JP2008261765A - 超音波による組織変化部の特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置 - Google Patents

超音波による組織変化部の特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 検査対象を切断等せずに規準化処理を用いた非破壊的手法によって組織変化部の硬さの分布等の特徴量を測定することの可能な新規な超音波による組織変化部の特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置を提供すること。
【解決手段】 検査対象100に探触子7から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象100における組織変化部の特徴量を測定する。あらかじめ基準部において後方散乱波を含む基準波を受信する。組織変化部において受信した信号を基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求める。所定の硬さに対応する所定の後方散乱強度比の深さを測定することにより組織変化部における所定硬さの部位の深さを求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波による組織変化部の硬さ等の特徴量の測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置に関する。さらに詳しくは、検査対象に探触子から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象における組織変化部の硬さ等の特徴量を測定する特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置に関する。
従来、溶接部の金属組織の組織変化を検出するものとして、非特許文献1に記載のものが知られている。この方法によれば、母材部で取得した波形から推定した規準化曲線により規準化を行い、その規準化振幅を用いて母材組織を基準とした溶接部の組織変化を観察するものである。この規準化は溶接部の断面マクロ組織を画像化し溶接部の溶込み量を測定するために行われている。
また、散乱エコーにより焼き入れ深さを計測するものとして、例えば非特許文献2,3に記載の如きものが知られている。しかし、これらの方法では、後方散乱波は信号が微量のため、明瞭な検出が困難であり、探触子、試験配置や試験体の材質が変わると解析結果が異なり信頼性が不十分であった。そして、これらの各従来方法では、硬さと深さとの関係に対する検討は全くなされていなかった。
一方、超音波を用いて高周波焼き入れ深さを測定する測定装置が知られている。この装置は、散乱エコーにより硬化層の深さを非破壊で計測し、Aスコープ表示するものである。しかし、焼入れ部と未焼入れ部との境界が反射信号により明瞭に識別できる場合であっても、探触子を僅かに移動させるだけで、散乱エコーのランダム性により、境界位置が数波長(0.5mm以上)程度移動してしまうため、数mm程度の焼入れ深さを測定する場合、測定誤差が大きくなっていた。
また、境界付近に超音波の焦点を合わせるよう焦点探触子を用いて測定を行った場合、その境界付近における反射信号の立ち上がりが不明瞭となる場合があり、反射信号から境界を正確に判定できない場合があった。
さらに、高周波焼入れでは、硬さの変化が焼入れ層の境界部で急激に変化するものがある一方、なだらかに硬さ変化するものもある。例えば、マルテンサイ、トールスタイト、ベーナイト、フェライト及びパーライトといった順に、組織(結晶粒径等)が少しずつ変化している材料においては、明瞭な硬さ変化が得られず、しかも、超音波信号においても急激な反射信号の変化は得られない。このため、Aスコープ表示だけでは焼入れ深さを測定することが困難であった。
北阪純一他、超音波法による薄板溶接部の溶込み量の測定、非破壊検査協会発行、平成17年秋季大会講演概要集、2005年、105−106ページ 三原毅他、組織散乱エコーによる硬化層深さの評価、音場と材料評価3、非破壊検査協会発行、平成6年秋季大会概要集、1994年、315−322ページ 田中康明他、超音波による焼き入れ深さ非破壊計測技術の開発、トヨタテクニカルレビュー、1998年5月、Vol48 No.1、94−99ページ
