JP2007218590A - 超音波による焼入深さ測定方法および測定装置 - Google Patents

超音波による焼入深さ測定方法および測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波による焼き入れ深さ非破壊測定技術によって、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができる測定方法、装置、プログラムを提供する。
【解決手段】軸回転する外輪2の転走面2cに垂直に対向させた超音波プローブ11により発信された超音波の反射波を超音波プローブ11で受信する。受信された反射波における所定サンプリング回転角度毎の散乱波のピーク信号を超音波測定手段12により検出する。このピーク信号が現れるピーク位置を、検出したピーク信号の発信から受信までの伝搬時間より算出することで測定する。超音波の散乱確率分布のヒストグラムを求め、所定の基準で超音波深さ位置を定める。この散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準は複数準備し、一つを選択する。定められた超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの焼入れ深さである有効硬化層深さを求める。
【選択図】図1

Description

この発明は、周面に焼入れ硬化層を有するワーク、例えば複列円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪等において、高周波焼入により焼入れ処理された転走面等の焼入れ硬化層の焼入れ深さを、超音波を用いて測定する方法および測定装置に関する。
従来、車輪用軸受等の焼入れ部分の深さの検査は、ワークを切断後、硬度計で測定することによって行っていた。このような焼入れ深さの測定方法の場合、切断および硬度測定に時間がかかる、測定後のワークは廃却されるから無駄になる、などの問題点があった。一方、焼入れ深さを非破壊で計測する方法も開発され、特許文献1〜3および非特許文献1,2には非破壊の計測方法として以下のような技術的事項が開示されている。
(a)焼入れ深さの測定に超音波を用いている点。
(b)焼入れ層と母材層の超音波散乱確率の差を元に焼入れ深さの測定を行っている点。(c)超音波散乱確率の差を可視化し、焼入れ深さのパターンを描いている点。
(d)焼入れ深さの測定システムとして、超音波探傷機の信号をパソコンで処理し、計算で深さを求めている点。
(e)超音波で求めた焼入れ深さのデータと硬度による焼入れ深さのデータとの相関を評価している点。
(f)超音波の周波数として50MHz以上の高周波を利用している点。
特開平7−229705号公報 特開平9−257768号公報 特開2004−177159号公報 田中、阪野、森永共著、「超音波による焼入れ深さ可視化技術の開発」、平成9年春季大会講演概要集、超音波計測5、平成9年5月発行、p.93−96 三原、鈴木、伊達、坂野、田中共著、「組織散乱エコーによる硬化深さの評価」、1994年秋季大会資料、p.315−322
上記従来の技術では、超音波の散乱波の分布から焼入れ深さを求める際に、超音波の可視化パターンの境界線を目視によって読み取り、表面からの深さを焼入れ深さと判断している。しかし、目視により判断する方法では、読み取りに時間がかかる他、個人差で測定値が変わるという問題点がある。
また、上記非特許文献1では、超音波の確率分布のピーク位置を焼入れ深さとしているが、必ずしも最適な方法とは言えない。
さらに、上記各文献の技術では、円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪転走面端部などのように、超音波が乱れる部位の焼入れ深さの測定を行う例は示されておらず、したがって円すいころ軸受形の車輪用軸受外輪の転走面への適用はなされていない。
この発明の目的は、超音波による焼き入れ深さ非破壊測定技術によって、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができ、その際に、ワークに適した処理方法が選択できて、ワークに応じた精度の良い焼入れ深さの測定が可能であり、かつ測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間を短縮できる超音波による焼入深さ測定方法、測定装置、および測定プログラムを提供することである。
この発明の他の目的は、円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪転走面の焼入れ深さを測定することができる焼入れ深さ測定方法を提供することである。
この発明の超音波による焼入深さ測定方法は、ワークの周面に設けられた焼入れ硬化層のワーク表面からの深さを測定する方法であって、
ワークを上記周面の中心回りに回転させながら、上記周面であるワーク表面に対向させた超音波プローブにより所定サンプリング回転角度毎に超音波を発信させ、この超音波の反射波を受信する過程と、
受信された反射波における上記所定サンプリング回転角度毎の散乱波のピーク信号を超音波検出手段により検出し、このピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置を、検出したピーク信号の発信から受信までの伝播時間による測定する過程と、 ワークの1回転毎に所定ピッチでワークの軸方向に走査することで、上記ピーク位置の測定を、軸方向の所定範囲につき行う過程と、
この所定範囲の測定により得られたデータから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める過程と、
この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める過程とを含む。
上記散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準は複数準備し、これらの準備された複数の基準のうちの一つを選択して前記超音波深さ位置を定める。
