JP2007220416A - 燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】燃料電池の発電出力の向上に有利な燃料電池用電極および燃料電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料電池用電極930、950は、触媒と、導電性微小体と、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを主要要素とする。プロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されている。
【選択図】図6
【解決手段】本発明に係る燃料電池用電極930、950は、触媒と、導電性微小体と、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを主要要素とする。プロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されている。
【選択図】図6
Description
本発明は燃料電池用電極、燃料電池用電極の製造方法に関する。
図7に示すように、燃料電池は、プロトン伝導性をもつ電解質膜10と、電解質膜10の片面に設けられたアノード側の電極11と、電解質膜10の他の片面に設けられたカソード側の電極12と、アノード側の電極11の外側に配置されたアノード側の多孔質の拡散層13と、カソード側の電極12の外側に配置されたカソード側の多孔質の拡散層14とで構成されている。
アノード側の電極11、カソード側の電極12は、触媒30を担持したカーボンブラック等のカーボン微小体31と、このカーボン微小体と混在するプロトン伝導性を有するプロトン伝導性材料32とを含む電極ペーストを塗布して構成されている。
燃料電池では、燃料(一般的には水素含有ガス)は、アノードの電極11を通過するとき、カーボン微小体31に担持されている白金の触媒30により酸化されてプロトン(水素イオン)と電子(e-)とされた後、そのプロトンは電解質膜10に至る。電解質膜10に到達したプロトンは、電解質膜10中を対極であるカソードに向けて移動する。プロトンは、カソードに到達した後、カソードに供給された酸化剤ガスである空気(酸素)と、通電経路40を経てアノードからカソードに到達した電子(e-)とに基づいて反応して水を生成する。このように発電反応が進行する。
このためアノードにおいても、カソードにおいても、導電性を有する材料が存在している必要があり、更に、プロトンの伝導性を確保するためには、プロトン伝導性材料32が存在している必要がある。従って、アノードにおいても、カソードにおいても、上記した電極11,12は、触媒30を担持した導電性をもつカーボン微小体31とプロトン伝導性材料32とを混在させた電解質溶液とを混ぜた電極ペーストを塗布して形成されている。
燃料電池用の電極として、特許文献1には、燃料電池の触媒層に繊維状物質(炭素ウィスカ)が含有されている電極が開示されている。このものによれば、繊維状物質(炭素ウィスカ)により触媒層の結合強度の向上が図り得、クラックの発生が抑えられる旨が記載されている。また特許文献2には、白金族触媒を担持したカーボンからなる触媒粒子と、プロトン伝導性高分子電解質と、撥水材料とからなる燃料電池電極が開示されている。このものによれば、撥水材料が非膨潤性の繊維状不活性ポリマーで形成されているため、触媒層における気孔を発達させるのに有利となる旨が記載されている。また特許文献3には、触媒層と拡散層とからなる燃料電池の接合体が開示されている。このものによれば、触媒成分が担持されていない繊維径が10〜300ナノメートル、繊維長が100マイクロメートル以下の気相成長炭素繊維が配合されている。このものによれば、ガス透過性が向上する旨が記載されている。
特開2003−123769号公報
特開2004−063250号公報
特開2003−115302号公報
近年、燃料電池は発電出力の向上がますます要請されている。
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、燃料電池の発電出力の向上に有利な燃料電池用電極および燃料電池用電極の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、燃料電池用電極について鋭意開発を進めている。