JP2017106786A - 可搬式高調波非破壊検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】石油化学プラント等で発生する水素侵食による微小な粒界割れ等の欠陥を非破壊的に検出・評価できる可搬式高調波非破壊検査装置を提供する。
【構成】大振幅正弦波発生部、超音波探触子、走査機構、ハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタなどを備えた超音波非破壊検査装置において、大振幅正弦波発生部からのバースト波により送信超音波探触子を励起し、可搬型水槽又は液体から成る液体柱を介して被検査対象に送信し、超音波探触子により被検査対象側で散乱等された高調波を含む波を受信し、その信号をハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを介して波形記録手段に収録し、前記収録波形をデジタル波形解析により処理し、0.1mm台のマイクロクラック又は連結したボイドを非破壊的に検出、評価する。
【選択図】 図2
【構成】大振幅正弦波発生部、超音波探触子、走査機構、ハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタなどを備えた超音波非破壊検査装置において、大振幅正弦波発生部からのバースト波により送信超音波探触子を励起し、可搬型水槽又は液体から成る液体柱を介して被検査対象に送信し、超音波探触子により被検査対象側で散乱等された高調波を含む波を受信し、その信号をハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタを介して波形記録手段に収録し、前記収録波形をデジタル波形解析により処理し、0.1mm台のマイクロクラック又は連結したボイドを非破壊的に検出、評価する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、可搬式大振幅バースト波発生器を用いて焦点型探触子により集束させた超音波バースト波を材料内に入射し、材料内部の、例えば水素侵食により発生した0.1mm台の粒界マイクロクラック及び連結したボイドなどの微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥により散乱されることにより発生する高調波を検出、抽出し、この高調波により前記欠陥等を非破壊的に検査する可搬式高調波非破壊検査装置に関する。なお本発明は、水素侵食以外の材料内介在物、不完全接合部、初期疲労き裂、溶接溶け込み部の深さ評価等の検査のためにも利用することができる。
材料内部に存在する微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を非破壊的に検出・評価することは構造物・各種製品の信頼性を確保するために不可欠である。従来から、体積を持つ空洞、開口き裂などの欠陥を含む材料に対して超音波(微小振幅スパイク波)を入射し、音響インピーダンス差により発生する欠陥からの反射波強度、背面散乱波強度などを測定することにより、前記材料内部の介在物、損傷、欠陥、劣化などを非破壊的に検査することが行なわれてきた。こうした超音波探傷技術は「超音波探傷法」に関する出版物(例えば非特許文献1)に記載されている。非特許文献1の第2頁の図1・1に記載されているように、従来の超音波探傷法においては、開口き裂やボイドのように体積を持つ欠陥からの反射波強度と受信時間から欠陥の大きさと位置を評価していた。
日本学術振興会製鋼第19委員会編、超音波探傷法 改訂新版(日刊工業新聞社、1974年発行)P2、P173〜176
R/D Tech、 Introduction to Phased Array Ultrasonic Technology Applications、 R/D Tech、 2004、 P11.
しかし、前述のような従来の超音波探傷法では、互いに部分的に接触しているき裂面、微小な介在物、溶接部と未溶解部の境界などのような、音響インピーダンス差が小さく入射超音波が部分的に透過する部分に存在している微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を検出することは極めて困難であった。
そこで、従来の超音波探傷法のように微小振幅スパイク波の超音波を入射することに代えて、大振幅縦波の超音波を入射して不完全接合面において発生する高調波を検出しこの検出した高調波により前記欠陥等を検査する方法が特許文献1で提案されている。しかし、この方法は、非焦点型超音波探触子を検査対象物に直接に接触させて超音波バースト波を検査対象物に入射させる方式であるため、空間分解能が数mm程度と低く、また超音波探触子を検査対象物に対し走査して内部欠陥又は微視組織を可視化することができないという問題点があった。
次に、前述のような特許文献1の方法に関する問題点を解決するため、測定室内に設置された水層内に検査対象物の全体を水没させ、水浸焦点型超音波探触子を用い、水中から斜角入射されたバースト波が固体との界面でモード変換した横波が前記固体中の欠陥等で散乱されることにより発生する高調波をハイパスフィルタを用いて抽出し、この高調波を利用して微小な閉口き裂や介在物を検出し画像化する方法が特許文献2で提案されている。
ここで、特許文献2が提案している高調波を利用した材料評価方法の測定原理を、特許文献2から一部引用して次に説明する。大振幅の超音波を入射したとき、固体内部で励起される高周波振動応力により、微視構造界面、介在物、微視き裂界面などの応力ひずみ関係が直線でない領域では繰返し打撃あるいは繰返しせん断により、入射周波数の整数倍の高調波成分が励起されることが知られている。応力ひずみ曲線の傾き(ヤング率)が引張相に比べて圧縮相で大きいとき、正弦波を入射しても1周期内で圧縮相の伝搬速度が引張相の速度より大きくなり、受信波形がひずみ、周波数領域では入射波周波数の整数倍の周波数を持つ高調波が表れる。