ワークは、例えば炭素鋼製のものであり、またその測定する周面は、高周波焼入れ等の処理がなされたものである。
炭素鋼を高周波焼入れすることによって形成される焼入れ層は、マルテンサイトと呼ばれる微細で品質な組織である。一方、母材は、フェライトとパーライトが層状に重なりあった不均質な粗い組織である。上記焼入れ層を有するワークの周面に、例えば50MHz程度の超音波を入射させると、焼入れ層では超音波がほとんど散乱せず、母材層で散乱される。
この発明方法は、この散乱波の散乱確率の差から、焼入れ深さの推定を行う。このための処理として、上記のように、受信された散乱波のピーク信号を検出し、このピーク信号が現れる転走面表面からの深さ位置であるピーク位置を、伝搬時間より算出する。
このようにして得られたピーク位置のデータから、超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める。このように所定の基準を定めておいて、超音波深さ位置を定めるため、測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間が短縮できる。
この場合に、前記基準として、測定対象となるワークの種類や、測定箇所、焼入れ条件等によって、どのような基準で超音波を定めると、硬度による焼入れ深さとの相関が高いかが異なる。したがって、これらの検出基準を2つ以上準備しておいて、予備テスト等を行い、最も硬度による測定と相関が高く、かつ安定している検出基準を選択することで、焼入れ深さを精度良く求めることができる。
なお、散乱確率分布から所定の基準で超音波深さ位置を定める過程では、散乱確率分布のヒストグラムを作成すると、処理が容易である。
超音波深さは、硬度測定によって得られる焼入れ深さである有効硬化層深さとは一致しないが、予め両者の相関を調べて変換式を作成しておくことで、超音波深さから、硬度による焼入れ深さである有効硬化層深さの推定を行うことができる。
この発明において、散乱確率分布から超音波深さを求める複数の所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準うちのいずれか2つ以上の検出基準を含むものとしても良い。また、これらの4つの検出基準を含むものであっても良い。
これらの検出基準を準備して選択的に用いれば、種々のワーク種類、その測定箇所、焼入れ硬化層深さ等に応じて、焼入れ深さを精度良く求めることができる。
この発明において、超音波深さ位置から有効硬化層深さを求める所定の推定処理は、有効硬化層深さを測定する軸方向の目的測定位置の近傍における超音波深さの測定値を元に、最小二乗法による近似線を求め、この近似線から、その目的測定位置における超音波深さ位置を求め、この求めた超音波深さ位置から所定の推定式を用いてその目的測定位置の有効硬化層深さを求める処理としても良い。
このように、焼入れ深さを測定したい箇所の近傍のデータを用いて最小二乗法による近似を行うことで、ノイズの影響を軽減させることができる。
この発明方法において、前記ワークが円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪であり、前記周面が、この外輪の転走面であっても良い。
転走面端部は、超音波の乱れが発生するため、直接に超音波による測定を行うことができないが、近傍における焼入れ深さの測定値を元に推定をすることで、測定が可能になる。このように、この発明方法によると、超音波による焼き入れ深さ非破壊測定技術によって、円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪転走面の焼入れ深さを測定することができる。
この発明の超音波による焼入深さ測定装置は、ワークの周面に設けられた焼入れ硬化層のワーク表面からの深さを測定する装置であって、
入力データとして、ワーク周面全周の所定サンプリング回転角度毎における、超音波を対向発信させて受信された散乱波のピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置のデータを、ワークの軸方向の所定範囲につき求めた測定データを読み込む測定データ読込手段(46)と、
この読み込まれた測定データから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める超音波深さ位置算出手段(47)と、
この算出された超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める有効硬化層深さ推定手段(48)とを含むものである。
前記超音波深さ位置算出手段(47)は、散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準のうちの少なくとも2つ以上の検出基準と、これらの検出基準を選択する手段(55)を有する。
この構成の測定装置によると、この発明の超音波による焼入深さ測定方法を実施して、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができ、その際に、ワークに適した処理方法が選択できて、ワークに応じた精度の良い焼入れ深さの測定が行え、かつ測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間を短縮することができる。
この発明の超音波による焼入深さ測定プログラム(43)は、コンピュータにより実行可能なプログラムであって、
入力データとして、ワーク周面全周の所定サンプリング回転角度毎における、超音波を対向発信させて受信された散乱波のピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置のデータを、ワークの軸方向の所定範囲につき求めた測定データを読み込む手順(S1)と、
この読み込まれた測定データから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める手順(S2)と、
