JPH11265816A - 超電導装置 - Google Patents

超電導装置

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JPH11265816A
JPH11265816A JP6893098A JP6893098A JPH11265816A JP H11265816 A JPH11265816 A JP H11265816A JP 6893098 A JP6893098 A JP 6893098A JP 6893098 A JP6893098 A JP 6893098A JP H11265816 A JPH11265816 A JP H11265816A
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superconducting
magnetic
oxide
bulk material
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JP6893098A
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Shiyunji Nomura
俊自 野村
Minoru Yamada
穣 山田
Masami Urata
昌身 浦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強い磁場の印加制御及び印加停止制御を簡単か
つ短時間に行うことができ、しかもランニングコストの
低減を図れる超電導装置を提供する。 【解決手段】断熱容器4内に酸化物系超電導バルク材5
と該バルク材に巻装されて酸化物系バルク材に磁束をト
ラップさせるときだけ付勢されるコイル6とからなる磁
石要素7を収容してなる磁場発生装置3a、3bと、こ
の磁場発生装置3a、3b内の酸化物系超電導バルク材
5を臨界温度以下に冷却して磁束のトラップ状態を維持
させる冷却装置11と、磁場発生装置3a、3bと該磁
場発生装置から磁場の印加を受ける被印加対象物1との
間に挿脱自在に設けられて被印加対象物1への磁場印加
及び磁場印加停止を制御する超電導磁気遮蔽装置15
a、15bとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導装置に係
り、特に強い磁場の印加及び印加停止の切換制御を容易
かつ短時間に行うことができる超電導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、シリコンの単結晶をチョ
クラルスキ法などで育成するに際して、0.4T(テス
ラ)程度の磁揚を印加すると、融液の対流を抑えること
ができ、単結晶中にストリエーションなどのない、高品
質な単結晶を育成することができる。
【0003】ところで、このような強力な磁場の印加に
は、専ら超電導磁石を利用した超電導装置が使用されて
いる。この超電導装置では、超電導磁石として、NbT
iなどの合金系超電導線を巻回して形成された超電導コ
イルを用いている。
【0004】しかし、このように構成された超電導装置
では、単結晶を育成している間中、電源より超電導コイ
ルに電力を供給し続けなければならず、単結晶育成中の
電力消費が大きいという問題があった。
【0005】そこで、このような不具合を解消するため
に、MRIなどの医用機器で採用している方法、すなわ
ち永久電流スイッチを用いて超電導コイルに永久電流を
流すことが考えられる。
【0006】しかしながら、永久電流モードで運転され
る超電導装置は、励消磁プロセスが極めて繁雑になり、
単結晶育成分野のように励消磁を頻繁に行わなければな
らない分野には適用しにくい。すなわち、単結晶育成分
野では育成前後のるつぼ交換の際に磁場を消磁し、交換
後に再度励磁する必要がある。この励消磁に要する時間
は、単結晶製造プロセス中のロスとなるので、短いほど
好ましい。なお、高速で励消磁しようとすると、超電導
線がクエンチする。このため、実際には数十分から1時
間程度を必要とし、結局、ロスを抑制できないことにな