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、検査対象を切断等せずに規準化処理を用いた非破壊的手法によって組織変化部の硬さの分布等の特徴量を測定することの可能な新規な超音波による組織変化部の特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る超音波による組織変化部の特徴量測定方法の特徴は、検査対象に探触子から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象における組織変化部の特徴量を測定する方法において、あらかじめ基準部において後方散乱波を含む基準波を受信し、組織変化部において受信した信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求め、所定の硬さに対応する所定の後方散乱強度比の深さを測定することにより前記組織変化部における所定硬さの部位の深さを求めることにある。
上記特徴により、組織変化部において受信した信号を前記基準波で除することにより規準化することで、探触子の特性や試験体の特性等のベースノイズの影響を除去することができ、受信結果の信頼性を向上させると共に信号を明瞭に区別することが可能となる。そして、発明者らの実験によれば、規準化処理した後方散乱強度比による深さと、切断して測定した実測値とは対応していることが判明した。すなわち、検査対象を切断することなく、試験体の深さの影響を受けずに、所定硬さの深さを測定することが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る超音波による組織変化部の特徴量測定方法の他の特徴は、検査対象に探触子から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象における組織変化部の特徴量を測定する方法において、あらかじめ基準部において後方散乱波を含む基準波を受信し、組織変化部において受信した信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求め、所定の深さにおける後方散乱強度比を測定することにより前記組織変化部における所定深さの部位の硬さを求めることにある。
上記と同様に、規準化処理を行うことで、探触子の特性や試験体の特性等のベースノイズの影響を除去することができ、受信結果の信頼性を向上させると共に信号を明瞭に区別することができる。そのため、後方散乱強度比により所定硬さとその深さとは相関関係を有していることが発明者らの実験により判明した。すなわち、検査対象を切断することなく、所定深さの硬さを測定することが可能となった。
また、前記組織変化部を走査すると共に前記規準化処理を行い、各走査位置における前記深さを測定し前記所定硬さの分布を求めるようにすることが望ましい。前記組織変化部は浸炭処理、焼き入れ、高周波焼き入れ、窒化処理、脱炭処理等の表面処理が行われている部分である。斜角法を用いて測定すると良い。
そして、前記規準化処理が行われた信号によりある断面のBスコープ画像を表示してもよい。また、複数断面の前記Bスコープ画像を平均化した断面画像を表示してもよい。
一方、上記に記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法に用いる特徴量測定装置の特徴は、検査対象に超音波を送信すると共に後方散乱波を受信する探触子を設け、あらかじめ基準部において前記探触子から超音波を送受信する後方散乱波を含む基準波を記憶する基準波記憶部と、組織変化部において受信した信号を記憶する受信信号記憶部と、前記信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求める規準化処理部と、所定の後方散乱強度比により前記組織変化部における特徴量を算出する特徴量算出部とを備えたことにある。
上記本発明に係る超音波による組織変化部の特徴量測定方法及びこれに用いる特徴量測定装置の特徴によれば、検査対象を切断等せずに規準化処理を用いた非破壊的手法によって組織変化部の硬さ分布等の特徴量を測定することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本発明に係る測定装置1は、スキャナードライバー5,スキャナー6、探触子7により検査対象100を走査すると共に検査結果を処理する処理装置2と、超音波の送受信を行うパルサーレシーバー4と、検査結果を表示するモニター3とを備えている。水浸法の場合は水槽10に満たされた水W中に検査対象100と探触子7とが配置され、斜角法により探触子7から検査対象100表面へ超音波を送受信する。また、検査対象100が例えば棒状の鋼材である場合、その鋼材を回転させるモータ11と、その回転による位置情報を記録するエンコーダ12とにより、回転させながら超音波を送受信する。
