以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する枠ランプ16及びサイドランプ17が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ18が配置されている。中枠12の下部には、下球皿19及び発射装置20が装着されている。そして、遊技者が発射装置20を操作して、該発射装置20を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器H1と、液晶ディスプレイ型の表示手段としての可変表示器H2を備えたセンター役物21が配設されている。図2に示すように、特図表示器H1はセンター役物21の上部に設けられているとともに、可変表示器H2はセンター役物21の中央に設けられている。各表示器H1,H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、該表示演出に関連して複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す)を1列で変動させて特図を表示する。一方、図柄変動ゲームにおいて可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。なお、特図表示器H1と可変表示器H2は、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始し、該ゲームの終了により同時に図柄が停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が停止している状態である。なお、特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
本実施形態において特図表示器H1には、[0]、[1]、[2]の3種類の数字が特図として表示されるようになっている。そして、本実施形態では、3種類の数字図柄のうち、[0]と[1]を内部抽選で大当りを決定した場合に特図表示器H1に確定的に停止表示させる特図の大当り図柄としている。一方、本実施形態では、[2]を内部抽選ではずれを決定した場合に特図表示器H1に確定的に停止表示させる特図のはずれ図柄としている。
本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[祭]、[祝]、[寿]の7種類の数字と3種類の文字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態では、3列の飾図を同一種類の飾図で形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に可変表示器H2に確定的に停止表示させる飾図の大当り図柄としている。例えば、飾図の大当り図柄は、[111]や[祭祭祭]などである。一方、本実施形態では、3列の飾図が同一種類とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に可変表示器H2に確定的に停止表示させる飾図のはずれ図柄としている。3列の飾図が同一種類とならない場合には、3列の飾図の全てが異なる場合や2列の飾図が同一種類で1列の飾図の種類が異なる場合が含まれる。例えば、飾図のはずれ図柄は、[123]、[115]、[祭祝祭]、[祝寿寿]などである。
また、図3に示すように、可変表示器H2には、該可変表示器H2の図柄表示領域内に停止表示された飾図による組み合わせが有効となる停止ラインY1が定められている。この停止ラインY1上には、3列の飾図のうち、図3において左側の列(以下、「左列」と示す)の図柄が停止表示される図柄停止位置と、図3において中央の列(以下、「中列」と示す)の図柄が停止表示される図柄停止位置と、図3において右側の列(以下、「右列」と示す)の図柄が停止表示される図柄停止位置とが定められている。そして、可変表示器H2における各列には、図柄変動ゲームが開始すると、図3に矢示する変動方向(縦スクロール方向)に沿って予め定めた表示順序で飾図が変動表示されるようになっている。本実施形態の表示順序は、「1」→「2」→「3」→・・・→「祭」→「祝」→「寿」の順である。なお、各列の変動表示は、「寿」の次は「1」に戻りループするようになっている。
また、可変表示器H2では、停止ラインY1上に飾図が停止表示されると、各列毎に図柄停止位置に停止表示した飾図に対して表示順序が1つ前の順序となる飾図及び1つ後の順序となる飾図の各一部分が表示されるようになっている。したがって、遊技者は、図柄停止位置に停止表示された飾図と図柄表示位置に対して上下に一部分が表示された飾図との関係からパチンコ機10における飾図の表示順序を把握し得る。なお、図3に示す可変表示器H2では、各図柄停止位置に「5」が停止表示されており、この場合には1つの前の順序となる飾図として「4」が図柄表示位置の下側に表示されるとともに1つの後の順序となる飾図として「6」が図柄表示位置の上側に表示される。
そして、本実施形態において特図表示器H1は、可変表示器H2に比較して小さい表示領域で構成されるとともに、特図は飾図に比較して遥かに小さく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に確定的に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に確定的に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当り図柄が確定的に停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定的に停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄がリーチ状態を形成した図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の図柄が変動表示されている状態である。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1の特図による図柄と、可変表示器H2の飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームの終了時には、特図による図柄と飾図による図柄組み合わせが対応して確定的に停止表示されるようになっている。具体的に言えば、特図表示器H1に[0]又は[1]の大当り図柄が確定的に停止表示される場合には、可変表示器H2にも[111]や[333]などの大当りの図柄組み合わせが確定的に停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1に[2]のはずれ図柄が確定的に停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定的に停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、図1及び図2に示すように、センター役物21(特図表示器H1及び可変表示器H2)の上方には、機械的な動作による遊技演出(可動演出)を実行する演出用可動体Kが設けられている。演出用可動体Kは、「招き猫」を模して形成されている。そして、演出用可動体Kには、動力伝達機構(図示しない)を介して駆動モータMT(図4に示す)が連結されており、該駆動モータMTからの動力を受けて回転動作するようになっている。本実施形態において、演出用可動体Kは、特図表示器H1及び可変表示器H2とは別に設けられており、各表示器H1,H2にて実行される図柄変動ゲームを含む表示演出とは異種の遊技演出を実行する演出装置となる。
また、センター役物21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図4に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉24の開動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定的に停止表示されることにより得られるので、図柄の変動に関連して付与されることとなる。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H1,H2に大当り図柄が確定的に停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口25が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口25が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口25は、規定入賞個数(本実施形態では10個)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(規定ラウンド数が15回では25秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、始動入賞口23の左方には作動ゲート26が配設されている。