される場合には、コントローラ110は純水加圧槽108から溶解槽102に水を補給するように電磁弁VEを制御し、硫酸濃度が高すぎる(例えば濃度範囲50〜70g/Lを超えている)と判断される場合には、コントローラ110は粉末ストアホッパー106から溶解槽102に酸化第二銅粉末を補給するようにスクリューコンベア105を備える粉末供給装置104を制御するようになっている(図5参照)。電磁弁VEを開いた際の給水量は調整バルブVTの開閉により調整可能である。このように構成された銅メッキ液自動管理機構100により、銅メッキ液304の濃度調整を自動管理、例えば硫酸銅濃度につき200〜250g/Lを中心に管理し、硫酸濃度につき50〜70g/Lを中心に管理することができるようになっている。なお、補給する粉末としては酸化第二銅粉末を用いる場合を好ましい例として説明したが、炭酸銅、硫酸銅等の粉末であってもよい。
また、電極室液量補給機構200は、電極室20の内部に充填されている酸性電解液308の液量を測定して、液量不足の場合には水を補給するものである。電極室20の電極ケース23には、硫酸濃度40〜150g/L程度の硫酸水溶液等からなる酸性電解液308が充填されるが(図9及び図11参照)、不溶性電極22により水が電気分解され酸素を発生し水が消費されるため、水を自動的に補給するものである。即ち、電極室20の電極ケース23と連通して純水槽210が設けられており、純水槽210内には純水Wが貯留され、純水Wの液面レベルをフロート212によって検知するようになっている。フロート212により液面レベルの低下が検知されると、電磁弁VEを制御して純水加圧槽220から純水Wが補給されるようになっている(図11参照)。電磁弁VEを開いた際の給水量は調整バルブVTの開閉により調整可能である。このように構成された電極室液量補給機構200により電極室20内の酸性電解液308につき、必要な液量を自動的に保つことができるようになっている。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
以下の実施例1〜実施例4では、次の共通構成を用いた。銅メッキ液として、硫酸銅濃度220g/L、硫酸濃度60g/L、塩素濃度120ppm、添加剤に「コスモRS−MU」(大和特殊(株)製造販売)を5mL/L、「コスモRS−1」(大和特殊(株)製造販売)を2mL/Lを含む硫酸銅メッキ液を使用した。銅メッキ液自動管理機構により補給される粉末として酸化第二銅粉末である「易溶性酸化銅(ES−CuO)」(鶴見曹達(株)製造販売)を使用した。電極室内の不溶性電極としてはチタン板の表面に酸化イリジウムをコーティングしたものを用い、電極室内に満たされる酸性電解液としては、硫酸濃度100g/Lの硫酸水溶液を用い、カチオン交換膜としては、「セレミオン」(旭硝子(株)製造販売)を用いた。電極室には図1に示したように多数の分割電極を内設した。分割電極の形状は短冊状で、幅20mm、厚さ3mm、間隔5mmの分割電極を44個設置した。銅メッキ液自動管理機構及び電極室液量補給機構として前述した機構の装置を構成し、銅メッキ液自動管理機構における比重センサとしては「SG−1」(日本アクア(株)製造販売)、硫酸濃度センサとしては「DM−1」(日本アクア(株)製造販売)を用いた。
(実施例1)
グラビアシリンダとして、円周500mm、全長1100mmのアルミ芯の円筒形基材を用い、グラビアシリンダの両端をチャックしてメッキ槽に装着し、電極室をコンピュータ制御されたスライド機構により30mmまでグラビアシリンダ側面に近接させ、銅メッキ液をオーバーフローさせ、グラビアシリンダを全没させた。グラビアシリンダの回転速度を120ppmとし、液温40℃、電流密度16A/dm2(総電流890A、電圧7V)とした。図1と同様に、基準分割電極22Bには電位をかけず、最外側隣接電極22A1には−電位(20Aの逆電流)をかけ、残りの中央分割電極22、22Cの全てに+電位(10.5Aの正電流)をかけた。この条件で厚さ100μmとなるまで銅メッキした。メッキ処理に要した時間は約20分であった。メッキ処理されたシリンダの端面形状をレーザー計測器によって測定し、その結果を図14に示した。メッキ表面はブツやピットの発生がなく、グラビアシリンダの全長に亘って厚みの均一なメッキが可能であった。特に、グラビアシリンダの両端部においてもメッキの厚みの均一性は保たれており、グラビアシリンダの両端部近傍が直胴部に比べて厚くメッキされるのを大幅に抑止できていた。即ち、図14から明らかなように、直胴部のメッキ層に比べて両端部のメッキ層の厚さは約40μm厚くなっているだけであった。また、銅メッキ液自動管理機構は正常に作動し、銅メッキ液の組成を適切な範囲に保つことができた。電極室液量補給機構は正常に作動し、電極室内の液量を適切な量に保つことができた。添加剤の消費量は著しく減少し60cc/1000AHであった。
(実施例2)
基準分割電極22B及び最外側隣接電極22A1に電位をかけない状態(図3と同様の状態)とした以外は、実施例1と同様にしてメッキ処理を行った。メッキ処理されたシリンダの端面形状をレーザー測定器によって測定した。シリンダ端面におけるメッキ層の厚さは実施例1に比較すると多少厚さを増しているが、従来のメッキ処理の場合に比べればはるかに厚さが減少していることがわかった。
(実施例3)
グラビアシリンダとして、円周430mm、全長1100mmのアルミ芯の円筒形基材を用い、基準分割電極22Bには電位をかけず、最外側隣接電極22A1に−電位(23Aの逆電流)をかけ、残りの中央分割電極22、22Cの全てに+電位(9Aの正電流)をかけた以外は、実施例1と同様にしてメッキ処理を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