図11(A)の上段に示すように、材料内部に入射波振幅と同程度の開口の微小き裂が存在するとき、き裂部と健全部を含めた応力ひずみ関係は図11(A)の下段のようになり、高調波が発生する。即ち、図11(A)において、固体材料内に入射波振幅Aと同程度の隙間δを持つ平面き裂が部分的に存在し、それを検出するため、縦波平面波を入射したとき、き裂のない健全部の応力ひずみ関係は(1)になり、入射波振幅よりかなり小さな隙間を持つき裂では、(2)及び(3)のように、圧縮波によりき裂面が接触した後圧縮応力だけがき裂面を通して伝わる。隙間が入射波振幅より大きい場合には、(4)に示すように、き裂面を応力は伝わらない。(1)〜(4)の存在割合を考慮して重ね合わせた応力ひずみ曲線は、図11(B)に示すように、圧縮側より引張り側の傾きが小さい曲線aとなる。この結果、圧縮相の縦波超音波伝搬速度が引張相より大きくなり、正弦波を入射しても図11(C)の実線で示す透過波波形のように1周期内でひずんだ波形となる。この波形のフーリエ変換により、図11(D)に示すように、入射周波数の整数倍の高調波が発生する。
斜角入射縦波がモード変換した横波を用いる時には、図11(E)に示すように、材料内部の微視き裂面bに高周波の垂直及びせん断応力が作用する。即ち、モード変換横波のバースト波により半周期ごとにせん断応力の向きが、図11(E)の実線と破線のように変化する。これにより材料内部に存在する微視き裂面bには、図11(E)の実線のように右斜め上方の面に作用するせん断応力で右向きにずれるとき垂直応力が圧縮である圧縮応力が、破線で示すように左にずれるとき垂直応力が引張りである引張応力が作用する。圧縮応力により摩擦力が発生するため、実線の向きのせん断変形抵抗は破線の向きのそれより大きくなる。これにより図11(B)と同様な非線形せん断応力ひずみ曲線となり、横波速度が後者より1周期内で速くなり、横波高調波が励起される。
次に、図12は、特許文献2で開示されている、水浸反射法による集束型超音波探触子からの斜角入射によるモード変換横波を用いた超音波材料評価装置を示す概略構成図である。この超音波材料評価装置においては、図12に示すように、同期走査部により、試験片(固体試験体)に対し集束型超音波探触子を相対的に移動させる走査機構の駆動と同期して、信号発生器から一定間隔で一定繰返数のバースト波電気信号を発生させ、それを高出力アンプで増幅し、超音波探触子に送り、超音波探触子で前記電気信号を超音波波動に変換する。発生した超音波は水中及び材料中で集束され、試験片内の検査対象点に達する。その点が所定の非線形応力ひずみ曲線(図11(B)参照)で表される特性を持つとき、高調波が励起される。この高調波が超音波バースト波の送信経路と同一の経路を逆向きに通って超音波探触子で受信され電気信号に変換される。この電気信号を特定周波数の高調波を抽出するバンドパス用又はハイパス用のフィルター及び受信信号増幅器を介して波形記憶部(波形記憶手段)にデジタル収録する。収録波形に対して最大振幅、波形立ち上がり時間、包絡線などの特性量をデジタル波形処理部(波形処理手段)で求め、その結果を、画像化部(画像化処理部及び表示手段)で、グレイスケール階調あるいはカラー色調による2次元画像として表示する。上記の同期走査部、波形記憶部、波形処理部、画像化部は、コンピュータにより構成されている。
しかしながら、前述のような特許文献2が提案している超音波材料評価装置については、図12に示すように試験片及び超音波探触子の全体を水槽中に水没される全水没法を採用しているため、石油化学プラントなどの実配管などに適用することは、実際上、不可能であるという問題があった。また、特許文献2が提案している方法においては、バースト波発生器で作成した信号を高出力アンプで増幅する方法を用いているが、このバースト波発生器の容積は約0.5m×0.5m×0.3mと大きいため、石油化学プラントの現場への持ち込は実際上困難であるという問題もあった。
本発明は、上記の従来技術における問題点に着目して為されたものであって、石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、被検査対象である固体材料の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができる可搬型高調波非破壊検査装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明による可搬型高調波非破壊検査装置は、大振幅正弦波バースト波を発生させる、可搬型のバースト波発生器と、前記バースト波発生器によって発生された電気信号を超音波バースト波として検査対象物に対し斜め入射されるように送信する、超音波探触子を含む可搬型の超音波バースト波送信部と、前記超音波バースト波が前記斜め入射によりモード変換した横波が検査対象物の内部に存在する微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥に散乱されることにより発生する高調波を含む波を受信する、超音波探触子を含む可搬型の高調波等受信部と、内部に前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部の少なくとも一部が収容又は挿入可能で且つ底面が検査対象物表面に当接可能であり、前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で超音波を送受信できるように液体が収容されている可搬型容器と、前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部を検査対象物に対して相対的に移動させる可搬型の走査機構と、前記走査機構の駆動と前記バースト波発生器によるバースト波の発生とを同期させる同期制御手段とを備えたものである。