作動ゲート26の奥方には、作動ゲート26を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図4に示す)が設けられている。作動ゲート26は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲーム(抽選ゲーム)の始動条件を付与し得る。普通図柄変動ゲームは、始動入賞口23の開閉羽根22を開動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口23は開閉羽根22が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入賞し易い状態とされる。一方、始動入賞口23は開閉羽根22が閉動作していると、入口が拡大されていない遊技球が入賞し難い状態とされる。そして、開閉羽根22は、開動作及び閉動作を繰り返すことで、始動入賞口23に遊技球が入賞し易い状態と、遊技球が入賞し難い状態とを変移可能にしている。普通図柄変動ゲームは、図柄変動ゲームに用いる図柄とは別の図柄を可変表示器H2に表示させて行われたり、普通図柄変動ゲーム用の表示器により行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、始動入賞口23へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、保留記憶数として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄変動ゲームが行われている場合に累積された保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。保留記憶数は、始動入賞口23に遊技球が入賞することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口23へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、センター役物21の特図表示器H1と可変表示器H2の間には、保留記憶数に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための保留記憶数表示部Rが配設されている。
保留記憶数表示部Rは、保留ランプR1、保留ランプR2、保留ランプR3及び保留ランプR4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプR1〜R4の点灯個数により、保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプR1のみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、保留ランプR1〜R4の全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、作動ゲート26を遊技球が通過した場合、その通過した遊技球の個数を記憶し、普図保留記憶数として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。普通図柄変動ゲーム中に累積された普図保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普図保留記憶数は、普通図柄変動ゲーム中に作動ゲート26を遊技球が通過することにより1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に作動ゲート26を遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。そして、図2に示すように、センター役物21の可変表示器H2の下方には、普図保留記憶数に基づく保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知するための普図保留記憶数表示部Fが配設されている。
普図保留記憶数表示部Fは、普図保留ランプF1、普図保留ランプF2、普図保留ランプF3及び普図保留ランプF4からなる複数(本実施形態では4個)のLEDランプからなる発光手段によって構成されている。前記各普図保留ランプF1〜F4の点灯個数により、保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、普図保留ランプF1のみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、普図保留ランプF1〜F4の全てが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動し、開閉羽根22を開動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される確変状態を付与する機能である。また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、確変状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始していから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(確変状態が付与されていないとき)から5秒(確変状態が付与されているとき)に短縮される。そして、始動入賞口23の開閉羽根22は、確変状態が付与されている場合と、確変状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、開閉羽根22は、確変状態が付与されている場合、確変状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。
本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選により確変大当りが決定された場合には、図柄変動ゲームにて確変大当りを示す図柄が確定的に停止表示されるようになっている。本実施形態においては、特図の大当り図柄[0]が確変大当りを示す図柄とされ、特図の大当り図柄[1]が非確変大当りを示す図柄とされている。また、本実施形態においては、飾図の大当り図柄のうち、[3]、[7]、[祭]、[祝]及び[寿]からなる大当り図柄が確変大当りを示す図柄とされ、[1]、[2]、[4]、[5]及び[6]からなる大当り図柄が非確変大当りを示す図柄とされている。このため、内部抽選により確変大当りが決定された場合には、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1に[0]が確定的に停止表示されるとともに、可変表示器H2が確変大当りを示す大当り図柄([333]、[777]、[祭祭祭]、[祝祝祝]及び[寿寿寿]のいずれか1つ)が確定的に停止表示される。そして、遊技者は、可変表示器H2に確定的に停止表示された確変大当りを示す大当り図柄から確変大当りを認識できる。また、遊技者には、確変大当りによる大当り遊技終了後、確変状態が付与される。本実施形態において確変状態は、次の大当りが生起され易くなることから、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、この確変状態は、内部抽選で確変大当りが決定し、図柄変動ゲームにて確変大当りを示す大当り図柄が確定的に停止表示されることにより得られるので、図柄の変動に関連して付与されることとなる。
また、内部抽選により非確変大当りが決定された場合には、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1に[1]が確定的に停止表示されるとともに、可変表示器H2が非確変大当りを示す大当り図柄([111]、[222]、[444]、[555]及び[666]のいずれか1つ)が確定的に停止表示される。そして、遊技者は、可変表示器H2に確定的に停止表示された非確変大当りを示す大当り図柄から非確変大当りを認識できる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、開閉羽根22を開動作させるか否か(始動入賞口23に遊技球を入賞し易くするか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、例えば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。時短状態は、単位時間当りの開閉羽根22の作動率が向上する作動率向上状態である。また、時短機能は、作動率向上状態を付与する作動制御を行う。この時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。
そして、始動入賞口23の開閉羽根22は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、開閉羽根22は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するようになっている。
