JP2007223822A - 高純度多結晶シリコンの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高純度多結晶シリコンの製造装置は、上部に設置されたシリコン塩化物ガス供給ノズル2と、還元剤ガス供給ノズル3と、排気ガス抜き出しパイプ4とを有する縦型反応器1を用いて、該反応器1内にシリコン塩化物ガスと還元剤ガスとを供給し、シリコン塩化物ガスと還元剤ガスとの反応によりシリコン塩化物ガス供給ノズル2の先端部に多結晶シリコンを生成させ、さらに多結晶シリコンを該シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部から下方に成長させることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
文献1参照)。
および還元剤の水素(H2)を下方から導入してシリコン塩化物を還元し、生成したシリ
コンが選択的に種棒50の表面に付着することにより、棒状の多結晶シリコンが得られる。このシーメンス法は、原料ガスが比較的低温度で気化するという利点以外にも、反応器30そのものは水冷するため、雰囲気のシールが容易であるという装置上の利点があることから、これまでに広く普及し、採用されてきた。
)。具体的には、1000℃程度に加熱した石英製の横型反応器の中に、四塩化珪素および亜鉛(Zn)のガスを供給することにより、反応器内に多結晶シリコンを成長させる方法である。
素に分離し、得られた亜鉛を再び還元剤として用いるとともに、得られた塩素を安価な金
属シリコンと反応させることにより四塩化珪素を合成し、原料ガスとして用いることができれば、循環型のプロセスが構築されるため、多結晶シリコンを安価に製造できる可能性がある。
外周面に加熱手段が具備された縦型反応器と、
前記縦型反応器の上部から下方に向かって挿入されたシリコン塩化物ガス供給ノズルと、前記縦型反応器の上部から下方に向かって挿入された還元剤ガス供給ノズルと、
前記反応器に接続された排気ガス抜き出しパイプとを備え、
前記シリコン塩化物ガス供給ノズルから導入されたシリコン塩化物ガスと、前記還元剤ガス供給ノズルから導入された還元剤ガスとの気相反応により、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを順次成長させる高純度多結晶シリコンの製造装置であって、
前記シリコン塩化物ガス供給ノズルを、前記還元剤ガス供給ノズルを囲繞するように、かつ前記反応器の内壁から所定距離離反して、複数本設置することにより、前記反応器内で生成されるシリコン結晶を、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に付着させた後、下方に向かって、管状に凝集成長させるようにしたことを特徴としている。
ここで、前記還元剤ガス供給ノズルの開口端は、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端よりも上方に配置されていることが好ましい。
できる。また、シリコン塩化物ガスは還元剤ガス供給ノズル先端まで逆流することがないため、還元剤ガス供給ノズルの開口端に多結晶シリコンを成長させることなくシリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端のみにシリコン結晶を管状に凝集成長させることができる。
このような構成であれば、複数本のノズルから突出されるシリコン塩化物ガスは互いの影響を受けることなく、層流となって真っ直ぐ下方に噴出されるので、管状に凝集した多結晶シリコンを連続的に下方に成長させることができる。
このような構成であれば、ノズルから吐出されるガス流を比較的容易に真っ直ぐ下方に噴出させることができる。
また、還元剤ガス供給ノズルの開口端を、シリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端よりも上方に配置することにより、還元剤ガス供給ノズルの開口端に多結晶シリコンを成長させることなく還元剤ガスをシリコン塩化物ガスに対して効率的に反応させることができる。
本発明における高純度多結晶シリコンとは、太陽電池用シリコンの原料として、さらには半導体用シリコンの原料として使用可能な純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上の多結晶シリコンをいう。
のである。
本実施例の高純度多結晶シリコンの製造装置10は、図1(a)〜(e)に示したように、略円筒状の縦型反応器1が採用される。
