JP2007218988A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶分子を一方向に配向させ、配向状態を均一にした液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の液晶装置100は、互いに対向配置される第1基板10と第2基板20との間に液晶層50が挟持され、第1基板10の液晶層50側には第1電極12が設けられ、第2基板20の液晶層50側には第2電極18が設けられている。第1基板10の液晶層50側には、第1面22aと第2面22bとを有する突条部22が複数設けられ、隣接する突条部22のうち一方の突条部22の第1面22aと他方の突条部22の第2面22bとが連設された境界には谷部26が設けられている。突条部22の第1面22a及び第2面22bの少なくとも一方の面には水平配向膜16が設けられ、突条部22,22間の谷部26には垂直配向膜14が設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の液晶装置100は、互いに対向配置される第1基板10と第2基板20との間に液晶層50が挟持され、第1基板10の液晶層50側には第1電極12が設けられ、第2基板20の液晶層50側には第2電極18が設けられている。第1基板10の液晶層50側には、第1面22aと第2面22bとを有する突条部22が複数設けられ、隣接する突条部22のうち一方の突条部22の第1面22aと他方の突条部22の第2面22bとが連設された境界には谷部26が設けられている。突条部22の第1面22a及び第2面22bの少なくとも一方の面には水平配向膜16が設けられ、突条部22,22間の谷部26には垂直配向膜14が設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置に関する。
近年、液晶表示素子を用いて映像を拡大して大画面に表示する装置として、液晶プロジェクタが広く知られている。この液晶プロジェクタにおいては、1インチ以下の液晶パネルを数十センチほどの大きさに拡大してスクリーンに投影するので、画面の均一性(滑らかさ)が非常に重要となっている。
画面の均一性を図る方法として、配向膜にラビングを施すことで、液晶分子を一定方向に均一に配向させる方法が広く利用されている。
水平配向モードの液晶では、まず、基板上に形成した電極上にポリイミド等の配向膜を塗布した後、レーヨン布を巻きつけたローラを回転させてポリイミド配向膜表面をラビングする。これにより、一定方向に傾斜する溝部がポリイミド配向膜表面に等間隔に形成される。そして、このラビングにより形成した溝部に液晶分子を配置することで、液晶分子を一方向に傾斜させて、液晶分子のプレチルト角を一方向に制御している。
しかしながら、この方法では、ポリイミド配向膜表面のラビングされる度合いが画面全体で不均一になりやすい。そのため、プロジェクタなどにより液晶パネルの画面を拡大してスクリーンに投影した場合、スジ状のムラが顕著に観察される。
水平配向モードの液晶では、まず、基板上に形成した電極上にポリイミド等の配向膜を塗布した後、レーヨン布を巻きつけたローラを回転させてポリイミド配向膜表面をラビングする。これにより、一定方向に傾斜する溝部がポリイミド配向膜表面に等間隔に形成される。そして、このラビングにより形成した溝部に液晶分子を配置することで、液晶分子を一方向に傾斜させて、液晶分子のプレチルト角を一方向に制御している。
しかしながら、この方法では、ポリイミド配向膜表面のラビングされる度合いが画面全体で不均一になりやすい。そのため、プロジェクタなどにより液晶パネルの画面を拡大してスクリーンに投影した場合、スジ状のムラが顕著に観察される。
そこで、この問題を解決する手段として、光配向法による配向膜の形成方法が提案されている。
配向膜の形成方法としては、まず、直線偏光された紫外光源によりネガ型感光性ポリイミド表面を露光、現像処理する。そして、配向膜の高分子が照射された偏光方向に重合させることで、液晶分子の配向方位を特定させ配向方向を一定方向に配向させる(特許文献1参照)。これにより、欠陥のない均一な液晶分子の配向を得ることができる。
特開平5−34699号公報
配向膜の形成方法としては、まず、直線偏光された紫外光源によりネガ型感光性ポリイミド表面を露光、現像処理する。そして、配向膜の高分子が照射された偏光方向に重合させることで、液晶分子の配向方位を特定させ配向方向を一定方向に配向させる(特許文献1参照)。これにより、欠陥のない均一な液晶分子の配向を得ることができる。
しかしながら、上記特許文献1に開示の配向膜の形成方法では、紫外光の照射量にばらつきが生じる場合があり、液晶分子を一方向に均一に配向させることが困難であった。そのため、光配向法による配向膜の形成方法では、信頼性に問題があり、実用段階にいたっていないという現状があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶分子を一方向に配向させ、配向状態を均一にした液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置であって、前記第1基板の前記液晶層側には、第1面と第2面とを有する突条部が複数設けられ、隣接する前記突条部のうち、前記一方の突条部の第1面と、前記他方の突条部の第2面とが連設されてなる谷部が設けられ、前記突条部の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部には水平配向膜が設けられ、前記突条部間の前記谷部の少なくとも一部には垂直配向膜が設けられたことを特徴とする。
また本発明の液晶装置は、前記突条部が前記第1電極表面を加工されてなるものであることも好ましい。
また本発明の液晶装置は、前記第1電極の下層には感光性材料からなる絶縁層が設けられ、前記突条部が前記絶縁層表面を加工されてなるものであり、前記第1電極が、前記絶縁層の表面形状に沿って設けられたことも好ましい。
また本発明の液晶装置は、前記第1電極の下層には感光性材料からなる絶縁層が設けられ、前記突条部が前記絶縁層表面を加工されてなるものであり、前記第1電極が、前記絶縁層の表面形状に沿って設けられたことも好ましい。
上述したラビング処理又は光処理を配向膜に施さずに、液晶分子のプレチルト角を一定方向に制御する方法として、第1電極表面を複数の突条部からなる鋸歯状に形成する方法が提案されている。この場合、第1電極表面に水平配向膜を配置すると、液晶分子は2方向に配向される可能性がある。つまり、隣接する突条部間の谷部の延在方向に沿って配向される液晶分子(長軸方向)と、谷部の延在方向に垂直に配向される液晶分子である。これにより、液晶分子の配向方向が均一にならず、ディスクリネーションが発生するという問題があった。
