JP2007220907A - 超電導磁石装置及びその運転方法 - Google Patents
超電導磁石装置及びその運転方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007220907A JP2007220907A JP2006039621A JP2006039621A JP2007220907A JP 2007220907 A JP2007220907 A JP 2007220907A JP 2006039621 A JP2006039621 A JP 2006039621A JP 2006039621 A JP2006039621 A JP 2006039621A JP 2007220907 A JP2007220907 A JP 2007220907A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- superconducting
- superconducting magnet
- permanent current
- current switch
- magnets
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
Abstract
【課題】簡易な構成として低コスト化するとともに信頼性を向上させ、さらに超伝導コイルの励消磁のための通電が容易な超伝導磁石装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】軸が同一であり、かつ、対向するように配設された2つの超伝導磁石1、2と、これらの超伝導磁石1、2のそれぞれに電気的に並列接続されている永久電流スイッチ3、4と、超伝導磁石1、2及び永久電流スイッチ3、4と電気的に直列接続されている電源5と、超伝導磁石1及び永久電流スイッチ3を内部に有する低温容器6と、超伝導磁石2及び永久電流スイッチ4を内部に有する低温容器7とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】軸が同一であり、かつ、対向するように配設された2つの超伝導磁石1、2と、これらの超伝導磁石1、2のそれぞれに電気的に並列接続されている永久電流スイッチ3、4と、超伝導磁石1、2及び永久電流スイッチ3、4と電気的に直列接続されている電源5と、超伝導磁石1及び永久電流スイッチ3を内部に有する低温容器6と、超伝導磁石2及び永久電流スイッチ4を内部に有する低温容器7とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、所定空間に所定磁場を発生させるために、前記所定空間を挟むように配設された2つの超伝導磁石を備えている超電導磁石装置、及び、その運転方法に関するものである。
従来から、例えば、下記特許文献1、2のように、所定空間に所定磁場を発生させるために、前記所定空間を挟むように配設された2つの超伝導磁石を備えている超電導磁石装置は知られている。具体的には、特許文献1において、シリコン等の単結晶材料を製造するために溶融した原料から結晶化した材料を引上げ精製する際に少なくとも2個の超電導マグネットにより溶融した原料を挟んで前記原料に静磁界を印加する単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置において、前記少なくとも2つの超電導マグネットの液体ヘリウム槽を互いに連通する少なくとも1本の連通管を備え、しかも、前記連通管は真空槽および熱シールドを有する断熱構造でなり、かつ、連通される超電導マグネット本体及び熱シールドにそれぞれつながっていることを特徴とする単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置が提案されている。
特許文献2においては、半導体用単結晶材料をるつぼ内で融解させ、前記るつぼを内蔵した引上げ炉の外部に超電導磁石を配設し、この超電導磁石による磁場を印加して前記融解した単結晶材料から単結晶を引上げる単結晶引上げ装置用超電導磁石において、前記超電導磁石は相互に向き合い液体冷媒中に浸漬した二個の超電導コイルをそれぞれ別々の低温容器に内蔵し、前記それぞれの超電導コイルが発生する磁場の方向が前記引上げ炉の引上げ方向に対して横方向であり、かつ前記それぞれの低温容器間の設置スペースを調整自在に支持してなることを特徴とする単結晶引上げ装置用超電導磁石が記載されている。
しかし、特許文献1のものは、それぞれのマグネットを納める液体ヘリウム槽を互いに連通する少なくとも1本の連通管で連結し,連通管は真空槽および熱シールドを有する断熱構造でなり、かつ、連通される超電導マグネット本体及び熱シールドにそれぞれつながっているので、容器の構造が非常に複雑である。そのため製造コストが大きくなり、また複雑な構造を溶接構造などで製造するため真空漏れなどのトラブルを起すおそれがある。
特許文献2のものは、それぞれの磁石を別々の低温容器に内蔵する事が示されているが、その特徴として低温容器間の設置スペースを調整自在にすることを示すのみであり、その電気回路や通電方法については言及されていない。明細書中で、それぞれを独立に通電することが示唆されているが、この方法では、2台の電源が必要である。このことにより、それぞれのコイルの通電電流を独立に変えることができるので、種々の磁場形状が得られるということを特徴としてあげているが、実際の使用においてはそれぞれの通電電流を等しくする場合がほとんどであり、これを容易に実現する通電方法については明示されていない。