本実施形態のパチンコ機10において時短状態は、内部抽選により非確変大当りが決定された場合に時短状態の付与が決定されるようになっている。そして、遊技者には、非確変大当りによる大当り遊技終了後、時短状態が付与される。本実施形態において時短状態は、単位時間当りの開閉羽根22の作動率が向上し、図柄変動ゲームの始動条件が得られ易くなることから、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、この時短状態は、内部抽選で非確変大当りが決定し、図柄変動ゲームにて非確変大当りを示す大当り図柄が確定的に停止表示されることにより得られるので、図柄の変動に関連して付与されることとなる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ・音声制御基板33とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32及びランプ・音声制御基板33を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、特図表示器H1及び可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御するとともに、演出用可動体Kの動作態様(回転動作、停止動作など)を制御する。ランプ・音声制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、枠ランプ16及びサイドランプ17の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御するとともに、スピーカ18の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、始動入賞口23に入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1が接続されている。また、メインCPU30aには、作動ゲート26を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2が接続されている。また、メインCPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定的に停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出、可動演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、ROM30bには、大当り判定値、リーチ判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。リーチ判定値は、大当りか否かの内部抽選に落選してはずれを決定した場合に、リーチ演出を行うか否かの内部抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、ROM30bには、内部抽選で大当りを決定した際に大当り図柄となる特図(本実施形態では[0]と[1])の種類を決定する際に用いる特図判定値が記憶されている。特図判定値には、特図振分用乱数の取り得る数値が所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態では、内部抽選で大当りを決定した際に特図を決定することにより、大当りを確変大当りとするか又は非確変大当りとするかを決定している。そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当りとなる場合において確変大当りとなる割合が2分の1に設定されている。このため、特図[0]を決定する特図判定値と特図[1]を決定する特図判定値は同じ個数で設定されている。前記RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値、保留記憶数、普図保留記憶数など)が記憶されるようになっている。
変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、可変表示器H2で行われる飾図による図柄変動ゲームの大当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。すなわち、変動パターンは、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容が特定可能とされている。本実施形態のパチンコ機10では、図5に示すように、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP1と変動パターンP2の2種類が用意されている。また、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP3と、変動パターンP4と、変動パターンP5の3種類が用意されている。また、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP6の1種類が用意されている。
大当り演出は、図柄の変動が開始した後、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われ、当該リーチ演出にてリーチ状態を形成する特定列以外の列の図柄を同一種類の図柄で停止表示させ、大当り図柄を確定的に停止表示させる演出である。はずれリーチ演出は、図柄の変動が開始した後、リーチ状態が形成されてリーチ演出が行われ、当該リーチ演出にてリーチ状態を形成する特定列以外の列の図柄を異なる種類の図柄で停止表示させ、はずれ図柄を確定的に停止表示させる演出である。はずれ演出は、図柄の変動が開始した後、リーチ状態を形成することなく、各列の図柄を停止列順(本実施形態では左列→右列→中列の順)に停止表示させ、はずれ図柄を確定的に停止表示させる演出である。リーチ演出は、例えば、遊技者が抱く大当りになる期待感を変化し得るように、演出内容が予め定めた順序に従って段階的に変化するなどの形態で構成されている。
各表示器H1,H2では、変動パターンに基づき図柄変動ゲームが開始し、該変動パターンの変動時間の経過時に図柄が確定的に停止表示される。なお、大当り演出が行われる場合、各表示器H1,H2が同時に図柄の変動を開始し、可変表示器H2においてリーチ状態が形成されてリーチ演出が行われ、変動時間の経過時に各表示器H1,H2が同時に図柄を確定的に停止表示させる。すなわち、特図表示器H1では、図柄の変動開始後、変動時間経過時まで図柄の変動が継続されており、リーチ演出などの遊技者に大当りへの期待感を持たせる内容の表示演出は可変表示器H2のみで行われる。
本実施形態のパチンコ機10は、演出用の複数種類(本実施形態では2種類)の特別モードが設けられている。本実施形態における特別モードは、図柄変動ゲームにおいてリーチ状態が形成された場合に大当りとなることが確定する指定図柄を定めたものである。本実施形態において指定図柄は、10種類の飾図のうち、5種類の確変大当りを示す大当り図柄を形成する飾図の中から定めている。このため、本実施形態の特別モードでは、指定図柄でリーチ状態が形成されることにより遊技者に大当りの中でも確変大当りを認識させるようになっている。
本実施形態において特別モードには、図6に示すように、指定図柄として「祭」、「祝」及び「寿」の3種類の飾図を定めた第1の特別モードと、指定図柄として「祭」の1種類の飾図を定めた第2の特別モードがある。したがって、第1の特別モード中に内部抽選で確変大当りが決定された場合には、大当り演出において「祭」、「祝」及び「寿」の指定図柄によるリーチ状態が形成され、該リーチ状態の形成時点において遊技者に確変大当りを認識させる演出が行われる可能性がある。また、第2の特別モード中に内部抽選で確変大当りが決定された場合には、大当り演出において「祭」の指定図柄によるリーチ状態が形成され、該リーチ状態の形成時点において遊技者に確変大当りを認識させる演出が行われる可能性がある。なお、指定図柄が1つも定められていない状態で図柄変動ゲームが行われるのが通常モードとなる。そして、これらの特別モードに係る制御は、統括制御基板31にて行われる。
次に、図3に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aと、ROM31bと、RAM31cとが設けられている。また、統括CPU31aは、特別モードの制御に係る各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ・音声制御基板33を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。また、ROM31bには、特別モードの制御に係る各種判定値が記憶されている。また、RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図4に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aと、ROM32bと、RAM32cとが設けられている。ROM32bには、特図表示器H1及び可変表示器H2の表示内容と、演出用可動体Kの動作を制御するための演出制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図4に基づきランプ・音声制御基板33について説明する。