る。さらに、NbTiなどの合金系超電導線を巻回して
形成された超電導コイルでは、冷媒として高価で、しか
も取り扱いのやっかいな液体ヘリウムを用いなければな
らない問題もあった。
【0007】上述した問題は、流体中の磁性不純物を除
去する磁気分離装置に適用した場合においてもいえる。
磁気分離の分野では、分離効率向上のための高勾配磁気
分離技術(HGMS)が開発され、流体中に磁性線の集
合体を設けることにより飛躍的に分離効率を向上させて
いる。この方法では、0.4T程度の磁場を印加する必
要がある。なお、印加磁場を高くすれば、磁性の弱い不
純物も除去することが可能となる。また、磁場領域を大
きくすることにより分離処理量を大きくすることが可能
となる。このような、磁気分離装置では、ある程度の分
離処理を行うと不純物が磁性線集合体である磁気フィル
タに堆積し、分離効率が低下する。このため、逆洗とい
うプロセスが必要となる。すなわち、外部磁場を除去し
た状態で、流体を強制的に流して磁気フィルタに堆積し
ている不純物を洗い流すプロセスである。この場合、前
述の単結晶育成装置と同様に磁場の励消磁を伴うため、
短時間での処理が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、超電導コ
イルを用いた従来の超電導装置では、磁場印加期間での
電力消費量を抑えるために永久電流スイッチを用いる
と、励消磁が繁雑となるばかりか、励消磁に長時間を必
要とし、たとえば単結晶育成分野で用いると単結晶製造
プロセス中のロスを増大させる結果を招く問題があっ
た。また、冷媒として高価で、しかも扱い難い液体ヘリ
ウムを用いなければならない問題もあった。
【0009】そこで本発明は、強い磁場の印加及び印加
停止の制御を簡単かつ短時間に行うことができ、しかも
ランニングコストの低減も図れる超電導装置を提供する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超電導装置は、断熱容器内に酸化物系
超電導バルク材と該バルク材に巻装されて上記酸化物系
バルク材に磁束をトラップさせるときだけ付勢されるコ
イルとからなる磁石要素を収容してなる磁場発生装置
と、この磁場発生装置内の前記酸化物系超電導バルク材
を臨界温度以下に冷却して磁束のトラップ状態を維持さ
せる冷却装置と、前記磁場発生装置と該磁場発生装置か
ら磁場の印加を受ける被印加対象物との間に挿脱自在に
設けられて上記被印加対象物への磁場印加及び磁場印加
停止を制御する超電導磁気遮蔽装置とを具備してなるこ
とを特徴としている。
【0011】なお、前記磁場発生装置が前記被印加対象
物を挟んで一対設けられ、さらに前記超電導磁気遮蔽装
置が前記被印加対象物と前記各磁場発生装置との間に挿
脱自在に一対設けられていてもよい。
【0012】また、前記磁場発生装置は前記断熱容器内
に前記磁石要素を複数収容して構成され、上記各磁石要
素を構成している前記酸化物系超電導バルク材は定常運
転時の温度より高い温度下で前記コイルで発生した磁束
をトラップしていることが好ましい。
【0013】さらに、前記冷却装置は、前記磁石要素を
構成している前記酸化物系超電導バルク材を冷凍機直結
方式で臨界温度以下に冷却する構成を採用していてもよ
い。さらにまた、前記超電導磁気遮蔽装置は、酸化物系
超電導膜のマイスナ効果を利用し、しかも上記酸化物系
超電導膜を冷凍機直結方式で臨界温度以下に冷却する構
成を採用していてもよい。
【0014】本発明に係る超電導装置では、酸化物系超
電導バルク材にピン止め効果で磁束をトラップさせ、こ
のトラップ磁束で印加磁場を発生させている。周知のよ
うに、ほとんどの酸化物系超電導体は臨界温度が77K
以上、つまり臨界温度が液体窒素温度以上である。この
ため、冷却装置では、冷媒として液体ヘリウムよりはる
かに扱いが容易で安価な液体窒素を用いることができ
る。
【0015】酸化物系超電導バルク材にトラップされて
いる磁束は、酸化物系超電導バルク材が臨界温度以下に
保持されている限り、トラップ状態を維持する。したが