そして、プロトン伝導性材料を繊維状とすれば、繊維長方向におけるプロトン伝導性が向上し、燃料電池の発電出力の向上に有利な燃料電池用電極を製造できることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明に係る燃料電池用電極は、触媒と、導電性微小体と、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを具備する燃料電池用電極において、プロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池用電極の製造方法は、触媒および導電性微小体を液に分散または溶解させた液状物と、プロトン伝導性材料で形成した繊維が集合する繊維集合体とを用意する工程と、繊維が集合する繊維集合体に液状物を含浸させて、触媒、導電性微小体およびプロトン伝導性材料を有する電極を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、電極におけるプロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されているため、繊維長方向におけるプロトン伝導性が向上する。
本発明によれば、プロトン伝導性材料が繊維状であるため、繊維長方向におけるプロトン伝導性が向上し、燃料電池の発電出力の向上に有利な燃料電池用電極および燃料電池用電極の製造方法を提供できる。
本発明に係る燃料電池用電極は、触媒と導電性微小体とプロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを具備しており、プロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されている。『繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されている』とは、プロトン伝導性材料の全体を100%とするとき、繊維状のプロトン伝導性材料の部分が体積比で30%以上、40%以上、好ましくは50%以上を占めるという意味である。繊維状のプロトン伝導性材料の体積割合が少ないと、繊維状のプロトン伝導性材料を含有する効果が薄れる。なお、繊維状のプロトン伝導性材料以外に、液状のプロトン伝導性材料、非繊維状のプロトン伝導性材料が電極に配合されていても良い。
繊維状のプロトン伝導性材料としては、プロトン伝導性材料を溶解または分散させた流動物を用意する工程と、流動物を繊維化する繊維化工程とを経て形成できる。繊維化工程としては、繊維を絡み合った状態に集合させて不織布を形成する方法が例示される。例えば、溶融紡糸法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、エレクトロスピニング法、ニードルパンチ法が挙げられる。溶融紡糸法は、液状物を紡糸ノズルから吹出して紡糸する方法である。メルトブロー法は、紡糸ノズルの出口にガス流を吹出つつ、液状物を紡糸ノズルから吹出して繊維を延伸させて紡糸する方法である。ガス流としては高温のガス流、高圧のガス流、高温高圧のガス流が挙げられる。ガス流としては例えば空気流が挙げられる。液状物としては、例えば、樹脂成分を溶媒に溶解させた液状物、樹脂成分を熱で溶融させた液状物が挙げられる。フラッシュ紡糸法は、低沸点の液状の溶媒(例えば液化ガス)に溶かして加熱、加圧してノズルから吹出、溶剤を瞬時に気化させて繊維を形成する方法である。エレクトロスピニング法は、樹脂成分を溶媒に溶解させた液状物に高電圧を印加し、シリンジポンプのシリンジ針の吐出口から吹出して極細化すると共に溶媒を蒸発させて繊維を形成する方法である。ニードルパンチ法は繊維が集合する繊維集合体に針状部材を差し込んで繊維同士を絡める方法である。メルトブロー法およびエレクトロスピニング法は、繊維径が100ナノメートル以下の極細繊維、繊維径が10ナノメートル以下の超極細繊維を形成するのに有利となる。
ここで、繊維状のプロトン伝導性材料としては、繊維長/繊維径をアスペクト比とすると、4以上のものが好ましい。このアスペクト比としては、6以上のもの、8以上のもの、10以上のものが例示される。さらには、燃料電池の用途、燃料電池に要請される発電性能、電極の厚み等のサイズ、繊維の製造方法等によって影響されるが、20以上のもの、50以上、1000以上のもの、2000以上のものが例示される。但しこれらに限定されるものではない。なお、アスペクト比の上限値としては、前述したように、燃料電池の用途、燃料電池に要請される発電性能、電極の厚み等のサイズ、繊維の製造方法等によって影響されるが、1000、10000等が例示される。それ以上でも、それ以下でも良い。
繊維状のプロトン伝導性材料同士の接触交点を増加させることを考慮すると、繊維径はナノサイズのものが好ましいが、繊維径が細すぎると、繊維が切断するおそれがある。繊維径が大きすぎると、プロトン伝導性が充分でなくなったり、燃料電池用の電極の厚みが厚くなるおそれがある。繊維径としては、前述したように、燃料電池の用途、燃料電池に要請される発電性能、電極の厚み等のサイズ、繊維の製造方法等によって影響されるが、2000ナノメートル以下、1000ナノメートル以下が例示され、殊に、800ナノメートル以下、500ナノメートル以下、300ナノメートル以下、100ナノメートル以下が例示される。但しこれらに限定されるものではない。なお、繊維径の最小値としては、強度が支障とならなければ、細い程、繊維の本数が増加され、繊維同士の接触交点が増加する傾向があると考えられる。