(実施例4)
グラビアシリンダとして、円周920mm、全長1100mmのアルミ芯の円筒形基材を用い、基準分割電極22Bには電位をかけず、最外側隣接電極22A1に−電位(0Aの逆電流)をかけ、残りの中央分割電極22、22Cの全てに+電位(14.5Aの正電流)をかけた以外は、実施例1と同様にしてメッキ処理を行ったところ、実施例1と同様の結果を得た。
(比較例1)
電極室内の不溶性電極としてチタン板の表面に酸化イリジウムをコーティングし、この不溶性電極を分割することなく用いた以外は実施例1と同様にしてメッキ処理を行った。メッキ処理されたシリンダの端面形状をレーザー測定器によって測定し、その結果を図15に示した。直胴部のメッキ層に比べて両端部のメッキ層の厚さは約150μmであることが確認できた。
上記した発明の実施の形態及び実施例においては、グラビアシリンダに対して銅メッキを施す例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、その他のシリンダ状の被メッキ物に対して銅メッキ以外のメッキを施す場合にも適用可能であり、例えば、ロータリースクリーン印刷用の印刷シリンダに対してニッケルメッキを行う場合にも同様に適用できる。
本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の一例を示す説明図である。 本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の他の例を示す説明図である。 本発明のシリンダ用メッキ装置における分割電極の電位の制御方法の別の例を示す説明図である。 本発明のシリンダ用メッキ装置の基本構成の一例を示す概略説明図である。 図4における電極室を拡大して示す要部拡大説明図である。 本発明における電極室のスライド機構の一例を示す平面説明図である。 本発明における電極室のスライド機構の一例を示す側面説明図である。 本発明における電極室のスライド機構の一例を示す正面説明図である。 本発明における電極室の一例を示す模式断面説明図である。 本発明における銅メッキ液自動管理機構の一例を示す概念説明図である。 本発明における電極室液量補給機構の一例を示す概念説明図である。 シリンダ端部における本発明及び従来のメッキ層の形態を示す説明図である。 従来のシリンダ用メッキ装置における陽極室の構造例を示す説明図である。 実施例1においてメッキ処理されたシリンダの端面形状を示すグラフである。 比較例1においてメッキ処理されたシリンダの端面形状を示すグラフである。
符号の説明
2:本発明のシリンダ用メッキ装置及びグラビアシリンダ用銅メッキ装置、4:架台、6:軸受、8:蓋板、10:メッキ槽、11:排気ダクト、12:回収槽、14:チャック手段、15:防液アダプタ、16:スピンドル、18:スプロケット、20:電極室、22,22A〜22C:本発明の不溶性電極、分割電極群、23:電極ケース、24:従来の不溶性陽極、25:取付治具、26:カチオン交換膜、27:取付治具、28:押さえフランジ、30:ギヤードモータ、31:取付アングル、32,33,34,35,38:平歯車、39,40:取付金具、43,44,45,46,47,48:スプロケット、50,52:リニアレール、54,55:ガイド部材、58,59:取付架枠、60,62:ラック、70:貯留槽、80:濾過器、86:ヒータ、88:熱交換器、90:自動添加装置、100:液自動管理機構、102:溶解槽、104:粉末供給装置、105:スクリューコンベア、106:粉末ストアホッパー、108:純水加圧槽、110:コントローラ、112:比重センサ、114:硫酸センサ、200:電極室液量補給機構、210:純水槽、212:フロート、220:純水加圧槽、C,C1,C2,C3:チェーン、300:シリンダ、グラビアシリンダ、302:整流器、304:銅メッキ液、306:シリンダ回転モータ、308:酸性電解液、P1,P2,P3,P4:ポンプ、S:スイッチ、VT:調整バルブ、VE:電磁弁、W:純水。

Claims (18)

  1. 長尺状のシリンダをその長手方向両端で把持して、メッキ液が満たされたメッキ槽に収容し、所定速度で回転しつつ陰極となるように通電すると共に、該メッキ槽内でシリンダの両側方にスライド自在に垂設され且つ所定の通電が行われる不溶性電極を内設してなる一対の長尺箱状の電極室を該シリンダの両側面に所定間隔をおいて近接せしめ、該シリンダの外周表面にメッキを施すようにしたシリンダ用メッキ方法であって、前記不溶性電極を多数の分割電極に分割するとともに前記シリンダの長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する前記不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群に分割し、各分割電極群が1個以上の分割電極を有し、該分割電極群の電位を制御して該シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とするシリンダ用メッキ方法。
  2. 前記3つの分割電極群が、前記シリンダの長手方向両端部及びその近傍に対応して位置する少なくとも1個の基準分割電極を有する基準分割電極群と、前記シリンダの長手方向両端部の外方に対応して位置する最外側分割電極群と、前記シリンダの長手方向中央部に対応して位置する中央分割電極群と、であり、前記最外側分割電極群が前記基準分割電極群に隣接する少なくとも1個の最外側隣接電極を有する最外側隣接電極群を含むことを特徴とする請求項1記載のシリンダ用メッキ方法。