そこで、本発明の目的は、特許文献1のものに比べ簡易な構成として低コスト化するとともに信頼性を向上させ、さらに超伝導コイルの励消磁のための通電が容易な超伝導磁石装置及びその運転方法を提供することである。
本発明の超伝導磁石装置は、所定空間に所定磁場を発生させるために前記所定空間を挟むように対向して配設された2つの超伝導磁石からなる超伝導磁石対を1つ以上備えている超伝導磁石装置であって、前記超電導磁石のそれぞれが、独立した低温容器内において冷却されている超電導コイルからなるものであるとともに、電気的に直列接続されているものである。
上記構成により、低温容器を独立に設けたことで構造がシンプルになるため、特許文献1のものに比べ低コストで製造できるとともに信頼性を向上した超伝導磁石装置を提供できる。また、低温容器を超伝導磁石ごとに独立にしたことで、ある1つの超伝導磁石がクエンチした場合、その超伝導磁石を内部に有する低温容器内のヘリウムだけが消費されるため、同じ規模の超伝導磁石装置であって冷却に液体ヘリウムを用いているならば、特許文献1のような構成の低温容器の場合に比べ、クエンチ時のヘリウム消費が半分程度で済むという利点がある。また、その後の復旧も一方のコイルを再励磁するだけで済むので、電力消費が半分程度で済むという利点もある。さらに、各超伝導磁石を直列で接続していることから、1つの外部電源で各超伝導磁石を同時に励消磁することができる。
別の観点として、本発明の超伝導磁石装置は、所定空間に所定磁場を発生させるために前記所定空間を挟むように対向して配設された2つの超伝導磁石からなる超伝導磁石対を複数備えている超伝導磁石装置であって、それぞれの前記超伝導磁石が、超電導コイルからなるとともに、電気的に直列接続されているものであり、複数の前記超伝導磁石対の一方同士と他方同士とが、独立した2つの低温容器内にそれぞれ配設され、冷却されているものである。
上記構成により、複数の超伝導磁石対の一方同士と他方同士とにおいて、2つの低温容器を独立に設けたことで構造がシンプルになるため、2つの低温容器の内部間が接続されている場合に比べ、低コストで製造できるとともに信頼性を向上した超伝導磁石装置を提供できる。また、低温容器を超伝導磁石ごとに独立にしたことで、ある1つの超伝導磁石がクエンチした場合、その超伝導磁石を内部に有する低温容器内のヘリウムだけが消費されるため、同じ規模の超伝導磁石装置であって冷却に液体ヘリウムを用いているならば、2つの低温容器の内部間が接続されている場合に比べ、クエンチ時のヘリウム消費が半分程度で済むという利点がある。さらに、各超伝導磁石を直列で接続していることから、1つの外部電源で各超伝導磁石を同時に励消磁することができる。
本発明の超伝導磁石装置は、前記低温容器内の前記超電導磁石に対して電気的に並列接続されている永久電流スイッチを、前記低温容器ごとに備えていることが好ましい。また、この超伝導磁石装置の運転方法は、前記超伝導磁石対の一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをオープン状態とし、前記超伝導磁石対の他方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをクローズ状態とする工程と、前記一方の超伝導磁石及び前記一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチに所定の電流値まで通電する工程と、前記一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをクローズ状態とする工程とを有するものである。
上記構成により、例えば、クローズ状態の永久電流スイッチが接続されている超伝導コイルの通電電流を変化させることなく、オープン状態の永久電流スイッチが接続されている超伝導コイルの通電電流を変化させることができる。したがって、各超伝導磁石について単独でも同時でも励消磁できる。
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態に係る超伝導磁石装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る超伝導磁石装置に用いられる超伝導磁石装置の主要部の概略図である。
以下に、本発明の第1実施形態に係る超伝導磁石装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る超伝導磁石装置に用いられる超伝導磁石装置の主要部の概略図である。
本実施形態に係る超伝導磁石装置は、軸が同一であり、かつ、対向するように配設された2つの超伝導磁石1、2と、これらの超伝導磁石1、2のそれぞれに電気的に並列接続されている永久電流スイッチ3、4と、超伝導磁石1、2及び永久電流スイッチ3、4と電気的に直列接続されている電源5と、超伝導磁石1及び永久電流スイッチ3を内部に有する低温容器6と、超伝導磁石2及び永久電流スイッチ4を内部に有する低温容器7とを備えている。