繊維としては短繊維でも良いし、長繊維でも良い。繊維長としては、長いほうが繊維長方向におけるプロトン伝導性が向上するが、配合本数の低下を招く。更に繊維長が長すぎると、燃料電池用の電極の厚みが厚くなるため留意することが好ましい。このため繊維長としては、燃料電池の用途、燃料電池に要請される発電性能、電極の厚み、繊維の製造方法、繊維径等にもよるが、5000マイクロメートル以下、2000マイクロメートル以下、500マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下が例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明方法によれば、触媒および導電性微小体を液に分散または溶解させた液状物と、プロトン伝導性材料で形成した繊維が集合する繊維集合体とを用意する。繊維が集合する繊維集合体としては、繊維同士が絡み合った不織布が挙げられる。液状物を繊維が集合する繊維集合体に含浸させて、触媒、導電性微小体およびプロトン伝導性材料を有する電極を形成する。触媒および導電性微小体としては、導電性微小体よりもサイズが小さな触媒を導電性微小体に担持させた複合体が挙げられる。例えば白金などの触媒をカーボン粒子(導電性微小体)に担持させた複合体が挙げられる。導電性微小体として、カーボン微小体を採用でき、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール等の少なくとも1種を例示できる。触媒としては白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムなどの少なくとも1種を例示できる。触媒を担持したカーボン微小体としては、白金を担持したカーボン微小体(以下、白金担持カーボンともいう)を例示できる。
本発明に係るプロトン伝導性材料としては、パーフルオロフッ素系電解質ポリマーでも良いし、炭化水素系電解質ポリマーでも良い。
本発明の実施例1について図1〜図3を参照して具体的に説明する。プロトン伝導性材料で形成した繊維が集合する繊維集合体からなる不織布を用意する。不織布はメルトブロー法により形成されている。メルトブロー法では、図1に示すように、紡糸孔101と紡糸孔101の周囲に形成されたガス吹出孔102とをもつ紡糸ノズル103(繊維形成手段)を用いる。
プロトン伝導性材料で形成された液状物を大気中において紡糸ノズル103の紡糸孔101から吹出つつ、ガス吹出孔102からガス流(空気流)を一方向(Z方向)吹き出す。これによりプロトン伝導性材料で形成された超極細の繊維Mを形成する。繊維を受けるコレクタ部材200を繊維吹出方向と交差する方向(X方向およびY方向)に適宜移動させることにより、繊維を集合させた繊維集合体である不織布300(厚み:約10マイクロメートルにできるが、これに限定されるものではない)を形成する。つまり、不織布300は、プロトン伝導性材料で形成された多数の繊維同士を絡ませた繊維集合体で形成されている。
ここで上記した繊維について、繊維径は一般的には10〜500ナノメートルであり、繊維長は一般的には0.1〜500マイクロメートルであり、繊維長/繊維径をアスペクト比は一般的には5〜1000である。この不織布300では、繊維が超極細繊維であるため、繊維同士の接触交点箇所および比表面積が飛躍的に増加しており、プロトン伝導性が向上する。
また、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンを主要要素とする触媒インク400(第1液状物)を用意する。触媒インク400は、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンと、液状媒体(アルコール)とを主要要素とする。この触媒インク400を収容する容器410を用い、容器410の触媒インク400に不織布300の全体を所定時間浸漬させる。これにより触媒インク400を不織布300の内部に所定時間含浸させる。その後、不織布300を触媒インク400から取り出す。その後、乾燥工程を経てシート状の電極500が形成される。従って電極500は、白金担持カーボンと、白金担持カーボンを担持するプロトン伝導性材料からなる繊維が集合する繊維集合体(不織布)とを備えている。
以上説明したように本実施例に係る電極500によれば、プロトン伝導性材料は繊維が集合する繊維集合体(不織布30)で形成されている。このためプロトン伝導性材料からなる繊維同士の接触交点箇所が飛躍的に増加しており、プロトン伝導性が向上し、発電出力の向上に有利である。殊に、プロトン伝導性材料の繊維は前記したように超極細繊維であるため、繊維同士の接触交点の箇所および比表面積が飛躍的に一層増加しており、プロトン伝導性が一層向上し、発電出力の向上に有利である。