この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める手順(S3)とを含む。
前記超音波深さ位置を定める手順(S2)は、散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準と、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準と、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準と、散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準と、これらの基準を選択する手順(23)とを含む。
この構成の測定プログラム(43)によると、この発明の超音波による焼入深さ測定方法を実施できて、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができ、その際に、ワークに適した処理方法が選択できて、ワークに応じた精度の良い焼入れ深さの測定が行え、かつ測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間を短縮することができる。
この発明の超音波による焼入深さ測定方法は、ワークの周面に設けられた焼入れ硬化層のワーク表面からの深さを測定する方法であって、ワークを上記周面の中心回りに回転させながら、上記周面であるワーク表面に対向させた超音波プローブにより所定サンプリング回転角度毎に超音波を発信させ、この超音波の反射波を受信する過程と、受信された反射波における上記所定サンプリング回転角度毎の散乱波のピーク信号を超音波検出手段により検出し、このピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置を、検出したピーク信号の発信から受信までの伝播時間による測定する過程と、ワークの1回転毎に所定ピッチでワークの軸方向に走査することで、上記ピーク位置の測定を、軸方向の所定範囲につき行う過程と、この所定範囲の測定により得られたデータから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める過程と、この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める過程とを含み、上記散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準を複数準備し、これらの準備された複数の基準のうちの一つを選択して前記超音波深さ位置を定める方法であるため、超音波による焼き入れ深さ非破壊測定技術によって、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができ、その際に、ワークに適した処理方法が選択できて、ワークに応じた精度の良い焼入れ深さの測定が行え、かつ測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間を短縮することができる。
この発明の超音波による焼入深さ測定装置および測定プログラムによると、この発明の超音波による焼入深さ測定方法を実施できて、ワーク周面の焼入れ深さを測定することができ、その際に、ワークに適した処理方法が選択できて、ワークに応じた精度の良い焼入れ深さの測定が行え、かつ測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間を短縮することができる。
この発明の超音波による焼入深さ測定方法および装置を、図1ないし図19と共に説明する。測定対象となるワーク2を図3に拡大して示す。このワーク2は、円すいころ軸受形の車輪用軸受装置における外輪であり、その測定対象となる周面は、ワーク2の内周の転走面2cである。ワーク2は、軸方向の中央側が小径となるテーパ面からなる複列の転走面2cを有しており、炭素鋼製とされている。これら転走面2cは高周波焼入れが施されている。この外輪からなるワーク2は、車輪取付用のフランジ2aを一端に有するハブ一体型のものである。
この外輪2は、図14に示す車輪用軸受1に用いられるものである。同図の車輪用軸受1は、従動輪支持用の外輪回転型の円すいころ軸受であり、上記外輪であるワーク2と、複列の内輪3と、これら内輪3および外輪2の転走面3a,2c間に介在した円すいころ4と、保持器5とを有する。内輪3は、各列毎に分割して設けられている。内輪3と外輪2間の軸受空間の両端は、シール6により密封されている。
図3において、ワーク2の転走面2cの測定箇所は、イ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘの6点である。この内、イ,ハ,ニ,ヘ部は、転走面2cの端部であり、詳しくは転走面2cの端から微小距離(0.5mm)だけ転走面中央側の位置である。ロ,ホ部は転走面3cの中央位置をそれぞれ示す。
これら6点の測定箇所の測定を行うにつき、後述のように転走面2cの全体の測定を行い、その測定結果より上記6点の測定値を定める。
測定系を図1,図2に示す原理図と共に説明する。図1において、測定対象となるワーク2は、水を入れた測定槽10内の回転台10a上に、三爪のチャック10bにより固定する。回転台10aは、サーボモータからなる回転駆動源10cにより、測定槽10と共に回転させられる。
超音波プローブ11は、ワーク2の転走面2cに対して垂直となる姿勢で、走査機構21の走査台22に設置される。走査台22は、回転台10aに固定されたワーク2の軸方向Yおよび径方向Xに移動可能なものであり、両方向の合成動作によってテーパ面からなる転走面2cに対して、一定の距離を保った状態で軸方向に移動可能とされる。
図2に走査機構21の概念構成を示す。走査台22は、それぞれサーボモータからなる径方向駆動源27および軸方向駆動源28により、径方向Xおよび軸方向Yに移動させられる。各方向の駆動源27,28の駆動による走査台22の移動は、制御手段(図示せず)による制御によって、また手動操作によって可能とされている。