超伝導磁石1、2は、超伝導線を巻いて形成された超伝導コイルからなるものである。超伝導状態になった超伝導磁石1、2の間には所定の静磁場が形成される。
永久電流スイッチ3、4は、巻線された超電導線(図示せず)とこれを加熱するヒータ(図示せず)が内蔵された構造を有し、ヒータ電源(図示せず)によって前述のヒータをON/OFFすることによって前述の超電導巻線の常電導/超電導の状態を制御するものである。なお、図1においては、永久電流スイッチをPCS(persistent-current switch)と表している。後述の第2実施形態における図2においても同様である。
低温容器6、7は、それぞれ独立した容器であり、内部に液体ヘリウムを有している液体ヘリウム槽(図示せず)を備え、この液体ヘリウムに超伝導磁石1、2が浸漬されているものである。なお、一変形例として、低温容器6、7は、液体ヘリウム槽の代わりに、超伝導磁石1、2に熱的に接続され、超伝導磁石1、2を超伝導状態にすることができる程度に冷却が可能な冷凍機をそれぞれ備えたものであってもよい。
次に、本実施形態に係る超伝導磁石装置の超伝導コイルの励磁動作について説明する。まず、超伝導コイル1、2を同時に励磁する場合について説明した後、超伝導コイル1のみを励磁する場合について説明する。
(超伝導コイル1、2を同時に励磁する場合の本実施形態に係る超伝導磁石装置の動作)
(1)超伝導コイル1、2両方の永久電流スイッチ3、4をオープンする(永久電流スイッチ3、4の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(2)電源5によって所定の電流値まで超伝導コイル1、2両方に通電する(超伝導コイル1、2両方に所定の電流値が流れ励磁される。)。
(3)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
(4)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方が所定の電流値で永久電流モードになる。)。
(1)超伝導コイル1、2両方の永久電流スイッチ3、4をオープンする(永久電流スイッチ3、4の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(2)電源5によって所定の電流値まで超伝導コイル1、2両方に通電する(超伝導コイル1、2両方に所定の電流値が流れ励磁される。)。
(3)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
(4)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方が所定の電流値で永久電流モードになる。)。
(超伝導コイル1のみを励磁する場合の本実施形態に係る超伝導磁石装置の動作)
このとき、超伝導コイル2は永久電流モードで通電されていてもいなくてもよいが、ここでは、超伝導コイル2が永久電流モードであるとして説明する。
(1)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3をオープンする(永久電流スイッチ3の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(2)電源5を所定の電流値まで通電する(超伝導コイル1だけに所定の電流値が流れ、励磁される。超伝導コイル2の電流は永久電流スイッチ4にバイパスするため不変。)。
(3)永久電流スイッチ3をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3の超伝導線を超電導状態とする。)。
(4)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1が所定の電流値で永久電流モードになる。超伝導コイル2は最初の電流値での永久電流モードのままに保たれる。)。
このとき、超伝導コイル2は永久電流モードで通電されていてもいなくてもよいが、ここでは、超伝導コイル2が永久電流モードであるとして説明する。
(1)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3をオープンする(永久電流スイッチ3の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(2)電源5を所定の電流値まで通電する(超伝導コイル1だけに所定の電流値が流れ、励磁される。超伝導コイル2の電流は永久電流スイッチ4にバイパスするため不変。)。
(3)永久電流スイッチ3をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3の超伝導線を超電導状態とする。)。
(4)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1が所定の電流値で永久電流モードになる。超伝導コイル2は最初の電流値での永久電流モードのままに保たれる。)。
これらのように超伝導コイル1、2を励磁することで、例えば、図1中の矢印に示すような方向に静磁場を印加することができる。