更に、プロトン伝導性材料で形成された超極細繊維が集合する繊維集合体である不織布300におけるプロトン伝導性材料自体の比表面積がかなり増加する。このため、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンも広く分布できるため、触媒活性面積を増加させることができ、発電出力の向上に一層有利である。
更に本実施例によれば、プロトン伝導性材料は超極細繊維が集合する繊維集合体で形成されているため、電極500においてプロトン伝導性材料の繊維同士の絡み箇所が増加しており、電極500におけるポーラス性が向上し、燃料や酸化剤ガスの透過性が良好に確保される。なお、繊維長方向への燃料や酸化剤の移動性も期待できる。
本発明の実施例2について具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施例では図1〜図3を準用する。まず、実施例1と同様に、触媒インク(第1液状物)400を用意する。触媒インク400は、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンと、プロトン伝導性材料で形成された電解質成分と、液状媒体(アルコール)とを主要要素とする。この触媒インク400に不織布300の全体を浸漬させることにより、白金担持カーボンを不織布300の内部に含浸させる。その後、乾燥工程を経てシート状の電極500が形成される。
従って電極500は、白金担持カーボンと、白金担持カーボンを担持するプロトン伝導性材料からなる繊維が集合する繊維集合体(不織布300)と、プロトン伝導性材料で形成された液状の電解質成分とを備えている。この場合、液状の電解質成分が白金担持カーボンと共に繊維集合体(不織布300)に絡んで接触頻度が増加するため、プロトン伝導性および導電性が向上すると考えられる。
本発明の実施例3について図4を参照して具体的に説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施例は図3を準用する。プロトン伝導性材料で形成した繊維が集合する繊維集合体からなる不織布300Bを用意する。この場合、不織布300Bは、エレクトロスピニング法により形成されている。エレクトロスピニング法では、シリンジ針601をもつシリンジポンプ600(繊維形成手段)と、シリンジ針601に対向する金属製のコレクタ部材700とを用いる。プロトン伝導性材料を溶媒(エタノール)に溶解させた液状物をシリンジポンプ600に収容する。シリンジポンプ600内の液状物をプラス側とし、コレクタ部材700をマイナス側とし、コレクタ部材700とコレクタ部材700との間に高電圧(2〜40kV)を印加する。これにより大気中において液状物をシリンジポンプ600のシリンジ針601の吐出口601aから一方向(Z1方向)吹出して極細化すると共に、溶媒を蒸発させて超極細の繊維を連続的に形成する。このとき、繊維を受けるコレクタ部材700を繊維吹出方向とは交差する方向(X1方向およびY2方向)に適宜移動させることにより、超極細の繊維を集合させた繊維集合体である不織布300B(厚み:約10マイクロメートルにできるが、これに限定されるものではない)を形成する。この不織布300Bでは、繊維が超極細繊維であるため、繊維同士の接触交点箇所および比表面積が飛躍的に増加しており、プロトン伝導性が向上する。
上記したシリンジポンプ600に収容する液状物としては、ナフィオン溶液(20質量%)を用いる。あるいは、スルホン化ポリスチレンの電解質溶液(20質量%、エタノール/DMF=1/1)を用いることにしても良い。スルホン化ポリスチレンとしては、重量平均分子量が20万、EW(イオン交換基の当量重量)が530g/当量とすることができる。
このように形成された不織布300Bは、プロトン伝導性材料で形成された繊維同士を絡ませた繊維集合体で形成されている。繊維径は一般的には100〜300ナノメートルであり、繊維長は一般的には0.1〜500マイクロメートルであり、繊維長/繊維径を意味するアスペクト比は一般的には5〜1000である。
また、図3に示すように、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンを主要要素とする触媒インク400(第1液状物)を用意する。この触媒インク400に不織布300Bの全体を浸漬させることにより、白金担持カーボンを不織布300Bの内部に含浸させる。その後、乾燥工程を経てシート状の電極800が形成される。従って電極800は、白金担持カーボンと、白金担持カーボンを担持するプロトン伝導性材料からなる繊維が集合する繊維集合体とを備えている。