この構成によれば、隣接する突条部間の谷部には垂直配向膜が設けられるため、谷部に配置される液晶分子は、垂直配向膜面に対して垂直方向に配向される。これにより、突条部の第1面及び第2面の少なくとも一方の面(以下第1面と省略する)に配置される液晶分子の谷部側の一端の配向方向が、谷部の液晶分子の配向方向によって規制される。垂直配向領域と水平配向領域の境界においては、液晶分子は垂直配向領域に対して垂直に配向しようとするため、境界面に対して垂直、すなわち谷部の延在方向に対して垂直(鋸歯形状断面に対して平行)に配向することになる。従って、液晶分子は鋸歯形状を反映したプレチルト角を有して配向することになる。
このように、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、例えばアクティブマトリクス型の液晶装置の場合には、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。その結果、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
この構成によれば、隣接する突条部間の谷部には垂直配向膜が設けられるため、谷部に配置される液晶分子は、垂直配向膜面に対して垂直方向に配向される。これにより、突条部の第1面及び第2面の少なくとも一方の面(以下第1面と省略する)に配置される液晶分子の谷部側の一端の配向方向が、谷部の液晶分子の配向方向によって規制される。垂直配向領域と水平配向領域の境界においては、液晶分子は垂直配向領域に対して垂直に配向しようとするため、境界面に対して垂直、すなわち谷部の延在方向に対して垂直(鋸歯形状断面に対して平行)に配向することになる。従って、液晶分子は鋸歯形状を反映したプレチルト角を有して配向することになる。
このように、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、例えばアクティブマトリクス型の液晶装置の場合には、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。その結果、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
また本発明の液晶装置は、前記複数の突条部の断面形状が鋸歯状であり、前記複数の突条部の前記第1面及び前記第2面の平面形状が長方形状であり、前記隣接する突条部間に設けられる前記谷部の延在方向が、前記第1面及び前記第2面の長手方向に対して平行であることも好ましい。
この構成によれば、第1基板の液晶層側に第1面を有する複数の突条部が鋸歯状に規則的に設けられる。従って、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。
また本発明の液晶装置は、前記突条部の前記第1面は前記第1基板面に対して鋭角に傾斜する傾斜面であり、前記突条部の前記第2面は前記第1基板面に対して略垂直な垂直面であり、前記突条部の前記傾斜面の少なくとも一部には水平配向膜が設けられ、前記隣接する突条部間の前記谷部の少なくとも一部には垂直配向膜が設けられたことも好ましい。
この構成によれば、突条部の谷部にのみ垂直配向領域が設けられるため、傾斜面の傾斜角度に基づいて液晶分子のプレチルト角を制御することができる。これにより、液晶分子の均一な配向が可能となる。
本発明は、互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置の製造方法であって、前記第1電極上に感光性材料からなる絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に露光、現像処理を施して、第1面と第2面とを有する突条部を前記絶縁層に複数形成する工程と、前記複数の突条部を形成した前記絶縁層をマスクとして、前記マスクのパターンを反映させた複数の突条部を前記第1電極に形成する工程と、前記第1電極に形成した前記複数の突条部のそれぞれの前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面に水平配向膜を形成する工程と、前記第1電極に形成した前記複数の突条部間の前記谷部に垂直配向膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また本発明は、互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置の製造方法であって、前記第1基板上に感光性材料からなる絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に露光、現像処理を施して、第1面と第2面とを有する複数の突条部を前記絶縁層に形成する工程と、前記絶縁層上に、前記絶縁層の表面形状に沿って前記第1電極を形成し、第1面と第2面とを有する複数の突条部を前記第1電極に形成する工程と、前記第1電極に形成した前記複数の突条部の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面に水平配向膜を形成する工程と、前記第1電極に形成した前記複数の突条部間の谷部に垂直配向膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
この方法によれば、隣接する突条部間の谷部に垂直配向膜を設けるため、谷部に配置する液晶分子は、垂直配向膜及び水平配向膜の境界面に対して垂直に配向される。これにより、突条部の第1面に配置する液晶分子の谷部側の一端の配向方向が、谷部の液晶分子の配向方向によって規制される。これに伴い、第1面に配置される液晶分子は、谷部の液晶分子の配向方向を基点として、谷部の液晶分子と同じ配向方向に規制される。
従って、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、例えばアクティブマトリクス型の液晶装置の場合には、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。従って、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
従って、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、例えばアクティブマトリクス型の液晶装置の場合には、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。従って、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
また本発明の液晶装置の製造方法は、前記垂直配向膜を液滴吐出法により形成することも好ましい。
この方法によれば、隣接する突条部間の谷部に、正確かつ高精度に垂直配向膜材料を吐出することができる。また、谷部に吐出する材料の量を制御することができるため、材料の低減を図ることができ、同時に低コスト化を図ることができる。