また、還元剤ガスとシリコン塩化物ガスとを反応器1内で気相反応させれば時間の経過とともに、先ずシリコン塩化物供給ノズル2の開口端2aに、反応により得られた多結晶シリコン20が付着し、その後下方に向かって成長し、管状に凝集した多結晶シリコン20(以下、管状凝集多結晶シリコンという)が製造される。なお、この管状凝集多結晶シリコンは、シリコン塩化物ガス供給ノズル2が器壁1aから予め所定距離離反された位置に設置されているため、下方に延びる成長の過程で器壁1aに接触することはない。したがって、器壁1aからのコンタミが防止され、高純度の管状凝集多結晶シリコンを得ることができる。
く場合と同様の効果を奏する。
ここで、ガス案内手段Iは、具体的には、図2(a)に示したように、開口端2aの内周面を薄肉テーパ状にしたり、または図2(b)に示したように、開口端縁を丸みを帯びるように形成したりして構成されている。このように、ノズル2の開口端2aに適宜なガス案内手段Iを加工すれば、先端部を直角に切断した図2(c)の場合に比べて、より真っ直ぐにガス流を下方に案内することができ、管状凝集多結晶シリコンが成長し易くなる。
、肉厚および反応器内への挿入長さは特に限定されず、図2に示したシリコン塩化物ガス供給ノズル2の場合と略同様に設定すれば良い。但し、還元剤ガス供給ノズル3の挿入長さは、図1(d)に示したようにシリコン塩化物ガス供給ノズル2の挿入長さに比べて、150mm程度短く挿入されていることが好ましい。また、ノズルの材質としては、反応器の材質と同様のものを例示することができる。
本発明の縦型反応器を使用した高純度多結晶シリコンの製造装置の基本構成は,上記のようであるが、以下にさらに実際的な製造ラインに組み込まれる場合について説明する。
となる。生成したシリコンは、即座にシリコン塩化物ガス供給ノズル2の先端に付着し、そこを起点にシリコン結晶が管状に凝集しながらノズル下方に成長していく。この管状凝集多結晶シリコンがある程度の長さに成長すると、自重または機械的なショックにより、ノズルから脱落して反応器下部に落下する。その後、さらに原料を連続的に供給し続けると、シリコン塩化物ガス供給ノズル2には新たな管状凝集多結晶シリコンが成長する。
ール材質と構成材質の組合せに大きな制約を受けないという利点がある。なお、反応器の材質としては、使用温度範囲で耐性を有する材質、たとえば、石英や炭化珪素などを用いることができる。
本発明の製造方法において、多結晶シリコンの結晶成長方向の面方位は(111)面となる。このように、単結晶化した結晶が、特定の面方向に異方性を持って成長することにより、シリコン中の不純物が結晶界面(表面)に偏析することも、高純度の多結晶シリコンが得られる要因になっていると考えられる。
的酸素との親和性が低く安全に取り扱えることからことから好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
液中の金属元素(17元素:Zn、Al、Ca、Cd、Cr、Cu、Co、Fe、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Sn、Ti、P、B)を高周波誘導プラズマ発光分光法(ICP-AES:機種、日本ジャーレルアッシュ、形式、IRIS−AP)で定量し、100
%からその17元素の定量値の和を減算することで求めた。
図4に例示した模式図で構成されるフローにおいて、予め、シリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端内周面を、図2(a)のように薄肉とする加工を施した。そして、天井部に内径55mm、肉厚5mm、挿入長さ100mmの石英製のシリコン塩化物ガス供給ノズルが2本、還元剤ガス供給ノズルが1本設置され、下部壁面に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径800mm、長さ1800mmの縦型円筒形の炭化珪素(SiC)製反応器を用いた。この反応器を、電気炉により全体が約950℃となるように加熱した。次いで、この反応器内に、シリコン塩化物ガスとして950℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.7:1となるように、各供給ノズルから供給して7.5時間反応を行った。また、計算の結果、四塩化珪素ガスのノズル出口1本当たりの流速は500〜700mm/s、亜鉛ガスのノズル出口の流速は800〜1200mm/sであった。
実施例1と同じ反応器を用い、該反応器内に、シリコン塩化物ガスとして1000℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして1000℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=1.4:1となるように、各供給ノズルから供給して8時間反応を行わせたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