操作台22の各軸方向の位置は、上記各駆動源27,28等に設けられたエンコーダ等の位置検出器29,30により検出可能とされる。これら位置検出器29,30の検出データ、および前記回転台10の回転角度を検出する位置検出器31の検出データは、超音波深傷機12に接続されたパーソナルコンピュータ等のコンピュータ13に入力され、超音波深傷機12の検出データと関連付けて保存可能とされる。超音波深傷機12は、超音波検出手段であって、超音波プローブ11に超音波の発信および受信を行わせ、散乱波のピーク信号の検出、およびそのピーク信号の超音波発信からの伝搬時間の測定機能を有するものである。
なお、超音波プローブ11としてクラウトクレーマー社製TKP50−5−25(50MHz,f=25mm,Φ5mm)を使用し、超音波探傷機12としては、クラウトクレーマー社製HIS3・HFを使用することができる。コンピュータ13は、例えば、クラウトクレーマー社製の超音波探傷映像化装置(SDS−win)を使用するが、一般的なパーソナルコンピュータを使用しても良い。
上記パーソナルコンピュータ13に、一次データ測定装置40、および焼入深さ測定値処理装置41が構成されている。上記クラウトクレーマー社製の超音波探傷映像化装置は、一次データ測定装置40を備えたものである。
一次データ測定装置40は、超音波探傷機12で得た測定データに所定の処理を施し、その処理後の測定データをデータファイルとして保存する手段である。
焼入深さ測定値処理装置41は、一次データ測定装置40で作成した測定データのファイルから、焼入れ深さを自動計算する装置である。
上記のような測定系を用い、図1のように、ワーク2を回転台10aに固定し、超音波プローブ11を、ワーク2の転走面2cに対して水距離3mmの位置で垂直となるようにセットする。ワーク2を回転台10aにより所定の回転速度(例えば、20rpm)で回転させ、所定サンプリング回転角度(例えば0.04°)毎の超音波プローブ11による超音波の散乱波のピーク信号を、超音波探傷機12で検出し、その伝搬時間情報をパーソナルコンピュータ13へ送る。
パーソナルコンピュータ13では、一次データ測定装置40により、超音波探傷機12の伝搬時間情報から散乱波が最大となる位置(表面からの深さ)を算出する。上記の所定サンプリング回転角度によると、ワーク2を1回転させる毎に9000個のデータを得ることができる。
焼入れ深さを求める箇所は、上記6箇所(イ〜ヘ)(図3)の測定部であるが、焼入れパターンを得て上記6箇所の焼入れ深さを正確に推定するために、転走面2cの全域の測定を行う。このために、ワーク2が1回転する毎に、水距離3mmを保ちつつ、所定ピッチ(0.25mmのピッチ)でワーク2の軸方向に超音波プローブ11を走査することにより、転走面2cの全域の測定を行う。
一次データ測定装置40は、このようにした得た散乱波が最大となる表面からの深さ位置のデータを、各位置検出器29〜31により得られる回転方向位置、および軸方向,径方向位置と関連続けてデータファイルとして保存する。データファイルは、この例では、一つのワーク2における各転走面2c毎に作成する。したがって、一つのワーク2に対して、測定箇所イ〜ハを含む転走面2cのファイルと、測定箇所ニ〜ヘを含む転走面2cのファイルとが作成される。
図1において、焼入れ深さ測定値処理装置41は、パーソナルコンピュータ13と、このパーソナルコンピュータ13により実行する焼入れ深さ測定プログラム43とで構成される。焼入れ深さ測定プログラム43は、コンピュータで実行可能なプログラムであって、図4に流れ図で示す各手順S1〜S3を含むものである。この焼入れ深さ測定プログラム43をパーソナルコンピュータ13にインストールすることで、図5に概念構成をブロック図で示すように、焼入れ深さ測定値処理装置41が構成される。
この焼入れ深さ測定値処理装置41および焼入れ深さ測定プログラム43は、概要を説明すると、一次データ測定装置40で作成された上記測定データのファイルを読み込むことで自動的に焼入れ深さを計算するものである。これは、従来の超音波探傷映像化装置による超音波の映像パターンを、カーソル等を用いて目視で読み取るのに比べて、工数の削減や読み取りの個人差を排除できる等が利点である。
この焼入れ深さ測定値処理装置41および焼入れ深さ測定プログラム43の主な機能は、次の各機能である。
・一次データ測定装置40で作成されたファイルを読み込み、転走面2cの両端と中央の3箇所の焼入れ深さ(推定硬化層深さである有効硬化層深さ)を自動計算し、結果を画面等に表示する。
・超音波散乱波の確率分布を濃淡画像として可視化する。この濃淡画像をオペレータが見て熱処理条件が著しく異なっているかの判断を行える場合がある。
・転走面2cの全長に渡るヒートパターンの概略を表示する。
・各段階の自動計算結果等の処理データを、他のソフトウェアに複写して貼り付けたり、テキストファイルの形式で書き出せるものとする。
図4において、焼入れ深さ測定プログラム43は、測定データ読み込み手順S1、超音波深さ位置定め手順S2、および有効硬化層深さ推定手順S3を含む。
超音波深さ位置定め手順S2には、散乱確率分布の計算・表示手順S21、有効測定範囲算出手順S22、ヒートパターン計算表示手順S23、超音波深さ算出手順S24を含む。
これらの手順の詳細は、後に焼入深さ測定方法と共に説明する。
図5において、焼入深さ測定値処理装置41は、測定データ記憶手段45、測定データ読込手段46、超音波深さ位置算出手段47、有効硬化層深さ推定手段48、ワーク設定手段49、および画面表示装置44を備える。画面表示装置44は、液晶表示装置やブラウン管等からなる。
超音波深さ位置算出手段47は、散乱確率分布計算手段50、散乱確率分布表示手段51、有効測定範囲算出手段52、範囲取得方式選択手段53、ヒートパターン計算手段54、検出基準選択手段55、ヒートパターン表示手段56、超音波深さフィッティング手段57、および超音波深さ表示手段58を有する。
有効硬化層深さ推定手段48は、推定計算手段59および推定結果表示手段50を有する。