この方法によれば、隣接する突条部間の谷部に、正確かつ高精度に垂直配向膜材料を吐出することができる。また、谷部に吐出する材料の量を制御することができるため、材料の低減を図ることができ、同時に低コスト化を図ることができる。
また本発明の投射型表示装置は上記液晶装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、明るくムラのない高品質な液晶装置を備えるため、動画表示性能に優れ、かつ、信頼性にも優れた投射型表示装置を提供することができる。
本発明によれば、明るくムラのない高品質な液晶装置を備えるため、動画表示性能に優れ、かつ、信頼性にも優れた投射型表示装置を提供することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を画素スイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリクス方式の液晶装置の例を挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を画素スイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリクス方式の液晶装置の例を挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(液晶装置の概略構成図)
図1(a)は本実施形態の液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図、図1(b)は(a)図のH−H’線に沿う断面図、図2は同液晶装置の等価回路図である。
図1(a)は本実施形態の液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図、図1(b)は(a)図のH−H’線に沿う断面図、図2は同液晶装置の等価回路図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10(第1基板)と対向基板20(第2基板)とがシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶層50が封入されている。シール材52の形成領域の内側の領域に、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)53が形成されている。シール材52の外側の周辺回路領域には、データ線駆動回路101及び外部回路実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の角部においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。また、図1(b)に示すように、TFTアレイ基板10の内側には画素電極12(第1電極)が形成されていて、前記TFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20の内側には共通電極21(第2電極)が形成されている。
図2の等価回路図に示すように、液晶装置の表示領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数の画素には、画素電極12がそれぞれ形成されている。また、その画素電極12の側方には、当該画素電極12への通電制御を行う画素スイッチング素子であるTFT素子30が形成されている。TFT素子30のソースには、データ線6aが電気的に接続されている。各データ線6aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。なお画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線6aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給してもよい。
TFT素子30のゲートには、走査線3aが電気的に接続されている。走査線3aには、所定のタイミングでパルス的に走査信号G1、G2、…、Gnが供給される。なお、走査信号G1、G2、…、Gnは、各走査線3aに対してこの順に線順次で印加される。また、TFT素子30のドレインには、画素電極12が電気的に接続されている。そして、走査線3aから供給された走査信号G1、G2、…、Gnにより、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオン状態にすると、データ線6aから供給された画像信号S1、S2、…、Snが、各画素の液晶に所定のタイミングで書き込まれる。
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極12と後述する共通電極との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。なお、保持された画像信号S1、S2、…、Snがリークするのを防止するため、画素電極12と容量線3bとの間に蓄積容量70が形成され、液晶容量と並列に接続されている。このように、液晶に電圧が印加されると、その電圧レベルにより液晶分子の配向状態が変化する。これにより、液晶に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
次に、画素電極12表面に形成される突条部22について説明する。
図3は、液晶装置100の1画素の要部の概略構成を示す断面図である。なお、図3は一対の電極10,18間に電圧が印加されていない初期状態における液晶分子51の状態を示す図である。図4は、画素電極12上に形成された配向膜14,16の構成を示す斜視図である。なお、TFTアレイ基板10では、説明に必要な構成を図示するため、TFT素子の図示を省略する。また、以下の説明において、液晶分子51の方向を示す場合には液晶分子51の長手方向を前提として説明する。
図3は、液晶装置100の1画素の要部の概略構成を示す断面図である。なお、図3は一対の電極10,18間に電圧が印加されていない初期状態における液晶分子51の状態を示す図である。図4は、画素電極12上に形成された配向膜14,16の構成を示す斜視図である。なお、TFTアレイ基板10では、説明に必要な構成を図示するため、TFT素子の図示を省略する。また、以下の説明において、液晶分子51の方向を示す場合には液晶分子51の長手方向を前提として説明する。