次に、本実施形態に係る超伝導磁石装置の超伝導コイルの消磁動作について説明する。まず、超伝導コイル1、2を同時に消磁する場合について説明した後、超伝導コイル1のみを消磁する場合について説明する。
(超伝導コイル1、2を同時に消磁する場合の本実施形態に係る超伝導磁石装置の動作)
(1)電源5の電流値を超伝導コイル1、2両方の運転電流値まで上げる。
(2)超伝導コイル1、2両方の永久電流スイッチ3、4をオープンする(永久電流スイッチ3、4の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(3)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方の電流値が0となり、消磁される。)。
(4)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
なお、超伝導コイル1、2の電流値を途中の値で永久電流モードに保持する場合には、上記(3)以降を下記(3’)〜(5’)の動作を行わせればよい。
(3’)電源5の電流値を所定の値まで下げる。
(4’)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
(5’)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方が所定の電流値で永久電流モードになる。)。
(1)電源5の電流値を超伝導コイル1、2両方の運転電流値まで上げる。
(2)超伝導コイル1、2両方の永久電流スイッチ3、4をオープンする(永久電流スイッチ3、4の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(3)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方の電流値が0となり、消磁される。)。
(4)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
なお、超伝導コイル1、2の電流値を途中の値で永久電流モードに保持する場合には、上記(3)以降を下記(3’)〜(5’)の動作を行わせればよい。
(3’)電源5の電流値を所定の値まで下げる。
(4’)永久電流スイッチ3、4をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3、4の超伝導線を超電導状態とする。)。
(5’)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1、2両方が所定の電流値で永久電流モードになる。)。
(超伝導コイル1のみを消磁する場合の本実施形態に係る超伝導磁石装置の動作)
このとき、超伝導コイル2は永久電流モードで通電されていてもいなくてもよいが、ここでは、超伝導コイル2が永久電流モードであるとして説明する。
(1)電源5の電流値を超伝導コイル1の運転電流値まで上げる。
(2)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3のみをオープンする(永久電流スイッチ3の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(3)電源5の電流値を0まで下げる(超伝導コイル1の電流値が0となり、消磁される。超伝導コイル2の電流は永久電流スイッチ4にバイパスするため、最初の電流値での永久電流モードのまま保持される。)。
(4)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3をクローズする。
なお、超伝導コイル1の電流値を途中の値で永久電流モードに保持する場合には、上記(3)以降を下記(3’)〜(5’)の動作を行わせればよい。
(3’)電源5の電流値を所定の値まで下げる。
(4’)永久電流スイッチ3をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3の超伝導線を超電導状態とする。)。
(5’)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1が所定の電流値で永久電流モードになる。超伝導コイル2は、最初の電流値での永久電流モードのまま保持される。)。
このとき、超伝導コイル2は永久電流モードで通電されていてもいなくてもよいが、ここでは、超伝導コイル2が永久電流モードであるとして説明する。
(1)電源5の電流値を超伝導コイル1の運転電流値まで上げる。
(2)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3のみをオープンする(永久電流スイッチ3の超伝導線をヒータによって常電導状態とする。)。
(3)電源5の電流値を0まで下げる(超伝導コイル1の電流値が0となり、消磁される。超伝導コイル2の電流は永久電流スイッチ4にバイパスするため、最初の電流値での永久電流モードのまま保持される。)。
(4)超伝導コイル1の永久電流スイッチ3をクローズする。
なお、超伝導コイル1の電流値を途中の値で永久電流モードに保持する場合には、上記(3)以降を下記(3’)〜(5’)の動作を行わせればよい。
(3’)電源5の電流値を所定の値まで下げる。