本発明の実施例4について具体的に説明する。本実施例は実施例3と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。本実施例は図3を準用する。触媒インク400(第1液状物)を用意する。触媒インク400は、白金をカーボンブラックに担持させた白金担持カーボンと、プロトン伝導性材料で形成された電解質成分とを主要要素とする。この触媒インク400に不織布300Bの全体を浸漬させることにより、白金担持カーボンを不織布300Bの内部に含浸させる。その後、乾燥工程を経てシート状の電極800が形成される。従って電極800は、白金担持カーボンと、白金担持カーボンを担持するプロトン伝導性材料からなる繊維が集合する繊維集合体(不織布300B)、プロトン伝導性材料で形成された液状の電解質成分とを備えている。この場合、液状の電解質成分が白金担持カーボンと共に繊維集合体(不織布300)に絡んで接触頻度が増加するため、プロトン伝導性および導電性が向上すると考えられる。
本発明の実施例5について図5を参照して説明する。本実施例は実施例1および2と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。但し、プロトン伝導性材料で形成された液状物を吹き出す紡糸ノズル103が複数個設けられている。各紡糸ノズル103の紡糸孔101から吹出つつ、ガス吹出孔102からガス流(空気流)を一方向(Z方向)吹き出す。これによりプロトン伝導性材料で形成された超極細の繊維Mを形成する。各紡糸ノズル103の紡糸孔101のサイズ、あるいは、吹き出す単位時間当たりのガス流量を異ならせれば、複数の繊維径をもつ複数種類の繊維が集合したハイブリッド化した不織布300を形成することができる。また、各紡糸ノズル103の紡糸孔101に収容するプロトン伝導性材料の材質を異ならせれば、複数のプロトン伝導性材料からなるハイブリッド化した不織布300を形成することができる。不織布300のハイブリッド化のために、紡糸ノズル103を3台または4台用いても良い。
なお本実施例はメルトブロー法によるハイブリッド化を示しているが、上記したエレクトロスピニング法において、シリンジ針601をもつシリンジポンプ600を複数台併用してハイブリッド化しても良い。
本発明の適用例1〜4を図6を参照して説明する。
(適用例1)
図6は適用例1に係り、燃料電池の単セルを模式的に示す。図6に示すように、単セルを構成する膜電極接合体900は、燃料用の拡散層920と、燃料用の触媒層930と、プロトン伝導性材料で形成された固体高分子型の電解質膜940(ナフィオン膜)と、酸化剤用の触媒層950と、酸化剤ガス用の拡散層960とを厚み方向に順に積層して形成されている。拡散層960は酸化剤ガスを拡散させるガス拡散層として機能する。燃料は燃料流体であればよい。酸化剤ガスとしては空気が例示される。
図6は適用例1に係り、燃料電池の単セルを模式的に示す。図6に示すように、単セルを構成する膜電極接合体900は、燃料用の拡散層920と、燃料用の触媒層930と、プロトン伝導性材料で形成された固体高分子型の電解質膜940(ナフィオン膜)と、酸化剤用の触媒層950と、酸化剤ガス用の拡散層960とを厚み方向に順に積層して形成されている。拡散層960は酸化剤ガスを拡散させるガス拡散層として機能する。燃料は燃料流体であればよい。酸化剤ガスとしては空気が例示される。
燃料通路911をもつ燃料用のセパレータ910が、拡散層920の厚み方向の外側に配置されている。酸化剤通路971をもつ酸化剤ガス用のセパレータ970が、拡散層960の厚み方向の外側に配置されている。燃料が供給される側がアノードとなる。酸化剤ガスが供給される側がカソードとなる。ここで、拡散層920および拡散層960は、炭素繊維の集積体で形成された流体通過性(ガス通過性)を有する多孔質のカーボンシートで形成されている。
適用例1によれば、燃料用の触媒層930および酸化剤用の触媒層950は、前記した実施例1〜実施例4のうちのいずれかに係るシート状の電極で形成されており、白金担持カーボンと、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを主要要素とする。プロトン伝導体は、プロトン伝導性材料からなる繊維を絡ませて形成された不織布300(300B)で形成されている。不織布300(300B)は比表面積が大きいため、電解質膜940との接触面積を大きくできる。
適用例1によれば、アノードとなる燃料用の触媒層930を構成する不織布300(300B)における気孔率をVaとし、カソードとなる酸化剤ガス用の触媒層950を構成する不織布300(300B)における気孔率をVcとするとき、Va=Vc、Va≒Vcとされている。この場合、アノード側の不織布300(300B)と、カソード側の不織物300(300B)とが共通するため、生産性が向上する。