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置は、大振幅正弦波バースト波を発生させる、可搬型のバースト波発生器と、前記バースト波発生器によって発生された電気信号を超音波バースト波として検査対象物に対し斜め入射されるように送信する、超音波探触子を含む可搬型の超音波バースト波送信部と、前記超音波バースト波が前記斜め入射によりモード変換した横波が検査対象物の内部に存在する微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥に散乱されることにより発生する高調波を含む波を受信する、超音波探触子を含む可搬型の高調波等受信部と、前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部の近傍から検査対象物表面へ流れる液体から成る液体柱であって前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で超音波を送受信できる液体柱を形成する可搬型の液体柱形成部と、前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部を検査対象物に対して相対的に移動させる可搬型の走査機構と、前記走査機構の駆動と前記バースト波発生器によるバースト波の発生とを同期させる同期制御手段とを備えたものである。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置においては、前記液体柱形成部は、前記バースト波照射部及び高調波等受信部側と検査対象物側とを繋ぐ円筒状容器であって少なくとも検査対象物側が開口された円筒状容器と、前記円筒状容器内に前記バースト波照射部及び高調波等受信部の近傍から液体を供給する液体供給部とを備えるものであってもよい。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置においては、前記液体柱形成部の円筒状容器の検査対象物側には、検査対象物側の開口部の外周縁部から外側方向で且つ検査対象物の方向に延びる可とう性素材から成るリング状部分が備えられていてもよい。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置は、前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部を収容又は搭載する可搬型筐体であって、検査対象物の表面に接触可能な磁力を有する車輪が備えられた可搬型筐体を含むものであってもよい。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置においては、前記可搬型容器は、被検査対象であるプラント配管の検査領域上に配置される水槽であってもよい。
また、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置においては、前記送信超音波探触子は、平面、円筒凸面、円筒凹面、又は曲面を有する固体試験体表面で屈折して当該固体試験体内の所定の位置で焦点を結ぶ超音波を送信する、単一素子から成る焦点型送信超音波探触子であってもよい。
さらに、本発明による可搬式高調波非破壊検査装置は、可搬式小型共振型大振幅正弦波バースト波発生器と、該バースト波発生器によって発生させた電気信号を超音波として材料内に入射する焦点型送信超音波探触子と、該焦点型送信超音波探触子を固体試験体に対して相対的に移動させる可搬式走査機構と、前記バースト波発生器で発生される信号に同期して前記走査機構を駆動する同期操作部と、前記焦点型送信超音波探触子で発生させた超音波を液体又は樹脂製楔を通して斜め入射したとき励起されるモード変換あるいは横波を固体試験体内部に伝搬させたとき、水素侵食による合体した粒界割れで散乱された前記モード変換横波を受信する焦点型受信超音波探触子と、該焦点型受信超音波探触子で受信した前記モード変換横波の波形から高調波を抽出するためのハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタと、該ハイパスフィルタあるいはバンドパスフィルタで抽出された高調波を増幅する増幅器と、該増幅器で増幅した波形を記憶する波形記憶手段と、該波形記憶手段で記憶した波形をデジタル処理する波形処理手段と、該波形処理手段で処理されたデジタル波形に基づき最大振幅、振幅スペクトルなどの超音波特性を演算し且つその演算された超音波特性を画像処理する画像化処理手段と、該画像化処理手段で処理された画像を表示する表示手段と、前記走査機構の駆動と前記バースト波発生器の信号を同期させる同期走査手段を備えたコンピュータとからなることを特徴とするものである。また前記走査機構は、石油化学プラント配管の検査領域を覆う部分的水槽に搭載する方式、あるいは部分的水槽を設けずに探触子先端周囲から水を流して超音波を送受信する水柱方式を採用するようにしてもよい。
本発明においては、前述のように、超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で前記超音波バースト波と前記検査対象物内で微小な欠陥等により散乱されることにより発生する高調波を含む波とを送受信できる水などの液体を収容する可搬型容器を備え、前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部を前記可搬型容器内で検査対象物に対して相対的に移動・走査できるようにしたので、例えば石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、被検査対象である固体材料の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を、高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができるようになる(特に非破壊的に画像化等して前記マイクロクラック及び連結したボイドなどの寸法等を評価することができるようになる)。