画素電極12を断面的に見ると、図3に示すように、TFTアレイ基板10上の画素電極12表面には断面鋸歯状の凹凸が形成されている。断面鋸歯状の凹凸は複数の突条部22から構成されている。この突条部22は画素電極12の一部を構成するものである。突条部22は、TFTアレイ基板10面に対して鋭角に傾斜する傾斜面22a(第1面)と、TFTアレイ基板10面に対して略垂直な垂直面22b(第2面)とを有する。突条部22の傾斜面22aの角度θ(プレチルト角)は、TFTアレイ基板10面に対して例えば2°〜10°である。複数の突条部22の傾斜面22aのそれぞれの面方向は上記角度の範囲において互いに同じ角度で平行となるように設けられている。つまり、各突条部22に配置される液晶分子のプレチルト角が同じ角度となるように設けられている。
互いに隣接する突条部22,22間には、図3及び4に示すように、谷部26が設けられている。この谷部26は、隣接する突起部22,22のうち、一方の突起部22の傾斜面22aと他方の突起部22の垂直面22bとの連設された境界部に設けられている。
画素電極12を平面(斜視)的に見ると、図4に示すように、突条部22の傾斜面22a及び垂直面22bは、平面視長方形状であり、傾斜面22aの長手方向が互いに平行となるように規則的に形成されている。各突条部22,22間に形成される谷部26の延在方向は、互いに平行となるように設けられている。
次に、画素電極12表面の突条部22上に形成される配向膜14,16について説明する。
図3及び図4に示すように、画素電極12表面の各突条部22の傾斜面22a(谷部26を含む)上には水平配向膜16が形成されている。水平配向膜16は、水平配向膜16面に対して水平方向に液晶分子51を配向させるものである。水平配向膜16の材料としては、例えばポリイミドの前駆体であるポリアミック酸、又はポリイミド溶液を基板表面に塗布後、200℃前後の高温で焼成して薄膜を形成することで得られる。各突条部22の傾斜面22aに形成される水平配向膜16の幅W1は、図3に示すように、例えば60nmである。
図3及び図4に示すように、画素電極12表面の各突条部22の傾斜面22a(谷部26を含む)上には水平配向膜16が形成されている。水平配向膜16は、水平配向膜16面に対して水平方向に液晶分子51を配向させるものである。水平配向膜16の材料としては、例えばポリイミドの前駆体であるポリアミック酸、又はポリイミド溶液を基板表面に塗布後、200℃前後の高温で焼成して薄膜を形成することで得られる。各突条部22の傾斜面22aに形成される水平配向膜16の幅W1は、図3に示すように、例えば60nmである。
一方、画素電極12表面の隣接する突条部22,22間の谷部26には、図3,4に示すように、垂直配向膜14が形成されている。詳細には、突条部22の傾斜面22a上に水平配向膜16が形成された後に形成されるため、水平配向膜16上に形成されている。垂直配向膜14は、液晶分子51を垂直配向膜14面に対して垂直方向に配向させるものである。垂直配向膜14の材料としては、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸、又はポリイミドが好適に用いられ、その側鎖に長鎖アルキル基や剛直な平面構造を有する官能基が導入されたものが用いられる。これらの溶液を基板表面に塗布後、200℃前後の高温で焼成して薄膜を形成することで配向膜は得られる。各突条部22の谷部26に形成される垂直配向膜14の幅W2は、図3に示すように、例えば6〜12nmである。
次に、上述した水平配向膜16及び垂直配向膜14上に配置される液晶分子51の配向状態について説明する。
従来の方法では、画素電極12表面に布等を回転させながらこすりつける(ラビング)ことにより回転方向に液晶が配向するようにしている。しかし、この方法ではラビングの不均一性に起因するムラが発生し、表示品位低下を引き起こしていた。また、ラビングに伴う静電気発生によるTFT素子破壊による不良発生が問題となっていた。そのためノンラビングによる液晶配向方式が多く検討されてきた。そのうちの一つとして垂直配向膜が存在するが、この種類では方位角が固定できず、水平配向させることができないため、水平配向用の配向膜はずっとラビングによる配向手段を用いてきた。水平配向では基板表面に対して平行方向での方位(方位角)、基板表面に対して垂直方向での方位(チルト角)、を決定する必要がある。基板の断面形状で異方性を持たせることによりチルト角を付与する試みとして、断面形状が鋸歯状の複数の突条部を形成し、この表面に水平配向膜を形成する方法が提案されている。この場合、液晶分子は2方向に配向される。つまり、隣接する突条部間の谷部の延在方向に沿って(平行に)配向される液晶分子と、谷部の延在方向に垂直に配向される液晶分子である。これにより、液晶分子の配向方向が一方向にならず、ディスクリネーションが発生していた。そこで、本実施形態では、上述したように画素電極表面の突条部間に垂直配向膜を形成している。
従来の方法では、画素電極12表面に布等を回転させながらこすりつける(ラビング)ことにより回転方向に液晶が配向するようにしている。しかし、この方法ではラビングの不均一性に起因するムラが発生し、表示品位低下を引き起こしていた。また、ラビングに伴う静電気発生によるTFT素子破壊による不良発生が問題となっていた。そのためノンラビングによる液晶配向方式が多く検討されてきた。そのうちの一つとして垂直配向膜が存在するが、この種類では方位角が固定できず、水平配向させることができないため、水平配向用の配向膜はずっとラビングによる配向手段を用いてきた。水平配向では基板表面に対して平行方向での方位(方位角)、基板表面に対して垂直方向での方位(チルト角)、を決定する必要がある。基板の断面形状で異方性を持たせることによりチルト角を付与する試みとして、断面形状が鋸歯状の複数の突条部を形成し、この表面に水平配向膜を形成する方法が提案されている。この場合、液晶分子は2方向に配向される。つまり、隣接する突条部間の谷部の延在方向に沿って(平行に)配向される液晶分子と、谷部の延在方向に垂直に配向される液晶分子である。これにより、液晶分子の配向方向が一方向にならず、ディスクリネーションが発生していた。そこで、本実施形態では、上述したように画素電極表面の突条部間に垂直配向膜を形成している。
図3及び図4に示すように、突条部22,22間の谷部26に配置される液晶分子51は、谷部26に形成される垂直配向膜14により、液晶分子51が垂直配向膜14面に対して垂直方向に配向される。つまり、液晶分子51は、突条部22,22間の谷部26の延在方向に対して平行ではなく、谷部26の延在方向に対して垂直に配向される。
そして、突条部22の傾斜面22aに配置される液晶分子51の谷部26側の一端の配向方向が、谷部26の液晶分子51の配向方向によって規制される。これに伴い、傾斜面22aに配置される液晶分子51が、谷部26の液晶分子51の配向方向を基点として、谷部26の液晶分子51と同じ配向方向に規制される。即ち、突条部22の傾斜面22aの水平配向膜16面に対して水平、かつ、垂直配向膜14面に対して垂直方向に配向される。このように、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を配置することにより、画素電極12表面に配置される液晶分子51が一方向に均一に配向される。