(4’)永久電流スイッチ3をクローズする(ヒータを切って永久電流スイッチ3の超伝導線を超電導状態とする。)。
(5’)電源5の電流値を0に下げる(超伝導コイル1が所定の電流値で永久電流モードになる。超伝導コイル2は、最初の電流値での永久電流モードのまま保持される。)。
これらのように超伝導コイル1、2を消磁することで、発生していた静磁場を消磁することができる。
以上の手順を組み合わせることにより、超伝導コイル1、2それぞれを任意の初期状態から任意の状態へ独立に変更すること、および超伝導コイル1、2を同時に任意の状態へ変更すること(この操作の初期においては超伝導コイル1、2の通電電流を同一にしておくことが必要)が、1台の電源5と2つの永久電流スイッチ3、4の操作によって可能となる。
本実施形態によれば、低温容器を独立に設けたことで構造がシンプルになるため、特許文献1のものに比べ低コストで製造できるとともに信頼性を向上した超伝導磁石装置を提供できる。また、低温容器6、7を超伝導磁石1、2ごとに独立にしたことで、どちらか一方の超伝導磁石がクエンチした場合、その一方の低温容器内のヘリウムだけが消費されるため、同じ規模の超伝導磁石装置であって冷却に液体ヘリウムを用いているならば、特許文献1のような構成の低温容器の場合に比べ、クエンチ時のヘリウム消費が半分程度で済むという利点がある。また、その後の復旧も一方の超伝導コイルを再励磁するだけで済むので、電力消費が半分程度で済むという利点もある。さらに、各超伝導磁石1、2を直列で接続していることから、容易に1つの外部電源で各超伝導磁石1、2を同時に又は単独で励消磁することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る超伝導磁石装置について図面を参照して説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る超伝導磁石装置に用いられる超伝導磁石装置の主要部の概略図である。なお、第1実施形態の符合3〜7と同様の部分には、順に符合13〜17を付け、その説明を省略することがある。
次に、本発明の第2実施形態に係る超伝導磁石装置について図面を参照して説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る超伝導磁石装置に用いられる超伝導磁石装置の主要部の概略図である。なお、第1実施形態の符合3〜7と同様の部分には、順に符合13〜17を付け、その説明を省略することがある。
本実施形態の超伝導磁石装置は、超伝導コイル1、2の代わりに、超伝導コイル11a、11b、12a、12bを用いている点で、第1実施形態の超伝導磁石装置と異なる。具体的には、超伝導コイル11a、11b、超伝導コイル12a、12bのそれぞれが電気的に直列接続されているとともに、軸が同一の状態で超伝導コイル11a、12a、超伝導コイル11b、12bがそれぞれ対向するとともに、超伝導コイル11a、12aの組と超伝導コイル11b、12bの組とが並列に配設されている。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用・効果を奏すると共に、超伝導コイル11a、12a間及び超伝導コイル11b、12b間の2箇所において、静磁場を形成することができる(図2中の矢印参照)。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、対向する2つの超伝導磁石を有する超伝導磁石対が1組又は2組の超伝導磁石装置を示したが、これに限られず、3組以上の超伝導磁石対を有する超伝導磁石装置であっても構わない。
また、第2実施形態では、超伝導磁石対の一方の超伝導磁石と他方の超伝導磁石とを別々の独立した低温容器にまとめて配設した超伝導磁石装置としたが、超伝導磁石ごとに低温容器が設けられているものであってもよい。
さらに、第2実施形態では、低温容器内で直列に接続されている超伝導磁石の全体と、永久電流スイッチを並列接続している超伝導磁石装置としたが、超伝導磁石ごとに永久電流スイッチを並列接続してもかまわない。
本発明に係る超伝導磁石装置は、上記特許文献1、2で開示されている超伝導磁石装置と同様、結晶引上げ装置の静磁場発生に適用することができる。また、熱処理しながら磁気記録媒体を着磁する際の磁力源や、医療用のMRIなどにも適用することができる。
1、2、11a、11b、12a、12b 超伝導コイル
3、4、13、14 永久電流スイッチ
5、15 電源
6、7、16、17 低温容器
3、4、13、14 永久電流スイッチ
5、15 電源
6、7、16、17 低温容器
Claims (4)
- 所定空間に所定磁場を発生させるために前記所定空間を挟むように対向して配設された2つの超伝導磁石からなる超伝導磁石対を1つ以上備えている超伝導磁石装置であって、
前記超電導磁石のそれぞれが、独立した低温容器内において冷却されている超電導コイルからなるものであるとともに、電気的に直列接続されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 所定空間に所定磁場を発生させるために前記所定空間を挟むように対向して配設された2つの超伝導磁石からなる超伝導磁石対を複数備えている超伝導磁石装置であって、