また、本発明においては、前述のように、超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で前記超音波バースト波と前記検査対象物内で微小な欠陥等により散乱されることにより発生する高調波を含む波とを送受信できる液体柱(水などの流体から成る液体柱)を形成する可搬型の液体柱形成部を備え、この液体柱形成部を前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と共に検査対象物に対して相対的に移動・走査できるようにしたので、例えば石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、被検査対象である固体材料の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を、高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができるようになる(特に非破壊的に画像化等して前記マイクロクラック及び連結したボイドなどの寸法等を評価することができるようになる)。
また、本発明において、前記液体柱形成部を、前記バースト波照射部及び高調波等受信部側と検査対象物側とを繋ぐ円筒状容器と前記円筒状容器内に前記バースト波照射部及び高調波等受信部の近傍から液体を供給する液体供給部とから構成したときは、液体柱形成部を低コストで構成できるようになる。
また、本発明において、前記液体柱形成部の円筒状容器の対象物側に、検査対象物側の開口部の外周縁部から外側方向で且つ検査対象物の方向に延びる可とう性素材から成るリング状部分(略吸盤状の部分)を備えるようにしたときは、前記液体供給部から供給される液体が前記円筒状容器の底部(開口部)と検査対象物との間の隙間から流れ落ちる速度を低減させることができるので、前記液体柱形成部の使い勝手を大幅に向上させることができる。
また、本発明において、前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部を可搬型筐体に収容又は搭載し、前記可搬型筐体に検査対象物の表面に接触可能な磁力を有する車輪を備えるようにしたときは、前記磁力を有する車輪により前記筐体を検査対象物表面に対して安定的に移動させることができるので、前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部の検査対象物に対する走査を安定的に行えるようになる。
また、本発明において、前記可搬式大振幅バースト波発生器の容積は例えば約0.2m×0.1m×0.1mと小型であるため、例えば石油化学プラントの狭い現場などにおいても、配管の水素侵食による例えば0.1mm台のマイクロクラック及び連結したボイドなどを高調波非破壊検査により検出することができる。すなわち、本発明による高調波非破壊検査装置では、例えば、超音波バースト波が検査対象物に斜め入射してモード変換された横波が材料中を伝搬してその内部の水素侵食により発生したマイクロクラックなどで散乱されて発生する高調波振幅を検知することによりマイクロクラックなどを検出し、検査対象物表面あるいは裏面からの反射波とマイクロクラックなどからの散乱波との時間差を画像化することによりそれらの存在位置を同定することができる。また例えばハイパスフィルタを用いて高調波を抽出する際には、ハイパスフィルタの遮断周波数以下の高周波電磁ノイズが大幅に削減されるので、受信されるマイクロクラックなどからの散乱波のSN比を向上させることができる。さらに横波を利用するようにしたときは、横波波長が縦波波長の約半分であるため、縦波より高い空間分解能が得られる。
また、本発明において、超音波バースト波を送信するために、平面、円筒凸面、円筒凹面、あるいは予め定義された曲面である検査対象物(固体試験体)表面で屈折して材料内の所定の位置で焦点を結ぶ超音波を照射する単一素子型の焦点型送信超音波探触子を使用するときは、検査対象物表面の形状に対応して所望の位置に超音波ビームを集束させる1個の圧電集束探触子を使用するこにより微小なマイクロクラックなどを検出・画像化することが可能になる。
また、本発明において、走査機構を石油化学プラント配管などの検査領域を覆う可搬型の小型水槽に収容又は搭載する方式を使用するときは、可搬型の小型水槽を設置できる配管箇所では前記走査機構により前記水槽内で超音波探触子を走査できるので、検査不可能領域を大幅に減少させることができる。また、本発明において、超音波探触子の先端部の近傍(周囲)から水その他の液体を検査対象物の方向に流し上記液体(流体)から成る液体柱中で超音波を送信又は受信するようにし且つ前記液体柱を走査させる液体柱走査方式(例えば水柱走査方式)を使用するときは、前述のような可搬型の小型水槽を設置できない配管箇所でも、前記液体柱走査方式(例えば水柱走査方式)を用いて前記高調波を発生、検出することができるので、検査不可能領域を更に大幅に減少させることができる。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施形態1における測定原理、及び本実施形態1に係る高調波非破壊検査装置の構成及び動作などを説明する。
[測定原理]
非特許文献1に記載されているように、通常の超音波探傷法は、微小振幅のスパイク波を検査対象物に入射し、音響インピーダンス差を持つ界面で励起される反射波を検出し、欠陥の大きさと深さを推定する。鉄鋼内部の長さ約1mmを越える開口き裂部については、音響インピーダンス差が大きいため、その検出は容易である。しかし、閉口き裂面については、微細な部分接触部を伴うので、音響インピーダンス差が小さいため、その検出は困難である.