ワーク設定手段49は、製品設定部61、測定範囲設定部62、および焼入れ深さ設定部63を有する。
上記各手段の機能については、以下に説明する。
この焼入れ深さ測定値処理装置41および焼入れ深さ測定プログラム43による焼入深さ測定方法を説明する。
ワーク設定手段49は、焼入れ深さの自動計算の前に、ワーク2に応じた種々の事項を設定する手段である。新規型番や焼入れ条件の変更時には、この焼入深さ測定装置41による計算を行わせるよりも前に、硬度による焼入れ深さの測定と超音波による焼入れ深さの測定を行い、両者の相関が最も良くなるように、ワーク2や推定式などについての設定を行う必要がある。
ワーク設定手段49は、上記製品設定部61、測定範囲設定部62、および焼入れ深さ設定部63により、それぞれ、図13(A)〜(C)に示す製品設定用の入力画面、測定範囲推定用の入力画面、および焼入れ深さに関する入力画面を画面表示装置44に表示させ、入力を行わせるようにしている。各入力画面は、画面中の「製品」,「測定範囲」,「焼き入れ深さ」と表示されたタブを選択することで、切換可能とされる。また、このワーク設定手段49による設定は、ワーク2の各転走面2c毎に設定可能とされている。
図13(A)の製品設定用の入力画面では、製品つまりワーク2の寸法として、レース長(転走面2cの長さのこと)、端位置、およびテーパ角度を入力ボックスを表示し、数値を入力させるようにしている。レース長については、ワーク2の図面等より、転走面2cの長さを入力する。端位置は、超音波で直接に測定できない端位置をどの位置で代用するかの値の入力を行う。テーパ角については、ワーク2の図面等から、テーパ角を度の単位等で入力する。
製品設定用の入力画面では、この他に推定式に関する入力を行わせるが、推定式については、後に関連する事項と共に説明する。
また、図13(B),(C)の各入力画面についても、後に関連する事項と共に説明する。
図5において、測定データ記憶手段45は、一次データ測定装置40で作成された上記測定データのファイルを保存する手段であり、測定した複数のワーク2の各2つの転走面2c毎の測定データファイルが、保存される。保存した測定データファイルは、画面表示装置44にファイル名等で一覧表示される。
測定データ読込手段46は図4の測定データ読み込み手順S1を実行する手段である。この手順S1では、画面表示装置44に表示された測定データファイルのファイル名が、オペレータによる入力手段(図示せず)からの入力により指定されると、計算対象となる測定データファイルを読み込む処理を行う。
測定データファイルを読み込むと、超音波深さ位置算出手段47および有効硬化層深さ推定手段48により、図4の超音波深さ位置定め手順S2、および有効硬化層深さの推定手順S3が実行され、図6に例示する分布フォーム画面70が画面表示装置44に表示される。また、図10に示すヒートパターンフォーム画面80、および結果表示フォーム画面(図示せず)が表示され、各フォーム画面70,80につき、測定値や画像等が表示される。各フォーム画面70,80等は、所定の入力により切り換えて表示可能とされる。
上記超音波深さ位置定め手順S2では、まず、上記の読み込んだ測定データファイルから、超音波の表面からの深さに対する散乱確率分布のヒストグラム(図12)を計算し、かつ散乱確率分布を濃淡画像として表示する(手順S21)。この手順S21の処理における散乱確率分布の計算を、図5の散乱確率分布計算手段50が行い、計算結果となる散乱確率分布の濃淡画像を画面表示装置44へ表示する出力を、散乱確率分布表示手段51が行う。図12のヒストグラムは、散乱確率分布計算手段50による内部計算だけとして画面表示を行わなくても良く、また散乱確率分布表示手段51により画面表示装置44へ表示させるようにしても良い。
図12(A)〜(D)のヒストグラムは、散乱確率分布から超音波深さを求めるための各種検出基準についての説明表示が付加されており、付加部分となる表示を除くと、互いに同じグラフである。
このヒストグラムは、超音波の表面からの深さ位置を横軸に取り、各深さ位置における散乱確率分布を縦軸に示したものである。
同図のヒストグラムは、ワーク2の転走面2cにおける1箇所の軸方向位置のものを例示しており、この散乱確率のヒストグラムの計算は、測定面となる転走面2cの軸方向に走査された各軸方向位置について作成される。
散乱確率分布表示手段51は、このように計算された転走面2cの各軸方向位置についてのヒストグラムから、画面表示装置44に、図6の分布フォーム画面70における散乱確率分布の濃淡画像を表示させる。
図6の分布フォーム画面70は、3箇所の測定箇所に対応する分布フォーム表示部71〜73と、3箇所の測定箇所の数値表示部74〜76とを有する。
各分布フォーム表示部71〜73には、測定データを可視化した画像に、十字形の線(図では実線で示す)aで、測定箇所と超音波深さを示した画像である。この線aの交差部が、その測定箇所における超音波深さの位置を示す。また、上下に表示した2本の線bで、その間に挟まれた範囲が有効測定範囲であることを表している。
3か所の分布フォーム表示部71〜73は、図の左からワーク2の上端・中央・下端に対応している。図3の上側の転走面2cでは、イ部が上端、ロ部が中央、ハ部が下端であり、下側の転走面2cではヘ部が上端、ホ部が中央、ニ部が下端である。
3か所の分布フォーム表示部71〜73に表示された濃淡の可視化画像、および有効測定範囲を表す線bは、互いに同じであり、上記十字形の線aの位置がそれぞれ異なっている。
上記十字形の線aは、図5の超音波深さ表示手段58によって表示され、有効測定範囲を表す線bは、ワーク設定手段49の測定範囲設定部62により、その設定データに従って表示される。
各分布フォーム表示部71〜73に表示された散乱確率分布の濃淡画像である可視化画像は、次のように処理された画像である。すなわち、測定面における個々の軸方向位置について、散乱波のピーク信号が現れる表面からの深さ位置を点として表示して全周分を重ね書きし、さらに軸方向につなぎ合わせて2次元表示に可視化した画像である。