って、通常時の電力消費は、冷却装置で消費する分だけ
となり、ランニングコストを下げることができる。
【0016】また、このままでは被印加対象物に磁場を
印加したり、磁場の印加を停止したりすることが困難に
なるが、本発明では磁場発生装置と被印加対象物との間
に挿脱自在に超電導磁気遮蔽装置を設け、この超電導磁
気遮蔽装置を挿脱することによって、磁場発生装置の磁
場を消磁することなく、被印加対象物への磁場印加制御
及び磁場印加の停止制御を行えるようにしている。した
がって、磁場印加及び磁場印加の停止に要する時間を大
幅に短縮でき、単結晶育成分野や磁気分離分野に適用し
たときには、ロス時間の短縮を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。図1には本発明の一実施形態に係
る超電導装置、ここには単結晶育成装置に組み込んだ超
電導装置の概念図が示されている。
【0018】同図において、1は単結晶育成用のるつぼ
を示している。このるつぼ1は、常時は図で示される処
理位置に保持され、交換時には図示しないレール上を図
中実線矢印2で示す方向に運ばれる。なお、るつぼ1を
実線矢印2で示す方向と直交する上下方向に移動できる
ように配置することもできる。
【0019】るつぼ1を境にして両側、具体的には処理
位置を境にして両側には、るつぼ1に対して、るつぼ1
を貫通する磁力線を印加する磁場発生装置3a,3bが
対向関係に配置されている。
【0020】磁場発生装置3a,3bは、図2に示すよ
うに、例えば樹脂層や非磁性金属層などを組み合わせて
外観が平板状に形成された断熱容器4と、この断熱容器
4内に収容された酸化物系超電導バルク材5および該バ
ルク材に巻装されてバルク材に磁束をトラップさせると
きだけ付勢されるコイル6からなる複数の磁石要素7
と、これら磁石要素7と一緒に断熱容器4内に収容され
た液体窒素8とで構成されている。
【0021】酸化物系超電導バルク材5は、例えば臨界
温度が120K程度のTl系で、直径15cm、厚さ5
cmの円板状に形成されている。一方、コイル6は、こ
の例の場合、酸化物系超電導バルク材5の外周に、図3
(a)に示すように、断熱用のスペーサ9を介して銅線
を所定のターン数巻回して形成されている。なお、付勢
時にコイル6からの発熱を抑えるために、コイル6を酸
化物系超電導線で形成するとさらに好ましい。
【0022】酸化物系超電導バルク材5とコイル6とで
構成された複数の磁石要素7は、各酸化物系超電導バル
ク材5の端面を互いに平行させて断熱容器4内に、二次
元配列された層を1層として3層構成に配置され、この
状態で図示しない非磁性の支持具によって断熱容器4に
固定されている。そして、各コイル6は発生磁束の方向
がそれぞれ等しくなるように、直列に接続され、この直
列回路の両端は断熱容器4の上壁を気密に貫通して設け
られたブッシング10a,10bの中心導体に接続され
ている。
【0023】磁場発生装置3a,3bの後方位置には、
それぞれ冷却装置11が配置されている。これらの冷却
装置11は、各磁場発生装置3a,3bにおける断熱容
器4内に収容されている液体窒素8の蒸発分を液化する
ためのものである。勿論、1つの冷却装置11で各断熱
容器4内に収容されている液体窒素8を共通に冷却する
ようにしてもよい。
【0024】ここで、各磁場発生装置3a,3bでの磁
場発生原理を説明する。まず、断熱容器4内に液体窒素
8を注入する前に、外部電源からブッシング10a、1
0bの中心導体を介して各コイル6に所定レベルの直流
電流を流す。各コイル6へ通電すると、各コイル6にお
いて磁束が発生し、この磁束が図3(a)中に太矢印1
3で示すように酸化物系超電導バルク材5内を通る。酸
化物系超電導バルク材5は、この時点では常電導状態に
ある。このため、磁束は何の邪魔も受けずに酸化物系超
電導バルク材5内を通る。
【0025】こうした状態において、図示しない注液口
を介して断熱容器4内に液体窒素8を注入するととも冷
却装置11を動作させる。液体窒素8の注入に伴って断