以下、本発明の実施形態1における測定原理、及び本実施形態1に係る高調波非破壊検査装置の構成及び動作などを説明する。
[測定原理]
非特許文献1に記載されているように、通常の超音波探傷法は、微小振幅のスパイク波を検査対象物に入射し、音響インピーダンス差を持つ界面で励起される反射波を検出し、欠陥の大きさと深さを推定する。鉄鋼内部の長さ約1mmを越える開口き裂部については、音響インピーダンス差が大きいため、その検出は容易である。しかし、閉口き裂面については、微細な部分接触部を伴うので、音響インピーダンス差が小さいため、その検出は困難である.
これに対し、図1に示すように、大振幅正弦波バースト波を閉口き裂面に入射すると、引張相の超音波は閉口き裂面をほとんど透過できないが、圧縮相の超音波はそこを透過するので、正弦波からの波形のゆがみが発生し、周波数域では高調波として表示される。そのため、適切な遮断周波数を持つハイパスフィルタあるいは適切な透過帯域のバンドパスフィルタを用いることにより、有用な高調波成分を抽出し、その振幅を用いて、閉口き裂部を検出することができる。
[装置]
次に、上記の測定原理を応用した本発明の実施形態1による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態1では、図2に示すように、検査対象である金属製の配管1の表面に当接・載置される可搬型の小型水槽2に超音波探触子3(送信超音波探触子と受信超音波探触子とを兼ねる)を走査させる可搬型の走査機構4が搭載され、前記小型水槽2中の水を媒介として、前記小型水槽2中の水中に水没された1個の超音波探触子3と配管1との間で超音波の送信及び受信が行われることを特徴としている。
次に、上記の測定原理を応用した本発明の実施形態1による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態1では、図2に示すように、検査対象である金属製の配管1の表面に当接・載置される可搬型の小型水槽2に超音波探触子3(送信超音波探触子と受信超音波探触子とを兼ねる)を走査させる可搬型の走査機構4が搭載され、前記小型水槽2中の水を媒介として、前記小型水槽2中の水中に水没された1個の超音波探触子3と配管1との間で超音波の送信及び受信が行われることを特徴としている。
石油化学プラント配管1(検査対象物)の検査対象領域に小型水槽2を置き、送信超音波探触子3を機械的に移動させる走査機構4を制御する同期走査部5からのトリガ信号に同期して、可搬型で共振型の大振幅バースト波発生器6から一定間隔でバースト波を送信超音波探触子3に送り、電気信号を超音波波動に変換する。これにより発生した超音波は小型水槽2中の水中及び配管1の材料中で集束され、検査対象領域(水素侵食域)1aに達する。この点が図1に示すような閉口き裂であるときは前述の理由により高調波が励起される。この高調波散乱波が送信経路と同一の経路を逆向きに通って受信超音波探触子3で受信され電気信号に変換される。この信号を、規定された周波数以上の高調波だけを透過させるハイパスフィルタ7あるいは特定周波数帯域に含まれる高調波だけを抽出するバンドパスフィルタを介して受信信号増幅器8で増幅し、波形記録部9にデジタル収録する。収録された波形に対して最大振幅、時間差などの特徴量を波形処理部10で計算し、その結果を画像化処理部11でグレイスケール階調あるいはカラー色調の画像に変換し、画像表示部(ディスプレイ)12で2次元画像として表示する。
なお、前記の同期走査部5、受信信号増幅部8、波形記録部9、波形処理部10、及び画像化処理部11などは、パソコン13などのコンピュータにより構成されている。
本実施形態1によれば、電気共振を利用して大振幅正弦波バースト波を励起する容積が約0.2m×0.1m×0.1mという小型で可搬型で且つ共振型の大振幅バースト波発生器6と、可搬型の小型水槽2とを使用するので、石油化学プラントなどの狭隘な配管1に関しても、水素侵食などについての非破壊検査を有効に行うことができる。
すなわち、本実施形態1においては、前述のように、前記大振幅正弦波バースト波と前記検査対象物内で微小な欠陥等により散乱等されることにより発生した高調波を含む波が、送信超音波探触子兼受信超音波探触子3と配管1との間で、前記小型水槽2内の水(液体)を介して送受信されるようにし、且つ前記小型水槽2内で超音波探触子3が走査機構4により前記大振幅正弦波バースト波の送信と同期して走査されるようにした。よって、本実施形態1によれば、石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、被検査対象である固体材料の検査領域の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を、高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができるようになる。
[実験結果1]
小型可搬型で共振型の大振幅バースト波発生器6による送信波形とその周波数スペクトルの一例を図3に示す。周波数7MHz、繰返数6のバースト波が送信され、周波数スペクトルには7MHzの成分だけが含まれることが分かる。図4は20MHzハイパスフィルタで透過された水素侵食部(図2の1a参照)からの散乱波波形とその周波数スペクトルを示す。図4から、入射周波数7MHzの3次高調波である21MHz成分が有意に大きいことが示される。
小型可搬型で共振型の大振幅バースト波発生器6による送信波形とその周波数スペクトルの一例を図3に示す。周波数7MHz、繰返数6のバースト波が送信され、周波数スペクトルには7MHzの成分だけが含まれることが分かる。図4は20MHzハイパスフィルタで透過された水素侵食部(図2の1a参照)からの散乱波波形とその周波数スペクトルを示す。図4から、入射周波数7MHzの3次高調波である21MHz成分が有意に大きいことが示される。