図2に示すように、処理装置2は、大略、受信信号を記憶する信号記憶部21と、規準化処理を行う規準化処理部22と、走査を制御する制御部23と、特徴量を算出する特徴量算出部24とよりなる。信号記憶部21は、予め検査対象の基準部における基準波信号を記憶する基準波記憶部21aと、組織変化部における信号を記憶する受信信号記憶部21bよりなる。そして、記憶された基準波及び組織変化部における信号が規準化処理部22に出力され、後述の規準化処理が行われる。
制御部23はスキャナー6やモータ11等を制御すると共に、その走査の位置情報をスキャナードライバー5,エンコーダ12より取得している。そして、この位置情報と規準化処理を行った信号は特徴量算出部24に送られて信号処理され、例えば図13に示す如き硬さ分布グラフ等をモニター3に出力する。また、特徴量算出部24は、予め検査対象の材質、硬さ実測値、特性値等の基礎データが記録された基礎情報部25に記録されてある情報を参照して演算が行われる場合もある。ここで、特徴量とは、検査対象の所定硬さの深さ、所定深さの硬さ、硬さ分布等をいう。
ここで、後方散乱信号について説明する。検査対象物に超音波を入射させた場合、その検査対象物内部に存在する結晶粒、析出物、介在物、微小欠陥等の散乱体によって、入射した超音波の一部が反射、屈折する。この反射、屈折した超音波の信号が後方散乱信号となる。この後方散乱波は、その散乱体の結晶粒径、形状、寸法、量等の影響を受け、一般には、図3に示すように、散乱体の大きさや寸法が大きくなるに従い、後方散乱信号の強度が大きくなる傾向がある。
一方、この散乱体は、例えば浸炭処理や高周波焼入処理等の熱処理等によりその大きさ、形状等が変化し、その熱処理等を施していない基準部となる部分における散乱体とは相違する。よって、この後方散乱信号の強度及び変化を求めることにより、熱処理等により散乱体の大きさ等が変化した組織変化部を検査することができると考えられる。
そこで、発明者らは図4に示す如き試験体100を用いて、後方散乱信号の測定を行った。この試験体100は、その一部の表面近傍に浸炭処理により組織変化を生じさせた浸炭部102を形成してある。この浸炭部102の散乱体は、浸炭処理を施していない未処理部101の散乱体とその大きさ、形状等が異なる。なお、この試験体100において、浸炭処理を施していない未処理部101は基準部であり、浸炭処理を行った浸炭部102が組織変化部である。
この未処理部101に対して超音波を垂直に入射させて、後方散乱波を含む基準波を測定した結果を図5に示す。同図に示すように、未処理部101の表面からの信号Paと裏面からの信号Pbとの間に、未処理部101内部の散乱体の形状等は同一であるにも拘わらず、欠陥からの反射信号の如き後方散乱信号Pcが検出された。
しかし、この後方散乱信号Pcは試験体100の所定深さに超音波を集束させる探触子を用いたために生じた信号である。この探触子の特性によって、同じ大きさの散乱体で形成された未処理部101の基準波であっても、より強い超音波を入射させることで、それに応じた強度の大きい信号が検出されたと考えられる。
つまり、組織変化部が例え略均一な散乱体で形成されていたとしても、探触子の特性により後方散乱信号の強度は影響を受けるため、その後方散乱信号を直接用いて組織変化部を検査することは困難である。なお、上記の探触子の特性は一例に過ぎず、探触子の種々の特性が後方散乱強度に影響を与える。
次に、未処理部101及び浸炭部102のそれぞれに対して、上述の集束探触子を試験体100表面に対して傾斜させ、超音波を斜めに入射させて後方散乱信号を含む信号を測定した結果を図6に示す。
浸炭部102における信号P2は、未処理部101と比べ、浸炭処理によりその散乱体の形状等が変化しており、その影響は後方散乱信号にも含まれている。また、この後方散乱信号は、上述した探触子の特性の影響も受けている。そのため、図6に示す浸炭部102の信号P2における後方散乱信号の値を直接用いることはできない。一方、未処理部101の基準波信号P1にも、上述の探触子の特性の影響を受けた後方散乱信号が含まれている。しかし、未処理部101は浸炭処理が行われていない部分であり、この基準波信号P1には浸炭処理の影響が含まれていない。