それぞれの前記超伝導磁石が、超電導コイルからなるとともに、電気的に直列接続されているものであり、
複数の前記超伝導磁石対の一方同士と他方同士とが、独立した2つの低温容器内にそれぞれ配設され、冷却されていることを特徴とする超電導磁石装置。 - 前記低温容器内の前記超電導磁石に対して電気的に並列接続されている永久電流スイッチを、前記低温容器ごとに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導磁石装置。
- 請求項3記載の超電導磁石装置における前記超伝導磁石対の一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをオープン状態とし、前記超伝導磁石対の他方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをクローズ状態とする工程と、
前記一方の超伝導磁石及び前記一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチに所定の電流値まで通電する工程と、
前記一方の超伝導磁石に接続されている前記永久電流スイッチをクローズ状態とする工程とを有することを特徴とする超伝導磁石装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006039621A JP2007220907A (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 超電導磁石装置及びその運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006039621A JP2007220907A (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 超電導磁石装置及びその運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007220907A true JP2007220907A (ja) | 2007-08-30 |
Family
ID=38497851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006039621A Pending JP2007220907A (ja) | 2006-02-16 | 2006-02-16 | 超電導磁石装置及びその運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007220907A (ja) |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62150804A (ja) * | 1985-12-25 | 1987-07-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | シンクロトロン軌道放射システムの荷電粒子偏向装置 |
JPS62279608A (ja) * | 1986-05-28 | 1987-12-04 | Toshiba Corp | 分割超電導マグネツト |
JPH04291905A (ja) * | 1991-03-20 | 1992-10-16 | Hitachi Ltd | 核磁気共鳴装置用超電導磁石装置 |
JPH09139308A (ja) * | 1995-11-14 | 1997-05-27 | Hitachi Medical Corp | 超電導磁石装置及びその着磁方法 |
JPH09182731A (ja) * | 1995-10-23 | 1997-07-15 | General Electric Co <Ge> | 開放形磁気共鳴作像磁石 |
JPH09223620A (ja) * | 1996-01-19 | 1997-08-26 | Oxford Magnet Technol Ltd | 開放型電磁石 |
JPH107486A (ja) * | 1996-06-20 | 1998-01-13 | Mitsubishi Electric Corp | 磁界印加式単結晶製造装置 |
JP2000357822A (ja) * | 1998-12-30 | 2000-12-26 | General Electric Co <Ge> | 超伝導マグネット懸架アセンブリ |
WO2002049513A1 (fr) * | 2000-12-05 | 2002-06-27 | Hitachi, Ltd. | Aimant a champ magnetique a faible fuite et ensemble bobinage blinde |
JP2004186607A (ja) * | 2002-12-06 | 2004-07-02 | Railway Technical Res Inst | 磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置 |
-
2006
- 2006-02-16 JP JP2006039621A patent/JP2007220907A/ja active Pending