[実験結果2]
石油化学プラント配管の溶接部近傍の水素侵食部からの高調波の画像を図5に示す。左上が水平面内の平面図、左下が平面図中の赤横線に沿う正面断面図、右上が平面図中の赤縦線に沿う側面断面図を表し、右下の波形は赤縦線と横線の交点における受信波形を表す。上記の平面図では白枠内に、側面断面図では白破線枠内に大きな水素侵食部が表示されている。上記の側面断面図から、水素侵食が内面から肉厚の3分の1近辺で発生していることが確認される。
石油化学プラント配管の溶接部近傍の水素侵食部からの高調波の画像を図5に示す。左上が水平面内の平面図、左下が平面図中の赤横線に沿う正面断面図、右上が平面図中の赤縦線に沿う側面断面図を表し、右下の波形は赤縦線と横線の交点における受信波形を表す。上記の平面図では白枠内に、側面断面図では白破線枠内に大きな水素侵食部が表示されている。上記の側面断面図から、水素侵食が内面から肉厚の3分の1近辺で発生していることが確認される。
[実験結果3]
前述した図5で示す例と比較して、より微小な水素侵食部からの高調波の画像を、図6に示す。図6から、周方向幅約0.2mm、軸方向長さ約0.8mmの水素侵食が内面から肉厚の3分の1近辺で発生していることが確認される。
前述した図5で示す例と比較して、より微小な水素侵食部からの高調波の画像を、図6に示す。図6から、周方向幅約0.2mm、軸方向長さ約0.8mmの水素侵食が内面から肉厚の3分の1近辺で発生していることが確認される。
〔第2の実施形態〕
次に本発明の実施形態2による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態2は前記実施形態1と基本的構成は同一であるので、以下では異なる部分についてのみ説明する。
次に本発明の実施形態2による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態2は前記実施形態1と基本的構成は同一であるので、以下では異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態2では、超音波探触子(送信超音波探触子兼受信超音波探触子)3と配管1(前記実施形態1に関する図2参照)との間で前記大振幅正弦波バースト波と前記検査対象物内で微小な欠陥等により散乱等されることにより発生する高調波を含む波を送受信できるようにするために、前記実施形態1の可搬型の小型水槽2(図2参照)に代えて、図7に示すような水柱形成部を採用した点に特徴がある。
すなわち、図7において、21はその上方部分が円筒状で下方部分が図示下方に進むに従って徐々に直径が狭まって行く略テーパ状となるように形成された透明プラスチック製(又は透明ガラス製)の外筒である。前記外筒21の内部には前記超音波探触子3が配置されている(図7において3aは前記超音波探触子3に信号等を供給するケーブルである)。前記外筒21の上方及び下方は、共に開口部21a,21bとなっている。前記外筒21内には、システムの作動中、流水供給部(図示省略)から、上方の開口部21aを介して流水22が連続的に供給される。
前記外筒21は、その底面21cが検査対象物である配管1の表面に当接され、走査機構4(図2参照)により、その内部に配置された超音波探触子3と共に、配管1に対して所定のタイミングで摺動・走査される。また、前述のように超音波バースト波と高調波を含む波とが前記水柱を介して送受信され且つ前記外筒21が摺動・走査されている間、前記流水供給部から連続的に供給される水は、順次連続的に、前記外筒21の下方の開口部21bと配管1表面との間の隙間から漏出する。
次に図8(a)は、図7に示す外筒21を含む水中形成部を示す斜視図である。図8(a)において、24は前記外筒21内に流水を供給する流水供給部(外部からの水道水などを前記外筒21内に供給するパイプ)である。また、図8(b)は前述のような水柱形成部を含む本実施形態2の高調波利用型非破壊検査装置を示す斜視図である。
以上のように、本実施形態2においては、前述のように、前記超音波探触子3を収容した外筒21(水柱形成部の一要素)内に流水を連続的に供給して水柱を形成するようにし、超音波探触子3と配管1との間で、前記超音波バースト波と前記検査対象物内部で微小な欠陥等により散乱されることにより発生した高調波を含む波とが前記水柱を介して送受信されるようにし、且つ前記外筒21を前記超音波探触子3と共に配管1の表面上で摺動させて走査できるようにした。よって、本実施形態2によれば、例えば石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、配管1の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を、高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができるようになる。また、特に、本実施形態2によれば、前記実施形態1における可搬型小型水槽2を置くためのスペースが無いような狭い検査対象領域(配管1の一部領域)に関しても、前述のような水柱式の探触子走査方式を用いて検査することが可能になるので、検査不可能領域を更により少なくすることができる。
また、本実施形態2においては、前記外筒21を配管1側に近づくに連れて徐々に直径が狭くなる略テーパ状に形成したので、超音波探触子3から照射された超音波バースト波のビーム23(図7参照)を前記テーパ状の形状に沿って、配管1側に近づくに従って集束させることができるので、前記配管1内での微小な欠陥等を、より高精度に検査できるようになる。