  3. 前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群には電位をかけず、前記最外側分割電極群のうち前記基準分割電極群に隣接する最外側隣接分割電極群に−電位をかけると共に残りの全ての最外側分割電極群には電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする請求項2記載のシリンダ用メッキ方法。
  4. 前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群及び前記最外側分割電極群の全てには電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする請求項2記載のシリンダ用メッキ方法。
  5. 前記電極室のシリンダ側の側面には、カチオン交換膜を付設してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ方法。
  6. 前記所定間隔は、1mm〜50mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ方法。
  7. 前記メッキ液が銅メッキ液であり、前記シリンダが中空円筒状のグラビアシリンダであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ方法。
  8. 前記電極室の内部には、酸性電解液を満たしてなり、該電極室の液量を計測して、不足する場合には水を補給することを特徴とする請求項7記載のシリンダ用メッキ方法。
  9. 前記銅メッキ液は、硫酸銅、硫酸、塩素及び添加剤を含み、該銅メッキ液の比重及び硫酸濃度を計測して、比重が高すぎる場合には水を補給し、硫酸濃度が高すぎる場合には酸化第二銅粉末を補給することを特徴とする請求項7又は8記載のシリンダ用メッキ方法。
  10. メッキ液が満たされるメッキ槽と、長尺状のシリンダを回転可能且つ通電可能に長手方向両端を把持して該メッキ槽に収容するチャック手段と、該メッキ槽内でシリンダの両側方にスライド自在に垂設され且つ所定の通電が行われる不溶性電極を内設してなる一対の長尺箱状の電極室とを備え、該電極室を該シリンダの両側面に所定間隔をおいて近接せしめ、該シリンダの外周表面にメッキを施すようにしたシリンダ用メッキ装置であって、前記不溶性電極を多数の分割電極に分割するとともに前記シリンダの長手方向の少なくとも両端部近傍に対応する前記不溶性電極部分をそれぞれ少なくとも3つの分割電極群に分割し、各分割電極群が1個以上の分割電極を有し、該分割電極群の電位を制御して該シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とするシリンダ用メッキ装置。
  11. 前記3つの分割電極群が、前記シリンダの長手方向両端部及びその近傍に対応して位置する少なくとも1個の基準分割電極を有する基準分割電極群と、前記シリンダの長手方向両端部の外方に対応して位置する最外側分割電極群と、前記シリンダの長手方向中央部に対応して位置する中央分割電極群と、であり、前記最外側分割電極群が前記基準分割電極群に隣接する少なくとも1個の最外側隣接電極を有する最外側隣接電極群を含むことを特徴とする請求項10記載のシリンダ用メッキ装置。
  12. 前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群には電位をかけず、前記最外側分割電極群のうち前記基準分割電極群に隣接する最外側隣接分割電極群に−電位をかけると共に残りの全ての最外側分割電極群には電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする請求項11記載のシリンダ用メッキ装置。
  13. 前記中央分割電極群に+電位をかけ、前記基準分割電極群及び前記最外側分割電極群の全てには電位をかけないようにして前記シリンダの両端部外周表面のメッキ層の厚みを調整するようにしたことを特徴とする請求項11記載のシリンダ用メッキ装置。
  14. 前記電極室のシリンダ側の側面にはカチオン交換膜を付設してなることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ装置。
  15. 前記所定間隔は、1mm〜50mmであることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ装置。
  16. 前記メッキ液が銅メッキ液であり、前記シリンダが空中円筒状のグラビアシリンダであることを特徴する請求項10〜15のいずれか1項記載のシリンダ用メッキ装置。
  17. 前記電極室及び分割電極室の内部には、酸性電解液を満たしてなり、該電極室の液量を測定して、液量が不足する場合には水を補給するようにした電極室液量補給機構を更に備えることを特徴とする請求項16記載のシリンダ用メッキ装置。
  18. 前記銅メッキ液は、硫酸銅、硫酸、塩素及び添加剤を含み、該銅メッキ液の比重及び硫酸濃度を計測して、比重が高すぎる場合には水を補給し、硫酸濃度が高すぎる場合には酸化第二銅粉末を補給するようにした銅メッキ液自動管理機構を更に備えることを特徴とする請求項16又は17記載のシリンダ用メッキ装置。
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