ランプ・音声制御基板33には、サブCPU33aと、ROM33bと、RAM33cとが設けられている。ROM33bには、枠ランプ16及びサイドランプ17の発光態様(点灯(点滅)のタイミングなど)を制御するための発光演出制御プログラムと、スピーカ18の音声出力態様(音声の出力タイミングなど)を制御するための音声演出制御プログラムとが記憶されている。
以下、主制御基板30(メインCPU30a)、統括制御基板31(統括CPU31a)、表示制御基板32(サブCPU32a)及びランプ・音声制御基板33(サブCPU33a)が実行する制御内容を説明する。
最初に主制御基板30(メインCPU30a)がメイン制御プログラムに従って実行する制御内容について説明する。
メインCPU30aは、始動入賞口23に遊技球が入賞し、始動口センサSE1からの検知信号を入力すると、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM30cから読み出し、RAM30cの所定の格納領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cに記憶されている前記大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。メインCPU30aは、確変状態が付与されていない通常状態時は大当りの抽選確率を通常確率(300分の1)に設定して大当り判定を行い、確変状態時は大当りの抽選確率を高確率(30分の1)に設定して大当り判定を行う。
そして、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU30aは、大当り判定用乱数の値とともにRAM30cに記憶した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に予め対応付けられた特図を大当り図柄として決定する。また、メインCPU30aは、特図を決定した場合、当該特図の種類に基づき大当り演出用の変動パターンP1,P2の中から1つの変動パターンを決定する。本実施形態においてメインCPU30aは、特図[0]を決定した場合には変動パターンP1を決定し、特図[1]を決定した場合には変動パターンP2を決定する。メインCPU30aは、大当りの決定時に特図を決定することにより、確変状態を付与するか否かを決定している。また、メインCPU30aは、特図[0]を大当り図柄として決定した場合、大当り遊技終了後に確変状態を付与するため、RAM30cに確変状態を付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。一方、メインCPU30aは、特図[1]を大当り図柄として決定した場合、大当り遊技終了後に時短状態を付与するため、RAM30cに時短状態を付与することを示す情報(フラグなど)を記憶(設定)する。
本実施形態では、RAM30cに現在の遊技状態を示す情報(フラグなど)が記憶されており、メインCPU30aは、当該情報に基づき現在の遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かなどを把握している。そして、メインCPU30aは、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、大当り遊技終了後に大当り判定を低確率で行うか高確率で行うか(確変大当りであるか否か)、及び当該大当り遊技終了後に時短状態を付与するか否かを判断している。
一方、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、メインCPU30aは、RAM30cからリーチ判定用乱数の値を読み出し、該値とROM30bに記憶されているリーチ判定値とを比較してリーチ判定を行う。リーチ判定の結果が肯定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致する場合)、メインCPU30aは、はずれリーチ演出を行うことを決定する。そして、メインCPU30aは、特図[2]をはずれ図柄として決定するとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P5の中から1つの変動パターンを決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致する場合)、メインCPU30aは、はずれリーチ演出を行わないことを決定する。そして、メインCPU30aは、特図[2]をはずれ図柄として決定するとともに、はずれ演出用の変動パターンP6を決定をする。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、決定した特図を指示する特図指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、変動パターンP1,P2に基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉24の開閉動作の制御)を実行する。次に、メインCPU30aは、大当り遊技終了後、RAM30cに記憶される前記情報に基づき、大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。メインCPU30aは、RAM30cに確変状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態で制御するとともに、RAM30cに時短状態を付与することが示されている場合には大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態で制御する。メインCPU30aは、遊技状態として確変状態を開始させる場合には、確変状態の開始を指示する確変開始コマンドを統括CPU31aに出力する。また、メインCPU30aは、確変状態を終了させる場合には、確変状態の終了を指示する確変終了コマンドを統括CPU31aに出力する。確変終了コマンドは、所定回数(10000回)の図柄変動ゲームの終了、又は確変状態中の大当り遊技の開始に伴って出力される。
メインCPU30aは、遊技状態として時短状態を開始させる場合には、時短状態の開始を指示する時短開始コマンドを統括CPU31aに出力する。また、メインCPU30aは、時短状態を終了させる場合には、時短状態の終了を指示する時短終了コマンドを統括CPU31aに出力する。時短終了コマンドは、所定回数(100回)の図柄変動ゲームの終了、又は時短状態中の大当り遊技の開始に伴って出力される。
本実施形態では、大当りであるか否かを判定するとともにはずれリーチ演出を行うか否かを判定するメインCPU30aが、大当り判定手段及びリーチ判定手段として機能する。また、特図を決定するメインCPU30aが、図柄決定手段として機能する。すなわち、大当り判定手段、リーチ判定手段及び図柄決定手段として機能するメインCPU30aを備える主制御基板30が主制御装置となる。
次に、統括制御基板31(統括CPU31a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32,33に出力する。統括CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。統括CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32,33に出力する。また、統括CPU31aは、確変開始コマンドを入力すると、確変状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を、確変終了コマンドを入力するまでの間、RAM31cに継続的に設定する。また、統括CPU31aは、時短開始コマンドを入力すると、時短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を、時短終了コマンドを入力するまでの間、RAM31cに継続的に設定する。また、統括CPU31aは、特別モードであるか否か、及び特別モードの種類を示す情報(フラグなど)をRAM31cに設定している。このため、統括CPU31aは、RAM31cに設定した情報をもとに通常モードであるか、第1の特別モードであるか、第2の特別モードであるかを把握する。
以下、統括CPU31aが行うモード移行に関わる処理について図7に基づき説明する。
統括CPU31aは、大当り演出用の変動パターンP1,P2及びはずれリーチ演出用の変動パターンP3を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、特別モードへ移行させるか否かを決定するモード移行抽選を行う。統括CPU31aは、前記変動パターン指定コマンドを入力した時、通常モードである場合、及び確変状態と時短状態が付与されていない場合にモード移行抽選を行う。モード移行抽選は、その抽選用の乱数と判定値とを用いて行う。そして、統括CPU31aは、図7に示す当選確率でモード移行抽選を行う。具体的に言えば、統括CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変動パターンP1,P2に基づく大当り演出が行われる場合、モード移行抽選を30%の当選確率で行う(当選確率が30%の場合、当選しない確率は70%である)。一方、統括CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変動パターンP3に基づくはずれリーチ演出が行われる場合、モード移行抽選を10%の当選確率で行う(当選確率が10%の場合、当選しない確率は90%である)。