また適用例1によれば、アノードとなる燃料用の触媒層930の不織布300(300B)を形成する繊維の繊維径をdaとし、カソードとなる酸化剤ガス用の触媒層950の不織布300(300B)を形成する繊維の繊維径をdcとするとき、da=dc、または、da≒dcとされている。
(適用例2)
適用例2によれば、Va<Vcとされている。この場合、カソード側では発電反応により水が生成されることに着目し、カソード側となる触媒層950における水排出性の確保に有利である。この場合、da=dc、または、da≒dcとされている。このため、メルトブロー法においては、アノード側の不織布300(300B)およびカソード側の不織布300(300B)について、繊維径が共通するため、不織布を製造する際に同一の紡糸ノズル103を利用できる。エレクトロスピニング法においては、同一のシリンジポンプ600を利用できる。このため生産性が向上する。
適用例2によれば、Va<Vcとされている。この場合、カソード側では発電反応により水が生成されることに着目し、カソード側となる触媒層950における水排出性の確保に有利である。この場合、da=dc、または、da≒dcとされている。このため、メルトブロー法においては、アノード側の不織布300(300B)およびカソード側の不織布300(300B)について、繊維径が共通するため、不織布を製造する際に同一の紡糸ノズル103を利用できる。エレクトロスピニング法においては、同一のシリンジポンプ600を利用できる。このため生産性が向上する。
(適用例3)
適用例3によれば、Va<Vcとされている。この場合、カソード側となる触媒層950における水排出性の確保に有利である。更にda>dcとされている。このようにカソードとなる酸化剤ガス用の触媒層950の不織布300(300B)を形成する繊維の繊維径を細くすれば、不織布300(300B)の厚みを維持しつつ、不織布300(300B)の気孔率を高めるのに有利となる。メルトブロー法においては、紡糸ノズル103の紡糸孔101の流路断面積を変更することにより繊維径を調整できる、エレクトロスピニング法においては、シリンジポンプ600のシリンジ針601の吐出口601aの流路断面積を変更することにより繊維径を調整できる。
適用例3によれば、Va<Vcとされている。この場合、カソード側となる触媒層950における水排出性の確保に有利である。更にda>dcとされている。このようにカソードとなる酸化剤ガス用の触媒層950の不織布300(300B)を形成する繊維の繊維径を細くすれば、不織布300(300B)の厚みを維持しつつ、不織布300(300B)の気孔率を高めるのに有利となる。メルトブロー法においては、紡糸ノズル103の紡糸孔101の流路断面積を変更することにより繊維径を調整できる、エレクトロスピニング法においては、シリンジポンプ600のシリンジ針601の吐出口601aの流路断面積を変更することにより繊維径を調整できる。
(適用例4)
適用例4によれば、Va>Vcとされている。更にda<dcとすることもできる。
適用例4によれば、Va>Vcとされている。更にda<dcとすることもできる。
本発明は上記しかつ図面に示した各実施例および各適用例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
上記した実施例によれば、触媒インクを貯留する容器を用い、不織布に容器内の触媒インクに含浸させることにしているが、これに限らず、流動性をもつ触媒インクを不織布にドクターブレード法、ロールコータ法、スプレー塗布法により付着させて不織布の内部に含浸させることにしても良い。
図中、101は紡糸孔、102はガス吹出孔、103は紡糸ノズル、300および300Bは不織布、400は触媒インク(第1液状物)、500および800は電極を示す。
Claims (3)
- 触媒と、導電性微小体と、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体とを具備する燃料電池用電極において、前記プロトン伝導体は、繊維状のプロトン伝導性材料を主要要素として形成されていることを特徴とする燃料電池用電極。
- 請求項1において、前記繊維状のプロトン伝導性材料は、繊維が絡み合って集合している不織布を形成していることを特徴とする燃料電池用電極。
- 触媒および導電性微小体を液に分散または溶解させた第1液状物と、プロトン伝導性材料で形成した繊維が集合する繊維集合体とを用意する工程と、
繊維が集合する前記繊維集合体に前記第1液状物を含浸させて、前記触媒、前記導電性微小体および前記プロトン伝導性材料を有する電極を形成する工程とを含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
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2006
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