従って、本実施形態によれば、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子51のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。従って、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
そして、突条部22の傾斜面22aに配置される液晶分子51の谷部26側の一端の配向方向が、谷部26の液晶分子51の配向方向によって規制される。これに伴い、傾斜面22aに配置される液晶分子51が、谷部26の液晶分子51の配向方向を基点として、谷部26の液晶分子51と同じ配向方向に規制される。即ち、突条部22の傾斜面22aの水平配向膜16面に対して水平、かつ、垂直配向膜14面に対して垂直方向に配向される。このように、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を配置することにより、画素電極12表面に配置される液晶分子51が一方向に均一に配向される。
従って、本実施形態によれば、従来のようにラビング処理を施すことなく液晶分子51のプレチルト角を一方向に制御することができるため、ディスクリネーションの発生を防止して、均一な表示品位を実現することができる。また、ラビング処理を施さないので、スイッチング素子の静電破壊もなくなり不良率が低減される。従って、明るくムラのない高品質な液晶装置を提供することができる。
(液晶装置の製造方法)
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について説明する。
なお、以下の説明においては、本発明の特徴的な工程である画素電極12及び配向膜14,16の形成工程について説明し、その他の工程については公知の方法が採用されるため説明を省略する。
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法について説明する。
なお、以下の説明においては、本発明の特徴的な工程である画素電極12及び配向膜14,16の形成工程について説明し、その他の工程については公知の方法が採用されるため説明を省略する。
図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)は液晶装置の製造工程を示す断面図である。
まず、ガラスや石英等の透光性材料からなるTFTアレイ基板10上に、TFT素子を形成し、TFT素子に電気的に接続される画素電極12を形成する。同様にして、対向基板上にITO等の透明導電材料からなる共通電極18を形成する(図示省略)。
まず、ガラスや石英等の透光性材料からなるTFTアレイ基板10上に、TFT素子を形成し、TFT素子に電気的に接続される画素電極12を形成する。同様にして、対向基板上にITO等の透明導電材料からなる共通電極18を形成する(図示省略)。
次に、図5(a)に示すように、画素電極12上にスピンコート法により感光性レジストを塗布して、画素電極12上にレジスト膜32(絶縁層)を形成する。その後、図5(b)に示すように、レジスト膜32表面に電子線(露光光)を照射してレジスト膜32表面を露光処理する。露光パターンは、上述した画素電極12表面に形成する複数の突条部22と同一パターンである。このとき、突条部22の頂部24から谷部26に向かって(図3参照)電子線の強度が強くなるように、電子線の強度を調節する。
次に、図5(c)に示すように、露光処理を施したレジスト膜32の露光パターンに基づいて現象処理を行う。この現像処理により、レジスト膜32表面のうち、強い強度の電子線が照射された部分は多く除去され、弱い強度の電子線が照射された部分は少なく除去される。このようにして、レジスト膜32に断面形状が鋸歯状の複数の突条部28を形成する。このレジスト膜32に形成する複数の突条部パターンは、上述した画素電極12表面に形成する突条部22のパターンと同じである。
なお、画素電極12表面の突条部22はレーザビーム加工法により形成しても良い。
なお、画素電極12表面の突条部22はレーザビーム加工法により形成しても良い。
次に、図6(a)に示すように、パターニングしたレジスト膜32をマスクとして、画素電極12表面をドライエッチングにより所定形状にパターニングする。このエッチング処理により、レジスト膜32の膜厚が薄い部分の画素電極12は多くエッチングされ、レジスト膜32の膜厚が厚い部分の画素電極12はほどんどエッチングされない。このようにして、画素電極12表面に、レジスト膜32と同じパターンの断面形状が鋸歯状の複数の突条部22を形成する。また、隣接する突条部22,22間には谷部26が設けられている。
次に、画素電極12表面の突条部22上にインクジェット装置IJにより配向膜14,16を形成する。
ここで、配向膜の形成に用いるインクジェット装置IJについて説明する。
図7に示すように、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と、X軸方向駆動軸304と、Y軸方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えて構成されている。
ステージ307は、この液滴吐出装置IJによって材料インク(液体材料)が配置される基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とが一致している。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対して、材料インクが吐出される。
図7に示すように、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と、X軸方向駆動軸304と、Y軸方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えて構成されている。
ステージ307は、この液滴吐出装置IJによって材料インク(液体材料)が配置される基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とが一致している。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対して、材料インクが吐出される。