続いて、統括CPU31aは、モード移行抽選に当選し、特別モードへ移行することを決定した場合、第1の特別モードへ移行させるか又は第2の特別モードへ移行させるかを決定する移行先モード抽選を行う。移行先モード抽選は、その抽選用の乱数と判定値とを用いて行う。そして、統括CPU31aは、図7に示す当選確率で移行先モード抽選を行う。具体的に言えば、統括CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変動パターンP1,P2に基づく大当り演出が行われる場合、移行先モード抽選にて、80%の当選確率で第1の特別モードへ移行することを決定し、20%の当選確率で第2の特別モードへ移行することを決定する。一方、統括CPU31aは、今回の図柄変動ゲームで変動パターンP3に基づくはずれリーチ演出が行われる場合、移行先モード抽選にて、20%の当選確率で第1の特別モードへ移行することを決定し、80%の当選確率で第2の特別モードへ移行することを決定する。
また、統括CPU31aは、時短状態の終了を示す時短終了コマンドを入力すると、モード移行抽選を行うことなく、第1の特別モードへ移行させることを決定する。すなわち、本実施形態のパチンコ機10では、内部抽選で非確変大当りが決定され、その大当り遊技終了後に付与された時短状態が終了すると、該時短状態の終了後、最初の図柄変動ゲームから第1の特別モードへ移行される。
そして、統括CPU31aは、移行させる特別モードを決定すると、移行先の特別モードを指示するとともに該特別モードの開始を指示するモード指示コマンドを各制御基板32,33に出力する。本実施形態において特別モードは、予め定めた回数(本実施形態では30回)の図柄変動ゲームを固定ゲーム数として継続し、前記回数の終了後は図柄変動ゲームの開始毎に行う継続抽選に当選する限り継続する。このため、統括CPU31aは、モード指示コマンドの出力を契機に、図柄変動ゲームの経過回数Cに「1」をセットし、変動パターン指定コマンドを入力する毎に該経過回数Cを+1(1加算)する。そして、統括CPU31aは、経過回数Cが「30」に達した場合、変動パターン指定コマンドを入力する毎に特別モードを継続させるか否かの継続抽選を行う。統括CPU31aは、前記継続抽選の当選確率を9/10(当選しない確率(落選確率)は1/10)として行う。そして、統括CPU31aは、前記継続抽選に落選した場合、特別モードの終了を指示するモード終了コマンドを各制御基板32,33に出力する。また、統括CPU31aは、モード終了コマンドの出力を契機に経過回数Cの値をクリアし、RAM31cに通常モードを示す情報を設定する。なお、統括CPU31aは、特別モード中に大当り演出用の変動パターンを入力した場合、当該変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了を以って特別モードを終了させ、モード終了コマンドを出力する。
また、統括CPU31aは、モード終了コマンドの出力後、所定回数(本実施形態では30回)の図柄変動ゲームが行われるまでの間は、モード移行抽選を行わないように制御する。すなわち、統括CPU31aは、モード終了コマンドを出力してから所定回数に達するまでの間は、通常モードを継続するように制御する。統括CPU31aは、前記経過回数Cを利用してモード終了コマンドを出力すると、経過回数Cに再び「1」をセットし変動パターン指定コマンドを入力する毎に該経過回数Cを+1(1加算)する。そして、統括CPU31aは、経過回数Cが「30」に達した場合、再度経過回数Cをクリアしモード移行可能状態とする。
次に、統括CPU31aが行う飾図の決定に関わる処理について図8に基づき説明する。
最初に、通常モード時の飾図の決定に関わる処理を説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドに指示される変動パターンを判定することにより、メインCPU30aの大当り抽選の結果を認識する。統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドに変動パターンP1が指示され、確変大当りが決定されている場合、確変大当りを認識できる「3」、「7」、「祭」、「祝」、「寿」の中から飾図の大当り図柄を決定する。また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドに変動パターンP2が指示され、非確変大当りが決定されている場合、非確変大当りを認識できる飾図「1」、「2」、「4」、「5」、「6」の中から飾図の大当り図柄を決定する。また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドに変動パターンP3〜P5が指示され、はずれリーチ演出が決定されている場合、第1停止表示列(左列)及び第2停止表示列(右列)として同一種類の飾図を決定し、かつ第3停止表示列(中列)としてリーチ状態を形成する図柄とは異なる種類の飾図を決定し、飾図のはずれ図柄を決定する。また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドで変動パターンP6が指示され、はずれ演出が決定されている場合、第1停止表示列と第2停止表示列を異なる種類の飾図に決定し、かつ第3停止表示列を適宜決定し、飾図のはずれ図柄を決定する。飾図を決定した統括CPU31aは、各列の飾図を指示する飾図指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、第1の特別モード時、及び第2の特別モード時の飾図の決定に関わる処理を説明する。
統括CPU31aは、第1の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP1が指示され、確変大当りとなる大当り演出が決定されている場合、大当り演出中のリーチ状態を形成する図柄を指定図柄とするか否かを決定する第1の抽選を行う。第1の抽選は、その抽選用の乱数と判定値とを用いて行う。そして、統括CPU31aは、第1の特別モード時に確変大当りが決定された場合の前記第1の抽選を80%(5分の4)の当選確率で行う(当選確率が80%の場合、当選しない確率は20%である)。この第1の抽選に当選した場合、統括CPU31aは、第1の特別モードに定める3種類の指定図柄[祭]、[祝]、[寿]の中から飾図の大当り図柄([祭祭祭]、[祝祝祝]、[寿寿寿])を決定する。一方、前記第1の抽選に当選しなかった場合、統括CPU31aは、第1の特別モードに定める3種類の指定図柄[祭]、[祝]、[寿]以外の確変大当りを示す飾図[3]、[7]の中から飾図の大当り図柄([333]、[777])を決定する。すなわち、第1の特別モードにおいて、内部的に確変大当りが決定されている場合、飾図の確変大当りを示す大当り図柄5種類([333]、[777]、[祭祭祭]、[祝祝祝]、[寿寿寿])のうち指定図柄([祭祭祭]、[祝祝祝]、[寿寿寿])の見た目上の割合は60%(5分の3)であり、第1の抽選に当選する確率は、見た目上の割合60%より高い当選確率である80%となっている。
また、統括CPU31aは、第1の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP2が指示され、非確変大当りとなる大当り演出が決定されている場合、前記第1の抽選を行う。統括CPU31aは、第1の特別モード時に非確変大当りが決定された場合の前記第1の抽選を0%の当選確率で行う(当選確率が0%の場合、当選しない確率は100%である)。すなわち、この場合には、非確変大当りが決定されているので、確変大当りを示す飾図を決定しない。このため、統括CPU31aは、非確変大当りを示す飾図[1]、[2]、[4]、[5]、[6]の中から飾図の大当り図柄([111]、[222]、[444]、[555]、[666])を決定する。なお、第1の特別モードにおいて、内部的に非確変大当りが決定されている場合、飾図の大当り図柄は、非確変大当りを示す大当り図柄([111]、[222]、[444]、[555]、[666])の中から見た目上の割合で均等に決定される。