〔実施例3〕
天井部に内径25mmの石英シリコン塩化物供給ノズル6本が、図2(b)のように先端を丸みとする加工を施され、内径35mmの還元ガス供給ノズル1本を中心に距離が
175mmの円周上に均等配置され、下部壁面に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径500mm、長さ1500mmの縦型円筒形の石英製反応器を950℃になるように加熱した。次いでこの反応器内にシリコン塩化物として950℃の四塩化珪素ガスと、還元ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.8:1となるように供給して3時間の反応を行った。また計算の結果、四塩化珪素ガスのノズル出口1本当たりの流速は800〜1000mm/s、亜鉛のノズル出口の流速は300〜500mm/sであった。
壁への多結晶シリコンの付着はごくわずかであった。得られた多結晶シリコンの重量は4.1kgであり、純度は99.999%以上であった。
一方の端部に内径20mm、厚さ5mm、挿入長さ100〜400mmの石英製のシリコン塩化物ガス供給ノズルおよび還元剤ガス供給ノズルが、それぞれ1本ずつ設置され、他方の端部に排気ガス抜き出しパイプが設置された、内径310mm、長さ2835mmの横型円筒形の石英製反応器を用いた。この反応器を、電気炉により全体が950℃となるように加熱した。次いで、反応器内に、シリコン塩化物ガスとして950℃の四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして950℃の亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.7:1となるように、各供給ノズルから供給して80時間反応を行った。
1a・・・器壁
1c・・・仕切り壁
1A・・・小部屋
1B・・・反応室
2・・・シリコン塩化物ガス供給ノズル
2a・・・開口端
3・・・還元剤ガス供給ノズル
3a・・・開口端
4・・・排気ガス抜き出しパイプ
5・・・溶融炉
6・・・蒸発炉
7・・・過熱炉
8・・・気化装置
9・・・反応器加熱炉
10・・・冷却・粉砕装置
11・・・還元剤塩化物回収タンク
12・・・シリコン塩化物凝縮装置(1)
13・・・シリコン塩化物凝縮装置(2)
20・・・管状凝集多結晶シリコン
40・・・製造装置
A・・・還元剤
B・・・シリコン塩化物
C・・・脱落した多結晶シリコン
D・・・還元剤塩化物
E・・・未反応シリコン塩化物
F・・・排ガス処理設備
G・・・口径
H・・・挿入長さ
I・・・案内手段
t・・・肉厚
Claims (4)
- 外周面に加熱手段が具備された縦型反応器と、
前記縦型反応器の上部から下方に向かって挿入されたシリコン塩化物ガス供給ノズルと、前記縦型反応器の上部から下方に向かって挿入された還元剤ガス供給ノズルと、
前記反応器に接続された排気ガス抜き出しパイプとを備え、
前記シリコン塩化物ガス供給ノズルから導入されたシリコン塩化物ガスと、前記還元剤ガス供給ノズルから導入された還元剤ガスとの気相反応により、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に多結晶シリコンを順次成長させる高純度多結晶シリコンの製造装置であって、
前記シリコン塩化物ガス供給ノズルを、前記還元剤ガス供給ノズルを囲繞するように、かつ前記反応器の内壁から所定距離離反して、複数本設置することにより、前記反応器内で生成されるシリコン結晶を、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に付着させた後、下方に向かって、管状に凝集成長させるようにしたことを特徴とする高純度多結晶シリコンの製造装置。 - 前記還元剤ガス供給ノズルの開口端は、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の高純度多結晶シリコンの製造装置。
- 前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの開口端には、ガス流を下方に導くガス案内手段が加工されていることを特徴とする請求項1または2に記載の高純度多結晶シリコンの製造装置。
- 前記ガス案内手段は、ノズルの内周面が開口端面に向かう程薄肉に形成されていることにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の高純度多結晶シリコンの製造装置。
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