そこで、浸炭部102の信号P2から未処理部101の基準波信号P1を除する規準化処理を行って後方散乱強度比を求める。この規準化処理により、後方散乱強度比の値は、浸炭処理に基づく信号変化だけを抽出した値となるので、上述の探触子の特性の影響が排除された情報を得ることができる。
図6に示した未処理部101の信号P1及び浸炭部102の信号P2について、上記の規準化処理を行い求めた規準化曲線を図7に示す。この規準化曲線において、図7に示すように、試験体100表面付近を除き、概ね値が1近傍の値となる。これは、試験体100の未処理部101a及び浸炭部102より深い部分である未処理部101bでは、ほぼ散乱体の大きさが同じであることを示している。すなわち、規準化曲線における表面信号の近傍の値が1より小さい範囲が未処理部101a及び未処理部101bに対し散乱体の大きさ等が小さいことを示し、本試験体において、この部分が浸炭部102であることを示している。よって、この規準化により求めた後方散乱強度比を用いることで正確に組織変化を捉えることが可能となる。
なお、上述の探触子の特性による影響の他、同一材質であっても、試験体の凹凸、曲率及び表面の粗さ等が後方散乱波に影響を与える因子となる。しかし、これらの因子についても、上述の規準化することにより、後方散乱波に影響を与える因子を排除して、組織変化の情報だけを抽出することができる。
そこで、この規準化処理を用いた組織変化部の所定硬さの深さ測定について説明する。
図7に示した規準化曲線を表す試験体100を切断し、研磨、エッチングした後、その試験体表面から種々の深さにおいて、硬度計を用いて硬さを測定した。その結果を図8に示す。同図において、例えばJISで有効硬化深さとして呼んでいる硬さの管理目安値(硬さHv550)を示す表面からの深さはdとなる。そして、実測した表面からの深さdについて、図7に示す規準化曲線から後方散乱強度比を求めると、その値はAとなった。
次に、様々な条件で浸炭処理を施した複数の試験体において、超音波を入射しその受信信号を規準化して規準化曲線を求め、その規準化曲線において上述の後方散乱強度比Aを示す表面からの深さ(UT硬化層推定深さ)を測定した。また、それらの試験体を切断、研磨、エッチングを行い、硬度計により硬さがHv550となる深さ(有効硬化深さ実測値)を実測した。そして、それらの関係を図9に示す。同図に示すように、UT硬化層推定深さの値と有効硬化深さ実測値を比較すると、これらの値は良好に一致を示している。
すなわち、規準化処理により求める後方散乱強度比の値Aは、ある一定の浸炭(組織変化)の状況を表しており、同じ材質に種々の条件で浸炭処理を行った場合には、上述した規準化を行うことにより浸炭(組織変化)という因子以外の影響を排除して、組織変化の状況を捉えることができる。例えば浸炭処理を施した試験体100において、図10に示す如く浸炭部102と母材部101bとでは組織の状態が異なり、試験体表面100aから組織が変化していることが分かる。この組織変化は上述の散乱体の大きさや形状等により生じる。そして、この組織変化の状況に応じて材質の硬さも異なり、組織の状況とその硬さとは相関関係を有する。そのため、同じ後方散乱強度比の値Aを示す一定の組織変化の状況における深さではそれに対応した硬さを示すといえる。よって、規準化処理を行うことにより、組織変化部の深さの影響を排除して、正確に組織変化部における特定の硬さの深さを測定することができる。
次に、図11〜13を参照しながら、所定深さの硬さ測定について説明する。
図11は、ある試験体において基準部となる浸炭処理を施していない未処理部での信号P3及び組織変化部となる浸炭処理を施した浸炭部での信号P4とを示すグラフであり、図12は浸炭部の信号P4を未処理部の信号P3で除して規準化を行った規準化曲線Q’を示す。
この試験体表面から種々の深さにおいて、硬度計を用いて硬さを測定した結果を図13に示す。同図において、横軸を表面からの深さとし、縦軸に所定深さにおける硬度及び所定深さにおける後方散乱強度比を用いた。同図に示すように、図12に示す規準化曲線Q’を反転させて重ね合わせた状態で、この規準化強度(後方散乱強度比)と硬度との間に相関関係があることが分かった。この相関関係によって、ある後方散乱強度比の値を示す特定深さにおいて、その硬さが試験体を切断することなく測定することができる。