〔第3の実施形態〕
次に本発明の実施形態3による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態3は前記実施形態2と基本的構成は同一であるので、以下では異なる部分についてのみ説明する。
次に本発明の実施形態3による高調波非破壊検査装置について説明する。本実施形態3は前記実施形態2と基本的構成は同一であるので、以下では異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態3では、超音波探触子(送信超音波探触子兼受信超音波探触子)3と配管1(前記実施形態1に関する図2参照)との間で前記大振幅正弦波バースト波と前記検査対象物内部で微小な欠陥等により散乱されることにより発生した高調波を含む波を送受信できるようにするために、図9に示すような水柱形成部を採用した点に特徴がある。
すなわち、図9において、31は略円筒状の外筒で、その上方と下方は共に開口部となっている。前記外筒31は、その内部に前記超音波探触子3が配置されている。前記外筒21内には、システムの作動中、その上方部分に接続された流水供給部32(外部からの水道水などを供給するパイプ)から流水22が連続的に供給される。
前記外筒31は、その底面が検査対象物である配管1の表面に当接されつつ、走査機構4(図2参照)により、その内部に配置された超音波探触子3と共に、配管1に対して、前記大振幅正弦波バースト波の送信と同期して、摺動・走査される。また、前述のように超音波バースト波と高調波を含む波とが前記外筒31内の水柱を介して送受信され且つ前記外筒21が摺動・走査されている間、前記流水供給部32から前記外筒31内に連続的に供給される水は、前記外筒31の下方底部の開口部と配管1表面との間の隙間から、順次連続的に漏出する。
また図9において、33は、前記外筒31の底部の開口部の外周縁部から外側方向で且つ検査対象物の方向に延びるように、例えばシリコンゴムなどの可とう性素材により形成されたリング状部分(吸盤状部分)である。前記リング状部分33は、前記流水供給部32から前記外筒31内に連続的に供給される水が前記外筒31の底部の開口部と配管1表面との間の隙間から漏出する速度及び量を低減するように機能する。
次に図10は前述のような水柱形成部を含む本実施形態3に係る装置の全体構成を説明するための斜視図である。図10の右側部分に示すように、本実施形態3では、水柱(ウォーターカラム)を形成するための外筒31、及び外筒31内に配置された超音波探触子3などが可搬型筐体35内に収容・配置されている。前記可搬型筐体35は、走査機構4(図2参照)により、外筒31及び超音波探触子3などと共に配管1表面上を移動、走査できるようになっている。
また、本実施形態3では、前記筐体35の下側に、マグネットタイヤを備えた4個の車輪(磁力を有する車輪)36が備えられている。前記の磁力を有する車輪36により、前記筐体35は、検査対象物である配管1の表面上を安定的に移動、走査できるようになっている。
以上のように、本実施形態3においては、前述のように、前記超音波探触子3を収容した外筒31(水柱形成部の一要素)内に流水を連続的に供給して水柱を形成しておき、超音波探触子3と配管1との間で、前記超音波バースト波と前記検査対象物内で微小な欠陥等により散乱等されることにより発生した高調波を含む波とが前記水柱を介して送受信され得るようにし、且つ前記外筒31と前記超音波探触子3とを、可搬型筐体35を移動させることにより配管1の表面上で移動、走査できるようにした。よって、本実施形態3によれば、例えば石油化学プラントなどの現場において、プラント配管の水素侵食によるマイクロクラック及び連結したボイドなどのような、配管1の内部に存在する微小な(例えば長さが1mm以下、特に0.2mm又は0.1mm以下の)介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥を、高調波を利用して非破壊的に検査又は評価することができるようになる。
また、特に、本実施形態3によれば、前記外筒31の検査対象物(配管1)側に、検査対象物側の開口部の外周縁部から外側方向で且つ検査対象物の方向に延びる可とう性素材から成るリング状部分33を備えるようにしたので、前記流水供給部32から外筒31内に連続的に供給される流水が前記外筒31の底部(開口部)と配管1との隙間から流れ落ちる速度及び量を低減させることができ、前記外筒31から成る水柱形成部の使い勝手をより向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記の各実施形態では、送信超音波探触子と受信超音波探触子とを単一の探触子として構成したが、本発明では、送信超音波探触子と受信超音波探触子とを別々の素子として構成するようにしてもよい。
1 配管
2 小型水槽
3 超音波探触子
4 走査機構
5 同期走査部
6 大振幅バースト波発生器
7 ハイパスフィルタ
8 受信信号増幅部
9 波形記録部
10 波形処理部
11 画像化処理部
13 パソコン
21,31 外筒
21a,21b 開口部
21c 底面
22 流水
23 超音波ビーム
32 流水供給部
33 リング状部分
35 可搬型筐体
36 磁力を有する車輪
2 小型水槽
3 超音波探触子
4 走査機構
5 同期走査部
6 大振幅バースト波発生器
7 ハイパスフィルタ
8 受信信号増幅部
9 波形記録部
10 波形処理部
11 画像化処理部
13 パソコン
21,31 外筒