熱容器4内の温度が徐々に低下する。前述の如く、酸化
物系超電導バルク材5の臨界温度は120Kである。そ
こで、この例では断熱容器4内の温度が90Kまで低下
した時点でコイル6に流れている電流を零にしている。
このようにコイル電流を零にしても、今までコイル6で
発生していた磁束がピン止め効果によって酸化物系超電
導バルク材5にトラップされる。したがって、酸化物系
超電導バルク材5は、臨界温度以下に冷却されている限
り、図3(a)に示すように、軸方向の両端面がN極、
S極に磁化された永久磁石のように機能する。
【0026】なお、断熱容器4内の温度が液体窒素温度
である77Kになる前の90Kにおいてコイル電流を零
にして磁束をトラップさせたのは次のような理由に基づ
く。すなわち、酸化物系超電導バルク材5の場合、温度
が十分に低い領域で磁束をトラップさせると、バルク材
各部の磁化の強さは、図3(b)中に二点鎖線で示すよ
うに、中心部が最も大きい山形状となる。これに対し
て、温度が高い領域で磁束をトラップさせると、バルク
材各部の磁化の強さは、最大値は低下するものの、図3
(b)中に破線で示すように、ほぼ台形の分布となる。
印加磁場の強度分布を均一化させるには、各酸化物系超
電導バルク材5における磁化の強さができるだけ均一、
すなわち台形の分布であることが望ましい。このような
ことから、この例では、定常運転時の温度(液体窒素温
度)より高い温度下で酸化物系超電導バルク材5に磁束
をトラップさせるようにしている。
【0027】また、上述した例では、コイル6に通電し
ている状態で酸化物系超電導バルク材5を冷却し、臨界
温度以下に冷却した時点でコイル電流を零にして磁束を
酸化物系超電導バルク材5にトラップさせているが、酸
化物系超電導バルク材5を臨界温度以下に冷却した後に
コイル6に電流を流し、その後にコイル電流を零にして
磁束を酸化物系超電導バルク材5にトラップさせるよう
にしてもよい。この場合、前者と同じ量の磁束をトラッ
プさせるには、コイル6で発生する磁束の量を前者に較
べて大きくする必要がある。また、コイル6に通電する
際に、一般的には、通電電流を徐々に上げて目的の電流
値に達した後徐々に減じる方法が採られるが、パルス電
源を用いて通電電流の立ち上げ、立ち下げを行うこと
で、磁束をトラップさせるのに要する時間を短縮させる
ようにしてもよい。
【0028】再び、装置構成の説明に戻ると、各磁場発
生装置3a、3bと処理位置にあるるつぼ1との間に
は、図示しないレール等にガイドされて図1中実線矢印
14で示す方向に移動自在に一対の超電導磁気遮蔽装置
15a、15bが配置されている。
【0029】これら超電導磁気遮蔽装置15a、15b
は、図2に示すように、例えば樹脂層や非磁性金属層な
どを組み合わせて外観が平板状に形成された断熱容器1
6と、この断熱容器16の内面に内張りされた酸化物系
超電導膜17と、断熱容器16内に収容されて酸化物系
超電導膜17を臨界温度以下に冷却する液体窒素18
と、断熱容器16内に収容されている液体窒素18の蒸
発分を液化する冷却装置19(図1参照)とで構成され
ている。
【0030】次に、上記のように構成された超電導装置
を使って単結晶の育成を行う例について説明する。ま
ず、磁場発生装置3a、3bは、前述した手法で、いわ
ゆる着磁され常時磁場を発生している状態に維持されて
いるものとする。また、超電導磁気遮蔽装置15a、1
5bは酸化物系超電導膜17が臨界温度以下に保持され
ているものとする。
【0031】そこで、図4(a)に示すように、るつぼ
1を磁場発生装置3a、3b間に位置させ、続いてるつ
ぼ1と磁場発生装置3a、3bとの間から超電導磁気遮
蔽装置15a、15bを移動させる。超電導磁気遮蔽装
置15a、15bを磁場発生装置3a、3bの前面から
移動させると、磁場発生装置3a、3bで発生した磁場
がるつぼ1に印加されることになる。この状態で単結晶
の育成を行う。
【0032】育成後、超電導磁気遮蔽装置15a、15
bを移動させ、図4(b)に示すように、これら超電導
磁気遮蔽装置15a、15bをるつぼ1と磁場発生装置