X軸方向駆動軸304には、X軸方向駆動モータ302が接続されている。X軸方向駆動モータ302はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸304を回転させる。X軸方向駆動軸304が回転すると、液滴吐出ヘッド301はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y軸方向駆動モータ303を備えている。Y軸方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y軸方向駆動モータ303を備えている。Y軸方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド301に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ302に液滴吐出ヘッド301のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ303にステージ307のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構308は、液滴吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ315は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
クリーニング機構308は、液滴吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ315は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJでは、液滴吐出ヘッド301と基板Pを支持するステージ307とが相対的に走査移動しつつ液滴吐出ヘッド301から基板Pに対して液体材料を液滴状に吐出する。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている(X軸方向:走査方向、Y軸方向:非走査方向)。なお、図7では、液滴吐出ヘッド301は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド301の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。
このようにすれば、液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節できるようにしてもよい。
このようにすれば、液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節できるようにしてもよい。
図8は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための液滴吐出ヘッドの概略構成図である。
図8において、液体材料(インク)を収容する液体室321に隣接してピエゾ素子322が設置されている。液体室321には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系323を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子322は駆動回路324に接続されており、この駆動回路324を介してピエゾ素子322に電圧を印加し、ピエゾ素子322を変形させて液体室321を弾性変形させる。そして、この弾性変形時の内容積の変化によってノズル325から液体材料が吐出されるようになっている。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み量を制御することができる。
また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み速度を制御することができる。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
図8において、液体材料(インク)を収容する液体室321に隣接してピエゾ素子322が設置されている。液体室321には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系323を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子322は駆動回路324に接続されており、この駆動回路324を介してピエゾ素子322に電圧を印加し、ピエゾ素子322を変形させて液体室321を弾性変形させる。そして、この弾性変形時の内容積の変化によってノズル325から液体材料が吐出されるようになっている。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み量を制御することができる。
また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み速度を制御することができる。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
図6に戻り、上述したインクジェット装置IJを用いて、画素電極12表面の突条部22上に水平配向膜16と垂直配向膜14とを形成する。
まず、図6(b)に示すように、断面形状が鋸歯状に形成された画素電極12表面に、インクジェット装置IJにより、ポリイミドを溶媒に溶解又は分散させた水平配向膜材料16aを吐出する。その後、水平配向膜材料16aに含有する溶剤を乾燥等させて、画素電極12表面の突条部22の谷部26を含む傾斜面22aに水平配向膜16を形成する。なお、水平配向膜16は、突条部22の傾斜面22aにポリアミック酸を吐出した後、200℃程度の高温で焼成することによりイミド化させて形成しても良いし、可溶性ポリイミド材料を配置した後、溶媒を蒸発させることができる程度の温度(180℃前後)でポリイミド膜としても良い。
まず、図6(b)に示すように、断面形状が鋸歯状に形成された画素電極12表面に、インクジェット装置IJにより、ポリイミドを溶媒に溶解又は分散させた水平配向膜材料16aを吐出する。その後、水平配向膜材料16aに含有する溶剤を乾燥等させて、画素電極12表面の突条部22の谷部26を含む傾斜面22aに水平配向膜16を形成する。なお、水平配向膜16は、突条部22の傾斜面22aにポリアミック酸を吐出した後、200℃程度の高温で焼成することによりイミド化させて形成しても良いし、可溶性ポリイミド材料を配置した後、溶媒を蒸発させることができる程度の温度(180℃前後)でポリイミド膜としても良い。
次に、図6(c)に示すように、画素電極12表面の突条部22,22間の谷部26に、インクジェット装置IJにより、ポリイミドを溶媒に溶解又は分散させた垂直配向膜材料14aを選択的に吐出する。この材料は谷部26の延在方向に沿って吐出する。その後、垂直配向膜材料14aに含有する溶剤を乾燥等させて、画素電極12表面の突条部22の谷部26に垂直配向膜14を形成する。なお、垂直配向膜材料14aは、水平配向膜材料16aを乾燥して材料中の溶剤を揮発させた後に吐出する。
次に、図1に戻り、TFTアレイ基板10上にシール材52を形成する。このシール材52には、後にTFTアレイ基板10と対向基板20とを貼り合わせた後に液晶層50を注入するための液晶注入口55を設けている。