21a,21b 開口部
21c 底面
22 流水
23 超音波ビーム
32 流水供給部
33 リング状部分
35 可搬型筐体
36 磁力を有する車輪
Claims (7)
- 大振幅正弦波バースト波を発生させる、可搬型のバースト波発生器と、
前記バースト波発生器によって発生された電気信号を超音波バースト波として検査対象物に対し斜め入射されるように送信する、超音波探触子を含む可搬型の超音波バースト波送信部と、
前記超音波バースト波が前記斜め入射によりモード変換した横波が検査対象物の内部に存在する微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥に散乱されることにより発生する高調波を含む波を受信する、超音波探触子を含む可搬型の高調波等受信部と、
内部に前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部の少なくとも一部が収容又は挿入可能で且つ底面が検査対象物表面に当接可能であり、前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で超音波を送受信できるように液体が収容されている可搬型容器と、
前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部を検査対象物に対して相対的に移動させる可搬型の走査機構と、
前記走査機構の駆動と前記バースト波発生器によるバースト波の発生とを同期させる同期制御手段と、
を備えることを特徴とする可搬式高調波非破壊検査装置。 - 大振幅正弦波バースト波を発生させる、可搬型のバースト波発生器と、
前記バースト波発生器によって発生された電気信号を超音波バースト波として検査対象物に対し斜め入射されるように送信する、超音波探触子を含む可搬型の超音波バースト波送信部と、
前記超音波バースト波が前記斜め入射によりモード変換した横波が検査対象物の内部に存在する微小な介在物、亀裂、損傷、劣化その他の欠陥に散乱されることにより発生する高調波を含む波を受信する、超音波探触子を含む可搬型の高調波等受信部と、
前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部の近傍から検査対象物表面へ流れる液体から成る液体柱であって前記超音波バースト波送信部及び高調波等受信部と検査対象物との間で超音波を送受信できる液体柱を形成する可搬型の液体柱形成部と、
前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部を検査対象物に対して相対的に移動させる可搬型の走査機構と、
前記走査機構の駆動と前記バースト波発生器によるバースト波の発生とを同期させる同期制御手段と、
を備えることを特徴とする可搬式高調波非破壊検査装置。 - 前記液体柱形成部は、前記バースト波照射部及び高調波等受信部側と検査対象物側とを繋ぐ円筒状容器であって少なくとも検査対象物側が開口されている円筒状容器と、前記円筒状容器内に前記バースト波照射部及び高調波等受信部の近傍から液体を供給する液体供給部とを備えるものである請求項2に記載の可搬式高調波非破壊検査装置。
- 前記液体柱形成部の円筒状容器の検査対象物側には、検査対象物側の開口部の外周縁部から外側方向で且つ検査対象物の方向に延びる可とう性素材から成るリング状部分が備えられている請求項3に記載の可搬式高調波非破壊検査装置。
- 前記超音波バースト波送信部、高調波等受信部及び液体柱形成部を収容又は搭載する可搬型筐体であって、検査対象物の表面に接触可能な磁力を有する車輪が備えられた可搬型筐体を含む、請求項2から4までのいずれかに記載の可搬式高調波非破壊検査装置。
- 前記可搬型容器は、被検査対象であるプラント配管の検査領域上に配置される水槽である請求項1に記載の可搬式高調波非破壊検査装置。
- 前記送信超音波探触子は、平面、円筒凸面、円筒凹面、又は曲面を有する固体試験体表面で屈折して当該固体試験体内の所定の位置で焦点を結ぶ超音波を送信する、単一素子から成る焦点型送信超音波探触子である請求項1から6までのいずれかに記載の可搬式高調波非破壊検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015239837A JP2017106786A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 可搬式高調波非破壊検査装置 |
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ID=59059570
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110575151A (zh) * | 2018-06-11 | 2019-12-17 | 当代汉云企业有限公司 | 脉诊测量装置及方法 |
-
2015
- 2015-12-09 JP JP2015239837A patent/JP2017106786A/ja active Pending
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CN110575151A (zh) * | 2018-06-11 | 2019-12-17 | 当代汉云企业有限公司 | 脉诊测量装置及方法 |
CN110575151B (zh) * | 2018-06-11 | 2022-11-22 | 当代汉云企业有限公司 | 脉诊测量装置及方法 |
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