また、統括CPU31aは、第2の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP1が指示され、確変大当りとなる大当り演出が決定されている場合、前記第1の抽選を行う。統括CPU31aは、第2の特別モード時に確変大当りが決定された場合の前記第1の抽選を40%(5分の2)の当選確率で行う(当選確率が40%の場合、当選しない確率は60%である)。この第1の抽選に当選した場合、統括CPU31aは、第2の特別モードに定める1種類の指定図柄[祭]を飾図の大当り図柄([祭祭祭])として決定する。一方、前記第1の抽選に当選しなかった場合、統括CPU31aは、第2の特別モードに定める1種類の指定図柄[祭]以外の確変大当りを示す飾図[3]、[7]、[祝]、[寿]の中から飾図の大当り図柄([333]、[777]、[祝祝祝]、[寿寿寿])を決定する。すなわち、第2の特別モードにおいて、内部的に確変大当りが決定されている場合、飾図の確変大当りを示す大当り図柄5種類([333]、[777]、[祭祭祭]、[祝祝祝]、[寿寿寿])のうち指定図柄([祭祭祭])の見た目上の割合は20%(5分の1)であり、第1の抽選に当選する確率は、見た目上の割合20%より高い当選確率である40%となっている。
また、統括CPU31aは、第2の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP2が指示され、非確変大当りとなる大当り演出が決定されている場合、前記第1の抽選を行う。統括CPU31aは、第2の特別モード時に非確変大当りが決定された場合の前記第1の抽選を0%の当選確率で行う(当選確率が0%の場合、当選しない確率は100%である)。すなわち、この場合には、非確変大当りが決定されているので、確変大当りを示す飾図を決定しない。このため、統括CPU31aは、非確変大当りを示す飾図[1]、[2]、[4]、[5]、[6]の中から飾図の大当り図柄([111]、[222]、[444]、[555]、[666])を決定する。なお、第2の特別モードにおいて、内部的に非確変大当りが決定されている場合、飾図の大当り図柄は、非確変大当りを示す大当り図柄([111]、[222]、[444]、[555]、[666])の中から見た目上の割合で均等に決定される。
また、統括CPU31aは、第1の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP6が指示され、はずれ演出が決定されている場合、第1停止表示列(左列)に停止表示させる図柄を指定図柄とするか否かを決定する第2の抽選を行う。第2の抽選は、その抽選用の乱数と判定値とを用いて行う。そして、統括CPU31aは、第1の特別モード時にはずれ演出が決定された場合の前記第2の抽選を50%(2分の1)の当選確率で行う(当選確率が50%の場合、当選しない確率は50%である)。この第2の抽選に当選した場合、統括CPU31aは、第1の特別モードに定める3種類の指定図柄[祭]、[祝]、[寿]の中から第1停止表示列に停止表示させる飾図を決定する。一方、前記第2の抽選に当選しなかった場合、統括CPU31aは、第1の特別モードに定める3種類の指定図柄[祭]、[祝]、[寿]以外の飾図[1]〜[7]の中から第1停止表示列に停止表示させる飾図を決定する。
また、統括CPU31aは、第2の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP6が指示され、はずれ演出が決定されている場合、前記第2の抽選を行う。そして、統括CPU31aは、第2の特別モード時にはずれ演出が決定された場合の前記第2の抽選を30%の当選確率で行う(当選確率が30%の場合、当選しない確率は70%である)。この第2の抽選に当選した場合、統括CPU31aは、第2の特別モードに定める1種類の指定図柄[祭]を第2停止表示列に停止表示させる飾図として決定する。一方、前記第2の抽選に当選しなかった場合、統括CPU31aは、第2の特別モードに定める1種類の指定図柄[祭]以外の飾図[1]〜[7]、[祝]、[寿]の中から第1停止表示列に停止表示させる飾図を決定する。
続いて、第1の特別モード又は第2の特別モードにおいて第1停止表示列に停止表示させる飾図を決定した統括CPU31aは、第2停止表示列(右列)に停止表示させる図柄を決定する。第2停止表示列の決定時、統括CPU31aは、前記第2の抽選に当選している場合、第2停止表示列に停止表示させる図柄を、前記第1停止表示列に停止表示される飾図として決定された指定図柄に対し表示順序が1つ前となる飾図又は1つ後となる飾図とするか否かを決定する第3の抽選を行う。第3の抽選は、その抽選用の乱数と判定値とを用いて行う。統括CPU31aは、前記第3の抽選を30%の当選確率で行う(当選確率が30%の場合、当選しない確率は70%である)。この第3の抽選に当選した場合、統括CPU31aは、1つ前となる飾図及び1つ後となる飾図のいずれとするかを決定し、第1停止表示列に停止表示される指定図柄に応じて第2停止表示列に停止表示させる飾図を決定する。
例えば、第1停止表示列に停止表示される指定図柄が[祭]の場合であって、第2停止表示列に停止表示される飾図を1つの前の飾図とするときには飾図[7]を決定し、1つの後の飾図とするときには飾図[祝]を決定する。また、第1停止表示列に停止表示される指定図柄が[祝]の場合であって、第2停止表示列に停止表示される飾図を1つの前の飾図とするときには飾図[祭]を決定し、1つの後の飾図とするときには飾図[寿]を決定する。さらに、第1停止表示列に停止表示される指定図柄が[寿]の場合であって、第2停止表示列に停止表示される飾図を1つの前の飾図とするときには飾図[祝]を決定し、1つの後の飾図とするときには飾図[1]を決定する。
一方、前記第3の抽選に当選しなかった場合、統括CPU31aは、第2停止表示列に停止表示させる図柄として、第1停止表示列に停止表示される指定図柄と、該指定図柄に対し表示順序が1つ前の飾図及び1つ後の飾図以外の飾図を決定する。例えば、第1停止表示列に停止表示される指定図柄が[祭]の場合、統括CPU31aは、第2停止表示列に停止表示させる飾図として飾図[7]及び飾図[祝]以外の飾図[1]〜[6]、[寿]の中から決定する。
続いて、第2停止表示列に停止表示させる飾図を決定した統括CPU31aは、第3停止表示列(中列)に停止表示させる図柄を決定する。この第3停止表示列は、全ての飾図[1]〜[7]、[祭]、[祝]、[寿]の中から適宜選択し、決定する。これらの処理により、統括CPU31aは、はずれ演出時における飾図のはずれ図柄を決定する。例えば、第1停止表示列に停止表示させる飾図を[祭]に決定するとともに第2停止表示列に停止表示させる飾図を[祝]に決定し、さらに第3停止表示列に停止表示させる飾図を[寿]に決定した場合、飾図のはずれ図柄は[祭寿祝]となる。
また、統括CPU31aは、第1の特別モード又は第2の特別モード時に、変動パターン指定コマンドに変動パターンP3〜P5が指示され、はずれリーチ演出が決定されている場合、第1停止表示列に停止表示させる飾図と第2停止表示列に停止表示させる飾図を同一種類に決定する。続いて、統括CPU31aは、第1停止表示列に停止表示させる飾図と第2停止表示列に停止表示させる飾図を同一種類に決定した場合、第3停止表示列に停止表示させる飾図を異なる種類に決定する。このとき、統括CPU31aは、特別モード中にはずれリーチ演出を行う場合、各特別モードに定められる指定図柄によりリーチ状態を形成してはずれ図柄を確定的に停止表示させると、特別モードの内容と整合しなくなるため、特別モード中のはずれリーチ演出では指定図柄によるリーチ状態を形成しないように各列の飾図を決定する。
具体的に言えば、統括CPU31aは、第1の特別モードであれば、第1停止表示列と第2停止表示列に停止表示させる各飾図を、第1の特別モードに定める指定図柄[祭]、[祝]、[寿]以外の飾図の中から決定する。一方、統括CPU31aは、第2の特別モードであれば、第1停止表示列と第2停止表示列に停止表示させる各飾図を、第2の特別モードに定める指定図柄[祭]以外の飾図の中から決定する。なお、はずれリーチ演出時の第3停止表示列の飾図は、第1停止表示列及び第2停止表示列の各飾図とは異なる種類とすることを前提とし、第1停止表示列及び第2停止表示列の各飾図に対し表示順序が1つ前の飾図又は1つ後の飾図に決定しても良いし、第1停止表示列及び第2停止表示列の各飾図以外の飾図の中から適宜選択し決定しても良い。これらの処理により、統括CPU31aは、はずれリーチ演出時における飾図のはずれ図柄を決定する。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り演出を行う変動パターンP1,P2及びはずれリーチ演出を行う変動パターンP3が決定されていることを所定条件として、モード移行抽選が行われる。そして、モード移行抽選は、変動パターンP3が決定されている場合よりも変動パターンP1,P2が決定されている場合の方が当選し易くなっている。すなわち、特別モードへ移行することに対し、大当りが内部的に決定されている可能性を持たせている。特に、特別モードへ移行する契機となる図柄変動ゲームにおいては、大当りが決定されている可能性があるため、モード移行が大当りに繋がるという遊技性を構築している。
また、時短状態の終了時には、指定図柄の数を多く定めた第1の特別モードへ移行させるようにしている。すなわち、時短状態が終了しても遊技者に大当りへの期待を持たせることができる第1の特別モードへ移行するようになっている。