そして、TFTアレイ基板10と対向基板20とをシール材52によって貼り合わせ、液晶注入口55からシール材52によって区画された領域内にカイラル剤の入っていない液晶材料(ポジ型)50を注入し、液晶注入口55を封止材54によって封止する。さらに、TFTアレイ基板10及び対向基板20のそれぞれの外面側(液晶層とは反対側)に図示しない位相差板、偏光板等を貼り合わせ液晶装置100が製造される。
本実施形態によれば、正確、かつ高精度に垂直配向膜14を画素電極12表面の突条部22,22間の谷部26に形成することができる。さらに、突条部22,22間の谷部26に吐出する材料の量を制御することができるため、材料の低減を図ることができ、同時に低コスト化を図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、本実施形態について図面を参照して説明する。
上記実施形態では、画素電極をパターニングして画素電極表面に複数の突条部を形成していた。これに対し、本実施形態では、画素電極下層に断面鋸歯状のレジスト膜を形成し、このレジスト膜の表面形状に沿って画素電極を形成することにより、画素電極に複数の突条部を形成する点において異なる。なお、その他の液晶装置の基本構成は、上記第1実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態について図面を参照して説明する。
上記実施形態では、画素電極をパターニングして画素電極表面に複数の突条部を形成していた。これに対し、本実施形態では、画素電極下層に断面鋸歯状のレジスト膜を形成し、このレジスト膜の表面形状に沿って画素電極を形成することにより、画素電極に複数の突条部を形成する点において異なる。なお、その他の液晶装置の基本構成は、上記第1実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9(a)〜(d)は、本実施形態に係る液晶装置の製造工程を示す断面図である。
まず、スピンコート法により感光性レジストをTFTアレイ基板10上に塗布して、基板10上にレジスト膜36を成膜する。なお、レジスト膜36は、例えばTFTアレイ基板上に形成されたTFTを覆う層間絶縁膜上に形成しても良い。
次に、レジスト膜36表面に電子線(露光光)を照射してレジスト膜36表面を露光処理する。
まず、スピンコート法により感光性レジストをTFTアレイ基板10上に塗布して、基板10上にレジスト膜36を成膜する。なお、レジスト膜36は、例えばTFTアレイ基板上に形成されたTFTを覆う層間絶縁膜上に形成しても良い。
次に、レジスト膜36表面に電子線(露光光)を照射してレジスト膜36表面を露光処理する。
次に、図9(a)に示すように、露光処理を施したレジスト膜36の露光パターンに基づいて現象処理を行う。この現像処理により、レジスト膜36表面に複数の突条部40を形成し、レジスト膜36の断面形状を鋸歯状にする。この突条部40は、TFTアレイ基板10面に対して鋭角に傾斜する傾斜面40aと、TFTアレイ基板10面に対して略垂直な垂直面40bとを有する。
次に、図9(b)に示すように、複数の突起部40が形成されたレジスト膜36上にITOからなる画素電極12を真空蒸着あるいはスパッタ薄膜形成により形成する。画素電極12はレジスト膜36の表面形状に沿って形成され、レジスト膜36表面の断面鋸歯状のパターンが画素電極12に反映される。これにより、画素電極12には複数の突条部22が形成される。この突条部22は、TFTアレイ基板10面に対して鋭角に傾斜する傾斜面22aと、TFTアレイ基板10面に対して略垂直な垂直面22bとを有する。また、隣接する突条部22,22間には谷部26が設けられる。
次に、図9(c)に示すように、画素電極12表面にインクジェット装置IJにより、ポリイミドを溶媒に溶解又は分散させた水平配向膜材料16aを吐出する。その後、水平配向膜材料16aに含有する溶剤を乾燥等させて、画素電極12表面の突条部26の谷部26を含む傾斜面22aに水平配向膜16を形成する。
次に、図9(d)に示すように、画素電極12表面の突条部22,22間の谷部26に、インクジェット装置IJにより、ポリイミドを溶媒に溶解又は分散させた垂直配向膜材料14aを吐出する。この材料は谷部26の延在方向に沿って吐出する。その後、垂直配向膜材料14aに含有する溶剤を乾燥等させて、レジスト膜36表面の突条部22の谷部26に垂直配向膜14を形成する。
このように、画素電極12の下層に断面鋸歯状のレジスト膜36を形成することにより、画素電極12にレジスト膜36表面と同じパターンを反映させることができ、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(プロジェクタ)
次に、本発明の投射型表示装置の一実施形態であるプロジェクタについて、図面を参照し説明する。図10は、プロジェクタの要部を示す概略構成図であって、図中符号800はプロジェクタを示している。このプロジェクタ800は、上述した各実施形態に係る液晶装置100を、光変調手段として備えたものである。
次に、本発明の投射型表示装置の一実施形態であるプロジェクタについて、図面を参照し説明する。図10は、プロジェクタの要部を示す概略構成図であって、図中符号800はプロジェクタを示している。このプロジェクタ800は、上述した各実施形態に係る液晶装置100を、光変調手段として備えたものである。
このプロジェクタ800は、図10に示すように、光源810と、ダイクロイックミラー813、814と、反射ミラー815、816、817と、入射レンズ818と、リレーレンズ819と、出射レンズ820と、本発明の液晶装置からなる光変調手段822,823,824と、クロスダイクロイックプリズム825と、投射レンズ826とを備えている。
光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させると共に、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819及び出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。なお、上記各光変調手段822,823,824には、上記各実施形態の液晶装置100が採用されている。
各光変調手段により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
本実施形態によれば、明るくムラのない高品質な液晶装置100を備えるため、動画表示性能に優れ、かつ、信頼性にも優れた投射型表示装置を提供することができる。
なお、本発明の液晶装置100は、プロジェクタの光変調手段に限らず、例えば、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることが可能である。