3a、3bとの間に挿入する。このように挿入すると、
断熱容器16の内面に内張りされている酸化物系超電導
膜17のマイスナ効果によりるつぼ1への磁場が排除さ
れ、るつぼ1が浴びる磁場はほぼ零になる。
【0033】この状態で、図4(c)に示すように、磁
場発生装置3a、3b間からるつぼ1だけ又は超電導磁
気遮蔽装置15a、15bと一緒にるつぼ1を移動させ
るか、あるいはそのままの状態で次の育成の準備を行
う。
【0034】このように、超電導装置3a、3bは、酸
化物系超電導バルク材5にピン止め効果で磁束をトラッ
プさせ、このトラップ磁束で印加磁場を発生させてい
る。酸化物系超電導体のほとんどは、臨界温度が液体窒
素温度(77K)以上である。このため、冷却装置11
では、冷媒として液体ヘリウムよりはるかに扱いが容易
で安価な液体窒素8を用いることができる。
【0035】また、酸化物系超電導バルク材5にトラッ
プされている磁束は、酸化物系超電導バルク材5が臨界
温度以下に保持されている限り、トラップ状態を維持す
る。したがって、通常時の電力消費は、冷却装置11で
消費する分だけとなり、ランニングコストを下げること
ができる。
【0036】また、磁場発生装置3a、3bとるつぼ1
との間に挿脱自在に超電導磁気遮蔽装置15a、15b
を設け、この超電導磁気遮蔽装置15a、15bを挿脱
することによって、磁場発生装置3b、3bの磁場を消
磁することなく、るつぼ1への磁場印加及び磁場印加の
停止制御を行えるようにしている。したがって、磁場印
加及び磁場印加の停止制御に要する時間を大幅に短縮で
き、単結晶育成プロセスで生じるロス時間の短縮を図る
ことができる。
【0037】上述した例は本発明に係る超電導装置を単
結晶育成装置に適用したものであるが、磁気分離装置に
もそのまま適用できる。図5には磁気分離装置に適用し
た場合の運転例が示されている。
【0038】図5(a)に示すように、磁気フィルタ2
1を挟むように磁場発生装置3a、3bを配置する。被
処理流体の流れ方向を太矢印22で示す。このとき、磁
気フィルタ21と磁場発生装置3a、3bとの間から超
電導磁気遮蔽装置15a、15bを移動させておく。磁
気フィルタ21は、磁場発生装置3a、3bが発生する
磁場で磁化され、流体中の磁性不純物を吸着し、これに
よって磁性不純物を流体から分離する。
【0039】磁気フィルタ21に磁性不純物が堆積し、
分離効率が低下したところで、図5(b)に示すよう
に、磁気フィルタ21と磁場発生装置3a、3bとの間
に超電導磁気遮蔽装置15a、15bを挿入する。この
ように挿入すると、断熱容器16の内面に内張りされて
いる酸化物系超電導膜17のマイスナ効果により、磁気
フィルタ21への磁場が排除され、磁気フィルタ21が
浴びる磁場がほぼ零になる。この状態で、図5(b)に
示すように、磁気フィルタ21に逆向きに流体を圧送す
ることにより、磁気フィルタ21に堆積した不純物を除
去し、磁気フィルタ21の分離効率を回復させる。
【0040】このように、磁気分離装置に適用しても、
ランニングコストの低減及びロス時間の短縮化を図るこ
とができる。なお、上述した各例では、磁場発生装置3
a、3b内の酸化物系超電導バルク材5及び超電導磁気
遮蔽装置15a、15b内の酸化物系超電導膜17を冷
媒である液体窒素に直接接触させて冷却しているが、こ
れらの超電導体と冷凍機の冷却ステージとを熱伝導材を
介して熱的に接続して伝導で冷却する、冷凍機直結方式
で冷却するようにしてもよい。また、上述した各例では
超電導磁気遮蔽装置15a,15bにおける酸化物系超
電導膜17も常時臨界温度以下に冷却しているが、磁気
遮蔽動作を行わせる少し前の時点から酸化物系超電導膜
17の冷却を開始させるようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、強い磁
場の印加制御及び印加停止制御を簡単かつ短時間に行う
ことができ、しかもランニングコストの低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超電導装置の概略構