図7に示すように、この可視化画像においては、焼入れ層の形状が、散乱波の発生確率が低く、塗りつぶされない部分のパターンとして映像化される。焼入れ層との境界付近の母材層では、散乱波の発生確率が高く塗り潰される。
この可視化パターンの塗りつぶされない部分と塗りつぶされた部分の境界位置を目視によって読取ることによって、表面からの深さを超音波深さとすることも可能であるが、この発明では超音波深さを自動計算する。この濃淡画像を表示するのは、熱処理異常品の判別などのために、分布フォーム表示部71〜73に上記のように濃淡画像を表示することが、信頼性向上のために好ましいからである。
熱処理異常品の中には、分布(濃淡)画像が正常品とは異なるパターンを示す場合がある。図9(A)は正常品の分布画像の例を示すが、例えば、オーバーヒート品では、図9(B)に例を示すように、表面付近と中間付近に超音波分布が現れ、ヒートパターンの形状がぼやけた形状となる。このような場合の自動測定値は、正しい値ではない。このようなパターン形状から、目視により熱処理異常品であることが簡単にわかる。
図6の分布フォーム画面70における各数値表示部74〜76は、画面の上側から、ワーク2の上端・中央・下端に対応している。これら数値表示部74〜76には、「測定位置」,「超音波深さ」,および「有効硬化層深さ」を示す意味の文字による表示と、その表示に対応する値、つまり測定位置、超音波深さ、および有効硬化層深さの値が表示される。数値表示部74〜76における測定位置は、ワーク設定手段49による製品設定部61の設定内容により、超音波深さについては超音波深さ表示手段58により、また有効硬化層深さについては、推定結果表示手段50により、それぞれ表示される。
なお、この分布フォーム画面70において、測定データの未入力の状態(すなわち初期状態)では、分布フォーム表示部71〜73は内部が空白とされ、数値表示部74〜76は、文字表示だけとされて数値の表示箇所が空白とされる。
図4の散乱確率分布の計算・表示の手順S21の後、有効測定範囲の算出の手順S22が実行される。この手順S22は、上記のように計算されたヒトスグラムから、有効測定範囲を算出する手順であり、図5の有効測定範囲算出手段52によって実行される。
有効測定範囲は、測定面となるワーク2の転走面2cのうち、ヒートパターン(図10)を計算する軸方向範囲のことである。転走面2cの両端では、超音波の乱れが生じるため、乱れを含まない範囲でヒートパターンを計算することが必要であるが、端部の焼入れ深さを求めるためには、できるだけ端の位置までの測定値を用いることが好ましい。転走面2cの端位置は、図13(B)の製品入力画面で設定するが、それだけでは適切とはならない場合がある。そのため、有効測定範囲の取得方式を複数準備し、その取得方式を選択させ、必要なパラメータを入力させるようにしている。
例えば、図5のワーク設定手段49の測定範囲設定部62により、図13の(B)に示す測定範囲の入力画面を出力させ、ここで「レベル」,「重心」、「固定」と表示された3種類の取得方式を選択させるようにしている。具体的な内容については説明を省略するが、概要を説明すると、「重心」で示された取得方式は、標準となる測定範囲の取得方式であり、所定の計算方法で測定範囲を取得する。「レベル」で示された取得方式は、標準的な取得方式である「重心」では正しく範囲が取得できない場合に選択する。「レベル」で示された取得方式を選択する場合、「レベル」と「幅」の値を入力させる入力ボックスか表示される。「レベル」については、大きな値を入力するほど、有効測定範囲が広くなる。「幅」については、大きな値を入力するほど、表面から深いデータを使って範囲取得が行われる。「固定」で示された取得方式は、ワーク2を回転台10aに対して所定の治具(図示せず)を使用して固定した場合につき選択される取得方式である。
図4において、有効測定範囲の算出手順S22の後、ヒートパターンの計算と表示の手順S23に進む。この手順S23では、上記ヒストグラムからヒートパターンを計算し、その計算結果であるヒートパターンを画面表示装置44に表示する。ヒートパターンの計算は、図5のヒートパターン計算手段54が行い、その表示はヒートパターン表示手段56が行う。
ヒートパターンは、図10のヒートパターンフォーム画面80に示されるように、測定面(転走面2c)の軸方向の位置を横軸に取り、超音波深さを縦軸に取って曲線で示される超音波深さのパターンであり、有効測定範囲内の超音波深さが表示される。
ヒートパターンの計算においては、散乱確率分布のヒストグラムから、各位置の超音波深さを計算する。この散乱確率分布から超音波深さを計算する際の検出基準は、ヒートパターン計算手段54に複数準備しておき、検出基準選択手段55に選択させるようにしている。ヒートパターン計算手段54は、その選択された検出基準によって超音波を計算する。ここでは、図12(A)〜(D)に示す4種類の検出基準を準備している。
(A)散乱確率が設定レベルLを超える位置を超音波深さとする検出基準。
(B)散乱確率分布の傾きθが設定傾き角度(図示せず)を超える位置を超音波深さとする検出基準。
(C)散乱確率分布の傾きθが最大の位置(すなわち傾きのピーク位置)を超音波深さとする検出基準。
(D)散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準。
検出基準選択手段55における上記4つの検出基準の選択は、ワーク設定手段49の焼入れ深さ設定部63により、図13(C)のように表示される焼き入れ深さ入力画面において、「レベル」,「傾きのレベル」,「傾きのピーク位置」,「累積度数」とあるうちの任意の表示事項が選択されることで、対応する検出基準が選択されるものとしている。この入力画面では、レベル、傾きのレベル、累積度数を入力させる入力ボックスが表示され、選択された検出基準の種類に応じてその値が入力可能とされる。これらの入力された値が、選択された検出基準を用いた超音波深さの計算に用いられる。
図4において、ヒートパターンの計算・表示の手順S23の後、各測定箇所(イ,ロ,ハ、またはニ,ホ,ヘ)の超音波深さの算出の手順S24に進む。