そして、第1の特別モード時及び第2の特別モード時の図柄変動ゲームにおいてはずれ演出が行われる場合には、第1停止表示列に停止表示させる飾図を指定図柄とするか否かを決定する第2の抽選が行われる。第2の抽選に当選した場合には、指定図柄が第1停止表示列に停止表示されることにより、リーチ状態が形成され、確変大当りが確定する可能性を示唆することができる。さらに、第1停止表示列に続き、第2停止表示列に停止表示させる飾図を前記第1停止表示列に停止表示される指定図柄に対し表示順序が前後となる飾図を停止表示させることで、よりリーチ状態が形成され、確変大当りが確定する可能性を示唆することができる。すなわち、はずれ演出においても、積極的に指定図柄を第1停止表示列に停止表示させ、指定図柄によるリーチ状態が形成されることを示唆するようにしている。
また、全10種類の飾図のうち、指定図柄となる図柄は、第1の特別モードでは3種類(全10種類の30%)であり、第2の特別モードでは1種類(全10種類の10%)となっている。また、確変大当りを示す飾図の5種類のうち、指定図柄となる図柄は、第1の特別モードでは3種類(全5種類の60%)であり、第2の特別モードでは1種類(全5種類の20%)となっている。このため、第1の特別モードでは、図柄変動ゲームにおいて第1停止表示列に指定図柄が停止表示される可能性は見た目上の割合で全10種類の飾図の30%(10分の3)であるとともに全5種類の確変大当りの飾図の60%(5分の3)となっている。また、第2の特別モードでは、全10種類の飾図の10%(10分の1)であるとともに全5種類の確変大当りの飾図の20%(5分の1)となっている。その一方で、第1の抽選に当選する確率は、第1の特別モードでは80%、第2の特別モードでは40%となっている。このため、各モードでは、見た目上で指定図柄が停止表示される割合に比して、高い確率で指定図柄が停止表示されるようになっている。本実施形態では、統括CPU31aがモード制御手段として機能する。
次に、表示制御基板32(サブCPU32a)が演出制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で図柄変動ゲームが行われるように特図表示器H1及び可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、特図指定コマンドで指示された特図を特図表示器H1に確定的に停止表示させるとともに、飾図指定コマンドで指示された飾図を可変表示器H2に確定的に停止表示させ、図柄変動ゲームを終了させる。このとき、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドに指示される変動パターンが確変大当りとなる大当り演出用の変動パターンP1の場合、特図表示器H1と可変表示器H2に確変大当りを示す各大当り図柄を確定的に停止表示させる。また、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドに指示される変動パターンが非確変大当りとなる大当り演出用の変動パターンP2の場合、特図表示器H1と可変表示器H2に非確変大当りを示す各大当り図柄を確定的に停止表示させる。また、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンがはずれリーチ演出用の変動パターンP3〜P5、及びはずれ演出用の変動パターンP6の場合、特図表示器H1と可変表示器H2に各はずれ図柄を確定的に停止表示させる。
また、サブCPU32aは、モード開始コマンドを入力すると、特別モード報知演出を実行させる。サブCPU32aは、モード開始コマンドを入力すると、可変表示器H2の表示態様を通常モードの表示態様から特別モードに表示態様に移行させる。そして、サブCPU32aは、モード開始コマンドに指示されるモードが第1の特別モードである場合、可変表示器H2に「第1の特別モード開始」なる文字画像を表示させ、モード開始コマンドに指示されるモードが第2の特別モードである場合、可変表示器H2に「第2の特別モード開始」なる文字画像を表示させるように可変表示器H2を制御する。また、サブCPU32aは、モード開始コマンドに指示されるモードに拘わらず演出用可動体Kを時計回り方向に回転動作させる可動演出を実行させるように制御する。
また、本実施形態のパチンコ機10においてサブCPU32aは、モード開始コマンドを図柄変動ゲームの開始直前に入力するため、図柄変動ゲームの開始と同時に特別モード報知演出を実行させる。そして、可変表示器H2の表示演出と演出用可動体Kの可動演出により特別モードへ移行したこと、及び移行先の特別モードの種類を遊技者に報知する。
一方、サブCPU32aは、モード終了コマンドを入力すると、特別モード報知演出を終了させる。すなわち、サブCPU32aは、可変表示器H2に表示させた前記文字画像を非表示とするとともに、演出用可動体Kの回転動作を停止させる。本実施形態では、特図表示器H1及び可変表示器H2を制御するサブCPU32aが表示制御手段となる。また、モード制御手段となる統括CPU31aを備える統括制御基板31及び表示制御手段となるサブCPU32aを備える表示制御基板32が副制御装置となる。
次に、ランプ・音声制御基板33(サブCPU33a)が演出制御プログラムにしたがって実行する制御内容を説明する。
サブCPU33aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンに対応する演出内容で枠ランプ16及びサイドランプ17の発光態様を制御するとともに、スピーカ18の音声出力態様を制御する。そして、サブCPU33aは、全図柄停止コマンドを入力すると、枠ランプ16及びサイドランプ17による発光演出及びスピーカ18の音声演出を終了させる。
また、サブCPU33aは、モード開始コマンドを入力すると、特別モード発光演出を実行させる。サブCPU33aは、モード開始コマンドを入力した場合、サイドランプ17の発光態様を通常モードの発光態様から特別モードの発光態様に変化させる。そして、サブCPU33aは、モード開始コマンドに指示されるモードが第1の特別モードである場合、サイドランプ17を継続的に点灯させる点灯制御を実行する。また、サブCPU33aは、モード開始コマンドに指示されるモードが第2の特別モードである場合、サイドランプ17を継続的に点灯させる制御をしない。
本実施形態のパチンコ機10では、サイドランプ17による特別モード発光演出により、第1の特別モードへ移行したことを遊技者に報知している。また、モード開始コマンドを図柄変動ゲームの開始直前に入力するため、図柄変動ゲームの開始と同時に特別モード発光演出が実行される。すなわち、表示制御基板32のサブCPU32aにより実行される特別モード報知演出と連動して特別モード発光演出が行われる。一方、サブCPU33aは、モード終了コマンドを入力すると、特別モード発光演出を終了させる。すなわち、サブCPU33aは、サイドランプ17の発光態様を通常モード時の発光態様に戻す。
以下、特別モード(第1の特別モード又は第2の特別モード)中に可変表示器H2で行われる表示演出について図9に基づき説明する。
図9には、第1の特別モード及び第2の特別モードで指定図柄として定めた「祭」の飾図が第1停止表示列として停止表示した場合において、可変表示器H2に大当り図柄が確定的に停止表示されるときと、はずれ図柄が確定的に停止表示されるときを示している。図9において、可変表示器H2内に示す「↓」は変動表示を表す。
特別モード中に可変表示器H2で図柄変動ゲームが開始され、指定図柄としての飾図「祭」が第1停止表示列に停止表示された場合(図9(a))、内部抽選で確変大当りとなる大当り演出が決定されていれば、第2停止表示列に飾図「祭」が停止表示されることで確変大当りが確定する。そして、可変表示器H2において、第2停止表示列に飾図「祭」が停止表示されると(図9(b))、この時点で遊技者は確変大当りになることを認識できる。その後、可変表示器H2では、飾図「祭」によるリーチ状態が形成されたことによりリーチ演出が行われ、当該リーチ演出にて第3停止表示列に飾図「祭」が停止表示された後、大当り図柄[祭祭祭]が確定的に停止表示される(図9(c))。
一方、内部抽選ではずれ演出が決定されていれば、第1停止表示列に指定図柄としての飾図[祭]が停止表示された後、第2停止表示列に飾図[祭]以外の飾図が停止表示される(図9(d))。図9(d)は、第2停止表示列に飾図「祭」に対し表示順序が1つ後になる飾図「祝」が停止表示された状態を示す。この段階で指定図柄によってリーチ状態が形成されず、確変大当りとなる可能性がなくなる。そして、可変表示器H2では、第3停止表示列に飾図が停止表示された後、はずれ図柄が確定的に停止表示される(図9(e))。図9(e)は、第3停止表示列に飾図[寿]が停止表示され、はずれ図柄[祭寿祝]が確定的に停止表示された状態を示す。