Patent Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62150804A (ja) * | 1985-12-25 | 1987-07-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | シンクロトロン軌道放射システムの荷電粒子偏向装置 |
JPS62279608A (ja) * | 1986-05-28 | 1987-12-04 | Toshiba Corp | 分割超電導マグネツト |
JPH04291905A (ja) * | 1991-03-20 | 1992-10-16 | Hitachi Ltd | 核磁気共鳴装置用超電導磁石装置 |
JPH09182731A (ja) * | 1995-10-23 | 1997-07-15 | General Electric Co <Ge> | 開放形磁気共鳴作像磁石 |
JPH09139308A (ja) * | 1995-11-14 | 1997-05-27 | Hitachi Medical Corp | 超電導磁石装置及びその着磁方法 |
JPH09223620A (ja) * | 1996-01-19 | 1997-08-26 | Oxford Magnet Technol Ltd | 開放型電磁石 |
JPH107486A (ja) * | 1996-06-20 | 1998-01-13 | Mitsubishi Electric Corp | 磁界印加式単結晶製造装置 |
JP2000357822A (ja) * | 1998-12-30 | 2000-12-26 | General Electric Co <Ge> | 超伝導マグネット懸架アセンブリ |
WO2002049513A1 (fr) * | 2000-12-05 | 2002-06-27 | Hitachi, Ltd. | Aimant a champ magnetique a faible fuite et ensemble bobinage blinde |
JP2004186607A (ja) * | 2002-12-06 | 2004-07-02 | Railway Technical Res Inst | 磁気浮上式鉄道車両の超電導磁石の励消磁パワーリード接続装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8384504B2 (en) | Superconducting quick switch | |
US8134434B2 (en) | Superconducting quick switch | |
JP6420768B2 (ja) | 熱伝達装置を用いた低損失な永久電流スイッチ | |
CN101409128B (zh) | 有源屏蔽型的超导电磁铁装置及磁共振成像装置 | |
US4807084A (en) | Superconducting magnet apparatus with emergency run down unit | |
JP2907012B2 (ja) | 超電導マグネット装置 | |
CN107123504B (zh) | 磁共振磁体降场系统及降场方法 | |
US4763221A (en) | Superconducting magnet apparatus with emergency run down unit | |
JP2015079846A (ja) | 超電導磁石装置 | |
JPH0511645B2 (ja) | ||
JP2007330791A (ja) | 磁気共鳴装置の磁場構成要素の温度制御方法 | |
JP2010262950A (ja) | 超電導電磁石及びその輸送方法 | |
JP2007220907A (ja) | 超電導磁石装置及びその運転方法 | |
JP4699293B2 (ja) | 超電導マグネット | |
JP6860513B2 (ja) | 超電導磁石装置 | |
JP2013138057A (ja) | 超電導マグネット装置 | |
JP4065747B2 (ja) | 超電導磁石及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置 | |
JP5920924B2 (ja) | 超電導磁石装置及び磁気共鳴撮像装置 | |
JPH04361526A (ja) | 結晶引上げ装置用超電導マグネット装置 | |
JP2001110626A (ja) | 超電導磁石装置 | |
JPH08203726A (ja) | 超電導コイル装置 | |
JP2000262486A (ja) | 静磁場発生装置及び方法 | |
JP2007255746A (ja) | 磁気冷凍機及び磁気冷凍方法 | |
JP2005124721A (ja) | 超電導磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH11265816A (ja) | 超電導装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101012 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110308 |