また、試験体100が例えば棒状の鋼材等であれば、試験体100を上述のモータ11により回転させて相対的に探触子7を走査させて、受信した信号を規準化処理することで、所定硬さの分布を求めることも可能である。図14に硬さHv550における硬さ分布を示し、図15に同一試験体の断面マクロ組織写真を示す。これらを比較すると、硬さ分布曲線hと浸炭部の境界位置がほぼ一致しており、連続的に同じ硬さの位置を測定することができ、硬さムラ等の検出が容易となる。なお、硬さはHv550に限られるものではなく、任意の硬さについて同様に硬さ分布を測定することができる。また、複数の硬さについて行うことで、硬さ分布曲線hを等高線の如く表示させることもできる。また、棒状体に限られず、ライン走査であっても同様に硬さ分布を求めることは可能である。
ライン走査を行いBスキャン画像で表示することにより、可視化が可能となる。図16は高周波焼入れを行った歯車の歯側に対して上述の規準化処理を行った受信信号による断面のBスキャン画像である。同図に示すように、焼き入れの境界面を明瞭に検出している。なお、ある断面の複数信号を平均化したBスキャン画像を表示するようにしてもよい。検査対象に変化がないと思われる範囲の複数断面でBスキャン走査を行い、それらのデータの空間平均を行うことにより、さらにS/Nの向上したデータが得られ、より明快となる。
最後に、本発明の他の実施形態について言及する。なお、上記実施形態と同様の部材には同符合を附してある。
図17は、斜角探傷のバリエーションを示す断面図であって、(a)はウォーターバッグ30を用いた局部水浸法、(b)はエンコーダー40により位置を検出可能な直接接触法、(c)は入射角を変更可能な探触子7を用いたフェーズドアレイ法をそれぞれ示す。これらの斜角法においても上述と同様に特徴量の測定を行うことができる。斜角法を用いることで、表面エコーの影響を低減することができ、より測定結果が明瞭とすることができる。なお、斜角法に限らず、例えば表面エコーの影響の小さい焼き入れ層が深い検査対象においては、試験対象に対し垂直に超音波を入射させても構わない。また、同図(a)に示す局部水浸法においては、ウォーターバッグ30内に設けたスキャナー6により探触子7を走査させても構わない。
画像化するには、組織変化部の両側から検査を行ったり、探触子7の屈折角を大きくしてもよい。また、試験体100が薄板の場合は複数回超音波を反射させても構わない。さらに、溶接の溶込み不良部の検出を行うことも可能である。
また、表面粗さや熱処理等の組織変化状況の条件の異なる同一材料の検査対象において、各試験体において規準化処理を後方散乱強度比を予め求め、これらの後方散乱強度比からマスターカーブを作成する。このマスターカーブを用いることで、算出する特徴量を推定でき、測定精度を向上させることができる。
なお、「組織変化部において受信した信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求め、」とは、実際に基準波で除する場合の他、1を基準波で除した係数等を乗ずる場合も含むものとする。
本発明は、浸炭処理や高周波焼入れ等の熱処理による組織変化を検出すると共に、その組織変化部における所定硬さの部位の深さ及び所定深さの部位の硬さを測定する測定方法及び測定装置として利用することができる。また、この熱処理は上述の浸炭処理や高周波焼入れに限らず、窒化処理、脱炭処理等の検査対象内における散乱体に影響を与える処理であれば同様に測定可能である。さらに、検査対象は金属材料の他、同様に後方散乱波を発生し得るあらゆる材料について適用可能である。
本発明に係る検査装置を示す概略図である。 処理装置のブロック図である。 結晶粒径と後方散乱強度の関係を示すグラフである。 試験体の概略図である。 未処理部に超音波を垂直入射した場合の信号の一例を示すグラフである。 超音波を斜角入射した場合の信号の一例を示すグラフである。 規準化曲線の一例を示すグラフである。 硬さの実測値と深さの関係を示すグラフである。 有効硬化層深さとUT硬化層推定深さとの関係を示すグラフである。 浸炭処理した鋼材の断面マクロ組織の一部拡大写真である。 超音波を斜角入射した場合の後方散乱信号の他の例を示すグラフである。 規準化曲線の他の例を示すグラフである。 所定深さにおける硬さと後方散乱強度比との関係を示すグラフである。 Hv550における硬さ分布の一例を示すグラフである。 浸炭処理した鋼材の断面マクロ組織の一例を示す写真である。 高周波焼き入れの歯車におけるBスキャン画像である。 斜角探傷のバリエーションを示す断面図であって,(a)は局部水浸法、(b)は直接接触法、(c)はフェーズドアレイ法をそれぞれ示す。