この手順S24では、超音波深さフィッティング算出手段57により、各測定箇所の超音波深さを、ヒートパターンからのフィッティングにより算出する。すなわち、目的の測定箇所の近傍における超音波深さの測定値を元に、最小二乗法による近似線を求め、この近似線から、その目的測定箇所における超音波深さ位置を求める。上記近似線を求めるために用いる目的の測定箇所の近傍の範囲、つまりフィッティングに使用するデータの長さF1,F2,F3(図11)については、図13(B)の測定範囲の入力画面における下部に示すように、各測定箇所(上端、中央、下端)毎に、入力する。
このデータ長さF1,F2,F3は、範囲が広いほどノイズの影響を受け難くなるが、分解能が低下する。このため、焼入れ深さの変化が大きい端部では小さめの値を、焼入れ深さの変化が小さい中央部では大きめの値を設定することが好ましい。
図4において、各測定箇所の超音波深さの算出の手順S24に続き、有効硬化層深さの推定・推定結果の表示の手順S3に進む。
この手順S3では、各測定箇所の超音波深さから、推定式を用いて有効硬化層深さを推定し、測定結果を表示する処理を、有効硬化層深さ推定手段48により行う。このうち、推定の計算は推計計算手段59が、推定結果の表示は推定結果表示手段50がそれぞれ行う。
有効硬化層深さにつき説明する。超音波深さは、硬度計によって測定される焼入れ深さ(有効硬化層深さ)とは一致しない。図8は、焼入層、母材層、超音波深さ、有効硬化層深さの関係を示す。同図に示すように、超音波深さは組織の大きさが変化する境界とほぼ一致するのに対し、必要な硬度で定義される有効硬化層深さ位置は、組織の境界よりも浅い位置にあるためである。さらに、必要な硬度自体、製品によって異なるため、それによって有効硬化層深さも変わることとなる。
通常、焼入れ深さと言えば、有効硬化層深さを表す。そのため、超音波深さを有効硬化層深さに変換する必要がある。
そこで、この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの焼入れ深さである有効硬化層深さを求める。
この推定処理は、例えば次の推定式、
(有効硬化層深さ)=(傾き)×(超音波深さ)×(切片)
によって計算処理とされる。
この推定式で用いる係数(傾き、切片)は、上端、中央、下端の3つの測定箇所毎にそれぞれ設定する。
これらの係数の入力は、図13(A)の製品入力画面において、「推定式」と表示された箇所に現れた入力ボックスに対して行う。
このようにしてワーク2の転走面2cにおける各測定箇所の硬度深さである有効硬化層深さが計算される。計算された有効硬化層深さの値は、推定結果表示手段50により、図6の分布フォーム画面70等に表示される他に、結果フォーム画面(図示せず)において、それまでに読み込んだ測定データファイルの測定位置、超音波深さと共に、一覧表示形式などで表示される。
この焼入深さ測定方法および測定値処理装置41によると、このように、超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定めるようにしたため、測定者の個人差の影響を排除でき、また測定時間が短縮できる。
この場合に、前記所定の基準として、検出基準を2つ以上準備しておいて選択するようにしたため、測定対象となるワーク2の種類や、測定箇所、焼入れ条件等によって、どのような基準で超音波深さを定めると硬度による焼入れ深さとの相関が高いかを予備テスト等で求めておいて、最も硬度による測定と相関が高く、かつ安定している検出基準を選択することができる。そのため、焼入れ深さを精度良く求めることができる。
また、上記所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準の4つの基準を設けため、測定対象となるワーク2の種類や、測定箇所、焼入れ条件等に応じて、より精度の高い測定が可能となる。
さらに、目的測定箇所の近傍における超音波深さの測定値を元に、最小二乗法による近似線を求め、この近似線から、その目的測定箇所における超音波深さ位置を求めるようにしたため、ノイズの影響を軽減させることができて、精度の良い測定が行え、また超音波の乱れの大きい測定面の端部の焼入れ深さの測定も超音波によって行うことができる。
なお、この発明の転走面焼入れ深さ測定方法の対象軸受として、従動輪支持用の外輪回転型複列円すいころ軸受を例示したが、駆動輪支持用の外輪固定型複列円すいころ軸受においても、この発明の測定方法を適用することができる。また、外輪が車輪取付用のフランジを有するハブ一体型のものである例について述べたが、これに限定されるものではなく、その他の複列円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪転走面の焼入れ深さや、さらに他の焼入れされた周面を持つ各種のワークの測定にも広く適用されるものである。
この発明の焼入深さ測定方法の測定系を示す原理図である。 同測定系の具体例を示す正面図である。 測定対象と測定箇所を示す図である。 同測定方法に用いる超音波による焼入深さ測定プログラムの流れ図である。 同測定方法を実施する焼入れ深さ測定装置の概念構成を示すブロック図である。 同焼入れ深さ測定装置における散乱確率分布のフォーム画面例の説明図である。 同フォーム画面における散乱波の可視化パターンを示す図である。 焼入れ層の超音波深さおよび硬度深さの関係を示す図である。 散乱確率分布のフォーム画面における正常品とオーバーヒート品をそれぞれ示す説明図である。 ヒートパターン画面例の説明図である。 ヒートパターンと測定位置毎のデータ長の関係例を示す説明図である。 散乱確率分布のヒートパターンと各検出基準の関係を示す説明図である。 入力画面例の説明図である。 この発明方法が対象とする車輪用軸受の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…車輪用軸受
2…外輪
2a…フランジ
2c…転走面
10a…回転台
11…超音波プローブ
12…超音波探傷機(超音波測定手段)
41…焼入れ深さ測定値処理装置