本実施形態では、内部抽選ではずれ演出が決定されている場合であって、第2の抽選及び第3の抽選に当選しているとき、第2停止表示列には、第1停止表示列に停止表示された指定図柄に対し表示順序が1つ前又は1つ後の飾図が停止表示される。1つ後の飾図が停止表示される場合には、図9(d)に示すように、第2停止表示列において飾図[祭]が停止ラインY1を通過する。一方、1つ前の飾図が停止表示される場合には、第2停止表示列において飾図[祭]が変動表示に伴って停止ラインY1の手前までくる。このため、リーチ状態への期待を抱かせることができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1の特別モードには、第2の特別モードに比して指定図柄の個数を多く定めている。このため、第1の特別モードは、第2の特別モードに比して遊技者の大当りに対する期待を膨らませることができる。また、大当り演出が行われる図柄変動ゲームでは、第2の特別モードに比して第1の特別モードへ移行する可能性が高い。このため、第1の特別モードへの移行時には、特別モードに移行しない場合や第2の特別モードへ移行した場合に比して遊技者が抱く期待をより増大させることができる。また、第1の特別モード及び第2の特別モードは、継続的に付与されるため、各モードへ移行した以降の図柄変動ゲームにおいても、指定図柄によるリーチ状態が形成されることに対する(大当りすることに対する)期待を遊技者に継続的に抱かせ、特別モードに移行すること及び特別モードへ移行した後の興趣を向上させることができる。そして、時短状態終了後には、第1の特別モードへ移行される。遊技者の中には、時短状態の終了を機に大当りへの期待を低下させてしまう遊技者も存在する。このような遊技者は、時短状態の終了を機に遊技を止めてしまう可能性がある。このため、時短状態終了後において、第1の特別モードへ移行させることで、時短状態の終了後であっても遊技者の遊技に対する継続意欲を持続させることができる。
(2)大当り演出が行われる場合、第1の特別モードでは、第2の特別モードに比して指定図柄によるリーチ状態が形成され易くした。このため、第1の特別モードでは、遊技者の大当りに対する期待をより増大させることができる。したがって、第1の特別モードへの移行に対して期待を抱かせることができる。
(3)また、各特別モードにおける第2の抽選の当選確率を、遊技者が可変表示器H2に表示可能な図柄の種類によって見た目上から判断できる割合(全10種類の飾図に対する割合及び全5種類の確変大当りの飾図に対する割合)よりも高く設定した。そして、特別モード中に大当りとなる場合には、指定図柄によるリーチ状態が形成され易くした。したがって、各特別モードに移行することへの期待を高めることができる。
(4)第1の特別モード及び第2の特別モードにおいてはずれ演出が行われる場合には、第2の抽選に当選することで第1停止表示列の図柄として指定図柄を停止表示させるようにした。そして、第2の抽選に当選した場合にはさらに第3の抽選を行い、第3の抽選に当選した場合には第2停止表示列の図柄として第1停止表示列に停止表示される指定図柄に対し表示順序が1つ前又は1つ後の図柄を停止表示させるようにした。このようにはずれ演出が行われる場合でも積極的に指定図柄を表示させる制御を実行するとともに、積極的に指定図柄によるリーチ状態が形成させるかのように制御を実行することで、特別モード中、指定図柄によってリーチ状態が形成されることに対し遊技者に期待を抱かせることができる。
(5)パチンコ機10全体を制御する主制御基板30の制御に負荷をかけず、統括制御基板31において、特別モードを決定し、特別モードに係る制御を実行する。したがって、主制御基板30に負担を掛けることなく特別モードによる演出を実現することができる。
(6)図柄変動ゲームにおいて、変動パターンP1,P2に基づきリーチ状態を形成する大当り演出が行われる図柄変動ゲームと、変動パターンP3に基づきリーチ状態を形成するはずれ演出が行われる図柄変動ゲームにおいて、特別モードに移行する可能性がある。このため、特別モードに移行する場合、いずれのモードに移行しようとも、移行の契機となった図柄変動ゲームでは大当りに対し遊技者に期待を抱かせることができる。さらに、第1の特別モードに移行した場合には、設定される指定図柄の数が多いためより遊技者に期待を抱かせることができる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更しても良い。
・本実施形態において、特別モードは指定図柄の種類が最も多く設定される第1の特別モードと、該第1の特別モードより指定図柄の種類が少ない複数種類の第2の特別モードを設けるようにしても良い。この場合、特別モードとしては、全部で3種類、4種類以上存在することとなる。
・本実施形態において、指定図柄の数は、第1の特別モードで5種類、第2の特別モードで3種類のように任意に変更しても良い。この場合、指定図柄としては複数種類(本実施形態では10種類)の図柄の数を最大として、その間で指定図柄が設定される。
・本実施形態において、メインCPU30aの決定する特図と、変動パターンは一対一に対応させるようにしても良い。すなわち、特図の数だけ変動パターンを用意する。このような構成において、統括CPU31aは、メインCPU30aが決定する特図に基づき大当り判定の結果(リーチ判定の結果)を認識するようにしても良い。
・本実施形態において、飾図を用いない特図のみにより図柄変動ゲームを行うようにしても良い。この場合、特図は、複数種類の図柄を複数列(例えば3列)で変動させて図柄変動ゲームを行わせるようにする。
・本実施形態において、10000回より少ないの上限回数が定められる確変状態を付与することができるパチンコ機10に適用しても良い。例えば、確変状態が付与される上限回数として、100回と定められるような仕様のパチンコ機10に適用しても良い。そして、有利遊技状態として確変状態の終了後において、第1の特別モードに突入するようにすることで、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、時短状態のみを付与する仕様のパチンコ機10に適用しても良い。
・本実施形態において、大当り遊技終了後に確変状態及び時短状態の両方を付与しない場合がある仕様のパチンコ機10に適用しても良い。このような仕様のパチンコ機10においては、有利遊技状態としての大当り遊技の終了後、何も特典が付与されないため遊技者の中には遊技に対する継続意欲を低下させ、大当り終了直後に遊技を止めてしまう遊技者も存在する。このため、大当り遊技の終了後に第1の特別モードに突入するようにすることで、大当り当選に対する特典として第1の特別モードへの突入を付与することができるとともに、遊技に対する継続意欲の低下を抑制することができる。
・本実施形態において、特別モードへの移行が統括CPU31aで決定される場合、移行契機となる図柄変動ゲームが開始されてからリーチ状態が形成されるまでの間に通常モードから特別モードへ移行させるようにしても良い。
・本実施形態において、第1の抽選を行わないようにしても良い。内部的に確変大当りを決定している場合、特別モードに移行する場合には必ず指定図柄によりリーチ状態が形成されるようにしても良い。
・本実施形態において、指定図柄でリーチ状態が形成された場合に大当りが確定するようにしても良い。この場合、内部的に確変大当り及び非確変大当りに関わらず指定図柄によるリーチ状態が形成される可能性があるため、指定図柄によるリーチ状態の出現率を向上させることができる。すなわち、指定図柄によるリーチ状態に対して遊技者により期待を抱かせることができる。
・本実施形態において、第2の抽選及び第3の抽選を行わないようにしても良い。特別モードでの図柄変動ゲームにおいて、はずれとなる場合には必ず第1停止表示列の図柄に指定図柄が停止するようにしても良い。また、第2の抽選のみ行い第3抽選を行わないようにしても良い。第1停止表示列の図柄に指定図柄が停止表示される場合には、第2停止表示列の図柄として必ず第1停止表示列の表示順序の前後に位置する図柄が停止するようにしても良い。
・本実施形態において、統括制御基板31を設けなくても良い。この場合、特別モードの移行に関わる処理及び飾図の決定に関わる処理を表示制御基板32が行うようにする。
・本実施形態において、変動パターンP1,P2及び変動パターンP3が決定される場合には、特別モード移行の抽選を行わず第1の特別モード及び第2の特別モードのいずれかに必ず移行するようにしても良い。
・本実施形態において、各特別モードにおける第1の抽選での当選確率は、指定図柄の全10種類の飾図に対する見た目上の割合より高い当選確率、及び全5種類の確変大当りの飾図に対する見た目上の割合より高い当選確率のいずれかを満足するように設定しても良い。例えば、第1の抽選の当選確率を第1の特別モードでは、50%(全10種類の飾図の見た目上の割合より高い)とし、第2の特別モードでは、20%(全10種類の飾図の見た目上の割合より高い)としても良い。
・本実施形態において、第1の抽選での当選確率は、複数種類の図柄において指定図柄となり得る図柄が占める割合と同等若しくはそれ以下であっても良い。
・本実施形態において、図柄は変動順序が予め定められていなくても良い。
・本実施形態において、特別モードは、例えば予め定めた回数として30回のみ継続するようにしても良い。
H1…特図表示器、H2…可変表示器、10…パチンコ機、30…主制御基板、30a…メインCPU、30b…ROM、30c…RAM、31…統括制御基板、31a…統括CPU、31b…ROM、31c…RAM、32…表示制御基板、32a…サブCPU、32b…ROM、32c…RAM。