符号の説明
1:測定装置、2:処理装置、3:モニター、4:パルサーレシーバー、5:スキャナードライバー、6:スキャナー、7:探触子、10:水槽、11:モータ、12:エンコーダ、21:信号記憶部、21a:基準波記憶部、21b:受信信号記憶部、22:規準化処理部、23:制御部、24:特徴量算出部、25:基礎情報部、30:ウォーターバッグ、40:エンコーダ、100:試験体(検査対象)、101,101a,b:未処理部(基準部)、102:浸炭部(組織変化部)、Q:後方散乱強度比、d:深さ、h:硬さ分布曲線、P:超音波、Pa:表面信号、Pb:底面信号、Pc:後方散乱信号、P1,P3:基準部受信信号(基準波)、P2,P4:組織変化部受信信号、Q,Q’:規準化曲線、W:水

Claims (8)

  1. 検査対象に探触子から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象における組織変化部の特徴量を測定する超音波による組織変化部の特徴量測定方法であって、
    あらかじめ基準部において後方散乱波を含む基準波を受信し、組織変化部において受信した信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求め、所定の硬さに対応する所定の後方散乱強度比の深さを測定することにより前記組織変化部における所定硬さの部位の深さを求めることを特徴とする超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  2. 検査対象に探触子から超音波を送信すると共に後方散乱波を受信することにより検査対象における組織変化部の特徴量を測定する超音波による組織変化部の特徴量測定方法であって、
    あらかじめ基準部において後方散乱波を含む基準波を受信し、組織変化部において受信した信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求め、所定の深さにおける後方散乱強度比を測定することにより前記組織変化部における所定深さの部位の硬さを求めることを特徴とする超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  3. 前記組織変化部を走査すると共に前記規準化処理を行い、各走査位置における前記深さを測定し前記所定硬さの分布を求めることを特徴とする請求項1記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  4. 前記組織変化部が浸炭処理、焼き入れ、高周波焼き入れ、窒化処理、脱炭処理等の表面処理が行われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  5. 斜角法を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  6. 前記規準化処理が行われた信号によりある断面のBスコープ画像を表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  7. 複数断面の前記Bスコープ画像を平均化した断面画像を表示することを特徴とする請求項6に記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法。
  8. 請求項1又は2に記載の超音波による組織変化部の特徴量測定方法に用いる特徴量測定装置であって、
    検査対象に超音波を送信すると共に後方散乱波を受信する探触子を設け、あらかじめ基準部において前記探触子から超音波を送受信する後方散乱波を含む基準波を記憶する基準波記憶部と、組織変化部において受信した信号を記憶する受信信号記憶部と、前記信号を前記基準波で除して規準化処理を行うことにより後方散乱強度比を求める規準化処理部と、所定の後方散乱強度比により前記組織変化部における特徴量を算出する特徴量算出部とを備えたことを特徴とする特徴量測定装置。
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