43…焼入れ深さ測定プログラム
44…画面表示装置
46…測定データ読込手段
47…超音波深さ位置算出手段
48…有効硬化層深さ推定手段
49…ワーク設定手段
50…散乱確率分布計算手段
52…有効測定範囲算出手段
54…ヒートパターン計算手段
57…超音波深さフィッティング算出手段

Claims (7)

  1. ワークの周面に設けられた焼入れ硬化層のワーク表面からの深さを測定する方法であって、
    ワークを上記周面の中心回りに回転させながら、上記周面であるワーク表面に対向させた超音波プローブにより所定サンプリング回転角度毎に超音波を発信させ、この超音波の反射波を受信する過程と、
    受信された反射波における上記所定サンプリング回転角度毎の散乱波のピーク信号を超音波検出手段により検出し、このピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置を、検出したピーク信号の発信から受信までの伝播時間による測定する過程と、 ワークの1回転毎に所定ピッチでワークの軸方向に走査することで、上記ピーク位置の測定を、軸方向の所定範囲につき行う過程と、
    この所定範囲の測定により得られたデータから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める過程と、
    この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの焼入れ深さである有効硬化層深さを求める過程とを含み、
    上記散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準を複数準備し、これらの準備された複数の基準のうちの一つを選択して前記超音波深さ位置を定める、
    超音波による焼入深さ測定方法。
  2. 請求項1において、散乱確率分布から超音波深さを求める複数の所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超
    音波深さとする検出基準のうちのいずれか2つ以上の検出基準を含む超音波による焼入深さ測定方法。
  3. 請求項1において、散乱確率分布から超音波深さを求める複数の所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準の4つの検出基準を含む超音波による焼入深さ測定方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、超音波深さ位置から有効硬化層深さを求める所定の推定処理は、有効硬化層深さを測定する軸方向の目的測定位置の近傍における超音波深さの測定値を元に、最小二乗法による近似線を求め、この近似線から、その目的測定位置における超音波深さ位置を求め、この求めた超音波深さ位置から所定の推定式を用いてその目的測定位置の有効硬化層深さを求める処理である超音波による焼入深さ測定方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記ワークが円すいころ軸受形の車輪用軸受における外輪であり、前記周面が、この外輪の転走面である超音波による焼入深さ測定方法。
  6. ワークの周面に設けられた焼入れ硬化層のワーク表面からの深さを測定する焼入れ深さ測定装置であって、
    入力データとして、ワーク周面全周の所定サンプリング回転角度毎における、超音波を対向発信させて受信された散乱波のピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置のデータを、ワークの軸方向の所定範囲につき求めた測定データを読み込む測定データ読込手段と、
    この読み込まれた測定データから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める超音波深さ位置算出手段と、
    この算出された超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層の硬度により定められるワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める有効硬化層深さ推定手段とを含み、
    前記超音波深さ位置算出手段は、散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準のうちの少なくとも2つ以上の検出基準と、これらの検出基準を選択する手段を有する、
    超音波による焼入深さ測定装置。
  7. コンピュータにより実行可能なプログラムであって、
    入力データとして、ワーク周面全周の所定サンプリング回転角度毎における、超音波を対向発信させて受信された散乱波のピーク信号が現れるワーク表面からの深さ位置であるピーク位置のデータを、ワークの軸方向の所定範囲につき求めた測定データを読み込む手順と、
    この読み込まれた測定データから、各軸方向走査位置毎に、ワーク1回転における各回転角度のピーク位置の分布である超音波の散乱確率分布を求め、この散乱確率分布から所定の基準でその走査位置の超音波測定による深さ位置である超音波深さ位置を定める手順と、
    この超音波深さ位置から所定の推定処理により、焼入れ硬化層のワーク表面からの深さである有効硬化層深さを求める手順とを含み、
    前記超音波深さ位置を定める手順は、散乱確率分布から超音波深さを求める所定の基準として、散乱確率が設定レベルを超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが設定傾き角度を超える位置を超音波深さとする検出基準、散乱確率分布の傾きが最大の位置を超音波深さとする検出基準、および散乱確率分布の累積度数が設定値を超える位置を超音波深さとする検出基準のうちの少なくとも2つ以上の検出基準と、これらの検出基準を選択する手順とを含む、
    超音波による焼入深さ測定プログラム。
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