また、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上記実施形態では、複数の突条部22が形成された画素電極12表面に、まず水平配向膜16を形成した後、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を形成した。これに対し、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を形成した後、突条部22の傾斜面22aに水平配向膜14を形成しても良い。
例えば、上記実施形態では、複数の突条部22が形成された画素電極12表面に、まず水平配向膜16を形成した後、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を形成した。これに対し、突条部22,22間の谷部26に垂直配向膜14を形成した後、突条部22の傾斜面22aに水平配向膜14を形成しても良い。
10…TFTアレイ基板(第1基板)、 12…画素電極(第1電極)、 14…垂直配向膜、 16…水平配向膜、 18…共通電極(第2電極)、 20…対向基板(第2基板)、 22,28…突条部、 22a…傾斜面(第1面)、 22b…垂直面(第2面)、 26,34…谷部、 28…突条部、 32…レジスト膜(絶縁層)、 50…液晶層、 100…液晶装置
Claims (9)
- 互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置であって、
前記第1基板の前記液晶層側には、第1面と第2面とを有する突条部が複数設けられ、
隣接する前記突条部のうち前記一方の突条部の第1面と前記他方の突条部の第2面とが連設される境界には谷部が設けられ、
前記突条部の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面の少なくとも一部には水平配向膜が設けられ、
前記突条部間の前記谷部の少なくとも一部には垂直配向膜が設けられたことを特徴とする液晶装置。 - 前記複数の突条部の断面形状が鋸歯状であり、
前記複数の突条部の前記第1面及び前記第2面の平面形状が長方形状であり、
前記隣接する突条部間に設けられる前記谷部の延在方向が、前記第1面及び前記第2面の長手方向に対して平行であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。 - 前記突条部が前記第1電極表面を加工されてなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置。
- 前記第1電極の下層には感光性材料からなる絶縁層が設けられ、
前記突条部が前記絶縁層表面を加工されてなるものであり、
前記第1電極が、前記絶縁層の表面形状に沿って設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置。 - 前記突条部の前記第1面は前記第1基板面に対して鋭角に傾斜する傾斜面であり、前記突条部の前記第2面は前記第1基板面に対して略垂直な垂直面であり、
前記突条部の前記傾斜面の少なくとも一部には水平配向膜が設けられ、
前記隣接する突条部間の前記谷部の少なくとも一部には垂直配向膜が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の液晶装置。 - 互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置の製造方法であって、
前記第1電極上に感光性材料からなる絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に露光、現像処理を施して、第1面と第2面とを有する突条部を前記絶縁層に複数形成する工程と、
前記複数の突条部を形成した前記絶縁層をマスクとして、前記マスクのパターンを反映させた複数の突条部を前記第1電極に形成する工程と、
前記第1電極に形成した前記複数の突条部のそれぞれの前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面に水平配向膜を形成する工程と、
前記第1電極に形成した前記複数の突条部間の谷部に垂直配向膜を形成する工程と、を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 互いに対向配置される第1基板と第2基板との間に液晶層が挟持され、前記第1基板の前記液晶層側に第1電極が設けられ、前記第2基板の前記液晶層側に第2電極が設けられた液晶装置の製造方法であって、
前記第1基板上に感光性材料からなる絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に露光、現像処理を施して、第1面と第2面とを有する複数の突条部を前記絶縁層に形成する工程と、
前記絶縁層上に、前記絶縁層の表面形状に沿って前記第1電極を形成し、第1面と第2面とを有する複数の突条部を前記第1電極に形成する工程と、
前記第1電極に形成した前記複数の突条部の前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方の面に水平配向膜を形成する工程と、
前記第1電極に形成した前記複数の突条部間の谷部に垂直配向膜を形成する工程とを有することを特徴とする液晶装置の製造方法。 - 前記垂直配向膜を液滴吐出法により形成することを特徴とする請求項6又は請求項7のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項5いずれか1項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする投射型表示装置。
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JP2006036687A JP2007218988A (ja) | 2006-02-14 | 2006-02-14 | 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び投射型表示装置 |
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JP2009223137A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Seiko Epson Corp | 液晶装置及び電子機器 |
CN110515245A (zh) * | 2019-08-07 | 2019-11-29 | 陈凯淇 | 一种激光扫描液晶器件的制作方法及一种液晶器件 |
-
2006
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