成図
【図2】同装置に組み込まれた磁場発生装置及び超電導
磁気遮蔽装置の縦断面図
【図3】(a)は同磁場発生装置に組み込まれた磁石要
素の断面図で、(b)は同磁石要素を構成している酸化
物系超電導バルク材への磁束トラップの形態を説明する
ための図
【図4】同超電導装置を単結晶育成装置の磁場源として
用いたときの使用例を説明するための図
【図5】同超電導装置を磁気分離装置の磁場源として用
いたときの使用例を説明するための図
【符号の説明】
1…るつぼ 3a、3b…磁場発生装置 4、16…断熱容器 5…酸化物系超電導バルク材 6…コイル 7…磁石要素 8、18…液体窒素 11、19…冷却装置 15a、15b…超電導磁気遮蔽装置 17…酸化物系超電導膜 21…磁気フィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断熱容器内に酸化物系超電導バルク材と該
    バルク材に巻装されて上記酸化物系バルク材に磁束をト
    ラップさせるときだけ付勢されるコイルとからなる磁石
    要素を収容してなる磁場発生装置と、 この磁場発生装置内の前記酸化物系超電導バルク材を臨
    界温度以下に冷却して磁束のトラップ状態を維持させる
    冷却装置と、 前記磁場発生装置と該磁場発生装置から磁場の印加を受
    ける被印加対象物との間に挿脱自在に設けられて上記被
    印加対象物への磁場印加及び磁場印加停止を制御する超
    電導磁気遮蔽装置とを具備してなることを特徴とする超
    電導装置。
  2. 【請求項2】前記磁場発生装置は前記被印加対象物を挟
    んで一対設けられており、前記超電導磁気遮蔽装置は前
    記被印加対象物と前記各磁場発生装置との間に挿脱自在
    に一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の超電導装置。
  3. 【請求項3】前記磁場発生装置は前記断熱容器内に前記
    磁石要素を複数収容して構成されており、上記各磁石要
    素を構成している前記酸化物系超電導バルク材は定常運
    転時の温度より高い温度下で前記コイルで発生した磁束
    をトラップしていることを特徴とする請求項1または2
    に記載に超電導装置。
  4. 【請求項4】前記冷却装置は、前記磁石要素を構成して
    いる前記酸化物系超電導バルク材を冷凍機直結方式で臨
    界温度以下に冷却していることを特徴とする請求項1に
    記載の超電導装置。
  5. 【請求項5】前記超電導磁気遮蔽装置は、酸化物系超電
    導膜のマイスナ効果を利用しており、上記酸化物系超電
    導膜を冷凍機直結方式で臨界温度以下に冷却しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の超電導装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002008917A (ja) * 2000-06-26 2002-01-11 Inst Of Physical & Chemical Res 超伝導体磁場応用装置の制御方法とこの方法を用いた核磁気共鳴装置と超伝導磁石装置
JP2006228500A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Institute Of Physical & Chemical Research 磁場発生方法および磁場発生装置
JP2007081344A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Central Res Inst Of Electric Power Ind 磁場発生装置用クライオスタット

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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